新型コロナウイルスの感染が収束しないまま、本格的な冬がまもなく訪れます。これからの時期に心配な感染症の一つが、インフルエンザ。今年は特にどのような対策をとる必要があるのでしょうか。今回は、インフルエンザの対策や予防対策について、書籍 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』 からご紹介します。■インフルエンザの症状とは?インフルエンザは、年齢を問わず冬に大流行する呼吸器の感染症です。熱は4〜5日続くことが多く、合併症を引き起こすこともあって、重症化しやすいのが特徴。子どもの場合は、いったん解熱した後、数日後に再び発熱することもありますが、ほとんどはその後自然に解熱します。インフルエンザの主な症状には、発熱やだるさ、喉の痛みや頭痛があります。さらに、腹痛やおう吐などの症状が出る場合もあります。■インフルエンザによる合併症インフルエンザは、脳炎や脳症、気管支炎や肺炎など の合併症を引き起こすことがあります。日本では、小児の脳炎の原因としてインフルエンザが最多であり、毎年200〜500人が発症 しています。脳炎は、発熱してから2日以内に起こりやすく、治療しても死亡や後遺症を残してしまう場合があります。また、インフルエンザは、時に異常行動を引き起こすこともあるため、家の中では子どものそばで注意深く見守りましょう。■インフルエンザのおうちケアもし子どもがインフルエンザにかかってしまったら、おうちで下記のようなケアをしてあげましょう。【インフルエンザのおうちケア】1、自宅で水分をしっかりとって安静にする2、抗インフルエンザ薬(タミフルなど)を内服後はおう吐や下痢などの副作用に注意する3、インフルエンザの合併症で、異常行動を起こすこともあるので、注意して見守るインフルエンザは、自然経過で治ることがほとんどなので、安静にすることが一番の治療です。タミフルなどの抗インフルエンザ薬は、発熱後48時間以内に飲めば、1〜2日早く熱を下げる効果がありますが、重症化や脳症を予防できるわけではないとも言われています。内服後は、おう吐や下痢などの副作用にも注意が必要です。■予防接種の効果は?インフルエンザの予防法としては、予防接種があります。予防接種をすることで、病気に対する免疫(抗体)を獲得できます。インフルエンザにかかりにくくなることで、結果的に肺炎や脳症などの合併症の予防効果が期待できます。赤ちゃんは生後6ヶ月以降で接種できるようになり、13歳未満は原則2回接種が必要です。接種後は、2週目から5ヶ月程度効果があります。■【インフルエンザ】教えてドクターQ&A最後に、「教えて!ドクタープロジェクト」にインフルエンザにまつわる悩みにお答えいただきました!――毎年どうしても家族感染してしまいます。防ぐ方法はありませんか?インフルエンザの流行の中心は子どもです。子どもも大人も、できるだけインフルエンザワクチンを接種することが大事です。インフルエンザワクチン接種の有効率は46%とされています(*)。これは、例えばワクチンを打たなければ100人発生した患者数が、ワクチンを打てば54人で済むということです。ゼロにはなりませんが非常に有効なことがわかると思います。なお、ワクチンは、生後6ヶ月から効果があるとされています。また、卵アレルギーがあってもインフルエンザワクチンの接種は可能ですよ。――なるほど、予防接種の重要性がよくわかりますね。それ以外の予防法はありますか?ワクチン以外の予防としては、手洗いと外出時のマスク、すなわち新型コロナ対策はそのままインフルエンザ予防策になります。手洗いは、石けんをつけて20秒かけて、親指やてくび、手のひらなどすみずみまでしっかりと洗うことが大切です。そして洗った後はしっかりと乾かして、夜寝る前にはクリームなどで保湿してくださいね。――インフルエンザと風邪、新型コロナウィルスについて、親が見分けられるでしょうか?医者であっても見分けるのは難しいです。インフルエンザは急激な発熱を伴います。普通の風邪程度では、小中学生にもなるとあまり高熱を出すことはありませんので、風邪との区別はつきやすいかもしれません。ただ、新型コロナウイルス感染症の場合、発熱することもありますので、見分けることは難しいです。今年はインフルエンザの発熱でも、最初は「新型コロナかもしれない」と慌てることがあるかもしれません。だからこそ今年はよりインフルエンザにかかるリスクを減らして、発熱リスクを下げておくことが大切なのですね。※本連載で紹介する情報は、2020年11月時点のものです。(*)PLoS One.2015;10(8):e0136539. 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』 (佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチーム/KADOKAWA ¥1,430)赤ちゃん・子どもの病気、ケガ、事故…突然の「どうしよう」この1冊があれば安心!病院に行く? 行かない? こういう時は様子を見ても大丈夫など、子どもの体の心配ごと、 マンガと解説でわかります。突然起こる子どもの病気、ケガで不安になるときに、親が慌てずに対処するための常備本。●「教えて!ドクタープロジェクトチーム」とは?長野県佐久医師会・佐久市による、子どもの病気、ホームケア、地域の子育て支援情報などを発信するプロジェクトチーム。地域の子育て力向上事業としてだけでなく、SNS発信により「医師による確実な情報」を、リアルタイムで全国に発信している。公式HP: 教えて!ドクタープロジェクトチーム
2020年12月01日新型コロナとインフルエンザの同時流行が懸念されている今年の冬は、例年以上にインフルエンザの感染予防が重要になってきます。今回は今シーズンのインフルエンザ予防に関してお話しします。 今年は新型コロナとインフルエンザの同時流行のおそれあり新型コロナとインフルエンザ感染症は、どちらも呼吸器感染症です。症状の程度には個人差がありますが、発熱・咳・息切れまたは呼吸困難・頭痛など似たような症状が出るため、症状だけでは鑑別が難しいとされています。 そのため、これから流行の時期を迎えるインフルエンザと、新型コロナの同時流行に対する警戒感が医療現場でも高まっており、感染対策の強化と検査等の医療体制の備えが進められています。 妊婦さんや乳幼児、そのご家族は予防接種を!インフルエンザの予防といえば、予防接種を思い浮かべる方も多いかもしれません。今年のインフルエンザの予防接種に関しては、厚生労働省から重症化リスクの高い65歳以上の方を優先するよう要請がありましたが、10月26日からは誰でも予防接種を受けることができるようになりました。 インフルエンザに感染した場合、妊婦さんや乳幼児は重症化のリスクがあると言われています。インフルエンザの予防接種は「任意接種」ですが、インフルエンザの感染、万が一感染した場合の重症化を避けるためにも、厚生労働省では妊婦さんや乳幼児は早めに予防接種を受けるようすすめています。 新型コロナの影響がインフルエンザにも!?厚生労働省によると、インフルエンザの発生報告数は昨年の同時期に比べて大きく減少しています。これは新型コロナウイルスの感染拡大に伴なう感染対策がとられたことが影響している可能性があるとのこと。とはいえ、インフルエンザの流行期は11月〜12月ごろのため、引き続き注意が必要です。 感染予防のためには、やはり手洗いと手指衛生の徹底、マスクの着用が基本です。そのほか、3密空間を避けること、換気を図ること、体調が悪いときは医療機関に相談し指示を仰ぐことなど今までおこなってきた感染対策が重要になってきます。 日々増減を繰り返し、一向に収束の兆しの見えない新型コロナの感染。その一方で経済を回すためにさまざまなGo Toキャンペーンがおこなわれ、今の状況に慣れてきている人も多いかもしれません。しかし、これからどんどん寒くなっていくと新型コロナやインフルエンザの感染リスクは高まりますし、それ以外の感染症も増える時期になります。今一度、気を引き締めて感染対策に努めていきましょう。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年10月29日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は赤ちゃんのインフルエンザの予防接種に関するご相談です。 Q.赤ちゃんもインフルエンザの予防接種は受けられる?生後7カ月の娘を育てています。今は、新型コロナウイルスで大変な時期ですが、これから寒くなるとインフルエンザが流行ってきます。赤ちゃんもインフルエンザの予防接種は受けられるのでしょうか? また、受けられるのあれば受けたほうがいいですか? 高杉絵理助産師からの回答これから冬になるとインフルエンザの心配も出てきますよね。原則的にインフルエンザワクチンの接種対象者は生後6カ月以上とされているので、質問者さんのお子さんは対象にはなってきます。日本で使われているワクチンは、まだ一度もインフルエンザにかかったことのない赤ちゃんに対しては免疫をつける力が弱く、実際に接種してもかかってしまうことがかなり多いようです。これは、ワクチンの問題であったり、赤ちゃんの免疫反応がまだ弱いことも理由の1つです。しかし、20〜25%程度の効果があると言われていて、一度接種しておくと、翌年にワクチンを接種したときに免疫ができやすくなるということもわかっているようです。なので、保育園などに通っている赤ちゃんは接種しておくのがいいと思います。また、小さな赤ちゃんのインフルエンザは、ほとんどの場合が家族から感染するので、赤ちゃんを守るためには、まずはご家族のみなさんがワクチン接種を受け、インフルエンザにかからないようにしておくことが大切かと思います。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください インフルエンザ、「予防」がとても大切!インフルエンザは冬を中心に日本全国で流行する感染症です。毎年、本当にたくさんの人がかかりますし、まわりを見てみても「インフルエンザになっちゃった」と話つつ、今は元気で過ごしている人ばかりだとは思います。 ですが、インフルエンザには怖い合併症があります。一番怖いのは「インフルエンザ脳症」です。オーストラリアの研究(Pediatric Active Enhanced Surveillanceネットワーク) では、インフルエンザ脳症になるのはまれではあるが、かかってしまうと半数に障害が残るというデータがあります。また、脳症にかかった子でワクチンを接種していた子はいませんでした。他にも、肺炎、中耳炎などの合併症があり、「他の人もかかっているから、かかってもきちんと治る」というワケではなく、予防がとても大事です。 インフルエンザワクチンは効くの?インフルエンザワクチンは「接種してもインフルエンザになってしまう」と、あえて接種しない人も見かけます。確かに、インフルエンザワクチンは毎年有効性に差があり、かつ接種しても絶対にかからないことを保障してくれるものではありません。ですが、脳症の例にもあるように、重症の合併症の予防としてとても重要です。権威ある医学史『NEJM(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)』という雑誌でも、「昔日本で行われていたインフルエンザワクチン集団接種は、インフルエンザの死亡を明らかに減らしていた」と報告されていて、「ひとりでも多くの人が接種することで、周りにまでインフルエンザに対して予防ができる」ということもわかっています。 接種のしかた(1)生後6カ月以上3歳未満の方 1回0.25mL 2回接種(2)3歳以上13歳未満の方 1回0.5mL 2回接種(3)13歳以上の方 1回0.5mL 1回接種生後6カ月から8歳までは2回接種、12歳までは2回接種推奨です。生後6カ月から3歳未満は、1回につき大人の半分量を接種します。10月ごろに1回目を接種し、4週間以上あけて2回目を接種しましょう。 日本では、集団保育(保育園など)に行っている子は、生後6カ月から推奨。行っていない子は1歳から推奨、そして、0歳の赤ちゃんがいるご家庭は、家族がしっかり予防しましょう、と推奨されています。※参考:ニュース(ママネタ)「インフルエンザ予防接種を今すぐした方が良い理由【3児ママ小児科医直伝】」【著者:医師 保田典子 先生 小児科 | 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師】
