“自分らしい人生を描くライフプラン”実践するコンサルタント2名をご紹介Upload By LITALICOライフ(写真・左)大手教育関連企業に入社後、会社の経営に従事しつつ、地域に根付いたサービス提供を推進。中学から大学までの入試全般から、普段の学習方法や不登校等々多くのご相談を経験。現在は、進路選択から習い事へのアドバイスや教育費の備え方など広く相談を実施している。(写真・右)中学時代にいじめに遭ったこと・障害のある家族がいることから「人と人/人と環境の境目にある壁をこわすこと」を軸にする。当事者の家族であることから、家族の心のケアや障害年金、また「よくわかる高校受験」勉強会の開発者でもあり、入試全般、不登校問題の相談経験も豊富。LITALICOライフの面談はどのようなことをする?LITALICOライフ編集部(以下、ーーー):お二人は、発達障害・特性のある子のご家庭と日々ライフプラン面談をしています。面談ではどのようなことをするのでしょうか?加藤晋太郎さん(以下、加藤):ご家庭の多くは、子どもや家族の将来について「もっと良くなりたい」という気持ちがあります。そのお手伝いです。髙橋基さん(以下、髙橋):発達特性のある子は、進路や自立後の情報が手に入りにくいですよね。我々は情報を持っているので、整理しながら「どうありたいか」「どうすればそれが実現できるか」を一緒に考えます。よくある相談内容は?意外に多い「何からすればいいのかわからない」Upload By LITALICOライフーーご家庭からはどのようなご相談が多いですか?加藤:「行ける高校はあるか」「将来就けそうな仕事はあるか」など…ご家庭によってさまざまです。「何から考えたらいいかわからない」という方も意外に多いですね。髙橋:多いですね。ーー「相談内容がわからない」ケースもあるのですね。加藤:「何かを変えたい」と思いながらも、整理する時間が日常でとれないのだと思います。髙橋:面談は、そういった保護者さま自身の幸せや「実現したいこと」を再認識していく場でもあります。自分の願いを見つけるコツは「普通」「他の人と同じに」を一度忘れることーー保護者さま自身の「実現したいこと」は、どのように整理・再認識していくのでしょうか?加藤:例えば子どもの進路や趣味探しであれば、保護者さまは、子どもの特性や性格をよく知っています。それらを言葉にして整理していくだけでも、「実はこれが向いているかも」「一度挑戦してもいいかも」と見えてくることがよくあります。髙橋:保護者さま自身のことであれば、例えば「どうやったらうちの子は大学に行けますか」という質問もよく受けます。加藤:受けますね。髙橋:その場合、「なぜ大学に行って欲しいのか」「保護者さまにとって大学とは何か」と会話していくと、中には「やっぱり価値のあるものだから行って欲しい」という方もいれば、「よく考えたら行かなくてもいい」という方もいます。ーー会話していくなかで、考えが変わることがあるんですね!加藤:変わることもありますし、自分でも気づいていなかった価値観が見つかることがありますよ。髙橋:「わたし、こんなこと思っていたんですね」って言われますよね。加藤:「普通にしなきゃ」「他の人と同じにしなきゃ」と感じることがあると思いますが、世の中変化しています。例えば、コロナによってオンラインの活用など、学びのかたちも変わってきていますよね。最終的には自分たちの「こうしたい」という気持ちが大切だと思います。進路選択や相続。一般的に「良い」と言われていることも、詳しく知ると…?Upload By LITALICOライフ髙橋:「情報を正しく知る」のは重要ですよね。加藤:重要ですね。例えば「通信制高校が良いらしい」という情報があったとして…髙橋:卒業率や大学進学率、実際のカリキュラムなどを見てみると、相性の良い子と悪い子がいます。ーー通信制高校は今、注目されていますよね。子どもによって相性があるのでしょうか?加藤:はい。授業の受け方や、同世代とのコミュニケーションは独特な部分があります。「良い」と言われていても、合うかどうかはお子さま次第です。髙橋:面談で、人生にまつわる先の話をしていくと、相続の話にもよくなりますよね。ーー相続というと、親なきあとのお金のことでしょうか。お金持ちのご家庭が気にされそうですね。髙橋:お金のあるなしは、あまり関係ないかもしれません。人の別れは、避けては通れないものですから。加藤:保護者の方は「今」がとても忙しいので、考える機会がない方が多いと思います。面談では、将来や、保護者の方の家族の話になることもあります。すると「意外に時間がない」「突然のことで困る事態は避けたい」という気持ちになる方は少なくないですね。ーー相続というと専門的な印象がありますが、そういったことも相談できるんですね!髙橋:そこが私たちの強みです。現実的な家族関係やお金の問題をクリアしたうえで、「実現したい」ことに向き合いたいですからね。加藤:相続に関しても「子どもにお金を託しても管理できないから遺さないほうがいい」という意見もあります。でも、遺し方はいろいろあります。他の人に託したり、月々一定額届くようにしたり、一部の金額だけ渡したり。髙橋:その子が一人っ子ではない場合は、きょうだいのことも大事ですね。ーー将来のこと、きょうだいのこと、自分の親やお金のこと…。いろいろなことを繋げて相談できるんですね。加藤:相続や法律についても私たちは情報があるので、保護者さまは「どうありたいか」集中して考えられると思います。面談は「自分の意志で人生を描きたいと感じられる」「保護者さま自身の幸せを考える」場Upload By LITALICOライフーー最後に、保護者さまにとって面談がどういう場であってほしいか、教えてください。髙橋:保護者さまは、子どものことをすごくよく考えていらっしゃいます。だからこそ、あえて「今はあなた自身の幸せを考える場です」とお伝えしています。守りたいことや起きてほしくないことを整理して、自分たちにとっての形を追求することを、私は手伝いたいです。加藤:人生の時間は有限だと、私自身よく感じます。これからの数十年を俯瞰すると、自分ができることには物理的に限りがあります。生きているなかで何をしたいのかは、人や家庭によってさまざまです。「自分の意志で人生を描きたい」と感じられる、価値のある場にしたいと思っています。ーーありがとうございました。加藤晋太郎さんのプロフィール・無料勉強会はこちら髙橋基さんのプロフィール・無料勉強会はこちらLITALICOライフでは、発達障害のある子のご家庭と日々、「進路」や「将来」といったライフプラン(人生設計)について相談・面談をしています。14以上のテーマの無料勉強会を開催していますので、気になる方は参加してみてください。勉強会のあとに、個別の無料面談を希望することができます。LITALICOライフは、誰もが「自分らしい人生」を歩んでいけるよう、さまざまな興味・課題に合わせた情報提供や個別相談を通じて、そのひとりに合わせたライフプランニング(人生設計)をサポートしています。無料勉強会では、就学準備、地域ごとの進路情報、通級、支援級、グレーゾーンの子、不登校の子、親なきあと、私立中学受験まで、幅広く家族のための情報提供をしています。
2021年04月29日小学校高学年にもなってくると、親も宿題の回答に自信がなくなってきますよね……。双子ならではのエピソードです。■ 高学年あるある?(同じような話題前にも書いた気がするけど、ぬるく見守ってください(笑))双子でよかった!宿題、マルつけしてると自分の答えに自信がないことがあって……。そういうとき、もうひとりが正解プリントを持っててくれるとすっごく助かる!もちろんない場合のほうが多いんだけど、たまにこういう奇跡がおきると手を合わさずにはいられないよ(感涙)。
2021年04月24日こんにちは、今木智隆です。2020年8月より15回にわたり執筆してきた『いまの教育で本当に大丈夫?学びノベーション』も、いよいよ今回で最終回となります。データに基づく科学的な知見によって教育をとらえる「エビデンス・ベースド」の考え方のもと、「子どもたちの豊かな才能を伸ばす教育」のあり方を探ってきた本連載。これまで、「算数のニガテの原因」や「効率的な学習法」から、コロナ禍が浮き彫りにしたオンライン教育の課題まで、さまざまなテーマで「いま本当に必要な教育」をお伝えしてきました。前回の連載では、算数を学ぶことで身につく「論理的思考力」は、社会に出てからも、理系・文系にかかわらず強く求められるということをお話ししましたね。「論理的思考力」は、IT化が進むこれからの未来を生きるうえで、必須の能力なのです。今回は連載のまとめとして、子どもが学ぶことの楽しさに気づき、将来にわたって自分自身の才能を伸ばしていくために重要なことをお伝えします。「親が文系だから、子どもも文系」という思い込み子どもが算数でつまずいてしまったとき、こう考えるおうちの方がいらっしゃいます。「私が算数が苦手だったから、この子も算数が苦手なんだ」「私が文系だから、この子も理系には行けないかも……」たしかに、能力はある程度、遺伝の影響を受けます。でも、それは理系への進学を阻むほど強力なものではありません。むしろ、「ママと同じであなたも算数が苦手なのね」などと口に出して言ってしまうほうが大きな影響を及ぼします。おうちの方のネガティブな考え方が、子どものやる気を失わせ、子どもの可能性の芽を摘んでしまうのです。もちろん、どんな子でも頑張れば算数オリンピックで活躍できる、というわけではありません。しかし、学校で習う算数の範囲内なら、焦らず一歩一歩つまずきを解消していけば、どの子も必ず内容を理解できるものです。ですから、ちょっとしたつまずきを取り上げて「この子は算数ができない」と考えるのではなく、もう少し長い目でお子さまの学習を見守ってほしいと思います。そうすれば、子どもは算数に苦手意識をもつことなく、自分なりに試行錯誤をしながら、のびのびと力を高めていけるはずです。また、「謙遜で子どもを下げる」のも絶対にNGです。謙遜は非常に高度なコミュニケーションの方法で、子どもにはなかなか理解しがたいものです。おうちの方が周囲に向かって「うちの子は算数が全然できなくて……」などと言っているのを聞くと、子どもはそれを文字通り受け取って、やる気をなくしてしまうでしょう。逆に、算数ができるという確信がなくても、いいところを見つけてほめることはプラスになります。「数字に強いね」「計算が得意だね」「図形はなんでもできちゃうね」など、子どもの「得意」を見つけて、どんどん伝えてあげましょう。子どもは素直ですから、「自分は算数が得意なんだ!」と思うようになり、前向きに勉強に取り組んでくれるはずです。多様化する社会で「人生の選択肢」を広げるために「算数への苦手意識をなくし、理系を自由に選択できること」は、子どもにとって大きなアドバンテージになります。具体的な話をしましょう。まずひとつ、理系と文系では年収に格差があります。少し古い数字になりますが、独立行政法人経済産業研究所が発表した2011年の統計によると、文系出身者と理系出身者の平均年収(男性)は以下のとおりでした。文系出身者の平均年収:559.02万円(平均年齢46.09歳)理系出身者の平均年収:600.99万円(平均年齢46.19歳)単純に比較すると、理系出身であるだけで約40万円も年収が高くなります。「さまざまな分野・経済状況において日本より10年先に進んでいる」と言われるアメリカでは、その差はさらに顕著で、文系と理系の年収格差は平均8,000(80万円)ドルにのぼります。おそらく日本でも今後、こうした格差はさらにはっきりしてくることでしょう。そして、もうひとつ。職業選択の幅が広がることも理系のアドバンテージです。文系職は幅広いとは言っても、現代日本の求人は、理系職のほうが引く手あまたです。前回もお話ししたように、IT関連の人材は常に不足していますし、不足しているということは、年収を上げるチャンスも多くなります。特に、就活で「差を感じた」という声が聞かれるのが、女性です。理系女子、いわゆる「リケジョ」の人気は高く、多くの企業が優秀な人材を求めています。とりわけ多くの女性が活躍しているのが、食品開発や、化粧品などの化学製品の開発分野です。女性は、味覚や嗅覚に対して非常に敏感だと言われています。そのため、シャンプーや石鹸の香りなどの微妙な差異をつくり出すことには、男性よりも女性のほうが適しているのです。男性にはそのような繊細さがない人が多いため、味や香りの微妙な差異が勝負となる開発分野では、女性の人材が求められています。また、理系職に就く女性は出産後、職場復帰がしやすいという話もよく耳にします。文系職の多くは、その人が抜けても、別の人がその穴を比較的簡単に埋めることができることが多い。しかし、理系の研究職ではそうもいきません。研究は長いスパンで行なわれます。ですから、研究者を1人失うことは、企業にとって、研究の進展を妨げる大きな痛手となります。そこで、「産休・育休後は戻ってきてね」となるわけです。このように、理系を自由に選択できるということは、人生設計の自由度を高め、結果として将来の豊かさにつながります。これから先、社会はますます多様化していくでしょう。そのなかで、幅広い人生の選択肢を確保するために、「算数が得意であること」は大きな強みになります。まずは、小さい頃から数に親しみ、算数への苦手意識をなくすこと。それが、子どもの豊かな未来への第一歩となるはずです。子どもを「算数好き」にするチャンスはどこにでもある!先日コンビニで、5歳くらいの男の子のお母さんが、「好きなお菓子を選んで、これでピッとしておいで」と、電子マネーのカードを渡しているのを見かけました。このような買い物の仕方は、とてももったいないと思います。私だったら、子どもに現金を渡して「この金額内で、好きなお菓子を買っていいよ」と伝えます。すると、子どもは限られた金額で満足度の高いお菓子を買うために、必死に計算をします。計算ドリルを解くよりも、効果的に、かつ自然に計算力を鍛えることができます。あるいは、子どもが好きな趣味から、数学的知識を学ぶこともできます。私は、大きな数に対する感覚を、宇宙の本を読むことで自然と身につけました。宇宙の本や図鑑を見ていると、月までの距離は38万km、太陽までの距離は1億4,960万kmなど、当たり前のように大きな数が登場します。大好きな宇宙に関することですから、そういった数字はどんどん頭に刷り込まれていきます。授業のなかで嫌々覚えるのとは、吸収力が違うのです。このように、普段のなにげない場面で子どもの算数の感覚を伸ばせないかどうか、考えてみてはいかがでしょうか。頭だけでなく自分の体験として覚えたことは、机に向かう勉強以上に身につくものです。じつは、日常生活にはいろいろな学びの種が隠れています。少し見方を変えるだけで、子どもの能力を伸ばすきっかけが見えてくるはず。今回お伝えしたように、子どもが学ぶことの楽しさに気づき、自分自身の才能を伸ばしていくうえで、おうちの方をはじめとする周りの大人のサポートは欠かせません。子どもたちひとりひとりがもつ豊かな才能にそっと光を当ててあげるのは、われわれ大人の役割なのです。そのことを、どうか心に留めておいてほしいと思います。末筆ながら、本連載でお伝えしてきたことが、読者の皆様の算数に対する見方・考え方を変え、子どもたちの豊かな才能を育むきっかけになっていれば、嬉しく思います。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。またどこかでお会いしましょう!子どもの成績アップ 効果で選ぶなら 【RISU算数】『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』今木智隆 著/文響社(2019)■ 算数塾「RISU」代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題第4回:「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法
2021年04月16日配信するための条件をきちんと決めたことUpload By スガカズわが家の発達凸凹の長男と次男は、半年ほど前からパパの管理の元YouTube配信をしています。 私は「子どもたちが余計なひとことを話すのでは」と心配で仕方がありませんでした。そこで、前回のコラムでお話したように、発達凸凹の息子たちがYouTube配信を始める前に「配信するためのルール」をきちんと決めることにしました。親子で決めたルール・親が必ず配信を管理、同伴・ゲームの前は必ず勉強(習い事もがんばる)・配信、ゲームに使う時間を守る・言葉遣いや個人情報に気をつける・親子で継続する保護者として「やらなければいけないこと」がおざなりにならないようにしてほしかったからです。いよいよ配信スタート!最初は心配していたけれど…Upload By スガカズUpload By スガカズADHDとLDのある小4次男はゲームとYouTubeが何より大好き。そんな彼は配信を始めてから帰宅してすぐ宿題に取り掛かったり、習い事にもすんなり行くようになりました。もともと小2のころから、「将来YouTuberになりたい!」と強く思っていたため、配信できることが本当にうれしかったようです。今まであんなに苦手なこと(主に勉強)に対して気持ちがのらなかったのに…あんなに私が苦労して行動を促していたのに…。「本当にこの子はうちの子なの?」と思うほどの変化に、私は非常に驚きました。一方、ADHDとASDのある中一長男はというと、YouTube配信は少し気になっていた程度だったので、分かりやすい行動の変化はありませんでした。ですが、YouTube配信を続けるうちに、長男・次男にやらせて良かったと思える機会ががたくさんありました。SNS(YouTube)で得られた3つのことUpload By スガカズ最初のうちは視聴者がいなかったので親子でなにげないトークをしていましたが、続けていくうちに初めての人や常連さんも来るようになりました。気に入ったらチャンネル登録してくれるので、継続していくうちにライブ配信のチャット上で常連同士の会話が繰り広げられます。配信者(パパと子どもたち)は、ゲームをしながらチャットの内容を確認し、視聴者と会話することが多いです。管理者のパパが率先して話しているのですが、その様子を見て「知らない人と話すことの難しさ」と「わざわざ見に来てくれることへのうれしさ」を感じ、「これからも見に来てほしいから頑張って喋りたい」という意欲につながっていました。Upload By スガカズ投稿された動画を確認すると、自分自身の話し方や場の雰囲気を振り返れたり、そのとき取った行動の理由を私に説明する機会が増えます。うまく喋れなかったとしても、保護者が管理しているためパパがフォローしてくれますし、本人も「人が嫌な気持ちになる発言はしない」というルールを意識するため、初めての人との会話をするにはちょうど良い環境でした。Upload By スガカズYouTubeに限らず、SNSでは時々、「会ったことがない相手にいじわるをする人」に遭遇することもあります。そういった場面は子どもたちは直接経験しませんでしたが、パパが経験したときの様子を後日動画を見せて説明し、対処方法を教えることもできました。子どもたちは、「こんな人もいるんだ」と理解できます。この先子ども1人でSNSを利用する前に指導できたことは良かったのだろうと思います。配信を半年以上続けて現在は…Upload By スガカズ半年以上続けて現在は、親子で違うゲームをする機会が増えたり、タイミングが合わないこともあって、可能なときに配信している状況です。当初頻繁に配信していた次男よりも長男が細く長く継続しています。今回の経験で、発達凸凹の子どもたちは、ゲームやYouTubeに行動を妨げられやすいからこそ、教育に利用しやすいのかもと思いました。特に、わが家の次男のように、YouTuberにあこがれているお子さんには合っているのかもしれません。ですが、そもそも配信を始めるのが難しいという家庭も多いのではないかと思います。そんな場合でも、配信者ではなく視聴者側として…例えばYouTube(SNS)のチャットで知らないだれかとつながって会話するのも立派なSSTになると思いました。
2021年04月10日「子どもに集中力がなくて困っている」「授業参観で、うちの子だけキョロキョロしていた」など、お子さまの集中力が気になっている親御さんは少なくないでしょう。首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る進学塾VAMOS代表・富永雄輔氏も、「いまの子どもたちの集中力は、かつての子どもより低下している」と指摘しています。では、どうすれば子どもの集中力を高めることができるのか。今回は、集中力と体力の関係性を考えてみましょう。現代っ子に集中力がないのは運動不足だから!?どうやら、現代の子どもたちの集中力が低下しているのは事実なようです。子ども発達学が専門の医学博士・春日晃章氏(岐阜大学教授)によると、授業中にボーっとしてしまう子や、勉強に身が入っていない様子の子が、昔と比べて増えているとのこと。なぜ現代っ子の集中力が落ちてきているのか――春日氏は、集中力と体力の関係性に注目しています。春日氏が行なった調査では、「運動遊びやスポーツ遊びをたくさんして、体力を高めている子ほど集中力が高い」ことがわかりました。机の前にじっと座ってひたすら勉強するよりも、運動遊びをしたほうが集中力が養われるらしいのです。しかし残念ながら、スポーツ庁が発表した令和元年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によると、子どもたちの体力は前年度よりも低下しています。特に小学生男子にいたっては平成20年度から続く調査のなかでも過去最低の数値でした。春日氏の言うように、体力と集中力に相関関係があるのであれば、現代の子どもたちの集中力が低下しているのも仕方のないことなのかもしれません。体力がある子どもは、集中力も高かった!『子どもを勉強好きにする20の方法』著者であり、塾講師として3,000人以上を指導をしてきた、教育・受験指導専門家の西村創氏も、中学受験で最後に伸びる子の特徴として「体力があること」を挙げています。勉強だけに専念してきた子は、長丁場の授業に耐えられずぐったりしてしまうのに、スポーツやキッズダンスなどで体を鍛えてきた子たちは、桁違いの集中力を長時間発揮するのだそう。次に科学的なデータを見てみましょう。ノーベル賞決定機関「カロリンスカ研究所」で研究を重ねた精神科医、アンダース・ハンセン氏の著書『一流の頭脳』によると、以下のことがわかっているようです。アメリカの小学生250名(3年生、5年生)を対象にした調査では、「体力のある生徒たちは、学業においても優れている」ことが判明した。しかも、体力的に優れていればいるほど、算数と読解の試験の得点が高かった。アメリカ・ネブラスカ州で行なわれた10000名に近い子どもたちへの調査でも、「体力的に優れた子どもは、体力のない子どもより、算数や英語の試験の得点が高かった」という結果が出た。また試験内容が難しくなるにつれ、体力的に優れた子どもとそうでない子どもの点数の差は開き、体力のある子どもが大差で上回った。 このふたつの研究結果は、「集中力と体力」ではなく「得点と体力」の関係を検証しています。しかしハンセン氏は著書のなかで、記憶力と集中力が向上することによって学習内容の定着率が上がると述べているので、「体力がある子の集中力は高い」と言えるのではないでしょうか。運動後30分~3時間は「超集中状態」に入りやすい「体力がある子の集中力は高い」ということは、体力のないうちの子は「集中力がない&テストの点数も悪いまま」ではないか!そう絶望したのは、筆者だけではないはずです。でもご安心ください。『脳を鍛えるには運動しかない!』著者でハーバード大学医学部准教授のジョン・J・レイティ氏は、集中力は運動で高めることが可能だと断言しています。なんと、思考力や集中力は、運動後に飛躍的に高まるらしいのです。ではなぜ運動後に集中力が高まるのか――それは、運動によって脳内の集中物質であるドーパミンの分泌量が増えるから。運動を終えた数分後に(ドーパミンの)分泌量が上がり、数時間はその状態が続く。そのため運動後には感覚が研ぎ澄まされ、集中力が高まり、心が穏やかになる。頭のなかがすっきりして、物事に難なく集中できるようになる。(引用元:アンダース・ハンセン 著, 御舩由美子 訳(2018),『一流の頭脳』, サンマーク出版.)※()内の説明は編集部が施したちなみに運動後の集中力について、ハンセン氏は「効果は1時間から数時間続いたのち、少しずつ薄れていく」としており、メンタリストのDaiGo氏は「運動後の30分~3時間は超集中状態に入りやすい」と話しています。どちらにしても、運動が集中力を高めることについては間違いないでしょう。しかもハンセン氏によると、運動は集中力だけでなく、注意力や記憶力、決断力など、ほぼすべての認知機能を高めるのだそう。子どもだけでなく、われわれ大人も勉強や仕事の前に運動を取り入れなければいけないという気持ちになりますね。集中力を上げる、3つの運動最後に集中力を上げるための運動を3つご紹介しましょう。ドーパミンの分泌を促すには、心拍数を上げる有酸素運動が効果的です。最初は苦しいかもしれませんが、運動を定期的に数ヶ月続けることで効果が出てきます。なぜならば、脳は徐々にドーパミンの量を増やしていくからです。頑張って運動を続けることで、集中できる時間もどんどん長くなりますよ。【ジョギング】5分間10代の子どもたちが12分間ジョギングしたところ、「集中力の高い状態が1時間近く続き、読解力が向上した」との調査結果があります。しかし、運動に慣れていないお子さまの場合、12分のジョギングというのはハードルが高いかもしれません。最初は、5分程度のジョギングから始めてみて、徐々に時間を伸ばしていきましょう。「たった4分の運動を一度するだけでも集中力が改善され、10歳の子どもが気を散らすことなく物事に取り組めた」という報告もありますので、5分間のジョギングで十分に効果はあるはずです。【縄跳び】4分間ジョギングに並ぶ有酸素運動といえば「縄跳び」。集中力を高めるポイントは「心拍数を増やすこと」なので、お子さまが得意な跳び方であれば、前跳びでも二重跳びでもどんな跳び方でもかまいません。ですが、苦しいからと息が切れる前にやめてしまうのはNG。体への負荷が大きいほどドーパミンの分泌量が増えるので、お子さんの様子を見ながら、「あと〇回だけ跳んでみよう」などの声かけをしてあげてください。引っかかってしまっても気にせずに、4分間は跳び続けましょう。お父さんお母さんも、ぜひお子さまとご一緒に!【だるまさんがころんだ】前出のレイティ氏の理論をもとにした運動プログラム「boks(ボックス)」の「だるまさんがころんだ」は、参加した全員が自然に全力を出せる運動です。遊び方は以下のとおり。「だるまさんがころんだ」と鬼が言っているあいだに、鬼に向かって全力疾走「だるまさんがころんだ」と鬼が言い終わる前に、床に伏せる。鬼が振り向いたときに、床に伏せている状態であればセーフ「だるまさんがころんだ」と鬼が言っているあいだに、さっと起き上がって全力疾走「だるまさんがころんだ」と鬼が言い終わる前に、床に伏せる鬼にタッチできたら勝ち。動いてしまったり、床に伏せられなかったりした場合は、スタート地点から再スタート1~5を繰り返す このちょっと変わった「だるまさんがころんだ」の運動量はかなりのもの。芝生のある公園や家のなかなどで遊んでみてくださいね。そしてもうひとつ、重要なことをお伝えします。それは、できれば「朝」に運動をするのが望ましいということ。もちろん、夕方や夜に運動をしても集中力は高まるでしょう。しかし、脳が最もフレッシュなのは朝です。諸説ありますが「朝の1時間は夜の3時間に匹敵する」と言われているのをご存じですか?そのゴールデンタイムに運動をしたら……お子さまの集中力は飛躍的に高まるかもしれませんよ!***「運動は集中力の改善にすぐれた効き目を発揮する、副作用のまったくない薬だ」とハンセン氏。その言葉を信じて、筆者も土曜日午前中に縄跳びを4分、日曜日の朝に10分のジョギングをしてみました。感想としては、スピードを自分でコントロールできるジョギングよりも、縄跳びのほうがつらかったです。しかし両日とも、疲れてソファに沈み込むことはありませんでした。集中力が上がったかどうかは不明ですが、頭がすっきりして、たまりにたまった家事がはかどったことは事実です。毎日の運動はなかなか難しいので、週に数回でも5~10分の運動を続けてみようと思います。ハンセン氏も「すぐに集中力が改善されなかったからといって、諦めてはいけない」と言っていますからね。(参考)アンダース・ハンセン 著, 御舩由美子 訳(2018),『一流の頭脳』, サンマーク出版.STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「ゲームや漫画は禁止!」が、子どもの“集中力の育ち”を阻害する理由岐阜大学|運動遊びは子どもの集中力を向上させる!スポーツ庁|令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果allabout|中学受験で「最後に伸びる子」と「成績が上がらない子」の違いとは?プレジデントオンライン|脳細胞が増える運動「3つの条件」まいにちdoda|メンタリストDaiGoが解き明かす「超集中力」! 没頭状態を作り出せれば人生は劇的に変わる東洋経済オンライン|子どもの学力と体力の知られざる深い関係西薗一也 監修, 竜田麻衣 イラスト(2015),『うんどうの絵本 なわとび』, あかね書房.
