日に日におませな一面が強く芽生えてきたアリッサ。普段はツンデレのくせに、ヤキモチ焼きなところはは三人兄妹で一番強いようです。テレビでカワイイと言えばすぐスネ…お兄ちゃん達といちゃついても…すぐスネてしまいます。そもそも女の子は男の子よりおませさんが多いと思いますが、短期間で急に言葉数が増えてきて大人もタジタジ…。一体どこで覚えてくるのやら…。娘をよく観察していたら、アニメ専門チャンネルの影響のようです。今は新旧関係なくさまざまなチャンネルを選べますからね(汗)。ちなみにアリッサが2歳のころ「あっかんべ~」をバイキンマンから”仕入れ”ていてびっくりした記憶が…。ただ、最近は大人のスマホやタブレットを子どもに手渡して動画サイトを見せることで、エルサゲート動画という子どもに有害な情報を与えてしまう動画の被害も出ていますよね。スマホ等で手軽に動画が見れる時代だからこそ、年齢制限のチェックはもちろんですが、子どもの目に有害な動画が触れないように、親側もマメに気をつけてあげましょうね。
2018年09月28日8月も終わり、ほとんどの学校で新学期が始まったことと思います。長い休み明けは休みの癖が残りダラダラしてしまいがちですね。なかなか勉強する意欲が沸かないというお子さんと一緒に、子ども新聞を親子で読む習慣をつけてみてはいかがでしょうか?新聞というと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、各社から子供向けに様々なタイプのものが出ており低学年でも楽しんで読めるものもあります。どんな種類があるのか、見てみましょう。1. 子ども新聞ってどんなもの?子ども向けの新聞で使われている漢字や表現、写真などは全て子ども向けに作られています。内容は主に時事・経済・社会・芸能であり大人が読む内容とそんなに変わりはありません。しかし子どもが恐怖を感じるような写真を掲載しない、難しい内容はわかりやすく図解されて書かれている、特に政治・経済などは簡単な表現が使用されるなどの工夫がされています。さらに、漢字の成り立ちやことわざ、古典などが紹介されているコーナーがあったりして、受験対策に役立つような内容のものもあります。小学校低学年には難しいかなと思いがちですが、始めは写真や絵を見ながら気になる大見出しを眺めるだけでもよいと思います。「新聞を読む(開く)習慣」をつけることから、徐々に興味をもってもらえるでしょう。発行頻度も、月間・週刊・日刊などがあるので子どもが読むのに無理のない頻度の物を選ぶことが可能です。試読できるサービスがあるものも多いので、まずはお試しを取ってみるのもいいですね。2. 子ども新聞を読むメリット (1) 語彙力と漢字力の向上子ども新聞では基本的に漢字にふりがながふってあるため、読むうちに自然と漢字を覚えることができます。また限られた紙面で内容を伝えるため、文章が分かりやすく簡潔です。習慣的に読むことで読解力が養われます。高学年になったら、新聞に書かれた表現を使って作文を作ってみると文章力も向上するでしょう。 (2) 社会に興味を持つ新聞を読み時事ネタに触れていくことで、社会で起こっている問題に関心や興味を持つようになります。自分に関係ないと思っていたようなことでも、社会と自分の関係について身近に感じ、考えをめぐらせるようになります。 (3) 親子のコミュニケーションにTVのニュースを見た時などに、馴染みのある話題があると子どもが聞いてくるようになります。何かの価格が高騰したという記事を読んだ子が、スーパーでそれについて教えてくれるなどということもあります。そこから親子の会話のきっかけがうまれコミュニケーションを図ることが出来ます。親が教えるだけではなく、子どもがどんなことに関心を持ち、どんなことを考えているのかを知る良いきっかけになります。子どもが聞いてきたら積極的に会話を広げていきましょう。 (4) 中学受験に役立つ中学入試で、子ども新聞で取り上げられている時事ニュースや社会ネタが出題されることが増えています。子ども新聞でも意識して、実際に入試で出題された問題や解説を掲載したり、入試のポイントや最新ニュースを扱ったりなどしています。こういった内容がなくても、習慣的に読むことで身についた読解力は中学・高校入試に必ず役立っていきます。3. 大手3紙を比較子ども新聞は地方紙などでも発行がありますが、ここでは全国紙の大手3社から発行されているものを発行部数が多い順にご紹介します。 (1) 読売KODOMO新聞読売新聞の子ども新聞は週刊(木曜)で、大人の新聞の半分サイズです。