タレント・志村けんさんが新型コロナウイルスによる肺炎のため70歳で亡くなったことを受け、歌手の和田アキ子(69)が30日、所属事務所を通じて追悼コメントを発表した。和田は、「とにかく残念です。本当に回復を願ってました。回復すると信じていたので、、、」と突然の訃報に悲痛な思いをつづり、「志村(昔からそう呼んでいたので、あえてそのまま呼ばせてください)とは、志村がまだ全員集合の時にボーヤをやっていた頃からの付き合いです」と思い出をさかのぼった。「当時、志村はコーヒーを楽屋で売っていて、毎回それを買ってあげると物凄く喜んでくれました。それからの活躍はそれはそれはすごくて。音楽も詳しくて、お笑いの才能はズバ抜けていて、凄いなぁと尊敬していました。飲み屋で一緒になる事が多くて、何度かばったり会って飲みました。とにかく静か~に寡黙に飲むんですよ。『楽しいの? 私といるからつまらないの?』って聞いたら、『楽しいですよ。いつもこんな感じです』って、これまた小さい声で笑って答えていました」そして、「最後に会ったのは、正月の『格付けチェック』の番組です」と明かす和田。「『お互い歳だから、仕事に感謝して頑張って行こうな』って話していたんですよね、、また1人、才能あふれる人が亡くなってしまいました、、本当に残念でならないです」と悼み、「心からご冥福をお祈り申し上げます」と結んでいる。
2020年03月30日お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が30日、自身のツイッターを更新。新型コロナウイルスに感染し入院していたお笑いタレント・志村けんさんが29日に亡くなったことを受け、「素晴らしいおじさん。ありがとうございました」と追悼した。志村さんの新型コロナウイルス感染が明らかになってから、芸能界では回復を願う声が続々と上がり、松本も29日に放送されたフジテレビ系『ワイドナショー』で、「回復したときにはタバコをやめさせましょう。いまだに2箱吸ってるっていうんで」と話していた。
2020年03月30日歌手でタレントの研ナオコが30日、自身のツイッターを更新。新型コロナウイルスに感染し入院していたお笑いタレントの志村けんさんが29日に亡くなったことを受け、胸中を吐露した。『志村けんのバカ殿様』などで共演してきた研は、「けんちゃん、駄目だった(涙)どうしよう、、..」とツイート。その後、「今は何も考えられませんけんちゃんと、もう会えなくなっちゃう悲し過ぎてあり過ぎる想いが整理できません」と心境をつづり、「一緒に仕事が出来て幸せでしたありがとう…」と感謝の思いを記した。志村さんの訃報に、芸能界では悲しみの声が続出。SNSでも「信じられない」「ショック」といった声が相次いでいる。
2020年03月30日映画『キネマの神様』で菅田将暉とW主演を務める予定だった志村けんが、同作への出演を辞退したことが分かった。志村さんの所属事務所である「イザワオフィス」は、昨日、志村さんの健康状態に関する文面を発表。新型コロナウイルス検査の陽性が確認され、入院・闘病中だという。また『キネマの神様』は、松竹映画100周年のメモリアルイヤーを記念した映画。日本映画界を代表する山田洋次監督がメガホンをとり、原田マハの同名小説を映画化。志村さんと菅田さんは、主人公ゴウを二人一役で演じ、12月に公開される予定だった。なお、『鉄道員』(’99)以来21年ぶりの映画出演、そして初主演となる予定だった志村さん。新たな出演者や撮影スケジュールなどは、現時点で協議に至っていないという。以下、関係者コメント・株式会社イザワオフィス 代表取締役社長 井澤健今年70歳を迎えた志村にとって、本作品は人生で初の主演映画ということもあり、大きな勇気と強い意気込みで臨んでいました。それだけに、山田組の皆様にご心配とご迷惑をおかけする事になってしまい、志村も私共も、大変申し訳なく思っております。そこで此度、出演を辞退させて頂くことに致しました。作品のご成功を心よりお祈りすると共に、志村が病に勝ち、いつかまた山田組の皆様と一緒に撮影をさせて頂くことを願っております。・松竹株式会社 常務取締役映像本部長 大角正出演ご辞退のお申し出を頂き、大変残念でなりません。しかしながら、治療に専念いただくことを山田監督ものぞんでおり、お申し出をお受けすることとさせて頂きました。山田組一同、いつかまた志村さんとご一緒できることを強く願っています。そしてなによりも、志村さんが一日も早くご回復されることを、心よりお祈り申し上げております。(cinemacafe.net)■関連作品:キネマの神様 2020年12月、全国にて公開予定©︎2020「キネマの神様」製作委員会
2020年03月26日新型コロナウイルスの感染で入院中のタレント・志村けん(70)が、初主演映画『キネマの神様』(12月公開)への出演を辞退することが26日、明らかになった。志村の所属事務所・イザワオフィスと配給の松竹が連名の文書で発表した。3月のクランクイン、5月のクランクアップを予定していたが、新たな出演者や撮影スケジュールなどは、現時点で協議に至っていないという。イザワオフィスの代表取締役社長・井澤健氏は、「今年70歳を迎えた志村にとって、本作品は人生で初の主演映画ということもあり、大きな勇気と強い意気込みで臨んでいました」と振り返り、「それだけに、山田組の皆様にご心配とご迷惑をおかけする事になってしまい、志村も私共も、大変申し訳なく思っております」と陳謝。「そこで此度、出演を辞退させて頂くことに致しました」と報告し、「作品のご成功を心よりお祈りすると共に、志村が病に勝ち、いつかまた山田組の皆様と一緒に撮影をさせて頂くことを願っております」と山田洋次監督との再タッグを誓う。一方、松竹の常務取締役映像本部長・大角正氏は、「出演ご辞退のお申し出を頂き、大変残念でなりません」と落胆しつつ、「しかしながら、治療に専念いただくことを山田監督ものぞんでおり、お申し出をお受けすることとさせて頂きました」と受諾の経緯を説明。「山田組一同、いつかまた志村さんとご一緒できることを強く願っています。そしてなによりも、志村さんが一日も早くご回復されることを、心よりお祈り申し上げております」と治療中の志村にエールを送った。本作は、小説家・原田マハ氏の同名小説を原作に、「松竹映画100周年記念作品」として山田洋次監督がメガホンを握る。志村は、ダブル主演となる菅田将暉と初共演し、世代を超えた二人一役の主人公を演じる予定だった。
2020年03月26日志村けん(70)が新型コロナウイルス陽性に診断されたと、3月25日に発表された。各紙によると志村は17日より倦怠感の症状があり、自宅で静養。発熱・呼吸困難の症状が出現し、都内の病院へ搬送された。そして検査をしたところ、23日に陽性との結果が。所属事務所は「本日3月25日現在に至るまで、入院・闘病を続けております」と明かしており、感染経路は不明だという。日本の著名人で陽性反応が出たと報じられたのは、志村が初めて。厚生労働省は新型コロナウイルスについて、高齢者が重症化しやすいと注意喚起をしている。だが、70歳となった志村は日頃から体調管理につとめてきた。18年10月、本誌は志村の健康不安を報じている。病院での検査結果が悪かったため、医師から酒量を減らすよう言い渡されたという志村。だが、当時も体力づくりに励んでいた。「あるとき、志村さんが『バカ殿はもうできない……』と漏らしていたんです。一時はこちらが心配になるほどでした。ですが、それから志村さんは身体に気を使うようになったようです。定期的に病院で検査を受けるだけでなく、ウォーキングも行うようになっていました」(前出・芸能関係者)また本誌3月17日号では、志村が今年1月に極秘手術を受けていたことも伝えていた。定期検診で胃にポリープが見つかり、切除していたという。所属事務所担当者はこう明かしていた。「4日ほどは入院していました。術後は患部の炎症を避けるため、数日間は食事制限や禁酒をするよう言われていました。その“制限”もすでに解かれていて、普通に飲み食いもしています。体重も落ちていないようです」そうして回復していたなか、コロナウイルスの陽性反応が出た志村。「天才!志村どうぶつ園」(日本テレビ系)で共演しているハリセンボンの近藤春菜(37)は25日、「スッキリ」(同局)で「20日前にお会いした時は本当にいつも通り、元気な感じで……」とコメント。「ゆっくりお大事にされて、早く戻ってきて欲しいなと思う」とも語った。また今年1月に「志村けんのバカ殿様 マツコもサンドも氷川も初笑いSP」(フジテレビ系)に出演した氷川きよし(42)もInstagramで《志村けんさんの事、本当に心配です。絶対に絶対にお元気になられます様に一生懸命に祈ってます!》と投稿。さらに長年、志村とタッグを組んできた研ナオコ(66)はTwitterで《けんちゃん、早く治してまたバカ殿一緒にやりましょうね》とエールを送った。投稿は8時間で13.4万もの“いいね”を記録し、《けんちゃんと研さんの共演心待ちにしております!》《だいじょうだぁが聞こえる。我々も楽しみにしてます!》との声が上がっている。
2020年03月25日都会という“コンクリートジャングル”のなかで暮らしていると、ときには動物や植物に触れて癒されたいと思うもの。そこで、まるで本物の自然のなかにいるような感覚を味わえる注目のドキュメンタリーをご紹介します。それは……。『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』!【映画、ときどき私】 vol. 297愛犬の鳴き声が原因で、大都会ロサンゼルスのアパートを引き上げることとなったジョンとモリー。料理家でもある妻のモリーは、本当に体にいい食べ物を育てるため、夫婦で郊外の荒れた農地へと引っ越すことを決意するのだった。2人は自然の厳しさに翻弄されつつも、“究極の農場”を作るために奮闘することとなる……。世界各国で開催されている映画祭では数々の観客賞に輝き、映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」でも高い評価を獲得している本作。今回は、その魅力についてご本人にお話を伺ってきました。ジョン・チェスター監督!映画制作者であり、監督、カメラマンとしても25年以上のキャリアを誇るチェスター監督。本作では、妻のモリーさんとともに東京ドーム約17個分もの荒れ果てた地を8年かけて美しい農場へと変化させていく様子が映し出されていますが、そこでも語られていない秘話や環境を守るためのアドバイスなどについて、語っていただきました。―今年で農場を始めて10年となりますが、まずはこれまでを振り返ってみてどう感じていますか?監督10年前はこれほど素晴らしく、美しい経験になるとは想像もしていませんでした。最初に私たちが希望として持っていたビジョン以上のものがいまはできていると感じています。―都会を出て、郊外に移住してよかったと思ったのはどんなときですか?監督農場を始めて数か月後から5年目まで以外は、よかったと思っていましたよ。というのも、都会を離れてすぐのころは本当によかったと感じていましたが、そのあとから5年目にかけてまではあまりにも大変だったので、正直言ってそう思えない時期もあったということです。―確かに、とてつもない挑戦をされていると感じました。もう無理だと諦めそうになったこともあったのでは?監督何度も思いましたし、実際に何度もやめると言ったこともありますよ。でも、夜になってベッドのなかで、もし本当にやめたら、明日の朝起きて自分が大切にしてきた動物たちを処分しなければいけないし、いろいろな植物や木を枯らしてしまうことになると考えると、やめるよりも続けるほうが楽だったんです。―なるほど。そういった状況を乗り越えるうえで、ご自身を支えてきた信念があれば教えてください。監督「もっとこういうことができるのではないか」とか「以前の生態系を作り直すことができるはずだ」といった希望や信条は、つねに自分のなかにありました。最初に思っていた以上に時間を費やすことにはなりましたが、美しい発見やマジカルな出来事がいつも起きていたので、そういったことにインスピレーションを受けながら前に進んでこれたと思っています。妻は夢を一緒に追うことができる仲間―農場に暮らしているなかで、一番感動した出来事は何ですか?監督いくつもありますが、そういったエピソードのほとんどは病気になった動物が回復したことと関わっています。なかでも、本当に感動したのは、映画にも出てくるブタのエマが元気になったとき。なぜなら、私にとって動物の生命的な危機を乗り越えた初めての瞬間だったからです。作品には映っていないところで僕は農場で起きるさまざまなことに対処しながら、何日もエマにかかりっきりだったので、当時はかなり疲れ切っていました。やらなければいけないことがあまりにもあったので、ある日エマの頭の上に手を置いて「これ以上僕にできることはない。あとは君にかかっているんだよ」と声をかけ、翌日にエマの子どもたちを小屋に戻すことに。そしたら、エマが自分の力で起き上がり、ようやく餌を食べ始めてくれたのです。―動物たちの持つ力を目の当たりにした素晴らしい瞬間ですね。とはいえ、そのいっぽうで、見せたくない部分があり、葛藤もあったそうですが……。監督映画でもいくつかは見せていますが、やはり動物を安楽死させなければいけない場面を見せるのはつらかったです。あと、嫌だったのは、私と妻がカップルセラピストのオフィスに行って、セラピーを受けているところかな(笑)。―(笑)。ただ、同じ目標に向かっていくご夫婦の姿は素敵でした。監督にとって、奥さまはどんな存在ですか?監督モリーはつねに楽観的な性格で、物事すべてにおいて良い面しか見ない人。だから、私は時々彼女に「世の中はそんなに公平じゃないんだよ」と思い出させる必要があるくらいなんですよ。といっても、モリーはまったく私の言うことを聞いてくれませんけどね……。ただ、彼女と出会ったとき、それぞれが内に秘めていたワイルドでクレイジーな夢を一緒に追うことができると思い、勇気を持った仲間を見つけた気がしました。農場で地球の異常を肌で感じている―実際、この農場はお二人の愛の結晶だと思います。映画のなかで、森林火災に巻き込まれそうになったとき、慌てたモリーさんが意外なものを持って逃げようとしていたところに思わず笑ってしまいました。監督だったら、何を持ち出したと思いますか?監督僕に必要なのは、息子と妻と犬だけ。あとは動物たちがちゃんと無事であれば、それだけで何もいらないかな。パソコンなんかは燃えちゃったほうがいいくらいだから、逆に火のなかに投げ込んでしまうかも(笑)。―(笑)。でも、とっさの判断で奥さまと同じような行動を取ってしまいそうですね。監督もし、おかしなものを持ち出すとしたら、背中をストレッチすることができる丸太のような形のグッズだろうね。というのも、もしどこかに避難することになったら、モリーはきっとストレスが溜まってしまうので、そのときに役立ちそうかなと。ピリピリした人と一緒にいるのは大変ですし、「ハッピーワイフ、ハッピーライフ」というように、妻が幸せなら私の人生も幸せになりますから。―その通りですね!いま話があった森林火災のみならず、さまざまな気候とこれまで戦ってきたと思います。最近は気候変動の問題なども世界的に大きく取り上げられていますが、実際に地球の異常を感じることもありますか?監督もちろんありますよ。顕著に表れているのは、嵐の風速。農場を始めたころは、時速80キロほどだった風速が8年後には時速120キロまで上昇してしまったほど。やはりこれは異常だと思います。いま私たちが行っている再生型の農業を進めていくと、空気中にある二酸化炭素をどんどん吸収してくれるので、この方法で生態系を再生させ、地球を癒していくことが最良の対策だと思って取り組んでいるところです。農家は究極の環境活動家でもある―ちなみに、日本の農家の方から影響を受けている部分もあるそうですが、具体的にはどのようなことでしょうか?監督福岡正信さんの書いた『自然農法 わら一本の革命』という本から学んだのは、農業の方法論ではなくモノの見方。人は問題が起きたときに良いか悪いかだけで対処方法を導きだしてしまいがちですが、正しい見方ができるようになれば、何をすべきかがきちんと見えてくるものだとその本で知りました。論理的な思考を捨てた人や生態系の力を信じ切っている人に対して、多くの人は異議を唱えますが、いまは生態系をコントロールしようとしすぎているところがあります。でも、人間はもっと生態系に謙虚になり、頼ってもいいはずです。福岡さんによると、究極的な農業は「まったく何もしないこと」。それをクレイジーだと言う人もいますが、僕は10年農場を続けて、その考え方やニュアンスを理解できるようになりました。―ちなみに、いまの日本の農業の在り方を外から見て感じることはありますか?監督そこまで日本の農業に詳しいわけではありませんが、私はどんな農家に対してもアドバイスや非難をすることはありません。たとえば、環境を破壊しているように見える産業型の農業を行っている人でさえ、より安いものを食べたいという消費者の要求に応えているだけですから。ただ、私が行っているような農法で育てられた農作物を食べたいという需要が上がれば、この方法に取り組む農家は増えるはずなので、農業にはすごく大きなチャンスがあると思っています。地球を癒すための解決方法のひとつを持っているのは農家だと思うので、農家は究極の環境活動家にもなりえるのです。いまの私たちにできることとは?―もし、農家以外の一般人でも環境のためにできることがあれば、教えてください。監督みなさんに伝えたいことは3つあります。まずは、生ごみからたい肥を作ってほしいということ。自然の資源となるものをただ捨てるのではなく、自宅の庭や畑に戻してほしいと思っています。しかも生ごみというのは、そのまま埋め立て地に入れると、もともと持っている栄養素が消え、メタンガスを発生させてしまうだけですから。そして2つ目は、再生的な農法に取り組んでいる農家をサポートすること。つまり、産業的な農業だけに補助金を出すのではなく、再生的な農業にも補助金が出るように政治家をみなさんの力で動かしてほしいということです。最後は、アメリカでもいつも言っていることですが、子どもたちが将来安心して住める地球を残せるように大人たちがもっと責任を持つこと。地球を救うためには、野生動物や虫、微生物といった生物の多様性を再生させ、表土を豊かにして、地球の免疫作用を回復させなければいけません。私たちの農場でも、この2つの統制を取るように意識しています。―特に都会に住んでいる人たちは自然と共存している感覚が薄れてきているところがあるので、日本の観客に伝えたい思いがあれば、メッセージをお願いします。監督私たちの多くは人生における目的や意味を求めていると思いますが、私たちの存在を可能にしている自然界をあまり評価していないところがあります。それどころか、自然とつながることによって得られる感覚さえも失われているのが現状と言えるでしょう。ぜひこの作品を観ていただき、みなさんも自然の一部であることを思い出してもらえたらうれしいです。人類が忘れかけていることを自然から学ぶ!自然の美しさのみならず、そのなかにある厳しさや残酷さも真正面から映し出した本作。見たことのないような素晴らしい景色と動物たちによって生み出される自然の神秘に、誰もが圧倒されてしまうはず。環境問題が多く取り上げられるいまだからこそ、自分たちも自然によって生かされていること、そして自然のために私たちができることをそれぞれが考えてみては?奇跡の予告編はこちら!作品情報『ビッグ・リトル・ファーム理想の暮らしのつくり方』3月14日(土)、シネスイッチ銀座、新宿ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMA他、全国順次公開配給:シンカphoto credit:Yvette Roman Photography(c) 2018 FarmLore Films, LLC
2020年03月11日「実はこの前、胃を切ったんだよね……」2月22日、都内で志村けん(70)の誕生日パーティが開かれていた。そこで、こんな衝撃発言が飛び出したという。志村といえば、3月30日スタート予定のNHK連続テレビ小説『エール』に出演することが決定。初のドラマ出演とあって、大きな話題を呼んだ。さらには、12月公開の松竹100周年記念映画『キネマの神様』でも主演を務めることが明らかに。70歳の挑戦に注目が集まっている。そんな彼が、極秘手術をしていたのだ。「手術のため、1月15日から1週間近く入院していたそうです。志村さんの告白にみんなびっくりして、それ以上は聞けませんでした。『胃を切るってやっぱり、がんなのかな……』と噂している人もいました」(パーティに参加した芸能関係者)本誌は’18年10月30日号でも、志村の健康不安を報じていた。病院での検査結果が悪かったため、医師から酒量を減らすよう言い渡されたという志村。健康のため、自宅周辺をウオーキングする姿もキャッチしていた。果たして、志村は大丈夫なのか。本誌は容体について聞くべく、所属事務所に問い合わせた。すると、担当者はこう答えた。「たしかに入院はしていました。ただ、“がんで胃を切除した”のではありません。“ポリープを切った”というのが正しいです。もともとお世話になっている先生のところで半年に1度は定期健診を受けていたのですが、今回も『忙しくなる前に見てもらおう』ということになって検査したんです。その結果、ポリープが見つかったんです」手術したのは事実とのこと。今後に影響はないのだろうか。「内視鏡で切ったので、それ自体はすぐに終わりました。ただ万全を期していろいろなところも診てもらったので、4日ほどは入院していました。術後は患部の炎症を避けるため、数日間は食事制限や禁酒をするよう言われていました。その“制限”もすでに解かれていて、普通に飲み食いもしています。体重も落ちていないようですし、仕事に影響はないと思いますよ」(前出・所属事務所担当者)実際、すでに志村は元気に“活動”を再開していた。誕生日パーティ翌週の2月28日、お昼過ぎに志村はロールス・ロイスで麻布十番へと向かう。携帯電話ショップに立ち寄った後に入っていったのは、行きつけの“高級スパ”だった。「誕生日パーティで『お酒飲んでもいいんですか?』と聞いたら、『禁止されていたのが1カ月間だったから、もう大丈夫。まあ、その前から飲んでいたけどね!』と言って笑っていました。もちろん、その後もちゃんと“節制生活”はしていると思いますが……」(前出・パーティに参加した芸能関係者)くれぐれも無理はせず、70歳の好演を見せてほしい!「女性自身」2020年3月17日号 掲載