2021年04月01日思い込みや経験則を離れ、科学的なデータを重視する「エビデンス・ベースド」の考え方に立って、理数系教育を見つめ直してきた本連載。子どもたちの「ニガテ」の原因から、効果的な学習法、未来の学びの姿まで、算数にまつわるさまざまな知見をお伝えしてきました。第14回目は視野を大きく広げ、「算数を学ぶことが、子どもたちの将来にどのように役立つのか」ということをお話ししたいと思います。算数が「論理的思考力」の土壌を育む「算数って、なんのために勉強するの?」お子さまにこんな質問を投げかけられて、戸惑った経験のある方は多いのではないでしょうか。たしかに、算数で学ぶ単元のなかには、日常生活と直接結びつかないものも多いですから、お子さまが「こんな公式覚えても、テストでしか使わないじゃん!」「こんな複雑な計算、なんの意味があるの?」と言うのも、無理はありません。算数は一見、ただ面倒な問題を解くだけの教科に思えますよね。でもじつは、算数を学ぶことによって身につけられる力は、今後どれだけ科学技術が進歩しても必要になってくる能力です。その能力とは「論理的思考力」。論理的思考とは、物事をひとつひとつ筋道立てて、わかりやすく説明できるような考え方のこと。これは、直感や感情とは対立する考え方です。たとえば、志望校を決めるとき、「この学校が気に入った!」「なんとなく好き!」と直感で決める人もいれば、「偏差値や家からの距離、学費などを考えると、この学校がいい」「将来〇〇になりたいから、そこにつながる学校にしよう」と論理的に考えて決める人もいます。もちろん、お子さまが自分の将来を考えるうえで、直感と論理的思考のどちらが正しいか、ということは一概には言えません。ただ、周囲を説得したいときには、論理的思考を経ているかどうかが大きな意味をもってきます。理由がしっかりしているほうが、多くの人を納得させられるからです。たとえば、文章題を解くときのことを考えてみましょう。式を立てるには、問題文の要素をひとつひとつ分析し、検討して、適切に組み合わせることが必要です。「なんとなく」で立てた式では、正しい答えは導かれませんね。算数・数学では、「文章を式にして落とし込む」トレーニングが繰り返し行なわれます。これはまさに、論理的思考の訓練です。分析的に物事を考え、それを適切に使って式を立てることによって、のちの論理的思考の土台がつくられていくのです。論理的思考を身につけると、算数に限らず、学校の成績はよくなっていきます。もしテストで不正解があったとしても、論理的思考ができれば「どうして間違えたのか」「自分に足りなかった知識は何か」「どんな勉強が必要か」というようにミスを振り返り、的確に対応することができるからです。2030年、79万人のIT人材が不足する!?算数を学ぶことは、お子さまの将来にもダイレクトに関わってきます。そのことを裏づける事実のひとつが、日本が直面する大幅なIT人材不足です。経済産業省の予測によると、2015年時点で約17万人のIT人材不足が起きているといいます。現在の中学生の子どもたちが働き出す2030年には、甘く見積もって41万人、厳しく見積もると79万人のIT人材不足が見込まれているのです。つまり、裏を返せば、「ITの知識を身につけておけば、将来は職に困らない」とも言えるでしょう。少子高齢化や人口減少など、日本の課題を支える技術としてのIT産業への期待は高まるばかりです。たとえば、成長産業のひとつである介護分野においても、今後のIT化に注目が集まっています。介護士の人材不足はよく知られていますが、関連する事務作業の多さも人材不足に拍車をかけています。被介護者の状態共有など、ITによって削減されるべき時間工数は多いと言われています。あるいは、最近身近になりつつある無人レジ化がさらに進めば、将来的には無人コンビニも登場するでしょう。そうなると、無人店舗を守るための技術が求められることになります。また、決済も現金から電子マネーが主流になれば、それに関連する専門知識が今後の役に立つはずです。このようなIT産業の裏には、設計・管理・整備を行なうエンジニアの存在が必要不可欠。IT人材へのニーズがさらに高まっていくことは間違いないでしょう。未来を生きていく子どもたちは、もしかするとITと関わらずに仕事をするほうが難しくなるかもしれません。幸福な未来のために「算数」は必要である「そう言われても、うちの子は算数が本当に苦手で……。エンジニアにも理系職にも、とても就けそうにありません」というおうちの方も、もちろんいらっしゃるでしょう。しかし、なにもみんながエンジニアになる必要はありません。高度なプログラミングやデータ解析が自分でできなくても、「エンジニアにどんな仕事を依頼し、どんな成果を挙げるか」ということを管理するマネージャーとしての人材も同時に必要になります。消費者のニーズを分析して今後の課題を適切に洗い出し、解決するために必要な指示を考える。この問題解決のステップは、先に述べた、文章題を解くステップと重なります。マネージャー業務もまた、論理的思考あってのものです。文系・理系にかかわらず、算数で育まれる「論理的思考力」によって、エンジニアやサイエンティストと対等に会話ができる能力こそ、これからの人材に求められる力なのです。また、数字に強いこと、論理的思考ができることは、仕事をするうえで大いに役立ちます。したがって、社内でプロジェクトを任されたり、望むポストに就くことができるなど、理数系の職場以外でも、自分の力を多く発揮する機会をもてるようになるでしょう。算数・数学を学ぶことで得られる基礎的な力は、お子さまのこれからの人生が、充実した幸福なものであるために、欠かすことのできない財産なのです。以上をふまえて、冒頭の「算数ってなんのために勉強するの?」というお子さまの問いに答えるなら、こう教えてあげてください。「算数を勉強すると、自分で考える力が身につくんだ。それは、一生役に立つ財産になるんだよ」(※上の問題の答えは【3】)次回はいよいよ最終回。これまでの連載を振り返りながら、未来の教育のあり方を見つめます。お楽しみに!子どもの成績アップ 効果で選ぶなら 【RISU算数】『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』今木智隆 著/文響社(2019)■ 算数塾「RISU」代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題第4回:「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法
2021年03月30日「将来YouTuberになりたい!」ADHD次男の夢。だけど…Upload By スガカズわが家にとってYouTubeは、気軽に情報を得たり、ケンカなどのトラブルを減らせる一方で、子どもたちの行動の妨げになってしまう、悩みのタネになる面もありました。ですが、子どもの成長に大きな影響を与える出来事がありました。今回は、そのyoutubeをめぐるエピソードを紹介したいと思います。もともと私は次男が小2の時から、「将来YouTuberになりたい!」と聞かされていました。「YouTuberは楽しいお仕事に見えるけど、毎日働いているのと同じで、大変なお仕事だよ」「でも次男が本気でなりたいんだったら大きくなって挑戦してみても良いのかもね」とは言っていたものの、その時のわが子の状況を考えると、「マナー」「自己管理」「知識」などの課題をクリアするには相当な時間が必要でしょうし、できないことも充分にありえます。次男がどんな大人になるのか全く想像できないため、複雑な気持ちでした。Upload By スガカズそうこうしている内に2年近く経過。小3の終わりごろから情緒の面が成長していると感じる機会が増え、物事の理屈も理解できるようになり始めてきました。パパの思いつきで実際にYouTubeデビューすることに!Upload By スガカズ始めたのは昨年の夏頃。新型コロナウイルスの影響で不要不急の外出を控えていた頃、パパが「家での時間を有意義にしたい」「見る側だけじゃなく作る側の経験もしてほしい」と考え、中1の長男と小4の次男に「一緒にYouTubeを始めないか」と言ったのが発端です。長男は1人で取り組むことが好きなタイプなので、少し喜んだ程度なのですが、次男は念願だったYouTubeデビューに大喜びしました。子どもたちが気軽に続けられるように、まずは親子で一緒にゲームをプレイしながらトークする、「ライブ実況」をすることにしました。ゲーム画面と音声のみで、顔出しはしません。私は正直いうと、この話をパパから聞いた際に「子どもが余計なひとことを喋るのでは」と心配になりました。ですが、3人とも意気込んでいる様子を見て、「まず経験させてみるのもよいのかもしれない」とも思いました。始めるにあたって、パパにしつこく「子どもたちの言動には重々気を配って」と言いました。未成年の子どもが安全に始めるためのルール作りUpload By スガカズパパはYouTubeの管理役をし、私は長男と次男の勉強を見たり、配信している間に下の子たちと遊んだりする調整役です。YouTubeは未成年が投稿、配信する場合は、親の管理、同伴が必ず必要です。始めるにあたって配信するためのルールをしっかり決めることにしました。「誰が見ているのか分からないから、人が嫌な気持ちになる言葉や、個人情報が分かるような発言はしない」「自分で決めたことだから、続けることが大事」「配信する前は必ず勉強をする」など、言い聞かせました。勉強が苦手な小4の次男は、目を輝かせながら「がんばる!」と、張り切っていました。保護者がやるべき事Upload By スガカズルールを守って続けるのと同じく大事なのは、保護者がやるべきこと(環境調整)です。実際に始めてみて一番重要なのは、配信のための時間を確保することと、家族の協力だと気づきました。ゲームのライブ実況をするにはPS4(もしくはPS5)があれば最低限配信が可能です。YouTubeにはチャット機能があり、視聴者と会話したい場合やゲーム中に親子でトークしたい場合にはヘッドセットが必要です。Switchでのゲームを画面を録画したい場合は、キャプチャボードという機材とPCがあれば大丈夫です。突き詰めると必要な機材は山ほどあるのですが、始めたころは先ほどの機材で事足りました。環境もルールも準備万端!さっそくYouTubeデビュー!こうして親子でYouTube配信がスタートしました。私は最初のころは心配で心配で…3人の周りをウロウロしていましたが、今ではやらせてよかったと心から思っています。実際に始めて見ると、発達凸凹男子たちに驚きの変化がみられたのです。次回のコラムで、配信の様子や息子たちの成長について詳しくお話しようと思います。
2021年03月30日姉弟間のコミュニケーション。広汎性発達障害の娘は、春から小学5年生。発語が遅く心配した時期もあった娘ですが、今では日常会話はほとんど支障なく、伝えたことの理解も伝えたいことの説明もスムーズにいき、以前に比べたら安心感も増していました。しかし、これが姉弟間になると、うまくいかないもので...Upload By SAKURA息子は操作方法を聞きたいため、説明の言葉を待っていたのですが、娘は「どうやるの?」の質問に対して、やってあげて返す...という方法を取っていました。視覚優位な姉と、聴覚優位な弟。視覚優位の特性がある娘は、何事も見て判断するので、耳からの情報(言葉)は意外といらないことが多いです。しかし、息子は対照的に聴覚優位。目で見るというより、耳で聞いて情報を収集するタイプ。Upload By SAKURA息子は説明の言葉がほしくて「やり方教えてって言ってるでしょ!」とその後も何度も聞くのですが、娘は「え?さっき教えたじゃん」と言います。二人のかみ合わない会話が続いたため、私は間に入りました。Upload By SAKURA分かりやすい方法は、人それぞれ。Upload By SAKURA視覚優位の娘は「見せたら分かるだろう」と思っていたみたいですが、どうした方が分かりやすいかは、人それぞれ。自分が分かるからと言って、みんなそうとは限らないということを話しました。Upload By SAKURA娘はしゃべりながら手を動かすということが苦手ながらも、弟に対して必死に言葉で説明し、息子は姉の説明を真剣に聞いていました。言葉を忘れがちな姉と、言葉を待つ弟。別の日のこと...息子がタブレットで動画をみているときに、変なところを押してしまい、よく分からない画面になってしまいました。息子は、姉に助けを求めにいきました。娘が元に戻してあげようとすると、横から息子が手を出し、更に変な画面に。Upload By SAKURAおそらく「触らないで」と言いたかったのでしょうが、興奮したときの娘は、なかなか先の言葉が出てこないという特性もあります。息子は名前を呼ばれるたび、「なに?」「なに!?」と聞きます。息子からしたら、呼ばれたから返事をしているのに、その先をなかなか姉が言わないので「いったいなんなんだ」状態。イライラした息子は怒り始めました。一方娘は、自分が先の言葉に詰まっていることに気づいていないので、なぜ弟が怒っているのか分からず「そっちが変な画面にしたのに、なんで怒るの!?」と驚いていました。回数を重ねて経験に。Upload By SAKURA娘にとって、一番身近なコミュニケーションの勉強相手が息子です。私たち親だと、娘が何を言いたいか、どう思っているかをどうしても先に察してしまうため、もめるところまではいきません。しかし4歳の息子は、良くも悪くも感情のままに娘に向かっていきます。分かりにくければ怒るし、文句だって言います。娘にとっては、相手がどう思っているか、一番分かりやすく、勉強できる相手だと思います。それに、息子は感情のままではありますが、意外と姉思い。娘がパニックになったら言い方を柔らかくしてくれますし、姉に『待って』と言われれば、真面目に待ちます。せっかく姉弟になったわけですから、仲良くもしてほしいですが、たくさんもめて、お互いコミュニケーションについて学んでほしいというのが、私たちの思いです。
2021年03月24日「遊んでばかりいないで少しは勉強しなさい!」「いま勉強しておかないと、将来困ることになるわよ」、そんな声かけをしていませんか。でもこれからの時代は、「いま遊んでおかないと、将来困ることになる」かもしれませんよ?今回は、幼少期に遊ぶことの必要性について考えてみましょう。「10歳までに思いきり遊べた子ども」は強い!「子どもの頃に遊べていない人間は将来的に伸びない」「“10歳までに思いきり遊ぶ” という経験は過剰な受験勉強よりも大切」――こう言いきるのは、東京都で義務教育初の民間校長として注目を集めた教育改革実践家・藤原和博氏。いままでは「正解に速くたどり着ける力(基礎学力)」があれば社会で活躍できました。しかしこれからの時代、「基礎学力」だけでは社会の変化に太刀打ちできないようです。では、どんな力が必要となってくるのでしょう。藤原氏は、「直面する問題に対して自分や他者がもつ知識、経験、技術を組み合わせて多くの仮説を立てる力(情報編集力)」を鍛えるべきだとしています。なぜならば、今後さらに多様化していく社会の問題に「決まった正解はない」からです。2021年1月に行なわれた大学入学共通テストでも、思考力・判断力・表現力など「実社会で通用する力」が重視されました。そこで今回は、子どもたちの「情報編集力」や「実社会で通用する力」を確実に伸ばす方法をお伝えします。その方法とは「子どもの頃に思いきり遊ぶこと」。それだけ!?そう感じた親御さんも多いかもしれません。しかし、幼少期の「遊び」は子どもの人生を左右するほどに重要なのです。問題解決を得意としない、エリートの若者たちなぜ、子どもの頃に遊ぶと社会に出てから活躍できるのか――NASA・ジェット推進研究所の採用基準にヒントがありそうです。以前は、国で最高の学校を最高の成績で卒業したいわゆるエリートを採用することに重点が置かれていたが、近年、そういう若者の多くが必ずしも問題解決を得意としていないことがわかってきた。(中略)そこでこれらの機関は、採用の過程で、小児期と思春期に手を使ってユニークな遊びや作業をした経歴を持つ卒業生の獲得を優先し始めた。子どものときにものを作り、遊んだ経歴に特徴のある人が、問題解決をいちばん得意とする人たちだった。(引用元:東洋経済オンライン|「遊びの時間が足りない子」の結構残念な行く末)これは驚くべきことではないでしょうか。「最高の学校を最高の成績で卒業したエリート」よりも、「子どもの頃に手を使ってユニークな遊びをしていた若者」のほうが評価される時代になってきたのです。UCLA医科大学教授のダニエル・J・シーゲル氏と、児童青年心理療法士のティナ・ペイン・ブライソン氏の共著『「自己肯定感」を高める子育て』によると、「遊び」には数えきれないほどの利点があるとのこと。遊びは子どもの「仕事」だ。遊びは認知のスキルを育て、言語能力と問題解決能力、さらには計画づくりや予測、結果の予期、予想外の出来事への順応など、高度な実行機能を高める。(引用元:東洋経済オンライン|「遊ぶ子」と「忙しい子」自己肯定感に出る大差)なるほど、「遊び」は学力などの認知スキル(IQ)も上げてくれるのですね。また、「予想外の出来事への順応」も親としては嬉しい限り。たしかに、「外で遊んでいたら急に雨が降ってきた」「ブランコの順番を守らない友だちがいる」など、遊んでいれば大なり小なりトラブルはあるものです。予想外の出来事に対処することで、生きるためのさまざまな力がつくのでしょう。「遊び」によって鍛えられる力では、どんな「遊び」がどんな力を育むのか。いくつかの遊びを掘り下げて見てみましょう。【外遊び】→問題解決力・判断力・思考力などNASA・ジェット推進研究所の採用方針にもあるように、これからの時代、問題解決力は必須です。この問題解決力が「外遊び」で身につくと主張するのは、『すこしの努力で「できる子」をつくる』著者で生物学者の池田清彦氏。特に虫採りや魚釣り、山登りやキャンプといった、自然のなかでの遊びをすすめています。遊んでいて困難に直面したときこそがチャンス。「危機や困難を回避する方法」を探す経験が問題解決力を押し上げます。また、外遊びの定番とも言える鬼ごっこでは、「どうやったら捕まらずに逃げきれる?」と頭をひねることにより、思考力や判断力が鍛えられます。【折り紙遊び】→思考力・空間認識力・集中力など先の読めない時代、思考力は強力な武器となるでしょう。折り紙は、思考力を鍛える遊びです。たとえば、折り紙の上手な折り方を考えるのは「論理的思考力」。その折り紙に顔を描いたり、部屋をつくってあげたりするのは「創造的思考力」。寂しそうだからと “友だち” をたくさん折るのは、「ケア的思考力(他者への気遣いや共感など)」です。また、折る向きや折る間隔を考えながら作業すると空間認識力が鍛えられるということも、脳科学の観点から認められています。脳医学者の瀧靖之氏は、集中力も強化されると話していますよ。【ごっこ遊び】→創造力・想像力など東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授によると、「ごっこ遊び」は、場面やストーリーを自分のなかでつくり出す必要があるため、創造力が育まれるのだそう。四角い積み木を電話に見立てたり、砂場の砂を「小麦粉」だと言ってみたり、子どもの創造力・想像力に驚いた経験はありませんか?教育学者で東京大学名誉教授の汐見稔幸氏も、「なにもない場所から遊びをつくり出す経験は、AI技術が発達していくこれからの時代に特に必要である」と話しています。これからは、ゼロからイチをつくることのできる人材が求められるはず。ごっこ遊びで創造力をぐんぐん伸ばしてあげましょう!【友だちとの遊び】→レジリエンス・コミュニケーション能力など「一緒に遊ぼうと誘ったら断られた」「遊びのルールについて友だちとケンカになった」など子ども同士でのトラブルに悩む親御さんも多いかもしれません。ですが、子どもはそのトラブルから多くを学び、レジリエンス(回復力・復元力)やコミュニケーション能力を育みます。レジリエンスがあれば、「〇〇ちゃんは積み木遊びが好きじゃなかったのかな?ほかの遊びに誘ってみよう」と、必要以上に落ち込むことなく、次の行動を考えることができますし、コミュニケーション能力があれば、自分の考えをうまく相手に伝えることが可能です。ケンカになりそうな場面でも、必要以上に親が介入することはやめましょう。「習い事」と「遊ぶ時間」、どちらが大切?上記で挙げた4つは、子どもの遊びのほんの一例です。子どもたちは、もっとたくさんの遊びをつくり出すことができるでしょう。しかし残念なことに、いまの子どもたちは習い事や勉強に割く時間が増え、自由に遊ぶ時間が減ってしまっています。NPO法人 子育て学協会会長の山本直美氏によると、「毎日習い事」「土日は習い事のかけもち」といった子どもも少なくないのだとか。そこで、前出のダニエル・J・シーゲル氏とティナ・ペイン・ブライソン氏は、スケジュールを詰め込みすぎていないかどうかを定期的にチェックすべきと提案しています。以下1~5は子どもの様子、6~7は親の行動です。イエス・ノーで答えてみてください。疲れていたり不機嫌だったりと、ストレスがたまっている様子だ。忙しすぎて自由な時間がないようだ。十分な睡眠がとれていない。友だちやきょうだいと気ままに過ごす時間がないようだ。家族みんなが忙しすぎて、決まった時間に一緒に夕食がとれない。(※親の行動)子どもに「急いで!」とよく言う。(※親の行動)忙しくてストレスがたまっているので子どもに対してもイライラしがち。 いかがでしたか。もし1つでもイエスがあったならば、子どものスケジュールについて少し考えたほうがよさそうです。そして2つ以上のイエスがあった方は、スケジュールの見直しを真剣に考えてみてください。そして、子どもが自由に遊ぶ時間をつくってあげましょう。前出の藤原氏は、「人生100年時代」と言われているいま、大学入学や有名企業への就職を目標とするのは危険だと警鐘を鳴らしています。どんな社会になったとしても、何歳になったときでも、自分の生きる道を自身で切り開いていけるのは、「10歳までに思いきり遊んだ、発想力の豊かな人」なのです。***幼児期は、親子での遊びも重要です。「こうしたほうがいいんじゃない?」「それはやったらダメよ」なんて言わず、ただ子どもと一緒に目一杯楽しんでください。遊び込んだ子どもの未来は明るいですよ!(参考)STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|10年後に必要となる力――正解がない問題に多くの仮説を立てる「情報編集力」STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|過剰な受験勉強よりも大切な、「10歳までに思い切り遊ぶ」という経験STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|やりたいことを目いっぱいやって失敗した。その経験が「折れない心」を育てるSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」アスコム監修(2011),『10歳までの子育ての教科書』, アスコム.汐見稔幸(2008),『子どもの身体力の基本は遊びです』, 旬報社.東洋経済オンライン|「遊びの時間が足りない子」の結構残念な行く末東洋経済オンライン|「遊ぶ子」と「忙しい子」自己肯定感に出る大差日経デュアル|幼児期の「遊び込む」経験が、思考力ある子を育てるベネッセ教育情報サイト|乳幼児期から育む、折れない心【前編】困難に負けない、レジリエンスとはるるぶ Kids|おりがみ遊びがすごい!脳科学者に聞く子どもへの効果 [ハシビロコウの折り方付き]株式会社エポック社|ー報道用資料ー「シルバニアファミリー」は、子どもが人の関係性を学べる「情操玩具」の役割を果たしていることが示唆されました。たまひよ|【専門家監修】【月齢別遊び・1才6カ月~2才ごろ】「見立て遊び」「ごっこ遊び」で想像力&創造力をはぐくもう月刊トイジャーナル|子どもは遊びで創造力を育み、我慢する力とコミュニケーション能力を学ぶ日経デュアル|もしかして親のエゴ?子どもの「習い事」落とし穴プレジデントオンライン|「教育熱心な親の子」が4年生で潰れる根本原因日経デュアル|藤原和博 中学受験すると「稼ぐ人」になれるのか?
