所得控除のひとつである「地震保険料控除」。この記事では年末調整で地震保険料控除を受けるにはどうすればいいのか。控除額の計算方法や必要書類の書き方について解説します。地震保険料控除とは三井住友海上保険料控除証明書の例(2年目以降)三井住友海上旧長期損害保険に係る経過措置地震保険料控除が2007(平成19)年から適用開始されたのと同時に、火災保険や傷害保険など幅広い保険種類が対象となっていた「損害保険料控除」が廃止されました。経過措置として一定の要件を満たす損害保険は地震保険料控除の対象となる損害保険料控除廃止に伴う経過処置として、以下の要件を満たす長期損害保険の保険料については、「旧長期損害保険料」として地震保険料控除の対象となっています。2006年12月31日までに締結した契約(保険(共済)期間の始期が2007年1月1日以後のものは除く)満期返戻金のあるもので保険(共済)期間が10年以上の契約2007年1月1日以後に、その損害保険契約等の変更をしていないもの(*1)*1 旧長期損害保険契約に該当する火災保険に地震保険が付帯されている場合、地震保険料のみの変更はここでの変更とはみなされず、保険料変更後も経過措置の対象となります。地震保険料控除額の計算方法国税庁保険料控除証明書三井住友海上保険料控除申告書における地震保険料控除に関する事項の書き方給与所得者の保険料控除申告書に記載する項目は以下のようなものです。契約している保険会社等の名称保険等の種類(保険の目的)保険期間保険等の契約者の氏名保険等の対象となった家屋に居住または家財を利用している者等の氏名・申告者からみた続柄地震保険料・旧長期損害保険料の区分その年に支払った保険料のうち、選択した区分の金額控除額の計算結果給与所得者の保険料控除申告書(地震保険料控除欄)の記載例国税庁記入のポイント記入の際には次のようなポイントに注意が必要です。保険契約者と保険対象となっている家屋の居住者・家財の利用者との関係保険対象となっている家屋などに住んでいる人、家財を利用している人は、申告者(納税者)本人または本人と生計を一にしている親族でなければなりません。これは地震保険料控除を受けるための要件であり、もし異なれば控除を受けられません。控除額の計算控除額の欄には、保険会社から届く保険料控除証明書に記載の金額をもとに、先述の「地震保険料控除の控除額の計算方法」に従って計算した結果を記入します。地震保険料と旧長期損害保険料の両方がある場合、それぞれ別々に控除額を計算したものを合算して控除額を求めます。その場合の上限は5万円です。地震保険料の控除額の上限は5万円、旧長期損害保険料の控除額の上限は1万5,000円ですが、単純な合計ではない点に注意が必要です。年末調整で地震保険料控除を受ける方法に関するまとめ地震保険料控除は年末調整で控除を受けられます。控除申請に必要な情報は基本的に保険料控除証明書に記載されており、多少の計算は必要ですが、仕組みを理解できていれば難しいものではありません。年末調整で申請し忘れた場合、控除を受けるには確定申告が必要になってしまいます。控除の対象となっている人は申請を忘れないようにしましょう。
2019年10月04日前回 、防災の新常識をクイズ形式で網羅した 『ぼくらの災害サバイバルBOOK』 (主婦の友社)で、災害時の対応を確認した私と小5の息子。意外にも、私が常識と思っていることを息子が知らず、息子が知っていて当たり前のことを私が間違えていたりと、世代ギャップを痛感した結果になりました。そこで、「へー、なるほど!」「今の子どもはこれを知らないんだ…」といった秀逸なクイズをここでご紹介したいと思います。■防災新常識クイズ1:大雨で避難するときにはくくつは?A.雨だからやっぱり長ぐつB.はきなれたスニーカー答えは、B。雨のときは長ぐつ、と思いがちですが、避難するほどの大雨のときはNGだそう。長ぐつはいったん水が入ったら、重くて歩けなくなってしまうからです。はきなれたスニーカー、それも物に引っかからないようにひもなしのほうがベターです。■防災新常識クイズ2:公衆電話の基本的な使い方で正しいのはどっち?A.お金を入れた後に受話器を上げてダイヤルする。B.受話器を上げてからお金を入れてダイヤルする。答えは、B。この問題、なんと高校生の娘もわかりませんでした(驚愕!)。生まれた時から携帯電話が存在する子どもたち世代。災害時には携帯より公衆電話のほうが通じるという知識はあっても、そもそも公衆電話の使い方を知らないというのは盲点でした。また、十円玉と百円玉は使えるけれど、ほかの硬貨や紙幣は使えないこと、おつりが出てくることもあることなども教えておきたいですね。■防災新常識クイズ3:避難所に避難することに。かわいがっていたペットはどうする?A.家族の一員なので連れていく。B.避難所の様子がわからないからエサをあたえておいていく。答えは、A。阪神淡路大震災や東日本大震災のような大規模災害で、避難生活が長期にわたる場合、ペットをどうするかというのは頭を悩ませるところですよね。避難所でほかの人に迷惑をかけるかもしれないと、連れていくことに躊躇(ちゅうちょ)する人もいるでしょう。でも、家にペットを残したまま避難すると、気になってまた家に戻り二次災害にあってしまうリスクもあります。あとから危険な被災地へ戻るよりは、できることなら一緒にペットも避難所へ連れていきましょう。そのためには、あらかじめ近くの避難所でペットの受け入れが可能か調べ、ペットの避難グッズも用意しておくことが肝心です。親子で「なるほど!」と思った防災の新常識クイズを3つご紹介しました。実はこの『ぼくらの災害サバイバルBOOK』は、主婦の友社の読者ネットアンケートクラブを利用して、多くのリアルな声を盛り込んで作られたそう。だからこそ、避難訓練や防災学習では知ることのできない内容が盛り込まれているのだと納得でした。自分や家族の防災知識の“穴”を探るべく、災害サバイバルクイズにぜひとも挑戦してみてください。参考図書: 『ぼくらの災害サバイバルBOOK』 (主婦の友社)たびたび大きな地震が起こる日本列島。地震だけでなく、近年は台風やゲリラ豪雨による河川の反濫やがけ崩れなど、以前に比べて天災による被害が増えているように感じ、「わが家の地域にも…」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。不安なのは、子どもだって同じ! 本書は大地震、台風や雷・土砂崩れなどの水害に関し、子ども向けに、ビジュアルを使ったクイズ形式で「災害時にすべきこと」をわかりやすく解説。怖いながらも「自分の身を守りたい」「ぼくが家族を救いたい! 」と思う子どもたちの気持ちに寄り添い、「サバイバル」をキーワードに、有事に役立つ知識・知恵を楽しみながらつけていきます。
2019年04月30日地震に津波、大雨と、毎年のように災害に襲われる日本。だからこそ、日頃から万が一に備え、各家庭で準備をしていると思います。学校や園でも、災害時にはどう行動するか、ふだんから何に気を付けるかなどを、訓練や授業を通して学ぶ機会が多いので、子どもたちも大人以上に知識があってびっくりすることも。でも、もしもの時には、予想がつかないことが起こるもの。それが、子どもひとりのときだったら…学んだ通りに行動できるでしょうか?…想像するだけでママパパはゾッとしますよね。そこで、被災したときにどう行動すればいいのか、とっさの判断が身についているかどうか、 『ぼくらの災害サバイバルBOOK』 (主婦の友社)で、小5の息子と一緒にシミュレーションしてみました。すると、意外なことが判明したのです…。■いきなり母、反省…知識はあってもやっていないこと国がかかげる防災減災対策で「自助・共助・公助」というのをご存じですか?これは、被災した場合には、自助(自分の身を守る)、共助(家族や周囲の人と助け合う)、公助(国や行政による救助・支援)の3助の連携が大切だとする考え方です。特に、東日本大震災など大規模災害のときには、行政機関自体が被災して機能しない場合もあるので、自助、共助がより重要になるわけです。そこで、自分の身を守るための知識を身に付けるべく、手にしたのは危機管理教育研究所代表の国崎信江さんが監修の『ぼくらの災害サバイバルBOOK』。楽しいイラストやマンガと共に全30問の「被災したとき、どうする?」クイズがあり、飽きっぽい小5長男でも挑戦してくれました。第1問は、「スマホから緊急地震速報が! 正しいのはどっち?」A.地震だ! とさけんで安全な場所へ移動する。B.テレビをつけて情報が本当か確認する。これは、2人ともAとこたえて正解。しかし、実際に自分はどう行動しているかというと…Bでした。長男の視線が痛い…。そうやって、あーだこーだと話し合いながら解答していくと…予想外の結果が出たのです。■ふだんの習慣が地震のときには命取り?息子が間違えた問題で印象的だったのは、「エレベーターの中で地震が! おすのはどのボタン?」でした。A.早く地上に降りたほうがいいので1階のボタンだけをおす。B.全部の階のボタンをおしてしまう。答えはB。エレベーターに閉じ込められる可能性があるので、すぐ降りるために、とりあえず全部の階のボタンをおすのが正解です。止まった階ですぐおりて、階段を使って外に脱出…というのは、大人ならわかるでしょう。でも、子どもはふだん「エレベーターのボタンは、降りる階しかおしちゃダメ!」と何度も言い聞かせられているため、全階のボタンをおすというのは躊躇(ちゅうちょ)があったようです。「地震のときは、エレベーターを使っちゃダメ」というのは知っていても、「乗っているときにグラッときたらどうする?」というところまでは、子どもと話していませんでした。実はこの書籍、主婦の友社の「読者ネットアンケートクラブ」を利用した多くのリアルな“声”も盛り込んでいるのです。■「昔の常識は、今の非常識?」知らなかった防災の新常識そして、大の大人で、子どもたちの命も守らなければいけない私が間違えたのは、「火災が起きたとき避難で正しいのは?」A.けむりに関係なく低い姿勢でにげる。B.けむりが出ないうちにふつうの姿勢でにげる。正解は、B。でも、これは言い訳をさせてください。私が子どもの頃、ウン十年前の避難訓練では、けむりは上にたまるから、なるべく低い姿勢で逃げるように、との指導があったのです。でも、今は少しけむりが見えているくらいなら、転ばないように気を付けつつダッシュで逃げるのが正解だそう。低い姿勢でモタモタしているうちに、黒いけむり(毒ガス)に巻かれてしまうのを防ぐためです。ただし、けむりがすでに充満してしまっていたら、低い姿勢で口をおさえて外に逃げるのが正解だそうです。こんなふうに、避難訓練では教えてくれないことや、今と昔では対処が変更されたこと、昔はなかったスマホやSNSを活用した防災方法などについて、クイズを通して知ることができました。防災に関して、子どもが何を知っていて、何を知らないかだけではなく、自分自身の知識のチェックという意味でも、とても役に立った『ぼくらの災害サバイバルBOOK』。次回は、この書籍の中の数あるクイズの中から、「これ、知ってる?」「なるほど、そうか!」というクイズを厳選してご紹介しましょう。参考図書: 『ぼくらの災害サバイバルBOOK』 (主婦の友社)たびたび大きな地震が起こる日本列島。地震だけでなく、近年は台風やゲリラ豪雨による河川の反濫やがけ崩れなど、以前に比べて天災による被害が増えているように感じ、「わが家の地域にも…」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。不安なのは、子どもだって同じ! 本書は大地震、台風や雷・土砂崩れなどの水害に関し、子ども向けに、ビジュアルを使ったクイズ形式で「災害時にすべきこと」をわかりやすく解説。怖いながらも「自分の身を守りたい」「ぼくが家族を救いたい! 」と思う子どもたちの気持ちに寄り添い、「サバイバル」をキーワードに、有事に役立つ知識・知恵を楽しみながらつけていきます。
2019年04月29日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「震災への備え」です。熊本地震から3年。震災への備えはできていますか?4月14日で熊本地震から丸3年になります。政府の地震調査委員会によると、今後30年以内のM7~7.5規模の地震の発生率は、青森県東方沖・岩手県沖北部で90%以上、宮城県沖が90%、茨城県沖は80%。M7の地震が発生する確率が50%以上の海域には、房総半島沖や相模湾も含まれます。また、南海トラフではM8~9の地震が起きる確率が70~80%といわれています。日本全国北から南まで、大地震が起こる可能性が高いのですが、みなさん備えはできていますか?東京都は、直下型地震が起きた際は、会社にとどまるようにという「帰宅困難者対策条例」を出しています。交通インフラが止まり、多くの人が移動すると混乱が起き、二次災害が起きたり、緊急車両が通れなくなるのを防ぐためです。しかし、東京商工会議所が会員企業を対象に調査したところ、1127社から回答があり、この条例を認知している企業は62.9%、従業員数10~29人の会社では43.9%でした。会社にとどまるからには、全従業員分の3日以上の備蓄が必要になりますが、それを備えている企業は半分にも満たないことがわかりました。東日本大震災時の数から推定すると、約380万~490万人の帰宅困難者が発生するといわれています。現状では、帰宅はできず、会社にとどまっても備蓄がないケースがほとんどになるでしょう。自分の身は自分で守るしかありません。水や非常食、充電器などは通勤時にも常備しておいたほうが安心です。リサーチ会社によると、災害の備えについて、20代の女性の3割は何もしておらず、逆に60代女性では準備をしていないのは1割のみでした。とにかく、自宅には1週間分の食料と飲料水、電気(電池や電源)、トイレの確保が必須です。また、家族や大切な人との連絡手段、落ちあう場所を決めておきましょう。携帯はしばらく繋がらなくなると思っておいたほうがいいです。直接落ちあえる場所を必ず確認しておきましょう。また、自宅からだけではなく、職場からの避難場所も確認しましょう。普段使っている道が使えなくなる可能性もあるので、3つくらいのプランを考えておくことも大事です。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年4月17日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年04月16日地震大国の日本。平成の間には阪神淡路大震災や東日本大震災など大きな地震が発生しました。地震の恐ろしさは、いつどこで発生するか誰にもはっきりとは分からないこと。あなたの家庭では、地震の被害を予防したり、最小限に留めたりするためにどのような対策をとっていますか?今回は、木造耐震設計事業など手掛けるエヌ・シー・エヌが実施した都道府県別「耐震に関する全国意識調査」の結果をご紹介します!■ 耐震意識が高いのは地震の危険性が高い地域この調査では、全国の2,889名に対し「住宅の耐震意識」と「地震への備え」に関する質問をして、都道府県別の回答率をスコア化して、そのスコアを合計した値をもとに「耐震県」ランキングが作成されました。IYO / PIXTA(ピクスタ)調査で聞かれた質問は次の通りです。その結果、スコアが高かった「耐震県」ランキングトップ5は以下のようになりました。1位……神奈川県(4,253点)2位……岩手県(4,186点)3位……兵庫県(4,179点)4位……宮城県(4,125点)5位……青森県(4,092点)1位は神奈川県。最近では大きな地震被害はありませんが、首都圏で地震が発生した場合は大きな被害を受ける可能性があるためか、防災に対する意識が高いようです。haku / PIXTA(ピクスタ)2位は1995年に阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた兵庫県、そしてトップ5に東北3県と6位に福島県が入っています。shiii / PIXTA(ピクスタ)2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方では、まだ大地震の記憶が新しいと思われます。enase / PIXTA(ピクスタ)■ 耐震意識の低い県1位は「広島県」!では、逆に耐震意識の低い都道府県はどこでしょうか?下位の5府県は以下のようになりました。43位……香川県(3,164点)44位……長崎県(3,136点)45位……京都府(3,134点)46位……島根県(3,121点)47位……広島県(2,557点)地域はまちまちですが、最も耐震意識の低い2県はこれまであまり大地震が起きていない中国地方の2県です。たっきー / PIXTA(ピクスタ)上の地図を見ると分かるように、耐震意識の高い県は軒並み太平洋側に面しており、低い県はほぼすべてが日本海側となっています。地震の多い地域と少ない地域でこのようにきっぱり意識が分かれる結果が出ました。cba / PIXTA(ピクスタ)■ 「震度7以上の地震が起きる可能性」が最も高いと思う県は?上記の質問のほかに、地震に対する意識を調査するため「自分の住むエリアで、今後30年以内に震度7以上の地震が起きる可能性があると思うか?」について地震に関すると質問しました。「思う」と答えたのはなんと「徳島県」が最も多く78.0%。nobutti / PIXTA(ピクスタ)次いで「山梨県」(75.0%)、「静岡県」(73.0%)が上位3位となっています。まちゃー / PIXTA(ピクスタ)反対に少なかったのは、「富山県」がダントツ1位で14.0%。次いで沖縄県23.0%、そして長崎県23.8%という結果でした。まちゃー / PIXTA(ピクスタ)富山県は日本でもこれまで地震の影響が最も少なかったと思われる県。しかし、日本ではいつどこで地震があるか分かりませんから、油断は禁物です!■ 地震多発地域では住居の「耐震」に対する意識が高い!次に、「現在の住居は、どの震度まで耐えると思うか」と尋ねました。haku / PIXTA(ピクスタ)「震度7以上」と答えた人が最も多かったのは「福島県」で26.2%、震度6では36.9%、震度5は13.8%で、震度6以上と答えた人が全体の63.1%、震度5以上は76.9%と高率になりました。MediaFOTO / PIXTA(ピクスタ)2位の「宮城県」も震度7が24.2%、6が47.0%、5が12.1%で、震度6以上が71.2%、5以上が83.3%となりました。5位までの県では震度5以上に耐えると思う人が全体の75~80%前後とかなりの高確率になっています。一方、順位の低い県を見ると、ここでもやはり「富山県」で、震度7まで耐えられると答えた人はたったの3.5%!また「わからない」と答えた人が40.4%とかなり多く、耐震住宅に関する意識や興味がかなり低いことが見受けられます。EKAKI / PIXTA(ピクスタ)以上、耐震意識に関する全国調査の結果についてご紹介しましたが、いかがでしたか?家族や資産を守るためにも、普段から防災に関する意識を高くして、いざというときのために備えたいものですね!【参考】※<耐震・地震に関する全国意識調査>耐震意識の高い「耐震県」1位は、47位は広島にーエヌ・シー・エヌ