2020年03月03日いつの時代も、なかなか解決されることのない貧困や移民によって引き起こされる格差社会における問題。いまも世界各地で暴動やデモが繰り返されていますが、そんな悲劇の連鎖に一石投じた衝撃作が、いよいよ日本で公開を迎えます。そこで、いま観るべき映画として紹介するのは……。圧倒的な緊迫感で映し出す『レ・ミゼラブル』!【映画、ときどき私】 vol. 295パリ郊外にあるモンフェルメイユ。ヴィクトル・ユゴーの小説『レ・ミゼラブル』の舞台でもあったこの街は、いまや移民や低所得者が多く住み、危険な犯罪地域と化していた。新たに犯罪防止班へと配属された警官のステファンは、仲間とパトロール中に複数のグループ間に緊張が走っていることを察知する。そんななか、イッサという少年が起こした小さな事件が、大きな騒動を引き起こしてしまう。事態を収束しようとしたステファンたちだったが、思いもよらない出来事が起き、取り返しのつかない状況へと陥るのだった……。カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞し、センセーションを巻き起こした本作は、賞レースでも注目を集めた問題作。そこで、世界の観客たちに衝撃を与えた映画の背景について、こちらの方々にお話いただきました。ラジ・リ監督&スティーヴ・ティアンチューさん!あのスパイク・リー監督が才能を認め、フランスの新鋭として脚光を浴びているラジ・リ監督(写真・右)。監督の出身地であり、現在も暮らしているモンフェルメイユを舞台に、自身の体験を織り交ぜて描いているのが本作です。それゆえに、リアルな臨場感が絶賛されていますが、その世界観を支えている1人が、劇中に市長役で登場しているスティーヴさん(写真・左)。監督に同行して来日していたところ、急遽取材に参加してくれましたので、当事者の目線から伝えたい思いや現実で起きていることの悲惨さについておふたりから語っていただきました。―本作は、世界中に知られているヴィクトル・ユゴーの小説と同じタイトルということで、その裏にはさまざまな監督の考えがあると思いますが、このタイトルに込めた思いから教えてください。監督意図はたくさんありますが、まず『レ・ミゼラブル』にはフランス語で「悲惨な人々」という意味があるので、このタイトルには僕が描きたかったモンフェルメイユ地区の貧困や悲惨な社会的状況が体現されていると感じたからです。もちろん、フランス文学の巨匠でもあるヴィクトル・ユゴーを意識していますし、彼の小説の舞台と同じであることも理由ではあります。ただ、そのときに描かれていた問題が150年経ったいまでも変わっていないということも同時に訴えたいと思ったのです。小説の登場人物と類似性を挙げるとすれば、少年イッサはガヴローシュで、3人の警官はジャベール警部のようなところがあるかもしれません。フランス人でさえも衝撃を受けていた―なるほど。私自身は、パリには何度も訪れたことがありますし、フランスに1か月ほど滞在したこともありますが、こういう現実は目にしたことがありませんでした。華やかなパリを思い描く日本人にとっては驚きだと思いますが、フランス国内での反応はいかがでしたか?監督フランスでも、8割近くの人が衝撃を受けていたと思います。というのも、パリの郊外について語られることはほとんどないですし、取り上げられるとしても、政治家やメディアが少し偏った言い方で語るくらいしかないですから。実際、フランス人でもその地域の住民以外は足を踏み入れる人はほとんどいないほどです。でも、考えてみてください。この場所は、パリの中心から10キロくらいしか離れていないところなんですよ。にもかかわらず、こんなにも悲惨な状況が存在しているということに、フランス人でさえもこの映画を通じて初めて知り、ショックを受けたというのが事実です。つまり、こういった地域というのは隠された場所。政府としては、華やかで、ショッピングが楽しめて、高級ブランドもあって、おいしいワインやチーズがある国というフランスのイメージを植え付けたいという思惑がありますからね。―どこの国にもそういうところがあるのかもしれません。ちなみに、これまでのドキュメンタリー作品でも、暴動の様子を間近で捉えていたりしていますが、ご自身が危険な思いをしたことは?監督住民同士で危険な目にあったことはありませんが、警官との間では危険なこともありましたよ。たとえば、パンを買いに行っただけなのに、その途中で職務質問をされて、そこから事態が悪化するとか……。なので、住民からではなく、警官から挑発されることのほうが多いように感じています。秩序を乱している元凶は、実は警察だったりするものなんですよ。―劇中でもそのような様子は見て取れました。とはいえ、この作品を鑑賞したマクロン大統領もこういった貧困地域の生活条件を改善するように働きかけているそうですね。実際に何か変化はありましたか?監督いえ、まだ何も動き出してはいないと思いますよ。カンヌ国際映画祭で賞を獲ったあとに、マクロン大統領にも作品を観てもらうことができ、閣僚に指示を出したというところまでは聞きましたが、ちょっと時期尚早だったかもしれません。現段階で具体的なプランが進行しているといった話は届いていないですが、こういったことは時間がかかるものですよね。だから、ひょっとしたら2034年くらいになったら動き始めるかなとも思っています(笑)。それに、2018年から起きている政府への抗議デモ「黄色いベスト運動」など、フランスにはいろいろな問題が山積みですから。問題は自分たちが解決するしかない―確かに、すぐに改善するというのは難しいかもしれません。ちなみに、スティーヴさんはモンフェルメイユの隣にある街の出身ということですが、住民から見て一番改善すべき点はどんなところでしょうか?スティーヴさん問題を解決するためには、住民たちが自分たちの手で何とかしようと動き、自分たちを信じるしか方法はないと思っています。僕の祖父はフランスのために血を流して戦った世代であり、両親は労働力の足りない戦後に労働力を提供してインフラを作り上げてきた世代ですが、どちらの世代も国から感謝されることもなく、それらの苦労が報われるような生活を与えられてもいません。つまり、まったくリスペクトされたことがないのです。そんなふうに、自分たちの先祖たちがされてきた仕打ちを目の当たりにしていることもあり、いまのフランス政府にも期待できないので、自分たちで解決しなければいけないと思っています。アフリカのことわざに「一度噛まれた猫のことは信用してはいけない」というのがありますが、まさにその言葉通りだと感じているんですよ。―胸が痛いお話ですね。来日の際には、試写イベントで日本の観客と接する機会もあったそうですが、そこで感じたこともありましたか?監督本作のプロモーションのために、20~30か国くらい回りましたが、反応はどの国も同じですね。なぜなら、このテーマはとてもユニバーサルな価値を持っているから。つまり、社会的な貧困というのはどこの国にも存在していて、それぞれの国の人たちが、「実はうちの国でもこういうことがあって……」と比較しながら考えているからなんですよ。日本だって、テクノロジーの面でいえばほかよりも20年先を行っているような国ですが、貧困は隠されているだけ。だからこそ、表からは見えない貧困のなかで生きようとしている人たちの姿を描いた是枝裕和監督の『万引き家族』のような作品も生まれたのではないでしょうか。社会的な悲惨さというのは、不安を抱かせる要素ですが、このテーマというのは、とてもユニバーサルなものだと私は感じています。次世代の子どもたちのいいモデルになりたい―そうですね、大っぴらに語られてはいませんが、日本にも同じような側面はあると思います。スティーヴさんは初めて日本に来られたということなので、どのような印象を受けたのかをお聞かせください。スティーヴさん僕の友達のなかに、日本を訪れたことがある人は何人もいて、彼らからは「未来の社会があってすごく圧倒されるよ!」と聞いていました。でも、僕らフランス人は『シティーハンター』とか『ドラゴンボール』といった日本のアニメに夢中になって育ってきましたから。そのなかでいろいろな車や景色を見ていたので、そういう意味では昔から知っている場所に来たような感じがしているくらいですよ(笑)。―アニメの影響力はすごいですね。映画の話に戻りますが、本作はカンヌ国際映画祭にはじまり、ゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞など、世界中で高く評価されました。初の長編作品でここまでの反響は予想されていましたか?監督映画がよくできてるんだから、これだけの成功を得られたのは当然のことだよ(笑)!というのは冗談で、本当に誇りに思っています。長編の作品は初めてですが、僕がカメラを回しはじめたのは17歳のころで、いま40歳だから、キャリアとしてはすでに20年以上。なので、これまでの努力と経験がようやく結実したと感じています。多くの人に自分の作品を観てもらうための戦いは、自分の人生のなかでもそれなりにあったので、それが今回の作品で成功したのはうれしいことですよね。パリ郊外の黒人監督がカンヌ国際映画祭で審査員賞受賞を受賞したことも、ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞といった賞にノミネートされることも初めてだったと思うので、非常に光栄なことです。―そういった経験は、今後のモチベーションにもつながっているのではないでしょうか?監督自分の目標のひとつにあるのは、「いい意味での前例やモデルになりたい」ということ。僕にでもこれだけのことができたのだから、次の世代の子どもたちにもついてきてほしいし、こういうことも可能なんだということ知ってほしいので、その目的は果たせたんじゃないかなと思っています。それもあって、いまは映画学校も作ったんですが、そのなかで良い方向への追随性が生まれ、みんなが続いてくれたらいいですね。それがいまの僕が持っている野心です。観客全員に自問自答してほしい―ラストは非常に衝撃的でしたが、最後にこのシーンに込めた思いを教えてください。監督実は、あのシーンは実際に僕の目の前で起きた出来事からインスパイアされています。なので、あのシーンというのは作りものではないんですよ。では、どうしてああいう終わり方にしたかというと、そのほうがこの映画に力強さを与えられると思ったから。つまり、映画を観終わったあとに、「よかったね」とか「悲しいね」というので終わるのではなく、そこからみんながこの問題について考えはじめ、話しはじめてほしかったからです。「もし自分がイッサだったら」「もし自分がステファンだったら」とそれぞれの立場で自問自答し、討論してほしいという願いを込めているので、みなさんにもそれを伝えられたら思っています。いまこそ悲惨な現実を断ち切るべき!一見、豊かで平和に見える国でも、その裏にはさまざまな問題や不安要素を抱えているもの。席から立ちあがれないほど打ちのめされる結末から、未来のための大きな課題を受け取ることができるはず。長年にわたって、多くの人が見ぬ振りしてきた世界が抱える問題であるだけに、日本人も目をそらさずに向き合うべき時が来ているのです。心をえぐる予告編はこちら!作品情報『レ・ミゼラブル』2月28日(金)より、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES©SRAB FILMS LYLY FILMS RECTANGLE PRODUCTIONS
2020年02月27日オリンピックイヤーでもある2020年は、国際交流やダイバーシティへの関心がますます高まるところ。そんななか、今回オススメする映画は、技能実習生として来日するも不法滞在者となってしまう中国人青年を描いた話題作『コンプリシティ/優しい共犯』です。トロント国際映画祭やベルリン国際映画祭でも高い評価を得ている本作の魅力について、こちらの方にお話をうかがってきました。写真・黒川ひろみ(藤竜也)日本が誇る名優・藤竜也さん!【映画、ときどき私】 vol. 285劇中で藤さんが演じたのは、他人になりすました中国人青年チェン・リャンを厳しくも温かく見守り、すべてを受け入れる孤独なそば職人の弘。そこで、圧倒的な存在感を放っている藤さんに、役作りへのこだわりや俳優としての思いなどについて、語っていただきました。―藤さんは作品を選ぶ際には、共演者やギャラなどは一切関係なく、脚本だけで判断されているそうですが、今回の脚本に惹かれた理由を教えてください。藤さんやっぱりいい脚本からは、書き手や監督の「作りたい」という思いと「これを早く映像にして」という声が伝わってくるものなんですよ。それは、チャンスがあるからとりあえず作るような作品にはないものなので、そういう強い思いがあるかどうかが大事なところだと思います。―そのことを知っていた近浦啓監督は、撮影が近づいているにもかかわらず藤さんに渡すまでに何度も脚本をリライトされたそうですが、つまりその時点でも納得できなければ、お断りされていたということでしょうか?藤さん断っていたでしょうね。僕の役は、中国人の青年が日本で切ない青春を送っている様子を見つめている日本のおじいちゃんでしたが、それがロマンティックでいいなと感じたんです。なので、以前もご一緒している近浦監督の作品だから、今回も出ようと思ったわけではなく、脚本がよくて、自分が感じるものがあれば、僕はどなたの作品でも受けますよ。―では、実際に完成した作品をご覧になったときの印象はいかがでしたか?藤さん僕が出ている日本のパートに関しては、脚本を読んだときと同じようなイメージでしたが、中国でのシーンやチェン・リャンが仲間とアパートにいるシーンから醸し出される不思議でエグさのあるエネルギーは新鮮でした。特に、中国のお母さんやおばあちゃんとのイマドキらしくないやりとりも、日本とは違うパワーがあっていいなと思ったところです。とにかく必死でそば打ちに取り組んだ―確かに、日本と中国のパートでは、空気感がまったく違う印象を受けました。役作りに関してもおうかがいしますが、まるで何十年もそば職人として生きてきた人物が放つような佇まいが素晴らしかったですが、どのくらい練習されたのでしょうか?藤さんそば打ちをしたのは20日間。先生をつけてもらい朝から夕方までずっと打ち続け、1回作ってはまたそれをこね直して打つというのを何度も繰り返しました。そば粉を70キロは使ったと思います。その期間は、「なんでもいいからそば屋の魂だけでも俺に乗り移ってくれ!」という気持ちで毎日取り組みました。これさえできれば、あとはそのまま台所に立っているだけでいいと思っていたので、とにかく必死でしたね。―そういった努力の甲斐あって、劇中のそば打ちシーンはすべてご自身によるものとのことですが、その思いが伝わってくるようで非常に印象的でした。藤さんこれまでそば打ちはしたことがありませんでしたが、僕は趣味で陶芸をしていたので、そばをこねる作業は粘土と同じで何とかなりました。ただ、生地を薄く伸ばすのとそば切りがなかなかうまくいかなくて。音だけでもどのくらいの腕前なのかがわかってしまうようなので、そこが一番難しかったですね。―ちなみに、藤さんは職人の役を演じるのがお好きとのことですが、なぜですか?藤さんそれをマスターしたら、ほかには何もしなくていいからです(笑)。その手順ができるようになると、背中がそれっぽく見える状態になるんですよ。なので、たとえば困っちゃうのは、警官の役。「俳優なんですけど、制服を着て一緒に仕事させてもらえませんか?」なんて警官に言ったらひっぱたかれますよね(笑)。そうなると、想像しながらやるしかないですが、職人の場合は実際に取り組むことができますし、練習することで自信もつきますから。マニアックな役作りをすることを楽しんでいる―今回はキャラクターの背景もご自身で考え、ワードにまとめて監督に送ったそうですが、いつもそのような役作りをされているんでしょうか?藤さんそうですね。この役については、年老いたそば職人になるまでの道のりを自分で作りました。弘はチェン・リャンの痛みをさっと受け止めることができる人物ですが、それは本人も青年時代に相当の痛みを味わい、たくさん失敗しているからこそ。痛みがわかる男になるようなバックグラウンドを自分なりに考え、子ども時代までさかのぼって、つじつまが合うようにしました。なので、「10歳くらいで父親と離別して、母親の実家に預けられ、母親が再婚してから引き取られるんだけど、そこに新しい兄弟が生まれて、その後は大田区あたりの町工場で一生懸命働くんだけど……」みたいな感じです。―かなり細かいところまで設定していらっしゃるんですね。藤さんそうなんですよ。最近はパソコンでいろいろ調べられるので、どこの小学校から中学校に通ってとか、具体的な地名や学校名まで全部決めてしまうほど。凝り始めると、実際にその場所に行くこともありますが、役作りの過程でそういうマニアックなことをするのも、自分でおもしろがっているんでしょうね。今回もそんな感じで、チェン・リャンと出会うまでのストーリーを作ってみました。―そうやって人物像を作り上げるなかで、藤さんご自身が弘に共感する部分もありましたか?藤さんそういうことは全然ないですね。あくまでも、中身はこのキャラクターに委ねているので、そこに僕自身はいない感覚です。―チェン・リャンを演じたルー・ユーライさんにとって、藤さんは“映画の教科書のような存在”であり、藤さんと共演したくてこのオーディションを受けたとうかがいました。それを聞いたときはいかがでしたか?藤さん海外の映画学校で、教材として僕の出演作が使われていたそうですが、実感はなかったので、「本当に?」という感じですよ(笑)。俳優であり続けることを支えているものとは?―では、実際に共演されてみて、どのような印象を受けましたか?藤さん本作の前日譚でもある短編の『SIGNATURE』という作品で初めて彼のことを知りましたが、憂いのある顔と目線が日本にはいないタイプだなとは思いました。実際に会ってみるとそんな感じではないんだけど、スクリーンに映ると急に色っぽくて、憂いてる雰囲気が出る俳優なんですよね。現場では、基本的にお互い無口で、時々顔を見合って、うなずくくらいでした。でも、疑似親子みたいな役柄だったので、しゃべらなくても通じるものがあったんでしょうね。―劇中同様に、言葉を超えたものがあったんですね。アドバイスを求められるようなこともなかったですか?藤さんないですね。それに、僕は自分が教えられるものは何も持っていないと思っているので、頼まれてもアドバイスしないタイプなんですよ。―そんな藤さんの背中を見て、みなさん学んでいらっしゃるんだと思います。すでに、俳優デビューから60年近くが経ちますが、ここまで続けることができた原動力を教えてください。藤さんまずは、健康であることですね。といっても、たばこは大好きだし、お酒も飲むので、何が健康かという話なんですが……(笑)。いかにも何かありそうに見えるかもしれませんが、たまたまここまで生かしてもらって、勝手に時間が過ぎてキャリアが増えただけという状態なんですよ。―確かに、健康であることが一番だとは思いますが、陰で支えてくださる奥さまの存在も大きいのではないでしょうか?藤さん本当に、それは大きいですよ!―ちなみに、奥さまと毎晩握手をされているそうですが、それが仲良しの秘訣ですか?藤さん5、6年前くらいから始めたんですが、きっかけは僕の不純な動機です(笑)。というのも、年を取ってからあんまり馴れ馴れしく触ると嫌がられたりするんですよ。だから、何とかしてこの状況を打開しようと思って、「明日何が起きるかわからないんだから、寝る前に握手くらいしない?」と提案してみたんです。そしたら、「それもそうね」となり、そこから毎晩握手するようになりました。「また明日ね」みたいな感じなんですけど、最近は握手しないと、寝つきが悪くなっちゃうくらいなんですよね(笑)。いまでも自信がなくて不安になることもある―とても素敵なお話です。では、俳優としてやりがいを感じる瞬間はどんなときですか?藤さんそれは脚本を読んで、やると決めたとき。いくつになっても、小学校1年生みたいな慣れない気持ちがいいんですよ。自信がつくまで、「俺にこの役できるのかな?」といつも思いますから。―藤さんでも、自信がないときがあるものですか?藤さんどの作品も、基本的には最初は自信がないですね。でも、そのうちにだんだんやれるような気になってくるんです。―それが、先ほどのような緻密な役作りをされる理由でしょうか?藤さんそうですね。不安なんでしょうね、多分。そんなことしなくてもぱーっと行けちゃう人もいると思うんですけど、僕はそういうふうにしていかないとダメなんですよ。たとえば、長野県出身のキャラクターを演じたときは、子ども時代にどんな風景を見たのか知りたくて、長野県まで行き、その役が好きな温泉に入ってみたりもしました。そういうことをすると安心するんですよね。―そういった真摯な思いが、役へと反映されているのだと改めて感じました。それでは最後に、これから作品を見る方に向けて一言お願いします。藤さん特にメッセージというのはありませんですが、とにかく見て感じてもらえればと思います。インタビューを終えてみて……。どんなときもダンディで、優しさがあふれている藤さん。お会いできるだけで胸がいっぱいでしたが、役作りの裏側から奥さまとの秘話まで、いろいろなお話を聞かせていただき、感動しっぱなしの取材となりました。見事なそば打ちシーンはもちろん、藤さんが作り上げた人物の背景などにも注目しながら、ぜひご覧ください。心が震える決断を目撃する!現代の日本で起こりうる問題を背景にしつつ、年齢も国籍も超えて生まれた人と人の絆や見失いかけた自分自身を見つけるまでの道のりが描かれている本作。胸の奥底を締め付けるような結末と向き合ったとき、あなたの心も共鳴するのを感じるはずです。ストーリー技能実習生として日本へやってきた中国人の青年チェン・リャン。劣悪な職場環境から逃げ出したことにより、不法滞在者となってしまう。その後、他人になりすましたチェン・リャンは、そば屋で仕事を見つけ、不器用な店主の弘と出会うのだった。いつしか、親子のような関係を築いていく孤独な2人。しかし、嘘のうえに築かれた幸せが長く続くことはなく、チェン・リャンに警察の捜査が迫っていた。そして、すべてを清算する日、2人はある決断をすることになる……。儚さが漂う予告編はこちら!作品情報『コンプリシティ/優しい共犯』1月17日 (金)より新宿武蔵野館にてロードショー配給:クロックワークス©2018 CREATPS / Mystigri Pictures