2021年03月24日前回の連載では、おうち時間の気分転換になるような算数の発展問題をご紹介しました。お子さまと一緒に、楽しみながら取り組んでいただけたでしょうか?普段、「勉強しなさい!」と急かしてもなかなか机に向かってくれないお子さまも多いと思います。でも、「この問題、難しいんだけど一緒に考えてみない?」と、ゲーム感覚で誘ってみると、意外と食いついてくれたのではないでしょうか。きっと、急かされてしぶしぶ勉強するよりも、おうちの方と楽しみながら勉強したほうが、お子さまの記憶にも残りやすいはずです。今回も引き続き、思考力が身につく算数の発展問題をご紹介したいと思います。今回は、お子さまが苦手意識をもちやすい「いろいろな単位」を扱う問題です。1. 多くの子どもたちが苦手とする「水のかさ」の問題<第1問>いまの時刻を推理しよう次の文章を読んで、いまの時刻を答えましょう。夜の7時から1秒に10mLずつのお湯を湯ぶねにため続けました。ちょうどいま、湯ぶねに30Lのお湯がたまっています。いまの時刻は夜の何時何分でしょうか。1秒で10mLのお湯がたまるということは、60秒(=1分)で600mL、600秒(=10分)で6,000mLのお湯をためられることになります。ここで、6,000mLをLに換算すると、6Lですね。10分で6Lのお湯がたまるということは、30Lのお湯をためるのには何分かかるでしょうか。それを導くために必要なのが、この式です。30÷6=5すると、30Lのお湯をためるには、6Lを5回繰り返せばよいことがわかります。ここで、お湯を6Lためるのにかかる時間は10分ですから、お湯をため始めた7時から、10分を5回繰り返せば、30Lのお湯をためることができますね。よって、答えは7時+(10×5)分で、7時50分です。「水のかさ」と「時間」という2つの単位を同時に扱う、少し難しい問題でしたが、正解できたでしょうか?多くの子どもたちが苦手とする単位の単元でも、特につまずきやすいのが、このような「水のかさ」についての問題です。「水のかさ」の単元では、3つの単位が出てきます。L(リットル)dL(デシリットル)mL(ミリリットル)特に、dLは普段の生活ではあまり使いませんから、お子さまが混乱してしまうのはもちろん、おうちの方でも少し迷ってしまうかもしれません。しかし、「水のかさ」の問題を解くためには、これらの単位を正しく変換することが求められます。じつは、液体の量を表すこれらの単位は、基本となる単位「リットル」に、「デシ」と「ミリ」がついてバリエーションを増やしたもの。「d(デシ)」は、そもそもが「10個に分ける」を意味する言葉です。つまり、「1L=10dL」が意味するのは、「1Lを10個に分けると1dLになる」ということ。同じように、「m(ミリ)」は「1000個に分ける」という意味なので、「1L=1000mL」は「1Lを1000個に分けると1mLになる」ということなのです。単位の苦手を克服するには、ただ暗記するのではなく、このように「そもそもの意味」に返ってしっかり理解することが大切。言葉の意味と結びつけることで、記憶にも残りやすくなるはずです。2. 日常生活との関わりが深い「お金の計算」に関する問題<第2問>代金を計算しよう次の文章を読んで、アメ1コとクッキー1コを組み合わせた代金を答えましょう。アイスとアメとクッキーが1コずつあります。これらを組み合わせた代金は、下のようになっています。【1】アイス、アメ、クッキー:230円【2】アイス、クッキー:190円【3】アイス、アメ:160円2問目は、日常生活との関わりが深い「お金の計算」に関する問題です。この問題を解くにはまず、それぞれの文章を式にして並べてみましょう。【1】アイス+アメ+クッキー=230円【2】アイス+クッキー=190円【3】アイス+アメ=160円【1】と【2】を比べるとアメの値段が、【1】と【3】を比べるとクッキーの値段がわかりそうですね。【1】の230円と【2】の190円の差がアメの値段ですから、アメの値段は、230円−190円=40円同じように、【1】の230円と【3】の160円の差が、クッキーの値段ですから、クッキーの値段は、230円−160円=70円よって、アメ1コとクッキー1コを組み合わせた代金は、40円+70円=110円 になります。3. 状況を整理しながら解く「時間」に関する問題<第3問>起きた時間が早い人から順にならべよう次の文章を読んで、起きた時間が早い人から順にならべましょう。朝起きた時間について、はなさん、こうきさん、たおさん、めぐみさんは下のように話しています。はなさん:たおさんが起きる15分前に起きました。こうきさん:めぐみさんが起きた15分後に起きました。たおさん:こうきさんが起きる10分前に起きました。めぐみさん:はなさんが起きた10分後に起きました。この問題を解くには、自分で具体的な時刻をあてはめて、ひとりずつ状況を整理していくのがよいでしょう。たとえば、はなさんが起きた時間を仮に7時とすると、はなさんの話から、たおさんは7時15分に起きたことがわかります。また、めぐみさんの話から、めぐみさんは7時10分に起きたことがわかります。こうきさんが起きたのは、めぐみさんが起きた15分後ですから、7時25分ですね。4人の起きた時間を整理すると、以下になります。はなさん:7時こうきさん:7時25分たおさん:7時15分めぐみさん:7時10分よって答えは、はなさん→めぐみさん→たおさん→こうきさん です。「文章題」に苦手意識をもたないために今回は、お子様がつまずきやすい「水のかさ」「お金の計算」「時間」を扱う文章題をご紹介しました。単純な計算問題とは異なり、問題文を読んで自分で状況を整理し、イチから式を立てなければならない文章題は、「速く解くためには邪魔」「ひっかけ問題ばかりでイヤ」と、多くの子どもたちから敬遠されているのが現実です。しかし、前回の連載でもお伝えしたように、受験の場面では、算数に限らず、問題文の長いものが多く出題されています。文章題に苦手意識をもつことは、ほかの科目の成績にも悪い影響を与えかねないのです。子どもの文章題への苦手意識を取り除くために、おうちの方にぜひ覚えておいていただきたいことがひとつあります。それは、「速く解くことに価値を置きすぎない」ということ。文章題を解く上で大切なのは、「速く答えを出すこと」ではありません。むしろ、答えを出すまでの、「文章を読み、必要な要素を抜き出し、考えて式を立てる」というプロセスのほうが大切なのです。このプロセスはあらゆる問題解決の基本で、文章題に取り組むことで得られる問題解決能力は、将来にわたってお子様の役に立つ財産となるはずです。今回ご紹介した問題が、「自分の頭でじっくり考えること」の大切さや楽しさに気づき、文章題への意識を変えるきっかけになれば幸いです。子どもの成績アップ 効果で選ぶなら 【RISU算数】『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』今木智隆 著/文響社(2019)■ 算数塾「RISU」代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題第4回:「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法
2021年03月17日ある日起きた急激なうつ症状2021年の3月に入ったある日の夜、突然うつ症状が私を襲いました。人生の何もかもが理不尽に感じる。怒りと悲しみと喪失感。必死に努力して身につけ、継続してきた健康的な生活習慣やセルフケアのすべてを放り投げてしまいたくなる。消えてしまいたい、どんなに死にたいと悩んだときも結局死なずに生きてきたのだからどうせ死なないんだろうけれど、死にたいと言ってしまいたい気分。鎮静剤でも打ってもらって何ヶ月かこんこんと眠り続けたい…その日の日中まではそこそこ元気に、いろいろなことにチャレンジして過ごしていたはずなのになぜ? とパニックになりました。とっさにとった緊急対応策 「人に頼る、そして寝る」私は経験上、一度ここまで気分が落ち込んで動揺した状態のときには人の手を借りる必要があると知っていました。身体のコリでも、あまりに凝っているとセルフマッサージでは間に合わないし、セルフマッサージをする気力体力も出ないですよね。心の疲れでも同じで、ひどいときにはセルフケアでは対応できなくなるのです。そこで真っ先に、かかりつけのトラウマ治療のカウンセラーの先生に現在の状況を伝え、直近のセッション枠をあけてもらいました。そして、いつも悩んだときには誰より先に悩みを相談しあっている親友にお願いして、チャットメッセージを使って少し話を聞いてもらいました。少し落ち着いてみると自分がこのところ無意識に無理していて心身ともに疲労困憊していたことに気づき、「何はなくともまずしっかり寝なければ」と思いました。それで抗不安薬と睡眠導入剤を飲み、いつも寝る前にやっているヨガもさぼって、寝落ちしてしまう直前まで先の友人に頼んで話につきあってもらいました。このうつ症状は「記念日反応」だと気づいた数日以内にかかりつけの先生のセッションを受けられるという安心感、とりあえずは親友に話を聞いてもらってパニックからは脱したこと、そしてとっさにしっかり睡眠をとったことで、私は翌朝には思ったよりも落ち着いていました。引き続き親友に話を聞いてもらう中で「しばらく緊張とハイテンションが続いたあとにガクッとうつっぽく落ち込むって、なんだか東日本大震災のときと似てるよね」と言われ、はたと気づきました。これは記念日反応かもしれない。記念日反応とは、何かの記念日のような日や時期に心身の調子が悪くなることです。災害記念日や誰かの命日、年度の変わり目や盆暮れ正月などに、関連の記憶や思いがかきたてられて調子を崩す。誕生日前後に調子を崩す人もいます。2021年3月は東日本大震災の10年目の時期です。私にとって震災から10年となる今年は、実家を逃げ出して現在の生活になってから10周年でもあります。このタイミングは年齢的にも、私が40歳を過ぎて来し方を振り返り、今後の生き方に思いを馳せるときでもありました。つまり、この春は私にとっていくつもの記念日反応が重なる時期だったのです。それに加え、去年から今年の場合はコロナ禍という特殊事情も重なっています。コロナ禍の影響で仕事の企画はいくつも流れたり延期になったりしていますし、気分転換にあちこち外出や旅行をしたりもできません。私にもほかの多くの人と同じように不安や焦り、フラストレーションがたまっていたでしょう。私はそんな中で、「それでも自分にできることをやっていこう、自己向上していこう」と頑張りすぎていたのかもしれません。自宅でフィットネスを頑張ったり、英語の勉強のしなおしにとりかかったりしていました。そうした無理が限界を超えたサインが、今回のうつ状態だったのだと思います。こうした気づきを得たことで、私の落ち込みと動揺は収まっていきました。突然の精神的危機に対する私なりの対応策記念日反応は誰にでも起こるものですし、世界的な情勢の変化によるストレスの影響からは誰も逃れられません。突然の精神的危機は「弱い人だから」起こるのではなく、誰もに起こるものだと思います。私が経験上自然と練り上げてきた、突然の精神的危機に対する対応策をまとめておきます。真っ先にやるのが、自分を助けてくれる人と連絡をとって頼ることです。かかりつけの治療者や、相談に乗ってくれたりそばにいてくれたりする信頼できる人など。助け手とやりとりする中で、まずは精神的危機によるパニックを落ち着けます。かかりつけの治療者には、できればなるべく早くに診察やセッションの予定を組んでもらいましょう。精神的危機に陥っているときはたいてい自律神経の状態も乱れていて、質のいい十分な睡眠がとれていません。まずは眠ることを優先にします。普段はできるだけ薬に頼らずセルフケアで対応している人も、このときばかりは薬に頼ってもいいと思います(必ず処方されている用量内で使いましょう)。結果的に眠れなくてもいいので、まずは薬で、逆立った神経を少しでも休めます。仕事、勉強、家事、セルフケアなど、日常の中でやらなければいけないことはたくさんありますが、精神的危機のまっただなかである今は緊急事態なので、「やらなければ死ぬこと」以外は徹底的にサボります。私は仕事も勉強も掃除も歯磨きも、ヨガも瞑想もさぼりました。私は入浴が好きなので入浴はサボりませんでしたが、人によっては入浴だってサボっていいと思います。3までのことをやっているとたいていパニックが落ち着き、当面の心身の疲れがとれます。落ち着きを取り戻した頭でいろいろ言語化しているうちに頭が整理されて、自分が置かれている状況に対する気づきが生まれます。今回私が「これは記念日反応だ」と気づいたような感じです。気づきを得たらしめたもので、もうそれは立ち直るフェイズに入ったということです。4までで立ち直るフェイズに入りはしたものの、まだ衝撃の余韻は残っています。気分や体調の大きな変調は「今までのやり方では参ってしまうよ」という心身からの大事なメッセージなので、このメッセージを少なくともしばらくの間しっかり尊重してあげます。私の場合、ダイエットを頑張っていたなら、無理してプロテインにしていたのを甘いものを心ゆくまで食べるとか、筋トレや有酸素運動を少し休んでストレッチしながら自分の身体の意外な部分の緊張に気づいてみるとか。日ごとのノルマを決めて勉強や仕事を頑張っていたなら、ノルマをつらく感じない程度まで思い切って引き下げてみるとか。大事なのが、どんな努力でも、心身の健康を保ちながら続けていく秘訣は「目標に自分を合わせていくのではなく、自分に目標を合わせていく」ことです。目標を自分にすり合わせていくと同時に「高すぎる目標に自分の心の傷が隠れていないか」も探ってみるのもとても大事です。たとえば私の場合、容姿のことでバカにされたトラウマがあるとか、いつも一番であるように親からプレッシャーがかかっていた、小さなころから有能であること以外に自信の持てる要素がなかった、とかが見つかります。二次障害も乗りこなしながら生きていく発達障害があるとただ生きているだけで発達障害のない人よりも傷つくことが多く、二次障害を負ってしまう人も多くいます。社会が発達障害者向けにつくられていない以上、私たちは今までもこれからも人よりも多くのストレスにさらされながら生きていかざるをえません。その意味で私たちは、発達障害それ自体だけでなく、二次障害とも一生つきあっていく必要があるのかもしれません。それでも私たちは障害者である前にひとりの人間として、自分の生き方に対して経験と知識を積み重ね、成長していきます。仲間たちと苦労やノウハウを分かち合いながら、二次障害も乗りこなしながら生きていきたいと私は思っています。
2021年03月16日今はサッカー部でレギュラーだけど、小学校の時はサブだったので親の方が力をいれてしまい過干渉だったからか、年齢の割に幼い息子。14歳まで家族と一緒の部屋で寝ていた。思春期だけど反抗もなく学校のこともよく話してくれる素直で真面目な子。自分で考えて試行錯誤してほしいけど、受験の年に失敗している時間はないと悩む。心配性で過干渉な母にアドバイスが欲しい、とのご相談をいただきました。思春期を迎えたサッカー少年へどう接するか、今から思案している保護者の方も少なくないですよね。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、15年以上の取材で得た知見をもとにアドバイスを送ります。一つの参考にしてください。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<強豪チームに誘われたものの移籍をためらう息子の背中を押したい問題<サッカーママからのご相談>サカイクの対象年齢は小学生の子の保護者なので、対象年齢外ですみません。過保護かもしれませんが中学生の息子についてご相談させてください。息子は今中2(14歳)です。小学2年生からサッカーを始めて中学でもサッカーを続けています。部活ではレギュラーになり楽しくサッカーをしていますが小学校の時はサブでしたので、何とか息子の活躍する姿を見たくて親の方が力を入れてしまいました。今から考えると過干渉な親だったと思いますし、もっと楽しく自由にしてあげれば良かったと感じています。中学からはサッカーについても宿題や勉強についても一切口出しせず、本人に任せましたが、入学初めての定期テストは壊滅的で、私は夜も眠れないほどショックでした。それ以来、勉強についてはアドバイスしたり一緒に勉強したり、塾にも行っていますがなかなか成績はあがりません。その息子は、14歳の誕生日まで自室を持ちたがらず、寝るのもみんなで一緒で、勉強もダイニングテーブルでしていました。来年は受験なので、自立を願い自室で勉強してほしいと思い、無理やり冬休みに部屋を作りました。嬉しそうな様子に安心しましたが、私が部屋に行くと「来なくていい!」と強く言われてしまいました。少し寂しい気持ちもありましたが、まぁそう来るだろうなと予想してたので、その場を去り食事の用意をしてると、しばらくして「さっきは強い言い方してごめん」と言って来たので私も「今度からは勝手に入らないで声をかけるね」と言い、お母さんたちはあなたが勉強しているのか何をしているかは分からないけど、自分の行動には自分で責任をとってねと言いました。ただ、3年生になるまでは勉強については時々確認するよと言ったら、素直に分かったと言いました。思春期ですが、激しい反抗も今はありません。学校の事もよく話してくれるし、基本的に真面目で優しい性格です。今までは何もかも視野に入り把握出来てたことが出来なくなるのは当たり前の事ですが、勉強については心配でなりません。成績は下から数えた方が早いくらいで、勉強している割に結果に出てこないので、やり方を見直して計画した通りにやってほしいのですが、それをこれからどのように言っていけばいいのか悩んでいます。あまり言いすぎてはいけないし、でもキチンとやっているのか確認したいのです。出来る事なら、自分で考えて試行錯誤して勉強に取り組んでもらいたいのですが、もうすぐ3年生になるこの時期に、失敗している時間がないと焦っている私がいます。子どもの力を信じて見守る事が良いことは分かっていますがそこが難しい。サッカーに関しては口出しはしていないのですが、勉強となると人生に関わるという思いも強くて......。心配性で過干渉の親だと自覚しています。もっと強い母親になりたいです。こんな私にアドバス頂けたらありがたいです。サッカーの事ではなく子育ての悩みになってしまいましたが よろしくお願いします。<島沢さんのアドバイス>ご相談のメールをいただきありがとうございます。お母さんが冒頭に「サカイクの対象年齢は小学生の子の保護者なので、対象年齢外ですみません」と書かれているのを見て、私はサカイクが小学生年代の保護者に向けて配信しているメディアであることを思い出しました(笑)。でも、そんなことは気にしないでください。中学生のサッカー少年を持つ親御さんの悩みを知ることは、小学生のお母さんやお父さんにもためになるはずです。サッカーしかやらず、勉強や他の経験をしないことの弊害は小さくありません。逆にお礼を言いたいくらいです。■親が鉄を打てるのは中1まで。あとは本人に任せて見守りましょう結論から言うと、息子さんに任せましょう。「勉強のこともサッカーのことも、君に任せるよ。わからないことがあって相談したい時や、欲しい情報があったり、お母さんがサポートできることがあったら頼ってね」そんなふうに伝えて、あとは黙って見守ってください。時折「調子はどう?」と表情を見てあげれば十分です。なぜなら、学習習慣や段取り力がついていない中学生のお子さんに対して、親御さんが寄り添ったり、勉強方法を教えることがある程度可能なのは中学1年生までだと私は考えています。これと類似したことを、私が取材した中学教師や塾の講師の方がおっしゃっていたからです。いうなれば「鉄は熱いうちに打て。ただし、親が鉄を打てるのは中1まで」。■思春期は感情が揺れたり一気に自我が芽生える時期なぜ中1までか。それは、本格的な反抗期が始まるからです。13~14歳である中学2年生にもなれば、ほとんどの子どもが思春期真っ只中。ホルモンの関係で、感情が揺れたり、一気に自意識が芽生えて他者の目を気にするようにもなります。そう考えると、息子さんにお母さんが深くコミットするのは、申し訳ないのですがもう手遅れです。すでに中学2年生であり、高校受験を迎える3年生はすぐそこです。お母さんのおっしゃる通り、早く何とかしなくてはいけません。■「正論はAだとわかっているけれど、本音はB」という考え方を変えましょうまず、お母さんご自身が、今ある「思考癖」を変えましょう。ご相談文を読むと「正論はAだと私はわかっているけれど、私の本音はBです」というパターンの記述が多く見受けられます。(A)今までは何もかも視野に入り把握出来ていたことが出来なくなるのは当たり前の事ですが、(B)勉強については心配でなりません。(A)あまり言いすぎてはいけないし、(B)でもキチンとやっているのか確認したいのです。(A)出来る事なら、自分で考えて試行錯誤して勉強に取り組んでもらいたいのですが、(B)もうすぐ3年生になるこの時期に、失敗している時間がないと焦っている私がいます。(A)子どもの力を信じて見守る事が良いことは分かっていますが(B)そこが難しい。(A)サッカーに関しては口出しはしていないのですが、(B)勉強となると人生に関わるという思いも強くて......。前述した(A)と(B)をもう少し具体的に言い表すと、こうなります。(A)子どものためにこんなふうにふるまえばいいと私は理解している。(B)でも、実際の私はこうです。これは以前の私も含めて、多くの親御さんが子育てするなかで、通る道かもしれません。こうしたほうがいいとわかっているけどできない。お母さんはきっと、時折(A)の態度を見せたかと思えば、(B)になったりしています。ところが、子どもには、お母さんができない(B)の部分しか見えていません。例えば、「自分の行動には自分で責任をとってねと言いました」とありますが、「ただ、3年生になるまでは勉強については時々確認するよ」と告げています。自分で責任を持てと言いながら、確認するという。監視するのなら、監視側にも責任は生じますよね。子どもの性質によっては「どっちやねん?」と親に突っ込めますが、息子さんは違うようです。■親から離れるのが不安なのかも。その不安をもたらしているのは......「思春期ですが、激しい反抗も今はありません。学校の事もよく話してくれるし、基本的に真面目で優しい性格です」と書かれているように、とても"いい子"のようです。ただし、何のストレスもなく心からそうしているのかはわかりません。例えば、「14歳の誕生日まで自室を持ちたがらず、寝るのもみんなで一緒」との記述があります。14歳であれば、夢精があったり、さまざまな第二次性徴が現れるはずです。それでも「自分の部屋が欲しい」と言わなかったのは、どうしてなのか。もしかしたら、親から離れるのが不安なのかもしれません。そして、その不安をもたらしているのは、お母さんの(A)(B)の相反する態度かもしれない。子どもに対し二つの相反する価値観を提示するのは、心理的な「ダブルバインド(二重拘束)」と言います。AとB両方に引っ張られて、息子さんはとても不安な状態にあるのではないでしょうか?■叱ったりするのではなく、サポートする姿勢を見せること(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)加えて、私はお母さんの、この一言に注目しています。「今から考えると過干渉な親だったと思いますし、もっと楽しく自由にしてあげれば良かったと感じています」そこで、「中学からはサッカーについても宿題や勉強についても一切口出しせず、本人に任せた」ところが、入学初めての定期テストは壊滅的で、お母さんは夜も眠れないほどショックを受けた、とあります。ということは、ずっと過干渉で育ててきているので、自分で考えて段取りをつけて学ぶ方法を身につけたり、自ら考える力を養う機会を奪われてきたのではないでしょうか。こういったピンチのとき、お母さんひとりで「何とかしよう」と思ってはいけません。早々に白旗を掲げ、周囲に助けを求めるべきです。まず、パートナー、つまり息子さんのお父さんがいるのなら、彼にも一緒に考えてもらいましょう。ただし、叱ったり、恫喝してはいけません。