カラーで20ページ、発行回数が少ない分月額500円(税込み)と他社に比べてリーズナブルです。小学校1年生の漢字と2回目以上出てくる言葉にはふりがなをふっていないので、低学年だと最初は読むのが難しいかもしれませんが、ポケモン・名探偵コナンなどとコラボしたりエンタメ色を強くしているので子どもからの人気が高いです。 (2) 朝日小学生新聞朝日新聞から発行されている子ども新聞は日刊で、大きさは大人の新聞と同じ、カラーで8ページです。全体的にカラー写真やマンガが多めですが、中学受験の教材として親に人気があります。月額1,769円(税込)です。 (3) 毎日小学生新聞毎日新聞の子ども新聞は、日刊ですがサイズは大人の新聞の半分。月~木曜、日曜日は8ページ、金、土曜は12ページです。サイズが小さいので、手が小さい子どもにもめくりやすいです。人気のコンテンツとして、時事ニュースコラム「教えて!池上さん」、科学好き向けの「銀河教室」、歴史・文化を学べる「おもしろ古典塾」などが人気が高く、工作ページなどもあり親子で楽しめる内容となっています。月額1,580円(税込)です。読売新聞を購読していた際、子ども新聞の試読案内があり、試しにとってみて子どもに見せましたが、子どもが全く興味を示さなかったので購読は見送りました。しかし最近朝日新聞に切り替えると、ドラえもんが登場するので少し一緒に見てみようとする姿勢が見られました。最初は興味をあまり持っていなくても新聞を一緒に開く習慣をつけることが大切だと感じたので、まずは週刊で子どもに人気の高い読売KODOMO新聞を購読してみようかなと考えています。読解力の向上だけではなく、少しずつ世の中の動向にも目を向ける癖をつけてくれたらとても良いと感じます。まずはお試しで各紙を比較してみてはいかがでしょうか。
2018年09月27日幼児がいるご家庭なら、「わが子はいつオムツが取れるのだろうか?」と気になりますよね。「お隣さんは2歳でオムツ取れたんだって!」とか、「布おむつのほうが取れやすよ!」とか色々と情報が交錯して悩んでしまいがち…。子どもに変に圧力を与えてしまうとトイレを嫌うようになるし、わが家も長男が幼稚園に入るまでオムツが取れなくて心配しました……。長男のオムツが取れたのは3歳10ヶ月のころ。親が何度言っても聞かなかったのに、幼稚園の先生が「オムツ取ろうね」と言ったのをきっかけにすんなり取れました。次男のオムツが取れたのは3歳半ごろ。玩具で釣る作戦が功を奏したのです…!そしてアリッサはというと…アリッサのオムツが取れるきっかけは3歳のころ突然やってきました。自らトイレに行きすんなり取れました。長男の時はなかなかすんなりオムツが取れず心配していましたが、3人のトイレトレーニングを目にしてきた今思うのは、オムツの外し方も三者三様。あまりできないことを責めず、少しでも前進したことを褒めてあげることが大事だと思います!大丈夫! 健康であれば、小学生までオムツをしている子はいないのです。自ずと自分から卒業を望む時が必ず来ると信じています。子どもにも個人差がありますので、その時が来るまで焦らず慌てず、その子の個性に合わせてトレーニングに付き合ってあげてくださいね。
2018年09月21日独身のときは周囲から「サバサバしているね」と言われていたし、自分でもあっけらかんとした性格だと思っていた。なのに結婚して子どもができてから、周囲と比べてしまうようになった……という人は少なくないようです。ママ友から敬遠されるだけではなく、自分自身も心が狭くなった気がして苦しくなりますよね。そこで今回は「ママ友についマウンティングをしてしまうときの対処法」についてご紹介します。1. 満たされない理由を解いてみるマウンティングをしてしまう理由って、基本的に相手に何か非があるわけじゃなく、自分が満たされていない場合がほとんど。まずはその「満たされない何か」を他人に向けるのではなく、しっかりと自分の中で考えてみましょう。夫婦仲がうまくいっていないからなのか、それとも子育てに疲れを感じてしまっているからなのか……。原因がわかれば対処法も見えてくるので、少しずつ心のゆとりを取り戻せるかもしれません。2. よその子と比べても仕方がない!特に子どもができると、「良い学校に行けるように、いまから勉強をさせよう!」「将来は○○になってほしいな~」など、期待が膨らみます。でもそんな期待に反して、よその家の子のほうがデキが良かったりすると、少なからず嫉妬心が生まれてしまいます。そうするとチクリと嫌味を言いたくなってしまうことも……。