2020年01月11日紬織(つむぎおり)の人間国宝・志村ふくみの孫である志村昌司を中心とした京都の染織ブランド・アトリエシムラ(atelier shimura)とミナ ペルホネン(minä perhonen)がコラボレーションした帯「第3回 シムラの着物ミナの帯」が登場。アトリエシムラ直営店やオンラインストアにて発売される。アトリエシムラ×ミナ ペルホネンの名古屋帯3種2015年に出会って以降、「本当に大切にできるもの」を目指したものづくりにおいてタッグを組んできたアトリエシムラとミナ ペルホネンによる第3弾のコラボレーション帯「第3回 シムラの着物ミナの帯」が登場。コラボレーションならではの独創的な柄を楽しみつつ、日常的に楽しめる名古屋帯3種を揃える。風の種 カゼノタネ「風の種 カゼノタネ」は、ミナ ペルホネンのデザイナー、皆川明が描いたオリジナル図案を採用した帯。濃紺の地に藍と夜叉五倍子(やしゃぶし)で染めた茶色を織り込んだ、差し色が映える仕上がりが特徴だ。着物との取り合わせは、あえて同系色でまとめるとこなれた印象で着こなすことができる。雪の芽 ユキノメ「雪の芽 ユキノメ」も、「風の種 カゼノタネ」と同じくオリジナル柄を採用。白地に樫や桜などで染めた淡いグレーの色糸を織り込み、抹茶や橙の刺繍を施した華やかなデザインが魅力だ。温かみのある色彩と愛らしい絵柄は、幅広い着物に合わせて楽しめる。フォレストドットきりっとした印象の「フォレストドット」も登場。クリーム地に桜や梅で染めたピンク、ベージュの糸を織り込み、グレーの糸で刺繍を施した。モダンにも、伝統的な有職文様のようにも見える柄が、多彩な着物の魅力を引き立ててくれそうだ。【詳細】アトリエシムラ×ミナ ペルホネン「第3回 シムラの着物ミナの帯」販売店舗:アトリエシムラ京都本店(京都府京都市下京区河原町通四条下ル市之町251-2 壽ビルディング2F)、東京・成城店(東京都世田谷区成城2-20-7)、アトリエシムラ オンラインストア・「風の種 カゼノタネ」名古屋仕立て 130,000円+税、開き名古屋仕立て 145,000円+税・「雪の芽 ユキノメ」名古屋仕立て 130,000円+税、開き名古屋仕立て 145,000円+税・「フォレストドット」名古屋仕立て 130,000円+税、開き名古屋仕立て 145,000円+税【問い合わせ先】アトリエシムラ Shop & Gallery 京都本店TEL:075-585-5953(水曜・木曜定休、11:00~18:00)
2020年01月11日年末の風物詩として「忠臣蔵」を思い浮かべる人もいると思いますが、今回ご紹介するのは、お金という視点から描いた新感覚の時代劇『決算!忠臣蔵』。いつの時代もお金に関する問題は興味深いところですが、本作で新たな挑戦を経験したというこちらの方に、見どころを教えていただきました。写真・黒川ひろみ(濱田岳)実力派俳優の濱田岳さん!【映画、ときどき私】 vol. 278映画やドラマでは話題作への出演が続き、唯一無二の存在感で愛されている濱田さん。本作では、堤真一さん演じる大石内蔵助に仕える大高源五という役を見事に演じています。そこで、個性豊かなキャストが揃った現場での思い出や現場で学んだことなどについて語っていただきました。―今回の源五というキャラクターは、どのようにして作り上げていきましたか?濱田さんまずは、中村義洋監督が忠臣蔵を解釈するとこういうふうになるんだなと思いました。いままで描かれてきた四十七士のなかで、源五のように遊郭に行きたくてしょうがないという男の描写はどの先輩も撮っていないですよね(笑)。しかも、長い歴史のなかで源五を好きな方もたくさんいると思うので、そういう意味でも、これだけ誇張した役を演じること自体が僕にとってはチャレンジでした。ただ、初めて赤穂浪士をするにあたって、中村組で、堤さんをはじめとするこのキャストとできたことは本当に誇りに思っています。―今回、中村監督の演出で印象に残っていることはありましたか?濱田さん監督から「源五は女性にモテたいと思っているときは帽子をかぶっていて、その気持ちが落ちているときは帽子を脱いでいるから」と言われたんです……。正直言って、最初は「なんだその演出?」と思いました。でも、僕にとっても源五を生きさせるなかではすごくわかりやすいなと思ったので、吉原を眺めているときはしっかりとかぶってますし、行けないと諦めているときはハゲた頭をがっつり出したままにしています(笑)。そんなふうに、監督とはいつも通り現場で冗談を言い合いながら笑って過ごしていました。―これまでの作品でも、中村監督とはつねに現場でアイディアをお互いに出し合いながら進めていくことが多いですか?濱田さん監督の現場でお芝居するときは、事前にうかがうのはナンセンスなこと。というのも、台本をもらって、衣装合わせをしたときに役柄についてはある程度話をしているので、テストのときには自分の“宿題”を持っていくという感じなんですよ。なので、まずは自分でやってみて、それを見た監督とイメージのすり合わせをするようにしています。ただ、今回の作品に関しては、自分で言うのも恐縮ですが、もしかしたら以前よりも僕が成長した部分があったのか、楽しいすり合わせが多かった気がしました。それはどこで帽子をかぶるかとか、ここでどういう表情をするかとかですが、最後に吉原を眺めているシーンでは、どうしても吉原に行きたいのにそれが叶わない男の表情というのをしたんです。NGもなく、1回でOKをもらったんですが、監督に「あんな顔して、俺は恥ずかしいよ」とは言われました(笑)。でも、それは褒めてくれているんだと思っています。源五の素直な部分が演じていても好きだった―中村監督がそうおっしゃるのもわかるくらい、濱田さんの表情はどれも秀逸でした。演じていて、ご自身が源五と重なる部分を感じることはありましたか?濱田さんまあ、源五は僕といえば僕なんですよね。というのも、自分のなかにあるものでしかできないので、僕から出た“何か”を監督に調理していただいた感じだと思います。でも、大勢が集まるシーンでいきなり発言する源五の勇気は僕にはないところなので、憧れるところもありました。ただ、あんなにやる気がないのに、吉原に行きたいという気持ちだけでずっとみんなと一緒にいるのも不思議ですが、いろいろな意味で素直な男なので、そこは好きな部分ですね。源五のことを大事に思ってあげられるのは僕しかいないですから。―そのなかでも、お気に入りのシーンなどはありますか?濱田さんいくら浪人になったとはいえ、大石内蔵助は現代で言ったら役員クラスの偉い方。それなのに、その人に対して「お前のせいで俺は一生童貞なんだ!」という怒りを込めてにらみつけるなんて、なかなかできないことですよね(笑)。なので、あそこは僕の好きなシーンですし、一生懸命に演じた記憶はあります。―確かに、源五にしかできないシーンだと思います。その大石内蔵助を演じた堤さんとの共演で思い出に残っていることはありますか?濱田さん堤さんとは『本能寺ホテル』でも主従関係だったので、堤さんの背中を見て、懐かしいものがありました。その経験があったからこそ、自然と上司と部下のようになれましたし、堤さんの人柄のお陰で現場でも楽しくいることができたと思います。―では、勘定方の矢頭長助を演じた岡村隆史さんはいかがでしたか?濱田さん僕もみなさんと同じように、最初は芸人さんとしてのパブリックイメージしかなかったですが、台本に対してすごく真摯に向き合われていて、まじめで誠実な方なんだというのを再認識しました。それから、年下の僕にも謙虚な姿勢でいてくださるくらい優しい方なんです。ただ、監督と僕のやりとりを見て、すごくビビっていたみたいですね。というのも、僕たちには長年やってきた関係性と2人だけに通じる冗談があるので、たとえば「悲しさ2、喜び3、憎しみ8の顔でやれ!」と監督が言っても、僕なり何となくわかるので処理できるんです。でも、それを見ていた岡村さんは「映画の現場ってそんな言い方されるんですか?」と震えている感じでした(笑)。「そんなことないですよ」とは言いましたが……。―その岡村さんをはじめ、今回は芸人さんも多い現場でした。現場の雰囲気はいつもと違うところもありましたか?濱田さんまず、一つの場所に侍があんなにギュウギュウに集まっているというだけでもありえないことですが、ましてやそれがみなさん大先輩。なかなかすごいところにいるなと思いましたし、そんななかで発言するというのは、役だとわかっていても緊張しました。自分の出番までは、みなさんのやりとりをずっと見ていましたが、関西弁の時代劇を見るのが初めてだったこともあり、東京出身の僕にとっては、まるで新喜劇を見ているような感覚でしたね(笑)。脚本だけでもおもしろさは伝わっていましたが、先輩方が動くとこうなるんだというのが見られて楽しかったです。結局は一生懸命やるしかないと学んだ―そういう意味でも、いつもの現場とは違う部分もあったと思います。ハプニング的なことはありませんでしたか?濱田さん最初に西川きよし師匠が出るシーンで、岡村さんと僕の間を抜けていくというのがありました。そのときに僕たちが気づいたんですが、なんときよし師匠がガムを噛んだままだったんですよ(笑)!―さすがきよし師匠ですね(笑)。濱田さんで、それを岡村さんが直前に止めてくれたんですが、ガムをどうしたのか僕らも本番中に気になっていたので、師匠に聞いたら、「飲み込みました!」と……。そのあとも「ガムは飲んだらダメですよ」みたいなやりとりをした思い出があります。でも、これがあのきよし師匠なんだなと納得しました。これまでもきよし師匠の話は、芸人さんたちがネタで言っていると思っていたんですけど、本当にそういう方なんだなと知ることができてすごくおもしろかったです。とはいえ、きよし師匠も時代を作った大スター。その方とお芝居ができたことはうれしいことでしたし、ドラマや映画の現場でお会いできない方とご一緒できたのは楽しかったです。―芸人の方からコメディの演じ方など、学んだ部分もありましたか?濱田さん今回は芸としてではなく、映画の役として挑まれていたので、気持ちの面では一緒だったと思います。ただ、人を笑わせるということに関してはみなさんプロフェッショナルなので、芸人さんたちがどういうふうにコメディ映画を演じるのかは参考になるかなと思って見ていましたが、狙いに行くのではなく、結局は一生懸命やるしかないんだということを知りました。特に僕の役は狙うチャンスも多かったんですが、そうではないんだということを先輩たちの背中から教えてもらったと思います。とはいえ、最後まで“本気で吉原に行きたい顔”がどんなものかは、僕にもわからなかったですけどね(笑)。―この作品では、お金という観点から見た忠臣蔵というのが非常に興味深いところでしたが、濱田さんにとっても発見はありましたか?濱田さんそうですね。たとえば、「そばが14文」と言われてもいくらかわからなかったので、歴史の勉強という意味でも、驚くことはたくさんありました。昔はもっと安いと思っていましたが、大した長屋じゃなくても家賃が7万円とか、江戸はすごく高くていまと同じような感じなんですよね。あとは、赤穂浪士の討ち入りといえばドラは象徴でもありますけど、あれもあんなに高いとは思わなかったです。江戸時代といえば、戦国時代が終わって、豊かな時代の象徴みたいなところもありますが、実は結構シビアで世知辛い世の中だったのかなと思いました。だからこそ、落語みたいな人情劇が生まれたのかもしれないですよね。―お金に対する見方も変わる部分があったかと思います。劇中では、お金に無頓着なグループときちんと倹約しているグループにわかれていましたが、濱田さんはどちらのタイプですか?濱田さん僕も使うときは使いますけど、どちらかというとケチなほうですかね。ただ、今回の場合、彼らにとっては武士の一文というか、自分の死に装束をどうかっこよくするかということでもあるので、無駄使いとは思ってないんですよ。なので、両方の気持ちがよくわかりました。いま決算したいと思っていることは?―ちなみに、堤さんと岡村さんにとって、人生で一番の無駄遣いはおふたりともオーダーメイドの高い棚だったそうですが、濱田さんは何かありますか?濱田さん洋服とか小さなものは当然ありますけど、基本的には、ほしいから買うという感じなので、僕はないかもしれないです。―では、人生で一番大きい買い物といえばなんですか?濱田さんそれは、車ですね。そのときはさすがに、「よっしゃ行くぞ!」と覚悟を決めて買いに行きました(笑)。―タイトルにちなんで、濱田さんが決算したいと思っていることはありますか?濱田さんいままでやってきたお仕事に対して恥ずかしいと思ったことはないですし、ここまでなるべくしてなったという感じなので、決算したいことは特にないですが、強いて言えば、健康ですかね(笑)。別に具合が悪いわけではないんですが、こういう職業ですし、30歳も過ぎたので、一度調べておきたいなとは思います。―ananwebではちょうど2年前にも取材させていただいており、当時は29歳だったので、30歳で挑戦したいことをお伺いしました。そのときは「企画をもらえればバンジーでも」とおっしゃっていましたが、実際に30代に実際突入してみて、いまやってみたいことはありますか?濱田さんまだバンジーは飛べていないですけど、仕事でもプライベートでも足りていないものはないので、そう考えてみると、すごく満足のいく人生を送れているなと思います。唯一、最近でわがままを言ったとすれば、「ドラマ『ノーサイド・ゲーム』にどうしても出たい!」と言ったくらいですね。あとは不満を感じることも全然ないです。だからこそ、健康診断は受けておきたいんですよ(笑)。それに、この仕事をしていると、赤穂浪士もチャレンジだし、ドキュメンタリーを撮っていればアフリカやアマゾンにも連れていかれますし、半ば強制的にいろいろと経験させられますから。そういう意味では、これからもずっとチャレンジし続けなければいけないなとは感じているところです。インタビューを終えてみて……。役作りのこだわりから裏話まで、おもしろいお話で取材を盛り上げてくださった濱田さん。劇中では、観客を一瞬で虜にする絶妙な表情で笑いを巻き起こしており、どのシーンも必見です。ぜひ、帽子などの小道具にも注目しながら、楽しんでみてください!いつの時代もお金の話はおもしろい!これまでの「忠臣蔵」では、決して描かれることのなかった知られざる一面を描いた本作。普段は時代劇をあまり見ないという女子でも、「時代劇ってこんなにおもしろいの?」と思うほど、笑いあり涙ありを満喫できるはず。新しい年を迎える前に、あなたも今年1年を決算してみては?ストーリー赤穂藩藩主の浅野内匠頭が吉良上野介に斬りかかって即日切腹してしまったために、筆頭家老の大石内蔵助は幼馴染の勘定方・矢頭長助の力を借りてひたすら残務整理に追われていた。そんななか、お家復興の道が閉ざされた彼らは、宿敵である吉良邸への討ち入りを決意する。ところが、討ち入りをするにもお金が必要で、使える予算は9500万円のみであることが発覚。生活費、旅費、家賃など、どんどんと出費がかさむなか、赤穂浪士たちは予算内で1回きりの討ち入りを成功することができるのか……。抱腹絶倒の予告編はこちら!作品情報『決算!忠臣蔵』11月22日(金)全国公開出演:堤真一、岡村隆史、濱田岳、横山裕、妻夫木聡、荒川良々、竹内結子、西川きよし、石原さとみ、阿部サダヲ配給:松竹©2019「決算!忠臣蔵」製作委員会
2019年11月22日大人女子には、休みの日に日常から離れて美術館巡りをして過ごしているという人もいるのでは?そのなかでも、人気の高い画家のひとりといえばフィンセント・ファン・ ゴッホ。現在、日本ではゴッホ展も開催されており、人気を博していますが、今回は新たなゴッホ像を描いている話題作をご紹介します。その作品とは……。感動体験を味わえる『永遠の門 ゴッホの見た未来』!【映画、ときどき私】 vol. 274パリでまったく評価されていなかった画家のゴッホ。“新しい光”を見つけるため、南フランスのアルルへと向かうことを決意し、春を迎えると同時にその願いは叶えられるのだった。そんななか、ゴッホは心酔していたゴーギャンと共同生活を始める。しかし、それも長くは続かず、ゴッホは再び孤独となってしまう。自らが見た世界をひたすらカンバスへと写し取り、創作へとのめり込むゴッホが最期に見ていたものとは……。本作は主演のウィレム・デフォーがヴェネチア国際映画祭で男優賞を受賞し、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされるなど注目を集めていますが、今回はゴッホに対して並々ならぬ思いを持っているこちらの方に、見どころをお話いただきました。ジュリアン・シュナーベル監督!『夜になるまえに』や『潜水服は蝶の夢を見る』などで高く評価されているシュナーベル監督。映画監督としてデビューする前から、画家として活躍していることもあり、劇中で使われているゴッホの絵を自ら描くほど、細部にまでこだわりを見せています。そこで、ゴッホへの思いや作品の裏側について語っていただきました。―脚本家のジャン=クロード・カリエールさんをオルセー美術館に誘い、一緒にゴッホの作品を見たことが本作を手掛けるきっかけにもなったそうですが、やはり絵からインスピレーションを受けた部分が大きかったのでしょうか?監督そうですね。ただ、私はカリエールとオルセー美術館に行く前、つまり映画を作るもっと前からゴッホの絵には興味がありました。そんなふうにもともとゴッホの絵を見ていたからこそ、この映画ができたのであって、カリエールからもまるでゴッホが私に話しかけているような気がしたとも言われたほどです。とはいえ、ゴッホをテーマにした映画はすでに山のように存在しているだけに、「我々はどうやって作ったらいいんだろうか?」というのは悩みましたよ。そこで思いついたのは、「彼に起こったかもしれないことやありえたかもしれない場面を作ってしまったらいい」ということでした。そうすれば、ほかの人が作った作品とは別のものができると考えたんです。―実際に、どのような場面を作り出したのでしょうか?監督たとえば、彼が兵士としてアルジェリアに行ったときのエピソードやキリストについての話、そして私が絵画について持っていた考えなどをゴッホを通して語れることに気がつき、入れることにしました。それから、ゴッホに絵の教養があったことをも見せたかったので、私が思いついたのは、ルーヴル美術館のなかを彼に歩かせること。そこで、ウジェーヌ・ドラクロワやフランシスコ・デ・ゴヤ、ディエゴ・ベラスケスの絵を目にしますが、ゴッホが生きていた当時は、ゴヤやベラスケスの絵はルーヴル美術館にはありませんでした。それでも、私がゴッホにそれらの絵を見せたいと思い、あえて入れることにしたのです。そんなふうに、私が伝えたいと思うストーリーを入れ、「絵とは何か」ということを表しました。