2019年04月09日いま地震がきたら、保育園にいる子どもはどうする? …働くママにとって地震をはじめ、台風や豪雨などの自然災害は心配の種ですよね。先ごろ発売された 『全災害対応! 子連れ防災BOOK 1223人の被災ママパパと作りました』 は、離れているときに子どもを災害から守るためにどうすればよいかのヒントがいっぱい詰まった1冊。被災パパママの声をもとに作られたリアルな防災本です。災害から子どもの命を守るためには、物を備えるハード面に加えて、災害時の行動のルールを作るソフト面もとても重要だそう。本を手がけたNPO法人ママプラグ代表の冨川万美(とみかわ まみ)さんに詳しい話を聞きました。NPO法人ママプラグクリエイティブな視点で家族の未来を設計する事業型NPO法人。自ら考えて動く「 アクティブ防災 」を提唱し、全国で防災講座を展開するほか、女性のキャリアを豊かにする「キャリア事業」などを中心に活動。企画した書籍に『被災ママ812 人が作った子連れ防災手帖』(つながる.com)、協力した書籍に『被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40』(アベナオミ著)など。 twitter: @active_bousai ■親は子どもを守れない?!子ども一人で対応するスキルとは「子どもは自分が守ろうと思っている」。 YESか、NOか。「この質問は全国の防災講座で、ママたちにいつも聞くんですが、毎回100%手が挙がるんですよ。でも、本当は違っていて、『あなたはお子さんを守れないかもしれません』。そう話すとみなさん、“どういうこと?”という顔をしますが、実際子どもが手の届くくらい近くにいるのなんて1日のうちのほんの数分くらい。同じ部屋にいても地震の揺れがひどければ動けませんし、自分がケガをしてしまうかもしれません。子どもの名前を呼んだら、お母さんに近寄ろうとしてうっかりガラスの上を歩いてケガをしたという子もいました。ただこれは、ガラスの上を裸足で歩くと危険だと知っていれば防げたケガなんですよね。親としては、子どもが自分で自分を守れるように知識を与えて、体で覚えさせることが大切です」子どもと離れ離れになったとき、子どもが一人で対応できるスキルがあれば、生存の可能性も高まります。一例として、頭を両手で抱えてまるまって身を守る「だんごむしのポーズ」は小さな子に教えるのにもおすすめ。ポーズと合わせて、頭をケガすると危ないということも伝えましょう。教えるときは恐怖心を与えないよう遊びの中で一緒に練習するのがよいそうです。このほかにも今すぐ簡単にできるのは、トイレをがまんしないこと。子どもはギリギリまでがまんしがちですが、行けるときに行っておく習慣をつけておくと災害時にも役立ちます。■災害時はトラブルが3倍に!「家族の問題」が顕著に現れる災害時には、心や身体にさまざまな問題が出ることも認識しておきたい点です。DMAT(災害派遣医療チーム)/DPAT(災害派遣精神医療チーム)/日本赤十字医療センターメンタルヘルス科/半蔵門のびすここどもクリニック副委員長の河嶌譲先生は、本の中で次のように語っています。「子どもが、突然の意識消失を引き起こしたり、頭痛や腹痛をうったえたり、手足が動かなくなったりするなど、さまざまな身体症状が現れることがあります。年齢にそぐわない甘え方をしたり、わがままになったり、現実にはないことを言い出したりします。これらはすべて異常な状態に対する正常な反応です。ムリにやめさせようとせず、子どもの言葉に耳をかたむけるようにしてみてください」災害時は誰もが心の余裕がなく、トラブルは平時の3倍程度になると心得ておくとよいのだとか。親は「いきなり性格が変わった」と感じるかもしれませんが、普段からストレスに感じていたことが、大きな災害によるストレスで表面化するだけ。これは災害時に限らず学校のトラブルなどでも起こるので、普段でも子どもに大きな変化があれば「学校で何かあったのかな」など、気づくきっかけにもなります。人間関係のトラブルも同じで、ママ友や夫婦間のぎくしゃくも災害時は増幅するそう。実際に「震災によって家族のきずなが強まった」という家族もいれば、「夫婦仲が悪くなって離婚に至った」という家族もいます。日頃から気になっている人間関係は、解決しておけるとよいですね。■災害時の家族のルールは、より具体的に決めておく避難所は、明かりも消せないし、いつもと違うことばかりで落ち着きません。震災後のストレスで子どもが泣いたり騒いだりすることもあり、子連れファミリーが過ごすには、実はとても過酷な場所。子連れの場合、やはり自宅避難が基本となることが多いと冨川さんは言います。「家屋が倒壊の恐れがあるなど、やむをえない事情で家に帰れないこともあると思いますが、避難所に長く生活するというのは、子連れには難しいと思ったほうがいいですね。被災地の外、たとえば実家などに避難することも考えたほうが気持ちに余裕ができます。罪悪感やセキュリティの不安などから被災地に残る人も多いのですが、非常時はなにかを割り切る必要がありますね。 “パパは仕事や復旧のために残るけれど、子どもとママは○日経ってもライフラインが復旧しなかったら実家に帰る”など、なるべく具体的に決めておくとよいと思います」非常時に冷静な判断をするのは難しいですし、家族の意思や決断のズレは夫婦の溝を深め、ときとして離婚につながることも。災害時の家族のルールを決めることは、家族で防災に関して話し合い、意識を高めるきっかけにもなります。■保育園へ迎えにいけないときはどうする?働くママは、1日のかなりの時間を子どもと離れて過ごしています。自分が会社にいて、子どもは保育園。そんなときに災害が起きたらどうすればよいのでしょうか。東京都では大規模地震が発生したとき、みんなが一斉帰宅をすると緊急車両の通行の妨げ等になることから、災害時は72時間帰らない「一斉帰宅抑制」を推進しています。つまり、帰りたくても帰れない、ということも起こりえます。「パパもママも都心で働いている場合は、ムリをして帰宅しないことも大事。保育園にも3日間は帰ってこられないかもしれないということを話しておく必要がありますね。夫婦どちらが迎えに行きやすいかは話しておいて、どちらも難しいときは誰が迎えにいってくれるのかを考えておく。保育園ママでも職場が近いなどの理由で迎えに行ける人はいるので、やっぱりママ友ネットワークは大事ですね。日頃からLINEグループなどでつながって、“こういうときはお願いします”とお互い協力しあえるように話しておくとよいですね」本にはこのほかにも具体的な家族の防災ルール作りのポイントや医療従事者による災害時のアドバイスなど、知っておきたいのにこれまであまり情報がなかった子連れ防災のノウハウが満載。レジャーの延長線上で防災意識を高める防災ピクニックや防災キャンプのポイントも紹介されています。「ピクニックやアウトドアなどは防災とリンクする知識が多く、キャンプをやっている家庭は災害にも強いですよ。震災のときもキャンプ気分で楽しんで子どもが泣いたりしなかったというファミリーもいます」親子のアウトドアはいい思い出になるし、パパの活躍シーンもいっぱい。ママ友と家族ぐるみで防災を意識したピクニックやキャンプを楽しむのもよそさそうです。「子どもを守るためにパパやママがやっていくべきことは、恐怖におびえながらストイックに防災に取り組むのではなく、“楽しみながら、日常生活の質を底上げすること”」と冨川さん。この本を読むと、防災が「ちょっと面倒くさそうなもの」から「やってみようかな」というものに変わります。 『全災害対応! 子連れ防災BOOK 1223人の被災ママパパと作りました』 NPO法人ママプラグ(祥伝社)1,300円(税別) 「子連れ」に焦点を当て、防災バッグの考え方や必要なグッズはもちろんのこと、防災に強い家族になるために必要な、家族間の連携を図るための方法や遊びながら防災力を身につける方法などを、イラストを交えて楽しく紹介。全災害に対応日本に暮らすすべての子連れ家族に役立ててもらいたい1冊。
2019年04月09日地震や豪雨、台風、大雪など、自然災害が多い日本。災害から子どもの命を守るためにはどうしたらよいか、不安に感じるママも多いのでは? ママ目線のリアルな防災のヒントが見つかるのが、先ごろ発売された 『全災害対応! 子連れ防災BOOK 1223人の被災ママパパと作りました』 。1223人の被災ママパパの声をもとに作られたリアルな防災本です。防災というと、難しいとか面倒だと思いがちですが、実は考え方次第だそう。日常生活のなかで、すでにできていることも意外にあるといいます。本を手がけたNPO法人ママプラグの代表、冨川万美(とみかわまみ)さんにお話を伺いました。NPO法人ママプラグクリエイティブな視点で家族の未来を設計する事業型NPO法人。自ら考えて動く「 アクティブ防災 」を提唱し、全国で防災講座を展開するほか、女性のキャリアを豊かにする「キャリア事業」などを中心に活動。企画した書籍に『被災ママ812 人が作った子連れ防災手帖』(つながる.com)、協力した書籍に『被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40』(アベナオミ著)など。 twitter: @active_bousai ■そのとき、どうした? 被災ママパパのリアルすぎる声冨川さんをはじめとする現NPO法人ママプラグのメンバーは、東日本大震災のあと、どうにかして被災地の母子の力になれないかと考え、前身となる「つながる.com」というプロジェクトを始動。被災地のママや子どもを対象に帆布に色付けするワークショップを開催。それをトートバッグに仕上げて販売し、利益を支援物資に変えて配布していました。「震災から約半年後に開催した初回のワークショップで、関東にお子さんと避難していたあるお母さんが、“子どもにはずっと大丈夫だといってきたけど、本当はすごく怖かった”と、泣きながら話していたことは今も忘れられません。その後もたくさんのお母さんに話を聞きましたが、 “大丈夫” なんていう人は誰もいなくて。やっぱり、ああすればよかった、こうすればよかったという後悔の声がとても多かったんですね。それで具体的にどうすればよいかを聞くと、日頃の備えが身を助けるということを、いろいろな人が口々にいうので、ママ目線の防災を伝えていきたいと思い、本にまとめました」2012年には 『被災ママ812人が作った子連れ防災手帖』 を発売して話題に。さらに昨今の台風や大雪、土砂災害の多さに危機感を抱き、全災害に対応する 『全災害対応! 子連れ防災BOOK 1223人の被災ママパパと作りました』 を今年3月に発売しました。本に掲載されている体験談は、どれもとてもリアルです。「家も夫の仕事もすべて失って、避難所を転々とする毎日。未来がまったく描けずにいた。とにかく苦しかった」(25歳女性・息子2歳/東日本大震災)「避難所に出向くと、物資は届いていたが、アレルギーのある子どもの食べ物はなかった」(22歳女性・娘2歳/大雪)「最初の地震がきたとき、息子は入浴中で、息子はお風呂の水を飲み大パニックに。避難するより前に、子どもを落ち着かせるのが大変だった」(38歳男性・息子8歳/熊本地震)「真夜中にベッドから振り落とされ、何が起きたかわからなかった。子どもが自分の部屋で泣き叫んでいたが、ものすごい揺れに、すぐに駆けつけることができなかった」(31歳女性・娘8歳/北海道胆振東部地震)親子の年齢が書いてあるので、自分に近い人の体験談を見ると、「自分だったら、こんなときどうするだろう?」と自分事として考えさせられます。■カンパンや缶詰だけじゃない!子どもの「好物」を非常食に取り入れよう防災というと「非常用持ち出し袋」の準備から、と思うママもいると思いますが、小さな子どもがいる家庭は、まずは自宅避難が基本だそう。「多くの災害では、電気・水道・ガスのライフラインが止まるので、どうやってなるべく苦労しなくて過ごせるかを考えるとよいと思います」備えるべきは暮らしの衣食住。なかでも食べ物は家族の健康に直結します。「非常食というと缶詰やレトルトをイメージしがちですが、実際の体験からすると3日間くらいは家にあるものを食べて過ごすことが多いので、冷蔵庫の中身が結構大切ですね。生鮮食品があれば、それは立派な非常食。野菜などは一気にカットして、カセットコンロでカレーや雑炊を作っておけば、数日はもちます。また、切り干し大根やわかめなどの乾物やジャガイモやニンジンといった根菜類など、日持ちがする食材も非常食といえますね。まずはそういうものを切らさないように心がけるだけでも大きな第一歩。防災講座でこの話をすると、すでに結構できていることがあるとわかって、肩の荷が下りたといってくださるお母さんも多いです」ママとしては子どもの好きな食べ物や苦手な食べ物を意識しておくことも大事だといいます。「ある被災ママに“うちの子、カンパン食べなかったよ”っていわれて、ハッとしたんです。そういえば、私も我が子にカンパンを味見させたことはありませんでした。その子はおじいちゃんがよく飲むゼリー飲料が好きで、家にたくさんあったのでそれが非常食がわりになったそうですが、非常食=カンパンじゃなくていいというのは、目からウロコでした。“何をそろえないといけないんだろう”じゃなくて、“何がなくならないほういいんだろう”と考えてみるとよいと思いますよ。子どもがパスタ好きなら、パスタを食べたら買い物で補充することをルーティンにするなど、無理せずできることから始めることをおすすめします」■防災バッグは「ママバッグ」「旅行バッグ」を流用そして余裕のあるときにやっておきたいのが防災バッグの準備。一から用意しようと思うと面倒ですが、赤ちゃんがいるならいつも使っている「ママバッグ」がそのまま非常用持ち出し袋として使えます。また、子連れなら「旅行バッグ」の延長で考えると案外簡単に準備できるといいます。【赤ちゃんがいる場合】まずは、ママバッグの中身をチェックし、非常に必要なアイテムを追加しましょう。▼ママバッグの中身を確認□おむつポーチ□授乳用ケープ□着替えセット□スタイ、タオル、ガーゼ□ウエットティッシュ□ビニール袋□母子手帳と健康保険証□ブランケット上記のようないつものセットに、非常用のプラスαでミルクセットを入れる場合は、清潔な状態で哺乳できるように心がけましょう。母乳・ミルク・混合、いずれの場合も、いつも通りの哺乳ができるのが一番です。清潔に哺乳できる備えをしておきましょう。また、着替えや飲み物・離乳食・おむつやウエットティッシュも多めに入れておきたいアイテムです。【小さなお子さんがいる場合】旅行バッグには以下のようなものをプラスすれば、非常用持ち出し袋になります。▼旅行バッグにプラスαするアイテム□タオル□ヘッドライト□クッキーなどの食料□スリッパ□敷マット□水□携帯用トイレ□雨具□ポリ袋□トランプやおもちゃ□小さくたためるダウンジャケット□冷却ジェル□使い捨てカイロ など用意した旅行バッグはそのまま、おでかけや旅行に使ってください。そうすれば旅行前の準備の手間が省けますし、中身を見直すいい機会にもなります。旅行やアウトドアは防災とリンクするので、なにか便利そうなものがあれば入れておいて、実際に旅行で使ってみてもいいですね。携帯トイレは渋滞時にも役立ちます。本にはこのほかにも、大勢の被災ママパパのリアルな体験談やすぐに取り入れられる防災のヒントが満載。「しなきゃいけない」という難しいことではなく、無理せずできることがほとんどなので、肩の力を抜いて気楽に読めるし、取り組めます。「防災のモチベーションを継続させるには、難しいことをしないことが大事。ちょっと高くてもテンションが上がるおいしいレトルト食品を買うとか、インテリアにもなるかわいいライトを探すとか、食べたいものやほしいものを楽しみながら備えていくとよいと思います」日常生活で無理なく習慣にできることから始めるのが、防災の第一歩。まずは今日の買い物のときに、子どもが好きな食品を買い足しておくことから始めてみてはいかがですか。 『全災害対応! 子連れ防災BOOK 1223人の被災ママパパと作りました』 NPO法人ママプラグ(祥伝社)1,300円(税別) 「子連れ」に焦点を当て、防災バッグの考え方や必要なグッズはもちろんのこと、防災に強い家族になるために必要な、家族間の連携を図るための方法や遊びながら防災力を身につける方法などを、イラストを交えて楽しく紹介。全災害に対応日本に暮らすすべての子連れ家族に役立ててもらいたい1冊。