こういう場合、お母さんがお父さんに「ちゃんと勉強するようにパパからも言ってよ」と、なぜか"お願い"するケースが多いのですが、お父さんが突然「ちゃんとやれ」みたいな怒り口調で接してしまうと、火に油を注ぐことになりかねません。息子さんからすれば「僕のこと、どれくらい知ってるの?」と不快に感じるかもしれません。日ごろお父さんがあまり子育てにコミットしていないご家庭ほど、気を付けなくてはいけません。ご両親は一緒に「見守っているよ」と話せばそれでOK。中学校の担任の先生や、塾の先生に相談して、一緒に見守ってもらいましょう。一緒にサポートしてくれる仲間を増やすことが重要です。お母さんが変われば、息子さんもいい方向へ必ず向かっていきますよ。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年03月10日勝ったり負けたりが当たり前の、普通の少年団。最近は楽しませることが大事だとよく目にするので、自分なりにメニューを組んで実施しており、子どもたちには好評だけど、保護者から「もっと厳しくしてほしい」と......。厳しくされている方が「指導されている」感が出るからだと思うけど、どうしたら楽しみながら成長することを理解いただけるのか。どんな伝え方がいい?とのご相談。保護者への伝え方など、指導者の悩みですよね。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんがご自身が実践していることを踏まえ、保護者の皆さんへの伝え方をアドバイスします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<U-8世代にも効率よく理解させる練習メニューが知りたい!いい方法はある?<お父さんコーチからの質問>池上さんこんにちは。私は3年前から地域のスポーツ少年団で指導をしています。地方在住なので情報が都市部に比べると遅かったり少なかったりするのは否めませんが、自分なりに本やネットなども使って勉強しています。指導しているチームはもともと県大会に毎回進出するようなレベルではなく、勝ったり負けたりが当たり前なので、歴代指導者もいわゆる厳しい指導はしておらず、サッカーの基礎を教え、練習最後に行う試合や大会などを通して学んでいくという感じです。よくある地方のチームだと思うのですが、最新のトレンドを抑えたトレーニングや、今現在「良い」とされている指導、チーム運営ができているかというと自信はありません。最近では、楽しませることが何より大事だということをよく目にするので、自分なりにネットや本などで情報を収集し実践しています。子どもたちには楽しんでもらえているようですが、保護者の皆さんに「楽しいのもいいけど、もっと厳しく指導してほしい」と言われます。親御さんたちも楽しむことが大事だと言われていることはわかっているようですが、それが結果や成長につながるかという点で完全に腹落ちしていないようなのです。分かりやすく結果が出ないと親が納得しないということと、厳しく指導されているのが目に見えるほうが「指導されている感」があって満足するようです。厳しい指導の部活などを経験している世代だからこそなのはわかりますが、そんな保護者を納得させるような伝え方や、楽しみながら上手くなることが伝わるメニューの例などがあれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。今の親御さんたち自身が部活動などで厳しい指導を経験しているため、厳しく指導されているほうが「指導されている感」があって満足する。ご相談者様がおっしゃる通りだと思います。これは保護者のみならず指導者も同様です。皆さん、「スポーツは勝負事なのだから勝つチームがいい」「強いチームをつくるのが、いいコーチ」という評価になっています。■誰かと比べて上か下かではなく、以前よりどれだけ伸びたかを見てあげよう一方で、教育の現場は一足先に変わり始めています。例えば、子どもへの評価の考え方のひとつが「相対評価」です。誰かと比べて上か下か、そこを見ます。そうなると、わが子が、勉強にしろ、スポーツにしろ、属するグループで一番にならないと満足しません。対岸にあるのが「絶対評価」です。子どもが、以前よりどれだけ伸びたか。サッカーであれば、同じ大会で去年は1回戦負けだったのに、今年は1勝して2回戦に進んだ。それはひとつの成長としてとらえることができます。そのように「絶対評価」に慣れてくると、スポーツや少年サッカーの姿は変わってくるかもしれません。自分たちのチームがどれくらい伸びたか。コーチはそのことをよく知っているはずです。以前はあんな練習しかできなかったけど、いまはこんな練習ができるようになった。ここをもう少し鍛えて、こう変われば、もっとうまくなる――そんなイメージはできているはずです。それは、試合に勝つか負けるかではなく、個々とチーム全体が以前より上手くなる。前の年より進化する。そういうとらえ方の説明を、指導者が保護者に対し具体的な例を挙げて話せるようになるとよいかと思います。■コーチが子どもたちに話す姿を保護者にも見てもらう私は、私自身のサッカー観や指導観を保護者に伝えるために、練習や試合で子どもたちに話す姿を保護者にも見てもらいます。コーチ側がどんなことを大切にしているのか。そのことをどう伝えているのか。話を聴いている子どもたちは、そのことを理解しているのか。そういったことを親御さんに見てもらうのです。また、保護者とも可能な限り話します。私が最近新たに始めたチームで、フニーニョ(※ドイツで発祥したミニサッカー。ミニゴールを4つ使い3対3で行うミニゲーム。近年ドイツサッカー連盟が9歳以下の試合に導入を推奨した)の交流会を開催しました。試合のあと、私は保護者にこう言いました。「真剣に守っているように見えないですね。皆さん、どうですか?」すると皆さん、一斉にうなずいていらっしゃいました。「そうですね。次はもっとしっかり追いかけるようになるといいですね」と話しました。そんなふうに、次のステップが何なのかをしっかり親御さんにも伝えます。それを続けていくと、親御さんたちの姿勢は相当変わります。■楽しむことがモチベーションにつながる、という解説もしてあげるそれと同時に、サッカーを楽しむことが子どもたちのモチベーションにつながるという解説を、保護者にしてあげたほうがいいでしょう。昔から「好きこそものの上手なれ」と言われますね。サッカーが大好きだからこそ、真剣にやる。そうすることで、技術は身につきます。そのことは、スポーツ心理学の学びの中でも証明されています。とはいえ、物事に対する子どものモチベーション(動機付け)は、最初の段階では外発的なものが必要です。楽しくなるために、熱中できるために、コーチがどんな活動環境を提供してあげられるか。そこが問題です。楽しいからこそ真剣に取り組むのですが、そのうち気づけば誰も笑っていません。集中します。■「楽しい」はワイワイキャーキャーすることではない。真剣に楽しむことを教えて「子どもはサッカーを楽しみましょう」そんな価値観が広まってきたのは悪いわけではありませんが、私からすると「楽しい」がまだ甘いように感じます。ワイワイ、キャーキャーと歓声を上げるのが楽しい、というレベルで終わってないでしょうか?さらにもっと楽しくなると、笑うことはなくなります。まさしく集中し、ゾーンに入る。練習の中で白い歯を見せて笑っている子がいなくなります。そこをぜひ目指してほしいのです。徐々に真剣になっていく。そんな空気を作るために、常に勝ち負けのあるメニューを考え、子どもたちと対話し、要求を高めていきます。そこを、「笑っている子をなくす」「真剣に取り組む」といった、姿勢というか「かたち」から入ってしまうと、態度への注意が増えます。集中しよう。真剣にやろう。最後まで頑張ろう――そう指示命令されれば、子どもは真剣にやろうとするでしょう。でも、サッカーも、他のスポーツも、そうやって「真剣にやれ」と叱ってやらせるものではありません。そのような管理され作られた空気は長く続きませんし、委縮させられた子どもは自由にサッカーを考えられなくなります。池上正さんの指導を動画で見る>>次ページ:サッカーが俄然楽しくなるきっかけをつくる■「次は、今日負けたところに勝とう」と言ってはいけない理由(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)選手が勝ちたいと思うのは当然です。だから、試合に勝ったら「勝ってよかったね」でいい。それなのに大人たちが「次はあそこに勝って優勝しようぜ」と、次の「勝利」を目標に掲げていないでしょうか?負けて悔しい、でいい。そのあとに「次は、今日負けたところに勝とう」と大人は言ってははいけません。負けたら「残念だったね。また頑張ろう。うまくなろうね」でいいのです。そこで「次は勝とう、相手にリベンジしよう、とは私は言いませんよ」と保護者に説明してもいいですね。コーチがあくまでも「絶対評価」で子どもたちをとらえていることを伝えてください。私が最近地元にチームを作ったのは、絶対評価で子どもたちを育てていくとどうなるのか。子どもたちが大きく成長することを証明したいと考えているからです。ぜひ、そんなふうに考えて、保護者とたくさん話してください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年03月05日現在、小学4年生の娘は、一年前(小学3年生のころ)まで、辞書を引くのが大の苦手でした。宿題の漢字プリントや、日記…小学生が漢字を調べるために、辞書を使うことは、思ったより多い。■辞書を引くのがめんどくさくて、嫌いだった娘娘は、わからない漢字を調べるのがめんどうで、よく私に聞きに来ていました。正直…教えるのは、簡単です。しかし、聞いただけでは、なかなか覚えられないのが漢字。自分で辞書を引いた方が、確実に覚えられる。自分で辞書を引くように言うと、娘は、ブツブツ言いながら部屋に戻って行き、だるそうに、辞書をぺらぺらとめくり始めます。そして「ない! 載ってない!」と、怒りだします。そんな娘を見ていて、自分が小学生の時のことを思い出しました。私も小学生のころ、辞書を引くのが嫌いでした。同じように母親に聞きに行き、「自分で調べなさい」と言われ、イライラした記憶があります。 ■娘が辞書を引くのが上手になったキッカケとは!?辞書を引くのも、うまくなかったので、なんども目的のひらがなを通り過ぎて、「この漢字は、載ってないんだよ! ほら!」と自信満々に親に言いに行き、「絶対にあるから、見つかるまで探しなさい」返り討ちにあっていました(笑)今目の前で見ている娘は、まさにあのときの私…。そう思うと、手助けしたいという衝動にかられます。しかーし! それでは、娘のためにならない!私は、娘の気持ちは、理解していることを話し、それから…辞書を引くのがめんどうだと思うのは、今だけ。練習すればするほど、めんどうじゃなくなると、話しました。それを聞いた娘は、早く辞書を引くのが、めんどうじゃなくなりたいと、やる気を出してくれました。小学4年生になった現在、娘は辞書を引くのがとても上手です。もう漢字を聞きに来ることは、ありません。辞書を引くことに、抵抗もなくなり、わからない漢字があると、ささっと辞書を引くようになりました。めんどうだったり、きつかったりする先には、楽があることを、親として教えてあげることも大切だな~と感じました。
2021年03月04日子どもの成長を遊びながら促してくれる知育玩具。最近では種類もたくさん増えて、どんなものが良いのか迷うこともしばしば。そこで、先輩ママたちが「本当に買ってよかった」と思う、0歳〜5歳の子どもが実際に使っていた商品を教えてもらいました! 最近気になる英語教育や、小学校の授業につながる本格派まで……タメになる情報が満載。ぜひ知育玩具選びの参考にしてみて。【 0~2歳から遊べる知育玩具 】おうちの中でも全身で遊べる『ボブルス』デンマーク生まれの“遊べる家具”シリーズ。赤ちゃんのうちに育みたい5つの動き「はらばいで寝る」「転がる・はいはいする」「立つ・歩く」「ジャンプする」「バランス」を遊びながら実践でき、丈夫な体をつくる手助けをしてくれる。大きさや形が様々な種類があるので、年齢とともに遊び方を変えたり、組み合わせたりしながら長く使えるのも嬉しい。チキン¥6,400、ゾウ¥24,000、ワニ¥18,000(対象年齢:すべて6か月~)/ボーネルンドボーネルンド0120-358-518「ボブルスは“これで遊ぼう!”という感じではなく、時には椅子になったり、時には体幹を鍛える道具となったりするのが良い。息子は0歳の時から、4歳の今も愛用中」(keeetaaanさん・4歳の男の子のママ)磁石でくっつく新感覚ブロック『ピタゴラス』元々は中学校の先生が図形や立体をわかりやすく教えるために使っていた教材から生まれた『ピタゴラス』。磁石の力で簡単にブロック同士がくっつき平面や立体をつくることができるから、子どもの想像力で思わぬ大作が誕生しちゃうかも! カラフルパーツや自由度の高い色々な形のブロックに触れて、感性と数学的なセンスが身に着くはず。ピタゴラスひらめきのプレート¥12,000(対象年齢:1歳半~)/ピープルピープル(お客様相談係)03-3862-3739「4歳差の娘と息子が一緒に遊べるかなと思ったのと、算数の図形や立体の勉強にもなりそうなので購入しました。娘が5歳、息子が1歳の時に買って、7歳と3歳の今も遊んでいます」(佐々木彩加さん・5歳と0歳の女の子、3歳の男の子のママ)遊びながら文字・数字・色のお勉強『NEWひらがなつみき』長年教育に携わってきた「くもん出版」が手掛ける知育玩具。つみき一枚一枚に可愛いイラストと文字が表裏でプリントされていて、ひらがな五十音や1~10までの数字、色の名前など様々な内容を遊びながら身につけることができる。ひらがなや数の勉強の最初の1歩にもおすすめ。小さな子でも安心して遊べるようすべての辺や角が削ってあり、塗料も安全なものを使用しているのも嬉しい。NEWひらがなつみき¥6,800(対象年齢:2歳~)/くもん出版くもん出版03-6836-0301「絵とひらがなが描いてあり、遊びながら覚えられて良かったです! 2歳頃から使っていました」(Rmamさん・14歳と13歳の男の子、1歳の女の子のママ)【 3〜4歳から遊べる知育玩具 】白熱しているうちにひらがなを習得!『ひらがな どうぶつ えあわせかるた』「あしか」「いぬ」「うし」などの生き物の名前を使って、ひらがな46文字を頭文字にしたかるた。取り札には生き物の上半身、読み札には下半身が描いてあるので、かるたがまだ難しいうちはパズル感覚で遊ぶことも可能。取り札の裏には動物の英語名、読み札の裏には動物の豆知識がのっているのでクイズを出して遊んだりもできそう!幼稚園・保育園の入園祝いにもおすすめ。ひらがな どうぶつ えあわせかるた¥1,000(対象年齢:3歳~)/学研学研お客様センター0570-056-710「小学校へ行く前にひらがなも覚えられるし、反射神経も養えそうと思い購入。なんせ親子で一緒に楽しめるのでおすすめです。3歳~6歳頃まで遊んでいました」(みっぺさん・8歳と7歳の男の子のママ)目と耳で覚える日本語&英語『音のでるえほん』世代を超えてママたちから愛されている『ミキハウス』の『音のでるえほん』シリーズ。最近では大人気のおうたえほんシリーズの30曲が入った『おうたえほん DX』や、英語を学べる初の録音機能つき絵本『こえでABC』など豪華なものも登場中。目で見て、手で触れて、音を聞いて、子どもの色々な感覚を刺激してくれる絵本は知育にぴったり。ポカポカフレンズのことばえほんこえでABC¥2,680、ポカポカフレンズのおんがくえほんおうたえほんDX¥3,500(対象年齢:ともに3歳~)/ミキハウスミキハウス本店072-920-2055「わが家は日本語と英語で発音が流れる『おうちえほん』で遊んでいます。イラストに対応してボタンを押すと音声が流れるため、子どもたちは英語と日本語で、家によくある家具などの名称を覚えることができました。1歳の時に買って、2歳の今も使っています」(ななちゃびぃさん・2歳の女の子、0歳の男の子のママ)寝る前の読み聞かせタイムを変える『ディズニー&ディズニー/ピクサーキャラクターズドリームスイッチ』天井に映し出した動く絵本や物語とともに、ゆったりとしたBGMの中ナレーターのやさしい声がお話を読んでくれるプロジェクター。人気の「くまのプーさん」や「しらゆきひめ」などディズニーのお話をはじめ、プラネタリウム気分を味わえる星座のお話や童謡、さらには英語や数字のコンテンツなども収録。どれも1話10分で終わる内容なので、毎日寝る前の習慣にすれば、知育と寝かしつけが同時に叶い、一石二鳥!ディズニー&ディズニー/ピクサーキャラクターズドリームスイッチ¥14,800(対象年齢:3歳~)/セガトイズセガトイズお客様相談センター0570-057-080(ナビダイヤル)※月~金 10:00~12:00、13:00~17:00(祝日を除く)「寝付くのにすごく時間がかかって大人がぐったりだったんですが、ドリームスイッチのお陰で寝転んでくれるようになって寝かしつけがとても楽になりました。娘が2歳の時に購入しました」(あきほののママさん・3歳の双子の女の子のママ)自由にやっても◎ お手本に倣っても◎『パターンブロック&タスクカード』四角や三角、ひし形などシンプルな形の木のブロックが子どもの自由な発想を刺激する『パターンブロック』は、アメリカで開発された算数・数学のカリキュラムに取り入れられている学習教材。そのまま自由に遊ぶのはもちろん、お手本が載っている『タスクカード』を使えば頭を使いながら楽しめるパズルにも。『タスクカード』は年齢に合わせて種類があるので、学校の学習にも役立つはず。PATTERNBLOCKS+(セット)¥5,200(対象年齢:3歳~)/東洋館出版東洋館出版03-3823-9206「幼児教室の先生にすすめられて購入。考える力を育むことができ、自分で自由にルールに囚われずに遊べるのが良いですね。3歳の頃から遊んでいました」(やすさん・9歳の女の子のママ)【 5歳から遊べる知育玩具 】大好きなドラえもんと日本を学ぼう『どこでもドラえもん 最新マグネット日本地図パズル』都道府県の形をしたパズル47ピースと、全国ご当地キャラクター「どこでもドラえもん」53ピースの全100ピースを台紙にくっつけて遊ぶマグネット式のボードオモチャ。日本地図を覚えながら、「さくらんぼドラ」や「なまはげドラ」など可愛いご当地ドラえもんのおかげで特産品や名所などもどんどん覚えられちゃう。思わず大人も一緒に遊びたくなるはず!どこでもドラえもん 最新マグネット日本地図パズル¥1,100(対象年齢:5歳~)/小学館小学館03-3230-5432「地図に興味がでてきた息子と、書店で一緒に見つけました。大きさとドラえもん、磁石になっていて失くさないことが子ども心に響いたみたいです。地図の位置を覚えた後はタイムトライアルに挑戦して自己ベストを記録する楽しみも覚え、今では地図の形まで覚える力がつきました。地図とドラえもんが好きな小学生にはドハマりだと思います。好きな子だったら、いつまでも一人で遊んで学べて最強知育玩具だと思います。6歳の時に購入しました」(マウさん・9歳の男の子のママ)photography/Chiharu Fukutomi
2021年03月02日サッカー経験は小学生の時だけ。小2の息子が入団するタイミングでコーチを引き受けたけど、昔と今ではいろんなことが変わっているのを知った。長時間練習を良しとする時代でないので、効率よく理解させたいんだけど何かおすすめはある?というご質問をいただきました。みなさんならどんな練習を組みますか?これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんがこの年代の指導で大事なことを教えます。参考にしてみてください。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<8人制から11人制への移行。幅とスペースの使い方が分かってない子たちにどう教えればいい?<お父さんコーチからの質問>はじめまして。子どもがサッカーをはじめたことがきっかけでチームの指導に携わるようになりました。サッカーは小学生の頃にやったぐらいで、当時と今ではルールなどもかなり変わっているようでイチから勉強している状態です。指導に関わっているのは2年生以下のチームなのですが、効率よく教えたいと思っています。もちろん年代的にまだまだ理解力などが足りない部分はあるし、個人差も当然あるのですが、自分としては長時間練習すればいいとは考えていなくて、土日なども練習の後に友達や家族と過ごす時間を持ってほしいと思っています。なので、子どもたちが理解しやすく、上達につながる練習メニューがないものがと悩んでいるのですが、何か良い方法があれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。長時間練習を課すのではなく、土日など練習の後に友達や家族と過ごす時間を持てるよう指導者が考えてあげるのは、とても良いことだと思います。ただし、「効率よく教える」ことを念頭に置いても、いいものはなかなか出来上がらないと思います。相手は何しろ人間で、しかも個々で発達や成長の度合いがバラバラな子どもたちです。そこを少し考えましょう。■夢中にさせられれば、必ず上手くなるそんなに焦らずに、ゆっくり子どもと一緒にコーチも成長しいこう。そんな心づもりで取り組んでほしいと思います。まだ2年生以下ですから、サッカーが楽しく感じられることを第一目標にしてください。子どもたちが嬉々として取り組める。そんな練習を組み立ててもらえば、夢中にさせられれば、必ず上手くなるはずです。そんなふうに育成をとらえなおしてみてください。例えば、「今日の練習はこれで終わりだよ」とコーチが言ったときに、子どもからブーイングが起きるような楽しい練習、やり過ぎない練習が理想です。子どもたちが余力を残して「ああ、もっとサッカーをしたい!」「コーチ、やらせて」と言ってくるような練習にしましょう。■満足度が高い時間を提供しようジュニア時代は、試合が中心でいつも試合ができることが大事です。私は地元の大阪で「サッカープレーパーク」を週に1回行っています。1年生から中学生までが縦割りで一緒に行う、楽しく夢中になる練習です。90分の中で、60分が試合です。小学6年生にプレーパークの感想を尋ねると「試合がたくさんできるから楽しい」と口をそろえて言ってくれます。満足度が高いのです。試合と試合の間にトレーニングを30分挟みますが、それもみんな楽しそうにワイワイやっています。彼らが自由に自分自身で楽しさを見つけているように見えます。プレーパーク以外の場所でも、私は楽しいサッカーを心がけます。■難しすぎると面白くない、簡単すぎると飽きるそのバランス調整を!先日は小学校に招かれ、2年生の体育の授業を行いました。3対1の鳥かごをやってみました。中には、サッカークラブに入っている子もいれば、女の子も、サッカーをしていない子もいます。最初は、足で蹴らずに、手を使ってボールをパスします。取ったり、取られたりしながらみんなワイワイやっていました。途中で私が笛を吹いたら、手でやっていたのを足に変えます。同じ場所にいてもボールをもらえないので、みんな動き出します。最後までとても楽しそうでした。私の知っている学校では3年生で「ラインサッカー」をやるのですがラインサッカーは、ドリブルをしたらきちんとボールをラインのところで止めなくてはいけません。サッカーをしたことのない子どもがこんなことはなかなかできないだろうなと感じます。そのうえ「八の字ドリブル」もあります。大阪の小学生は「こんなん、サッカースクールやんけ」と言いながらやっていました。つまり、練習の難易度を大人のほうで調整してあげることが肝要です。難し過ぎると面白くないし、簡単すぎるとすぐに飽きます。■子どもたちの意見を聞いてみればいい練習メニューの本はいっぱい出ています。どんなものでもいいので、活用してみてください。子どもがそのメニューを楽しそうにやったなら、またやればいい。でも、食いつかないなと思ったら、やめて原因を考えます。動くグリッド(広さ)を考えるとか、まずは手でやってみるなど、手立てを考えてください。広すぎると疲れてしまい動かなくなるので、動く範囲を狭くしてみればいいのです。グリッドやコートのサイズを変えたり、行う人数を変えたりします。