2020年10月01日「横隔膜ヘルニア」という先天性疾患を抱えて生まれたお子さんを持つママの体験談をお届けする連載企画です。横隔膜ヘルニアとは、本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気。おなかの子が横隔膜ヘルニアであると診断された妊娠中から出産までのできごとやママが感じた不安、生まれたお子さんの様子やその後の治療についてご紹介していきます。息子が入院していたこども病院では、入院している息子だけでなく、上の子を含めた家族のケアにも気を使ってくれました。息子の容態が安定してGCU(新生児治療回復室)に移った日、本来病棟内に入れない上の子たちとの面会(特別面会)についての説明があり、家族みんなで楽しみにしていたのですが……。 特別面会とは?感染防止の観点から、18歳未満の面会は原則禁止(18歳以上は患者の親と連れ添って1人まで面会可能)となっているGCU。しかし18歳未満のきょうだいがいて入院期間が長い場合などは特例措置として個室での面会が認められており、この面会は「特別面会」と呼ばれていました。 息子の場合はGCUに移った時点で容態が安定していたので、すぐに特別面会を手配してもらえることに。1週間後に予約してもらった特別面会を家族みんなで楽しみに待っていました。 インフルエンザでまさかの延期特別面会を予約して帰った土曜日、長女が熱を出しました。幸い月曜日には熱が下がったのですが、夕方ごろ幼稚園から「インフルエンザが流行っているため明日から学級閉鎖です」との電話が。「まさか娘も?」と思っていると、その夜に次女が発熱。病院で検査してみるとやはりインフルエンザでした。 家族全員インフルエンザの予防接種は打っており、娘たちも軽症で、私や夫にうつることもなかったのですが、こども病院と話し合った結果、特別面会は延期することになりました。 少し不安だった子どもたちの初対面上の娘たちの体調も整い、やっと特別面会をおこなえたのは息子が生後2カ月半を過ぎたころでした。念入りに手洗い消毒をし、マスクをつけて、ガウン代わりのスモックを着せられた娘たちは緊張の面持ち。看護師さんについて、家族みんなで息子のいる個室へ向かいます。 生まれてすぐのころと比べるとだいぶ身軽になったとはいえ、まだ鼻に人工呼吸器がついている息子。写真は見せていたものの、いわゆる「普通の赤ちゃん」ではない息子に娘たちがどう反応するか私は少しだけ心配でした。 離れていてもちゃんときょうだい「かわいい! 触ってもいい?」。長女がそう言いながらちゅうちょなく息子に手を伸ばしたときは本当にホッとしました。看護師さんから息子を抱っこさせてもらった長女は、私が「重いでしょ? 代わろうか?」と言ってもなかなか抱っこをやめず、緊張していた次女も息子の頭をわしわしと無遠慮に撫でまわしています。 そして、当の息子は初対面の姉たちを不思議そうにじっと見つめたまま、何をされても一切泣かずに1時間超の面会を終えました。 「医療的ケア児の息子を上の子たちが受け入れられないのではないか?」という私の不安は完全に杞憂(きゆう)に終わりました。ずっと会えなくても、初対面で打ち解けた子どもたちの姿に、きょうだいの絆の強さを感じた忘れられない出来事です。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。
2020年09月18日息子が小学6年生の時の出来事小学校6年の冬、息子は季節性のインフルエンザにかかりました。病院で処方された抗ウイルス薬を服用した後も高熱は暫く続きました。夜、私と娘が話をしていると、隣の部屋で寝ていた息子が何か訴えてきました。「どうした?しんどいの?話し声がうるさかった?」娘との話を中断し息子の部屋に向かうと、息子がドアの前に立っていました。何やら不穏な様子息子はこちらの問いに答えず、唸り声を上げていました。「吐き気がするの?トイレに行く?」私は息子をトイレに誘導しましたが、背中をさすっても息子は上手く吐くことができないようでした。唸り声は徐々に大きくなっていき、息子は便器に顔を突っ込んだまま便座の蓋の開閉を始めました。「ちょっと⁉頭、挟まってるよ!危ないって!」私が制止しても息子はやめる気配がありません。唸る息子が自ら“便器怪獣に食べられてるような仕草”を繰り返すのを見て私は思いました。「これは熱せん妄かも…」知識はあったけれど1~10才台の子どもが発熱に伴って異常な行動をとる『熱せん妄(もう)』は、ニュースなどで見て知ってはいました。実際、娘が小さいときに、インフルエンザの高熱でうなされながら布団の中で足をバタバタさせていたのを(私も横で寝込みながら)目にしたことがありました。2才の幼児が布団の中で足をバタバタするぐらいなら「熱でうなされているのかな?怖い夢でも見たのかな?寝ぼけているのかな?」と思う程度ですが、11才の男子が立ち歩いて大声を上げる様子を目の当たりにすると、知識はあってもやはり動揺します。救急外来を受診幸いそのときは家に主人がいたので、叫び声を発しながら便器に頭を突っ込んで便座の蓋を開閉する息子を主人に押さえてもらい、その間に私は救急に電話をしました。救急隊の人に支えられ救急車に乗り込む頃に息子は落ち着き始め、受け答えもできるようになっていました。病院に着いて医師の診察を受けたときには日時や名前、自分がいる場所なども言えていました。医師によるとインフルエンザの流行時期だったこともあり、その日は息子と同じような症状の子どもが10人ほど救急外来を訪れ、そのうち何人かは経過観察の為そのまま入院になったそうです。息子は会話もできるようになっていたので、解熱剤を処方され帰宅することになりました。ただ、今後も同じような症状が起こり得るので、暫くは大人が傍で様子を見ているように言われました。熱が高い間は要注意熱が続いた数日間は、医師に言われた通りできるだけ私か主人が息子の傍にいるようにしました。玄関や窓はダブルロックをし、台所のコンロもロックを掛けました。熱せん妄と思われる症状はその後2回ありました(いずれも寝起きの時)。目は開いているのですが、やはりこちらの呼び掛けには応じることはありません。2度目以降は“便器の蓋パカパカ”はありませんでしたが、トイレの前で叫んだり、廊下で頭を抱えてうずくまったりしました。私は息子が落ち着くまで背中をさすりしました。落ち着くと息子は再び布団に戻り眠りました。私は息子の様子から、「身体は起きているけど脳は眠っていて夢を見ている状態なんだろうな」と思いました。熱せん妄よりも私が驚いたこと息子が回復した後、私は息子と熱せん妄を起こしたときの話をしました。本人にはその時の記憶ほとんどありませんでした。息子「最初の時だけ少し覚えてる。多分夢だと思うんだけど、部屋の中に何人か人がいて、その人の頭の上にしずくの形をした魂みたいのが見えたんだ。」私「そりゃ怖いね。逃げ出したくもなるね。」息子「でもその後は記憶ないな。俺、どんな様子だったの?ホントに大声出したりしたの?」私はそのときの様子を絵に描いて息子に見せました。すると...Upload By 荒木まち子息子「・・・。俺、障害になっちゃったのかな?」私「!?」息子「だって姉さん、暴れてた時あったじゃん。」私は息子のこの言葉にとても驚きました。暴れる=障害!?数年前、娘が高校生のとき、家で暴れていた時期がありました。息子はそのとき、小学校の低学年でした。それまでの姉からは想像できないほどの豹変ぶりを彼は目の当たりにしていました。そのときの様子がよほど印象深かったのでしょう。息子は今回自分が暴れた原因が、姉と同じように障害由来ではないかと心配したようです。それは“きょうだい児ならでは”の発想なのでしょう。私は息子に熱せん妄の説明をし、姉が暴れた原因とは違うことを伝えました。思春期の息子に対し今年中学生になった息子は、「親に自分の部屋に入って欲しくない」「友達に姉の障害の事を知られたくない」と思うようになってきています。親を疎ましく思い、友達に大きく左右されるといった典型的な思春期を迎えています。また、精神的にも知的にも息子は姉を追い越し始めてきています。息子が私に「姉さんに対してどう接したら良いかわからないときがある」と言ったこともあります。小学生の時とは明らかに違ってきています。今まで事あるごとに娘や主人に対して障害の特性について対話を重ねてきたのと同様に、これからはきょうだい児である息子に対しても、娘の障害について丁寧に話をしていく必要があると感じています。おまけ息子が回復するまで同じ部屋で寝たり、日中そばでずっと見守ったり、熱せん妄をおこした際には抱きしめたり体をさすったり、と濃厚接触をしていたにも関わらず他の家族にインフルエンザは感染りませんでした。マスク、消毒、手洗い、うがい、換気などの対策をすれば、家庭内感染の予防はできるんだなぁ、と実感できたできごとでもありました。おしまい
2020年09月16日ぱぱしょー先生が経験した患者さんとのエピソードとは?前回はさまざまな病院の違いについて説明しましたが、今回は「後医は名医」という言葉を紹介します。どのようなことなのでしょうか。私が大学病院に勤めていた研修医のころのことです。近隣のクリニックから患者さんが紹介されました。検査の結果、肺炎と診断したところ、患者さんが怒り出したのです。「前の医者が肺炎を見逃した!!」と。そして私に対しては「よく肺炎を見つけてくれました、さすが大学病院の先生だ」とおっしゃいました。紹介してくださった先生は、古くから地域を支えている先生でしっかりと患者さんをみてくださる良い先生であると私は思っていて、当然私より経験も豊富です。一方当時の私は、まだ経験の浅い研修医でしたので、とても申し訳ない気持ちになりました。初診のクリニックではまだ症状が現れ始めたころで、その後も改善がありませんでした。そのため、詳しい検査が必要とのことで総合病院を受診して肺炎があるとわかりました。私の診断は、クリニックの先生の考えを引き継いだにすぎず、決して私の方が優れた医者というわけではありませんでした。より詳しい検査ができる病院であったからこそ「肺炎」とわかり治療ができたのです。後医が「名医」になるワケイラスト:ヤマハチこのようなことは現場ではしばしば起こっています。後に紹介させる病院ほど情報が集まっているので、適切な診断に至りやすくなります。これまでの検査結果や治療は情報として参考になりますし、時間経過によってより情報が集まってきます。たとえば、インフルエンザになったとしましょう。インフルエンザは発熱してすぐに受診しても、検査上ははっきりしません。初診では陰性という結果がでても、のちに陽性と診断されることもあります。今の時期ですと新型コロナウイルスにおいても、そのようなニュースを目にすることがしばしばあるでしょう。よく、小児科医は「熱が続くようなら再受診してください。」と添えます。これは単なるリスク回避の言葉ではありません。数日経過を見ることで、状況が変わったり情報量が増えたりすることで、より適切な診断に近くためです。症状が出てすぐは、その時点での暫定的な診断のみをすることもあります。たとえば赤ちゃんによくある「突発性発疹」の場合、発熱が数日続き、熱が下がるとともに発疹が出現します。発疹が出現して初めてわかる病気なので、発熱してすぐには診断ができません。ある意味どんな名医でも最初「見逃し」うるものです。初診では緊急性の判断イラスト:ヤマハチ発熱してすぐのときは、診断が何かよりも、水分は取れているか、ぐったりしているかなど全身の状態が安定しているかどうかを中心に見ています。全身状態が良いかどうか、そして暫定的な診断をしてもらって、その次にどのような症状や状態になったら再度受診が必要か説明されるでしょう。最初に受診するクリニックの役割は、最終診断にいたることよりも緊急性の判断、全身状態の把握に重きが置かれます。もちろん診断が明らかであるに越したことはありませんが、情報が少ない状態では暫定的な診断にならざるを得ません。病名より緊急度の高い状態を「見逃さない」ことの方が大切なのです。患者さんとしては初診で適切な診断をしてほしいと感じるかもしれませんが、医療従事者の立場からすると、まずは緊急性や重症度の判断が大切なのです。患者さんにとっての「名医」イラスト:ヤマハチかかりつけ医から他の病院に紹介となり診断名が変わると、かかりつけ医に対して不安を覚えるかもしれませんが、ときにはそういったこともあることを知っておいていただけると幸いです。(もちろん、なかにはニュースで報道されるような大きな見逃しも存在します。)人それぞれ「自分にとっての名医」は異なるものです。誰もできない難手術をやってのける凄腕ドクターは名医でしょう。誰も診断できなかった病気を探偵のようにわずかな違いから見破る医師も名医でしょう。一般的に後の方で見た医師、つまり「後医」は「名医」といわれやすいですが、私は最初に患者さんを診察する「前医」にも、緊急性の判断を間違えずに適切に紹介することのできる「名医」がいると思います。そんな信頼できるかかりつけ医に、皆様が出会われることを願っています。ぱぱしょー先生によるお役立ち動画はこちら!YouTubeのままのてチャンネルでは、専門家の先生による育児に関するお役立ち情報を配信しています。ぱぱしょー先生の動画も好評配信中!チャンネル登録をよろしくお願いたします。パパ小児科医(ぱぱしょー)先生の過去のコラム著者:加納友環(ぱぱしょー)二児(3歳、5歳)の父で小児科専門医。TwitterやInstagramを中心に子育て当事者の立場から、また医療者の立場から子育てに役立つ情報を発信しています。