2019年04月05日いつ起こるかわからない災害。避難しなくてはいけない状況になったとき、子どもとペットを守ることはできるのか、不安に思っている人も多いと思います。しつけることが難しく、対策もしなくてはいけない猫は特に大変。そこで出版されたのが『猫と一緒に生き残る 防災BOOK』(日東書院)。この本の監修も手がけた、NPO法人アナイスの代表、平井潤子さんに、子どもと犬や猫を守るため、パパとママが準備しておかなければいけないこと を、たっぷりと伺いました。【概要】1)モノよりも大事なのは「想像力」2)必要なのは「飼い主力」と「防災力」3)ペット防災「準備しておきたいもの」4)猫を飼っている人は、さらに対策を5)ペットと一緒に「逃げてもいい」6)さあ「アクションカード」を作ろう7)猫1匹、子ども1人のわが家の場合平井潤子さん日本におけるペット防災の第一人者。明日の動物の防災を考える市民ネットワーク「NPO法人ANICE(アナイス)」代表として、2002年より活動。「いっしょに逃げてもいいのかな?」展を開催するほか、緊急災害時に飼い主と動物が同行避難し、人と動物がともに調和して避難生活を送れるよう、知識と情報の提供を行っている。公益社団法人東京都獣医師会事務局長、日本獣医生命科学大学 応用生命科学専攻博士後期課程修了。 ■モノよりも大事なのは「想像力」「モノよりも大事なのは想像力」、これは本著の最初に書かれている言葉です。防災というと、避難グッズを揃えることばかりに考えが行きがちですが、災害発生時に外出していたら、家にどれだけグッズを揃えていてもすぐには役立たないし、いざというときにそれほど多くのものは持ち出せず、子どもとペットを抱えて飛び出すだけで精一杯になりそうです。「自宅はマンションなのか一戸建てなのか、家族構成、昼に発生するか夜に発生するか、そのときペットと一緒にいるのかなどによって、避難のスタイルは変わってきます。自分の住環境やライフスタイルに合わせて、まずは想像をしてみることが大切です。お子さんがまだ小さくて比較的一緒にいられるなら、自分がお子さんと一緒に安全に避難するにはどうしたらよいのか、そしてそこにペットのことをプラスして考える。小さなお子さんを連れているだけでハードルは高くなるはずなので、そのためにものの準備をしたり、普段から工夫をしたり、身軽に動ける人以上に考えなくてはいけないです。お子さんが話のわかる年齢であれば、普段から『お母さんが側にいなくても、揺れたらこうしましょう』と話したり、訓練しておく。日にちを決めて避難訓練をする 《シェイクアウト》 なども開催されているので、参加してみるのもよいと思います」実際に災害に遭ったことがないと、なかなかイメージしづらいのですが、「あらゆるケース」を想定することが備えにつながるのだそう。「東日本大震災のときは、発生したのが14時過ぎでした。災害発生時には下校させない対策をとられている学校もありますが、下校時刻を過ぎていた場合、高層マンションに暮らす子どもたちは、学校から帰ってきてエレベーターが使えない、という状況も想定できます。そこで自宅フロアまで階段で登らせるのか、それとも管理人さんがとりあえず安全な場所に避難させてまとめておくか、ということも検討しておかないといけない。全体の対策をどう立てていくかを考えることが大事で、切り分けて考えて万全だと思っていても、同時進行できないと思うんですよね。お子さんは何人か、抱っこしなきゃいけないのかなどを考えつつ、ペットを同行するにはどうしたらいいか、さらには子どもとお母さんが緊急避難しなきゃいけない場合に、家に動物たちを残しても安全な備えがどれだけできているか、そういう風に考えてみましょう。『何日か分のものを備蓄しておく』ということは、あとから出てくるハウツーの話で、まずは自分がどういう行動をするか、自宅避難という方法も選べるのか、動物たちのためのペット用シェルターを家の中に準備できるかなど、そういったことを考えて対策することが大切です」「これから南海トラフ地震や首都直下地震が起こると想定されていますが、支援側が機能しない可能性が高いです。だから環境省も防災対策のガイドラインの中で、“飼い主力と防災力を高める”ことに重点を置いていると思います。まずは個人、家族単位でオーダーメイドの防災対策を作る。その上で、共助(近隣住民同士の協力)や地域の協力に発展させていくのがよいと思います」■必要なのは「飼い主力」と「防災力」災害時に心得ておきたいのは、「人命が最優先」であるということ。飼い主が助からないとペットが生き残ったとしても、その後に面倒を見てくれる人がいるかどうかわかりません。ペット防災と人の防災を切り離して考えないで、と平井さん。「環境省の講演では、“飼い主力と防災力の両方を高めて”と伝えています。まずは人が安全に、ということを目指して防災力を高めていけば、そこにペットの防災がついてきます。防災力を高めたところに飼い主力をつけて、避難の方法やグッズも考えていくとよいでしょう」避難といっても「在宅避難」「人は避難所、ペットは家」「人もペットも避難所」「人もペットも車中泊」「人もペットもテント」「ペットをあずける」…とさまざまな形があります。「基本的な考えとして“人命優先”であれば、自分と子どもが避難するのにペットを同行避難させるのが“危険”だと思ったら、犬や猫たちを家に残しても生き残ってくれるような環境を整備しておく。生存空間を確保、例えば猫ならば、逃げ込めるようなシェルターのようなものを用意するなど、飼い主がやれることはありますよね」散歩もいらないし飼いやすいというイメージもあり、飼う人が増えている猫こそ、いざというときの飼い主力が問われるのだとか。「多頭飼育の人も多いですが、そういう人は避難せずに済む方法も考えたほうがいいです。災害時の状況の把握と判断の難しさはありますが、お子さんがいらっしゃると、支援情報や物資を手に入れやすいのは避難所になってくるので、避難所にいる方が多いですし、在宅避難をしていても避難所には通うことになります。発災後、こういう生活になるというのを想像して準備することが必要ですね」■ペット防災「準備しておきたいもの」では具体的に、どういうものを準備しておかなければいけないのか、備えるための考え方を教えていただきました。「この時点では一体何が必要なのか、そのタイミングを踏まえて準備しましょう。重たいリュックの中に缶詰や水、カンパンを入れておいても、よくよく考えてみれば家の中にさえ入れれば、いろいろな食べものってありますよね。持ち出し品の内容を一生懸命考えるよりは、自宅にどれだけ備蓄してあるか、それが災害時にもちゃんと取り出せるようになっているかが大事。重たいリュックではなく、まずは身を守ってすぐに避難できる準備をすること、その方が現実的ですよね」災害時に持ち出し率が最も高いのは、現金を含む貴重品と、携帯電話なのだそう。「よほど大きな災害でない限り、避難所には充電設備ができます。携帯電話には薬の情報や家族の写真など、必要な情報を入れておきましょう。ただ、連絡手段として使うのは落ち着いてからでないと難しいので、モジュラージャックを差し込むだけで使え、電源が要らない固定電話を自宅に用意しておくと、より安心です。療法食や薬など、これがないと直ちにペットの健康状態や命に関わるものは、必ず用意しておくこと。薬は獣医さんに相談して処方いただき、常にストックを確保しておくようにします。療法食は、現在食べているものが手に入らない可能性があるので、ほかのメーカーのもので食べれるものを把握しておくことも大切です。飼っている動物種によって、用意しておく優先度は違ってきますね。動物は環境が変わっただけでも食べなかったりするので、日頃から好きなフードも入れておくのを忘れずに。猫の場合は、ケージは持っておいた方がいいですね。在宅避難できるなら、飼育用品をローリングストックしておけばいいと思いますが、避難所に行くのであればケージがないと。トイレや水を入れられないキャリーバッグで、とりあえずの1、2日を避難所で過ごすのはとても大変です。その後の預け先を心積もりしておくことは、犬でも猫でも必要です」「そして意外になくて困るのは、犬のうんち袋。ビニール袋をストックしていない人が多く、避難所ではなかなか手に入らないんです。フードの臭いも苦情になることがあるので配慮が必要です。それは赤ちゃんのおむつについても同じなのですが、ゴミを人通りのないところに片付けたり、消臭スプレーを使ったり、コロコロを使って体についた動物の毛を取ったり。それを見ただけで、飼っていない人も『ああ気をつかっているんだな』とわかることが大事だと思います。家族が亡くなったり、財産を失ったりと、みんながピリピリしている環境では、ちょっとしたことが火種となりすぐにトラブルになってしまう。いつも以上に周りへの配慮が必要となります」「何が優先なのかを考えると、必要なものも見えてくるし、その中でどういう行動をとるべきかをお母さんなりに考える。例えば東日本大震災のときには、赤ちゃんの液体ミルクは日本では使えなかったのですが、今は使えるようになっています。そういう情報には日頃から興味を持って、常に調べておくことも大切ですね」 ■猫を飼っている人は、さらに対策を犬と比較すると、猫のほうが「パニック時に速やかに確保して避難する」ことが難しい、と平井さん。「その上、隙間に入り込んだらどこにいるかわからない。キャリーバッグに入れて避難できたとしても、トイレやごはんはキャリーバッグの中だけで完結しないので、課題はいろいろあります。犬ならケージがなくても係留しておく、リードがなくてもひもやロープを使うということができますが、猫はそういったソフト面でのカバーが難しいんです。だからいざというときに逃げ込める場所を作ったり、次の預け場所を考えたり、ハードの方で工夫しなくてはいけない。例えば、生のエサを食べる爬虫類は、支援物資にフードは入ってこないのでもっと大変なんです。自分が飼っている動物が、災害が起こったときにどうなるか、飼い主がそれぞれ具体的にイメージしないと、対策はできないと思います」また災害時、ペットを飼う人にとって心配なのは犬や猫たちが迷子になってしまうこと。特に猫はなかなか見つけるのが難しいそう。「猫は一回逃げると大変で、避難先での場合はさらに難しい。対策として、首輪や迷子札、マイクロチップなどもありますが、それもペットたちが見つからないと読み込むことができません。 『ドコノコ』 などのアプリを使うのもおすすめです。『ドコノコ』は居住エリアの避難所を登録することができ、迷子になったときにはすぐにポスターを作ることができたり、登録済みのユーザーに迷子情報がいって、目撃情報を共有できるもの。災害時にも、共助で迷子対策ができてすごくいいなと思います」■ペットと一緒に「逃げてもいい」長年、被災地に赴き、ペットを飼う被災者たちの話を聞いてきたという平井さん。最近の「ペット防災」に変化を感じているそう。「一番大きな変化は考え方です。ペットを飼っている人は、元気で健康な人ばかりではなく、高齢者や障害者、妊婦もいます。動物たちが受け入れられないからといって放したりすると、群れたり、壊れた家の中に入って排泄をしたりします。地域の衛生環境や財産を守ったり、事故を防ぐ意味でも、ペットは飼い主が管理できるようにしておかなければいけない。動物愛護だけではなく、被災地での混乱をなくすためにも、動物たちを受け入れる対策、避難できる対策が必要、という考え方になってきていますね。飼い主はペットを守る責任もありますが、その子たちが社会に迷惑をかけないように備えるという社会に対する責任もあります。だから、当然飼い主たちも備えなきゃいけないし、行政側も『ペットと一緒に避難できる体制の整備が必要だ』というのが、環境省の取り組みです。人の安全を確保するために、ペットに対する考え方が変わってきていると思います」LEONIMAL(リオニマル)が展開する 『一緒に逃げてもいいのかな?』 プロジェクトより。LEONIMALでは、平井さんが監修したというケージにもなる キャリーバック も販売。避難所にペットと一緒に入れたとしても、飼い主力が問われるといいます。「例えば、西日本豪雨のときは40度近い猛暑のなか、ペットと一緒に屋外にいた方がいたんです。そのままだと健康上危険なので、ブルーシートを買ってきて避難所の教室の床だけでなく脇の壁にまで立ち上げて貼って、『これなら室内の汚損は防げますよね』と見せたら中に入れてもらえた、というケースがあるんです。単に『教室にペットを入れたい』と希望を言うだけだと『汚れるからダメ』となり、交渉するのが難しくなるけれど、飼い主さん同士で協力して “マナーを守ることを示す” と “理解” につながるんですよね。ブルーシートやビニール紐などを避難グッズとして用意しておき、飼い主さん同士が協力して飼育スペースを作り、避難所側に交渉するのが現実的です。『やってほしい』と言っても向こうもパニックで、そこまで丁寧に対応できない状況です。まずは飼い主たちが自主的に提案すること。それがきちんとしていることだったら、やってもらった方が助かるというのが、実際のところだと思います」■さあ「アクションカード」を作ろう被災時は誰もが頭が真っ白になるもの。「慌てないように「アクションカード」を作り、家族それぞれが持っておくとよい」と話す平井さん。「まず、ガスの元栓を締めて、電気のブレーカーを落として、ペットの水とフードを山ほど置いておいて、とりあえず子どもと避難しましょう、と単純なことなのですが “その行動だけをする” ということを書いておく。特に規模の大きな災害のときには、書いておかないと本当に何もできなくなります。ご自宅で家族と一緒に作って、視覚的に見せるとわかりやすいです。お子さんと一緒に話すだけでも意識が変わりますよね。例えば、自宅や旦那さんの携帯電話、会社の電話番号なども、いざとなると言えなくなるので、自分のライフスタイルに合わせてアクションカードに記しておく。連絡の取り方やどこに集まるのかということも決めておいたほうがよいです。平井さんが作る『ペット防災BOOK ~大切な家族のために今できること~』(発行:公共社団法人東京都獣医師会 1,000円 税込)には、アクションカードの作り方も。避難所を決めておけばいいと思いがちなのですが、東日本大震災のときには、同じ避難所にいたお母さんと子どもが会えたのは翌日だったというくらい大混乱していたので、『避難所のこのあたり』と、より具体的な場所を決めておきましょう。『移動する場合は、その旨を記した張り紙を貼る』というルールを決めておくだけでも、再会の可能性はすごく上がるんです。また、自分の住んでいる地域以外にいる親戚を『緊急連絡先』に決めておいて、そこにみんなが安否を知らせる方が、災害伝言ダイヤルよりもわかりやすい。細かく作る必要はなく、まず生き延びて、連絡が取れて、安否が確認できることを、目標に決めればよいと思います」■猫1匹、子ども1人のわが家の場合筆者も本書に沿って、シミュレーションをしてみました。横浜市在住の私は、フリーランス。自宅作業がほとんどですが、ときどき都内や遠方に取材に行くことがあります。夫は都内勤務。子どもは4歳で徒歩圏内にある保育園通い。やや太めの猫1匹と暮らしています。一戸建てに暮らし、水や軍手、懐中電灯、缶詰といった最低限の非常用グッズは用意しています。もし在宅避難する場合。今まで準備していなかった必要なことを書き出してみました。・猫に迷子札とマイクロチップをつける・食器棚に扉をつける・避難グッズの一部を車にも用意しておく家族の食事や猫用フードはストックがあり、カセットコンロもあるため、家が大丈夫であれば、電気やガス、水道などのライフラインが止まってしまったとしても、なんとか過ごせそうです。同行避難する場合。猫をつかまえて避難準備をしますが、一人では猫を抱えて歩くことが難しいので、今あるキャリーでどう運ぶのか、またはほかのものを用意するのか、考え直すことが必要そうです。