やってみてうまくいかなかったら、そのような微調整をしてください。そういった工夫をしても、なかなか楽しめないメニューもあります。それは「メニューがダメ」なのではなく、チームの成長の度合いにその時は合わなかった、ということ。そのように考えてください。実際のところはどうなのかという判断がつきかねたら、子どもたちに聞いてみればいいのです。「楽しそうじゃないように見えるけど、この練習、どう?」と。子どもがいろいろ教えてくれるはずです。池上正さんの指導を動画で見る>>■サッカーが俄然楽しくなるきっかけをつくる(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)サッカーが楽しくなる一つの要素として個人技を教えてもいいでしょう。例えば、ドリブルのフェイント。コーチが経験者であれば、やって見せてあげます。体を右左に動かし、相手を揺さぶって抜こうとする技術。横並びでドリブルしながら、相手を抜く。ちょっと止まるふりをして、スピードで抜く。それでも抜けないときはローリングターンがあります。アウトサイド、脚の外側からターンするものです。相手を抜かなくてもよく、視野を確保して他の人にパスができます。ローリングターンを覚えて、仲間にパスを出せば、ボールを相手に奪われず、自分たちでボールをつなげます。ボールがつながると、サッカーは俄然楽しくなります。低学年はサッカーの初心者です。トレーニングメニューを探して色々チャレンジしてみてください。どんどん勉強しましょう。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年02月26日乙女心を絶妙に突いたデザインのオリジナルグッズでヒットを飛ばし続けているキャンドゥが、新作グッズをリリース!今回は、ちょっと意外な「サイエンス」モチーフ。意外性があって逆に可愛い!とリケジョならずとも夢中にさせている様子です。この記事では、そんなサイエンスシリーズのラインナップを紹介していきます。 カッコいいと可愛いが共存!サイエンスステッカー 元素記号や公式、ビーカーに微生物……と、意外すぎるモチーフが並んだステッカー。これがまた絶妙に可愛いと評判です。大人もちょっと懐かしい気分に浸れます! 大人が持っても可愛い!シンプルな収納パック チャックで開閉するタイプの収納バッグ類にもサイエンス柄が登場!左と真ん中のジッパーバッグは食品OKなので、お菓子の小分けやおすそわけに便利。また、右側の袋はウェットシートがちょうど入る大きさになっていて、穴が開いた部分に市販のフタを取り付けて使用することができます。赤ちゃんのお尻拭き入れにも良いですね! 書類の整理整頓に!クリアファイル なんだか勉強に使いたくなる、3ポケットのクリアファイル。お勉強する機会がない大人女子も、家の中にある手紙や書類をサッと整理するのに使えて便利です。 パチンと綴じられる便利なミニノート 手のひらサイズのミニノートは、マグネットでパチンと綴じられるので持ち歩きに最適。表紙に厚みがあってしっかりしているので、鞄に雑に放り込んでも痛みません。中ページの顕微鏡とビーカーのイラストも可愛い! ポーチ付きが嬉しい!3色ふせん 別の用途でも使えそうなチャック式のポーチに入った3色のふせん。ご覧のとおり、化学式のイラストが入っていて書き込むのには向きませんが、例えば雑誌や本の気になったページをマークするなどの使い方ができます。 ノスタルジーに浸れる!元素記号一覧パッド なんとこちらは、元素記号がズラッと一覧になったマウスパッド!覚えるのが大変だった学生時代、これを使いたかった……!化学の教科書を思い出して、ちょっとノスタルジックな気分に浸れますね。 可愛すぎてヤバ♡サイエンス靴下 キャラ系靴下の可愛さに定評があるキャンドゥが今回もやってくれました!!色もデザインもめちゃくちゃツボなサイエンス靴下。普段キャラものを持つ勇気がないという人も、靴下なら取り入れやすいですね。 ペット飲料があやしい液体に!?ペットボトルカバー こちらはニット素材のペットボトルカバー。謎の液体が入ったビーカーのデザインが、遊び心があって楽しいですね!500mlと350mlどちらにも対応しています。(写真は280mlのペットボトル) 定番のコレも!サイエンス柄マスキングテープ もはや定番のマスキングテープも、2種類の柄で登場しています!ちょっとカッコいい系のデザインなので、男性が使っても良さそうですね。 何だこれ!?メジャー柄のケーブルタイ 一見何に使うか分からないこちらは、なんとケーブル類をまとめるワイヤータイ。中にワイヤーが入っていて、自由自在に曲げることができます。定規のようなデザインがシンプルなのにちょっと変わっていて良いですね。 以上、今話題のキャンドゥ新作「サイエンスシリーズ」を紹介しました。いつも絶妙なデザインで乙女心を突いてくる、キャンドゥのオリジナルキャラクターシリーズ。今回は特に大人でも使いやすいデザインとあって、発売開始からかなり話題になっているようです。ここで紹介した他にもたくさん種類が出ているので、ぜひお店でチェックしてみてください! ※本記事の内容は公開時に確認した情報のため、商品によっては変更となっている場合があります。記事の内容は個人の感想です。※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一部店舗では臨時休業や営業時間の変更などを実施している可能性があります。商品購入の際には自分だけではなく周りの方、スタッフの方への感染防止対策を十分におこない、安全性に配慮していただくなどご注意ください。外出を楽しめる日が1日も早く訪れますように! ベビーカレンダーでは家事や収納、ファッションなど、ママたちの暮らしに寄り添った【ライフスタイル記事】を強化配信中! 毎日がもっと楽しく、ラクになりますように。
2021年02月21日中3発達凸凹男子、英語の成績向上の秘密はゲームにあった!?出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』他、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。かつて、小学校時代は学習面で悔しい思いをし、親子で悪戦苦闘の末、自分に合った私立中高一貫校に進学したうちの長男も、今では高等部進学間近な中学3年生。そんな負けず嫌いで努力家な彼は、学校の勉強も地道にコツコツがんばっている様子です。ところが、”英語”に関しては、なぜか、さしたる努力もせずに学年上位の好成績を維持しているのです。正直、母から見れば、毎日ゲームで遊んでるだけのようにしか思えません。そんな、「大好き」を活かした長男独自の英語学習法の秘訣を本人にインタビューし、根掘り葉掘り聞いてみました。長男・〇太郎:15才(中3)。小1のときにASDの診断を受け、ADHDとLDの傾向もある。現在は、日常・学校生活上で大きな支障はなく、「ただの変わり者」「フツーの宇宙人」として、マイペースに生きる日々。※会話中、一部配慮の行き届かない表現があるかもしれませんが、現役中学生のリアルな言葉を尊重したいと思います。どうかご容赦ください。(文責・インタビュアー:母大場美鈴)大好きなMinecraftを英語版でプレイ!Upload By 楽々かあさん公式サイト | Minecraftかあちゃん(以下、母):じゃあ、よろしくお願いします。早速だけど、結構キミは英語の成績がいいよね。でも、かあちゃんから見ると、あんまり必死で勉強しているようには見えないんだけど、何かコツがあるの?長男・◯太郎(以下、長男):うーん、英語はねえ、Minecraft(通称「マイクラ」)とかのゲームで触れてて、知ってる単語も結構多いんだよね。母:確かに、パソコンのゲームで遊びながら、英語が得意になってるようだけど…。じゃあ、特にマイクラについて詳しく聞きたいと思います。始めたのは、いつぐらいのときだったけ?長男:PC版は小4からだけど、その前からiPadでPE版もやってた。だから、マイクラ歴は長いよ。母:そうだね。でも、最初は日本語版でプレイしてたよね。これを小6くらいで、英語版に切り替えた理由はなんで?長男:理由は2つあって、1つ目は日本語のときの英字のフォントが、あんまり好きじゃなかったっていうか、ローマ字表記が読みづらかった。英語表示のほうが大きくて、すごい読みやすかったし、キレイだし、かっこいい。母:へえ〜!フォント表示のこだわりからとは、意外な理由だったね。で、もう1つは?長男:2つ目は、単語が分かるから。アイテム名とか、画面の下に英語で表示されるんだよ。母:どうして、英単語知りたいと思ったの?長男:「マルチプレイ(複数ユーザーが同時にゲームに参加すること)」っていうのがあるんだけど、そのマルチプレイをしてると、アイテムの殆どが英語表示だから、英語版のほうがプレイしやすかった。母:それまで日本語版で十分慣れてたから、英語表示になったとしても、あんまり操作には困らなかっただろうしね。それで、毎日英語版でプレイしてたら、いろんな単語が分かるようになった、ってこと?長男:いつの間にか勝手に覚えてた、みたいな…「勉強」って感じじゃなくて。趣味のことって自然に覚えるじゃん?それと同じ感覚じゃないの。Upload By 楽々かあさん母:じゃあ、「英語が分かるようになりたい」と思ったのは、中学から本格的に英語学習が始まるから?長男:いや、海外ユーザーの人達と話したいから、英語ができるようになりたかった。「この人達なんて言ってるんだろう」ってねえ…。母:なるほど。話したい相手がいるから、興味が湧いたんだね。”話す”というのは、チャット?(※マイクラのマルチプレイで使う、チャット機能のこと)チャットの相手の言いたいことを英語で分かりたかったのかな?長男:うん。あとは、アイテム名も英語で知りたかった。よく出てくるのは鉱石の名前。Obsidian、黒曜石とか!(笑)マイクラ・オリジナルの名詞も出てくるけど、実在する単語との組み合わせがあるんだよね。例えば、マイクラにはネザーっていう裏世界があるんだけど、そこで取れる水晶(Quartz)にネザーをつけて、”Nether Quartz”とか。やっぱり、よく拾うアイテムの単語は頭に入りやすい。だけど、だんだんと、いろんなアイテムに触れてるうちに、それ以外のものも結構覚える。よく使うのだけじゃなくて、プレイしてると勝手に自然と広がってく感じ。母:なるほどね。学校の授業で、マイクラで知った単語が役に立ったことってある?長男:マイクラ・オリジナルな単語は「んー?」って感じなんだけど(笑)、結構役に立ってる。とにかく単語の数が増えるよね。授業でも「あ、これ知ってる」って。でも、やっぱり大きいのは海外のユーザーとのチャットかも。最初は簡単な言葉で会話することが多かったけどね。だんだん、マイクラ以外の場面でも「これ、マイクラで対戦した人が使ってたな」って思ったりして、今まで知らなかった英語表現とかも増えた。例えば、よく使う略語から、「GG = Good game(いい試合だった)」とか、「R.I.P. = rest in peace(安らかに眠れ)」とか、ちょっとした一言、みたいなのも結構覚えた。母:なるほどね。海外ユーザーとの異文化交流で鍛えた「気にしない力」出典 : 母:そのチャットでの交流について、もう少し詳しく聞かせて。いつも「海外ユーザー」っていうけど、具体的には、一体どんな人達?長男:あはは。ホントのこと言っちゃうけど、 9割はしょーもない人!母:9割しょーもないんか〜い!(汗)長男:ほんとに、しょーもないことばっかり言う。意味不明なウケ狙いとか、ユーザー同士の喧嘩とか、放送禁止用語とか…あとは、「こうすると強くなるよ」って、ウソのコマンドを教えてくる人とか(笑)残りの1割の人たちは、ルールを丁寧に教えてくれたり、「こういう風に立ち回りしてくれると嬉しい」とか、具体的に言ってくれたり。母:雑談はする?プレイと関係ない、例えば、「コロナでそっちの国はどうだ?」とか。長男:日本のことは結構話すね。「日本に行くときは、どこ行ったらいい?」とか。あと、ときどき日本語を教えることもある。頑張って日本語を話そうとしてくれてて、「ARIGATO」とか覚えた言葉を「これで正しい?」って聞かれたりね。母:へえ。「海外」って、どこの国の人か分かる?長男:チャットの内容で、おおまかには推測できるけど。英語が母国語の人達と、非ネイティブ・スピーカーの人達もかなりいるね。日本と時差が少ない地域のプレイヤーが多いから、大体はアジア系か、ロシア系かな。ネイティブ・非ネイティブ関係なく、スグにしょーもない喧嘩を始めるんだよ(笑)母:以前、キミは「英語で喧嘩できるようになった」って言ってて、「おお!すごいなあ」って思ったけど、それはどんな感じ?煽り合い?長男:ははは(笑)。まあ、めちゃめちゃ煽ってくる人もいて、前はオレも煽り返すこともあったけど、最近は、あえて相手をほめたり、「ごめんね、悪いプレーしちゃった」とか、煽られても、オレはすごい親切にしたりしてる(笑)。Upload By 楽々かあさん母:相手の言葉をあんまり本気に捉えないようになったのは、煽られ慣れたから?長男:それもあるけど、どういう感覚でそういう言葉を使うのか、想像できるようになったというか…もう、息をするように言ってることが分かったから。まあ、挨拶みたいなモンなんだよ、海外の人にはさ。日本の中高校生とか、友達同士の冗談で、「バカ」とか、「シネ」とか、フツーに言ってると思うけど、それって海外の人にしたら「ものすごい喧嘩だな」って思うんじゃないかな。それと同じような感じってこと。母:あー、それは海外の人達には、結構キツイ感じがするだろうね。長男:でも、最近「BAKA」は、海外にすでに輸出されてる。日本のアニメの会話でもよく使われてるから、その影響もあるかも?母:でも、最近キミは、学校生活の中でもトラブルが減ったよね。他人にちょっとイヤなことを言われても、あんまり怒らなくなってきた気がするけど、それはチャットと同じように、受け流せるようになったのかな?長男:悪口とか、挑発とか、しょーもなさすぎて、返すのがめんどくさいからね。それはその人の意見だから、別に否定もしないし、オレはオレのできることだけやればいいかな。受け流すとか、スルーするとかさえしておけば、「まあ、いいや」ってしてたら、あんまり言われなくなった。母:対人面で細かいことを気にしないようになれたよね。例えば、かあちゃんに小言言われても「OK」って、軽く流すじゃん(笑)あれもチャットの影響?長男:海外ユーザー同士は、どれだけしょーもない悪口を言われても、9割は「OK」で受け流してる。「OK」って、すごい便利な言葉じゃない?「Yes」だと賛成しちゃってることになるけど、「OK」だったら、あくまで「あなたの意見は、分かりました」ってだけの返事だからね。母:これはイラッとしないための工夫なのかもね。海外では、いろんな文化や言語の人とやっていかないといけない環境も多いから、そういう「異文化交流の処世術」も、ゲームからうまく学べたのかもね。伝えたい相手がいるから、学校の勉強も自然と予習復習できる出典 : 母:そうやって、毎日遊びながらしてることは、学校の英語の勉強に、どんな風に活かされてると思う?長男:海外の人達とチャットで話すうちに、「こういう表現するには、どうしたらいいんだろう」って、文法を調べていったら、結構学校でもできるようになった。母:あー!最初にすごく伝えたいことがあるから、単語とか、文法とか、調べてくってことだね。長男:そう。後は、相手の話の流れや状況から、言葉の意味を推測する。例えば、「過去形」を授業で習う前に、チャットで"I killed enemy."って味方が言ったら、「kill」っていう単語は分かるんだけど、「なんで”-ed"がついてるんだろう?」って思った。でも、その人は、たくさん敵を倒してるのが画面で分かるから、「敵を倒し”た”」みたいな意味かなって推測できた。だけど今度は、"I broke〜"とか出てきて、なんで「break-ed」じゃなくて、「broke」なのかな?って、なる。だけど、その人は敵の拠点を破壊してたから、「ああ、この単語の場合はそう書くのか〜」って、見て分かる。母:あー、視覚的な情報もセットだと分かりやすいね。長男:あとは、言われたこととか、伝えたいことがあって、気になって教科書をどんどん読んでた。出典 : 母:へえ!授業より、先取りしてたってこと?長男:うん。オレのオススメの英語学習法としては、テスト勉強以前に、先に文法を覚えてしまって、残りは単語に力を入れたほうがいいと思う。単語は、めちゃめちゃ簡単な言葉でもいいから、分かりやすく覚えた方がいい。文法さえできれば、あとは単語をひたすら増やすだけ。母:なるほど。文法覚えてたら、応用しやすいよね。ゲームで興味が持てたことを、教科書の内容にも広げられたってことかな。長男:あとは、授業で習った内容を早速海外の人とチャットで使ってみる!母:あー!それ、すごくいいと思う!長男:「can」が典型的な例だけど、授業で「can」の表現を習った次の日から、「Can you pass me〜?」とか、「Can you give me 〜?」とか、チャットでスグに使った。母:なるほど。即・実践で繰り返し使うと、定着して身につけやすいよね。授業で習ったこともすぐに使えば、生きた会話になるね。長男:でも、最近の英語の授業内容は高校の範囲に入ってきて、ハイレベル過ぎて、あんまり実践で使いドコロがないやつが多い(笑)。まあ、全く使えなくはないけど…非ネイティブの人には「アナタの英語は難しすぎる」って言われちゃう。母:確かに日常会話なら、中学英語で必要十分だろうね(笑)。最後に、キミの英語の学習法をまとめると、大好きなゲームで遊ぶ中で、すごく知りたいことや伝えたいことがあるから、単語も文法も自然と覚えるし、それが授業の予習復習にもなる。そして、実践で何度も繰り返し使うと、頭の中にも定着するってことだね。確かにコレなら、遊びながら英語ができるようになる気がする。成績UPの謎が解けたよ、ありがとう。長男:Thx(Thanks).「大好き」が、学びの原動力に…ゲームに限らず、子どもが遊びながら楽しく続けられる「大好き」を、親も気長に見守っていると、「勉強しなくては」と意識することなく、自然と意欲的に自ら進んで学べること、身につけられることはたくさんあるような気がします。そして現在、新型コロナウイルスの影響下で、おうちでお子さんがゲームをする時間が長くなって、心配になるご家庭も多いでしょう。もちろん、ゲームやIT機器との上手なつき合い方を、根気よく身につけていく必要はあると思いますが、工夫次第・考え方次第で、この時代だからこその「学びの機会」と捉えることもできるのではないでしょうか。何より、人との直接的な接触や会話が減っている状況下でも、オンラインでもいいから、子ども達が人との関わりの機会や興味関心を失わないよう、広い世界にも目を向けていけるよう、私は願っています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2021年02月13日まずはお子さまの特性や、あったらいいなと思う配慮を整理するお子さまが小学校入学への準備といっても、いったい何から考えるのがいいのでしょうか。例えば、「動き回ってばかりで、まったくじっとできない」「トイレがまだ一人でできない」「全体に向けて言葉で出された指示の理解が難しい」など、お子さまが学校生活を安心して送れるか、気になるところを考えてみましょう。もしそれらの理由や対策に心当たりがあれば、合わせて整理してみてください。それによって「椅子にクッションがあればバランスがとれて長く座ることができる」「絵や図を使いながらなら指示を理解できる」など、できるようになる手がかりがあるかもしれません。とはいえ、うまくいく・いかないには様々な状況や事情があります。まずは「あのときだけはすんなりできていたなぁ…」など、ヒントを整理してみるのも一つかもしれません。就学相談の際に、それらの情報が役に立つことがあります。就学相談って?Upload By LITALICOライフ小学校には一般的なクラスである「通常学級」や、支援のある「特別支援学級」など、いくつかの就学先があります。どの就学先がお子さまにとってよりよい環境になりそうか、保護者・児童、教育委員会で話し合って決めるのが就学相談です。お子さまに障害があったり発達に気になるところがあったりするときに申し込むことができます。時期は地域によって異なりますが、入学する1年前の春から始まる地域も多くあります。また、基本的には就学時健康診断のように通知が来ないため、保護者から申し込む必要があります。もし就学相談を受けたいと思った場合は、通っている幼稚園・保育園から申し込むケースもあるので、まずは幼稚園・保育園に確認していただくか、あるいはお住まいの市区町村の教育委員会に連絡してみてください。就学相談では、発達検査や知能検査、お子さまの行動観察をすることもあります。普段の様子を質問されることもあるため、事前に整理しておくとスムーズです。どんな学級・学校がある?小学校の就学先には4つの選択肢があります。どの学級が合うのかは、人それぞれです。・通常学級…一般的な集団のクラスです。・通級指導教室…ふだんは通常学級にいながら、一部特別な指導が必要なときに、週数回程度、移動するクラスです。・特別支援学級…一人ひとりがニーズに合った教育を受けることを目的とした、最大8人の小さなクラスです。・特別支援学校…障害のあるお子さまが通い、自立を促すために必要な教育を受ける学校です。通級指導教室や特別支援学級は、学校によって設置されているところとそうではないところがあります。また、設置されている場合も支援や授業の内容は異なりますので、実際に確認・見学をすることが大切です。情報が少なかったり、判断が難しいこともあるかもしれません。LITALICOライフの無料勉強会では、それぞれの学級の特徴や、卒業後の進路の違い、就学相談のコツまでご紹介していますので、ぜひのぞいてみてください。生活習慣・こころの準備のためにできることは?お子さまにとっても保護者さまにとっても、小学校入学は大きな変化です。勉強や授業、登下校など、小学校入学で生まれる変化に事前に少しずつ慣れる機会があると、お子さまにも保護者さまにも心の準備の助けになります。起床時間・毎朝の行動を整えていく特性によっては、生活習慣を簡単には変えられないお子さまもいます。小学校入学前から、小学校に登校するのに合わせた起床時間に起きるようにして、朝ごはん、顔を洗う…などの行動を習慣にできるとスムーズです。通学路や学校の建物に慣れる慣れない道や建物が苦手な子どももいます。通学路を散歩コースにしたり、学校の近くを通りかかったときに「4月からはここに通うんだよ」と伝えることで、不安がやわらぐことがあります。翌日の持ち物の確認・準備をする習慣をつける寝る前に翌日のスケジュールや持ち物リストを確認しながら準備する習慣ができると、忘れ物がなくなったり、朝にパニックとなってしまうことがなくなりやすくなります。机に向かってじっとする機会を設ける小学生になると、授業で45分間座ることを求められます。絵を描いたり本を読むなど、お勉強でなくともかまいません。一日5分程度でも机に向かい、慣れていきましょう。いずれも少しずつ始めて、少しずつ慣れていくことが大切です。【東京、神奈川、埼玉、愛知、大阪、兵庫、福岡、広島に特化した情報から全国版までお届け】就学相談のスケジュールや、就学先の選び方がわかるUpload By LITALICOライフLITALICOライフの保護者さま向け勉強会「幼児期からの就学準備」は、これから小学校入学について考え始める・準備を始めるご家庭に向けて、今知りたい情報から将来に繋がる情報まで、ギュっとまとめてご紹介しています。また、東京、神奈川、埼玉、愛知、大阪、兵庫、福岡、広島では地域に合わせた情報もお伝えしています。勉強会後、より詳しく相談したい方には無料の個別相談もありますので、ご活用ください。【小学校入学前の準備に向けて、こんな情報がわかります】・4つの就学先って、何がどう違うの?実際は?・就学先によって、中学や高校以降の進路に影響はあるの?・これからの進路をどう考えたらいい?・就学相談って、いつからどんな準備をすればいい?勉強会はオンライン開催で、チャットを使った質問にも、時間の許すかぎり講師がお答えしています。「○○と聞いたのですが本当?」など、気になることを投げかけてみてください。LITALICOライフは、誰もが「自分らしい人生」を歩んでいけるよう、さまざまな興味・課題に合わせた情報提供や個別相談を通じて、そのひとりに合わせたライフプランニング(人生設計)をサポートしています。無料勉強会では、就学準備、地域ごとの進路情報、通級、支援級、グレーゾーンの子、不登校の子、親なきあと、私立中学受験まで、幅広く家族のための情報提供をしています。