2020年04月27日こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、4歳の子育て中です。 胃腸炎で代表的なものはロタウイルス、ノロウイルス。ロタウイルスはワクチンの普及でだいぶ少なくなってきたなと感じますが(入院するのも小学生が多いです)、年間約80万人が罹患します。一方ノロウイルスは、3歳以上になると保険適応外のため検査をしないことも多いですが、検査をするとノロウイルスだった……ということも多いです。ロタウイルスにしてもノロウイルスにしても、家族内感染を防ぎたいですよね。1人の看病だけでも大変なのに、他のきょうだいも……なんて事態は避けたいですし、看病しているママやパパが感染してしまうと、本当に大変です。今回は、感染を防ぐためにできることをお伝えできたらと思います。 まずは、感染経路を理解しよう! 感染症はその細菌やウイルスにより、感染するパターンが違います。多くの風邪は接触・飛沫感染です。空気感染というのは、同じビルにいるだけで感染してしまうことがある怖い病気ですが、それは麻疹や水ぼうそうくらいしかありません。胃腸炎は、主に接触感染で感染します。家での感染パターンは、嘔吐や下痢を直接触ってしまう、嘔吐が飛び散ったものに触れてしまう、トイレで感染する(多いのはドアノブを通じての感染です!)が多いです。触るといっても、目に見えるほどうんちが手についてしまった訳ではなくても感染します。胃腸炎ウイルスは、手などについたウイルスが口から入ることによって感染するので、とにかく手を口に持っていかないことで感染を大幅に予防できますよ。感染経路がわかると、そこで注意するようになるので、トイレのあとは念入りに手洗いしなくちゃ、となりますよね。おむつ替えのときは手袋をするのがとても有効です。 「アルコール消毒が効かない」って本当?アルコールは、消毒剤としてとても有名で有効ですが、アルコールが効きにくいウイルスがあります。ウイルスの形によりアルコール抵抗性が決まるのですが、ノロウイルスやロタウイルスという胃腸炎のウイルスは、悲しいかなアルコールがとても効きにくく、長時間アルコールを使わないと消毒の効果がありません。 つまり、日常生活でアルコールを使っても、胃腸炎のウイルスには効果がないのです。(最近、アルコールがノロウイルスに似たウイルスの不活化に効果があるという報告が厚生労働省から出ていますが、さまざまな条件が必要です) ロタウイルス、ノロウイルスに効く消毒法とは?ロタウイルス、ノロウイルスに対する消毒は、次亜塩素酸や次亜塩素酸水など酸性の消毒剤が効きます。次亜塩素酸水でも中性のものは効かないので、次亜塩素酸が良いというよりは、「酸性の消毒が効く」と考えられています。 また、胃腸炎に関しては、 ①しっかり洗い流すこと②しっかり拭き取ること③加熱処理 の3つが有効です。例えば、ノロウイルスと似たA型肝炎ウイルスだと、85℃1分間の加熱で失活すると言われています。 家でできる感染対策方法は?私が実際、子どもが嘔吐してしまった際に家でやっていた処理方法はこんな感じです。①おむつ替えのときは手袋をする②汚れた衣類やシーツは次亜塩素酸水スプレー(弱酸性のものを選びます)③洗濯のときには汚染物だけ洗濯し、乾燥機をかけ、しっかりと乾かす④手洗いを念入りに長くする(30秒以上) でした。さらに念を入れたい場合は、スチームアイロンなどで消毒するといいと思います。ポイントは①触らない②酸性で消毒③熱で消毒です。詳しくは、厚生労働省のホームページ「ノロウイルスに関するQ&A」を参考にしてみてください。感染症の正しい予防法、感染対策を知って、流行期を乗り切りましょう! 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。Twitter:@kanoppeInstagram:@atama4970_yasuda
2020年02月26日新型コロナウイルス感染の拡大を受け、令和2年2月24日、国の専門家会議は「今後1~2週間が感染拡大のスピードを抑えられるかどうかの瀬戸際である」という見解を示しました。そして、2月25日、日本政府は「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を公表しました。 新型コロナウイルス感染症についてわかっていること新型コロナウイルス感染症対策の基本方針では、現時点で把握している事実として以下のことを挙げています。 ●一般的な状況における感染経路は飛沫感染、接触感染であり、空気感染は起きていないと考えられる。 ●閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等がなくても感染を拡大させるリスクがある。 ●感染力は事例によって様々である。一部に、特定の人から多くの人に感染が拡大したと疑われる事例がある。一方で、多くの事例では感染者は周囲の人にほとんど感染させていない。 ●発熱や呼吸器症状が1週間前後持続することが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える人が多い。また、季節性インフルエンザよりも入院期間が長くなる事例が報告されている。 ●罹患しても軽症であったり、治癒する例も多い。重症度としては、致死率が極めて高い感染症ほどではないものの、季節性インフルエンザと比べて高いリスクがある。特に、高齢者・基礎疾患を有する者では重症化するリスクが高い。 ●インフルエンザのように有効性が確認された抗ウイルス薬がなく、対症療法が中心である。また、現在のところ、迅速診断用の簡易検査キットがない。 ●一方、治療方法については、他のウイルスに対する治療薬等が効果的である可能性がある。 新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の重要事項「日本政府は新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」のなかで、以下の6項目を重要事項として挙げています。 (1)国民・企業・地域等に対する情報提供(2)国内での感染状況の把握(3)感染拡大防止策(4)医療提供体制(相談センター/外来/入院)の構築と整備(5)水際対策(6)その他・マスクや消毒液等の増産や円滑な供給の要請。・WHO や諸外国の対応状況等に関する情報収集と日本で得られた知見の共有。・患者や対策に関わった方々等の人権に配慮した取り組み。・ 空港、港湾、医療機関等における必要に応じた警戒警備の実施。・ 混乱に乗じた各種犯罪を抑止と取締りの徹底。 今後私たちができることは?「今後1~2週間が感染拡大のスピードを抑えられるかどうかの瀬戸際」でありながら、本日、政府が公表した基本方針は各省庁や自治体へ対応を委ねている印象がありました。そして、私たち国民に対しては新たに今後どうすればよいかという具体的な部分が欠けているようにも感じました。 私たちができることとして、 ◯正確な情報を得る。◯手洗い、咳エチケット等の徹底。◯発熱等の風邪症状が見られる場合の休暇取得、外出の自粛。」◯適切な相談したうえで医療機関を受診する。◯働いている人は、発熱等の風邪症状が見られる場合、休暇を取得する。◯テレワークや時差出勤。◯ イベント等の参加は必要性を改めて検討する。 難しい部分もあるかもしれませんが、これまで言われていることをしっかりおこなっていくことが重要なのではないかと思います。 妊娠中は免疫が低下するため、新型コロナウイルスに限らず感染症にかかりやすく重症化しやすいと言われています。また、小さなお子さんも感染症にかかった場合、うまく意思表示ができなかったり、症状がはっきりしなかったりして、急激に悪化する可能性もあります。この1〜2週間は、妊婦さん、小さなお子さんを連れての外出は、大事を取って控えたほうがよいかもしれません。 ■参考:新型コロナウイルス感染症対策の基本方針 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年02月25日こんにちは。東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、4歳の子育て中です。インフルエンザの流行期の今、「インフルエンザ脳症」について知っておいていただきたいことをお話したいと思います。 忘れられない「インフルエンザ脳症」の思い出私は元々小児科医なのもあって、ワクチンはきちんと打つ派でしたが、以前体験したエピソードから、さらにワクチンの大切さを思い知った出来事があります。それは、2歳の女の子で、インフルエンザ脳症になってしまった症例でした。インフルエンザ脳症になる前は飛んで跳ねて駆けまわっていたであろうその子は、病室で鼻からチューブを入れて栄養をとっていました。担当ではなかったため、その後、その子がどうなったか詳しいことはわからないのですが、その姿が衝撃的で、インフルエンザ脳症の恐ろしさを痛感したのでした。 インフルエンザ脳症についてインフルエンザ脳症は、日本では毎年60〜100人くらいが発症しています。多くは小児ですが、大人でも発症しています。インフルエンザの流行にともなって、インフルエンザ脳症の発症も増えます。 インフルエンザ脳症の症状インフルエンザ脳症の症状は、発熱、意識障害がメインで、その他にけいれん、異常行動、嘔吐などがあります。0〜4歳ではけいれんが多く、5〜19歳では頭痛や嘔吐、成人では髄膜炎様症状になることが多いようです。死亡率が高いインフルエンザ合併症で、死亡率30%、後遺症率25%と言われています。よく10歳以上で問題となりやすい異常行動ですが、どの年齢にも起こりえます。10歳以上だと行動力があるので、家から飛び降りたりできてしまう分、結果として痛ましい結果になることがあるため、注意を呼びかけられています。そして、異常行動とインフルエンザ脳症は区別しきれないのが実情で、異常行動が出たからといって必ずしもインフルエンザ脳症であるというわけではありません。インフルエンザ脳症の異常行動、意識障害は一過性(1時間以内)ではなく、長く続くとされています。短時間の意識障害などは心配いらないことが多いのですが、再発して脳症となることもあるので、解熱するまでは気を抜かないで観察してあげることが重要です。 インフルエンザによる意識障害や異常行動は? この他にも、明らかにいつものお子さんと違うおかしい症状が出るので、見ればすぐにわかると思います。 異常行動を見たらインフルエンザ自体は脳に影響を及ぼすことが多いので、インフルエンザ脳症ではなくても異常行動がでるお子さんはたくさんいます。30分くらいでおさまってしまう異常行動は様子を見ていても大丈夫ですが、不安であれば病院に相談してみましょう。#8000や救急外来をしている病院に電話相談をしてみることもできます。看病のコツとしては、一般的な風邪の看病と同じで大丈夫ですが、①異常行動が続かないか②けいれんをしていないか③脱水症状を起こしていないかに気をつけましょう。 解熱剤や熱性けいれんの予防をしているお子さんは、予防薬などを使って大丈夫です(逆に、けいれん予防をしている子はしっかり予防薬を使いましょう)。 異常行動の対策、どうすればいい?厚生労働省から、インフルエンザにかかったときの具体的な対策法が発表されています。 ◆原則 ※これまでにも注意喚起を行っている内容抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無によらず、インフルエンザと診断され治療が開始された後、少なくとも2日間は、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することを原則とする旨の説明に加え、次の注意喚起の例が考えられます。 ◆小児・未成年者が住居外に飛び出ないための追加の対策(例)(1) 高層階の住居においては、例えば、・ 玄関及び全ての窓の施錠を確実に行うこと(内鍵、補助錠がある場合はその活用を含む。)、・ ベランダに面していない部屋で療養を行わせること、・窓に格子のある部屋がある場合はその部屋で療養を行わせること、等、小児・未成年者が容易に住居外に飛び出ない保護対策を講じることを医療関係者から患者及び保護者に説明すること(2) 一戸建てに住んでいる場合は、例えば、(1)の内容のほか、出来る限り1階で療養を行わせること インフルエンザ脳症とインフルエンザワクチンインフルエンザワクチンは、接種しても発症してしまうことがあることから、あえて接種しないという方もいます。集団接種があった時期(1960〜70年代)よりも現在、ワクチンの接種率は下がっています。そのため、インフルエンザ脳症で死亡する小児や、インフルエンザにより死亡する高齢者が増えたというデータがあります。多くのインフルエンザ脳症に関する論文を見てみると、インフルエンザ脳症になった症例で、インフルエンザワクチンを接種していた例はほとんどありませんでした。これが「インフルエンザワクチンを接種しよう!」と、いつも思っている理由です。インフルエンザのワクチンは生後6カ月から接種でき、インフルエンザ脳症など重症の合併症の予防としてとても効果的です。インフルエンザ脳症になる確率は高くはありませんが、もしかしたら、自分の子がインフルエンザ脳症になってなってしまうかもしれない。確率は関係ないと思うからです。 死亡率30%、後遺症率25%と言われるインフルエンザ脳症。みなさんもどうか、お子さんにインフルエンザ脳症にならせないためにも、まずはインフルエンザワクチンをしっかりと接種し、お子さんを守ってあげてくださいね。 監修者・著者:医師 東京衛生アドベンチスト病院 小児科医師 保田典子 先生2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年春、高円寺こどもクリニック(仮称)開設予定。