―この作品を作ったことによって、監督自身が学んだこともありましたか?監督この映画を作るなかで、私はゴッホの考え方に深く入り込んでいったつもりです。と同時に、デフォーについてもいろいろと知ることができました。なぜなら、彼が演じるゴッホの自画像を私が描いたからです。そうやって見ることで学び、繰り返すことで、そのものに対する理解を得ることができました。そして、それによって私がどう変わったのかを考えることができたのです。私はすでに自分が知っていることを例示するために映画を作ったのではなく、作る過程で知らない何かを発見するために作ったと言えると思います。絵画は写真よりも雄弁に人を語っている―キリスト教に関する描写も印象的でしたが、それも制作のプロセスのなかで発見して作品に反映したのでしょうか?監督ゴッホの残した手紙を読むと、キリストについてかなり書かれており、彼は自分のことをキリストとみなしていたところがありました。劇中のゴッホと司祭の会話は私自身が作り上げたものですが、なかでもおもしろいと思ったのは、「キリストは死後30~40年経つまで誰も知らなかったんだよ」と彼らに言わせたことです。実際、ほとんどの人はそのことを知らず、死んだときすでにキリストは有名だと思っている人もいるくらいですから。だからこそ、名声と謎、神秘について話すのが興味深いと感じました。―そのほかにも、監督がこだわったセリフなどはありましたか?監督あとは、精神病院のなかでゴッホにベトナムについて話をさせるのも私にとってはおもしろいことでした。もちろん、患者同士でどのような会話をしたかという記録はなかったので、あの会話も私たちが作り上げたものですが、そこから生まれる感情は少なくとも私にはリアルに聞こえました。同じような意味で言うと、ゴッホが人を描いた絵のなかには、写実的ではないがゆえに見た目が本人には似ていないものもありましたが、そのなかに描かれているものは、写真よりも雄弁にその人を語っているように感じたのです。つまり、絵というのは、それ自体が現実であり、ある意味では写真よりも本人に近いものだと私は思っています。―本作を制作するということは、そんなふうにゴッホが何を見て、何を感じ、何を考えていたかをつねに考える作業でもあったと思いますが、もし彼に直接質問できるとしたら、聞いてみたいことはありますか?監督うーん、何を聞きたいかまったく思い浮かばないなぁ。でも、もしこの映画を観てくれたら、どう思ったかは聞きたいかもしれないね(笑)。―では、劇中で医師がゴッホに「どうして絵を描くのか?」と聞くシーンがありましたが、監督自身はなぜ映画を撮っているのでしょうか?監督もし「なぜ絵を描くのか?」と聞かれたら、私も同じように「考えを止めるため」と言うと思うけど、映画について聞かれたら、「もうその映画のことを考えなくて済むから」と答えると思いますよ。私にとっては、映画であれ、彫刻であれ、何かを描くことであれ、やりたいと思っていることをやっているだけ。そこにはロジックも理由もなく、ただやりたいからという思いだけです。だから、それに関わりたい、やっていたいという欲望に従っているということですね。そのなかで私のなかにあるルールはひとつだけで、それは「妥協しない」ということ。最初に思ったことや自分のベストを尽くすことだと思います。もしラッキーなら完成したときに、それに近いか思っていた以上のものができあがることがありますから。観客がゴッホ自身になれるように意識した―なるほど。また、今回はゴッホの視点から見たカメラワークにもなっているところもありますが、それは監督自身が主人公と重なって物語を作り上げていこうと思ったからですか?監督見ている人がまるで自分に起こっているような感じを受けるようには意識しました。つまり、観客がゴッホを見ているのではなくて、観客がゴッホになるということがアイディアのもとになっているのです。私は『潜水服は蝶の夢を見る』でも同じような手法を取りましたが、カメラが一人称を語るとき、違う機能を持つと考えています。それについて語るのではなく、それそのものになるということです。映画のなかで人は何度でも死を経験することができるように、映画を通じてその人の人生を生きることもできます。たとえば、死んでしまった詩人が描いた言葉が後世の人にも何かを感じさせることはできますが、それは絵画も映画も同じことなのです。―本作では、67歳のデフォーさんが37歳のゴッホを演じていますが、年齢を超越した存在感は見事でした。現場で、デフォーさんの役者としてのすばらしさを感じた瞬間があれば教えてください。監督もちろん、何度もありました。特に、彼とは長年の友人でよく知っていますが、作品のなかでは私の知らない人になっていたと感じるほどで、本当に素晴らしい俳優だと思います。私の妻も、彼の変貌ぶりには本当に驚いていたほどです。『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックがアカデミー賞の主演男優賞を獲りましたが、私からすれば、デフォーは去年の作品のなかで最高の演技だったと思います。とはいえ、彼らを比べることは、株の売買人とバスケットボールの選手を比べるくらいまったく違うものですけどね。でも、私は今回のデフォーの演技を見て誇りに思いましたし、彼と一緒に仕事ができたことは光栄なことでした。彼の演技というのは、映画が続く限り、ずっと残っていくものだと感じています。―確かに本当に素晴らしい演技だったと思います。それでは、最後に日本の観客にひと言お願いします。監督映画のなかには、ずっと日本に行きたがっていたゴッホが、マダガスカル行きを決めたゴーギャンに「日本がいいんじゃないの?」と言う場面があります。結局はフランスのアルルまでしか行けず、ゴッホは一度も日本には来ることができませんでしたが、日本に来たくて何とかしようとしていたのです。ちょうどいまは日本でも大きな展覧会が開催されていますが、私たちの映画も同じ時期に日本にやってきました。日本のみなさんがこの映画を観に来てくれたらきっとゴッホも喜ぶと思いますし、私たちもうれしいです。天才の見た景色を追体験する!これまでさまざまな形で描かれてきた天才画家ゴッホ。短い生涯のなかで、彼がどんなふうに世界を見て、私たちに何を伝えようとしていたのかを本作では体感することができるはずです。実際の絵を見ることできるいまの時期だからこそ、より深くゴッホの世界に浸ってみては?魂に訴える予告編はこちら!作品情報『永遠の門 ゴッホの見た未来』11月8日(金)新宿ピカデリー他全国順次ロードショー配給:ギャガ、松竹© Walk Home Productions LLC 2018
2019年11月06日紬織(つむぎおり)の人間国宝・志村ふくみの孫・志村昌司を中心とした染織ブランド・アトリエシムラ(atelier shimura)と、ミナ ペルホネン(minä perhonen)による帯の展示販売「シムラの着物 ミナの帯」が、京都と東京・成城のアトリエシムラ ショップ & ギャラリーにて開催される。期間は、京都では2019年11月2日(土)から4日(月・祝)まで、成城では12月7日(土)から8日(日)まで。2017年に続き3回目を迎えるイベント「シムラの着物 ミナの帯」。会場では、アトリエシムラの新作の着物などに加え、ミナ ペルホネンのデザイナー・皆川明とのコラボレートした帯を展示販売する。コラボレーションの帯は、緯糸(よこいと)にアトリエシムラで染めた糸を織り込み、刺繍など皆川によるデザインをのせた。今回は、これまでに人気の高かった3柄を新たな配色で制作。ベージュ地にきりりとしたグレーの刺繍を入れた「フォレスト ドット」、濃紺に藍色が波打つ「風の種 カゼノタネ」など、繊細で深みのある色合いにモダンなデザインを組み合わせた帯が揃う。なお今回の帯は、地の糸をさらに細くするとともに、緯糸に織り込むアトリエシムラの色糸の分量を増やすことで、しなやかで締めやすく仕上げている。【詳細】第3回 シムラの着物ミナの帯アトリエシムラ「3周年 色への祝祭 -ひとつの色を纏う-」■京都日程:2019年11月2日(土)~4日(月・祝)時間:11:00~18:00会場:アトリエシムラ ショップ & ギャラリー 京都本店住所:京都市下京区河原町通四条下ル市之町251-2 壽ビルディング 2階■東京日程:12月7日(土)~8日(日)時間:11:00~17:00会場:アトリエシムラ ショップ & ギャラリー 東京・成城住所:東京都世田谷区成城2-20-7【問い合わせ先】アトリエシムラ ショップ & ギャラリー 京都本店TEL:075-585-5953(11:00~18:00、水曜・木曜休み)
2019年11月02日志村けんが志村藩のバカ殿に扮し、城内や城下で起こる様々な爆笑の出来事を描いて30年以上にわたり国民に愛されてきた「志村けんのバカ殿様」が10月30日(水)今夜放送。今回はプロフィギュアスケーターの浅田真央や、女優の桜井日奈子らがゲスト出演する。これまでも様々なアスリートたちが出演してきた本番組だが、今回フィギュアスケート界から浅田さんが初参加。浅田さんは赤い着物と豪華な髪飾りをあしらったカツラを着用、“真央姫”として番組に出演。殿の部屋を訪れた“真央姫”は「バカ殿様と顔が似ていると言われたことがあり、とてもお会いしたかったんです」と明かすと、スケートの話から休日の過ごし方、異性のタイプといった話題まで幅広いトークで盛り上がるほか、剣を刺してバカ殿が飛び出した方が負けとなるゲーム「バカ殿危機一髪」などにも挑戦する。『ママレード・ボーイ』『ういらぶ。』などの映画や「僕の初恋をキミに捧ぐ」といったドラマで活躍、現在配信&放送中の「ヤヌスの鏡」も話題の桜井さんは、幼少期のバカ殿の友達に扮して登場。バカ殿の幼少期を描くコントに出演。また本番組お馴染みの柄本明や「タカアンドトシ」もゲスト出演。子どもたちに大人気となった“変なオジサン”や“いいよなオジサン”も登場、2時間にわたるオール新作コントをお届けする。1980年代にも衝撃を呼んだ伝説的ドラマをリメイクした「ヤヌスの鏡」で、おとなしい優等生・ヒロミと夜の繁華街に現れる不良のユミという正反対の人格を持った少女を演じている桜井さん。Twitterで話題の泣ける四コマを映画化する『殺さない彼と死なない彼女』では間宮祥太朗と共演、「死にたい」が口ぐせのリストカット常習犯を演じているので、こちらも注目だ。ドラマ「ヤヌスの鏡」はFODで全8話が配信中。毎週月曜深夜24時55分~フジテレビで放送中。『殺さない彼と死なない彼女』は11月15日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。「志村けんのバカ殿様」は10月30日(水)今夜19時~フジテレビ系で放送。(笠緒)
2019年10月30日コント番組「志村けんのバカ殿様」が10月30日(水)にスペシャル放送されることが決定した。志村けんが志村藩のバカ殿に扮し、城内や城下で起こる様々な爆笑の出来事を描く国民的コント番組「志村けんのバカ殿様」。野球界、格闘技界などこれまで様々なアスリートたちがバカ殿のもとを訪ねてきたが、今回ゲストとしてプロフィギュアスケーターの浅田真央が出演。フィギュアスケート界からは、今回の浅田さんが初めての出演となる。実は以前から「好きな芸人は、志村けんさん」と公言している浅田さんは、今回華やかな赤い着物を身にまとい、豪華な髪飾りをあしらったカツラをつけ、“真央姫”に扮して登場。収録では、「ダチョウ倶楽部」の3人が扮する使用人が「大変な女性のお客様がいらっしゃいました」と大興奮の中、バカ殿のもとに真央姫が登場。初めて殿の部屋を訪れた真央姫は感激しながら、「バカ殿様と顔が似ていると言われたことがあり、とてもお会いしたかったんです」と告白。スケートのことから休日の過ごし方や異性のタイプといったプライベートに関することまで、大盛り上がり。さらに、剣を刺してバカ殿が飛び出した方の負けとなるゲーム「バカ殿危機一髪」を行うなど、終始、和やかで笑いの絶えない現場だったという。「子どもの頃からずっと見ている番組で、まさか自分がその中に入れて、お姫様になれるなんて想像もしていなかったので、本当にうれしかったです」と収録の感想を明かした浅田さん。「お話をいただいた時に、“私、白塗りをして殿の顔をするのかな”と思ったのですが(笑)、まさかお姫様になれるとは思いませんでした。なかなか見られない私のお姫様姿とともに、志村さんと楽しく色んなお話をさせてもらったので、皆さんにも楽しんでいただけたらうれしいです」と視聴者へメッセージを寄せた。番組には、お馴染みメンバーのほかにも、浅田さんをはじめ柄本明、桜井日奈子、「タカアンドトシ」がスペシャルゲスト出演。山の中に佇む柄本さん扮する老人の住む一軒家にバカ殿が訪れるコント「ポツンと」、桜井さんが幼少期のバカ殿の友達に扮するコント「ご幼少」、志村さんと「タカアンドトシ」が長屋に暮らす父子のやり取りを描くコント「おもちゃ」。さらに、もちろん“変なオジサン”や“いいよなオジサン”も登場し、オール新作コントが展開する。「志村けんのバカ殿様」は10月30日(水)19時~フジテレビにて放送。※一部地域除く(cinemacafe.net)
2019年10月22日感動モノから犯罪モノまで、多岐にわたる実話の映画化。そのどれもが印象深いストーリーばかりですが、まもなく公開の『永遠に僕のもの』は、アルゼンチンに実在し、その美しさから「黒い天使」と呼ばれた犯罪者をモデルにした衝撃作です。そこで、本作で主演を務めた話題の若手俳優を直撃してきました。写真・角戸菜摘(ロレンソ・フェロ)映画デビューを果たしたロレンソ・フェロさん!【映画、ときどき私】 vol. 2521000人もの候補者のなかから、主人公のカルリートス役に抜擢されたロレンソさん。スクリーンでは鮮烈な存在感を放ち、すでに各国で注目を集めていますが、今回は演じるうえでの思いや20歳の素顔について語っていただきました。―劇中では強盗と殺人を繰り返す美しき犯罪者の役を演じられましたが、まずはカルリートスという人物をどのようにとらえていましたか?ロレンソさん彼は自分のことを「神の使い」と言っていますが、本当に神さまがいるのかどうかを試しているところがあると思いました。つまり、「自分が人殺しをしたら神さまは天から降りてくるんだろうか」とか「キリストのように天に連れて行ってくれるんだろうか」と考えている人だったということです。あと、彼はジェームズ・ディーンやマーロン・ブランドの映画に影響されていたので、映画のなかでもそういう格好や歩き方は僕も意識しました。―ロレンソさんはカルリートスとは違う性格だとは思いますが、役に近づけるためにしたことはありますか?ロレンソさんもちろん彼の暗い部分はまったく違いますが、実は僕とカルリートスには共通点もありました。それは、子どもらしさや無邪気さ、いたずら好きであること。そして、人生を遊びととらえているところや周りの人の気を引こうとするところは似ていると思います。実際、撮影中は多くのシーンで彼を演じるというよりも、自分自身として振舞っていることもあったほど。だからこそ、僕はこの役に選ばれたんだと感じました。―では、できあがった作品を観た感想は?ロレンソさん複雑なテーマではありますが、シンプルな形で示している作品。重い内容であったとしても、カラフルでクールな映画として描かれているので、ブラックというよりもローズ色の映画に仕上がっていると思いました。すべては生きている実感を味わうため―カルリートスが犯罪を繰り返す理由には、お金だけではない“何か”を求めていたところがあったと思います。ロレンソさんはどのように感じましたか?ロレンソさん彼は「生きている」という実感を味わうために盗みを働いていた人。それは例えるなら、サッカーを愛する人がサッカーをしているときに生きていると感じるのと同じことなんです。だから、彼は盗みを愛していたんじゃないかなと思っています。―カルリートスのモデルとなったのは、カルロス・ロブレド・プッチという1971年に世界を震撼させた犯罪者ですが、彼のことは前から知っていましたか?ロレンソさんアルゼンチンではすごく有名な人ですが、僕は彼のことは知りませんでした。おそらく、僕と同じ世代の若者たちはあまり知らないかなと思います。なので、僕はこの映画の話をもらったときにネット検索をして調べたほどです。―彼のことを詳しく知るうちに、どのような印象を持ちましたか?ロレンソさんまずリサーチでわかったのは、映画に現れるカルリートスは、実在のカルロスとは本質的には異なる人物であるということ。なぜなら、カルロスはロックスターのような部分もありながら、罪を犯し、「こんなクレイジーな人が世の中にいるんだ」という代表格のような人だったからです。そして、彼は社会が作ってきた枠組みを簡単に壊すことのできる人でもあると感じました。そんなふうに「壊したい!」という衝動は誰もが持っているとは思いますが、普通は自制心が働いてやらないだけ。でも、彼は捕まるとか死ぬといったことを考えずにできる人なんです。みながそういうことをやっていたら、社会はカオスになっていたと思いますよ。犯人像のステレオタイプが壊された―当時、カルロスが騒がれた理由のひとつは、彼の美しいルックス。そういった美貌が犯罪へと走らせた原因になったとは思わなかったですか?ロレンソさん僕はそうだとは思いません。ただ、彼が捕まったときに「ロンブローゾの理論を壊した」とは言われていたようです。その理論というのは、「生まれつきの犯罪者は貧しくて、醜い顔をしていて、浅黒くて、耳がとがっていて、歯がない」というのもの。にもかかわらず、彼はいい地区の中流階級の出身で、わりとお金も持っている家族の息子だったんですよね。それによって、これまでの犯人像におけるステレオタイプだけでなく、人種差別も壊すことに繋がった部分はあったと思います。つまり、身なりがきちんとしたモデルのような人間でも犯罪に手を染めることがあるということです。―ちなみに、ロレンソさんもビジュアルにフォーカスされることが多いですが、そのことについてはどう感じていますか?ロレンソさん僕にとって、外見はあまり重要ではないですね。もちろん、「かっこいい」と言われて居心地は悪くないですが、それはすごく表面的なことですから。―いまでは、「南米のレオナルド・ディカプリオ」と呼ばれたり、ティモシー・シャラメと比べられたりすることもありますよね?ロレンソさんそう言われることについては、「やっぱりアメリカ人に比べられるんだな」という思いがつねにありますね。彼らは素晴らしいアーティストなので、すごく尊敬もしていますが、いつも欧米の人の足もとにいるような感じがしてしまうのは事実。そうやって比較される運命なんだなと思います。新しいことにどんどん挑戦していきたい―劇中のカルリートスは17歳ですが、ご自身はどんな少年でしたか?ロレンソさんいまもまだバカですけど、17歳の僕はいまよりもずっとバカでした……。本当にそれだけでしたよ。(笑)―では、20歳になって注目される立場にいることを想像していましたか?ロレンソさんそのころは名声を得たいと考えたこともないですし、現在のような状況というのもまったく想像していなかったですね。―いまでは俳優としてだけでなく、ラップシンガーとしても活躍されていますが、20代はどう過ごしていきたいですか?ロレンソさん仕事面においては、もっと映画に出たいと思っています。監督業にも興味があるので、短編映画を作ってみたいですね。あとは、世界のいろいろなところを旅したり、新しいことにどんどん挑戦したりしてみたいと思っています。とはいえ、この取材が終わって、外に出て何をするかさえわかっていないので、具体的なことはまだわかりません。というのも、僕は同じことをすることが耐えられない性格なので、あまり先のことを考えて決めてしまったら、楽しむことができないんじゃないかなという気がしているからです。―では、いま一番興味があることは?ロレンソさんいま隣にいる彼女です(笑)。付き合って7か月になります。―それはステキですね。彼女のどういうところに魅力を感じていますか?ロレンソさん彼女は時間をすごく丁寧に使う人。そのせいで時々ケンカにもなりますが、自分とはあまりにも違うので、尊敬もしています。―ロレンソさんにとって、恋愛は人生のモチベーションにもなりますか?ロレンソさんそうですね、すごく助けられていると思います。―ちなみに、日本に来たのは今回が初めてということですが、日本で好きなものや影響を受けたものはありますか?ロレンソさん北野武さんが大好きです。彼の映画も、彼のユーモアも大好きなので。あと、日本のゲームやキャラクターも好きですが、なかでもポケモンは新しい世界を革命したと僕は思っていて、尊敬の念も持っています。世界を変えたのは、『スター・ウォーズ』かポケモンだと思っていますが、僕は『スター・ウォーズ』よりもポケモンのほうが好きです!今後はほかの国でも仕事をしてみたい―では、ご自身もポケモンのように、世界規模で活躍したいと考えているのでしょうか? 最後に今後へ向けての思いを聞かせてください。ロレンソさんもちろん、自分の国にいると居心地はすごくいいですが、ほかの国に行ってみたいという気持ちもあります。ただ、それがハリウッドであるとは限らないので、スペインやメキシコにも興味を持っているところです。というのも、世界の注目はアメリカに集まっていますし、才能のあるアーティストたちがたくさんいるのも事実ですが、もしかしたらまだ知られていないだけで、アメリカ以外の国々にも優れた人たちがいるかもしれないですからね。なので、幅広い国に注目していきたいと思っています。インタビューを終えてみて……。たたずまいや目線に大人の色気を漂わせながらも、少年のようないたずらっ子の笑顔を見せるロレンソさん。そのどちらの表情にも惹きつけられてしまうところですが、劇中でも唯一無二の魅力を惜しみなく発揮しているので、ぜひみなさんも堪能してください。罪な美しさに心がざわつく!一度知ったら元には戻れない高揚感を味わわせてくれる本作。天使の顔をした悪魔のようなカルリートスが繰り広げる世界に、思わず興奮し、陶酔してしまうはず。世界を虜にし、人生を狂わせるような美しさをその目に焼きつけてみて!ストーリー留守宅の豪邸で盗みを働く17歳のカルリートス。ブロンドの巻き髪と類まれな美貌を誇る少年だったが、同時に平然と罪を犯す危険性を持ち合わせていた。ある日、カルリートスは新しい学校で荒々しい魅力を放つ少年ラモンと出会い、お互いに強く惹かれ合う。そして、意気投合した2人はさまざまな犯罪に手を染めていくのだった……。興奮が止まらない予告編はこちら!作品情報『永遠に僕のもの』8月16日(金)より、渋谷シネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他全国順次ロードショー配給:ギャガ©2018 CAPITAL INTELECTUAL S.A / UNDERGROUND PRODUCCIONES / EL DESEO