2021年02月10日2021年もコロナウイルスの感染はまだまだ終息しそうになく、自宅学習をするご家庭は増えていくかもしれません。でも、おうちでの学習は学校に比べるとなかなか集中しにくいもの。そんなときにおすすめなのが、「目標をしっかりともつこと」です。目標がしっかりと定まっているだけで、これから何をやればいいのかがすぐにわかり、子どもは学習への意欲が増すのです。「算数のテストで満点をとる!」や「1日〇分ドリルに取り組む!」、あるいは「算数検定〇級をとる!」など、目標の立て方は人それぞれ。そして、目標を決めたら、次は「自分に合った学習スタイル」を確立させていきましょう。今回は、「自分のタイプに合った学習スタイル」と、学習を習慣化させるための「勉強が楽しいと思える経験」について考えていきましょう。算数検定合格者たちの “効率のいい” 勉強習慣とは?私が代表を務めるRISU算数では、算数・数学の検定試験である「実用算数技能検定」とタイアップした事業を展開しています。その関係から、RISU算数の利用者のなかには、算数検定を受検される方がたくさんいるのです。そうした方々の多くは、学年を先取りした級に合格しており、その合格体験記をRISU Japanのホームページにまとめています。そして、この合格体験記には、先取りを可能にするような勉強習慣の秘訣が詰まっていることがわかってきました。2020年は新型コロナウイルスによる休校などの影響で、家庭で勉強を行なわなければならない場面が増えました。じつはRISU算数は、家庭での勉強に非常に適している教材で、生活のなかのちょっとしたスキマ時間を使って算数の問題に取り組むことができます。そして、算数検定などですばらしい成績を収めている学習者ほど、このようなスキマ時間の使い方がうまいことがわかっています。算数検定の合格体験記には、毎日、生活のなかの5分・10分ほどの空き時間を利用して意欲的にRISU算数に取り組んでいる例が見られます。たとえば、ある家庭では毎朝ご飯を食べる前の20分にRISU算数に取り組んだり、あるいは習い事に向かう車のなかで取り組んだり……。もちろん、このような毎日取り組むスタイルでなくとも、1週間のなかで数日、しっかりと時間をとって落ち着いて勉強に取り組むのもいいでしょう。重要なのは、自分のタイプにあった勉強法を考えること。短い時間だと気が散ってしまうタイプにもかかわらず、こまめな学習方法をとってしまったり、あるいは、長時間は集中が続かないタイプなのに、机の前で無意味に時間を過ごしてしまったりなど、自分に合わない勉強スタイルでは、勉強の効率も下がってしまいます。では自分に合う勉強スタイルはなんなのか?それは、お子さんひとりひとりによって異なり、年齢とともに変化もします。常にそのことを意識し、お子さんのいまの様子をしっかりと把握することが大事です。「勉強が楽しい」という経験が大切もうひとつ、算数検定の合格者体験記を読んでいて気がつくことがあります。それは、「勉強を楽しんでいる」ということ。たとえば、RISU算数には「スペシャル問題」と呼ばれる問題があります。これは、普通の算数の問題とは異なり、思考力や推理力が問われる問題で、じっくり考えなければ解くことができません。じつは、このスペシャル問題を解くことを楽しみにしてRISU算数に取り組む子どもも多いのです。スペシャル問題はパズルのようなもので、解くのが大変なぶん、解けたときに「できた!」という達成感を味わうことができます。スペシャル問題は、普段の勉強とは異なり、「楽しい」という体験を子どもたちに与えているようなのです。私が重要だと思うのは、この「楽しい」という経験です。普通、子どもは勉強を「やらなければならないもの」だと認識しています。もちろん、勉強を耐え続けて取り組み続けることも成績を伸ばすひとつの手ではあるのですが、やはりそれではどこかで限界が来てしまいます。ここで、勉強を「楽しい」と思う経験があれば、無理なく勉強を進めることができるわけです。実際に、算数検定合格者の多くの方が、勉強を「楽しんで」やっている様子が見受けられます。そのために重要なのは、どのように勉強を「楽しい」と思ってもらうのか。そのためには、RISU算数のスペシャル問題のように、難しい問題を解く楽しさを味わわせてあげるのでもいいでしょう。あるいは、「30分勉強したらゲームを10分やってもいい」などとご褒美を活用するのもひとつの手。ご褒美をあげることに対しては、さまざまな異論もあるでしょうが、ご褒美も使い方によっては効力を発揮します。大事なのは、勉強をどう「楽しんでもらう」のか――。いろいろな工夫を試してみましょう。子どもの成績アップのために親ができることさて、ここまで算数検定合格体験記から見えてきた伸びる子どもの特徴をお伝えしてきました。そこからわかるのは、算数学習の近道に決まった方法はない、ということです。自分にあった勉強スタイルで、勉強を楽しむこと。それに、正解はひとつではありません。それぞれのお子さんがそれぞれのお子さんにあった適切な方法を選んでいることが、子どもの成績アップにつながるようです。したがって、勉強の目標もそれぞれのお子さんが「自分にあった勉強を、楽しく」続けられるようにしてあげたいところです。お子さんとよく相談して、勉強の目標を立ててみてはいかがでしょうか?『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』今木智隆 著/文響社(2019)■ 算数塾「RISU」代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題第4回:「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法
2021年02月09日インフルエンザで学校を休む1週間、先生からまさかの連絡が...Upload By かなしろにゃんこ。「ここではこの式を代用して~」と賢そうに友達に勉強を教える姿に少し憧れてしまうことは、誰でも一度はあるのでは?わが家の万年勉強できない男子リュウ太は、そんな賢い姿とは一生無縁の天然おバカちゃんですが、小学校5年生のときにインフルエンザになり一週間学校を休むことになったときに変化が!Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。一週間も休むので、担任の先生から課題が出されました。「直径や半径、円周率の勉強に入るところだったので、お母さんから円周率の説明をして学習させてください」と任務が与えられたのです!こりゃー頑張らないとー!と張り切る母ですが...人の話を聞くことが苦手で、話すリズムが自分のリズムと合わないとキレるリュウ太に、円周率なんて教えられるかな?途中で怒り出す気がしてならない...母は少し不安混じりだったのですが、インフルエンザの峠を越えて元気になってきた息子との学習をスタートさせたのでした。「では、円の長さを測る勉強をしまーす、円の中心から~」不安混じりで始めた学習...あれ?なんだか順調!?Upload By かなしろにゃんこ。ADHDでいつもエネルギーいっぱいの子には、病み上がりの状態が勉強するのに丁度よかったのか⁉起き上がれる程度に元気だけれど動き回ることはまだできないリュウ太。落ち着いて話を聞いてもらうのに丁度いいテンション、よしよし。母はイケそうな手ごたえを感じていました。ちなみに、普段は絶えず思考も身体も何かしら忙しなく動いている族なので、少し長くなる説明をしようものなら「早く言って!早く終わらせて!その話まだ続くの?」と抵抗されてしまいます。事前に円の学習のおさらいをして理解してもらえるように、円の厚紙も用意して臨んだところ、意外に大人しくちゃんと勉強をしてくれて、円周率も覚えられました。ちゃんとやる様子が少し不気味で「アレ?まだ熱あるのかな?」って思ってしまいます(笑)次の日も次の日も、円周率についての勉強は続き、マスターしていったのでした。いつもは教えてもらう側のリュウ太、初めて人に教えてあげる喜びUpload By かなしろにゃんこ。晴れて完治して学校に行ったときにみんなよりも学習が進んでいたリュウ太は、「分からなーい」という女の子に教えてあげたと言います。そのことを本人は嬉しそうに「オレさー女子に教えてあげられた!すごくない!?」と自画自賛しました。これまで人から支援してもらうことばかりで、自分が誰かを助けたことがなかったからか?自分は勉強ができないと感じていたからか?とても嬉しそうでした。続けて家庭学習にチャレンジしたものの...Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。母も嬉しい!私は教えることに手ごたえを感じ、立方体の体積の学習にもチャレンジしたのですが...「体積なんかどうでもいいよー!なんで3回もかけなきゃいけねんだよ、だりー!わかんねーよ」と反発されて、私も「たかが3回かけるだけじゃないのよー」と言い返して炎上してダメでした(汗)3回はイヤなのかー???なんでだろう?全ては気分なのか…。やはり、一発毒を抜かれたようなインフルエンザの病み上がりのテンションでないと、スッと入っていかないようでした(笑)立方体の体積の公式を許してあげたのは(計算ルールに寛容になったのは)中学生だった気がします。遅っ!LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月08日1992年よりスペインで暮らし、サッカー指導の現場で奮闘してきた佐伯夕利子さん。2003年には日本人女性初となる、スペインの指導ライセンスレベル3(日本のS級に相当)を取得。アトレティコ・マドリードの女子チームやビジャレアルのアカデミーで指導を行ってきました。2018年にJリーグの特任理事に選任されると、2020年に常勤理事となり、スペインより(11/30~2/1まで一時帰国中)帰国することになりました。育成について多くの知見を持つ佐伯さんに「子どもたちを伸ばすために、指導者が変わらなければいけない理由」をテーマにインタビューを行いました。ビジャレアルの育成改革を中心とした、濃密なインタビューを4回に渡ってお届けします。(取材・文鈴木智之)育成の名門ビジャレアルが「ピッチ外」という育成で一番大変な面に目を向けるようになったキッカケとは(写真はサッカー少年のイメージ)■小中学生で親元を離れるのは良いことなのか――佐伯さんが所属していたビジャレアルは、育成に定評のあるクラブです。スペインの年代別代表に選手を輩出し、トップチームにも多数の選手を送り込んでいます。育成に実績のあるクラブが、なぜ改革をしようと決断したのでしょうか?私が所属していたビジャレアルが、アカデミーの指導改革を行ったのが、2014年です。ビジャレアルはご存知のとおり、育成に特化してクラブを運営してきました。アカデミーからトップチームへと選手が昇格し、クラブとしても欧州チャンピオンズリーグなどで上位に食い込む中で、国内外から評価を得るようになりました。ビジャレアルはスペイン全土から選手をスカウトし、寮に入れて育成していきます。一番下は小学6年生です。小学生、中学生という多感な時期に、親元を離れて生活するのが良いことなのか。まずそこに葛藤がありました。スペインは地域性が色濃い国です。ビジャレアルはバレンシア州にあるのですが「バレンシア語」といって、使う言葉も違います。――別の地域から来た子どもは、馴染むのが大変ですね。そうなんです。遠方から来た子達を地元の学校に入れても、授業がバレンシア語なので、何を言っているかわからない。そのため、学校に馴染むことができないといった問題がありました。そのような経緯があり、(小学生年代で越境させる子はほとんどいなくなりました)。やはり、多感な時期は親元で生活するのがいいだろうという結論に達したのです。このように様々なトライアンドエラーを繰り返しながら、選手の育成をしてきました。寮生活をしている子は100人ほどいますが、それだけの数がいると、人間性の部分での指導、アプローチが行き届かないこともあります。そこであるとき、気がついたのです。「私達はプロクラブの指導者と名乗っておきながら、グラウンドの中で行われることだけを指導しているのではないか」と。やれ4-4-2だ4-3-3だという話ばかりで、グラウンドを一歩離れた選手の姿に、どれだけ関心を持って指導していたのだろうかと省みたのです。■アカデミー生の90%以上はプロになれない――ヨーロッパのトップクラブのアカデミーが、そのような観点を持ったことは、非常に興味深いです。ビジャレアルのアカデミー生は"フットボールバブル"と呼ぶべき、恵まれた環境でサッカーに取り組んでいます。全額クラブ負担で衣食住のケアがされていて、寮には栄養士もランドリーサービスもあります。Tシャツにさえ、アイロンをかけてもらえる環境です。学費はクラブが負担し、サッカーをすることで報酬も得ています。一般の中高生ではありえない環境ですが、その状態で長く育ってしまうと、いつしかそれが普通になってしまいます。そして18歳になると高級車を買ったり、iPhoneの最新版を持ったり、ブランド品を身につけたりという感覚になってしまうわけです。――まさにバブルですね。普通の中高生の感覚からかけ離れた状態をクラブが作っておきながら、彼ら全員がプロ選手になれるわけではありません。プロとして契約書にサインできる選手が、アカデミーの中で何人いるかと考えた時に、ビジャレアルのようなエリートアカデミー選手でも6~7%という数字が出てきました。つまりアカデミーの93%の選手は、プロとして生計を立てて行くことができないわけです。クラブもそれを理解しながら、選手に投資をしています。プロになった1%の子だけに目を向けて、その他の 99%の子達に責任を持たなくていいのでしょうか。「トップチームに何人昇格した」「他のクラブに高額で移籍させることができた」というのが私達の勲章ではなく、いま面倒を見ているアカデミーの選手達が、サッカー選手ではなくなった時、もっと言うとビジャレアルというバックグラウンドがなくなった時の姿に責任を持つことが、私達指導者の責務ではないかという反省が、改革のきっかけになりました。■ピッチ外という一番大変な面に向き合うようになったキッカケ――非常に考えさせられますね。ごくまれに、ユース出身の選手が犯罪を犯したというニュースを耳にします。でも、その段階ではもう自分たちのクラブの選手ではないので、大抵が知らん顔をします。「何年か前に、そんな選手いたよね」「ひどい人生を送っているね」と話をするだけで、彼らがビジャレアルのアカデミーにいた時、つまり成長段階で彼らの周りにいたのは、他ならぬ私達です。アカデミーを巣立っていった選手が、そのような状況になっていることに対して、「私達は責任を感じなくていいのだろうか?」といったことを指導者間でディベートし、内省を行いました。――責任感あふれる行動だと思います。指導者として勇気を持って、一番大変でエネルギーを吸い取られるところに、あえて向き合っていく。それがプロフェッショナルクラブの指導者と言えるのではないか。指導者とはそういう仕事なのではないかという考えに基づいて、改革をしました。たとえばAという選手がいたとして、彼は学校では生徒会長であり、彼女の前では恋人であり、クラブではおとなしいキャラクターだけど、親の前ではよく喋る子だったりと、様々な側面をもっています。しかし、私達は「サッカークラブにいるA君」という面でしか見ておらず、判断していませんでした。105m☓68mのグラウンドの中にいるときのA君に対してしか、アプローチしていなかったのです。――サッカー選手としてだけでなく、ひとりの人間として包括的に見ることの大切さに目を向けたのですね。サッカー選手としての価値を高めていくことが、最終的なクラブの目標としてはあるけれども、「価値とは何だろう?」と考えた時に、ボールを上手に扱えることなのか、速く走れることなのか、デュエルでたくさんボールを奪うことができることなのか......。そうではなく、もっと壮大なものではないだろうかという結論に達しました。つまり「人として豊かになれば、ピッチ上でのパフォーマンスにもプラスに現れてくるのではないか」ということです。なぜならばフットボールは、スピードやパワー、持久力など数値で測れるものを競う競技ではなく、様々なファクターの中から瞬時に判断し、たくさんの選択肢を持った中から、最適な行動を自分で選び取ることが必要なスポーツだからです。そこにスキルが加わり、クオリティの高いパフォーマンスに変わっていきます。■学校と連携して選手の日常を知る取り組み――どのようにして、サッカー以外の部分に目を向けていったのでしょうか?ひとつは学校との連携です。勉強に対してどのように取り組んでいるのか、学校ではどのような生徒なのか、先生との関係性はどうかなど、学校に対してクラブの指導者が積極的に関わるようになりました。いまでは学校の職員会議に、ビジャレアルのスタッフが参加する関係性です。さらに「Google Drive」というITソフトを使い、その選手に関わる多くの人と情報を共有し合う仕組みを作りました。Aという選手には、サッカーの指導者、寮の生活指導スタッフ、勉強を担当する先生、掃除や洗濯など身の回りのケアをする人など、たくさんの人が関わっています。そこで「Google Drive」の中に、Aという選手のファイルを作り、その日にあった特筆事項などを共有します。――現代的な仕組みですね。たとえば、学校の先生が「A君は同級生のB君と激しい言い争いをして、気が立っているので、寮に戻ったときの態度が悪いかもしれません」と記入しておけば、寮の生活指導の先生も「なんだこいつは。態度悪いな」となるのではなく、A君を取り巻く環境を理解することで対応も変わり、コミュニケーションも豊かになります。コーチはA君の身に起きた出来事を知っているので、練習場に来る時はふてくされているだろうなと、前もってイメージすることができます。そうすると、A君と接するときの指導者の態度も変わってきます。■一人ひとりが豊かになることがチームの強化につながる――それをチーム全員分するというのは、時間もエネルギーも相当かかりませんか?はい。チームに選手が20人いるとして、それぞれの人格や置かれている状況、バックボーンは全員違います。そうであるにも関わらず、私達はチーム全体にメッセージを発したり、フィードバックを行ってきました。それらの意味のなさに気がつき、すごく反省しました。個々にアプローチをし、個別に最適化を図ること。その結果として、選手一人ひとりが豊かになることが、チームの競技力や強化につながるのではないかと、考えが変わりました。そのような取り組みを行い、一つひとつ改革をしていきました。(第2回に続く)佐伯夕利子(さえき・ゆりこ)1973 年10月6日生まれ/イラン生まれ92 年にスペインに移住し、93 年から指導者の道を歩み始める。レアル・マドリードのスクールをはじめ、スペイン男子3 部リーグ、アトレティコ・マドリッド女子チームなどで監督経験を積む。08 年からビジャレアルに在籍し、男子U19のコーチ、レディースの監督、女子部統括責任者などを歴任。18 年に公益社団法人日本プロサッカーリーグの特任理事(非常勤)に選任され、2020年3月からJリーグ常勤理事。
2021年02月02日短期留学時、クラスメートとぶつかる大学3年のとき、私はアメリカの大学に短期留学をしました。私の所属する大学とアメリカの大学の提携のもと行われる短期留学プログラムです。私が学んだのはテクニカル・コミュニケーションという、論理的なコミュニケーションを学ぶ科目で、授業は英語で行われました。英語が得意で理屈っぽかった私にとって、テクニカル・コミュニケーションという分野はとても知的好奇心を刺激されるものでした。人の表向きの言葉と内心がどこかズレていて「空気を読む」スキルが必要な日本と違って、アメリカでは言うほうも聞くほうも言葉のままに解釈します。また、アメリカの大学では学生は勉強熱心なほうがカッコいいと捉えられていて、学生同士の初対面の挨拶には必ず「あなたの専攻は何?」という問いが含まれました。そうした日本とアメリカの文化の違いもあって、私は水を得た魚のようでした。レポートなどでも毎回トップクラスの好成績をあげていました。しかし、そんな私に対して陰口を浴びせる日本人学生のグループがいました。一番前の特等席で教授に質問しては「Good question!」とか言われている私の背中に向かってヒソヒソと「きもい」とか「がっついてるよね」とか言うのです。嫌がらせを先導しているのは一人の女子学生でした。仮にAさんとします。Aさんたちグループは私の所属大学の、テクニカル・コミュニケーションを專門とする講座から単位取得にあたっての義務として送り込まれてきた人たちでした。あとになって思いましたが、自分たちが普段からみっちりトレーニングしているテクニカル・コミュニケーションの分野にぜんぜん関係ない学生が紛れ込んできて自分たちそっちのけで注目を浴び、好成績をあげたら、そりゃあ皆が面白くないのも自然なことかもしれません。こうした私が嫉妬を受ける背景があったことに加え、Aさんと私は本当にたまたまですが知り合いで、悪いことにもともと折り合いの悪い同士でした。高校のとき同じ高校に通っていて、クラスメートになったことがあったのです。高校の頃、数人で強固な仲間意識のあるグループをつくり、いつもなにやら私には理解できない内輪ネタで耳打ちしあったり大きな声で盛り上がったりしいるのがAさんで、私はよく彼女たちのことを非常に冷ややかな目で見ていました。当時発達障害の自覚がなかった私は「ねえ、何がそんなに面白いの? ちょっと静かにしてくれる?」ぐらいの突っ込みをしたような記憶があります。大学生になってもAさんはいつも群れて行動する人で、「いかにも日本人学生らしい」振る舞いをしました。教室の後ろのほうに固まって座ろうとして、教授がもっと前に来なさいと繰り返し促しても顔を見合わせてニヤニヤしながら「やだーあ」と引いた態度をするだけ。教授が授業中に当ててももじもじして「わかんないですー」みたいな答えをするし、質問を促しても誰も手を挙げない。私はAさんたちの振る舞いが同じ日本人として恥ずかしかったし、教授に悪いからと思って、彼らの代わりに前に座り、質問をしていたところもあったのです。でもAさんにとって私は、高校からの因縁も含めて「憎き宇樹!」ぐらいの感じだったのかもしれません。嫌がらせを先導するのはいつもAさんでしたが、私はAさんのいないところでAさんのグループの名前も知らないぐらいの女子2人と行きあったときに挨拶してみたら無視されたりして、ずいぶん嫌な思いをしました。結局、あるときあまりにAさんの陰口が執拗なので、いいかげん私は怒り心頭で全員の前で自分の意見をまくしたてました。あなたたちが私を嫌っているのはわかっている。だったら個々人が直接文句を言いにくればいいじゃないか。それができないから群れて嫌がらせするなんて情けないと思わないのか。そちらにとっては義務で仕方なく来ているから仲間同士の絆も大切なんだろうが、こちらは勉強がしたくてわざわざお金を払って来ているんだから、こういうやる気のある学生の邪魔だけはしないでもらいたい… こんな感じだったと思います。「やだー、きもーい…」とAさんは隣の子に小さい声で言って、以来、私に嫌がらせはしてこなくなりました。代わりにまるでそこに私がいないかのように振る舞うようになりました。私はざまあみろと思いましたが、自分の対応がこれでよかったのかはあまり自信がありませんでしたし、互いが平和に暮らすために互いのことを無視しなければいけない学生たちってなんだか寂しいなと、とても後味の悪い思いが残りました。私のことが気に食わないからといって集団で嫌がらせをしたAさんの行為は間違っていたと思います。そこについてはAさんは批判されてしかるべき。また、私が勉強を頑張り、教授を気遣った行為自体は間違っていなかったはずだと思います。けれど私も私で、発達障害ゆえに「何よりも仲間との絆の感覚を優先する」という感覚が理解できていませんでした。