・猫のための非常用持ち出しグッズを準備する・猫用のケージを購入する・キャリーに慣れさせる・人に慣れさせる・簡易テントの購入を検討する・猫の預け先を考える夜間に発生したときは、家族が揃っているので協力し合えますが、一番心配なのは、昼間の外出時。見守りカメラや、シェルターになるスペースを作っておくことを検討したいと思います。また、以下のことを書いたアクションカードを作り、夫婦で共有しました。・私の携帯番号・夫の会社の連絡先と携帯番号・子どもの保育園の連絡先・近くに暮らす義父母の固定電話の番号・遠くに暮らす両親の固定電話の番号・避難場所の詳細(どの場所で待ち合わせるか)・避難時にすることアプリの『ドコノコ』をこれを機にダウンロードし、愛猫の写真や情報と避難所を登録しました。猫に負担を掛けないように、猫の体重と同じ重さにしたペットボトルを入れたキャリーを持って、実際の避難ルートを一度歩いてみて、さらに必要なものやことについて、家族で話し合ってみたいと思います。子どもとペットを持つ筆者は、特にしっかりとした準備や周りへの配慮などが必要だと思いました。被災時だけでなく、避難所に行くことになったとしても、いろいろと対応しなければいけないことがほかにもありそうです。■“助けてもらえないマイノリティだ” という考えは捨てる最後に、ペットと暮らす子育てママ・パパたちに伝えたいことを平井さんに伺いました。「災害が起こったあと、地域をもとに戻す復興力は、支援の人だけによるものではなく、自分たちも動いていくことなんですよね。ちゃんと自分たちで街を復興していこうという『自立支援』に持っていくことが、災害対策ではすごく大事なポイントだと思っています。だから動物と暮らす飼い主さんは、“助けてもらえないマイノリティだ”という考え方は捨てて、“自分がサバイバルしていく”という気持ちになってもらいたい。公助(行政の支援)がなかなか届かなかったとしても、飼い主同士、親同士が協力し、なんとか乗り越えていけるような力を、飼い主としても、親としても持ってほしいです。それには、公助が来るまで、個人や家族、地域単位で助け合ってしのいでいくことも必要です。動物ならペット仲間、お子さんがいる方なら親御さん同士のネットワークを作っておき、情報を共有しあう。ペットの飼い主とお子さんがいる方では、同じような協力の仕方ができると思うんです」いろいろなケースを示してくれる平井さん監修の『猫と一緒に生き残る 防災BOOK』は、災害に備えて想像力を働かせるきっかけになるはず。被災直後にするべきことや、猫の応急処置などもしっかり書かれていて、とても参考になります。猫を飼っている方はもちろん、他の動物を飼っている人もぜひ一読して、わが家のオーダーメイドの災害対策を考えてみましょう。取材協力: NPO法人アナイス 『猫と一緒に生き残る 防災BOOK』 『ペット防災BOOK ~大切な家族のために今できること』
2019年03月13日東日本大震災から8年。「あの日」を忘れないために、改めて大地震への備えをしましょう。自宅でくつろいでいる時、街を歩いている時、地下鉄に乗っている時…もしも地震が起こったらどうしますか? 想像はしたことあるけど実際にどうするべきか知らない人が多いのではないでしょうか。防災の専門家の方のお話をまとめてみました。まとめ構成・小田原みみいつ起こってもおかしくないと言われている大地震。その「いつか」の時、自分の命は自分で守らなければいけません。地震が起こった場合に慌てず、どのような行動をとるべきかさまざまなケースを想定して専門家の方々に聞いてみました。その前に、「備えておきたい防災グッズ」記事もぜひご参考に!寝ている時に地震が起こった場合揺れたときは、布団をかぶってじっと待つ。揺れている間に起き出そうとすると、ベッドから転げ落ちたり落下物でケガをする恐れが。揺れがおさまるまでは、布団を頭からかぶって無事を祈るべし。「揺れている間は、できることがほぼありません。物がぶつかる衝撃を少しでも軽減するために、布団をかぶります」(国崎さん)おさまったら外へ出られるように準備を。「床に散ったガラスなどを踏まないようスリッパを履き、外へ避難する動線を確保。停電で真っ暗なときは、スマホ画面の灯りを頼りに動くとよいでしょう。テレビやラジオで避難指示などが出ていれば、速やかに従って」(田中さん)。すっぴんを気にする猶予はナシ。そのままGO!田中美咲さん 「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。国崎信江さん 危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。※2017年2月作成。『anan』2017年2月8日号より。イラスト・深川 優 文・風間裕美子入浴中に地震が起こった場合お風呂やトイレに入っているときに揺れたら、転ばないようにバスタブを掴む。「バスタブの中でも洗い場にいても、すぐ浴槽をつかんで体を安定させてください。トイレでは、タンクのフタが鈍器に変身。飛んでこないように、押さえます」(国崎さん)ドアが歪むと、閉じ込められる恐れも。最中であっても乙女の恥じらいを捨て、ドアを開けて逃げ道を守ろう。揺れがおさまったら、すぐに着替えて外へダッシュ。お風呂の場合、揺れがおさまったら外へ出てすぐに着替える。浴槽のお湯は、断水に備えて残しておく。「普段から、脱衣所に着替えを用意しておくこと。裸のままでは救助を求めるのも恥ずかしいし、寒い季節だと体が冷えて、低体温症になる恐れがあります」(国崎さん)田中美咲さん 「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。国崎信江さん 危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。※2017年2月5日作成。『anan』2017年2月8日号より。イラスト・深川 優 文・風間裕美子街中など外出先で地震が起こった場合路上を歩いているときに揺れたら、塀や電柱のないところへ。カバンで頭を守りながら、電柱、看板、ガラスなどから離れる。住宅街では、ブロック塀が崩れてくるかも。「車が走っていなければ、ひかれないよう手を振りながら車道中央へ逃げてもよいでしょう」(田中さん)揺れがおさまったら、公園など、広い場所へ移動。「人の流れに乗って駅などへ向かうと、帰宅困難に陥る可能性大。まずは広い公園などへ移動を」(田中さん)スマホなどで情報を集め、帰宅困難な状況が発生しているなら、開いてるカフェで待つくらいの余裕を持って。田中美咲さん 「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。国崎信江さん 危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。※2017年2月作成。『anan』2017年2月8日号より。イラスト・深川 優 文・風間裕美子会社で仕事中に地震が起こった場合エレベーターの中にいるときに揺れたら、すかさずフロアボタンを押す。停電して閉じ込められる恐れがあるので、全階のボタンをプッシュ。止まった階で、すかさず降りるべし。「新しいエレベーターなら、地震で揺れると最寄り階に停止します。けれど万一閉じ込められた場合のことを想定し、バッグには必要最低限の備えを」(国崎さん)揺れがおさまったら、その後は階段で。「下の階へは階段を使います。たとえ動いていたとしても、いつ停電して止まるかわからないエレベーターは使わないこと」(国崎さん)階段では余震に備え、手すりにつかまって。女子たるもの、社内でもヒールでキメたい気分だけど、可能ならフラットな靴に履き替えて社内移動を。田中美咲さん 「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。国崎信江さん 危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。※2017年2月作成。『anan』2017年2月8日号より。イラスト・深川 優 文・風間裕美子乗り物に乗っている時に地震が起こった場合地下街、地下鉄車内にいるときに揺れたら、壊れそうなものから離れる。「地下鉄に乗っているときは、窓から離れて手すりやつり革につかまって。地下街ではガラスから離れ、倒れてくるもののない通路の中央で待機します」(田中さん)両手に買い物袋を持っていたとしても手放す勇気を。揺れがおさまったら、出口付近でしばし待機。地下で恐ろしいのは揺れではなく、水という説も。「壊れた壁から地下水が漏れたり、津波で浸水する恐れも。いざとなったらすぐに地上に出るべく、出口の階段から地上の様子を見て、どちらか判断を」(国崎さん)田中美咲さん 「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。国崎信江さん 危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。※2017年2月作成。『anan』2017年2月8日号より。イラスト・深川 優 文・風間裕美子災害時の情報収集方法についてもう一度確認災害時、真っ先に知りたいのが家族や知人の安否。逆に、自分の無事を知らせたり、最新の災害情報を入手したいときも。「電話もSNSも必ず使えると断言できないので、連絡手段は多く持っておくこと。そして、事前に使い慣れておきましょう。家族や友人と災害時の連絡方法を共有しておくことも大切。なかでも一番重要なのは、お互いの安否確認は避難が終わってからするということ。連絡中に二次被害に巻き込まれるケースもあるからです」(危機管理アドバイザー・国崎信江さん)充電切れなどが原因で、スマホが使えない場合も考えて、「家族や知人の電話番号や住所をまとめた紙など、アナログな対応が重宝することも。自宅から徒歩圏内の知り合いを作るのも手です」(小誌編集部・中島千恵)防災上手たるもの、どんなときも“想定外に強い”状態で備えましょう。以下のような、無事を知らせる、確認するサービスなども積極的に利用を! 被災したら、まず自分の安否を各サービスに登録して。体験利用もあるので、事前に使い慣れよう。災害用伝言ダイヤル 「171」でおなじみのボイスメール。NTTが運営し、被災後すぐにサービス開始。「171」にダイヤル後、安否を知りたい人の電話番号を入力すると、その人に関する伝言を録音・再生できる。登録は1件につき30秒で、登録可能な件数は災害規模によって変化する。災害用伝言板web171 ネット回線を通じて、安否確認を発信。インターネットの回線で安否情報を登録・確認するサービス。事前に家族などのメールアドレスを登録しておけば、災害時に伝言板に入力すると、登録者にその情報を一斉に通知してくれる。災害用伝言ダイヤルとも連携している。各携帯キャリアの災害用伝言板(専用アプリ) アプリならすぐに起動でき、操作も安心。各携帯キャリアにも、災害用伝言サービスがある。専用アプリも登場し、どんな場所で被災してもすぐに登録できる利点が。事前に安否を知らせたい相手のメールアドレスも登録できるため、一度に多くの人へ通知が可能に。国崎信江さん 危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。田中美咲さん 「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。中島千恵 小誌編集部。3.11の被災後、女性が本当に必要だったものを取材し、『anan特別編集 女性のための防災BOOK』を手掛ける。※2017年2月作成。『anan』2017年2月8日号より。イラスト・徳丸ゆう 文・野村紀沙枝頭ではわかっていても、緊急事態時はどうすればよいのかパニックになりがち。自分の命を自分で守るために、いざという時にどういう行動をとるべきか、どうやって情報を集めるか今一度確認しておきましょう。
2019年03月11日普段の生活の中で災害にあったら…。今話題の「自衛隊防災BOOK」からシチュエーション別のテクニックをご紹介します!教えてくれたのは現役自衛官の林田賢明さんです。地震発生時に役立つライフハック災害発生直後=発災時にどんな初動対応をとるかで、その後の被害の大きさが変わってきます。普段の生活でよくあるシチュエーション別に、テクニックを習得しましょう。【1】入浴中だったらお風呂場には着替えと携帯を持っていく習慣を身につけて。裸ということもあり、入浴中の地震は焦りが倍増。揺れを感じたら、閉じ込められないよう迅速にドアを開け、強い揺れがおさまってから服を着て、安全な場所への避難を。焦って転倒したり、鏡の破片などで負傷しないように、お風呂場でこそ冷静な行動を心がけて。自衛官の自宅ではお風呂の水を空にしない人が多いらしい浴槽にためた水は、断水時のトイレ用水や洗濯水、火災発生時の消火水にも利用可能。このため、入浴直後に栓を抜くのではなく、次にお風呂を掃除する直前までためた状態をキープして。また、浴槽がないタイプのお部屋に住んでいる人は、使用済みペットボトルに水道水を入れてストックしておくだけでも。【ひとことアドバイス】お風呂場にも、そのまま外出できる着替えを1セット用意しておくと、いざという時に安心です!【2】睡眠中だったら真っ先に足元をガードし、ドアを開けて出口の確保を。緊急地震速報が入ったり強い揺れを感じたら、真っ先にスリッパや靴を履き、窓ガラスの破片などから足元を守って。その後、素早く寝室のドアを開けて出口を確保しましょう。揺れで家が歪み、ドアが開かなくなる可能性があるので、迅速な対応が重要です。【ひとことアドバイス】もしもに備え、ベッド付近にはスリッパ、懐中電灯、笛の3点セットのご用意をおすすめします!【3】料理中だったらガスコンロの火を消すのは激しい揺れがおさまってから。火を消そうと、慌てて熱湯や揚げ油の入った鍋に近づくのは危険。最近のコンロは揺れを感知して自動消火する機能が付いたものもあるので、まずは自宅のコンロの確認を。また、出火時に安全に取りに行けるよう、火元から2~3歩離れた場所に消火器を常備して。【ひとことアドバイス】女性でも簡単に使用できる、スプレータイプの簡易消火具も売られているので、チェックを!【4】スーパー、コンビニにいたら陳列棚から離れ、店員さんの指示に従い非常口から避難を。倒れた陳列棚の下敷きとなって圧迫死する可能性もあるので、陳列棚からは素早く離れましょう。周りを見ずに慌てて外に飛び出すのは、殺到した客同士による将棋倒しの可能性があり逆に危険なので、店員さんの指示に従って非常口からの避難を。【ひとことアドバイス】天井から吊るされた標示板が落下する恐れもあるので、上への意識も忘れないようにしましょう!【5】街中を歩行中だったら落下物がないか頭上の危険を確認しながら安全な場所へ。街中での地震は、落下物から身を守ろうと、つい体をかがめて下を向いてしまいがち。でもそれでは、看板や窓ガラスの破片などの落下物からの危険を回避することができません。身を守るためにも、まずは上を確認しながら安全な場所へ移動しましょう。【ひとことアドバイス】荷物が多い日ほど、両手がふさがらないように、バッグはショルダーかリュックタイプに!【6】電車に乗っていたら飛ばされないように両足もしっかり踏ん張って。大地震が発生すると、電車は自動停車します。その際の急ブレーキで飛ばされないようにするために、立っている場合には両手それぞれでつり革につかまりましょう。両足もしっかりと踏ん張ることで、安定感がアップします。飛ばされてきた人との衝突にも注意が必要。座っている場合には、乗っている車両内で進行方向に近いポールに両手でつかまると、急ブレーキ時に飛ばされる心配も減る。視線は進行方向の逆に向け、飛んでくるものや人を避けましょう。さらに、バッグを膝上に置くとエアバッグの効果も。【ひとことアドバイス】自分が飛ばされないようにするのはもちろん、網棚からの落下物にも気をつけましょう!「自衛隊防災BOOK」マガジンハウス林田賢明さん陸上幕僚監部人事教育部募集・援護課3等陸佐。募集広報係長として採用や広報を担当。自衛官募集の一環でスタートした動画サイト「自衛隊ライフハックチャンネル」は、防災、日常生活、ダイエットなど、私たちの生活に欠かせない役立つ情報が満載!“平和を仕事にする”というスローガンにピンときた方は、自衛官を目指すという道もアリ。性別や運動神経は関係ないそう。※『anan』2019年3月13日号より。写真・中島慶子イラスト・柏原昇店取材、文・辻岡直美協力・自衛隊/防衛省博報堂ADBAKA濱田恵理(by anan編集部)