でもいくらよその家の子と比べたって、やっぱり一番かわいいのは我が子ですよね。子どもたちはこれからイヤでも試験や運動、就活などなど……、他人と競うことになり、時には挫折を味わいます。だからこそ親くらいは、相対評価ではなく絶対評価で、子どもを見てあげるべきではないでしょうか。3. ママ友の種類を変えてみようたとえば同性同士を育児していると、共有でできる情報もたくさんあるでしょう。でもだからこそ、無意識に競ってしまう面もあるもの。ここは男の子を育児するママなら女の子を育児しているママと、もしくは女の子を育児しているママなら男の子を育児するママと仲良くするのも方法です。そうすれば自然とライバル視する気持ちも消えて、マウンティング欲もなくなるかもしれません。人間なのですから、たまには心の中で「負けたくないなぁ……」などと思うこともあるでしょう。でもそれをマウンティングとして、全面に出すのは良くありません。子どもにも影響が出てくる可能性があるので、すぐにでも対策を考えてくださいね。written by 和
2018年09月18日最近、家族をテーマに扱った映画を見るとすぐ泣いてしまうので、見ないようにしていたのです…。しかし、試写会にお呼ばれしたのでお邪魔することに。娘と別れる悲しい映画に、案の定涙してしまいました。「気持ちを切り替えて、仕事を片付けなきゃ…」そう思っていた矢先…「今日はパパンのそばでねたいの…」と、こんな日に娘に甘えられたら、いつもより甘々対応をしてしまいます。まるで映画のワンシーン…と思っていたのもつかの間。現実はこれ。それにしても、子どもって一緒に寝ると暖かい…。少し肌寒くなってきて、ちょうど眠気を誘う温度なのです。それもあって、ちょっとの添い寝のつもりが、気がつけば翌朝なんて失敗談、パパンだけではないはずです。慌てて当日締切の仕事に取り掛かったパパンなのでした…。
2018年09月14日「自己肯定感を持つのは大事」という言葉を、最近はよく耳にするようになりましたね。確かに「自分ならできる」という自己肯定感は高いほうが好ましいと私も思います。けれど、自己肯定感だけを高めていくと、「自分は完璧な人間だ」と錯覚し、できない自分を認められず、周りの人や環境のせいにしてしまう…という別の弊害が生まれてしまうこともあるとご存じでしょうか?わが子がそうならないために、子育てにおいて自己肯定感と同じく大切に考えていきたいのが「自己受容」。今回は、自己肯定感と自己受容の違い、それぞれの高め方について考えていきましょう。■「できる」自己肯定感、「許す」自己受容最近、よく耳にすることが多くなった「自己肯定感」という言葉。この自己肯定感とは一体、なんなのでしょうか?例えば、子どもが逆上がりができないとしましょう。その子が自分に対して、「今はできないけど、たくさん練習すればできるようになる!」と思えること、それを自己肯定感といいます。「自分はできる!」と感じる自己肯定感に対して、自己受容は「とび箱は得意だけど、逆上がりができない…。でも、まあいいか」と自分に対して思えることです。それはつまり、できない自分でもありのままに受け入れられる、許せる感覚といえるでしょう。■「わたしのせいじゃない!」アンバランスな自己肯定感ここで大切なのが、自己肯定感と自己受容のバランスです。たいてい問題が起きるのは、自己肯定感だけが高い場合。自己肯定感がいくら高くても、自己受容が低い人は、「自分はすべて完璧」「失敗するなんてありえない」と、できない自分を認められません。すると、失敗やトラブルの原因を周囲の人や環境に押しつける、自分大好き人間になってしまいます。皆さんの周りにもいませんか? どこからくるのか分からない自信にあふれているけれど、いざ失敗すると「ダメだったのは、きっとあの人(もの)のせいだったんだ」と、すべて自分以外に押しつけてしまう人。自己肯定感は、あくまで自己受容の土台の上に成り立つことで、初めて価値があるとイメージすると分かりやすいかもしれません。自己受容は低いままに、自己肯定感だけが高まっていくと、「できないのは自分じゃなくて他人のせい」「自分はいつでも特別で、なんでもできる完璧な存在」と過信し、ますます、できない自分を受け入れられなくなってしまうのです。■自己肯定感「親の働きかけはいつから? いつまで?」自己肯定感と自己受容、どちらが欠けてもバランスが悪くなるので、同じように高めていくのが理想的です。では、子どもの自己肯定感や自己受容はいくつくらいから高めることができるのでしょうか? 