2020年02月24日冬は風邪が流行する季節。しかし、わが家では風邪でもインフルエンザでもない3種類の感染症にかかってしまいました。冬のいろいろな感染症が流行する時期にかかると、病気の判別が難しいものです。わが家が冬にかかった感染症体験を予防も含めてお伝えします。 娘2人が突発性発疹! 熱が下がると発疹!わが家の娘2人ともが、たまたま冬に突発性発疹にかかりました。ちょうどインフルエンザの流行期と重なり、症状としても高熱が3日ほど出るという状態でとても似ていました。1人目のときは焦って発熱後2日目の朝に病院へ行き、インフルエンザは陰性だったものの何の病気かわからず、かつ病院でもインフルエンザの罹患者が多かったので院内感染も心配でした。熱が下がって発疹が出てから突発性発疹だとわかって安心できましたが、発疹による不機嫌さに閉口しました。 夫が溶連菌感染症に! 子どもにも感染!夫が「のどが痛くて高熱で調子が悪い」と言って、病院で診てもらうと溶連菌感染症でした。高熱が続くことからインフルエンザの検査を受けに行ったのですが、のどが腫れて耳が痛いということから念のために医師が検査をし、原因が判明しました。その後、私も子どもたちも調子が悪くなり、念のため病院に見てもらうと同じ溶連菌感染症でした。抗生物質を2週間ほど飲み続けなければならず、完治するまでが長くて大変だったのを覚えています。 家族全員が胃腸炎! 感染症の予防法は?ウイルス性胃腸炎は2月ごろにかかりました。子どもたちが最初にかかり、その後夫や私もかかってしまいました。下痢・嘔吐で体力の消耗も激しく、大人もつらかったです。そして、家事や育児などを手伝いに来てくれた祖母にまで感染が広がってしまい、申し訳なく思いました。原因はおむつ処理後の手洗いや、おむつ替えの場所や替え方に問題があったかなと思っています。途中から、子どもたちのおなかの調子が悪そうなときは手洗いを徹底したり、自分も予防のために使い捨てのゴム手袋をするようになりました。そして、感染防止のためにおむつ処理はゴム手袋で、飲食などの際は必ずしっかり手洗いして消毒をするようになりました。そのおかげか、その後は特に大きな感染症にかからず過ごせています。 これらの感染症に家族でかかった結果、予防としてはいずれの感染症もまずはウィルスや菌を体内に取り込まないようにすることが大切だと感じました。わが家では飛沫感染する病気の場合は、感染した人もしていない人もマスクをして、できるだけ別の部屋で生活するようにしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:小川かなえ2歳の双子姉妹の母。東京郊外在住。元保育士、不妊治療を経て妊娠出産。子連れハイキングやキャンプなどアウトドアも再開。現在は親子の森のようちえんを運営し、地域や自然とともに子育てをしている。
2020年02月22日赤ちゃんの予防接種は生後2カ月から実施可能になっていますが、さまざまな種類を複数回接種する必要があり、スケージュール管理に頭を悩ませるママもいらっしゃるかと思います。ですが、今、あるワクチンが不足しているという話をご存知でしょうか? 不足しているワクチンって?今回、ワクチン不足が問題になっているのは、Hib(ヒブ=インフルエンザ菌b型)による感染症を予防する「Hibワクチン」です。 Hibワクチンは定期予防接種の1つです。生後2カ月~5歳の誕生日前日まで接種でき、標準的なスケジュールでは、4~8週間隔で3回、3回目から7カ月~13カ月以上あけて4回目を接種します。この予防接種を受けることで、重篤なHib感染症にかかるリスクを95%以上減らすことができると報告されています。 Hib感染症とは?Hibはヒトからヒトに飛沫感染し、特に乳幼児で発生に注意が必要であると言われています。名称に「インフルエンザ」とついていますが、季節性のインフルエンザとは別のものです。 Hibに感染しても症状が出ない場合もありますが、肺炎、敗血症、髄膜炎、化膿性の関節炎などの重篤な病気を引き起こすことがあります。そして、これらを起こした子どものうち3~6%が亡くなり、特に髄膜炎の場合は、生存した子どもの20%に難聴などの後遺症を残すと言われています。 Hib感染症の予防接種は受けられないの?Hib感染症の予防接種に使われるワクチンが入った注射器の針にサビが発生し、製造販売会社が1月28日以降、出荷を一時見合わせているとのことです。現在、原因の調査中で、今月末までに製品の出荷を再開するか、製造販売会社と厚生労働省が判断するそうです。 また、厚生労働省は、ワクチンが不足しやむを得ない場合には、特に医師が必要と認める場合などを除き、可能な限り1回目および2回目の接種を優先することとしています。 新型コロナウイルスによる感染症が広がりつつあるなか、予防接種が受けられないとなると不安も増してしまうかもしれません。まずは、月末の報告を待つしかないという状況ですが、今後の情報に留意し、予防接種のスケジュールなどはかかりつけの小児科に相談しましょう。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年02月18日数年前のこと、お正月から長女が熱を出しました。病院に連れて行ってみると、なんとインフルエンザであることが発覚。薬をもらって帰宅し、看病をしていたら、なんだか私も体調がすぐれない。再び病院に行ってみると、やっぱり自分もインフルエンザだと判明。その後、家に帰りましたが、熱もあってフラフラの状態です。それでもお正月。食事の準備や子どものお世話など、することはたくさんあります。マスクをしながら、うつらないよう気をつけながらやりましたが、これはもう、まさに地獄でした。なんとか、いろいろこなしていたのですが、ふと気づくと次女もなんだか様子がおかしい。長女とは距離を置いたり、マスクや手洗いで対策はしていたものの…、またまた病院に行ったら、次女もインフルエンザでした。 家族のほとんどがインフルエンザにかかってしまったお正月。私も家事ややるべきことをすませると、みんなで横になっていました。初もうでに行ったり、ショッピングセンターへ買い物に行ったりしたりして、色々楽しみたいと思っていたのに…そういうことは許されない状況です。強制的に寝正月になってしまいました。…そして、しばらく時間をおいて、夫までもがインフルエンザに。こんな事態となったのは、予防接種を誰もしていなかったのがいけなかったのだと思い、それ以来、毎年家族でワクチンの注射をを打つようになりました。予防接種をしていれば絶対にかからないわけではないらしいですが、我が家においては、あの時以来“家族みんなでヤバい状態”にはなっていないので、やっぱり予防接種は大切だなと感じています。
2020年02月06日こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、4歳の子育て中です。現在メディアでは、新型肺炎コロナウイルスに関するニュースが毎日報道されています。今回は、みなさんに知っておいていただきたいことをお話したいと思います。 「コロナウイルス」って、そもそもどんなもの?コロナウイルスはRNAウイルスの一種です。RNAウイルスの中には、インフルエンザウイルスや麻疹ウイルスなどがあります(RNAウイルスでもタイプは違います)。風邪の中の10-15%はコロナウイルスが原因と言われており、6歳までにほとんどの人が1回は感染します。ここ20年で2回、新型のコロナウイルスの流行が確認されていますが、小児の感染者は軽症で終わることが多いです。 罹患するとどんな症状がでるの?一般的な風邪を引き起こすコロナウイルスの症状としては、鼻水、咳、下痢などです。2002年、2012年に流行したコロナウイルス(今回流行しているものとは違います)は高熱が出たり、肺炎や腎炎を起こすことがありました。今回発生した新型コロナウイルス(2019-nCoV)は発熱、呼吸器症状が出ると言われており、咳や鼻水が出ると考えられます。 感染経路感染経路は接触、飛沫感染です。咳や鼻水から感染します。 現状1月29日12:00現在、国内での発生状況は7名で、いずれも30代~60代です。日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は、中国で感染者5,974名、死亡者132名。タイ、韓国、台湾などのアジア圏のほか、フランスやオーストラリアなどでも感染者が確認されています。報告されている患者の年齢層は主に成人ですが、1 月 21 日時点で 10 歳の症例が1例、広東省で確認されています。 妊婦さんの罹患状況など国内発生は今のところなし。WHOのホームページも見ましたが、妊婦さんがハイリスクである、といった記載はありませんでした。 子どもにマスクは有用?いつから使える?新型コロナウイルス対策だけでなく、インフルエンザなどの感染症予防の観点から、この時季の不要不急な外出はできる限り避けましょう。外出が必要な場合は、マスクを着用したほうが良いです。子どものマスク使用はある程度有用ですので、つけられたらつけたほうがいいと思います。 子どもはいつからマスクを使える?生後9~10カ月ごろまでは窒息などのおそれがあるため、使用しないほうがいいでしょう。生後9~10カ月ごろ以降、マスクを嫌がらないようであれば、マスクをつけて外出できますが、大人が見ていられるときにしましょう。 どんなマスクが良いの?また、子ども用のマスクは不織布マスクやガーゼマスクなどさまざまなタイプがありますが、マスクだけで100%予防はできないので、どのタイプでもOKです。ただし、清潔なものを使いましょう。子どもはそもそもマスクを嫌がりがちなので、マスクの種類よりも、子どもが喜んでつけてくれるようなマスクを買ってあげて、しっかりと口と鼻を覆って使用できることを重視したほうがいいと思います。 有効な予防方法は?ウイルスには、手指のアルコール消毒が有効です。新型コロナウイルス対策にアルコール除菌をするというよりは、日常的に手洗いやうがいをしっかりする、公共の機関の物を触ったらアルコール消毒をする、という程度で大丈夫です。除菌シートよりは、すり込み式のアルコールジェルなどが良いです。物の消毒には、次亜塩素酸(じあえんそさん)が有効です。 手洗いやうがいがまだできない乳幼児は、すりこみ式のアルコール消毒を使って手指を消毒し、睡眠・水分を十分にとり、人ごみを避けるといった予防対策をしておくと安心です。 今私たちができることって? 新型コロナウイルスだから、というよりは、インフルエンザなど風邪の流行期でもあるので、手洗い、うがい、食事をしっかりとる、睡眠をしっかりとる、などといった風邪の対策をすることが大事です。手洗いは30秒以上しっかり洗うこと、うがいは風邪をひいていなければ水でいいので20秒以上しっかりすることが大事です。 ◆国民の皆様へのメッセージ◆ 国民の皆様におかれては、過剰に心配することなく、季節性インフルエンザと同様に咳エチケットや手洗いなどの感染症対策に努めていただくようお願いいたします。(引用:厚生労働省) 厚生労働省の上記コメントにもあるように、新型コロナウイルスは普通の病院ですぐ検査してわかる病気でもないですし、コロナウイルス自体は1年中風邪の原因として日本でも普通に認められる感染症です。手洗いやうがいなどの感染対策をする以上の特別な対応は必要ないので、普段からの健康管理が大切です。 ◇ ○ 厚生労働省の電話相談窓口電話番号 03-3595-2285○ 受付時間9時00分~21時00分(土日・祝日も実施) 【#新型コロナウイルス 関連肺炎について】新型コロナウイルス関連肺炎に関する情報を掲載しています。■詳しくはこちらをご覧ください。— 厚生労働省 (@MHLWitter) January 22, 2020 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。Twitter:@kanoppeInstagram:@atama4970_yasuda