2019年03月10日いつ、どこで発生するか予想や予知が困難な巨大地震。9月6日の午前3時過ぎ、北海道を最大震度7の巨大地震が襲い、北海道全土に甚大な被害をもたらしました。もしある日突然、自分が住んでいる地域が巨大地震に襲われたら、まず何をすべきなのか、またどう行動すべきなのでしょうか?■ 緊急地震速報が流れたら、まず「屋内」「屋外」でやるべきこと!Studio Right / PIXTA(ピクスタ)テレビやスマホなどから緊急地震速報が流れたときや、実際に強い地震を感じたとき、まずは冷静に行動することを心掛けましょう。Flatpit / PIXTA(ピクスタ)地震が発生したとき、一番重要なのは身の安全確保です。では「屋内」「屋外」にいる時に、どのようにすればいいのかをお教えしましょう。屋内1. 自宅にいるとき自宅などの屋内にいるときは、出口の確保も大事ですが、慌てて外に飛び出すと危険です。丈夫な机やテーブルなどの下にもぐり、揺れが収まるのを待ちましょう。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)調理や暖房で火を使っているときは火の始末が大事です。TAKA / PIXTA(ピクスタ)しかし、火元から離れている場合は無理に火を消しに行くとケガをしたりすることもありますので、揺れが収まるのを待ってから火の始末をしましょう。屋内2. 大型の商業施設や公共施設にいるとき商業施設や公共施設にいる時はまずは周りを確認し、照明などが落下してこないような場所で安全な姿勢を取り、揺れが収まるのを待ちましょう。YNS / PIXTA(ピクスタ)ただし、従業員や係員から避難の指示があれば、それに従いましょう。自宅にいるときと同様に出口の確保も大事ですが、出口や階段などに人が殺到してしまうと事故も起こりやすくなりますので慌てず避難することを心掛けてください。MAA / PIXTA(ピクスタ)屋外1. 都市部にいるとき強い揺れが起きると、ビルの窓ガラスが割れて落下したり、看板や外壁の一部が落下したりする場合がありますので、そのような建物から離れるようにしましょう。G-item / PIXTA(ピクスタ)また、高さのあるブロック塀や自動販売機なども転倒する危険がありますので、できるだけ離れるようにしてください。dorry / PIXTA(ピクスタ)白熊 / PIXTA(ピクスタ)屋外2. 郊外、崖の近く、山間部にいるとき今いる場所が、近くに崖等があったり、高低差のある地形・地域だった場合は、土砂崩れの危険がありますので、速やかにその場所からできるだけ離れてください。HAKU-№1 / PIXTA(ピクスタ)特に、雨が降ったあとは地盤が緩くなって土砂崩れが起きやすくなっている場合がありますので注意が必要です。どん兵衛 / PIXTA(ピクスタ)エレベーターの中エレベーターのシステムによっては強い揺れを感知すると、自動的に最寄り階に停止するものもありますが、自動停止しないエレベーターもあります。その場合はすぐにどの階でもいいのでボタンを押して、停止した階ですぐに降りてください。EKAKI / PIXTA(ピクスタ)■ 大きな揺れが収まったら、まずやることとは?大きな揺れが収まったら、まずは周りの状況を確認しましょう。EKAKI / PIXTA(ピクスタ)屋内にいる場合は、誰か閉じ込められている人はいないか、ケガをしている人はいないか、建物の壁や柱、土台などの損傷はどうかなど、周りにいる人と声を掛け合いながら確認してください。もし、自分が閉じ込められてしまっているなら、笛を鳴らしたり音が出るものを叩くなどして、自分の存在を知らせましょう。masa / PIXTA(ピクスタ)■ 自宅から避難するときの注意ポイント自宅建物が損傷し、倒壊の危険性を感じたり、通常の生活が送れないような状態になってしまった場合、自宅から避難所などに避難する必要があります。あきたん1116 / PIXTA(ピクスタ)その時は火事や漏電、爆発事故などの二次被害を予防するために、火元の確認や電気ブレーカーを落としてから家を出るようにしましょう。Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)玄関先や道路に面した壁などに、避難先などを書いたメモ紙を張り付けておくと、自分や家族の所在を明確にするだけでなく安否確認にもなります。また建物が倒壊する危険性を感じたら無理をせず建物に入らないようにしましょう。一本木 / PIXTA(ピクスタ)避難する場合には最低限持っていきたい水や食料品、衣類、日用品などがあると思いますが、緊急の場合は持ち出すのを忘れてしまうこともあります。なので、持病がある場合の薬、乳幼児がいる場合はミルクや哺乳瓶、メガネなど、それがなければ日常生活に重大な支障をきたすようなものは物については日頃から持ち出しやすい場所に置いておくなどの備えをしておきましょう。kaka / PIXTA(ピクスタ)日頃から防災用品を揃え、非常持出品の準備をすることはとても大事。それと同時に、いざというときは具体的にどんな行動をすればいいのかもしっかり頭に入れておきましょう。【参考】※首相官邸防災の手引き~いろんな災害を知って備えよう~※一般財団法人 日本気象協会トクする!防災避難の心得地震編
2018年09月16日北海道で起きた震度7の地震。その後、北海道全域が大停電に見舞われました。電気が復旧するまでの40時間で見つけた、次の地震対策に繋がる「小発見」をご紹介します。地震が起こらなければ直面できなかったけれど、防災ガイドにも載らないような、6つの小発見をご紹介したいと思います。■ 1.停電する前に「満タン給油」と「食料調達」Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)午前3時過ぎ。大地震発生から停電まで、約30分間ありました。この間、わが家がしたことと言えば「壊れ物の片付け」と「家族の安否確認」です。再び大型地震が来ない事を願いつつ「電気を消してあとは寝るしかない」と考えていた頃、窓の外に見えたのは、真夜中に車を走らせる「ご近所のAさん」の姿でした。果たして、こんな真夜中に「ご近所Aさん」はどこへ向かったのでしょうか?後に聞いたところによると、24時間営業のガソリンスタンドで「満タン給油」してきたついでに、コンビニで「食料を調達」してきたそうです。その後、まもなくして北海道全域が停電。あのわずかな時間で、こうなる事をAさんは予測できたのしょうか?何も行動できなかった自分がいたので、Aさんのあまりの「冷静さ」に驚きました。今後の地震対策として記憶に刻んでおきたいと思います。■ 2.コードレスクリーナーは災害時に重宝するMaksim Kostenko / PIXTA(ピクスタ)地震の揺れが収まってリビングに向かうと、床には粉々になった電球の破片が散乱していました。翌日に替えの電球を買いに行こうと、テーブルの上に置いておいた電球がまずかったようです。ガラスやセトモノの破片は、ほうきで掃くだけでは取り切れない細かなカケラがあるので、ここでは掃除機が有効になりますが、コード式の掃除機だと停電後には使えません。そこで役に立ったのが「コードレスクリーナー」。事前に充電しておくことはもちろんですが、コードレスクリーナーがあれば、停電後もバッテリーが持つ限り吸引可能です。実際に震源地に近い筆者の実家では、ガラス張りの人形ケースが落ちて破損。じゅうたんの上に、ガラスの破片が飛び散ってしまいました。その地域では片付ける間もなく停電してしまったそうで、電気が復旧するまで掃除機がかけられず、その部屋に踏み入る事が出来なかったそうです。「コードがないから便利!」と思っていただけのコードレスクリーナーが、停電時にこんな形で役立ってくれるとは!コードレスクリーナーのありがたみを再認識できた出来事です。■ 3.ご近所のコミュニケーションが深まった!空地海 / PIXTA(ピクスタ)地震直後のご近所の様子。みなさん窓から心配そうに顔を覗かせているのがわかります。「今地震あったよね!大きかったよね!」真夜中なのでみなさんは口には出しませんが、そんな言葉があちこちから聞こえてきそうです。翌朝、普段はごあいさつ程度のご近所さんが集まってきて「地震に驚いたこと」「学校や会社の心配事」などのを話していました。不安な気持ちを分かち合うことで、安心できる事ってありますよね。同じ境遇の仲間のような、今までにない連帯感が生まれたような気がしました。その後も“ご近所に拡散求む!”といった内容で「ゴミの収集日の変更について」や「近くの公園に給水車が来るよ」など、繋がりがなければ知れなかったような情報をご近所からいただきました。今回の経験も踏まえ、「これからもご近所づきあいを大切にしていきたい」と感じた瞬間です。■ 4.ガソリンスタンドの列に「左折」で割り込んではいけません。YNS / PIXTA(ピクスタ)「横入りはいけません」。地震直後、必ず込み合うのが「ガソリンスタンド」。燃料が底をつくのを恐れ、1時間ほど並んだガソリンスタンド手前の横道から、1台の車がやってきました。「左折してその先の方向に進みたいんだな」と思い列を開けたところ、そのままガソリンスタンドへ向かう列に車が入りました。よくある車線変更の時に「ありがとう」を表すハザード付きです。「アレ?」と不思議に思いましたが、そのまま直進していくのだろうと見守りましたが、そのままガソリンスタンドに入り込みます。今の状況は、車線変更の「どうぞ」とはちょっと違います。気が小さいので何も言えませんが、後ろに100メートルほど並んでいる車の事を思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そんな悪気はなかったのでしょうが、震災後のガソリンスタンドの列に「左折」で割り込んではいけません。■ 5.電気が使えないと掃除がはかどる!?EKAKI / PIXTA(ピクスタ)「電気がないのに家事がはかどる?」。掃除機も洗濯機も使えないのにおかしな話なのですが、はかどるのは「電気を使わない家事」限定です。「電気を使わない家事」、それは「拭き掃除」と「整理整頓」。大きな地震の直後ですし、心に余裕がありません。でも何かしなくちゃ!と家の中でソワソワ……。学校も休み、仕事も休み。だからといってレジャーに出掛けるなんて出来ません。何かしていなくては落ち着かないので、なぜか掃除を始めてしまいました。普段手をつけないような、大掃除の時にしかやらないような場所ばかり。電気が使えない生活を送ると、いつもとはちょっと違った行動に出る事がわかりました。■ 6.停電すると家族が寄り添い会話が弾むelise / PIXTA(ピクスタ)停電した我が家では、光りに集まる虫のように、家族がひと部屋に集まりました。ヒマを持て余した子どもたち。電気が使えない夜はテレビも見られず、携帯ゲームも充電が尽きてしまい、普段は口数少ない長男が、だんだんとおしゃべりになっていくのがわかりました。こういうの、ちょっとキャンプと似ています。一人遊びができなくなるので話し相手を求めるのでしょうね。普段聞けないような話で盛り上がり、母はちょっと嬉しくなりました。日中の買い物も、することがないからと付き合ってくれて、いつもとは違う状況下で、いつもとは違う家族の一面を見ることができました。大変なことばかりでは終わらなかった、そんな停電の40時間でした。「防災ガイド」には載らないような、ちょっとした出来事ばかりですが、実際に体験しなければ気づかなかった「小さく驚いた」エピソード。今後の地震対策に「小さく」お役立ていただければ幸いです。
2018年09月12日2018年9月6日の午前3時過ぎ。スマホの「緊急地震速報アラーム」と同時に襲った「激しい揺れ」で飛び起きました。最大震度7の北海道地震です。まもなくして北海道全域が停電に……。その後、約40時間にわたり電気が使えない生活を強いられることになった我が家ですが、長時間の停電で気づいた「オール電化の落とし穴」についてお話します。■ 停電でIHもレンジも使えないと食べられる物が何もない!「北海道胆振東部地震」が起こった6日のわが家の冷蔵庫には、調理しないで食べられるものがありませんでした。普段はパンやお菓子など、いくつかストックされているのですが、買いだめ派のわが家は、その日は買い出しの前日だったのです。家には「ガスコンロ」もありませんし、もう、最悪です!予想通り、アイスはでろでろ。肉類も解凍されてしまったのに、今すぐ調理ができないもどかしさ……。溶けたアイスクリーム停電は北海道全域と聞いたので、すぐの復旧は無理だと判断。調理はあきらめ、すぐに食べられそうな調理済み食材を求め、信号機が止まった町へ買い出しに出掛けました。ご覧のように信号機はまったく機能していません!あたりの信号は全滅。大きな交差点では警察官が手信号をしてくれますが、脇道に入ると自己判断で渡らなければならないのでとても緊張しました。そして朝方に開店していているのはコンビニのみ。まずはおにぎりやパンを買っておけば、どうにか明日までは過ごせそうだと思いましたが、考えていることはみんな同じだったようです。朝の8時にして、お弁当の陳列棚はすでに空っぽでした。かろうじてカップラーメンがいくつか残っていましたが、お湯すら沸かすことができないもどかしさ。普段は当たり前にできていたことができないって、結構なストレスです。つくづく電気のありがたみを感じる出来事でした。この日一日は、とにかく口に入りそうなものを探すため、わずかに開店している店を探し回ることに。そんな中、近所の大型スーパーで「ガスコンロ」をゲットすることができました。長蛇の列に並んだかいがあります。その夜は、無事にカップラーメンを食べることができました。この日は「電気なしの夜」を過ごすことを覚悟。あのような大きな地震がまたきららと思うと恐ろしく、普段は2階で寝ているわたしたちは1階のリビングで寝ることにしました。子どもたちはキャンプ感覚で浮かれぎみ。親としては、そこはちょっと救われました。■ 「電気温水器」だからお湯も出ない!「頭がかゆい!」。汗っかきの娘が頭をかきだしたのは、停電した日の翌朝です。体のべたつきは「体拭きシート」でなんとかしのいだのですが、洗髪はどうしようもできません。もちろん銭湯も営業していません。昨日運よくゲットした「ガスコンロ」で、パスタ鍋にたっぷりのお湯を沸かして、お湯を水で割りながら、どうにか頭を洗うことができました。断水はかろうじて免れましたが、念のためにバスタブに水を張っています。給湯器もガスにするべきだったか?と、少しだけ「オール電化」を恨んだ瞬間でしたが、結局のところ、ガス給湯器も電気が必要だとか……。■ 固定電話が通じない!スマホの充電もできない!これはオール電化とは関係ありませんが、今回の震災で一番困ったことです。外部との連絡を取りたかったのですが、停電のせいで家の固定電話が通じません。Graphs / PIXTA(ピクスタ)黒電話なら通じるようですが、最近多くなってきた光回線などのIP電話は使えません。学校や塾からの連絡網は、自宅電話を知らせていたので、繋がらなかったと後で聞きました。結局はスマホに連絡が入るのですが、停電時フルに使われているスマホは、常に充電不足が続きます。amnachphoto / PIXTA(ピクスタ)そこは車の充電器で凌いだのですが、今度はガソリンが底をつきそうに……。どこのガソリンスタンドも、車が何十台も並んでいます。一時間並んで、やっと給油できたかと思えば、20リットルのみの制限付き。半分ほどしか満たされない燃料計に、心細さを感じます。停電から約40時間後、やっと電力が回復。家族で拍手喝采です。長い電気のなし生活に、やっと終止符が打たれ「ホッ」としました。今回の停電で思ったのは「オール電化」だからいけない!ではなく、それに合わせた備えが必要だったということ。たとえば「ガスコンロ」であったり、充電機器を充実させておくこと。食材だって、慌てないように非常食を用意しておくべきでした。災害はいつ起こるか分かりません。今回起きた事態を踏まえて、今後の準備を進めたいと思います。