2019年08月15日始まったばかりの令和という時代がどのようになるのか楽しみな一方で、古き良き時代とされる昭和の“伝説”も語り継いでいきたいもの。そこで、1980年代に“放送禁止のパイオニア”として、社会の常識を覆した村西とおるさんの半生を描いたNetflixオリジナルシリーズ『全裸監督』をご紹介します。全世界での配信開始を控えたいま、本作で注目を集めること間違いなしと言われているこちらの方に、お話をうかがってきました。写真・大内香織(森田望智)ヒロイン役を務めた森田望智さん!【映画、ときどき私】 vol. 250劇中では、厳格な母親に育てられた女子大生の恵美から伝説のAV女優・黒木香へと生まれ変わるまでを演じた森田さん。その豹変ぶりが話題となっているところですが、今回は体当たり演技の裏で感じていた思いや撮影現場の秘話について語っていただきました。―AV女優の役ということもあり、躊躇した部分もあったとは思いますが、それでもオーディションを受けようと思った理由は?森田さん最初にマネージャーさんから詳細を聞いたとき、その場で「受けたい!」と思いました。体当たりな部分については、長い役者人生ではあることだと覚悟していたこと。「それがこの作品なら……」という気持ちでした。そのあと、黒木香さんをネットで検索してみたら、「笑顔がちょっとだけ自分と似ているからいけるかも?」と思いました。でも、詳しく調べてみたら強烈な個性の方なので、少し怖くもなりました。とはいえ、こんなに受かりたいと思った役は初めてだったので、オーディションには意気込んで向かいました。―オーディションはどのような様子でしたか?森田さん会場はすごい緊張感でしたが、黒木香さんのワキ毛をマジックペンとアイラインで再現して行ったんです。でも、全然反応が良くなくて……。なので、2次のときは描かずに行ったんですけど、実はワキ毛が好評だったみたいで、総監督の武正晴監督からは「今日はワキ毛ないんだね」と言われました。―役を勝ち取ったと聞いたときのお気持ちはいかがでしたか?森田さんすごくうれしかったですが、夢かと思いました。というのも、その時期にオーディションを受けて落ちるという夢を見続けていたので。だから、とにかく信じられなくて、「本当に私でいいんだろうか?」とか「間違えて合否が届いたんじゃないだろうか?」とか思ったりもしました(笑)。―その後、撮影までどのような役作りをしていきましたか?森田さんいろんな資料を読んだり、現場の雰囲気を見させていただいたりしましたが、そのほかにもしたいことは何でも叶えていただきました。たとえば、「ストリップを観に行ったことがない」と言えば助監督さんたちが連れていってくださいましたし、「私の体型は大丈夫ですか?」と聞いたら、「じゃあ、体のメンテナンスをしましょう」とサポートしてくださったり。あとは、「客引きがいるところを見に行って欲しい」と言われて、ひとりでそういうエリアを歩いてみたりもしました。私自身も、これまでそういう場所に触れる機会はなかったですが、そこで初めて感じた気持ちは役と同じだったので、リアルな感覚を持ち続けることは意識していたところです。不安もありましたが、撮影前にできることは全部させていただいたと思います。アダルトビデオ撮影シーンで吹っ切れた瞬間とは?―アダルトビデオの撮影シーンでは、「みんなインフルエンザになって延期しないかな」と思っていたそうですが、どうやって撮影を乗り越えたのですか?森田さん確かに、最初は本当に不安だったんです。なので、撮影までは「あと何か月、あと何週間」みたいに数えていたほど(笑)。でも、2つの出来事によって、吹っ切ることができました。まずは、私が恥ずかしがってできなかったシーンで、武監督が私の代わりにアクション指導の男優さんと絡んでくださったんです。そこまで一生懸命教えてくださる監督を見て、「私はなんでこんなに恥ずかしがっていたんだろう」と思えるようになりました。あとは、ストリップを観に行ったとき。最初はいろいろな疑問が沸き上がったり、どこか悲しい気持ちになったりしました。でも、「彼女たちにとってはほかの仕事と同じであって、これが生きる道なのかもしれない」と気がついたときに、「自分の価値観ってなんて狭いんだろう」と思ったんです。そういったことがきっかけで、アダルトビデオの撮影シーンも緊張することなく挑めるようになりました。―実際にできあがった作品をご自身でご覧になったときの感想は?森田さんもちろん恥ずかしかったですよ!一生懸命がんばりましたけど、やっぱり写っているのは自分なので、「イヤーッ」て感じでしたね(笑)。黒木さんがご自分の作品を観たときの感想について、「ほかの生命体や違う精神が自分に乗り移っていて、到底自分とは思えなかった。役者もこういうところに興奮していると思う」と本に書かれていました。でも、私は全然そう思えなくて、顔を隠しながら見ていました。(笑)―黒木さんの作品をご覧になったときはどう感じましたか?森田さん性的にという意味ではなく、人の生きているエネルギー的な興奮を感じました。当時もそういった部分は話題になったところですが、恥ずかしさを逸脱して獣のような生命力を感じる作品だと思います。私もそういうふうに、むき出しにする気持ちは大事にして挑みました。―黒木さんといえば、強烈なキャラクターが印象的ですが、背景を知ると別の見方もできます。森田さんから見てどのような女性に映りましたか?森田さん「実は普通の女性だったんだろうな」と思いました。ただ、当時出演していたバラエティ番組を見たときは、どこか仮面をかぶっているような感じがあり、本音を掴むのは難しかったです。でも、『全裸監督』の恵美は、素の部分で愛されたかっただけで、母親から抑圧されていたことで好きなことができない葛藤があったんだと思います。そこでたくさん苦しんで、悩み抜いた結果がああいう姿になったのかなと感じました。強く見えますが、自分が本当に好きなものを好きだと言っただけの女性。それが、初めて自分のことを認めてくれた村西さんたちと出会うことで、自分を解放していくことに繋がっていったんだと思います。何でもオープンに出し合える現場だった―村西さんを演じた山田孝之さんをはじめ、満島真之介さんや玉山鉄二さんといった“村西軍団”の方々と共演されてみていかがでしたか?森田さんみなさんとはわりと個々の撮影が多く、全員一緒だったのはアダルトビデオの撮影シーンくらいでしたが、何でもオープンにしてアイディアを出し合い、まじめにモノづくりをしている姿を見て、「ステキだな」と感じましたし、どんな内容だとしてもそこは関係ないと思いました。―黒木さんが村西さんを信頼していくように、山田さんにも対してもそう思う瞬間はありましたか?森田さん山田さんは「いまので大丈夫ですか?」とか「こっちのほうがいいですか?」みたいにいつも声をかけてくださいましたし、自然にその場にいてくださる方。劇中の村西さんもそうですが、山田さんも私に対等に接してくださる方なので、つねに支えてもらっている感覚がありました。劇中では私が主導権を握って進めてはいますが、実際は山田さんが受け身の体制で待ってくださっていたからこそ、私も安心してできたと思います。―母親役の小雪さんはいかがでしたか?森田さん小雪さんとは緊張感があるシーンばかりでしたし、役の影響もあって勝手に怖いイメージを抱いていました(笑)。でも、実際の小雪さんはすごく優しくて、本当のお母さんのようでした。―では、ご自身が現場で大事にしていたことはありますか?森田さんこの作品では、武監督はじめ、内田英治監督と河合勇人監督という3人の監督が交代で担当されていたので、監督によって求められることも違いました。ただ、そのなかで大事なのは、「自分はどう思うか」ということ。それは普段の私にもあてはまることなので、そこは今回学ばせていただいたところだと思います。恵美が黒木香になって成長するように、私も同時に成長できていると感じました。周りを裏切りたくない気持ちが支えだった―心身ともにハードな撮影を続けるなかで、リラックスするためにしていたことはありますか?森田さん村西さんと初めて面接するシーンで、みなさん準備万端でいまから本番という瞬間に、私がすごく緊張していることに気がついてくれた武監督が「コーヒータイムにします!」と言ってくださったことがありました。自分ひとりではどうしていいかわからなかったと思いますが、そんなふうに周りの方がリラックスさせてくださったので、本当に助けていただいたと感じています。あとは、よくなるにしろ悪くなるにしろ、以前の自分よりは絶対に前に進めていると思えたので、それも糧にしていました。そして、選んでくださった方々やこの役を受けてもいいよと言ってくれた両親を裏切りたくないという気持ちと、中途半端に演じたら黒木さんにも失礼だと思う気持ちもあったので、そういう思いで繋いでいくことができたと思います。―ということは、怖い役はもうないですね。森田さんそんなことないです!まだ何でも怖いです。(笑)―今回、作品を通してアダルトビデオや性に対する概念は変わりましたか?森田さんそうですね。自分の欲求をむき出しにする姿というのは、恥ずかしいものではないと思うようになりました。飾らない自分をさらけ出すということは、性に関することだけではなく、美しいことなんだと感じるきっかけになったと思います。―村西さんや黒木さんの影響もあるとは思いますが、昔に比べると女性も自分の欲求にオープンになってきています。それに対してはどういうお考えですか?森田さん解放的になってきていると感じていますが、それでもまだ本来あるべき姿にたどり着いてないと思っています。ただ、そうだとわかっていても先駆者になるのはすごく勇気がいること。特に、性に関することだと偏見を持たれるかもしれないですし、理解されないかもしれないですから。そんななか、黒木さんやそのあとに続いている方々も「もっと自由であるべき」と訴えている女性はとてもカッコイイですよね。そういう方々がいるからこそ、そのあとの世代も生きやすくなるんだと思いますし、自分に素直になれたり、自分の欲求を解放できたりする場所が増えることは、ステキなことだと感じています。ポルノは女性を解放する場でもある―ananwebでも性に関する記事は人気が高いですが、この役を演じるうえでリサーチはされましたか?森田さんいろいろと研究はしました。そこで気がついたのは、性に対する興味だけでなく、女性には認められたいという思いがあるということ。女性が表現する場として求められている部分もあるので、アダルトビデオの世界は男性主体ではなく、女性を解放する場所のひとつとしても必要なんだなと知りました。―それでは最後に、女性読者へ向けてメッセージをお願いします!森田さんこの作品には、黒木さんみたいに抑圧されていた女性が解放されていったり、傷つきながらも男性のなかでひとりたくましく生きていく女性の姿や、いままで褒められたことのなかった女性が初めてアダルトビデオの世界で自分の場所を見つける姿など、さまざまな女性が登場します。それは性だけではなく、好きな仕事に就きたいけど挑戦できなかったり、嫌われたくないから人前で意見を言えなかったりしている人にとっては、共感できるところだと思います。そんなふうに、性別関係なく強く生きている女性たちの姿にもぜひ注目してください。インタビューを終えてみて……。終始ニコニコと笑顔で、癒し系のオーラが漂う森田さん。今回の役どころとあまりのギャップに驚かされましたが、まるで黒木さん本人が憑依したかのような熱演は必見です。次はどんな役で驚かせてくれるのか、今後も楽しみにしたいと思います。昭和の熱気が駆け巡る!心も体も裸にし、全力で人生を生きている村西さんや黒木さんの生きざまは、ついぬるま湯に浸かりがちな現代人には、ムチに打たれるような衝撃が走るはず。自分の欲求にまっすぐ生きる熱さを肌で感じてみては?ストーリーバカ丁寧な口調でトップにのし上がった英語教材セールスマンの村西。ところが、会社はある事件によって倒産してしまい、妻にも浮気をされてしまうのだった。失意のどん底にいた村西だったが、チンピラのトシや川田と出会い、アダルト雑誌を販売することを思いつく。その後、村西は大胆な手腕を発揮し、一躍業界の風雲児となるのだった。ところが、商売敵の暗躍によって、事態は大きく変わっていくことに。そんななか、村西たちの前に厳格な母の元で本来の自分を押し込めていた女子大生の恵美が現れる。ナイスな予告編はこちら!作品情報Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』8月8日(木)、Netflixにて全世界独占配信総監督:武正晴監督:河合勇人、内田英治出演:山田孝之満島真之介森田望智柄本時生伊藤沙莉冨手麻妙後藤剛範 ・ 吉田鋼太郎板尾創路余 貴美子 / 小雪國村隼 / 玉山鉄二リリー・フランキー石橋凌脚本:山田能龍、内田英治、仁志光佑、山田佳奈
2019年08月07日志村けん一座の第14回公演『志村魂』が7月25日、大阪・新歌舞伎座で開幕する。前半は「バカ殿様」「コントライブ」「志村けん三味線独奏」とバラエティに富み、後半は松竹新喜劇の演目『一姫二太郎三かぼちゃ』で感動を誘う。国民的コメディアン志村けんの生の笑いに触れられる、絶好の機会だ。志村けん一座 第14回公演 「志村魂」チケット情報ツアー初日を飾る大阪公演を前に24日、志村魂ファミリーと今年のゲストヒロイン、森尾由美が揃って会見を開いた。座長の志村は「大阪のお客様は反応も温かく、お芝居では良いところで拍手をいただけて嬉しいですね。大好きです」と冒頭からラブコールを贈る。今年は「変なおじさん」「ひとみ婆さん」ら人気キャラクターによる爆笑コントに加え、若手女優らがダンスに挑戦するなど、新たな演出も用意する。「毎回何とかして笑っていただこうと試行錯誤の末、こういう体型にもなったりするわけです」と、ネタを振られた“ぽっちゃりグラドル”こと一座のアイドル磯山さやか。すかさずダチョウ倶楽部の上島竜平に向かって「がんばろうな!」と声を掛けるあたり、さすがのコンビネーションだ。ダチョウ倶楽部のリーダー、肥後克広が「今年はトニー賞が狙えます」と充実した内容を宣言すると、寺門ジモンは観客を巻き込む“大きい笑い”が楽しいと語る。「ダチョウ倶楽部のライブは小劇場が基本なので、志村魂で大きい舞台に立てるのが嬉しい」。さらに上島竜平はファミリーならではの醍醐味を語る。「普段は物静かな志村座長が出番直前、瞬時にスイッチが入る。その一部始終を見られるのは役得」とし、自身のお笑いスイッチについて問われると「上島竜平58才、スイッチ探し中です」と笑わせた。ゲストヒロインの森尾由美は、志村の早替えの速さに舌を巻いたという。「瞬時にオーラが出るのがすごい。お一人で何役もされるので、お客様も楽しいと思います」。当の志村は「役柄ごとにギャラが出たらいいのにな」とボヤキ節で場を沸かす。桑野信義も頼れるコント要員の一人だが、今年はミュージシャンとしても本領を発揮すると言い、「見に来てください」と二枚目モードで詳細は明かさない。志村も上妻宏光仕込みの本格的な三味線独奏では、一部新曲を披露する予定だ。パワーアップした内容が楽しみな令和初の『志村魂』。志村座長が「暑い夏を生の舞台で吹き飛ばしてください」とアピールすると、最後は全員で「アイーン!」ポーズを決め、一段と気合いと結束力を高めていた。公演は7月25日(木)から28日(日)まで大阪・新歌舞伎座、8月2日(金)から12日(月・祝)東京・明治座、8月17日(土)から20日(火)まで名古屋・御園座にて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2019年07月25日これから梅雨のシーズンへと突入すると、何となく気持ちも落ち込んでしまうもの。そこで、そんなジメジメとした気分を一気に吹き飛ばしてくれる注目の映画をご紹介します。それは……。注目の青春音楽映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』!【映画、ときどき私】 vol. 240よく晴れたある日、偶然出会ったヒカリ、イシ、タケムラ、イクコ。13歳の少年少女たち4人は、両親を亡くしたばかりだったが泣くことができず、その姿はまるで感情がないゾンビのようだった。夢も未来も歩く気力もない小さなゾンビたちは、たどり着いたゴミ捨て場の片隅で「LITTLE ZOMBIES」という名のバンドを結成する。そんな彼らの演奏動画は瞬く間に社会現象を巻き起こす。ところが、4人は予想もしない運命に翻弄されていくことに……。本作は、本年度のサンダンス映画祭とベルリン国際映画祭で二冠を受賞するなど、日本映画として初の快挙を成し遂げている話題作。そこで今回は、オリジナル作品として手がけたこちらの方に、完成までの秘話についてお話いただきました。監督・脚本を務めた長久允監督!大手広告代理店でCMプランナーとして働く傍ら、映画監督としてのキャリアをスタートさせた長久監督。現在は映画制作と育児を両立する生活を送っているそうですが、今回は創作の源や育休体験などについて語っていただきました。―初長編作にして、海外では有数の映画祭で高い評価を得ていますが、ご自身ではどのように感じていますか?監督賞を狙って作ったわけではなく、自分がいいと思うものをひたすら模索しただけでしたが、海外だと僕が広告代理店に所属していることや、こういういで立ちであることを抜きにして純粋に作品で評価していただけるので、うれしかったですね。この先も「自分のなかにあるものを追求して作っていいんだ」と許されたような気がして、自信にもなりました。―今回は脇を固める俳優に佐々木蔵之介さんや工藤夕貴さん、池松壮亮さんなど、かなり豪華なキャストが勢ぞろいしていますが、キャスティングはどのようにされたのですか?監督実はどなたもお会いしたことがなく、コネクションも何もない方々。なので、2017年に制作した短編『そうして私たちはプールに金魚を、』を観ていただいたうえで、「あまりギャランティもありませんが、全力でシナリオを書いたので、気に入っていただけたらご協力していただけるとうれしいです」とストレートにお願いしました。―理想の俳優陣がそろった瞬間は感慨深いものがあったのではないでしょうか?監督そうですね。今回は、僕が本当に好きな俳優さんたちにお声がけしたので、オールキャストがそろったと思いましたし、「サブカル版『シン・ゴジラ』ができたぜ!」と興奮しながら仕上げていました。―(笑)。ちなみに、この作品は2年前、上のお子さんが5歳で、2人目のお子さんが生まれたときに取得された育休中に生まれた作品ということですが、期間はどのくらいですか?監督育休は3か月くらいでしたが、シナリオはそのうちの1か月ほどで書き上げました。育休を取得して感じたこととは?―育児をしながらの作業はなかなか大変だったと思いますが……。監督育休中は1日に30分から1時間くらいしか自由な時間がなかったので、家から一番近いコンビニのイートイン・コーナーで毎日30分ずつ書いていました(笑)。―まだまだ男性の育休は普及しているとは言えないと思いますが、周りでも取得している方は多いですか?監督うちの会社は育休を取ることによるマイナスは何もなく、むしろ取らないほうが恥ずかしいとさえ思うような風潮。人間としての経験値も増えますし、取らない理由はないという感じです。―それはステキな考え方ですね。実際、育休中にお子さんたちとがっつり向き合ったからこそ作品に反映されたこともありますか?監督それはめちゃくちゃありますね。僕が映画監督ではなかったとしても、妻や子どもと向き合うことによって、仕事にいい影響を与えてくれると感じました。―現在も積極的に育児に参加されているそうですが、どのような日常生活を送っているのか教えてください。監督妻も働いているので2人で平等に育児をやっていますが、まず子どもが起きるのが朝4時半。