2020年01月31日こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、4歳の子育て中です。現在メディアでは、新型肺炎コロナウイルスに関するニュースが毎日報道されています。今回は、みなさんに知っておいていただきたいことをお話したいと思います。 「コロナウイルス」って、そもそもどんなもの?コロナウイルスはRNAウイルスの一種です。RNAウイルスの中には、インフルエンザウイルスや麻疹ウイルスなどがあります(RNAウイルスでもタイプは違います)。風邪の中の10-15%はコロナウイルスが原因と言われており、6歳までにほとんどの人が1回は感染します。ここ20年で2回、新型のコロナウイルスの流行が確認されていますが、小児の感染者は軽症で終わることが多いです。 罹患するとどんな症状がでるの?一般的な風邪を引き起こすコロナウイルスの症状としては、鼻水、咳、下痢などです。2002年、2012年に流行したコロナウイルス(今回流行しているものとは違います)は高熱が出たり、肺炎や腎炎を起こすことがありました。今回発生した新型コロナウイルス(2019-nCoV)は発熱、呼吸器症状が出ると言われており、咳や鼻水が出ると考えられます。 感染経路感染経路は接触、飛沫感染です。咳や鼻水から感染します。 現状1月29日12:00現在、国内での発生状況は7名で、いずれも30代~60代です。日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は、中国で感染者5,974名、死亡者132名。タイ、韓国、台湾などのアジア圏のほか、フランスやオーストラリアなどでも感染者が確認されています。報告されている患者の年齢層は主に成人ですが、1 月 21 日時点で 10 歳の症例が1例、広東省で確認されています。 妊婦さんの罹患状況など国内発生は今のところなし。WHOのホームページも見ましたが、妊婦さんがハイリスクである、といった記載はありませんでした。 風邪とコロナウイルスによる肺炎の違いは、どのような検査でわかるの?病院の診察や検査では、新型コロナウイルスの感染を確定することはできません。今のところ武漢市に滞在していたり、滞在していた人と接触があって、発熱や咳などの呼吸器症状があると、「新型コロナウイルス疑い例」として保健所を通して特殊な検査をすることになります。コロナウイルスに関わらず、肺炎に関しては診察やレントゲンで診断することができます。 もし罹患してしまったらどうしたらいい?検査なしには新型コロナウイルスの感染は確認できないので、自己判断で診断はできません。武漢市から帰国・入国された方やその方々と接触があった方で症状がある場合は、マスクを着用し、事前に医療機関へ連絡したうえで速やかに医療機関を受診してください。新型コロナウイルスに感染したと診断されたのであれば、診断された医療機関の指示を受けましょう。 今私たちができることって? 新型コロナウイルスだから、というよりは、インフルエンザなど風邪の流行期でもあるので、手洗い、うがい、食事をしっかりとる、睡眠をしっかりとる、などといった風邪の対策をすることが大事です。手洗いは30秒以上しっかり洗うこと、うがいは風邪をひいていなければ水でいいので20秒以上しっかりすることが大事です。 ◆国民の皆様へのメッセージ◆ 国民の皆様におかれては、過剰に心配することなく、季節性インフルエンザと同様に咳エチケットや手洗いなどの感染症対策に努めていただくようお願いいたします。(引用:厚生労働省) 厚生労働省の上記コメントにもあるように、新型コロナウイルスは普通の病院ですぐ検査してわかる病気でもないですし、コロナウイルス自体は1年中風邪の原因として日本でも普通に認められる感染症です。手洗いやうがいなどの感染対策をする以上の特別な対応は必要ないので、普段からの健康管理が大切です。 ◇ ○ 厚生労働省の電話相談窓口電話番号 03-3595-2285○ 受付時間9時00分~21時00分(土日・祝日も実施) 【#新型コロナウイルス 関連肺炎について】新型コロナウイルス関連肺炎に関する情報を掲載しています。■詳しくはこちらをご覧ください。— 厚生労働省 (@MHLWitter) January 22, 2020 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。Twitter:@kanoppeInstagram:@atama4970_yasuda
2020年01月30日閉鎖された空間での連日看病というものは、母親の精神をゴリゴリ削っていくものでして…。様々な要因が見事に重なり、心身共に『地獄のような』数日を過ごしました。最も私の精神を削っていったのが2歳児末っ子のイヤイヤ爆発。ちょうどイヤイヤ期真っ盛りで、普段から理不尽イヤイヤを繰り返していた末っ子。ただでさえ酷いのに、インフルエンザ発症後にパワーアップ!!本人もきっと疲れていたり、お外で遊べないストレスもあったと思います。些細な事がきっかけでイヤイヤが大爆発!!本来ならそのイヤイヤに寄り添ってあげるべきところ、私自身も限界を超えていたため、もう完全にお手上げ状態になってしまいました。そんな様子を見てた四歳兄・三男が…完全に余裕をなくしている母を見て、自ら率先して弟の面倒を見てくれたのです。三男自身もインフルエンザで辛い思いをしているにも関わらず…。まだ幼いながらも自ら弟の面倒を見てくれたことと、私自身の不甲斐なさと気を使わせてしまった申し訳なさと、色んな感情が溢れてきて涙が止まりませんでした。(その後2人をいっぱい抱きしめました)閉鎖された空間というのは、本当にメンタルの毒だと改めて感じた数日でした。
2020年01月22日インフルエンザの予防接種が推奨されるのは、生後6カ月以降ですが、当時1歳11カ月の次女と生後5カ月の長男は接種しないでいました。すると、まず次女がインフルエンザにかかり、その後一家全滅の危機に陥ったのです……。 1歳の次女がインフルエンザを発症2月の大雪が降る日に、高熱を出した次女。雪のなかどうにか小児科へ連れて行くと、インフルエンザB型と診断されました。タミフルドライシロップが処方されましたが、おいしくないようで飲ませるのに苦労しました。 やっぱり予防接種すればよかったな……と思っていたら、次にパパが高熱。夜間診療に行くと、こちらもインフルエンザB型。病院も予防接種も嫌いなパパに「ほら見たことか!」と現実を突きつけた感じでした。 生後5カ月の長男までが……その後、予防接種を受けていた長女(6歳)までが発症。「ほら、予防接種なんて意味ないじゃん」と言うパパにイラッとしていたら、最悪の事態発生。生後5カ月の長男も高熱を出し、インフルエンザに……。 医師からは「生後3カ月でかかってた子もいたよ~」と言われましたが、やっぱり心配です。こちらも体重に合わせたタミフルドライシロップを処方してもらい、育児用ミルクに混ぜてなんとか飲ませました。 タミフルがおいしくない……しかし、タミフルが本当においしくないようで、生後5カ月の長男は育児用ミルクを残すようになってしまいました。これではまずいぞ……と、最終手段。タミフルドライシロップを指示された量のお湯に溶き、スポイトで口に流し込む作戦。むせるわが子を見るとかわいそうになりますが、それしか方法がありませんでした。 結果的には私だけインフルエンザにかからなかったのですが、みんなの看病で疲れてしまい、最終的に自分も体調を崩すこととなりました。 小さな子どもは特に、予防接種を受けさせるかどうか迷うところ。医師の見解をよく理解し、納得いくインフルエンザ対策で、乗り切りたいところです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:imasaku著者:岩崎未来三児(女・女・男)の母。出版社・編集プロダクションの勤務を経たのち、第一子出産を機にフリーランスに。現在は会社役員という肩書きを持ちながらも、ライター・編集者としても活動中。
2020年01月18日安静にさせたい母vs遊びたい子どもの終わりなきバトル!インフルエンザなどの感染症が流行るこの季節。感染してしまった時、発熱・咳・鼻づまり・倦怠感などの症状で辛い頃はグッタリとして静かなコウです。辛くてグズグズすることもありますが、少なくとも“横になって休むこと”はしてくれるので助かります。問題は、高熱が微熱まで下がったりして「ちょっと辛いけれどまぁまぁ動ける」レベルまで回復してきた頃です。Upload By 丸山さとこUpload By 丸山さとこコウは「寝てるの飽きた!遊びたい!」と起きようとするし、私は「いや、まだ治りかけだから!」と寝かせようとするしで、両者共に一歩も譲らない激しい戦いになりがちです。最終的には「微熱は平熱ではない」「発熱後は体力を消耗している」と安静を迫る私が半ば強引に寝かしつけるパターンが大半ですが、バトルが激しすぎる時にはしばらく放置することもあります。“病み上がりのわずかな体力が尽きるのを待つ”パターンです。疲れ始めてきた頃を見計らって「少し横になって、また元気になったら遊ぼう。」と寝かしつけると、コウも横になった時に「あ、楽だ。」と感じることで割合すんなり体を休めてくれます。とはいえ、インフルエンザにかかったり風邪をひきこんだりする度にバトルをするのは不毛です。何かよい方法はないか…と考えた結果、コウにも“体内で起きているバトル”を理解してもらうことになりました。Upload By 丸山さとこ戦うべきは、親子ではなくウイルスと免疫!ということで…親子でバトルしている場合ではない、戦いは現場(体内)で起きているんだ!というわけで、人体図鑑やDVDを一緒に見ることで“体内で起きているバトル”をコウに理解してもらいました。図鑑好きなコウは「図鑑に書いてある」というだけで一定の信頼感をもって受け入れてくれるので、大分話がスムーズに進むようになりました。また、DVDに収録されたCGによる動画は、体内で起きていることをイメージしやすくしてくれました。実際の細胞を撮影した動画はリアリティによって説得力を与えてくれて、コウは「本当にこうやって体を守っているんだね!」と興奮した様子で見ていました。Upload By 丸山さとここうして免疫のしくみを知ったコウは、自由帳が免疫の絵でいっぱいになるくらい免疫のことが好きになったのです。“何のために安静にするのか”を知ることUpload By 丸山さとこそうして、コウは“僕の体が頑張るために”安静にできるようになりました。横になっていても眠れないと「ヒマ~」と起きてきてしまうことも多いのですが、そういう時はDVDや音声絵本などを楽しみながら横になるようにしています。Upload By 丸山さとこそれでも彼なりに“頭も含めて休むこと"を忘れないように意識しているらしく、「頭を使わないようにして休んでないとね!」と自ら目を閉じることもあります。「血液を脳にばっかり集めて酸素や栄養を使ってたら、全身の免疫細胞達は『今はこっちに回してほしいな~』って困っちゃうよね。」とうれしそうにしている彼にとって、“僕”と“免疫細胞”は助け合う仲間のような感覚なのかもしれません。インフルエンザシーズンまっただ中の今!そんな“コウと免疫細胞達”による免疫バトルに加勢するべく、加湿器に給水し空気を入れかえながら、「手は洗った?」「水分とってる?」と声をかける毎日です。Upload By 丸山さとこ
2020年01月16日登場人物ママ/なつみ:とにかく面倒くさがり屋のB型パパ/ゆたか:女子力高い雑学王な子煩悩がすぎるパパさっちゃん:2017年7月生まれ。お歌大好き元気で明るい気分屋さんれーちゃん:2018年11月生まれ。お姉ちゃん大好きパパっ子。お姉ちゃんに冷たくされると大泣きなちょっと大袈裟さん2020年が始まりましたが…1歳と2歳の年子姉妹を育てている妊娠7ヶ月のアラサーママです!今回は「姉妹のインフルエンザ」についてお伝えしたいと思います。低月齢の年子の病院受診は本当に大変です。2歳でイヤイヤ期真っ盛りのさっちゃんと、まだスタスタと歩くことができないれーちゃん。さっちゃんもれーちゃんも病院が嫌いなので聴診器もお口あーんも、ものすごく嫌がります。さっちゃんは全身の力を振り絞って暴れるので動かないように押さえるのが大変です。パパと2人で受診しないと、1人ではさっちゃんのジタバタをどうすることもできません。新年早々さっちゃんとれーちゃんが同じタイミングで発熱しました。さっちゃんは微熱でしたが、れーちゃんは38℃を超える高熱でした。この時期はまだほとんどの小児科がお休みです。開いてる病院を探して駆け込み検査を受けたところ、れーちゃんがインフルエンザA型と判明。さっちゃんは高熱ではなかったのですが、翌日に検査という流れになりました。結局、翌日になりさっちゃんもインフルエンザと発覚しました。しかしさっちゃんは予防接種をしていたためか、それほど熱が上がらずに済みました。1日目38℃位まで熱が上がりましたが、2日目以降微熱、そして平熱に。本当にインフルエンザなの?と疑いたくなるほど元気でした。一方、れーちゃんは、1歳の定期接種との兼ね合いで予防接種を受けるタイミングを逃してしまいました(昨年11月頃、手足口病にかかり1歳の予防接種がずれてしまったのです。)れーちゃんは予防接種を打てていないせいか、2日間39℃を超える高熱が続き、目もうつろ、動く元気もなくほとんど横になり寝ていました。れーちゃんのそんな姿を見たのは初めてでつらかったです。3日目に微熱まで下がりましたが、まだ本調子ではなくぐったりとしていました。家庭内の感染を防ぐのはなかなか難しいですよね。わたしも気を付けてはいるものの半ば諦めモードです。親があとから感染すると元気になった子どもたちの相手をしながら治さないといけないので気を付けたいところです。ウイルスに負けず2020年も子育て街道突っ走ります!おおもりなつみさんの次回の公開は1/30(木)を予定しております。お楽しみに。妊娠・育児に関するお役立ち情報発信中!ままのてのTwitter・Instagramをフォローすると、最新マンガの更新情報をご確認いただけます。ぜひチェックしてみてください!過去のエピソード著者情報