2018年09月09日先日、9月4日に超大型の台風21号が西日本に上陸し、関西で甚大な被害を出しました。その翌日5日の深夜、北海道で震度7の大地震が発生し、多数の行方不明者を出しています。今年は6月の大阪府北部地震、7月の西日本豪雨など多くの自然災害が発生し、皆さんの中にも地震や台風、豪雨などの自然災害は、“想定外のこと”が起こると覚悟し、これらへの備えはアップデートしていくことが必要だと思っている人もたくさんいるかと思います。ところで、防災に対する意識や対策は、地域や世代によって”差”があることはご存じでしょうか?今回は、そんな「防災意識や対策」についてのお話です。■ 最も身近な脅威1位はやはり「地震」「株式会社プラネット」が実施した、防災対策をテーマにした意識調査によると、”最も身近で備えが必要だと思う災害”の第1位はやはり「地震」が76.7%。地震大国と呼ばれる日本、備えを必要と感じている人は4人に3人以上という結果です。一本木 / PIXTA(ピクスタ)次いで、2位「台風」11.9%、3位「豪雨・洪水」4.6%、4位「豪雪」1.6%、5位「津波」1.4%、6位「土砂災害」0.9%と続きました。Graphs / PIXTA(ピクスタ)■ 地震、豪雨、豪雪…。備えが必要と感じる災害には地域差が!このアンケートをエリア別に見てみると、「地震」を身近な脅威とする意識が最も高かったのは、「関東」の86.6%。次いで「近畿」の76.9%、「東海」75.6%の順となりました。hashisatochan / PIXTA(ピクスタ)30年以上の発生確率が70%以上と言われている南海トラフ地震や、首都直下地震への懸念、また、今年6月に発生した大阪府北部地震などに関連するエリアが上位に挙がっています。一方、地震を脅威と感じる割合が最も低かったのは「九州・沖縄」の41.6%。九州地方は2016年に熊本地震で甚大な被害を受けていますが、台風や豪雨などの災害も多く、また「沖縄」も含まれるため、このような結果となったようです。「中国地方」は、「豪雨・洪水」が全エリア中で最も高く、8.8%。gengorou_h / PIXTA(ピクスタ)中国地方は特に、今年7月の西日本豪雨災害の被害が大きく、土砂災害や河川の氾濫時に対する対策強化も急務であると痛感させられました。「豪雪」に関しては「北陸」18.2%、「東北」10.8%、「北海道」10.6%、「甲信越」4.8%であり、その他のエリアは0%〜1%台と低く、限定的なものであることが分かります。Anesthesia / PIXTA(ピクスタ)■ 防災グッズを備蓄している人は5割以下!若年層ほど備蓄していない災害時に備えて、自宅で防災用品や生活必需品を備蓄している人の割合はどのくらいなのでしょうか?「備蓄していない」52.4%、「備蓄している」47.6%という結果でした。@yume / PIXTA(ピクスタ)「備蓄している」人は半数に満たない結果となり、2016年に実施したアンケートと比較するとわずか2.6%しか増加していないようです。また、災害時用に備蓄しているものを年代別にみてみると、若年層と中高齢層での数値の開きが大きい防災用品が目立ちます。例えば「ランタン・懐中電灯・ローソク」は、最も数値が高かったのが70代以上男性の81.9%であるのに対し、最も低い30代男性の41.2%とは40.7もの差がありました。hungryworks / PIXTA(ピクスタ)”年の功”なのでしょうか、災害に遭っていなくとも、災害を見聞きしている中高齢層は、防災や備蓄への意識が高く、「ラジオ」「軍手」などを備えている割合が、若年層より高くなっています。みつき / PIXTA(ピクスタ)ラジオ、軍手、ランタンなど日常生活であまり馴染みのない若年層は災害時に使うシーンが想像しにくいとも考えられ、防災備蓄は世代格差が広がっている実態が明らかとなりました。demeter / PIXTA(ピクスタ)■ 災害時の安否確認「LINE」が第3位に!災害時の安否確認の手段としてのアンケートを見てみると、1位は「携帯電話の通話」72.9%、2位「メール」45.3%、3位「LINE」29.0%という結果になりました。筆者は広島県在住であり、今年7月の西日本豪雨災害の時は、専らLINEを利用しての安否確認をしていました。Graphs / PIXTA(ピクスタ)手軽で、一度に多くの人に連絡できることからメリットも多かったのですが、逆にデマが流れるとその拡散をストップすることは非常に難しい、と痛感させられました。また、どの道路が寸断されているのか、避難所の情報などを調べる際は、市役所が発信する情報よりも「Twitter」などのSNSの方がスピード感があり、うまく活用すれば命を救うこともできると感じました。しかしSNSやLINEなどはスマートフォンを日常的に扱う世代に限定されます。これら通信手段の違いは情報格差として今後対策していかなければなりません。いかがでしたか?世代によって、防災への備え・意識・対策は違います。備蓄、情報力など”自分にとって足りない備え”は何か考え、今できることを準備されてみてはいかがでしょうか?【参考】※<防災対策に関する意識調査>災害が起きたら…女性は3割がトイレ、1割がペットを心配
2018年09月08日東京ディズニーリゾートを展開する株式会社オリエンタルランドは、6日(木)、同日早朝に発生した北海道地震の影響により、電話による予約センターやサポートデスクの運営を一部見合わせていると発表した。9月6日(木)、9月7日(金)の終日運営停止が決定しているサービスは、・東京ディズニーリゾート・オンライン予約・購入サポートデスク・東京ディズニーリゾート総合予約センター・東京ディズニーリゾート団体予約センターの運営で、新規で商品を予約・購入をする場合は、東京ディズニーリゾート・オンライン予約・購入サイト上で、オンラインでの予約・購入をすることは可能だ。ただ、一部オンライン上で取り扱いがない商品については、電話受付の復旧を待たなければならない現状となっている。同社広報部によると、「弊社のコールセンターが北海道札幌市内にあり、現在対応ができない状況です」とのこと。なお、復旧時期につきましては現在未定で情報が分かり次第ホームページなどで告知する予定。※取材時の状況に基づいて記事化しています。ショー内容など異なる場合もあります。また紹介したイベント、メニューなどすべての情報は予告なく変更になる場合があります。詳細は公式サイトを参照ください。(C) Disney(text:cinemacafe.net)
2018年09月07日地震、火災、水災……、想定を超えてやってくるさまざまな災害。家を購入する場合でも、賃貸住宅に入居する場合でも、「もしも」に備えた住まいの保険は必須です。住まいに関する保険の基本や、その保険で補償されるのはどんな場合か、注意するべき点などを解説します。■ 基本は「火災保険」ABC / PIXTA(ピクスタ)まず、保険の対象は「建物」と「家財」に分かれます。火災保険はその補償範囲が多岐にわたりますので、建物・家財ともに、加入する保険の基本は「火災保険」になります。持ち家の場合は建物と家財の両方に保険をかけることができますが、賃貸の場合、建物に保険をかけるのは大家さんなので、入居者は自分の家財に保険をかけることになります。■ 火災保険で補償される範囲火災保険で補償される範囲は、保険会社や保険の種類などにより違いがありますが、ここでは一般的に基本保障とされるものをご紹介します(建物・家財共通)。ABC / PIXTA(ピクスタ)1. 火災リスク火災、落雷、破裂・爆発などで家が燃えてしまった場合に損害保険金が受け取れます。注意が必要なのは、地震が原因となった火災については別途「地震保険」を契約していなければ保険金が支払われないということです。2. 風災リスク風災、雹(ひょう)災、雪災で建物が破損する等の被害を受けた場合に損害保険金を受け取れます。pixelcat / PIXTA(ピクスタ)ここ数年、台風の強大化や竜巻の発生など、気候変動によるものと思われる自然災害が多発しています。強風で自宅の屋根が飛ばされたり、色々なものが飛ばされてきて建物の壁に穴が開いてしまった等の損害も補償されます。3. 水災リスク水災(洪水、高潮、土砂崩れ)で建物が破損したり、押し流されてしまった様な場合に損害保険金が受け取れます。近くに河川や山がないからといって水災リスクが低いとは限りません。近年の局地的な集中豪雨は、水が行き場を失いさまざまな場所であふれだす「都市型洪水」も増加していますので、どのような地域においても水災のリスクは高まっているといってもいいでしょう。Graphs / PIXTA(ピクスタ)ただし、地震を原因とする津波被害の補償には、別途「地震保険」への加入が必要となりますのでご注意ください。4. その他「水濡れ・外部からの物体衝突・盗難」給排水管の故障等によって床材や壁紙が濡れてしまい張り替え・修理が必要になった場合や、自動車などが衝突して建物が破損した場合も補償されます。また、空き巣などによる窓ガラスや建物の破損についても多くの場合で補償されます。Graphs / PIXTA(ピクスタ)ただし、いずれの損害・被害についても実際に補償を受けられるかどうかはケースバイケースになりますので、まずは保険会社にご確認ください。■ 「割高、火災保険金額の半分まで」それでも地震保険が必要な理由CORA / PIXTA(ピクスタ)火災保険は各保険会社によって補償内容に違いがありますが、地震保険は国と損害保険会社一体で地震被害に備える保険なので、どの損害保険会社でも同一保険料、同一補償内容です。火災保険の期間が最長10年であるのに対し、地震保険の期間は最長5年であり、しかもその保険料が割高で、さらに保険金額は火災保険金額の50%が限度(最大で建物5,000万円、家財1,000万円)と、一見、契約条件が不利に見える地震保険。それでも地震保険が必要な理由はその「考え方」にあります。カワグチツトム / PIXTA(ピクスタ)火災保険が保険金で損失を補填するという考え方なのに対し、地震保険は損失を補填するといった考え方ではなく、「地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的とする」と、地震保険に関する法律で定められています。つまり、地震保険の目的とは、被災者が「生活を立て直すための資金を確保」することなのです。割高な保険料を嫌がり、地震保険をセットにしない方もいらっしゃいますが、地震保険の目的を理解し、可能な範囲で加入されることをお勧めします。■ 契約期間切れに注意!保険契約の期間にはくれぐれもご注意ください。ほとんどの場合、保険会社から保険期間満了や更新のお知らせがありますが、なんらかの事情でその通知が来ない場合、いつの間にか「無保険」の状態になっている可能性もあります。保険証券等で保険期間や補償内容等をあらためて再確認してみてはいかがでしょうか?NOBU / PIXTA(ピクスタ)万一の災害に備えるためには、建物の強度を上げることやハザードマップを確認することだけではなく、保険への加入やその内容をしっかり把握することも重要です。今回ご紹介した保険の補償内容は保険会社によってそれぞれ違う場合もありますので、現在加入している保険や、これから加入予定の保険内容をもう一度確認し、「もしも」にしっかり備えましょう!
2018年07月18日6月18日に発生した大阪北部地震ではブロック塀の倒壊や家具の転倒が問題となっていますが、筆者が知る限りにおいてマンションではエレベーター停止以外の重大な問題は発生していないようです。地震の多い日本において、地震に対する備えは日々進化しており、被害の軽減に絶大な効果を発揮してきました。今回は最近になって増え始めた建物の「免震構造」についてお話しします。■ これまでの建物の地震対策は「耐震」と「制振」の2つだった日本では長らく31mまでという高さ制限があったため、9階建て程度の建物しか建てられず、日本初の超高層ビルである霞が関ビル(高さ147m地上36階建て)が誕生したのは昭和43年になってからです。Ryuji / PIXTA(ピクスタ)日本において建物の地震対策としてはこれまで「耐震」と「制振」が中心でした。「耐震」は柱・梁を太く頑丈につくり、建物全体の強度を上げることにより揺れの力に立ち向かおうというもので、恐らくマンションの大半はこの考え方に基づいていると思います。「制震」は揺れの力を「柳に風」で受け流す仏教建築である五重塔の構造をヒントにしたといわれ、地震のエネルギーを吸収するダンパーなどを建物内の骨組みの部分に設け、建物自体で振動や衝撃を吸収する構造となっています。主としてタワーマンションなどに採用されている方式です。■ 「地震の揺れを建物に伝えない」免震構造免震構造は地面の上に免震装置を設置し、地震の揺れを吸収するというもので、ひとことでいえば「地震の揺れを建物に伝えない」というコンセプトです。地面と建物を切り離し、その間に積層ゴムを挟み込ませますが、そのため免震構造の建物は1階部分に隙間が空いています。地面と建物の間に設置された積層ゴムが自動車のサスペンションのような役割を果たし、地震の揺れを建物に伝えないようにしています。平成28年の熊本地震において熊本県内の免震構造の建物では16センチから90センチの幅で横揺れがあったことが記録されていますが、これを積層ゴムが吸収することにより家具の転倒もほとんどなかったといいます。積層ゴム■ 免震構造のしくみが一目でわかる「水天宮」最近では免震構造の建物もあちこちで見ることができるようになってきましたが、筆者の知る限り最もわかりやすい事例が安産のご利益で有名な日本橋蛎殻町の水天宮です。水天宮水天宮では平成30年の江戸鎮座200年に向け平成26年1月から平成28年2月までの期間で社殿の建替え工事を実施しましたが、その際に境内全体を一体的に免震化しました。「安産祈願を安全に」ということなのだそうです。建物全体が地盤から切り離され、間に積層ゴム・弾性すべり支承・オイルダンパーといった免震装置が設置されています。隙間部分に設けられたエキスパンションジョイントは、大きな揺れがあった場合も隙間の上に設置されたカバーが外れるだけで済み、建物に深刻なダメージを与えることを防止します。■ 実は東京駅にも導入されている免震構造免震構造を導入した建物で最も有名なのが東京駅丸の内駅舎です。ばりろく / PIXTA(ピクスタ)東京駅では平成19年4月から平成24年10月にかけて駅舎の保存復元工事を実施し、大正3年に開業した当時の姿を再現しました。その際に建物全体をジャッキで持ち上げて約350台の免震装置を設置し、巨大地震が発生しても耐えうるような構造に改められています。免震構造は巨大地震に対して有効であることが実証されており、今後は免震マンションも増えてくると思います。住まい選びの際に注目してみてはいかがでしょうか。【参考】※参詣者の安全を最優先し境内全体を免震化水天宮の建替計画において境内を一新した建替えが完了
2018年07月15日2015年夏に滋賀県東部で家を建てた、かねこりかです。会社員の夫と小学5年生の長女の3人家族です。迷った末に家づくりをお願いしたのは”お客を選ぶ”、大喜工務店でした。今回は打ち合わせから学んだ、”地震・災害に耐える家”の3つの条件と気づきをご紹介します。■ 条件1. 基礎へのこだわり筆者夫妻が大喜工務店を選んだ理由はたくさんありますが、絶対に外せなかった点は安全へのこだわりでした。まず我が家は平屋なのに3階建て仕様の基礎です。頑丈な基礎は地盤改良工事から始まります。万が一川が氾濫した時などのリスクを考え、標準より15㎝高くした基礎がこれです。■ 条件2. 柱の強度は”太さと粘り強さ”が肝心!さらに大喜工務店のつくる家の魅力は圧倒的な角材です。わが家の8寸(約24㎝)の大黒柱の強度はなんと!標準的サイズ(3寸5分約10.5cm)の49倍です。建築士さんが構造計算してくださり、「これでも低く見積もっている」と聞いて、とても驚きました。それは太さだけでなく、長期間自然乾燥させることで角材が粘り強くなり、地震の揺れにも耐えられるというわけです。逆に人工的に短期間で乾燥させた角材は繊維の断裂により中身が弱い素材になるそうです。■ 条件3. 壁や梁、構造が重要筆者がテレビ等から影響を受けた憧れのイメージと完成見学会で訪れた家にはすこしギャップがありました。正直、もっといろいろな家の形やバリエーションがあればいいのに……と思ったこともありました。ですが、かき集めた情報を一つずつ実現できるかどうか相談するうちに「構造が弱くなる」「不便」などの説明を受け、「だから共通したデザインになるのか!」と理解できました。平屋を活かし、我が家の天井のほとんどは梁を見せています。隠すことも可能でしたが敢えてせず、筋交いもあちこちに見えています。これもまた強度が増す骨組みです。■ 地震以外に竜巻や台風といった災害も先月の大阪北部地震では家族や友人の安否を心配しました。続いて6月末には滋賀県で竜巻も発生し、自然の脅威をとても強く感じています。被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。今後は地震だけではなく災害に強い家へのニーズが高まるのではないでしょうか。わが家の屋根には瓦が乗っていますが、金具で留めているので暴風などに飛ばされる心配がありません。これはオプション料金でした。楽天的な筆者はそこまで心配しなくても……と当時は考えていました。今では危険を予測していた夫と建築士さんが提案してくれた事に感謝しています。これから新築やリノベーションを考えておられる方々の参考にしていただければ幸いです。家族が集い、当たり前に繰り返される暮らしが、安全で安心できる住まいに守られるといいですね。(ライター/ライフオーガナイザーかねこりか)写真提供大喜工務店