少し遊んでから朝食を食べさせて、僕が保育園に子どもを連れていき、8時から夕方5時くらいまで仕事をします。そのあとだいたい5時半には家族で夕食を食べていますが、朝が早すぎるので、全部前倒しなんですよね(笑)。子どもたちを寝かせたあとに仕事をすることもありますが、いまは会社と交渉して映画監督の仕事だけを業務にさせてもらっているので、シナリオは日中に書いていることが多いです。―早朝からかなりハードな毎日ですね……。ちなみに、育児が仕事に与える影響はどんなことですか?監督マイナス面としては自分の時間が減ることですが、プラス面はやっぱりおもしろいことですね。あとは、子どもの視点をもう一度持つことができたり、人間の根源にある感情の作用を近くで発見することができたりすることだと思います。僕は子どもができたことによって、他者の気持ちの動きまで配慮できるようになったので、子どもがいたからこそ、今回は子どもの眼差しに回帰した映画を作ることができたと感じています。自分が正しいと思ったことをやらないと意味がない―ということは、お子さんが生まれる前といまの作風ではかなり変わりましたか?監督全然違うと思います。特に、以前は表現やメッセージが暴力的だったり、ちょっと残酷だったりしていて、そういうものが衝撃的なんじゃないかと思って書いていたからです。でも、いまはすべての人たちに優しくありたいし、心から願っているのは、すべての人生を肯定したいということ。それは子どもと暮らすことで、僕が得た視点だと思っています。―もともとは会社員として入社されたと思いますが、そこから映画監督への道に進んだきっかけを教えてください。監督学生時代はシナリオを書いたりもしていましたが、入社してからは仕事に忙殺され、執筆もやめていました。でも、そんな時期に、いまは解散してしまった「NATURE DANGER GANG」というバンドのメンバーたちが、エネルギーを発散させている姿を見て、「誰の目も気にせず、自分が正しいと思ったことをやらないと意味がないんだな」と思ったんです。そのあと、『青春の殺人者』という僕が好きな作品をたまたま映画館で観て、「やっぱり自分は映画を撮らなきゃいけない」と感じるようになり、有休を使って短編を撮りました。―仕事では大変な思いもしたと思いますが、広告業を経験したからこそ、ほかの映画監督とは違うスタイルが確立された部分もあるのはないでしょうか?監督それはすごくありますね。僕は広告で仕事をしていなかったら、前作も本作も作れていなかったと思います。まずひとつは技術的なこと。つまり、「人が見たくなる映像とはどういうものなのか」といったことを毎回熟考してきたということです。そういうことに対して10年以上まじめに取り組んできたのが体に染みついているので、そこで体得した“筋肉”みたいなものは基本的にあると思います。もし広告を経由せずに映画に進んでいたらその筋トレはしていなかったですし、現在のスタイルにもなっていなかったと思うので、感謝していますね。―何事もまじめにやっていれば無駄なことはないということですね。とはいえ、入社した当時は営業をされていたそうですが、映画をやりたい気持ちを持ちながら働き続けるつらさもあったのでは?監督そうですね。10年ほど前は坊主でスーツを着て仕事していました(笑)。とはいえ、いい顔をしないといけないところもあり、自分に嘘をつきながらやっていましたが、前向きな性格でもあるので、そのなかでも何かおもしろいことを探しながら続けていたんです。「なんとかやっていけるかな」と思ったんですけど、ある日お酒も飲んでないのに、部屋のなかでおしっこしちゃってたんですよ(笑)!そのときに、自分が思っている以上に追い詰められていることに気がついて、会社に異動したいと伝えました。自分が経験したことをみなさんにも伝えたい―つらいときはどのように対処していますか?監督僕は比較的抱え込んでしまうタイプで、「大丈夫だろう」と思ってやってしまうんですよね。ただ、ぼくは体が弱いほうなので、心が無理だと言えなくても、先に体が危険を知らせてくれるので助かっています。もし、体が強かったら、つらいと思いながらも限界までやって一生を終えていたかもしれないですし、映画も撮れなかったかもしれないですね。―では、いまの監督にとって映画作りのモチベーションとなっているものは?監督一番は自分が感じたつらいことからの逃げ方とか、楽になれる方法をみなさんにもお伝えしたいという気持ちです。僕が経験したようなきつい思いをしている人は世の中にも多いので、「こうしたら楽になりますよ」というのを届けたいといまこの瞬間も思っています。―あとは、就活で映像関係の会社にはすべて落ちてしまったということの悔しさがバネになったところもあったのでは?監督それもありますね。学生時代には映画もけっこう作りましたが、どこにも引っ掛からなかったですし、僕は広告業界でもあまり評価されなかったんです。もちろん、自分に正直に作っていなかったところもあったので、それがいけなかったとは思いますが、いま自分が好きなものを作って評価されたことで、「ざまあみろ!」という気持ちはどこかにあると思います(笑)。そういう精神が原動力になっていますし、育児によって時間は限られていますが、だからこそ「いいものを作ってやるぞ」という反抗心みたいなものは強いかもしれません。自分の人生を楽しんで欲しい―監督の生き方に刺激を受ける働く女性たちも多いと思うので、ananweb読者にメッセージをお願いします。監督僕は前提として女性に理解のない男性が多いことは本当に問題だと感じています。これは男性が悪いので、まずはごめんなさい。もし、僕で変えられることがあれば、力になりたいとは考えているところです。あとは男女に関わらず、本当に自分がやりたいことをするのが人生。仕事だと人のためにやってしまいがちですけど、そうするとつらいですよね?その場合は趣味でもいいので、自分のしたいことをすると少しでも楽になれると思います。みなさんにもぜひ自分の人生を楽しんで欲しいと心から願っています。長久監督の才能とセンスが爆発!自分のやりたいことをどこまでも追求し、こだわり続けた監督だからこそ、生み出された唯一無二の1本。観たことのない映画体験が味わえるはずです。「LITTLE ZOMBIES」たちとともに心を取り戻す冒険へと歩き出してみては?衝撃の予告編はこちら!作品情報『ウィーアーリトルゾンビーズ』6月14日(金)全国公開出演:二宮慶多水野哲志奥村門土中島セナ佐々木蔵之介工藤夕貴池松壮亮初音映莉子村上淳西田尚美佐野史郎菊地凛子永瀬正敏配給:日活©2019“WE ARE LITTLE ZOMBIES”FILM PARTNERS
2019年06月13日10連休からの社会復帰で、疲れが出やすいこの時期。そんななか、あらゆる感情を刺激するオススメの衝撃作『貞子』をご紹介します。ということで、本作で姉弟役を演じたこちらの方々に撮影秘話などの見どころについてお話いただきました。写真・角戸菜摘(池田エライザ、清水尋也)池田エライザさん&清水尋也さん!【映画、ときどき私】 vol. 232今回、茉優として主演を務めた池田さんと弟の和真を演じた清水さん。話題作への出演が続いているおふたりですが、ホラーへの出演は初で、共演するのも初めて。そこで、お互いの印象やおふたりの意外な素顔を語っていただきました。―まずは、清水さんとご一緒されると聞いたとき、池田さんはどのように感じましたか?池田さん周りの役者さんから「清水くんのお芝居がいい」というのを聞いていたので、まずは純粋に楽しみにしていました。写真のイメージだと少し近寄りがたい雰囲気もあったんですけど、私の弟と似ていたこともあって、接しやすかったです。―ということは、すぐに打ち解けられたのですか?池田さん私も人見知りなところがあるので、多少時間はかかりましたね。なので、最初はなるべく遠いところからジーっと観察していました(笑)。でも、物語が進むにつれて、茉優と和真の絆が見えてくるので、それに合わせて打ち解けていった感じです。最初は仲良くなれないと思った(笑)―清水さんは、池田さんに対してどのような印象を受けましたか?清水さん僕は人見知りしないほうなのですが、初めて会ったときに池田さんから「清水くんって天才なんですよね?」と言われて、「仲良くなれないかも…」と正直思いました(笑)。言葉通りのプレッシャーがすごかったので……。―それは確かにすごいプレッシャーですね(笑)。では、それをどうやって乗り越えましたか?清水さんといっても、あとで普通に話すようになったら、本気ではなくて、コミュニケーションとしての冗談だったというのがわかったので大丈夫でした。池田さんそうですよ。「天才の方ですよね?」みたいなふざけた感じで言ったので(笑)。清水さんただ、最初はそれを読み解けるほどの親密さがなかったので、「どうしよう…」と思っていてきつかったです。池田さんでも、いまでは冗談も言い合える仲になったけどね!怖がりで台本を開くのにしり込みしてしまった―今回は、ホラーへ初挑戦となりましたが、出演のオファーが来たときはどのように感じましたか?清水さんすごく楽しみでした。やったことのないことに挑戦できるのは、純粋に新鮮でうれしかったです。池田さん普段はお話をいただいて、台本を受け取ったらその日のうちに読むようにしているんですけど、『貞子』に関しては開くのに2~3日はしり込みしてしまいました……。というのも、私は本当に怖がりなんです。でも、勇気を出して読んでみたら、ホラーではあるけれど、怖いという以上にヒューマンドラマの部分が丁寧に描かれていたので、ぜひ挑戦してみたいなと思いました。―では、ホラーは普段ご覧にはならないですか?池田さん私は見られないですね。昔、兄弟4人で一緒にホラーゲームをやっていたことはありますが、ソファに並んで座りながらお化けが出るとなったらみんなで毛布の中に隠れたりしていたくらいなので(笑)。清水さん僕は平気なので、じゃあ今度一緒にホラーを観に行きましょう!池田さん絶対に嫌です!お化けやホラーよりもとにかく虫が苦手―ということは、清水さんは得意ですか?清水さんそうですね、虫以外は大丈夫です。なので、海外版の『リング』を映画館で見たとき、虫が出てきたシーンは本当にヤバかったですね。いま思い出すだけでも汗が出てくるくらい。この作品も、虫が出てきたらお断りしていたかもしれないですね(笑)。池田さん洞窟で撮影したとき、外にはフナムシがうじゃうじゃいたよ。清水さんフナムシが一番ダメだから、そういうこと言わないでください!貞子はホラー部門の日本代表―本当に虫がお嫌いなんですね(笑)。では、貞子はどういう存在でしたか?池田さん私たちの世代は、なぜ貞子がそうなってしまったのかを知らずにきたので、ただホラーのアイコンという印象ですね。でも、そのおかげで「テレビは怖いものだ」というのが自分のなかに植え付けられてしまい、私はテレビに布をかけるようになりました。なので、私にとっては意識していなくても意識している存在かもしれないです。清水さんもし、「お化けを想像してみて」と言われたら、最初に貞子が思い浮かぶので、僕にとってもそれだけ強いイメージがついていると思います。そういう意味でも、「ホラー部門日本代表」みたいな感じですよね。だからこそ、参加できてうれしかったです。演じるうえでうそだけはつきたくなかった―おふたりとも怖がっている顔は“ホラー映え”していましたが、意識していたことがあれば教えてください。池田さん技術的に怖がっている顔をすることはできますが、「うそだけはつきたくない」というのがありました。つまり、このくらい目を見開いてと言われれば、本当にその気持ちになるくらいじゃないと嫌だったんです。なので、今回はカメラが回ってないところでも、隅っこでずっと泣き続けたり、洞窟のシーンでは誰もいない水に向かって話しかけたり……。結果、「貞子よりも私が一番怖い」みたいな感じでしたね(笑)。清水さん僕は「自分がおびえているときはこんな顔しているんだな」と思いました。初めて見る顔だったので、ちょっと笑っちゃいましたね。自分のああいう顔は見たことがなかったです。SNSは自分の立場を理解して使うべき―この作品では、デジタル社会に対する警告の部分もあると思いますが、SNSに対して怖さを感じたことはありますか?池田さんいまは情報過多な社会になってきているなとは感じています。たとえば、公式の情報ではなく、私見で書かれた記事で善悪を下してしまうこともありますし、自分の物差しで考える前に、正解を得てしまいますよね?そういうことが起きやすいのがSNSなのかなと。だからこそ、SNSを使っている人たちは、自分が発言している言葉が本当に自分の言葉なのかということをきちんと見定めて欲しいなというのは、常に思っているところです。清水さん僕は自分の家族や友達、好きな人が幸せだったらそれでいいので、他人のSNSにはあまり興味がないんです。でも、ネットリテラシーというか、自分の立場を理解したうえでちゃんとSNSを利用していかないといけないなとは思っています。―ご自分のことを検索することはありますか?清水さんそれはありますね(笑)。「かっこいい」と言ってくれる方がいればうれしいですし、ありがたい意見はありがたく頂戴しています。ただ、それ以外は受け付けないという都合のいいタイプです(笑)。いまハマっている意外な動画とは?―今回、和真は動画クリエイターという設定ですが、おふたりが思わず見てしまう動画やお気に入りはありますか?池田さん私は小鳥を飼っているので、小鳥やおしゃべりインコの動画はずっと見ています。あと、シベリアンハスキーの動画も好きですね。友達は私が好きなものを知っているので、そういう動画を見つけるとみんながどんどん送ってきてくれます。それだけでメッセージの未読が何件も溜まってしまうことがあるくらいです(笑)。清水さんホラーや海外のおバカなアクシデント動画とか、僕はけっこうなんでも見ますね。たとえば、ゲテモノ系の料理を食べているものを「無理、無理!」と言いながら見るのも好きです(笑)。あとは、スコティッシュフォールドみたいに足が短い猫が好きなので、癒し系の動物チャンネルとかも見ています。―では、この作品のために怖い映像も見ましたか?池田さんネット配信で「心霊スポットに行ってみた」という系統の動画はだいたい見ましたね。でも、なるべく昼間に見るようにしていましたし、そのあと怖くなって同級生を家に呼んでしまいました(笑)。昔から寝る前に電気を消すのが怖くて豆電球はいつもつけていますし、もともと毎日ビビッてばかりなので、それを見たことによって大きく変わったことはなかったですね。実は女性のほうが共感できる作品―池田さんのように、ホラーが苦手な女性も多いと思うので、ananweb読者へ向けて、オススメのポイントや誰と観に行くのがいいかなどアドバイスがあればお願いします。池田さん茉優は母性が強い女性ですし、家族の話でもあるので、意外と女性のほうが共感してもらえる作品だと思います。友達同士とか、グループで観て盛り上がるというのもいいですし、彼氏に甘えるきっかけを作るためのデートムービーとして観るのもいいかもしれないですね。みなさんぜひお誘いのうえ来ていただけるとうれしいです。インタビューを終えてみて……。取材中も本当の姉弟のように仲良しで、とにかく楽しそうに冗談を飛ばし合っていた池田さんと清水さん。作品とは正反対に笑いあふれる取材となりました。普段は笑顔がステキなおふたりですが、劇中では見たことのないような恐怖におののくリアルな表情を見せており、こちらも必見です!最後の最後まで容赦ない!現代ならではの問題を描きつつ、ホラーファンの期待も裏切らない本作。じりじりと迫りくる貞子の存在感に、“真の恐怖”とは何かを突き付けられるはず。劇場という最高の環境で、衝撃の最恐体験を存分に味わってみては?ストーリー心理カウンセラーとして病院で働く秋川茉優。ある日、警察に保護された記憶障害の少女が入院してくるのだった。その後、ある事件に関係があった子どもであることが判明するが、茉優は彼女に特殊能力があることを目の当たりにする。そんななか、茉優の弟である和真は動画クリエイターを目指していたが、アクセス数が激減していていたため、肝試しの動画を撮りに行くことを決意。ところが、貞子が映り込んだ恐ろしい動画を撮影したあと、和真は消息を絶ってしまうことに……。鳥肌モノの予告編はこちら!作品情報『貞子』5月24日(金)全国ロードショー配給:KADOKAWA©2019「貞子」製作委員会
2019年05月20日お笑いタレントの志村けん(69)が4月5日放送の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)にゲスト出演。自身の50年の芸能人生を振り返りながら、師匠である今は亡きいかりや長介さん(享年72)への想いを語った。東京の東村山市に生まれ育ち、学生時代は「ザ・ビートルズ」に憧れていたという志村。大学に進学した2人の兄とは別の道に進みたいと、コメディアンになることを決意した。そして大好きな「音楽」と「笑い」の2つを兼ね揃えていた「ザ・ドリフターズ」のリーダーであるいかりやさんへ弟子入りすると決めたという。そんな志村がドリフターズの付き人をつとめてから6年、転機が訪れる。メンバーの荒井注さん(享年71)が、体力の限界を理由に脱退したのだ。そんななか、いかりやさんの推挙もあって志村が新メンバーとして加入することに。急きょ付き人から“見習い志村”として『8時だョ!全員集合』に出演することになる。しかし当時の荒井さんの抜けた穴は大きく、コントは低迷。志村もなかなか人気の出ない日々が続いていた。だがある日の番組会議中、志村が何気なく「東村山音頭」を歌った。それを聞いたいかりやさんが「舞台でやってみろ」と提案。本番で披露したところ、大ウケしたという。以来、「カラスの勝手でしょ」や「ヒゲダンス」などヒットギャグを連発。志村はドリフターズに欠かせない中心メンバーとなっていった。しかし志村の人気上昇とは対照的に、全員集合の視聴率は徐々に低迷。1985年に終了してしまう。これを機にいかりやさんは俳優という違うジャンルにシフトし始め、ピン芸人としてブレイクする志村とは違う道を歩んでいくこととなった。このころから、世間では“いかりやと志村の不仲説”が囁かれるようになった。だが番組内では志村自身も知らなかった、その後のいかりやさんのプライベートが明らかに。実の息子である浩一さんがVTR出演し、告白したのだ。いかりやさんが志村の番組録画を毎回チェックしていたことや、亡くなる直前に志村の舞台を一観客として見に行っていたエピソードが紹介された。そのVTRを神妙な面持ちで見つめていた志村。番組の最後にMCの中居から「志村さんにとって、いかりや長介さんとは?」と尋ねられると、稀代のコメディアンは涙ながらにこう語っていた。「師匠としては間違いがなかったですね」この様子にツイッターでも、感動の声が続出。《今日の金スマの志村さん見ながら子供時代を思い出した》《ドリフ世代ではないけど、志村さんといかりやさんの師弟愛に心打たれて、思わずドリフ大爆笑のオープニング動画を探した》など、幅広い世代からドリフターズ愛が寄せられていた。
2019年04月06日「カンパーイ!」お祝いをする声が、店の外まで聞こえてきた。2月20日に69歳の誕生日を迎えた志村けん。その前日の19日夜、都内にあるバーではカウントダウンパーティが行われていた。店の前には「バカ殿」のポスターが張られており、完全貸し切り。22時半ごろになると、知人男性が大きなケーキを持って店の中へと入っていった。そして日が変わる直前になると、店の明かりが静かに消える。午前0時、店内からお祝いの声が次々と響き渡った――。「志村さんが常連となっているバーで、気の置けない仲間たちを呼んでお祝いをしたそうです。カウンター席に座りきれないほど人が駆け付けていて、立ったまま飲んでいる人もいました。16日も都内で200人規模のパーティが行われました。マツコ・デラックスさん(46)や島崎和歌子さん(45)、アンガールズの田中卓志さん(43)ら芸能人も参加。ブランドもののプレゼントが山積みで、車のトランクに入り切らないほどでした」(芸能関係者)そんなお祝い続きの志村だが、いまだ独身。昨年10月に本誌が健康不安を報じた際、知人は「志村さんは寂しいらしく、『お酒がないと眠れないんだ……』と言っていました」と明かしていた。また今年1月には「今年の誕生日会で新彼女のサプライズ発表があるのでは」との報道も浮上していた。だがカウントダウンパーティの夜に志村の孤独を癒したのは、新恋人ではなかったようだ。午前1時、志村がそっと店から出てきた。女性と先に帰るのだろうか……と思っていたところ、横にいたのはなんとワンちゃん!「志村さんが飼っている犬ではなく、出席者が連れてきたそうです。それでも動物好きの志村さんは『散歩をさせて』と懇願したみたいです」(前出・芸能関係者)パーティが続くなか、店を抜け出す志村。そろって出てきた男女とともに、深夜の散歩が始まった。駆け出す“愛犬”に小走りで続く志村。その様子を女性がスマホで撮影すると、楽しそうに笑う。10分ほど憩いのひとときを過ごすと、再び店内へと入っていった。「その後も、午前3時まで誕生日パーティは続きました。志村さんはオリジナルのキャップを作っていて、来てくれた人たちにプレゼント。“チーム志村”による祝宴を嬉しそうに眺めていました」(別の芸能関係者)誕生日の“同伴”相手がワンちゃんだった志村。この様子だと結婚はまだ先かも!?