2020年01月16日ウーマンエキサイトをごらんの皆さま、こんにちは! ぴなぱと申します。今回はインフルエンザの予防にひと役かってくれているワクチンにまつわる、わが家の長女こまちゃんのお話。このお話は我が家で起こった話なので、みなさんに当てはまるものではないかもしれませんが、もし参考になればうれしいです。こまちゃんがインフルエンザワクチンを最初に受けたのは、2年前の3歳の冬。子ども園の保育部に通い始めたこともあり、集団生活では感染リスクも高くなるだろうとワクチンを打つことにしました。それまで打っていなかったのでワクチンスタートの時期も知らず、受けようと思ったときには在庫切れ。ワクチンの在庫がある小児科を探していたら年が明けてしまい、打てたのは1月下旬くらいになってしまいました。そしてようやくワクチンを打った1週間後。ちょうどワクチンを打ってすぐにこまちゃんのクラスで何人かインフルエンザの報告が出て、ギリギリセーフ!と、思っていたのですが、このタイミングでまさかの発熱。抗体ができるまで2週間ほどと聞いていたので、1週間じゃダメかも…と思いつつ病院でインフルエンザの検査をすると結果はやはり陽性。一応打ったんだから、接種後1週間でもある程度効果はあるのでは?なんて思っていましたが、やはり1週間では効果はあまり期待できないかもということでした。 翌年、こまちゃん4歳の冬。去年のリベンジを! と、前年よりは少し早い時期にワクチン接種を検討しましたが、またしてもかかりつけの病院はすでに在庫切れで、たまたま「ワクチン在庫あります」という看板を見かけたクリニックで接種することに。ちなみに脳神経科でした。電話で問い合わせたところ、小児科じゃないのでアフターケアはできないけど、ワクチンを打つだけなら子どもでもOKとのことだったので、その日のうちに打ってもらうことに。すると…昼過ぎにワクチンを打ち、夜お風呂に入ろうとしたら注射したところの周りが赤く腫れていました。朝になるとさらに腫れていて、上腕全体が赤く膨らみ熱も持っていて、かゆみと痛みもあるようでした。ワクチンのせいだとは予想できましたが、前述したようにワクチンを打った脳神経科ではアフターケアはできないと言われていたので、いつも行っている小児科で診てもらうことに。今回は2回目の接種は見送りに。特にアレルギーを持っているわけでもないので(現在は喘息を診断されていますが当時はまだ微妙なところだった)、その時は「今回たまたま反応してしまっただけかもしれないね」という感じでした。 そして5歳になった今年、2度の失敗を踏まえ、かかりつけ医のワクチン予約スタート日に即予約! 3歳の時の感染は完全に私がモタモタしていたせいだし、4歳の時のアレルギー反応もこまちゃんの体質の問題なので、それまでワクチンを受けたふたつのクリニックには何の非もありませんが、接種後のことも考えるとやっぱり普段から診てもらっている病院で受けるのが安心だという結論に至りました。 無事予約枠を確保でき、いざ打ってみると…去年のはたまたまではなかったようで、またしても真っ赤に腫れ上がってしまいました…。かかりつけ医に相談し、去年のこともあるので2回目の接種のときに抗アレルギー薬を試してみようということに。2度目の接種の前の日から接種翌日まで飲んで、これでアレルギー反応を抑えてみるそうです。以前蕁麻疹か何かが出たときにも飲んだことのある薬で、その時は確かに効いたので今回もこれで行けるか!?と思ったのですが…ダメでした。ただ症状は薬を飲まなかった1度目に比べたら格段に軽く、赤みは多少あるけど腫れはほとんどない感じでした。しかし本人が感じるかゆみはやはりあるようで、薬で完全にカバーできたとは言えませんでした。こうなるとこれ以上手はなさそうです。インフルエンザに感染するかはわからないけど、ワクチンを打ったらほぼ確実アレルギー反応が出る。インフルエンザにかかった時は確かに数日辛そうで、アレルギー反応のかゆみや痛みも同じくらい…元々注射は平気な子だったのですが、インフルエンザワクチンに限っては完全に嫌なイメージがついてしまいました。予防のため、感染した時の症状を軽く済ませるためにもワクチンは有効だとはわかっていますが、いかんせんこまちゃんとは相性が悪いようでした。今回の件でインフルエンザに限らず予防接種をするときには、子どもの体質なども加味することも、判断基準にしなければいけないなのだなと改めて思ったのでした。=========================================本記事に記載された症状は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証するものではありません。=========================================
2020年01月12日この冬も、インフルエンザがはやっているみたいですね…。我が家は毎年、予防接種を受けるものの、かならず誰か(もしくは全員)がかかってしまうという残念な結果になっています。とりあえずは今年も予防接種を! といつもの小児科で予約することにしたのですが。もしかして常識だったりするのでしょうか!? もちろん地域やそれぞれの病院によるとは思いますが、改めて調べてみると、うちの周辺でも、いろいろな病院でインフルエンザの予防接種を実施していました。内科はともかく、皮膚科でも打てるとは!長女ムスメの持病もあるので、今のところはかかりつけ医が理想だな、と思いましたが、候補が数あるのは心強いですね。さてさて、とりあえず予防接種の予約ができた12月まで、家族全員無事に過ごすことができました。が、それは2回目の接種当日に起こりました…。ムスメ、今年も逃れられず…!!同じく発熱したオコメは、ただの風邪だった様子。2人とも、熱はあるもののとても元気でした。一応隔離しようと試みたのですが、インフルエンザの薬も飲んでいたし、まだ別部屋に寝かせるのはちょっと怖い。同じ部屋にいて、離れろっていう方が無理な話ですよね! ええ!ヒヤヒヤしながら過ごした年末、何とか他の家族は逃れることができました。願わくば、今年も1年、家族全員逃れられますように…!
2020年01月11日ウーマンエキサイトの読者のみなさんこんにちは! 8歳と5歳のやんちゃ兄弟を育児中のなーみんです。冬本番、病気のオンパレードの季節になってきましたね。子どもに薬を飲ますのが大変という方も多いのではないでしょうか?うちの長男がまだ赤ちゃんの頃も大変でした…! 今ではすっかり薬慣れして大丈夫ですが(笑)■薬を飲ませるのが大変な長男まだ長男が1歳にも満たない頃でした。病院で抗生剤をもらったのですが、毎度薬を飲ますのが大変で騙し騙しやっていました。薬の飲ませ方はいろいろあるのは知っていたのですが、なんとなく甘いものが多くて避けていました。まだ1人目だったこともあり食べ物にはかなり神経質だったので…。そこで薬剤師さんに相談したら「お薬用のゼリー」の存在を教えてもらいました! 恥ずかしながらそれまでそんな便利な物があるとは知らず…。ゼリーだったらそんな甘さもないだろうし良いかなと思ってドラッグストアへ。いちご、ぶどう、チョコ味のお薬用ゼリーが置いてありました。チョコはまだあげた事ないし早いよな~と思ってぶどう味を購入しました。■お薬用ゼリーで飲ませてみたら…そしてゼリーに薬を混ぜて食べさせてみたんですが…とんでもない顔しながら口から出してしまいました! なんで? と思いもう一度口に入れてあげたら口から出す…を繰り返し…。そんなにまずいの? と思ってちょっと舐めてみたら…苦すぎ!!この世の物とは思えない苦さでした。■原因は…調べてみると、抗生剤の種類によっては苦みが増し飲みにくくなることがあるそうで「チョコ味を使用してください」とのことでした。そんな…!よく見なかった私が悪いのですが、お薬用ゼリーに飲み合わせがあるなんて…! 長男にとんでもない経験をさせてしまったと反省。その後しばらくはゼリーを使わず、また騙し騙しで飲ませることにしました。抗生剤以外の薬でお薬用ゼリーを使用したところ、その時はすごく楽に飲ませる事ができました!私のような失敗をする方はあまりいないかとは思いますが、お薬用ゼリーを使用する場合はご注意ください~!※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。詳しくは医療機関を受診ください。
2019年12月26日こんにちは! イラストレーターのにわゆりです。年末が近づきバタバタと慌ただしい毎日、みなさま体調はいかがでしょうか?前回に引き続き、今回も体調不良についてのお話ですが…我が家、11月はとっても悲惨でした(泣)■インフルエンザの予防接種はいつ?インフルエンザの予防接種の時期は毎年悩みますよね。そうこうしているうちにあっという間に流行してしまうのですが…今年も我が家はのんびり考えていました。とくにモン太は体がだいぶ強くなり、小学生になってからは風邪をほとんどひかず、昨年のキーちゃんのインフルエンザもうつらなかったので「打たなくても大丈夫かな~」なんて思っていたかーちゃん…。しかし、11月に入ってすぐにモン太が突然の発熱!症状は、「突然の40度近い高熱、他に症状はなし、元気がなくぐったりしている」と普通の風邪とは違うのは明らか。でもまだインフルエンザの話題もないし、まわりにも1人もいない状況で「まさかね…」と思いつつも、前回(26話)の経験を踏まえ、発熱から20時間ほどたったころに受診。第26話はこちらから!■幼稚園からのお迎えコールにおびえる結果はインフルエンザA型! 受診後すぐに調剤薬局でインフルエンザの薬「イナビル」を吸うことができたので、症状は徐々に軽くなったのですが。家族にうつらないようにと寝室を変えたり消毒したり…かーちゃんは看病や除菌に奮闘する毎日。そしてモン太の発症から4日目。お昼ごろに幼稚園からのお迎えコールが!!「え? まさかキーちゃんにうつった~!?」すぐにお迎えに行き話を聞くと…帰宅後にキーちゃんはおう吐し、かーちゃんの中で「かかってほしくない風邪ナンバー1」の胃腸風邪と診断され、4日ほどお休みしました…。まさかこのタイミングで違う風邪をもらってくるとは…予想外の展開にかーちゃん困惑~!しかし、症状は軽かったのか、おう吐は2回ほどで処理がとても楽だったのが救い…。インフルエンザと胃腸風邪の看病でさすがのかーちゃんも疲労困ぱいでしたが、モン太も無事に登校開始し「あと少しだ~!」と思っていた矢先に学校からトドメのメールが!■学校からの連絡で家事も仕事もストップ!なんと、モン太のクラスだけ学級閉鎖という事態に…! こんなに早く流行するなんて聞いてないぞ~~! ということで、この2週間の我が家のスケジュールはこんな感じでした。子どもが2人いるとこんな事態になるということも想定しないといけないのですね…。学級閉鎖中は、当たり前ですがなるべく外出は控えるようにとのことで…たんまり出た宿題やお勉強をしたりテレビを見たり過ごしていました。それでも時間を持てあましてしまい、仕事をしている横で延々と「人生ゲームやろ~!」と言われ参りました(泣)みんな学級閉鎖中はどう過ごしているんでしょうか…。そして最後の最後でかーちゃんも胃腸風邪の餌食に。1日でひどい吐き気は治まったものの、2~3日は消化不良でおかゆばかり食べていました。部屋もぐちゃぐちゃ、やる気も起きず戦いにやぶれた戦士状態。前回、風邪に負けない体作りの記事を書いたばかりなのに、早くも負けてしまいました(泣)まだまだ続く冬、もうこんな事態は起こってほしくないですが…集団生活をしていると子どもはどうしても何かしらのウイルスをもらってきてしまいます。うがい手洗いを徹底して、何とか乗り切りたいかーちゃんです!