2018年07月11日2019年1月に地震保険料が改定されます。この改定では、保険料が値上げとなる値域と、値下げとなる値域があるのをご存じでしたか?我が家のある東京都は、値上げ値域に該当したので、地震保険の保険期間を変更して、保険料の節約をしました。今回は、簡単にはわかりにくい地震保険料に関してご紹介させていただきます。■ 2019年1月に改定される地震保険の保険料はどうなる?CORA / PIXTA(ピクスタ)昨年の2017年1月に改定された地震保険料ですが、2019年1月に再度改定されます。さらには時期未定で3回目の改定も予定されています。昨年1月の改定では全国平均5.1%、来年は3.8%の値上げ。つまり2年で8.9%の値上げと公表されています。■ 全国平均よりも上がる値域と下がる値域全国平均で3.8%の値上げとありますが、実は都道府県によって、数値はバラバラ。さらには、全国一律値上げではなく、値下げになる値域もあります。それでは、イ構造(主としてコンクリート造、鉄骨造の建物)で具体的に見てみましょう。ABC / PIXTA(ピクスタ)値上げとなる都道府県(値上げ率順)福島14.9%茨城、徳島、高知14.8%埼玉14.1%宮城、山梨、香川、大分、宮崎、沖縄12.6%千葉、東京、神奈川、静岡11.1%岩手、秋田、山形、栃木、群馬、富山、石川、福井、長野、滋賀、鳥取、島根、岡山、広島、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島4.4%値下げとなる都道府県(値下げ率順)愛知、三重、和歌山▲15.8%大阪▲4.5%北海道、青森、新潟、岐阜、京都、兵庫、奈良▲3.7%値上げ額で見ると高いのは千葉、東京、神奈川、静岡。Sunrise / PIXTA(ピクスタ)値上げ率が高くなくても、金額で見ると値上げ額が高くなるのが千葉、東京、神奈川、静岡で、2,500円(※)。値上げ率が最も高い福島県は金額にすると、1,100円(※)の値上げとなっています。MASA PARK / PIXTA(ピクスタ)木造住宅では、もっと大きな値上げ幅の地域もここまで、イ構造(主としてコンクリート造、鉄骨造の建物)についてみてきましたが、ロ構造(主として木造の建物)で見ると、徳島、高知は4,600円(※)もの値上げになります。ysnature / PIXTA(ピクスタ)次いで、埼玉、茨城も4,100円(※)のアップでした。※保険期間1年、地震保険金額1,000万円あたり、割引適用なしでの年間保険料例■ 長期契約がお得!地震保険料を安くする方法地震保険は、保険期間1年~5年で契約することができます。もし1年ごとに更新をしているのなら、保険料一括支払いの長期での契約を検討してみると保険料が抑えられるかもしれません。たとえば、地震保険料が最も高い千葉、東京、神奈川、静岡の木造の建物で見てみると、保険期間1年の保険料が36,300円(地震保険金額1,000万円あたり、割引適用なし)。これを5年間で支払う金額で見てみます。1年ごとに更新すると36,300円×5=181,500円。保険期間5年で契約すると、36,300円×4.45=161,535円(5年間の保険料を一括支払い)で、19,965円の差が発生します。makaron* / PIXTA(ピクスタ)保険期間5年で契約の場合の保険料を計算したときに使った数字“4.45”は長期係数と呼ばれるもので、実はこれも、来年の1月にはアップし、4.6となります。■ 長期契約できない場合もある!?ただし、地震保険は単独で加入できる保険ではなく、火災保険に加入していなければ契約できない保険です。それゆえに、保険期間も火災保険にリンクします。CORA / PIXTA(ピクスタ)保険の保険期間を5年にするためには、火災保険が5年を超える長期契約でなければなりません。契約できるかどうか、また保険料も自宅の構造や、契約内容で金額は変わってきます。まずは我が家の場合を確認するために、加入している保険会社や代理店に確認してみることをオススメします。【参考】※2019年1月 地震保険制度改定の概要
2018年07月04日我が家は大阪府の北部に位置しています。6月18日の地震では、大変な揺れに見舞われました。しかし、食器類が割れたり破損することは全くありませんでした!どうして?なぜ?それはリノベーションの際、食器収納を「棚」にしない、という選択をしたからです。以前住んでいたマンションの食器棚は吊り下げ式で、手が届く一番下の段しか使えませんでした。しかも扉がなかったので、生活感のある食器が丸見え。ホコリもたまるし、とっても不便に感じていました。ということで、新居の食器収納はその逆にしようと決めたのです。■ 引き出しに全部入れちゃえ!食器棚、というくらいだから棚であるべきだと思い込んでいた私ですが、それをいい意味で覆してくれたのが、ある有名スタイリストさんの自宅の写真でした。センスの良い食器類を大量に所持していた彼女は、棚と並列して引き出しを食器収納に使っていたんです。「目から鱗」。服とか文房具とかタオルみたいに食器も引き出しに収納すれば、見た目もスッキリなるやん!このアイデアをさっそくいただくことにしました。■ 高さは抑えて、腰から上には収納を作らない我が家の食器収納のポイントは大きく2つあります。1つは圧迫感をなくすことです。市販の食器棚って、結構高さがあるから圧迫感がもありますよね。キッチンといえどもリビングやダイニングの一部として機能して欲しかったので、収納はスッキリ整えたかったということもあり、腰よりも上に設置するのをやめました。2つめは食器を見えないようにする、です。食器棚って、ガラス扉がついているデザインもありますよね。私はセンスのかけらもない人間なんで、生活感がどんどん放たれる日常使いの食器を人目にさらす勇気はございません。このふたつの条件をクリアできたのが、引き出し収納でした。■ 地震の時も食器は無事だった!地震が起こったのは、ちょうど子どもが幼稚園に出かける頃です。私も水筒の用意などでキッチンに立っている時間でした。地震の直後は気が動転して気がつかなかったのですが、落ち着いて家財道具を点検してみると、なんと食器類は割れることなく、全て無事でした!引き出しは少し開いていたものの、食器が飛び出すことはありませんでした。もし腰から上の食器棚にしていたら……、その棚の扉がガラスだったら……、私や子どもの頭や顔、目などにガラスや陶磁器の破片が直撃していたかもしれません。割れたガラスや陶器類は、地震の二次災害を生み出しやすくします。防災の面から見ても、引き出しは食器収納の優等生だと今回の地震で実感しました。ちなみに引き出し上のガラス窓は、全ての窓に飛散防止のフィルムを貼って防災対策をしています。■ 高さのバリエーションがあれば、もっと良かったかも…食器棚にはほぼほぼ満足しているのですが、残念だった点もあります。食器は全て収納できたのですが、中にはもったいない引き出しもあります。よく使う食器はなるべくその上に他の食器を重ねたりしたくないのですが、そうなると高さが余って余って。空間の無駄使いです。反対に、プレート皿をスッキリと立てて収納しようと思ったら高さが足りなかったりして。事前に細かく、どういう皿をどこにどうやって収納するのか?ということまで考えて作っていたらなーと思います。予算も限られていたので、それぞれの引き出しを違うサイズにするのは難しかったのかもしれませんが、もう少し使いやすい深さを考えられたら良かったです。もうひとつ残念だったのは、奥行きを32センチ以上にできたらなーということです。32センチというのはファイルボックスのサイズなんですよ。収納上手さんが多用しているファイルボックス。お皿の収納にも使っている方が多いですよね。私も真似しようと思って試してみると、なんと我が家の引き出しはギリギリ31センチでアウト!世の中で流通している便利な収納グッズのサイズも参考に作ったほうがいいですね。いかがでしたか?食器は収納してみると、見た目以上にかさばります。ですのでまずは家じゅうの食器をテーブルや床に全て出してみて、断捨離することもお勧めします。食器収納は使い勝手を重要視しながらも、インテリアの邪魔をしないものを選びたいですね。
2018年06月26日大きな地震の後は、防災意識が高まります。でも、「とりあえず防災リュック!」と思っていませんか?もちろん、防災リュックはあったほうがいいですが、まず第一は命を守ること!私は2年前に熊本地震を経験しました。家が命を脅かす場所になるという危険性も知りました。まず見直すべきは防災リュックより家の中!命に直結しますからね。家の中で、とりあえずここを見直してほしいと思うポイントをご紹介します。■ 1.背の高い家具Graphs / PIXTA(ピクスタ)家の中で一番危険なのがこれ!大きな家具が倒れたら大人でもひとたまりもありません。耐震グッズをつけることが前提ですが、中には「耐震用の棒が外れて倒れた!」という方も。これはつける位置やサイズが間違っている可能性があります。時間が経つと緩んでくることもあるので、今一度ご確認ください。海外のインテリアで天井まであるような棚を見かけますが、あれは地震のない地域のもの!日本に住んでいる限りは、オシャレさより安全性を取るべきだと思います。■ 2.詰め込みすぎの棚小さな棚であっても詰め込みすぎは禁物です。特に注意すべきは食器棚と本棚。棚自体も危険ですが、食器や本の1つ1つが凶器になります。■ 3.頭上に置いている重いもの土鍋や季節外の家電などを冷蔵庫の上やタンスの上に置いていませんか?このせいで怪我をされた方が大勢いるので本当に危険!整理収納の意味も兼ねて、今こそ見直すべきがかもしれませんね。■ 4.陶器のライトやガラスのシャンデリアこれは私も経験したのですが、陶器のライトが割れました。転がってる陶器の破片を見た時は本当に怖かったです。大きな地震が来たときはしゃがむのが精一杯!もし、この照明の下にいる時に地震が来てたら……。考えるだけでもゾッとしますよね。割れない素材のものが一番ですが、もし選ぶ際はダイニングテーブルの上など、下に人がいない場所にしてください。■ 5.閉められない食器棚最近人気なのがキッチンのオープン棚。インスタ映えするので憧れるのはわかります。ただ、大きな鍋や食器を並べているのは気になります。もし落ちてきても身を守れるか、インスタ映えより防災の目線で確認してみてください。■ 6.布団まわりの家具freeangle / PIXTA(ピクスタ)寝室では、立った状態では大丈夫でも、寝てみると危険な場合があります。睡眠中はもっとも無防備な状態ですからね。実際に寝転んでみると思わぬ発見があるかもしれませんよ。■ 7.玄関周りの家具・荷物Graphs / PIXTA(ピクスタ)家の状態によっては、逃げ道を確保することも大事!閉じ込められるのは危険です。すぐに靴が履けますか?玄関に荷物が積んでありませんか?内開き、外開き、どっちですか?一度シミュレーションしてみてください。これらの地震対策ができたら、次は防災リュックの準備です。鉄は熱いうちに!記憶は新しいうちに!準備はやる気のあるうちに!そろそろ本気で見直しませんか?
2018年06月24日もしも仕事中、しかも社外で地震が発生したら? 防災対策の識者お二人に防災マニュアルを教えてもらいました。教えてくれたのは、「一般社団法人 防災ガール」代表理事の田中美咲さんと、危機管理アドバイザーの国崎信江さんです。社外で打ち合わせ中に揺れたら、慣れない場所でも、できる限りの努力を。「基本は自社にいるときと同じ。倒れそうな棚や、窓ガラスから離れます。机の下に潜り込む、持っているカバンやアウターなどで頭をカバーするなど、できる限り体を守る工夫を」(田中さん)。勝手が分からないオフィスでは、安全なスペースを探す日頃の訓練が、功を奏するはず。揺れがおさまったら、自分の居場所を上司に伝える。避難するときは、訪問先の施設のルールに従って。誘導してもらえないときは、自身の判断で行動する。「自社の人や家族に、災害用伝言板などで自分がどこにいるか伝えること。万一、その後何があったとき、どのエリアに自分がいるか把握してもらえるようにします」(国崎さん)路上を歩いているときに揺れたら、塀や電柱のないところへ。カバンで頭を守りながら、電柱、看板、ガラスなどから離れる。住宅街では、ブロック塀が崩れてくるかも。「車が走っていなければ、ひかれないよう手を振りながら車道中央へ逃げてもよいでしょう」(田中さん)揺れがおさまったら、公園など、広い場所へ移動。「人の流れに乗って駅などへ向かうと、帰宅困難に陥る可能性大。まずは広い公園などへ移動を」(田中さん)。スマホなどで情報を集め、帰宅困難な状況が発生しているなら、開いてるカフェで待つくらいの余裕を持って。田中美咲さん「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。国崎信江さん危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。※『anan』2017年2月8日号より。イラスト・深川 優文・風間裕美子(by anan編集部)
2018年06月18日災害時は一瞬の判断が生死の別れ目に!世界有数の地震大国・日本に住んでいる限り、いつ被害が発生してもおかしくはありません。窓ガラスに看板、出口に押し寄せる人波。災害時の街は、危険がいっぱい!「一般社団法人 防災ガール」代表理事の田中美咲さんと、危機管理アドバイザーの国崎信江さんに、電車に乗っているとき、地下鉄・地下街にいるときの危険回避の方法を教えていただきました。車に乗っているときに揺れたら、路肩に寄せて車内で待機。地震が起きたと気づいたら、ハザードランプをつけ、後続車に気をつけてスピードダウンし、左の路肩に停止。「空きの駐車スペースがあれば、できる限りそこに停めます。カーラジオで情報を集めましょう」(国崎さん)揺れがおさまったら、連絡先を残して歩いて避難。「連絡先を書いた紙を残し、車検証を持って出ます。駐車した場所を忘れないよう、携帯やスマホでその場所の写真を撮っておきましょう」(国崎さん)。メモやペンがなければ、窓にルージュの伝言もあり。地下街、地下鉄車内にいるときに揺れたら、壊れそうなものから離れる。「地下鉄に乗っているときは、窓から離れて手すりやつり革につかまって。地下街ではガラスから離れ、倒れてくるもののない通路の中央で待機します」(田中さん)。両手に買い物袋を持っていたとしても手放す勇気を。揺れがおさまったら、出口付近でしばし待機。地下で恐ろしいのは揺れではなく、水という説も。「壊れた壁から地下水が漏れたり、津波で浸水する恐れも。いざとなったらすぐに地上に出るべく、出口の階段から地上の様子を見て、どちらか判断を」(国崎さん)田中美咲さん「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。国崎信江さん危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。※『anan』2017年2月8日号より。イラスト・深川 優文・風間裕美子(by anan編集部)
2018年06月18日アイドルグループ・NMB48の山本彩が18日、自身のツイッターを更新し、大阪府北部を震源とする地震の影響による実家の状況を伝えた。NMB48の山本彩山本は「大阪、関西の皆様ご無事でしょうか。。。」と書き出し、「私の実家も無事連絡取れましたが家がぐちゃぐちゃになる程みたいです。。」と実家の状況を報告。自身については「私自身は東京なので大丈夫です」と伝え、「余震や二次災害の恐れもあるので十分注意して下さい。。」と呼びかけた。その後、再び更新し、「先程のツイートで家がぐちゃぐちゃにと書きましたかが正しくは家の中がぐちゃぐちゃに、です。。誤解を生んでいたらすみません」と補足した。また、16日に開票イベントが行われた「第10回AKB48世界選抜総選挙」でNMB48で最も順位が高い14位にランクインした吉田朱里も、ツイッターで「大阪の皆さん地震大丈夫ですか?私はお仕事で東京にいるので無事です!家族とも連絡とれて安否確認できました!ご心配ありがとうございます」と報告。「余震とか、引き続き気をつけてください。皆さんが無事でありますように…」とファンらの無事を願った。
2018年06月18日もしもオフィスで仕事中に地震が起きたら、身の安全を確保して連絡を取るのはもちろん、どのタイミングで自宅へ帰るのかも問題に。そんな時、どのような行動をとれば良いのか、防災識者に話をうかがいました。教えてくれたのは、「一般社団法人 防災ガール」代表理事の田中美咲さんと、危機管理アドバイザーの国崎信江さんです。エレベーターの中にいるときに揺れたら、すかさずフロアボタンを押す。停電して閉じ込められる恐れがあるので、全階のボタンをプッシュ。止まった階ですかさず降りるべし。「新しいエレベーターなら、地震で揺れると最寄り階に停止します。けれど万一閉じ込められた場合のことを想定し、バッグには必要最低限の備えを」(国崎さん)揺れがおさまったら、その後は階段で。「下の階へは階段を使います。たとえ動いていたとしても、いつ停電して止まるか分からないエレベーターは使わないこと」(国崎さん)。階段では余震に備え、手すりにつかまって。女子たるもの、社内でもヒールでキメたい気分だけど、可能ならフラットな靴に履き替えて社内移動を。デスクワーク中に揺れたら、コピー機や窓ガラスから離れる。「転倒しそうな棚や、割れそうな窓ガラスから離れて。机の下に入ったり、椅子と椅子の間の通路で身を低くして、揺れがおさまるのを待ちます。キャスター式のコピー機や、ホワイトボードなども危険です」(田中さん)。高層ビルの上階では、割れた窓から放り出される可能性も!揺れがおさまったら、上司や警備員についてレッツ避難。上司の指示に従い、速やかに避難を。もしひとりで残業していたなら、会社にいることを上司に一報。「ひとりだと、恐怖心からパニックになる可能性があります。ビルの警備員さんのところへ行って一緒に避難したり、人がいそうな飲食店などへ逃げるとよいでしょう」(田中さん)田中美咲さん「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。国崎信江さん危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。※『anan』2017年2月8日号より。イラスト・深川 優文・風間裕美子(by anan編集部)