2019年02月28日映画とはそれぞれの時代を反映するものですが、そんななかで生まれた注目作のひとつといえば、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されるなど、世界的にも高い評価を受けている塚本晋也の最新作『斬、』。そこで、主演を務めたこちらの方にお話を伺ってきました。それは……。写真・黒川ひろみ(池松壮亮)話題作への出演が続いている池松壮亮さん!【映画、ときどき私】 vol. 202本作で池松さんが演じているのは、武士でありながら刀を抜くことに悩む若き侍の杢之進(もくのしん)。観るものを虜にする熱演が話題となっていますが、今回は20代のいま感じている思いや映画作りへの向き合い方について語っていただきました。―まずは、今回出演しようと心を動かされたのはどんなところですか?池松さん僕にとって塚本晋也監督は特別な人であり、どうしても出会いたかった人だったというのがまず1つ目の理由。そして、2つ目はできあがってきたプロットがあまりにも素晴らしかったので、断る理由がなかったということです。―なかでも、プロットのどのあたりに惹かれたのでしょうか?池松さんどのシーンがという具体的なことではなく、総合的な素晴らしさがありましたが、時代の変わり目に絶対に残さなければいけない作品だとも感じたからです。あとは、自分の役柄に関していうと、「自分はこの役にふさわしい」と思えたので、「やります」と伝えました。塚本監督との出会いは特別だった―撮影から1年ほどが経ちますが、初めて参加された塚本監督の現場を改めて振り返ってみていかがですか?池松さんいろいろ感じるところはありましたが、塚本監督は商業と一番かけ離れたところで戦っていらっしゃる監督。おそらく監督のやり方は誰も真似できないんじゃないですかね。それに、何よりも映画を作ることへの優先順位がつねに明確にあったので、あんなにも映画を作る喜びを感じられる場所はそうそうないと思いました。―これまでにいろんな現場を経験されていますが、塚本監督がほかとは違うと感じたのはどんなところでしょうか?池松さんこんなことを言うべきではないのかもしれないですが、明確に違うのは、映画を作るために誰かからお金が出ているわけではなく、塚本監督の人生からお金が出ているということ。あとは、すごく少数で作っているので、コミュニケーションも直接的なところも違いました。塚本監督は脚本から完成までをひとりでやっていますが、これだけ映画の能力が優れた人というのはいまの日本にはいないと思います。20代で塚本監督と出会えたことはものすごく大きなことでしたし、特別なことでした。―今回演じた杢之進というキャラクターは、どういう人物だととらえていますか?池松さん過去も未来も縦軸も横軸も、ものすごく広く想像できる人でありながら、結局自分の無力さに負けた人という印象ですね。―監督によると、「現代の若者が江戸の末期に舞い降りたら、こういう人物もいたかもしれない」というコンセプトだったそうですが、杢之進にいまの若者と通じる部分は感じましたか?池松さん塚本監督は願いも込めて言っているんだと思いますが、不安を感じていたり、信じているものを見失ったり、という意味では現代的なんじゃないかなと思います。―役作りで意識したことはありますか?池松さん漠然としているかもしれないですけど、自分のなかの平静心みたいなものと祈りのようなものを込めたつもりです。この作品をやるために俳優を続けてきたと感じた―杢之進という役に、ご自身との共通点を感じられたところはありましたか?池松さん自分が20代に入ってから抱えてきたものと杢之進の“祈り”みたいな部分が、すごくリンクするところがあったので、大げさに聞こえるかもしれませんが、「自分はこの作品をやるためにいままで俳優を続けてきたんじゃないか」と思わせてもらえるような感じはありました。これまでもそういう出会いがいくつかあったので、俳優を続けてきたというところはありますね。―作品ご覧になったとき、全体の印象はいかがでしたか?池松さんとにかく強度のある作品になったし、すごく自信はあります。「ぜひ観てください」と言えるところまでいけたなと思いますし、海外でもみなさんにとても真摯に受け取ってもらえたので、手ごたえは感じています。―今回は、江戸時代の末期でしたが、いまとは違う時代背景のなかでどのような意識を持たれていたのでしょうか?池松さんあくまでも想像するしかないんですが、たとえばこういう時代ですから、「明日から戦争行ってください」と言われるかもしれないですよね。そういうことへの危機感は多少なりともあるので、そうなったときにどうなるか、みたいなことだと思います。「明日は我が身」というか、そうじゃないとこういう映画は作られないと思いますし、そういうところまで来てしまっているということなんですよね。そうあって欲しくないという気持ちは、みんな同じですから。―現代にあえて時代劇を作る意味というのは、どういうところにあると思いますか?池松さんこれが現代劇だと映画の効果がなくなりますし、戦争モノにすると直接的すぎて見るのがキツイと感じてしまうんですが、時代劇というだけでエンターテインメント性を出すことができるんです。この作品は、普遍的なものと、“痛み”についての映画だとも思っているので、役を演じるうえで過去や未来にあるかもしれない痛みを想像できていないと成立しないと思いました。ただ、僕がそれを想像できるということは、それだけいまの世の中はよくないところまで来てしまっているということなのかもしれませんね。想像以上に30歳を意識している―この役にはご自身が20代で取り組んできたことや模索し続けてきたことが集約されていると思われたそうですが、20代になってからどのようなことを感じているのでしょうか?池松さん「こんなはずじゃなかった」というか、挑むほどに自分の無力さを感じていましたし、いまでも感じています。―では、30歳に向けていまどのような心境ですか?池松さんいま28歳なので、あと1年半くらいはありますが、想像以上に30歳というのを意識していますね。それは自分の気持ちの問題だけではなくて、時代の転換期が来ていると感じているからだと思います。期待も不安もありますが、これから世の中はどんどん良からぬ方向に向かってしまう可能性もあると思うので、考えるべきはそのなかで自分が何をできるかということ。それにプラスして、20代でやるべきだったことを次の年代には持ち込みたくないので、30代では時代と手を組みながらやるべき役や作品をやっていかないといけないとは思っています。―具体的に挑戦したいこともありますか?池松さん何か具体的に決められたらいいんですが、コロコロ変わったりもするので、まずは一生懸命生きていこうかなという感じです。―10代で映画と出会い、いまにいたっていますが、どうして好きなものを早く見つけられたと思いますか?池松さん本当は僕は小さい頃から野球選手になりたかったんですけど、自分の能力を信じられなくなって、そのときやっていた俳優をやることにしました。それは、目の前にあった可能性を信じただけであって、その可能性が見いだせなくなったらやめるかもしれないですね。というか、なりたいものになれてるのなんてイチローさんくらいじゃないですか(笑)?僕は「俳優になりたい」と思ったことはありませんでしたが、そのなかで続けてこられたのは、俳優としてやれることの可能性を信じているからだと思います。つまり、「この顔とこの思考で生まれた自分を一回信じてみる」みたいなことです。タイミングが合えば映画監督もやってみたい―そういう意味では、いまでも憧れているのは野球選手ですか?池松さんそうですね、尊敬しています。あとはミュージシャンですね。やっぱり、男は野球選手かミュージシャンじゃないですか(笑)?―では、俳優としての理想像はありますか?池松さん俳優を始めた頃から、「○○さんみたいになりたい」と思ったら負けな気がしていたので、特に目標にしている人はいませんが、これまでは自分がそのときそのとき追い求めるいい俳優を目指してきたので、これからも同じようにしていくんだと思います。―大学時代には映画監督のコースを専攻されていましたが、塚本監督のように監督業と俳優業を両立させてみたいお気持ちはありますか?池松さん年々興味は湧いていますし、気持ちも高まっていますが、そういうことはおのずとタイミングが訪れるはず。俳優もタイミングが来て選んだ道ですし、自分が撮るべき作品と出会ったらそのときはやるとは思います。―「思っていることを映画で伝えたい」ということもあり、2年ほど前にSNSをすべてやめられましたが、実際にやめてから変化はありましたか?池松さんそんなに大切なことってたくさんないので、携帯を閉じたほうが大事なことがより入ってくるようになったとは思いますね。目をつぶったほうが大切なものが見えるみたいに、シンプルになって雑味がなくなったのかもしれないです。とはいえ、いまの人たちがSNSを遮断することはなかなか大変なことだと思いますが、僕の場合はどちらでも選べる状況にあったからというのは大きかったと思います。「俳優はSNSをやらなくてはいけない」という決まりもないですからね(笑)。―では、そうすることで表現することに対してよりまっすぐに向き合えるようになりましたか?池松さんSNSをしていたときよりはそうなったかなとは思います。伝えたいことや怒っていることなど、発したい言葉は増えるいっぽうですが、いまはこれでいいのかなと。僕は仕事とプライベートの境目はあまりなくて、ずっと映画のことを考えているし、ずっと自分の人生のことを考えている感じですね。インタビューを終えてみて……。どんな質問にもひとつひとつ言葉を選びながら、真摯に答えてくださる姿が印象的な池松さん。ここ数年でグッと大人の雰囲気が強くなってきていますが、本作でも漂うような色気と映画に対する熱い思いはひしひしと伝わってくるはずです。ぜひ、その一瞬一瞬をスクリーンで存分に堪能してください。圧倒的な世界観に誘われる!普段、あまり時代劇になじみがないという人でも、いまに通じる思いや生きることの意味などに誰もが心を揺さぶられる本作。最高のキャストとスタッフが贈る渾身の1本は、まさにいまだからこそ観るべき作品です。ストーリー250年も戦がなく平和が続いていたが、江戸時代末期を迎え、開国するか否かで国内は大きく揺れ始めることに。そんななか、農村で手伝いをしていた浪人の杢之進は、時代の変革を感じつつ、隣人たちと穏やかに暮らしていた。ところがある日、剣の達人である澤村が現れ、杢之進に京都の動乱へ参加しようと誘いをかける。そして、旅立ちの日が近づいたとき、無頼の浪人集団が村に流れつき、あることをきっかけに事態は思わぬ方向へと進んでしまうのだった……。胸に切り込んでくる予告編はこちら!作品情報『斬、』11月24日(土)よりユーロスペースほか全国公開!配給:新日本映画社©SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
2018年11月23日人生とはつねに決断の連続であり、それをどう乗り越えて行くかによっても生き方が大きく変わってしまうもの。そこで、まさに “究極の選択” を迫られる夫婦の姿を描いたこの秋の話題作『人魚の眠る家』をご紹介します。今回は、本作のさらなる見どころを探るため、こちらの方にお話をうかがってきました。それは……。写真・黒川ひろみ (篠原涼子)主演を務めた篠原涼子さん!【映画、ときどき私】 vol. 199劇中で篠原さんは、不慮の事故が原因で意識不明に陥ってしまう我が子を守ろうとする母親の薫子を演じています。同じ母親として感じた思いや自身の困難との向き合い方、そしてananweb読者へのアドバイスなど、幅広く語ってもらいました。―まずは、今回のオファーが来たときのお気持ちから教えてください。篠原さん正直、最初は躊躇しました。というのも、私にも子どもがいるので、「こういう作品をやることによって、何かが起きてしまったらどうしよう」という自分自身の弱さみたいなところで止まってしまったからなんです。ただ、いろいろな方に背中を押していただいて、もう一度見直してみたときに、「こんなに素晴らしい作品だったんだ」ということがわかり、ひとりの女性としての葛藤や感情をここまで表現できる作品にはなかなか巡り合えないんじゃないかと思うようになりました。―そのあたりは女優としても、挑戦だったのではないでしょうか?篠原さんそれは女優というお仕事をさせていただくうえでは、飛び越えないといけないハードルだったので、いいチャンスでもありましたし、やりがいもあると感じました。原作が東野圭吾さんということもあって、ただ悲しい不幸な話ではなくて、ミステリーの部分もある作品。本当に盛りだくさんな映画だと思ったので、お受けすることにしました。独身のころと変わったところとは?―今回のテーマは、「母の究極の愛」。篠原さんご自身も実際に母親になったことで、人生観や考え方に変化はありましたか?篠原さん子どもがいるということだけでも勇気が出ますし、「人のために働こう」という意識が強くなったとは思います。あとは、「ひとりじゃない」という心強さや「ちゃんとしなきゃ」という気持ちが湧き出てきたという意味でも、独身のころとは全然違いますね。―この作品に参加したことで、お子さんへの気持ちに影響を与えたことはありませんでしたか?篠原さん何でも当たり前だと思って感謝の気持ちをつい忘れがちですが、この作品を経験したことによって、自分が子育てをしている環境がいかに幸せなことなのかということは、身に染みてわかりました。普段、うるさいなと思うこともあるんですけど、子どもが明るくて、わがままを言えることも幸せなことなんだといまは再認識しています。―これまで、ほかの作品でも “もがく人” というのを演じてきたと思いますが、ご自身が答えのない問いに向き合ったときはどのようにして乗り越えていますか?篠原さんここまでの難題というのは、まだ自分に起きてないので、実際にこういう状況になったら未知ですね。ただ、子育てに関しては、いまの私が大変だと思うことはたかが知れていますし、それはきちんと子どもと向き合って、コミュニケーションを取れば解決の方法が見つかるものだと思っています。念じていれば思いは叶うもの―子育て以外でもご自分の人生において、もがいていたと感じる時期はありましたか?篠原さん私はけっこうあっけらかんとしているほうで、「それも人生だよね」みたいに思う古臭いタイプなんです(笑)。だから、「むしろそういうことが糧になって、いまがある」と感じてしまうので、もがくほどのことはなかったかなと思います。うれしい悲鳴ならいっぱいありますけどね。―では、意識的に困難を乗り越えるというよりも、自然体で受け止めてらっしゃるんですね。篠原さん私は「念じていれば思いは絶対に叶う」と信じているので、そういう気持ちをいつも大切にしながら、先のことを思い描くようにしています。―篠原さんはつねに明るくて前向きなイメージがありますが、そういうスタイルになったきっかけはありますか?篠原さん多分、これは性格ですね。基本的に楽観的なので、寝ると悩みが解決されちゃうこともあるくらい(笑)。いろいろと考えるうえでは、クヨクヨすることもときには必要だと思いますが、どちらかというと、私は深く考えるのが苦手なのかもしれないですね。現場が楽しかったから苦労は感じなかった―この作品は、非常に深いテーマでしたが、ご自身で役を引きずってしまうことはありましたか?篠原さん私自身は、意外と引きずることはなかったですが、それよりも泣くシーンが多くてエネルギーをかなり消耗していたので、マラソンを走ったあとのような疲れを感じていました。普段はみんなとおしゃべりするのが好きなんですけど、それもせずにけっこうボーっとしてしまうこともありましたね。―繊細な演技を求められた難しい役どころだったと思いますが、一番苦労した点はどんなところですか?篠原さん現場に行くのは毎日楽しかったので、あまり苦労は感じなかったです。ただ、この薫子というのは、演じるたびにどんどん変わってしまう人。もし撮り直したら、そのたびに違う感情が出てくるのかなと思ったので、終わりがないという意味では、もっと演じたかったくらいでした。―とはいえ、今回は「演じる」というよりも、「薫子を生きていた」という感覚に近かったのではないでしょうか?篠原さんまさにそんな感じですね。「役を演じよう」と思って仕事をすることはしたくないと普段から心がけていますが、そういうことをしなくても済んだのはこの作品だったからこそ。いつもは前日にいろいろと考えて、「明日のシーンはこんなふうにやろうかな」とかイメージを描いてから現場に行くんですけど、今回はその場の感覚でやるほうがいいと感じました。あとは、相手役の方々とのキャッチボールも大事なこと。そこで自分がどういうボールを投げられるか、そして相手のボールをどうやってキャッチして投げ返せるか、ということを意識していました。そのことによって感動が生まれたような気がしています。笑顔でいることが輝き続ける秘訣―現在は、妻としても母としても女優としても、忙しい日々だと思いますが、それぞれをどのようにしてバランスを取っているのか教えてください。篠原さんそういうふうによく聞かれるんですが、私がバランスを取らなくても、家族がバランスを取ってくれているんです。もちろん、家族と意見が食い違うこともありますけど、それを家族が乗り越えて助けてくれているからこそ、私は仕事ができていると思っています。―では、家庭を持ってからの仕事への向き合い方も変わってきているのでしょうか?篠原さんそこはあまり変わってないかもしれないですね。というのも、自分のなかで決めていたのは、結婚しても子どもができても、仕事を犠牲にしたくないということ。ただ、家族のせいでこういう仕事ができなくなったというのも嫌なので、そこは言い訳にも犠牲にもしたくないところですね。すべて自分の責任で前向きに取り組みたいので、そういう意味でも昔から変わっていないと思います。―女性読者のなかには、篠原さんのようにステキに歳を重ねていきたいと目標にしている人も多いのですが、20代、30代はどのような意識で過ごされていましたか?篠原さん偽善的な答えになってしまうかもしれないですが、いつも周りに盛り上げてもらいながら笑って過ごしていたので、笑顔に包まれるようには意識していたと思います。明るいイメージを大切にしながら生きていくように心がけていましたね。人生は悩みごとがあったほうがいい―どれだけ仕事でストレスが溜まっていても、笑顔でいるように意識されていたのですか?篠原さんそうですね。でも、私にとって、仕事をすること自体がストレス発散。本当に仕事が好きなので、睡眠さえとれていれば、ストレスが溜まることはないですね。―とはいえ、撮影などで不規則な生活になったときは、どのように対処していますか?篠原さんスケジュールがきついと、風邪をひいたり、免疫力が低下したりと体にこたえることもありますが、まずはミネラルウォーターで水分補給をたくさんするようにはしています。あとは、生野菜を毎日ちゃんと食べるようにしていますね。撮影で揚げ物が多いと野菜不足のときがあるので、ホルモンバランスや腸内環境を整えるためにも現場に野菜を持っていくようにしています。―そういった積み重ねが大切なんですね。それでは最後に、仕事や恋愛で悩んでいるananweb読者に向けて、アドバイスをお願いします!篠原さんまずは、「悩みごとがあるほうがいいよ」と伝えたいですね。というのも、それがモチベーションや人生の糧になるものですから。あとは、考えすぎたりせずに、好きなことを思う存分やることがベストだと思います。インタビューを終えてみて……。取材中もとにかく笑顔がステキで、ポジティブなオーラをひしひしと感じさせてくれる篠原さん。いくつになっても変わらぬ魅力の秘訣を垣間見ることができたので、ぜひ見習いたいと思います。映画では、これまで見たことのないような篠原さんに圧倒されること間違いなしなので、その様子は劇場で目撃してください。衝撃のミステリーと感動に震える!「もし自分だったら……」という問いと向き合うことで、新たな思いに気付かされる本作。家族のことだけでなく、自分の置かれている環境についても、誰もが考えずにはいられないはず。想像を超えたクライマックスを目の前に、あなたならどうしますか?ストーリー娘の小学校受験が終わったら離婚すると決めていた仮面夫婦の薫子と和昌。ところがある日、娘がプールで溺れて意識不明となり、「回復の見込みがない」と告げられてしまう。深く眠り続ける娘を前に、夫婦は “ある選択” をすることを決意するのだが、それによって、それぞれの運命が徐々に狂い始めていくのだった……。涙を抑えられない予告編はこちら!作品情報『人魚の眠る家』11月16日(金)全国公開配給:松竹©2018「人魚の眠る家」 製作委員会
2018年11月16日「68歳になっても、志村さんは飲み会が大好き。頻繁にみんなを集めては、ワインやウイスキーなどを飲みまくっていました。宴が深夜まで続くことも、珍しくありませんでした。でもそんな彼が最近、急にお酒を飲まなくなったんです……」(志村けんの知人)今なお独身を貫く大物芸人・志村けん(68)。酒好きとして有名で、これまで女性と飲み歩く姿が目撃されてきたこと数知れず。だが実はいま、健康不安を抱えているのだという。「つい先日、体調が悪いので病院で超音波検査をしたそうです。そうしたら、肝硬変だと診断されたみたいで……。『このままだとガンになる危険があるからお酒は3杯までにしてください』と医者に注意されたそうです」(前出・志村けんの知人)13年3月には自身のブログで病院に行ったことを報告。《精密検査ではありませんがやはり肝臓数値が悪く休肝日必要と言われました》とつづっていた。また16年8月にも、肺炎のため緊急入院。関係者からも心配の声も上がっていた。「数年前にも、体調を崩されたことがあったそうです。志村さんは『仕事に穴をあけるわけにはいかないから、酸素吸引気を持参して新幹線に乗ったんだ』と話していましたね。しかし。そんな状態でも飲みに行くのをやめることはなかったそうです」(芸能関係者)なぜ彼は、そこまでして酒を飲み続けるのだろうか。理由を、前出の知人はこう語る。「志村さんはいつも寂しいらしく、『お酒を飲まないと眠れないんだ……』と言っていました。実際、最近も飲み会を開いていました。志村さんはさすがにお酒ではなくノンアルコールビールを注文。陽気にギャグを言って周囲を笑わせていました」そんな志村がライフワークにしているのが、看板番組『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)。放送32周年を迎える今も、年3回ほど不定期に放送している。だが、最近の健康不安から弱気になっているのだろう。志村は周囲にこんな驚きの発言をしていたという。「バカ殿は志村さんが自分で台本まで考えているほど愛着があるキャラクターなんです。なのに志村さんが最近、『バカ殿はもうできない……』と漏らしていたんです。最近少し元気がないようにも感じていましたが、それもバカ殿がもうできなくなるという寂しさがあったのかもしれません」(前出・芸能関係者)おもわず心配になってしまう弱気発言の数々。そんななか、所属事務所関係者はこう語る。「いえいえ。『バカ殿』は年明けに放送されますし、その後についても終了するなんてことはありません。今は酸素吸入器を使ったりもしていませんし、肝硬変にもなっていません。たしかに、年齢も年齢ですからね。定期的に病院で検査を受けることもありますし、検査の数字が悪いこともあります。でも最近も体力づくりのため、ウォーキングを再開していました。本人もなんとか回復すべく、頑張っているところなんですよ」実際、本誌が目撃したのは“お遊び”に向かうかつての志村の姿ではなかった。10月上旬のお昼すぎ、自宅から出てくる志村の姿が。頭に手ぬぐいを巻き、Tシャツと短パン姿。そのまま1時間ほどウォーキングで汗を流すと、再び自宅へと戻っていった。寂しさを紛らす“孤独酒”の日々。でも飲み過ぎには、くれぐれも気をつけてほしい!