2019年12月14日【知っておきたい】インフルエンザの基礎知識小児科医の加納友環(ぱぱしょー)先生に、「インフルエンザ」についてお話を伺いしました。薬は飲んだほうがいいの…?副作用との天秤になるが、発熱期間を少し短くする効果があるので受診して薬をもらうのはありだと思う。インフルエンザの予防策は…?予防接種を受けるのが良いので、年内には接種を終えたいですね。そのそも予防接種は効果があるの?効果が実感できない人もいますが、ぜひ受けてほしいです。ほかにも、具体的な妊娠・出産にかかる費用について詳しくインタビューしています。ぜひ動画をチェックしてみてくださいね。動画目次0:22 インフルエンザA型B型とは?1:07 インフルエンザと風邪の違い1:51 お薬は飲んだ方がいい?2:29 インフルエンザ予防策とは3:41 予防接種しても病気になるのはなぜ?字幕付きのため、音声なしでもお楽しみいただけます♪子育てに役立つ情報が盛りだくさん!ままのてのYouTubeチャンネルでは、ママ・プレママの素朴な疑問やリアルな悩みを解決します。【SNSで大人気!】離乳食を食べ始めた息子が…?【簡単解説】ふるさと納税とは?【実録!】はじめての予防接種体験!【妊娠7ヶ月!】管理栄養士の妊娠中のリアルな食生活【保育士実践】赤ちゃんのげっぷの出し方とコツ動画は絶賛更新中!ぜひチャンネル登録してみてくださいね。
2019年12月11日感染症・予防接種の専門サイト「感染症・予防接種ナビ」によると、2019年9月から11月中旬にかけて4週間連続で、インフルエンザの1週間当たりの推定患者数が増加しています。今後、患者数はさらに増加が予想され、動向に注意が必要です。 雪印ビーンスターク株式会社が0歳から保育園などの施設に赤ちゃんを預けている・預けたことがある女性・男性151名を対象に行った「お子さんの感染症」に関する調査結果をご紹介します。 0歳の時に、感染症にかかったことが「ある」7割以上にのぼることが判明 0歳の時に、感染症にかかったことが「ある」という回答が72.2%と多数の方が経験しているという結果に。 0歳から保育園に預けるにあたって心配だったこと、という別の設問では8割以上の方が「感染症などの病気」と回答しており、心配ごとの1位にランクインしています。その心配のとおりに、感染症にかかってしまっているという現状がうかがえます。 お子さんの体調不良によるお迎えは、6割以上が月に1度以上あったと回答保育園などに預けていて、子どもの体調不良や病気によりお迎えの連絡が入り、仕事との両立が大変だったと感じた経験はあるかを聞いたところ、実に9割以上が「ある」と回答しました。 また、「ある」と回答した138名に0歳で預けている期間中、どのくらいの頻度でお迎え連絡があったかを調査したところ、「月に二度以上」が30.4%、「月に一度ぐらい」が31.9%にのぼり、6割以上が月に一度以上お迎え連絡があったことが明らかに。 そんな中、次の設問では、どのような予防・対策を行っているのか確認しています。 秋冬の感染症対策1位「予防接種」、2位「清潔に保つ」。次いで、「水分補給」や「栄養バランスを考えた食事」が上位に 秋冬の感染症(インフル、胃腸炎など)の対策については、1位が「予防接種」で69.5%、2位が「清潔に保つ」という結果に。次いで「こまめな水分補給」や「栄養バランスを考えた食事」が上位に入っています。 ふだんお子さんが口にする粉ミルクや離乳食など、それに入っている栄養成分の観点から、感染症の予防を考えている方も多数見受けられます。実際に粉ミルクを選ぶ時に重視していることは?という設問では「入っている成分」との回答が最も多い結果でした。 12月をむかえ、さらにインフルエンザなど感染症に注意が必要な季節です。お子さんだけでなく家族みんなの体調管理、予防を心がけていただければと思います。 <調査概要>調査対象:雪印ビーンスターク株式会社が運営するメンバーズクラブ 「まめコミ」会員(0歳から保育園などの施設に赤ちゃんを預けている・預けたことがある20〜40代の女性・男性)調査期間:2019年9月20日(金)~2019年9月25日(水)調査件数:151件
2019年11月28日寒い時期がやってきました。喘息もちの息子と私、風邪をひきやすい夫、目が固く睡眠不足になりやすい娘・・・。この時期はいつ体調を崩してしまうのかと戦々恐々の日々です。特に母である私が倒れると家のことが回らくなる・・・! 子どもたちが小さければ小さいほど、常に「私が元気でいなきゃ」と思っていました。インフルエンザで寝込んだ時、胃腸炎で寝込んだ時、いつもお休みを取って面倒を見てくれる夫よ、本当にありがとう。子どもの身の回りのお世話に加え、家事も引き受けてくれて、私が一人でじっくり休息できる時間を作ってくれるので、いつも本当に助かっています。でも、もしこれが夫の出張中だったら? どうしても抜けられない仕事がある日だったら? ・・・そう思うと恐ろしく「やっぱり母は常に健康でいないと」と改めて思ったのでした。というわけで、私が体調を崩さないように毎日していることとは・・・こんなこと。これをやり始めてから、以前よりも「致命的な体調不良になる日々」が減ったように感じています。体調を崩したとしても、軽くすんでいるようです。ある晩、体のだるさを感じて熱をはかると、なんと37.5度。この時は微熱でしたが、発熱前の独特の倦怠感もあり、これからひどくなることが予想されたので念のため夫に「熱がある」と伝えてから眠りにつきました。ところが・・・夜中の1時ごろでしょうか、寝苦しくて起きると、まだ夫の部屋の電気がついているではないですか。いつもは早寝なのに珍しい。「明日も会社なのに大丈夫かな?」そう思いつつも、だるさから声もかけずに布団に潜り込んで、そのまま眠りました。そして翌日、案の定、熱は39度を超していましたが、7歳と4歳になった子どもたちは、ある程度の身の回りのことは、もう自分たちでやることができるので、「とりあえず幼稚園にさえ送り出してしまえば、あとはゆっくりできる~!(涙)」と、重い体を起こして準備に取り掛かったのです。え、なに、そのものすごく残念そうな顔は・・・。もしや夫は、私の発熱メールを受けて、今日は会社を休む気分になっていたのかもしれません。それで昨晩も夜遅くまでテレビを見ていたのではないか・・・。確かに、子どもたちが赤子時代に同じ状況になったら、確実に夫にお休みをお願いしていたでしょうから。結局、夫はトボトボと出勤していきました。「妻が体調を崩しているから休みを取ろう」という気持ちは、とても嬉しいけれど、なんだかなー(苦笑)と思った出来事でした。いや、休んでもらったほうがいい妻だったのかな? いまだに答えがわかりません。(笑)
2019年11月22日こんにちは。渋谷です。寒くなって来てそろそろ風邪が流行る時期ですね。ということで今回はわが家の風邪予防事情についてのお話です。■子どもの風邪をもらわないようにするには…?わが家で真っ先に風邪を引くのは娘のみったん。健康な方ではありますがどうしても幼稚園でもらって来てしまう様子。 ■わが家最大の風邪予防は夫だった!そして毎回の様に口を酸っぱく「風邪予防をしろ」という旦那。「風邪予防って具体的に何すりゃええねん…」とダラダラ過ごす私。で、最近気がついたんです。大体のことは旦那が先回りしてやってくれる。わが家の風邪予防って【旦那がいる】ことじゃね!?(ダラ母にもほどがある)とはいえ風邪は万病のもと。みなさん体調にはくれぐれもお気をつけ下さい!
2019年11月19日5歳と1歳の4学年差兄弟を育児中のゆきです!こちらの連載では次男を妊娠中のお話を書かせて頂いてます。約2年前、私が2人目妊娠後期だったとき、インフルエンザが大流行していました。15話で長男が保育園の洗礼を受け病気にかかりまくったと書きましたが、今回はインフルエンザに感染したときの話を書きたいと思います。▼長男が保育園の洗礼を受けた話はこちら ■妊娠中にインフルエンザ大流行! 予防接種は…次男出産の直前までは、上の子を預ける予定がなかったので、インフルエンザの予防接種は見送ることもありました。しかし、その年は今までと状況が違い… 妊婦の私や保育園に預ける長男りゅうが感染したら大変なので、家族全員で予防接種を接種すると決めました。しかし、その年はインフルエンザのワクチンが足りないと連日報道されているほどで…、市内の病院に電話をかけまくって、ようやく接種することができました。※週数や妊婦さんの持病などにより、接種できない場合もあるようです。必ずかかりつけ医にご相談ください。 ■これでバッチリ! と思っていたけど…パパが感染し、長男はなんと2回も感染!幸いなことに夫と長男の感染時期がずれていたので、長男を看病して大変な時は、夫に買い物などをお願いすることができました。また、出張の予定があった夫ですが、インフルエンザの長男と妊婦を残していくのが心配ということで、仕事をキャンセルして家にいてくれたのでとても助かりました。■小さい子どもがいると、感染を防ぐのは難しい…!?1人目妊娠中の時は、感染症が大流行しているときに外に出ないようにしたり、夫が感染したときは実家に避難したりと、いろいろ対策をすることができました。しかし、上の子がいるとなかなか難しく…。また、自身の体調が悪い時の看病の辛さを実感しました。 赤ちゃんが産まれてから家族で感染したらもっと大変だったろうなと思います。■予防接種だけじゃなく、日頃の対策も大切我が家は予防接種をしても感染してしまいましたが、接種していたからか夫は軽めの症状だったと思いますし、長男も後遺症などなく済んだと思っています。そして私は2人の看病をしながらも感染せずに済みました。子どもがいる状態で感染を防ぐのは難しいですが、予防接種も含め、マスクや手洗い・消毒など、しっかりと自衛しておくことが大切だと身をもって感じました。教訓を生かし、今年も我が家は家族全員で接種しました!※このコラムは個人の体験記です。週数や妊婦さんの持病などにより、接種できない場合もあるようです。必ずかかりつけ医にご相談ください。
2019年11月14日すっかり寒くなり、そろそろこたつを出さなきゃな〜と思ってるニタヨメです。寒くなると、子どもも大人も体調を崩しやすくなるので心配ですね。去年の冬、大流行中だったインフルエンザになってしまった長男。みんなにうつらないように隔離していましたが、看病していた私がもらってしまいました。日中は、夫 仕事(帰宅は深夜)長女 学校 次女 元気 長男&母 高熱グッタリ家にいるのは超元気な幼児と病人2人。元気な次女にどう暇をつぶしてもらうかに悩みました。感染予防しながら遊んでいましたが、熱が上がってきて起き上がるのもフラフラ…昼ごはんも簡単なものを食べてもらい、布団に倒れこむような状態でした。いつもと違う状況に飽きてきた次女。遊び相手は布団でうなされているのでザ・暇。そんな状況で頼りにしたのは子ども向けDVD。なんだか放っておくのは、ものすごく申し訳ない気持ちになりましたが、状況が状況なだけにしょうがない…。(ごめん、ごめんよ)長女が学校から帰ると、宿題をすぐに終わらせて次女と遊んでくれました。そして、一緒にお風呂も。■ピンチのとき助けてくれた神たち長女…神。いつもは家の手伝いなど、やる気のないタイプの彼女ですが、母がピンチのときは助けてくれるんです。夕飯はというと、仕事を終えたばあばが駆けつけてくれて、からだに優しいご飯をつくってくれました。ココにも神。最後のミッション「寝かしつけ」。いつもは母のとなりで寝る次女ですが、この日は隣の部屋で寝てもらいました。母とも一緒に寝れません。寂しそうな次女でしたが、長女が絵本を読んで寝かしつけをしてくれ無事夢の中…!小さなママよ、ありがとう!! ■周りの手助けはありがたい長女が母の役割を代わりにしてくれて感動しました。自分がまともに動けなくなると、周りの手助けがありがたいですね。私の長女はもう大きいし、ばあばも近くに住んでいるので、困ったときは頼れる状況にありますが、実家が遠かったり、小さなお子さんを持つお母さんは本当に本当に大変だと思います。世の旦那様、想像以上に大変なので奥さまが体調を崩したときはたくさん助けてくださいね。ほんっとに大変だから!