自分の発達障害に自覚もなかったゆえに、高校の頃からずっと、Aさんに対してあまりに冷たい視線を浴びせていたように思います。Aさんにとっては私の視線が何か彼女のコンプレックスを刺激するものであったり、悪意ある攻撃と感じさせるものであったりしたのでしょう。「発達障害があって空気が読めないから嫌がらせされてしかるべき」という話ではなく、もっと早く自分の発達障害について知っていれば、同じAさんと私でももう少しうまく、互いに攻撃的にならずにつきあえたのではないかと思うのです。そう思うとなんともやるせない気持ちになります。就職活動の時期にも対人面の問題が就職活動でも徐々に対人面の問題点が浮き彫りになっていきました。大学名と成績のおかげか書類審査は通るのですが、どこの面接に行っても落とされてしまうのです。質問に対して事実を答えただけで面接官が怒りだしたり、あなたは思想的に偏っているから危険分子だと言い立てられたり、就活本のとおりに頑張ってやったことに呆れられたりして全部落ちてしまう。同じ時期、通っていた就活スクールのクラスメートとも複数回喧嘩になりました。私はマスコミを目指していたためマスコミ就活スクールに通っていたのですが、彼らとどうにも反りが合わないのです。一度めは、私がクラスメートから「非国民」と言われて激怒した案件。当時Jリーグが流行っていました。私が「世の中の人たちが急にほっぺたに日の丸を描いて熱狂しだした様子が気持ち悪い」と言ったところ、「それって非国民じゃね?」と言われたのです。その男子学生は新聞社を目指しているということだったので、私は怒りに震えながら「非国民という言葉の重みをわかって言っているのか。これからジャーナリストになっていく人間がそんな安易な感覚で非国民という言葉を使っていいのか」と返しました。二度めは、やはりJリーグに絡んである女子学生が「あの国の審判がズルをしたから○○人は嫌い」と言い出して、やはり私が激怒。「どうしてある国の一個人が悪いことをしたからといってその国の国民全員を嫌いと言ってしまえるのか。これからマスコミで仕事をしていく人間としてそんな感覚でいいのか」と返したのでした。いずれの場合も相手は「は? 何が悪いの?」といった感じで、なんとなく私が悪者となって排除されてしまいました。何より解せなかったのは、マスコミ各社にどんどん内定を得ていくのが彼らばかりなのだということ。私は、非常に有能な仕事人として出世した父に、小さい頃から「常に有能で個性的で、強く、周囲を蹴落としてのし上がる者であれ」と教えられて育ちました。また発達障害があったため、自分が知らぬうちに巻き込まれているパワーゲームについての洞察を欠いていました。女性、それも私のように身体が小さく動作の緩慢な女性が、「有能さと個性」を前面に押し出し、周囲を蹴落としてのし上がろうとするような態度でいたら。父のような大柄で数々の武道を極めた屈強な男性がそうした態度でいるのとは、世間的な風当たりの強さがまったく違う。こうした世間の風潮が正しいかどうかは別として(私は間違っていると思いますが)、それは残念ながら事実です。私は結局のところ、どこかの会社に入ってジェネラリストとしてスキルを磨いて… というようなキャリアパスは向いていなかったと思いますし、こうしてフリーで物書きをできている今の自分の立ち位置に満足しています。でも当時、私に発達障害の自覚があって、自分の振る舞いが周囲にとってどのように受け取られうるのかということについて知識だけでもあったなら、もう少し平穏で、自分も周囲もいたずらに傷つけないですむ学生時代を送れたのではないかと思っています。就職しても挫折は続く結局、私が就職試験に通った唯一のところは予備校経営の会社でした。その会社は社内に出版部があったし、その頃には「こんな自分を採ってくれるところならどこでもいい」という気持ちになっていたからです。しかし、その会社はいわゆるブラック企業でした。ひとりに3〜5人分の仕事が降りかかっていて、常に社内は上層部からしててんてこまい。残業代は見込み分がもともと手当としてついていてそれ以上は出ないうえ、タイムカードを切ったあとにも仕事を続けるという慣習も定着していました。毎日12時間以上会社にいる日が続き、事務作業に加えて生徒の担任業務60人分を任され、焦りすぎて頭は真っ白。30人いた同期が2ヶ月で半分になり、私は7月になってついに倒れて、そのままその会社を辞めました。その後1年ぐらいぽつぽつとバイトをしては辞めるような生活をしたあと、私は父のコネである大学の任期つきの事務職員の職を得ます。「あのお父さんの娘だ」という周囲のプレッシャーから私はすぐに体調を崩しました。神経性の下痢と抑うつ傾向に悩まされ、1年間に2回休職。短い間に休職と復職を繰り返しながら私は、先輩から遠回しに服装のことを注意されて「決まってるなら職務規定に書いておいてもらわないと」と返したり、「自分で仕事を探せ」と言われて学生が頻繁に出入りする部屋のドアを急に磨きだしたりと、自分としては大まじめなのですが今思えば実に発達障害者らしい言動に出ました。想像していたことではありましたが、この年の年末近くになって私は上司に呼び出され、「君の来年度の契約更新はできない」と告げられます。どうにもうまくいかない自分なりの懸命の努力で就職してみたところで、なぜか何もかもうまくいかない現実。大学職員をクビになったあともあれこれバイトや職にチャレンジしましたが、いつも職場の人と気まずくなったり、体調を崩したりして辞めてしまう。奮起して新しいところに応募しても、年を追うごとに書類審査さえ通らないことが増えていきました。自分の能力についても体力についても自信を失った私は、だんだんと家族以外の人と話すことに怯えるようになりました。電話をかけねばならないとなると動悸がして手が震えてきて、何度もシミュレーションしては怖くなって電話をかける手を止めて先延ばしにしてしまう、ということも続きました。体調が悪い日が増え、もともと不安定で私にとって懸念事項だった母の状態もさらに悪くなっていき… 私は少しずつ出かけられない日が増えて、ひきこもりニートの道に進んでいってしまったのです。年生まれ、佐藤愛: 女の人生、ある発達障害者の場合 Kindle版
2021年01月20日多くのご家庭の悩みごとは?反抗的、ゲーム・ネット依存、学校での人間関係など小学生や中学生の子どものいるご家庭の多くが、子どもが言うことを聞いてくれなかったり、反抗的な態度に困ることがあります。「勉強を全然してくれない。学年が上がるごとに成績がどんどん下がってきているのに、まったくやる気を出してくれない」「ずっとゲームばかりしている。そのせいで夜更かしになり、朝は起きれず、遅刻してばかり…」「学校での人間関係がうまくいっていないみたい。学校に行きたがらず、休みがちになってきた」せっかく子どもの気持ちも尊重したいと思っても、何を悩んでいるのかわからなかったり、本人にやる気がないように見えてしまうこともあります。そのせいで、保護者としては学校と子どもの板挟みになってしまうこともあるかもしれません。小・中学生は「自分のできないこと」を自覚し始める時期。放っておく・見守ることも一つUpload By LITALICOライフ発達障害のあるなしに関わらず、小・中学生は「自分はいくら頑張っても無理だ」などと現実の壁を意識するようになる時期です。クラスメイトと比較して自分の容姿を気にしたり、できないことにショックを受けることもあります。発達障害のある子の場合は、社会のルールや人間関係に苦手意識を持ち、失敗や挫折を重ねてしまいがちです。そういったままならなさや自立心の芽生えによって、大人の言うことを聞かず、反抗的になることがあります。保護者としてははがゆいかもしれませんが、重要なのは子どもが自分で決めて、行動できるようになることです。その場で「もうやめなさい」と言うのではなく、事前にルールを話し合って決めることが大切です。保護者としてなぜゲームやネットをしすぎてほしくないのか、一日どれくらいならOKなのか、意見を整理したうえで、「一日何時間」など約束をします。約束をしたのにすぐには守れないこともあるかもしれません。どうすれば決めたとおりにできるのか、一緒に考えたり、ときには問いかけながら見守るのも一つです。子どもはなかなか自分の思ったように行動ができません。「もう〇年生なんだから」「これくらいできるようにならないと」とつい言いたくなってしまうこともあるかもしれませんが、ぐっとこらえて辛抱することも大切です。保護者も子どもも意見が合わず、心が疲れてしまいやすい時期です。子どもの良いところをたくさん見つけて褒めることで、お互いの気持ちが楽になることもあります。話し合いが難しい場合も、褒める言葉や感謝の言葉であれば、耳を傾けてくれるかもしれません。監修:古川 圭介(株式会社LITALICOライフライフコンサルタント。心理カウンセラー。発達障害のある子ども向けの教室にて子育てが楽になるペアレントトレーニングを、のべ3,000家庭以上に実施。)保護者ができる見守り方は?「こうなったらどうしよう」を整理しておくよりお子さまに合った環境・選択肢を整えることも保護者だからこそできることの一つです。例えば下記のようなことが気になったときに、より合う環境を選ぶ、いざというときの指針にできるかもしれません。・学校に行きたがらない意思は尊重してあげたいけれど、内申点はどうなるんだろう?・中学校進学に向けて通級か支援級か悩ましいけれど、そもそも地元の中学校はどのような体制なんだろう?・子どもの夢や楽しみになるような、高校以降の進路や仕事はある?先々の「悩みやすいポイント」や最新の進路情報が、勉強会でわかる!Upload By LITALICOライフLITALICOライフの保護者さま向け勉強会「中学・高校の選択と今からできる準備」では、発達障害のある子にあった進路の選択・特長を知ることができます。 今知りたい情報から将来に繋がる情報まで、ギュっとまとめてお話しています。また、より現実的に情報を活かしていただけるよう、勉強会の各都道府県版では、都道府県ごとに下記の情報も紹介しています。【こんな情報が都道府県ごとにわかる!】・中学校の選択肢(公立支援学級の仕組みや私立中学の特徴など)・高校の選択肢(公立高校の取組み、通信制高校の事例、高等専修学校、特別支援学校高等部など)・高校以降の就労、自立に関してLITALICOライフは、誰もが「自分らしい人生」を歩んでいけるよう、さまざまな興味・課題に合わせた情報提供や個別相談を通じて、そのひとりに合わせたライフプランニングをサポートしています。無料勉強会では、就学準備、地域ごとの進路情報、通級、支援級、グレーゾーンの子、不登校の子、親なきあと、私立中学受験まで、幅広く家族のための情報提供をしています。
2021年01月19日新年が明けて二週間が経ちました。小中学校では冬休みが終わり、3学期が始まった頃でしょう。約2ヶ月半と、ほかの学期に比べてとても短い3学期。うかうかしていると、あっという間に新年度がやってきます。よい新年度のスタートを切るには、これから始まる3学期をどう過ごすかが重要です。以前、算数はRPGと同じ「積み上げ型」の科目だとお話ししましたね。前に習った単元の積み重ねがあって初めて、新しい単元を理解することができる。それは言い換えれば、前の単元でのつまずきが、あとあとまで響いてくるということでもあります。わからない単元を持ち越したまま新年度を迎えたら、進級して早々、学習につまずいてしまうかもしれません。そこで今回は、これまでのポイントを振り返りつつ、3学期を有意義に過ごし、子どもの成績アップにつなげるためのヒントを探っていきたいと思います。朝学習×短時間型=効果的な学習法思い込みや経験則を離れ、データに基づいた科学的な知見を重視する「エビデンス・ベースド」の考え方――本連載では、そんな「エビデンス・ベースド」の視点に立ち、算数のニガテが生まれる原因から効果的な学習法まで、データが示すさまざまな事実を見てきました。3学期になると、学校や塾では子どもに「総復習」をさせます。でもじつは、「総復習」は効率が悪く、おすすめできない方法。第6回連載でお話ししたように、この時期本当に取り組むべきは、算数の理解を支える「2~3桁の位の理解」「図形の組み立て、立体の基礎」「目盛りの読み方」「円と直径・半径の理解」の4つの土台の見直しです。そして、新年度までの限られた時間で効果的に見直しを行なうには、効率よく学習することが欠かせません。第4回、第7回の連載でも触れましたが、効率的な学習の鍵を握るキーワードは、「朝学習」と「短時間型」。朝の10分は、夜の20分にも相当します。集中力が切れにくい朝に、毎日少しずつ復習を進められたら理想的ですね。子どもの「苦手」より「得意」に目を向けてここからは、おうちの方が子どもにできること、そして理想的なおうちの方の「あり方」についてお話ししたいと思います。RISUでの教育事業を通して多くのご家庭と接するなかで、私は日々、「最近の親御さんには本当に熱心な方が多い」と感じています。しかし、なかにはその熱心さが逆効果になってしまっているケースもありました。ひとつめのケースが、「苦手つぶし」です。子どもの苦手を見つけると、それをつぶそうと必死になるおうちの方は多いもの。しかし多くの場合、おうちの方が必死になるほど子どもの成績は下がっていきます。たとえば先日、あるおうちの方から、こんなメールが届きました。「時計の範囲はやっと100点がとれましたが、時間がかかりすぎました。もっと復習を頻繁に出していただきたいです。」教育熱心な方ほど、成功のなかにもマイナス面を探し出してしまうようです。苦手な範囲で100点をとれたのに、きっとこの子はほめられてはいないでしょう。これでは、子どものモチベーションは下がる一方です。「時間はかかったけど、100点をとれたね。やったね!」こんなふうに、「できた」部分をほめてあげることが大切です。子どものために親ができる最大のことは、モチベーションをアップさせること。子どもの「得意」に注目して、自信をもたせることのほうが、「苦手」に注目するよりもずっと効果的なのです。教えるべきは、「解き方」ではなく「考え方」もうひとつ、熱心なおうちの方が陥りがちなケースがあります。それは、「教える」のではなく「自分で解いてしまう」というもの。私たちはよく、ショッピングモールなどで教材の紹介イベントをしています。そこでときどき目にするのが、子どもの代わりに自分が問題を解いてしまうおうちの方です。子どもが問題を解こうと一生懸命考えていますが、なかなか手が動きません。すると、30秒もした頃、おうちの方が後ろから問題をのぞき込み、パパッと解いてしまう。そして、「ほら、こうやって解くのよ」と言うのです。このように、自分自身で解答を出して、それを示すことが「教えること」だと勘違いしているおうちの方は少なくないよううです。しかしこのやり方は、子どもが試行錯誤し、自分で考えるチャンスを取り上げてしまっています。子どもの目の前で解いてみせるのでは、教えたことにはなりません。もし教え方に悩んだ際は、お子さまに合った学習教材や専門家の力を頼っていただければと思います。周りの大人にできることは、ほんのわずかここまで読んでくださったおうちの方は、きっと「子どもの能力を伸ばしたい」「子どもの学力を底上げしたい」など、お子さんのことを本当によく考えていらっしゃる方のはず。子どものためを思うからこそ、つい気になってあれこれ手を焼いてしまう気持ちはよくわかります。でも、ここでひとつ、忘れてはいけないことがあります。それは、「周りの大人にできることはほんのわずか」だということ。これまで見てきたように、おうちの方の熱心さが間違ったほうに向くと、逆に子どものモチベーションを下げてしまうケースもあるのです。だからこそ、おうちの方には、子どもが伸び伸びと興味をもって勉強に取り組めるよう、全力のサポートに回ってほしいと考えています。また、本連載で紹介してきた「科学的に正しい学習」は、正しいからといって子どもに押しつけるものでも、それができない子どもを責めるためのものでもありません。それらはあくまで、子どもとおうちの方の選択肢のひとつです。3学期が本格的にスタートする前に、まずは子どもとよく話し合って、子どもが「おもしろそう!」「やってみたい!」と、興味をもって取り組めるものを選んでみてください。おうちの方は、その習慣が無理なく続くよう、応援とアシストをしてあげましょう。3学期のうちに、自分に合った学習習慣を身につけ、新年度を迎えること。それが、成績アップの一番の近道になるはずです。『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』今木智隆 著/文響社(2019)■ 算数塾「RISU」代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題第4回:「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法
2021年01月19日療育費や教材費、将来どうなる?発達障害の子どもがいる家庭が【気にしているお金】お金の気になることは、家庭によってさまざまです。日々の出来事から将来の心配まで、声をご紹介します。「服だけでなく教材にもこだわりがあります。合うものを探しているとどんどん出費がかさみます」「予定外の出費がたびたびあります。学習障害かも?と思いある検査をしたときは、保険適用外で3万円もしました」「集団の習いごとや塾に通っていても、やんわりと個別のほうが良いのでは、と言われて、高くなっていきます」「将来、うちの子がお金を稼げるようになるのか気になります」「家計のためにも小3になったら仕事復帰の予定でしたが、さまざまな送り迎えがあり、諦めました」無理だと思っていた貯金が実現!「発達障害とお金」の専門家に相談してみた日々忙しいなかで、お金や先々のことを考えるのはなかなか簡単ではありません。そういったときは、専門家に相談することも一つです。LITALICOライフには、発達障害とお金の両方の知識をもった専門家がいます。一緒に会話しながら、ご家庭の望むことや、子どものこれからについて、整理することができます。生活に実際変化がおきた、相談例を紹介します。Upload By LITALICOライフ【ご家庭のお悩み】「お店でお菓子やオモチャを欲しがられると、根負けして買ってしまいます。子どもはわがままになっていく気がするし、貯金もできません。」【整理したこと】相談では、家族がそれぞれどのような生活をしたいかを話しながら、人生に関わるお金を全体的に整理しました。すると、日々の出費を少し抑えることで、高校の教育費に余裕ができることがわかりました。【起きた変化】どうすればお菓子などを買わなくてよくなるか、一緒に考えました。子どもと良い関係をつくっていくことも考え、「節約ゲーム」を始めました。結果、これまでとても無理だと思っていた貯金ができるようになりました。(担当コンサルタント:山田遼平)Upload By LITALICOライフ【ご家庭のお悩み】「子どもが新しい習いごとを始めたいと言っています。でも、療育も含めれば既に2つしています。将来のことを思うと、いろいろな経験をさせてあげたいとも思いますが、きっと疲れてしまうし、お金もかかるので悩んでいます」【整理したこと】相談では、何のために習いごとをさせてあげたいか、といった親の想いから、さまざまな話をしました。それをふまえて、人生でどのようなことにお金を使う可能性があるか、一緒に整理しました。【起きた変化】先々に備えたい気持ちもありつつ、でもやっぱり今できることはしてあげたい、という親の想いが再認識できました。人生の全体を整理することで「習いごとに今使っていい金額」もわかり、前向きな決断ができました。(担当コンサルタント:加藤晋太郎)発達障害のある子とその家族。ライフプランニングではどんなことを整理してる?Upload By LITALICOライフ人生を広く見通して設計することを「ライフプランニング」と言います。発達障害の子どものいるご家庭は、ライフプランニングの際に、どんなことを整理しているのでしょうか。一例をご紹介します。どんな福祉サービス・社会資源を使うか住んでいる地域、家庭の年収、障害の度合いなどによって、利用できる福祉サービスや制度は変わってきます。実際に利用するかどうかも含め、それぞれのご家庭の決断があります。《例》・学校や園の「無償化」は使える?・特別児童扶養手当はもらえる?・障害基礎年金はもらえる?どんな進路を選ぶか住んでいる地域や子どもの特性・志向や、親の方針によって進路が変わってきます。《例》・療育や習いごとにどれくらいお金を使える?・私立受験をするとしないとでは、塾代なども含めてどれくらい変わる?どんな将来に備えるかご家庭によって、気になることはさまざまです。目の前が気になるご家庭もあれば、将来が気になるご家庭もあります。《例》・不登校や、予定外の進路になった場合・子どもが働けるかどうかわからない場合・親なきあとのお金の管理や住まい現実的なお金とあわせて、何を大切にしたいのか整理をしていきます。そうすることで、「ずっと迷っていたけど、やっぱり挑戦しよう」「このままでいいのかな、と悩んでいたこれをキッパリやめよう」と、今の決断の助けになることもあります。その家族にあった「ライフプランニング」のはじめ方がわかる!Upload By LITALICOライフLITALICOライフの保護者さま向け勉強会「発達障害のある子と家族のライフプランニング(全国版)」は、子どもの将来や自身の老後に漠然とした不安がある方や、子どもや家族の将来に必要な備えがどんなものか知りたい方向けの勉強会です。教育費や将来資金など、一般論ではなく、具体的な対策について専門スタッフがお話します。勉強会のあとに希望を出すと、専門スタッフと後日、個別で相談することもできます。【こんな情報がわかる!】・進路や就労、住まいのことなど、発達に特性のある子にあった環境選びや将来への備え・教育資金や保険の考え方LITALICOライフは、お子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために障害分野とファイナンス、その両方の専門家としてライフイベントやライフプランの見直しを相談できるパートナーです。社会資源やサービス・お金の知識といった幅広い内容を身につけることができる勉強会や、専門領域をもつコンサルタントとの個別面談・プランニングを提供しています。ぜひ皆さまにご活用いただきたいと思っています。