2018年10月16日アラサーになると、急激に増える結婚式の招待状。「私の番はいつになるんだろう? 」なんて思いながらも、なかなか運命の人にめぐりあえずに嘆いている女子も多いはず。友だちの紹介や合コンなどで思うような結果がでないと次の選択肢として浮かぶものは、婚活パーティ! ただし、傾向と対策を何も知らず行くのは無謀というもの。そこで、婚活パーティで気をつけたい心がけをご紹介します!文・志村昌美【アンアン総研リサーチ】vol. 168事前に準備万端で参戦すべし!いつも「出会いがない」とため息をついているばかりでは、いい縁を引き寄せられません! ときには自分から出向いて、積極的に出会いを求めることも重要。そんなとき真っ先に思いつくものといえば、婚活パーティへ参加。だけど、興味があってもなかなか勇気がないという女子も多いですよね?そこで、20~30代の女子が集まるanan総研メンバー200人のアンケートをもとに、まずイマドキの婚活パーティ事情から順番に探っていきましょう!Q. 婚活パーティーに参加したことはありますか?anan総研調べ約3割の女子たちが「参加経験あり」ということ。今後はもっと増えていくのではないかと思われます。ちなみに、「友だちに誘われたので」という参加理由が一番多く78%。友だちと一緒だと安心できるし、合コン感覚で楽しめそう。ちなみに「1人で参加」という方は22%という結果に。続いて一番気になるのは、お金に関して。Q. 婚活パーティの参加費はいくらでしたか?アンケートでは「無料だった」という答えが多く見られましたが、だいたい1000~3000円くらいの会費を払ったというのが一般的のよう。これくらいの金額なら、ちょっと興味がある人でも気軽に参加できそうなので、自分の条件に合うものを探してみるのがよさそうですね。では、「心の準備も整って、あとは参加するのみ!」となったあなたに、ご紹介するのは、婚活パーティ上手になる方法3つです。その1:男性が結婚したい女性像を理解しておく!「来ている女子は20代前半!! アラサーが打ち勝つには、お化粧や洋服はいつもよりぐっと控えめに行くといいと思います。また、お見合いパーティの男性アンケートではほとんどの人の好きなタイプは『明るい』『優しい』とかではなく、『穏やか』『癒し』系でした」(31歳・事務職)婚活パーティといえば、まずは第一印象がすべて。気合いを入れ過ぎて、派手な格好をしたり、ブランド品を持っていったりすると、お金がかかりそうな女という印象を与えてしまうことも……。結婚相手としては、男性陣が引いてしまうこともあるようなので、やる気は内にだけ秘めて、外見はいつもより控えめで清楚系をイメージするのがよさそうです。自分が男だったら結婚したいと思う女性を思い浮かべてみて、そこに自分を近づけてみるのというのもいいかもしれませんね。その2:結婚したいという意識をきちんと持つ!「あまりこだわらなくて本気で結婚したくて参加してる人」(26歳・デザイン,クリエイティブ)「とにかく『結婚する!!!!!』という強い意志を持った女性」(28歳・事務職)「婚活パーティで成功する女子とは?」という問いに関しては、このような答えが並びました。パーティーに参加している人たちは、「結婚相手を探す!」という強い目的意識を持っている女子が集まっているので、何も考えずに参加すれば、彼女たちに負けてしまうのも当然というもの。せっかくお金と時間を使うのであれば、それなりの成果を出して帰れるように、事前に男性陣に聞いておきたい質問を決めておいたり、結婚相手に求めるものやここだけは譲れないことなどを考えたりしてから挑むようにしましょう!その3:同性の友だちも作る!「婚活パーティで仲良くなった女性に呼ばれた合コンで彼氏が出来た」(27歳・その他)「友達が婚活パーティで男性ではなく同性の女性と仲良くなりコンパなどに繋げていた」(30歳・事務職)婚活パーティは男性とだけ知り合う場所ではありません! 同じ目標を持った友だちができれば、情報交換やお互いに合コンを企画したりできるので、新たな出会いを広げるきっかけになります。もし、「今日はいい出会いがないな」と思ったら、男性には見切りをつけて、参加者の女性と友達になるように心がけてみては?参加しないことには何も始まらない!anan総研メンバーのなかには、実際に婚活パーティで結婚相手と出会ったという人もいるくらい、これから “出会いのスタンダード” になる可能性大。とはいえ、婚活パーティにもピンからキリまであり、最初はどうしていいかわからない人も多いと思います。まずは婚活パーティー経験者の友だちと一緒に行ってみたり、同じように興味のある友だちと参加してみたりするのが安心かもしれませんね。一度様子がわかれば、そのあとはひとりでも参加することができると思うので、“運命の人への道” の第一歩を思い切って踏み出してみましょう!以上、【アンアン総研リサーチ】vol. 168 でした。※2016年10月3日作成
2018年10月09日年齢を重ねるほど、失敗や挫折を経験することも多くなるものですが、そんなときこそ実際に起きたサクセスストーリーから活力をもらうのがオススメ。そこでご紹介するのは、感動の実話をもとにした注目作『泣き虫しょったんの奇跡』です。今回は、こちらの方々に本作の魅力についてお話いただきました。それは……。写真・角戸菜摘(松田龍平・豊田利晃)主演の松田龍平さん&豊田利晃監督!【映画、ときどき私】 vol. 184これまでも数々の話題作を生み出している松田さんと監督ですが、本格的なタッグを組むのは実に16年ぶりとなります。今回はプロ棋士養成機関である「奨励会」を退会後、アマチュアからプロ編入という偉業を成し遂げた男の半生を描いた作品。「将棋界が舞台」と聞くと、将棋のことはわからないという女子も多いと思いますが、そこはご心配なく。本作の見どころとなるのは、夢に破れた主人公がいかにして成功をつかんだのかという奇跡の道のりと、周囲の人たちとの心温まるやりとり。そこで、本作を通しておふたりが感じた思いや現場でのエピソードなどを語ってもらいました。―豊田監督は9歳から17歳までプロ棋士の登竜門である「奨励会」に在籍されていたということもあり、将棋に対して強い思い入れがあったと思いますが、そのなかで松田さんを主演に迎えたきっかけを教えてください。監督龍平とは17歳のときの『青い春』にはじまり、19歳で『ナイン・ソウルズ』、29歳で『I’M FLASH!』ときていたので、「次はどんな映画で松田龍平と組むことができるんだろう」と思っていましたが、そんなときに今回の作品に出会ったんです。映画の主人公も35歳になるまでの話ということで、ちょうど35歳の龍平ともぴったり。それに、僕が将棋の映画を撮るなら、主役は同じ年月を積み重ねてきている龍平しかいないというのは、自然な流れだったと思います。ほかの候補を考えることもありませんでしたね。豊田さんとならなんでもやりたいと思った―松田さんはオファーを受けて、どのように感じましたか?松田さんまずは「豊田さんが将棋の映画を撮る」と聞いて、ぜひやりたいと思ったのが最初ですね。豊田さんとならなんでもやりたいと思って受けました。―今回、松田さんが演じたのはしょったんこと瀬川晶司五段ですが、演じるうえで意識したことはありましたか?松田さん今回のようにご本人が現場に来てくれるというのは、これまでに経験がないこと。こんなにありがたいことはないなと思う反面、すごく気になってしまうところもありました。ただ、将棋の練習をしていたときから瀬川さんはずっと一緒にいてくださったので、瀬川さんに感情移入したところは多かったと思います。―実際の瀬川さんはどのような方でしたか?松田さん台本や原作を読んでいたので、なんとなくイメージはありましたが、僕は現場では陰でこっそり盗み見している感じでした(笑)というのも、瀬川さんは、観察したくなるような人なんですよ。―撮影のあとには一緒に出掛けられたりもしたそうですが、瀬川さんと過ごした時間で思い出に残っていることはありますか?松田さんいろいろ誘ってもらって、お花見をしたり、フットサルをしたりしました。あとは、瀬川さんの恋の悩みを聞いたり(笑)。なので、あまり将棋の話はしていないかもしれませんね。ひとりの人間を描く作品にしたかった―監督は映画化するにあたって、瀬川さんとはどのようなやりとりをされたのですか?監督原作の文体からも人の良さが出ていますが、瀬川さんは僕にとって「いい人グランプリ」でベスト3に入るいい人。映画を作るにあたっては、原作通りにはできないことも多く、セリフや人物も変えていかないといけないのですが、「すべてお任せします」と言ってくれて、それはありがたかったですね。―では、現場で瀬川さんから何か要望があったということもなかったのですか?監督まったくなかったです。瀬川さんには将棋の棋譜を頼んでいたので、そのことや対局室のお茶の場所とかそういうことは確認しましたが、映画の内容に関しては特にありませんでした。―この映画を制作するにあたって、参考にしたことはありましたか?監督映画を撮る前は、ジョージ・ロイ・ヒル監督の『ガープの世界』(82)みたいに人間の一生を描くような映画にしたいと思っていました。今回は半生ではありますが、ひとりの人間がたまたま将棋と出会って、たまたまこういう世界に入ってこうなったみたいな人間ドラマにしたかったんです。棋士役を演じるうえで監督がリクエストしたことは?―将棋という独特な世界が舞台ではありながらも、テーマとしては普遍的で誰もが感情移入できる作品になっていると思いますが、なかでもこだわった部分はありますか?監督ワンカットごとにいろいろなことがありましたが、龍平やほかのキャストに早い段階からリクエストしていたのは、将棋の指し方を完璧にして欲しいということでした。というのも、駒を持つ手つきや将棋盤のパシーンという音には美しさがあるんですよ。将棋を指す者なら誰もがそういう美学を持っているものなので、それを体得することが将棋を理解する近道かなと思ったんです。まずはそこが一番重要なところでしたし、将棋の経験がある僕だからこそ、徹底したいところでもありました。―そういった要望に応える松田さんの演技に、監督がうなるような瞬間もありましたか?監督奨励会での最初のシーンで、カメラが龍平のところまで寄って行ってピタッと止まるというのがあったんですが、そのときに「ピシッと決まった。ありがとう!」と思ったことはありました。松田さんそんなことありましたか(笑)?監督というのも、実はクレーンで人の頭の上を越えていかないといけなかったり、意外と大変なシーンだったんですよ。だから、龍平のおかげでまずはその関門は切り抜けられたなと思いました。カメラを真正面に置かれてプレッシャーもあった―では、松田さんが思い入れのあるシーンはどこですか?松田さん奨励会のシーンはおもしろかったですね。ライバルと戦いながら一緒に生活をともにするところとか。特に、「やってやったな」という感じのシーンはないですね。―タイトルに泣き虫とあるように、劇中でも松田さんが泣くシーンは何か所かあり、それぞれまったく違う泣き顔が印象的でしたが、監督はどのように演出されたのですか?監督僕がいると気になると思ったので、カメラを置いて、現場を離れるようにしたんです。「あとはよろしく。がんばって!」みたいな感じで、別の部屋でモニターを見ていました(笑)。―完全に任された状況のなか、松田さんはどのようなことを意識していましたか?松田さん「泣き虫しょったん」というだけあって、僕の真正面にカメラを据えられたんですよ。そういう意味ではプレッシャーはあったかなと思います。監督でも、「さすが松田龍平!」と思ったのは、泣くシーンでも毎回パターンを変えてきたんです。先生からの手紙を読んだあとのサラッとした涙もけっこう難しかったんじゃないかな。人生はいろいろあるから泣きっぱなしです(笑)―毎回変えて欲しいとか、こう泣いて欲しいとかお願いしたわけではないんですね。監督そうなんですよ。松田さんでも、正直言って涙を流すシーンは苦手。「勘弁してよ」と思うんですけど、今回はまっすぐカメラを向けられていたので、逃げ場はないなと腹をくくった感じはありました。―ちなみに、実生活でおふたりは涙もろいほうですか?監督人生はいろいろあるし、悲しいことだらけじゃないですかね。僕なんか泣きっぱなしですよ(笑)。しかも、年を取ると本当に涙もろくなるので、イスラエルの空爆とか見ているだけでも、何もできなくて涙が出ることもあります。松田さん僕はそんなに泣かないですね。でも、漫画を読んでいて、ふいに泣いたりとかはあります(笑)。ただ、年を取って涙もろくなったと思うようなことはまだないですね。監督まだ30代は大丈夫だよ。これが40代後半になってくると、なんでも泣いちゃうようになるんだから(笑)。30代の代表作を生み出すことができた―過去に将棋の世界に身を置いていた監督が、時を経てこの作品と出会ったのも奇跡のようですが、公開を迎えるお気持ちを教えてください。監督いま49歳なので、40年前に将棋の世界にいたことになりますが、それを自分の手で一本の映画にできるというのは、ひとりの映画監督としてもこんなに喜ばしいことはないと思っています。奇跡というか、本当にありがたい話ですね。―松田さんにとって豊田監督とはどういう存在ですか?松田さんやっぱり僕にとっても特別な監督ですし、期待に応えたいという気持ちは強いですね。今回それに応えられたかはわかりませんが、自分のなかでやれることは全部やったと思います。監督いや、すばらしかったですよ。僕は松田龍平の30代の代表作ができたんじゃないかなと思っています。インタビューを終えてみて……。長年タッグを組んできている豊田監督と松田さんだからこそ、リラックスした雰囲気に包まれた今回の取材。言葉の端々にお互いへの信頼感も垣間見ることができました。そんなおふたりが心血を注いで生み出した意欲作だけに、スクリーンから伝わってくる熱い思いをぜひ感じてください。誰にでもふたたびチャンスは訪れる!人生には思い通りにいかないこともあるけれど、その失敗からどう立ち上がるかに、人としての真価が問われるもの。どれだけ崖っぷちに立たされたとしても、自分の信じた道をあきらめずに歩き続けていれば、逆転王手への道を切り開くこともできるはず。次の奇跡を生み出すのはあなたかも!?ストーリー小学校の頃から将棋一筋で生きてきたしょったんこと瀬川晶司。その後、奨励会に入り、プロ棋士になる夢を追いかけていた。26歳までに四段になれなければ、退会しなければいけないという “鉄の掟” が存在していたが、しょったんは年齢制限の壁にぶつかってしまう。一度は将棋と縁を切り、サラリーマンとして新たな人生を歩み始めるものの、ふたたび将棋のおもしろさに魅了されるしょったん。「やっぱりプロになりたい」という思いを貫くため、35歳で前例のない挑戦へと立ち向かうことに……。目頭が熱くなる予告編はこちら!作品情報『泣き虫しょったんの奇跡』9月7日(金)より全国ロードショー監督・脚本:豊田利晃(『青い春』『クローズEXPLODE』)原作:瀬川晶司「泣き虫しょったんの奇跡」(講談社文庫刊)音楽:照井利幸出演:松田龍平、野田洋次郎、永山絢斗、染谷将太、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、妻夫木聡、松たか子、美保純、イッセー尾形、小林薫、國村隼製作:『泣き虫しょったんの奇跡』製作委員会制作プロダクション:ホリプロ/エフ・プロジェクト特別協力:公益社団法人日本将棋連盟配給:東京テアトル©2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会©瀬川晶司/講談社
2018年09月04日7月27日から大阪・新歌舞伎座にて、志村けん一座の第13回公演、志村魂『一姫二太郎三かぼちゃ』が開幕。26日、招待客と報道陣に最終舞台稽古が公開された。「志村けん一座 第13回公演 志村魂」チケット情報本番前の会見には主要キャスト9名が登壇。志村けんは大阪初進出となった3年前、笑いが受け入れられるか心配だったと明かす。「実際はどこでやろうが変わらない。舞台はみんな平らだから(笑)」と冗談めかしつつ、万人受けする“志村魂”をアピール。バカ殿様から、コント、新喜劇までほぼ出ずっぱりの三時間半にも、「地方では必ずホテルで朝食が摂れるので、かえって体調が良い」と、独り身の突っ込みにも応戦しつつ、今年も全力投球で楽しませることを宣言した。ダチョウ倶楽部の上島竜兵は、最近志村とよく食事に行く千鳥・大悟にお株を奪われ気味であることを指摘され、「嫉妬なんかしていません」と歯ぎしり。「ツアーでは独占できるので、『ごちそうさまです!』」とフライング気味に食事を確約した。「プロの目から言わせていただくと…」と、おもむろに口を開いたのはリーダーの肥後克広だ。志村はただ「振り向く」というト書きだけでも観客を沸かせると言い、「毎回同じことをやって、毎回同じように笑いがとれるのもすごい」と解説。すかさず「お前が笑いを語るな!」と総ツッコミに合っていた。トランペット奏者でもある桑野信義は、志村の津軽三味線独奏を見どころにあげる。「昨日哀愁を帯びていたものが、今日は違って聴こえたり。毎日微妙に音色が変わる」と感動気味に話した。志村との掛け合いも楽しい9年目の磯山さやかは、「まだまだ読めません」と志村の発想の豊かさに舌を巻く。「今年は新しいメンバーが入ったので、彼女たちの緊張をほぐすために笑いが増えたり、どんどん面白くなる」。初参加の浅香唯も緊張なく稽古に取り組めたというが、「いま初めて白塗り姿を見て、『子供の頃に見ていたバカ殿様だ』と緊張してきました」と笑わせた。小さな子連れ客も目立った本番では、冒頭の「バカ殿様」からあちこちで爆笑が巻き起こる。老若男女が肩の力を抜いて一緒に笑える、何とも幸せな空間だ。コントでは志村が小学男児から老婆まで七変化。林間学校、茶の間など設定もテンポよく多彩に展開する。2幕の津軽三味線もタダの独奏に終わらないのが“志村魂”。仕込まれたネタの数々に驚かされること間違いなし。最後は一時間半の新喜劇でたっぷりと泣き笑い。夏休みの思い出にもぴったりの公演だ。公演は、7月27日(金)から30日(月)まで大阪・新歌舞伎座、8月17日(金)から26日(日)まで東京・明治座、8月29日(水)から9月1日(土)まで名古屋・御園座にて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2018年07月27日2月19日、お笑い芸人の志村けんが自身のブログで68歳の誕生日パ−ティーを行ったと報告。豪華芸能人が集まるなか、タレントのマツコ・デラックス(45)の普段とは違う“カジュアルな私服姿写真”が公開され反響をよんでいる。 この日、志村は「68歳誕生日」と題したブログを更新。「明日68歳誕生日です 17日にパーティやってもらいました」というコメントとともに、3枚の写真を投稿。なかにはお笑いコンビのタカアンドトシやタレントの島崎和歌子(44)や中山秀征ら(50)に混ざって、ニット帽にカジュアルなジャンパー姿のマツコ・デラックス(45)の姿も写っていた。 このパーティに出席したタレントのモト冬樹(66)も「志村さん集合写真に写る奇妙なもの」と題したブログを更新。「志村けんさんの誕生日会若手芸人からベテラン芸人いろいろな業界の方達が集まっての集合写真よく見ると奇妙なものが写っている」と志村を中心に集合写真が投稿されている。 「左下のザブングルの松尾君の肩になにか肉布団のようなものがなだれかかっているこれなんだと思いますか?」とお笑いコンビ・ザブングル松尾洋介(41)の後ろで、写らないよう身をかがめ隠れている大きい人物の姿が写っている。モトは続いて「実はこれ素顔のマツコ・デラックスです ジャンジャン」とマツコの正体を明かした。 これに対し「マツコ・デラックスさんもしかしています??」「えっ マツコ・デラックスさん素顔なんですか〜」「肉布団?マツコさんなんですか?素顔 どんなんでしょう」「志村けんさんのブログに素顔のマツコ・デラックスさんが出てましたよ。そんなに違和感はなかったです」「志村さんのお誕生会素敵ですね皆さん本当に楽しんでますね(笑)〜♪私はマツコさんも大ファンです!」などの反応を見せている。
2018年02月19日