2019年11月11日妊婦さんにとって心配なのは、妊娠中の体調不良です。妊娠中は体の変化が大きく、吐き気や熱っぽさなどを感じやすいもの。しかし、妊娠の経過が順調であれば、39度を超えるような高熱にはなりません。もし、妊娠中に高熱を出してしまったら、どのように対応するのが正解なのでしょうか。誤った対処は妊婦のみならず、胎児にも良くない影響を及ぼします。今回は高熱が出る原因、妊婦や胎児に及ぼす影響、高熱が出た場合の対処法などを紹介します。 高熱とは何度から? 発熱の仕組みを理解しよう発熱とは、体温が37.5度以上になることです。微熱だと頭がボーッとしたりフワフワした感覚を抱いたりしますが、38度を超えてくると「熱がある」と自覚しやすくなります。高熱といわれるのは39度以上です。通常、人間の体温は36度台に保たれています。体に熱があるのは、体内で盛んに代謝が起こっているためです。そして、一定の温度を保っています。体温調整の役割を担っているのは、脳の視床下部にある体温中枢。風邪を引いてウイルスが体内に入り込んだ場合などは、体が外部からやってきた敵を高熱でやっつけようとします。 血管の収縮や筋肉のふるえによって熱産生が起こり、体温が上昇します。体温が上昇しているときに悪寒がするのは、脳が体内の設定温度を上昇させるためです。例えば、平熱が36度の場合、ウイルスをやっつけるために36度だった設定温度を39度まで引き上げます。体温設定が上がったことで、逆に外気温は下がったように感じます。これが悪寒の正体です。発熱によって体温が設定温度である39度まで上がりきれば、悪寒は止まります。妊娠中に高熱が出ると不安になりますが、従来、発熱は疾病や感染症から体を守るために必要な機能の1つです。 発熱する原因とは? 妊娠中の微熱と高熱の違い妊娠初期は胎児を育むためにホルモンバランスが大きく変わります。その関係で微熱が出たりほてったりしますが、妊娠初期の正常な反応です。妊娠中の正常な体の変化であれば、39度以上の高熱にはまずなりません。体温が38度を超えるようなら、何らかの疾病や感染症を疑ったほうが良いでしょう。高熱が生じる代表的な感染症や疾病は、インフルエンザをはじめとする呼吸器感染症、腎盂腎炎をはじめとする尿路感染症、胆嚢炎、骨髄炎、自己免疫疾患、甲状腺機能異常などです。何らかの薬を服用している場合は、副作用でも発熱するケースがあります。高熱ではないものの、微熱や38度程度の熱が出る感染症もあります。代表的なのは、風疹や水ぼうそう、ノロウイルスなどです。サルモネラ菌や病原性大腸菌などの細菌性食中毒でも発熱します。 感染症や疾病のなかには、健康な状態なら軽症や無症状で済むタイプもあります。しかし、妊娠中は免疫力低下のため重症化するケースがあり、胎児にも悪影響を及ぼします。妊娠中はもちろん、妊活中から感染症予防を徹底しておきましょう。不活化ワクチン(ウイルスや細菌の感染能力をなくして免疫に必要な成分をワクチン化したもの)であるインフルエンザなどは妊娠中でも接種できますが、多くの感染症予防のワクチンは生ワクチン(ウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られたワクチン)であるため接種はできませんので、妊娠前に予防接種を受けておくことが重要です。 家庭内感染を防ぐために、家族にも予防接種をお願いしておきましょう。ウイルス性、細菌性食中毒による高熱を防ぐには、手洗いとうがいを徹底して、調理器具もしっかり消毒します。ほとんどの細菌やウイルスは熱に弱いです。生食はおこなわず、加熱調理を徹底しましょう。購入した食材も、なるべく短い期間で食べきるようにします。感染症予防は普段の生活の中で気を付けていかなければなりません。妊娠中にいきなり実践するより、妊活中から心がけて習慣化しておくと良いでしょう。 高熱が母体と胎児に及ぼす影響とは? 実は熱より心配なことがある!妊婦以外の健康な人の場合、一般的には41度未満の高熱なら、熱による体への影響はないとされています。熱自体が体に悪影響を及ぼすのは41.5度以上です。ただ、妊娠中はつわりや胎児の成長による腰痛などがあり、体に疲れが出やすくなります。高熱によってエネルギーを消耗すると、体力も奪われます。大量に汗をかいて脱水症状になる可能性もあり、注意が必要です。感染症や疾病の種類によって、症状の現れ方はさまざまです。高熱による影響よりも、病気の症状そのものの方が体に及ぼす影響は大きいでしょう。 妊娠中、特に注意したい感染症について、母体と胎児に与える影響をそれぞれ紹介します。 妊婦がインフルエンザにかかると、合併症を起こしやすいといわれています。その確率は、妊娠14~20週で通常の1.4倍、妊娠37~42週で通常の4.7倍です。妊娠週数が進むほど合併症のリスクが高くなり、自然流産や早産につながってしまうことがあります。低出生体重児や不当軽量児、胎児死亡など、胎児に深刻な影響を及ぼすため、予防は徹底したいところです。また、妊娠週数にかかわらず、発症した場合にはただちに治療を開始することが大切で、同居家族が発症した場合にも抗インフルエンザ薬の予防的な服薬がすすめられています。 風疹は発熱のほか、発疹やリンパ節腫脹などが起こるウイルス性感染症です。妊娠4~20週で初めて風疹にかかると、赤ちゃんが難聴や白内障、心臓疾患などの先天性風疹症候群になる恐れがあります。風しんの予防はワクチン接種です。妊活中には必ず受けておきましょう。 妊娠中に薬を服用しても良い? 高熱のときの対処法妊娠中に高熱が出た場合、自己判断で市販の薬を飲んではいけません。薬の成分が胎児に与える影響は、医療知識のない人には判断しにくいものです。妊娠中は服用を避けたい薬もありますので、まずは医療機関を受診して、服用しても胎児や妊婦に悪影響を及ぼさない薬を処方してもらいましょう。 避けたほうが良いとされている薬を服用してしまった場合、妊娠週数によって胎児への影響が変わってきます。妊娠4週未満では、まだ胎児の器官形成は始まっておらず母体薬剤投与の影響を受けた受精卵は着床しなかったり、流産してしまったり、あるいは完全に修復されるかのいずれかです。ただし、残留性のある薬剤の場合は要注意とされています。胎児の器官が形成される妊娠4~7週が最も薬による影響を受けやすい時期で、胎児の体に奇形が現れる可能性があります。妊娠16週以降になると、奇形の危険性は少なくなるでしょう。しかし、胎盤から胎児へ薬の成分は伝わるため、悪影響を及ぼす可能性は捨てきれません。発育抑制や機能的発育への悪影響、子宮内胎児死亡などに注意が必要です。ただし、胎児に何らかの異常が見られたとしても、必ずしも薬のせいだとも限りません。自己判断で薬を飲んでしまった場合でもひとりで悩まず、病院で相談してみましょう。 妊娠中は自己判断をせず、適切な治療が必要です。自宅では安静を保ち、体力の消耗を防ぎましょう。悪寒があるときは、体を温かくします。汗をたくさんかくので、こまめな水分補給も大切です。悪寒がなくなったら、わきの下や鼠径部など太い血管が通っている部分を冷やしましょう。また、解熱効果はありませんが、頭を氷枕や冷却シートで冷やすのも、高熱による体の苦痛を和らげてくれます。高熱の状態で無理は禁物です。適切な対処法で高熱を乗り切りましょう。 まとめ高熱のときは赤ちゃんへの影響が心配です。妊娠中はホルモンバランスの変化で、心も体も変化します。一番良くないのは、ひとりで抱え込んでしまうこと。産婦人科やかかりつけ医に相談をして、対処法を仰ぎましょう。現代女性は仕事や家事で忙しく、無理をしてしまいがちです。しかし、赤ちゃんを守るためにも、自分の体は大切に扱わなくてはなりません。妊娠中は感染症や疾病にかからないように、予防を徹底することが大切です。 ■参考・「食中毒について」公益社団法人全日本病院協会・「妊婦の薬物服用」公益社団法人日本産婦人科医会 監修者:医師 産科婦人科福岡医院院長 福岡 正恒 先生京都大学医学部卒。同大学院修了後、京都大学助手、講師を経て、平成11年より産科婦人科福岡医院院長。京都大学在職中は、婦人科病棟や産科病棟などを担当。またこの間、英国エジンバラ大学・生殖生物学研究所に留学。日本産科婦人科学会・産婦人科専門医,京都大学医学博士
2019年10月24日こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、3歳の子育て中です。今年はインフルエンザが早めに流行の兆しを見せています。 厚生労働省が早めに統計を取りはじめました。まだ、流行と言えるほどの地域は少ないですが、これからすぐ流行になる可能性もあるので、今回は予防についてお伝えします。 インフルエンザ、「予防」がとても大切!インフルエンザは冬を中心に日本全国で流行する感染症です。毎年、本当にたくさんの人がかかりますし、まわりを見てみても「インフルエンザになっちゃった」と話つつ、今は元気で過ごしている人ばかりだとは思います。 ですが、インフルエンザには怖い合併症があります。一番怖いのは「インフルエンザ脳症」です。オーストラリアの研究(Pediatric Active Enhanced Surveillanceネットワーク) では、インフルエンザ脳症になるのはまれではあるが、かかってしまうと半数に障害が残るというデータがあります。また、脳症にかかった子でワクチンを接種していた子はいませんでした。 他にも、肺炎、中耳炎などの合併症があり、「他の人もかかっているから、かかってもきちんと治る」というワケではなく、予防がとても大事です。 インフルエンザワクチンは効くの?インフルエンザワクチンは「接種してもインフルエンザになってしまう」と、あえて接種しない人も見かけます。確かに、インフルエンザワクチンは毎年有効性に差があり、かつ接種しても絶対にかからないことを保障してくれるものではありません。ですが、脳症の例にもあるように、重症の合併症の予防としてとても重要です。 また、毎年インフルエンザの診療で、何十人何百人とインフルエンザにかかった人を診察していると、接種した人の方が明らかに重症度が低い人が多い印象です。 権威ある医学史『NEJM(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)』という雑誌でも、「昔日本で行われていたインフルエンザワクチン集団接種は、インフルエンザの死亡を明らかに減らしていた」と報告されていて、「ひとりでも多くの人が接種することで、周りにまでインフルエンザに対して予防ができる」ということもわかっています。 接種のしかた(1)生後6カ月以上3歳未満の方 1回0.25mL 2回接種(2)3歳以上13歳未満の方 1回0.5mL 2回接種(3)13歳以上の方 1回0.5mL 1回接種生後6カ月から8歳までは2回接種、12歳までは2回接種推奨です。生後6カ月から3歳未満は、1回につき大人の半分量を接種します。10月ごろに1回目を接種し、4週間以上あけて2回目を接種しましょう。 日本では、集団保育(保育園など)に行っている子は、生後6カ月から推奨。行っていない子は1歳から推奨、そして、0歳の赤ちゃんがいるご家庭は、家族がしっかり予防しましょう、と推奨されています。 「ハイリスクの人」って?インフルエンザがハイリスクになる人は、「生後6カ月から5歳未満」、「50歳以上の人」(意外に若いですね)、「インフルエンザシーズンに妊娠している人」そのほか、「慢性疾患にかかっている人」です。生後6カ月から18歳までの人は、インフルエンザにかかってアスピリンやサリチル酸を服用していると、急性脳症などを引き起こす「ライ症候群」にかかるリスクも高くなります。ハイリスクに該当する人は、特にインフルエンザワクチンを接種するのが望ましいですね。 家族で予防が大事です集団接種の例でもわかるように、たくさんの人が接種すると流行も抑えられ、さらにインフルエンザの死亡も減少します。「今までなったことがないから」「今まで打たなくても大丈夫だったから」と言っても、今年大丈夫かはわかりません。特に小さなお子さんがいる家庭はハイリスクです。ぜひご家族で予防をしてくださると嬉しいです。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
2019年10月09日こどもと見つけた小さな発見日誌
育児に遅れと混乱が生じてる !!
ムスメちゃんとオコメちゃん