2021年01月08日勉強が得意ではないいっちゃんと得意なタケル1歳の頃から絵を描き、歌をつくってきたいっちゃん…。いわゆる「お勉強」はあまり好きではありません。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ対してタケルは小学校では「ハカセ」と呼ばれていたようなタイプ。Upload By 寺島ヒロ小さい頃からなんでも記憶するのが得意で、中高生向けのビジネスプランの大会やゲーム大会でも良い成績を残してきました。テストの結果などでいい成績を残すことは、進学を考えるうえで大変重要。実際、タケルは1年の1/3以上遅刻をしていましたが、テストの点数でカバーして大学の推薦を出してもらえたこともあるのです。体調不良や粗大運動の困難さえも「理屈を勉強して、対処すればなんとかなる!」と力技で乗り切ってきたタケル。そんなタケルにとって、いっちゃんは大変頼りなく、心配な妹のようです。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ睡眠障害がふたりの勉強時間を阻む!しかし…睡眠障害もあるいっちゃん、お兄ちゃんとなかなか時間が合いません。お兄ちゃんも決して暇ではないので、自分のもろもろの用事を済ませてからいっちゃんに声をかけるのですが、そのときにいっちゃんが暇とは限らないわけです。普段のいっちゃんは、すごい集中力で何かつくっているか、寝ているかのどちらか。ちょうどいいタイミングで声をかけるのは大変です。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロそれはともかく...。全速力で走って倒れるような毎日ですが、充実した生活を送るいっちゃんを見ていると「学校の勉強は大事!今やっていることをすぐにやめて、お兄ちゃんと勉強しなさい。」と言いにくいんですよね。絵を描いている時や音楽の打ち込み(最近『GarageBand』を使うようになりました)をしているときには、普段全く人の顔色を見ないお兄ちゃんも話しかけることをためらいます。それほどの集中力なのです。寝ているときにはたまに起こそうと努力していますが…起こそうとして起きるならそもそもこんな苦労はしないのです。どうにもできないなら活かせない?いっちゃんのそんな状況を見て、「そこまで好きなら、例えば絵や音楽を専門にする学校に行けばいいのでは?」と言ってくださる方もいます。しかし、どんな学校であろうと基本的には登校せねばなりません。それに、いわゆる「芸術系の学校」は朝から晩まで絵を描いたり、歌を歌っているイメージがありますが、実際のところは普通教科にプラスして実技があるという感じです。実習などに時間を取られる分、リベラルアーツな科目の時間は凝縮されており、1回休むと大きく点数を削られます。私も芸術系の学校出身なのですが、私の行っていた学校は授業を2回休むとアウト、1年分の単位が出ませんでした。私も睡眠障害があったので、しばしば朝の授業に間に合わず、留年もしています。単位取得の難しさを考えると積極的に勧める気にはなれないというのが正直なところ。では、どうするか…?実のところ、まだこれといった結論は出ていません。ただ、どんなところでもいいから入れそうな高校に在籍し、18歳にこだわって高卒の資格を取得することを目指すのは、なんとなくいっちゃんには合わないような気がします。元々中学校からはみ出しているので、いれものを用意すればそれに合うように収まるということもないでしょう。オンライン授業やリモートワークが急速に普及したこの一年で、「何がなんでも朝起きて登校、出勤すべし!」という圧力を、以前に比べて明らかに感じなくなってきました。来年ではないかもしれませんが、登校をせずに高校で学べる日も遠からずくるかもしれません。そう考えると無理に中学を卒業したらすぐ次の学校へ入れる必要も、もしかしたらないのかも…と思えてきました。のんびり…とは、さすがにいきませんが、社会情勢も見ながら、いっちゃんが納得する道を焦らず探っていけたらと思う今日この頃です。Upload By 寺島ヒロ焦らない焦らない。これも親修行…。
2020年12月31日発達ナビPLUS会員の”うちの活用術”をお届け!「ほっとして泣いてしまいました…」「目から鱗でした!」「2~3回読み返しました!」などの反響を多数いただいている発達ナビPLUSの個別ケース相談。発達ナビPLUSでは、お子さまやご家庭の個別の状況を踏まえて、個々の困りの原因分析と適切な手立てを回答する個別ケース相談に加え、視聴し放題のオンライン勉強会、子育てヒント動画、ダウンロードし放題の特別支援教材といったサービスが毎月自由に使えます。今回は、発達ナビPLUSを利用中の保護者さま2名それぞれの使い方や使ってみての声をご紹介します。※匿名性を担保するため、一部の内容や流れは改変しておりますのであらかじめご了承ください。オンライン勉強会の動画をパートナーにも見せたことで、子どもへの接し方の共通認識にUpload By 発達ナビ編集部● 佐藤さま(仮名)【お子さま】小学2年生/通級利用/放課後等デイサービス利用【発達ナビPLUS入会当初のお悩み】・宿題に一人で取り組めない・やりたくないことがあると癇癪に・物を投げる、妹への暴言、他害も・親のアドバイスを受け入れない-発達ナビPLUSをご利用いただくきっかけは?夏ごろから、学校への行き渋りが出てきて不登校気味になっていました。家にいても、妹にあたったり、部屋を荒らしたりと…特に宿題など勉強を一人でやらず、教えようとすると対処ができないほど暴れていました。放課後等デイサービスは週1回利用しているのですが、あまり頼るところが分からず…それがきっかけでした。-発達ナビPLUSはどのように活用していますか?最初にオンライン勉強会に参加しました。こちらは、顔出しもないので気軽に参加しやすく、事前に質問を送って当日の講義で答えてくれるのも嬉しかったです。心理士の先生の「癇癪、暴言、自傷、他害との付き合い方・接し方」では、この時期、発達に特性がある子が心と体のバランスを取ることの難しさや、課題の具体的な理由分析、いくつかの対応方法まで学べました。特に良かったのは、パートナーにもオンライン勉強会の過去動画で同じ内容をみてもらったことで、子どもへの対応について共通認識を持てたことです。視聴後に接し方のスタンスを話し合い、夫婦でお互いによくなかったこと、これから実施することを決めてチャンレジしています。参加したことで、学習障害の可能性も感じ、個別ケース相談で相談することにしました。自分たちだけでがんばらない!具体的な提案と寄り添った回答に自信を取り戻せました!Upload By 発達ナビ編集部-個別ケース相談の申し込みはどうでしたか?書くことがそこまで得意ではないのですが、相談フォームに質問項目が整理されていることで、状況を整理する良いきっかけになりました。-専門家からの回答はどうでしたか?まず量にびっくりしました(笑)。思ったより細かい内容で、夫婦で2~3回読み返しました。自分たちがしてきたことで子どものためになっていた対応とその理由も具体的に説明いただき、ほっとして泣いてしまいました…ねぎらいの言葉もありがたかったです。なんというか、優しかったですね。思いがけない子どもの特性など新しい気づきもありました。本人も自覚してない感じで、こっちで気づくきっかけがもらえたのは本当によかったです。できないところばかりに目がいきがちですが、得意なところもあることが分かり、今までの方法では学習を無理強いさせていたかもしれないと気づかされました。子どもの認知の特性と理解のしやすさについて、いくつかの仮説とそれぞれの手立てをいただいたので、より合った方法をこの後の1ヶ月試してみたいです。また、放課後等デイサービスや教育機関への相談の仕方、助けてもらえる福祉・教育の範囲を初めて理解したので、今までより見通しがたって気持ちが楽になりました。抱え込まずに頼れる部分は頼っていこうと思っています。-今後はどのように発達ナビPLUSを活用していきますか?今回は学習について個別ケース相談をしましたが、学習面以外でも色々な分野に関して相談できるとわかったので、来月にきょうだい間のトラブルに関して相談したいと思います。頼れる人がいない…近所からの苦情がこないかおびえる日々Upload By 発達ナビ編集部● 新田さま(仮名)【お子さま】年中/診断なし/児童発達支援利用【発達ナビPLUSに入会当初のお悩み】・こだわりが強い・思い通りにならないと癇癪を起こす・幼稚園で暴れることもある・偏食がひどい-発達ナビPLUSをご利用いただくきっかけは?子どものこだわりが強く、思い通りにならないとすぐに癇癪を起こします。登園してすぐにすべり台で遊ばないと気がすまず、やることの順番が変わると大癇癪。また、その日の予定が少しでも変わったときも泣いて大暴れし、園に行けないこともしばしばあります。偏食もひどく、食べられるものが2~3種類しかないため、毎日の食事作りが苦痛でした。児童発達支援の先生には相談できる時間がなく、話せたとしても立ち話で10分程度。あれもこれも聞ける余裕はありません。頼れる人が他にいればよいのですが、パートナーは単身赴任で家におらず、家のことはすべて自分でやらなければならない状況です。最初は必死にサポートしていましたが、最近は疲れ果ててしまい、子どもが激しく泣いても何もせず立ち尽くしてしまいます。ただ子どもの声でいつかご近所から苦情がくるかもしれないと思いますし、やっぱり何とかしなければとは思うのですが、解決の糸口など見つけるすべもなく…憂鬱でたまりませんでした。そんなときに、見つけたのが発達ナビPLUSでした。心理士の方やOT・STといろいろな専門家の先生方に相談できることが決め手でした。もらった仮説から分かった…癇癪の原因は過敏さだったUpload By 発達ナビ編集部-発達ナビPLUSはどのように活用していますか?元々人と話すのが苦手だったので対面だと聞き忘れてしまったり、言われたことをメモできなかったりしていたので、個別ケース相談をすぐに使わせていただきました。-専門家からの回答はどうでしたか?保護者の私へのいたわりの言葉をかけてくださったことに感謝します。いつも「何とかしなければ」で頭がいっぱいだったのですが「頑張りすぎるくらい頑張っている」という一文に、救われました。児童発達支援以外にも、使える福祉支援が複数あることは知りませんでした。さっそく教えていただいた具体的なサービスについて区役所に利用を問い合わせてみます。アドバイスにあった、癇癪の原因の分析のしかたはとても参考になりました。確かに妹の泣き声や小さい子の声で耳を押さえて辛そうにしています。相手が嫌い、の意思表示かなと思っていたので、苦しさまで想像が及びませんでした。いただいた仮説から、冬服になってから服を着るのを嫌がるのも、感覚の過敏さかもしれないと思い、機嫌の悪い日に着ていた服を交換したら拍子抜けするほどすんなり着替えてくれました。でも本人も何が苦しいのか自覚できてなさそうなので、引き続き様子を見て相談させてください。偏食と予定の見通しの付け方についても、いただいた提案を早速試してみたいと思います。子どもの味方でもありつつ「私のサポーター」としての言葉で返してくださるのが嬉しいです。【無料】体験会で、お得なクーポンGET!Upload By 発達ナビ編集部発達ナビPLUSでは、無料のサービス体験会を随時開催しています。個別ケース相談の回答例や、オンライン勉強会の一部を視聴するなど、詳しくサービスについてご理解いただくことができます。チャットでスタッフに質問することもできます!さらに、オンライン体験会にご参加いただいた方には、初期コンテンツ利用料が【 50%OFF 】のクーポンをプレゼント中!イラスト:かなしろにゃんこ。
2020年12月27日子どもが勉強を嫌がるのには理由がある?一緒に目的を整理する勉強を補ってくれる塾ですが、発達障害のある子の場合、自分に合った学習環境・方法を見つけにくいことがあります。まずは何のために塾に通うのか、整理してみるのも一つです。以下は、発達障害の子どもがいるご家庭が塾に通う目的の一例です。・授業に遅れているので、その遅れを取り戻したい・本人に合った勉強方法がわからないので、それを見つけたい・家で集中がなかなかできないので、勉強する習慣を身につけたい・受験の対策をしたい子どもが勉強をしたがらないのは、もしかすると勉強が嫌なだけではないかもしれません。学校で教わった方法がどうしてもしっくりこない、学校ではみんなができているのに自分だけ理解ができず自信を失ってしまった、勉強をする必要がさっぱりわからない、鉛筆の触感が合わない、誘惑が多く集中できない、など嫌だと思う理由があるかもしれません。勉強を嫌がっている場合は、まずは勉強の何が嫌なのか聞いてみても良いかもしれません。20~50名の大人数クラスから、個別指導、家庭教師。どんな学習スタイルが合う?Upload By LITALICOライフ塾によっても学習スタイルはさまざまです。独自の取り組みをしている塾もあるため、あくまでも目安にはなりますが、子どもに合いそうな学習スタイルを考えるときの参考にしてみてください。■集団授業(大人数)1クラス20~50名で、主な目的は受験です。受験合格に必要なペース配分がわかりやすく、周囲と刺激を受け合う・影響を与え合うことができます。■集団授業(小人数)1クラス4~20名で、受験や学校の授業の補習が主な目的です。大人数のクラスに比べると指導に関する個別相談がしやすく、勉強のフォローが手厚いこともあります。■個別指導生徒は1~3人で、個別に対応してくれます。主な目的は受験や学校の授業の補習です。時間割やカリキュラムをオーダーメイドできることもあり、周りのペースを気にすることもありません。合理的配慮は集団に比べれば頼みやすくなりますが、実際の対応は担当スタッフによりさまざまです。■家庭教師主な目的は受験や学校の授業の補習です。家にまで来てくれるため、外出や送迎の必要がありません。合理的配慮を頼みやすく、教師を選べることもあります。■発達支援系発達障害への専門知識を持ったスタッフが対応してくれる可能性が高いです。目的も本人に合った勉強方法を探す、ソーシャルスキルの獲得など、特性への配慮があります。これらはあくまでも一例です。子どもによっても環境や方法には相性があります。実際には、見学や体験をすることで総合的に判断することが大切です。交通手段や週何回通うかも大事さいごに、現実的な交通手段や、週何回行くかといった頻度によっても、塾の選び方は変わります。例えば保護者による送り迎えが必要かどうかです。必要な場合は、保護者もさまざまな予定があるなか、送り迎えの時間を調整する必要があります。保護者の車などで遠くまで通える場合は、立地はそこまで気にしなくても良いかもしれませんが、子どもが一人で徒歩や自転車で通う場合は、家の近くが安心です。定期的に通う場合は、通いやすさも大切です。子どもだけではなく、保護者にとっても無理をしない選択が大切です。監修:髙橋 基(株式会社LITALICOライフライフコンサルタント。元・学習塾の教室長、1000人以上の受験指導経験あり)“うちの子”に合った学習環境の探し方は?ここまで、塾に通う目的や学習スタイルについてご紹介しました。塾だけではなく学校選びについても、現実的な交通手段や相性、教育費などが関わってきます。何を目的に、どんな環境づくりをしていくのか、考えるのは簡単なことではありません。LITALICOライフでは、子どもの特性や保護者の想いに合わせた学校の選び方を、最新の事例をまじえながら勉強会でお伝えしています。勉強会参加後に希望を出すと、後日、個別で相談をすることもできます。家族にとってどのような選択が良いのか、相談経験豊富なスタッフに話しながら一緒に整理していくことができますので、ぜひ勉強会参加後に相談を希望してみてください。私立中学受験の情報や塾選び、いま準備しておきたいことが勉強会でわかる!Upload By LITALICOライフLITALICOライフの保護者さま向け勉強会「中学受験という選択」は、発達障害のある子に合った私立中学やかかる費用について知ることができる勉強会です。進学先が公立中学でいいのか迷っていたり、既に私立受験をすると決めている方にとって、今知りたい情報から将来に繋がる情報まで、ギュっとまとめてお話ししています。【中学受験のこんな情報がわかる!】・中学校の選択肢・私立中学の特長・中学受験のスケジュール・志望校の選び方・塾活用のポイント・私立中学の学費や塾代、ほか受験にかかる費用など一番大切なことは、子どもにとって合う環境を見つけることです。中学受験・塾選びはその一つです。2020年12月現在は「東京版」「神奈川版」となっていますが、全国から参加・相談を希望することができます。【高校受験】が気になる方は…⇒『よくわかる「高校受験」』LITALICOライフは、お子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために障害分野とファイナンス、その両方の専門家としてライフイベントやライフプランの見直しを相談できるパートナーです。社会資源やサービス・お金の知識といった幅広い内容を身につけることができる勉強会や、専門領域をもつコンサルタントとの個別面談・プランニングを提供しています。ぜひ皆さまにご活用いただきたいと思っています。
2020年12月25日子どもを勇気づける「親の失敗体験」出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』他、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。子どもが落ち込んでいるときや失敗したとき、親はなんて声をかけていいのか、戸惑ってしまうこともありますよね。かける言葉が見当たらないこともあるし、励ますつもりだったのに、なぜか怒らせてしまう結果になったり…。こんなときには、まずは子ども自身の話を否定せずに「うん、うん」「そっか、そっか」と、最後まで聴いてあげるのがいいと思いますが、それでも気持ちを引きずってしまう場合などに、親ができる"とっておきの秘策"があるんです。それは、親自身の「失敗体験」を話してあげること!特に繊細な子や、失敗体験が多くなりがちな子などの場合、話のタイミングやその子の受け止め方によっては、親の立派な武勇伝や学歴自慢、成功体験などは、かえってプレッシャーになることもありますが、親の失敗体験やしくじりエピソード、黒歴史、短所や欠点についての話なら、ほぼ「ハズレ無し」で、どんな子も勇気づけ、元気にすることができると思います(うちの経験上!)。それでは、恥ずかしながら”うちの実例”エピソードを、いくつか紹介しますね。出典 : まずは、不器用すぎて失敗が多くなりがちな長男を始め、うちの3人の子ども達になぜか大人気で、もはや定番ネタと化した「クッキーがおもちになった話」から。大学時代、学園祭で私が所属していたサークルは毎年喫茶店を出店していたのですが、そこで手作りクッキーを手分けしてつくり、飲み物と一緒に添えて出すことになりました。私は、お菓子づくりだけはどうしても苦手で、それまで一度も成功した試しがありません。不安しかありませんでしたが、材料も受け取ってしまったし、仲間達に負担をかけるわけにも行かず、仕方なくつくる羽目に…。とはいえ、クッキーはごく一般的な、生地を伸ばして型抜きしてシートに並べて焼くだけの、誰にでもできる"ハズ"の簡単なモノ。もちろん私は、我流のアレンジなどは一切加えずに、レシピに書いてある通りに素直につくったつもりでした。ところが、オーブンレンジを開けて出てきたのは、見事に一枚につながった謎の物体…。どうしてこうなるのか。時間もなく、仕方なしに「ソレ」を四角く切り分けて持っていくと、「な、なんだコレは!」と、ざわつく仲間達。そのうちの勇気ある1人が試食して一言…「うん、おもちだね」。結局、心優しい仲間達が、「クッキーだと思わなければ、意外と美味しいかも?」「モチモチ新食感だね」等と笑いながら食べてくれ、その後も何度か飲み会でネタにされたりもしましたが、今では学生時代のいい思い出です。こんな母の失敗体験を、何かある度に「ねえねえ、あの、おもちの話、して〜!」と子ども達にワクワク顔で迫られ、読み聞かせのように何度も繰り返し話しました。わが子がこんなに喜んでくれるなら、「あの時、失敗して良かった」とすら思えてきます。出典 : 子どものゲーム依存などを心配されるご家庭も多いかと思います。うちは基本的には「やるべきことさえやっていれば、ゲーム時間に制限はつけない(ただし、夜9時就寝!)」というルールです。それでも、特に好きなことに熱中しやすい長男は、オンラインゲームにのめり込み過ぎて心配になることも…。でも、ここで正論のお説教をするよりも、私のしくじりエピソードを話すほうが、ずっと説得力が出るんです。実は私、ちょうど今のうちの子達の年頃に、「パズルゲーム中毒」のようになってしまい、ちょっとヤバかった時期があるんです。私は元々パズルが大好きで、小学生の頃はジグソーパズルやルービックキューブなどに、健全な範囲で夢中になっていたのですが、思春期のころは、ちょうどファミコンブーム全盛期。そして、「上から落ちてくるT字やL字のブロックをキッチリ積んでいって、I字ブロックで一気に全消しする」という、例の元祖パズルゲームに私はどハマリして、もう本当に一日中、ぼーっとブロックを積んでは消し、積んでは消し…と、ひたすら繰り返していました。当時の私は、悶々と悩み続ける事も多く、自分で思考を止められずにしんどかったのですが、パズルゲームに無心で没頭している時間だけは、パズルに必要な部分以外の脳をオフにして、ほっとできたんですね。でも、その結果、ゲームをやめたくてもやめられない状態に…。それで結局、学校の成績が下がったり、ついゲームに手が伸びてしまって受験勉強に集中できなかったりもして、いろんなところに影響が出てしまいました。…こんな私の実体験を子ども達に切々と語ると、結構真剣に耳を傾けてくれるんです。やっぱり、経験者のリアルな話は重みが違いますからね。当然、こんな自分のダメっぷりをわが子の前で晒せば、親としての威厳なんて簡単に地に堕ちてしまいます。でも、だからこそ、子どもと同じ目線で語る言葉のほうが、難しい年頃の子達の心にも、ちゃんと届くんじゃないかな、なんて思います。まあ、長男は「でもさ、もし、かあちゃんがゲームに浪費した時間を勉強とかに全フリしてたら、人生の分岐ルートも違って、オレ達も生まれてなかったかもよ。だから、今、オレ達がいるのはテ◯リスのおかげ」なんて、言ってくれたりも…。出典 : そして、次男が小学校時代、体調を崩して学校に行けない日が続いていた時に、本当に役に立ったのが私自身の不登校の経験でした。私は、小学3年生のころ、1ヶ月ほどですが、同じように体調不良がきっかけで急に学校に行けなくなったことがあります。だからこそ、本人は「本当は学校行きたい」と言うけれども、どうしても身体が思うように動かないときの気持ちがよーく分かるので、かつて私の母がそうしてくれたように、無理に行かせたり、説得を試みたりはしませんでした。そして、家でテレビをぼーっと見ながら過ごす次男との母子2人の時間に、当時のいろんな思い出話をしました。例えば…「あの頃、かあちゃんはさ、学校って人が多くて疲れちゃったんだよね。いつもザワザワしてるしさ〜、休み時間はちっとも休めないしさ〜」…なんて切り出すと、我慢強い次男も、「そうそう、そうなんだよ」なんて、少しずつ本音や溜め込んだ不満を話してくれたりも。それから、「こういうとき、かあちゃんのかあちゃんがね、忙しい仕事の合間に『何か食べたいものある?』って聞きに来てくれたのが嬉しかったんだよね。で、〇次郎は今、何か食べたいものある?」…と、懐かしい思い出と共に希望を聞くと、嬉しそうにリクエストしたり…と、普段は兄や妹になんとなく遠慮している次男も、時折こっそり私に甘えてくれるようにもなりました。そうしている間に、本当にゆっくり、ゆっくりと、次男の体調は回復していきました。Upload By 楽々かあさんまた、春のコロナ休校が終わり、学校が再開された直後に、朝「行きたくない」と長女の登校しぶりが続いたときも、私の過去の「ズル休みの経験」が活きました。長女は悪知恵を働かせて、朝の検温を愛犬の脇の下で計って、「37.5度」という、なかなか”いい数字”を出して、得意そうに体温計を見せてきましたが、実は、体温の偽装に関しては私もプロなのです(良い子はマネしないでね)。「かあちゃんも小学生のとき、ズル休みしたくてさ〜…」と、当時、水銀体温計で、「心配されて病院に連れて行かれるほどの高熱ではなく、かつ、親が一応念の為、休ませておこうと思えるラインの、ちょうどいい数字」を出すにはどうしたらいいか、あんな方法やこんな方法で試行錯誤したことを話すと、ちょっと尊敬(?)の眼差しを送ってくれました。それから、運動が苦手だった私が「マラソン大会がイヤ過ぎて、毎年前日にお腹を出して寝た」だとか、「運動会が消えてなくなるように、台風の進路に全身全霊で念を送った」だとか、ちょっとカッコ悪い思い出話を気前よく披露すると、苦手な行事を前に沈んでいた子ども達を笑顔にすることもできました。どんなにネガティブな気持ちだって、身近な人に分かってもらえたり、「自分だけじゃない」と思えたりすることで、気がラクになることも結構あるのではないでしょうか。親の失敗体験は財産!出典 : こうして見ると、私は自分の失敗体験やしくじりエピソード、黒歴史…あるいは短所や欠点なども「あってよかった」と、財産のように思えてきます。ちょっとくらい失敗したって、間違ったって、寄り道したって、結構なんとかなるものだし、少々できないことや苦手なことがあっても、ちゃんと大人になれますから。「失敗のお手本」が目の前にあれば、子どもだって思い切って失敗できるハズ。そして、不思議なことに、子どもに自分の失敗体験を話してみると、なんだか親のほうも元気になるんです。それは、「親だって、完璧じゃなくてもいい」「子どもの前で、立派な親であり続ける必要はない」…と思えると、少しだけ”いい親”のプレッシャーから解放されて、肩の荷を降ろすことができるから…なのかもしれませんね。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2020年12月18日あり子のワーママ奮闘記
PUKUTY(プクティ)只今育児奮闘中!
たんこんちは ボロボロゆかい