2018年06月18日グラリときたら?おさまったら?2ステップで覚えたい安全対策。大きな揺れがきたら、思わずフリーズしてしまいそう!だけど最低限、揺れたときとその後の行動は覚えておきたい。「一般社団法人 防災ガール」代表理事の田中美咲さんと、危機管理アドバイザーの国崎信江さんにお話を聞きました。安全第一の行動ができる、“スキなし女子” を目指して。「揺れている間は、まず頭と体を守ります。すぐ逃げようとすると、転んでケガをする恐れも。揺れがおさまってから、安全な場所を確認して避難しましょう。このふたつを押さえられれば、無事でいる確率は上がるはず」(田中さん)さらに物理的&心理的な事前準備をしておけば、よりスムーズな避難ができるように。「家具を固定したり、非常用品を備えておくのは当たり前。災害に対する心構えも必要です。どのスペースが安全か、どこに非常口があるのか、常に探すクセをつけるとよいですよ。さらに、自分の家やオフィスの耐震強度は必ず調べておくこと。強度が低いのに中でぐずぐずしていたら、建物に押しつぶされます。強度が高ければ慌てて逃げる必要がなくなり、外で落下物にぶつかる恐れが低くなります」(国崎さん)では、寝ているときに地震が起きたら?自分を守る行動について教えてもらいました。揺れたときは、布団をかぶってじっと待つ。揺れている間に起き出そうとすると、ベッドから転げ落ちたり落下物でケガをする恐れが。揺れがおさまるまでは、布団を頭からかぶって無事を祈るべし。「揺れている間は、できることがほぼありません。物がぶつかる衝撃を少しでも軽減するために、布団をかぶります」(国崎さん)おさまったら外へ出られるように準備を。「床に散ったガラスなどを踏まないようスリッパを履き、外へ避難する動線を確保。停電で真っ暗なときは、スマホ画面の灯りを頼りに動くとよいでしょう。テレビやラジオで避難指示などが出ていれば、速やかに従って」(田中さん)。すっぴんを気にする猶予はナシ。そのままGO!田中美咲さん「一般社団法人 防災ガール」代表理事。“防災をこれからのフェーズへ”をモットーに全国の仲間と活動。国崎信江さん危機管理アドバイザー。「危機管理教育研究所」代表。女性の視点で防災・防犯対策を提唱。防災にまつわる著書も多数。※『anan』2017年2月8日号より。イラスト・深川 優文・風間裕美子(by anan編集部)
2018年06月18日元SKE48で女優の松井玲奈が18日、大阪で地震に遭ったことをブログで伝え、無事を報告した。松井玲奈同日午前7時58分ごろ、大阪北部で震度6弱の地震が発生。松井は18日午前9時23分に更新したブログで大阪に滞在中だったことを明かし、「朝、ドカンと下から突き上げるように揺れました。大きな揺れに直面した経験があまりなかったので、凄くびっくりしましたが、ホテルだったので倒れる物もなく、無事に過ごしています」と当時・現在の状況を説明した。また、「大阪の皆さんや、周りの揺れがあった地域の方々は怪我などしていないでしょうか? 鉄道が止まったり、震源の高槻の方はまだ余震が続いているみたいで心配です。このまま、大きな揺れがまた起りませんように」と共に、「新幹線や、車内、ホームで止められてしまっている方達も適度に休んだり、水分をとって体を労わって上げてくださいね」と思いやる松井。最後に「大阪にいるけれど、マネージャーさんも一緒に来ているので松井は大丈夫です!」と呼びかけ、ファンからは安堵の声が寄せられている。
2018年06月18日「もし今、地震が起きたら……」。誰もが一度は想像したことがあるのでは?震災の多い国と言われている日本に住む以上、他人事のように考えず一人ひとりが意識して備える必要があります。今回はそんなもしものときの備えについて、我が家の防災グッズを紹介します。防災グッズの置き場所我が家では基本的な防災グッズは玄関に置いています。家を建てるときにシューズクローゼットに追加で収納を増やしてもらい、ここにまとめておいています。重たい水は一番下に収納。もし災害にあって水道が使えなくなった場合、1人当たり3Lが必要量と言われています。例えば4人家族の場合、最低3日分は確保したいので、3L×4人×3日で36Lが我が家の備蓄に必要な量。2Lのペットボトルなら18本必要ということになります。ただ、水は地震などでペットボトルが破損する場合もあるので、1ヵ所に固めずに、家中のあちこち分散させて用意しておくのがいいようです。我が家では玄関に12本、2階のクローゼットに10本をストックしています。そのまま置いていますが、セーフティーボックスに入れるなどしておくとより安心ですよね。食べ慣れた味をストックするこれは1人あたりの1日分の食料です。これも水と同様、最低3日分用意するのが望ましく、家族の人数分用意します。用意しているのは災害用の食料品ではありません。以前は「賞味期限5年後」というような災害用の食料品を買っていましたが、実際に食べてみると、いつもと違う味に戸惑ってしまいました。食べ慣れない味にストレスを感じてしまうこともあるようです。それからは「ローリングストック法」を取り入れています。ローリングストック法とは、災害に備えて普段食べている食料品を少し多めに購入し、ストックしておいて消費しながら食べた分を買い足していく方法です。ローリングストック法の一番のメリットは「食べ慣れた味」というところ。ときどき家族で非常食を食べて、お互いに味の好みを知ったり、話し合ったりしています。ストレスを軽減するもの間食も栄養補給とストレス発散のためにも用意するといいですね。好きな飲み物をストックしておくのも大切です。食べ慣れた味、知っている味はやはりホッとします。無理せずに備えておけるのでぜひ実践してみてくださいね。要・練習!衛生用品衛生用品では携帯簡易トイレはいくつか持っておくと安心ですね。そして大切なのは一度練習しておくこと。いつもと違う状況では上手くできないこともあるので、届いたら使ってみることが大事です。水不足などで歯磨きができないことを想定して、マウスウォッシュと歯磨きシートも準備しました。無印良品の歯磨きシートは歯がツルッとなり、スッキリします。水のいらないシャンプーも役立ちそうです。あとは絆創膏や包帯、消毒綿なども用意しています。ほかにもトイレットペーパー、ティッシュペーパー、生理用品もストックしておくといいですね。いくつあっても困らないモノ懐中電灯や携帯ラジオも持っておくといいですね。我が家にはこの2つは部屋のあちこちに置いています。懐中電灯とラジオが一体になっているものもあるので、チェックしてみてください。一番左の黒い大きなライトはLEDが72個ついているので、かなり明るく広く照射します。フックとマグネットもついているので、応用が効いて便利です。隣のシルバーのものは、ライトと笛がセットになっています。作業をしたいときには、口に加えることもできます。その隣の黒いものは、頭に巻いて使える懐中電灯です。一番右の白いLEDライトはラジオと、スマホの充電もできる優れものです。その他にもあると便利なもの食料、衛生用品などと同じくらい重要なモノがこちら。金槌、ライター、ビニールテープ、マジックペン、乾電池、ラップ、ゴミ袋などです。乾電池は過去に液漏れしていたことがありました。本当に必要な時に使えなくては意味がないので、日頃からマメにチェックした方がいいですね。温熱シートはセリアで購入しましたが、とても薄いのに暖かく感じたので、家族分ストックしています。今回は防災グッズを紹介しました。いつやってくるか分からないので、常に意識することが大切です。そして家族にも防災グッズの置き場所や使い方を共有し、確認して、日頃から対策をしておきたいですね。●ライターRumi
2018年05月16日先だって開催された、ペット同伴で参加できる国内最大級のイベント『第8回 インターペット ~人とペットの豊かな暮らしフェア~』。ペットとの暮らしをより充実させるためのさまざまなプロダクトやサービスが出展されました。そのなかでも今回、私たちが注目したキーワードは “防災” です。期間中に行われたセミナー<災害時における人とペットの共生はいかにあるべきか>登壇のために熊本から会場入りした獣医師・德田竜之介先生に、犬や猫と暮らす私たちが災害にどう備えておくべきか、お話を伺いました。德田竜之介先生 プロフィール獣医師。竜之介動物病院院長。1994年、熊本市にて開院。東日本大震災の被災地を視察し「家族は離れてはいけない」ことを痛感し、自身の病院を耐震構造に建て替える。2016年の熊本地震発生の際には、動物同伴の避難者専用の避難所として病院を開放。1ヶ月にわたって1,500人の避難者を受け入れた。HP: Facebook: @RyunosukeAnimalHospital Blog: twitter: @tokudaryunosuke ■「ペットが一緒だから」乗り越えられる東日本大震災の被災地視察で德田先生が目にしたのは、飼い主とペットが一緒に避難できず、離れ離れになっていた現状。各家庭ではペットは “家族の一員” でも、一歩家庭から出れば、まだまだ “社会の一員” にはなっていないという実情が、災害によって顕在化したということでしょう。これはなんとかしなくては、と使命感を抱いた德田先生は、自身の病院を耐震構造のビルに建て替えました。熊本地震が発生したのは果してその2年半後のこと。病院を同伴動物のいる人専用の避難所として開放し、延べ1,500人を受け入れたそうです。「うちの避難所は和気藹々として、とにかく明るかったんですよ」と德田先生は当時を振り返ります。「避難所というのはとかく静かで、雰囲気も暗くなりがち。でも、動物たちがそばにいるだけで元気になるし、自然と会話が弾むんです。しかも世話をする対象がいるというのは、強い。水やフードの確保に行ったり、飼い主同士で協力し合ったりと、みなさん積極的に行動していました」。大変な状況下だからこそ、明るく楽しく、前向きな気持ちでいられることが重要になってくる。つまり、「災害時だからこそ、ペットがいるほうがいい」。德田先生の実体験を踏まえた結論です。■守るべきものを守るために近い将来に起こるかもしれない災害に備えて、守るべき犬猫がいる私たちがしておくべきこととは、なんでしょうか? 德田先生に教えてもらったのは「防災か・き・く・け・こ」です。か:飼い主のマナー・責任犬猫とはぐれてしまった場合、見つかる切り札となるのが身元表示。首輪につける迷子札と体内に埋め込むマイクロチップで、二重の対策をしておくのがおすすめです。またキャリーバッグやケージなど犬猫の避難場所確保や家具の転倒防止対策といった、自宅の安全対策を施すのも飼い主としての責任です。き:キャリーバッグ災害時、キャリーバッグやケージは必ず使うことになります。移動時だけでなく、避難所での犬猫のプライベートルームの役割も。おとなしく入っていられるように、普段から慣らしておきましょう。く:薬・ごはん(備蓄品)最低3日分、できれば1週間分のフードと水は備蓄しておきましょう。持病薬や療法食など特定のものは最優先で用意を。他には、リードやハーネス、トイレやペットシーツ、バスタオルや毛布など。ストレス解消に、おもちゃやおやつなどもあるといいでしょう。け:健康管理環境の変化には、人間よりも動物のほうが敏感。災害時には恐怖やストレスで体調を崩しがちになり、持病が悪化することも。そんなときこそ、普段の健康状態を把握していることが重要になります。またワクチン接種やノミ・ダニ予防、清潔にしておくことも、避難所などの共同生活においては鍵になります。こ:行動・しつけハーネスやリード、クレートに慣らしておくこと。人や他の動物や音といったさまざまな刺激や環境に慣らしておくこと。また、トイレをはじめとする基本的なしつけをしておくこと。動物自身のストレスを軽減するためにも、避難先でトラブルにならないためにも必要です。犬や猫がいる家族と、小さな子どもがいる家族とは、たとえば「避難所で肩身の狭い思いをするという意味でも、同じような心境になると思います」と德田先生。「でもね、熊本地震のときも、荷物を背負って、赤ちゃんを抱っこして、犬を2頭連れてるお母さんがいました。守るべき者がいる母は、強いんです」。ママが落ち着いていれば、子どもも動物も安心するもの。備えと心構えをしていると、いざというときに慌てずに済むことはたしかです。動物が自身でも避難できるようキャリーケースは蓋を開けてリビングに置いておく、歩ける子どもにはテーブルの下など避難場所をあらかじめ教えておく、災害時に離れ離れだった場合にどこで落ち合うかを決めておくなど、些細だと思うようなことでも普段から意識して確認しておくことが、有事に生きてきます。■家族の一員から、社会の一員へ備蓄品の物理的な備えよりもむしろ、飼い主としての普段からの姿勢や心構えについての言及が多いことに気がつかれたでしょうか。「飼い主さんのモラルがまだまだ低いと思います。犬猫がうるさく鳴いても我関せずで、ウンチやオシッコも片づけないというようなことでは、世間に認められるのは難しいと思います。“わかってくれないまわりのせい”ではなく、飼い主自身がまず意識をもつこと。周囲に迷惑をかけないためのしつけや訓練が、日頃から必要です」犬猫が社会の一員となれるかどうかは、飼い主であるあなたの行動にかかっています。そして、災害は誰のせいでもありません。各自が責任をもって、家族とともに状況に柔軟に対応していく力が必要なのです。「防災か・き・く・け・こ」をはじめ、避難状況別の過ごし方なども紹介 『どんな災害でもネコといっしょ』 小学館クリエイティブ ¥1,300(税別)災害対策をテーマにした本は数多あれど、本書はペットを介した“人”のための災害対策がコンセプト。災害時に猫と一緒にいるか、いないかでの状況別対応の仕方、また在宅か避難所かといった、避難先の状況別の過ごし方など、熊本地震での経験を踏まえた実益な情報が満載です。イヌ版は、2018年8月に発売予定。 取材協力:『第8回 インターペット ~人とペットの豊かな暮らしフェア~』人とペットのより良い暮らしのためのライフスタイルアイテムやサービスを国内外から一堂に集めたイベント。第8回目を迎えた今年は3月29日〜4月1日の4日間にわたって開催され、過去最大の出店者数(国内420社、海外82社)と来場者数(42,000人超、ペットは16,000頭超)を記録しました。德田先生が登壇したセミナー<災害時における人とペットの共生はいかにあるべきか>や<いっしょに逃げてもいいのかな?>展、またシェルターとして活用できるキャンピングカーの紹介など、ペットと防災をテーマにした展示やプログラムが充実していたのも今年度の特徴でした。
2018年04月17日「先月末、東京都がショッキングな発表を行いました。旧耐震基準で建てられたビルなどを調査したところ、震度6強以上の地震で、倒壊の危険性が『高い』建物は18%、危険性が『ある』建物は11%。合わせて29%に当たる251棟が、大地震で倒壊の恐れがあると判明したというのです」 そう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。旧耐震基準は、’81年5月31日以前の基準で、地震への耐久性が低く、耐震補強などが急がれているものだ。 「危険性が高い建物の中には、『紀伊國屋書店新宿本店』のある紀伊國屋ビルディングや、商業施設『渋谷109』のある道玄坂共同ビルなども含まれていて驚きました」(荻原さん・以下同) 東京以外でも、同様の調査が行われている。大地震で倒壊の恐れがある建物は、大阪市に21%、名古屋市に15%、横浜市にも7%ある。 「東京などの大都市から開発が進んだため、旧耐震基準の大型ビルは都心部に集中しています。とはいえ、地方には古くからの家屋も多く、安心とはいえません。日本中、地震の危険とは隣り合わせです」 そこで荻原さんが、地震への経済的な備えである「地震保険」について、解説してくれた。地震保険には、火災保険などと違った特徴があるという。 【1】政府が管掌している 「民間の損害保険(以下、損保)会社が保険金を支払えないほど被害が巨額になった場合、政府が支払いを行います」 【2】火災保険とセットで契約 「地震保険は、単独では契約できません。火災保険に特約として付帯しますが、契約途中からでも追加できます。火災保険自体は損保会社によりさまざまですが、地震保険部分は全国統一。どの保険会社で契約しても、補償内容も保険料も同じです」 【3】補償は火災保険の30〜50%で設定 「補償の対象は、住むための建物と生活に必要な家財です。工場や事務所、30万円を超える宝石などは含まれません。また、補償は火災保険の保険金の30〜50%までで、建物は5,000万円、家財は1,000万円を上限とします」
2018年04月13日兄の連れてきた婚約者は…
いきすぎた自然派ママがこわい
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