親が子どもの自己肯定感を高めるためには、一般的に3歳~9歳までの間の働きかけが効果的とされています。働きかけを始めるタイミングとしては、「うれしいね」「大好き」といった言葉がある程度理解できるようになる頃、大体3歳くらいからと考えておくといいですね。9歳までと区切っているのは、子どもが親とのつながりから離れ、友だちとの付き合いなど社会のなかにある自分を意識し始めるのが、大体10歳くらいからといわれているため。これまでは親の言うことは絶対だと思っていた子も、自然と疑問を持ち始め、素直に受け入れづらくなる年齢です。ただ、それは親主導で自己肯定感や自己受容を育む場合。子どもの精神の成長には個人差があり、10歳を過ぎている子がすべて、親の働きかけをまったく受け入れないというわけではありません。「もう無理か…」とあきらめるのは早すぎます。■自己肯定感と自己受容、どうやったら高くなる?では、具体的に親はどんな働きかけをしていけばいいのでしょうか? 子どもの自己肯定感を高めるためには、まず「目標を細かく分けること」です。目標とするものは、スポーツや勉強など、なんでもいいと思います。1つの目標を持たせ、難しすぎない課題をつくり、その課題を細かく分けて、親子で一緒に取り組んでみるといいですね。そして課題を達成できたタイミングで「できた!」と子どもと一緒になって達成感を味わい、たくさんほめてあげましょう。こうした流れを繰り返すことで、子どもの自己肯定感は高まっていきます。一方、子どもの自己受容を高めるために親ができること、それは「楽しいね」「悔しいね」「すっきりしたね」といった感情を子どもに伝え、共感することです。子どもがどう感じたのかを言葉にし、子どもの気持ちに寄り添うことを意識します。そして子どもができなかったことに対し「できなくてもいい。どんなあなたでも大好きだ」というメッセージを伝えることです。できなかった自分、ダメだった自分。だけど、そんな自分も悪くない。そのままでも愛されているのだ、と子ども自身が思えるように寄り添ってあげましょう。そのうえで「またチャレンジしてみる? 次はできるかもよ」などと、子どもが「もうちょっと頑張ってみようかな」と思えるような声かけができるといいですね。子どもの自己肯定感は「このままの自分、ありのままの自分でいい」という自己受容があってこそ、うまく機能していくものです。自己肯定感と自己受容、2つの違いを理解して、どちらも同じように大切にしていけるといいですね。
2018年09月09日ウーマンエキサイトで人気連載中のちゅいママさんの記事 「“ありがとう”が言えない子ども、なぜ? 変われるキッカケとは」 で、“ありがとう”と“ごめんなさい”が言えない子どもについてアンケートを実施。人と人の付き合いにおいて、とても大切な言葉と言える“ありがとう”と“ごめんなさい”。しかし、大事な言葉だからこそ素直に使えない子どもがいるようです。■約80%のママが困った経験あり人から親切にされたのにお礼が言えない、悪いことをしたのに謝罪できない…。もし自分の子どもが「ありがとう」や「ごめんなさい」を使うべきときに言えない場合、ヒヤッとしてしまうのはママたち。アンケートでは、多くのママが、それらの言葉を言えず困った経験があると回答。「大きくなっても言えなかったらどうしよう…」と悩む声をはじめ、どうすれば子どもがその言葉の“大切さ”に気付き、使えるようになるのか真摯(しんし)に向き合っている姿が見えてきました。Q1. 子どもが「ありがとう」「ごめんなさい」が言えなくて、困った経験はありますか?たまにある 41%よくある 37%ほとんどない 14%全くない 7%その他 1% Q2. 子どもに「ありがとう」「ごめんなさい」を無理やり言わせてしまったことはありますか?よくある 45%たまにある 43%ほとんどない 8%全くない 2%その他 2%「『ありがとう』が言えず困った経験がある」と答えた人は、「たまにある」41%、「よくある」が37%。合わせて78%の方が「ある」と回答しています。また、「子どもに『ありがとう』『ごめんなさい』を無理やり言わせてしまったことはありますか?」という質問には、「よくある」が45%、「たまにある」が43%と、計88%ものママが「ある」と答えました。ちゅいママさんの長男くんのように、無理に言わせようとすると、子どもは余計意固地になって言えなくなることも。そんな子どもが、自分からこれらの言葉を使えるようになるには、どうすればいいのでしょうか。■「ありがとう」「ごめんなさい」の強要はアリ?子どもが「ありがとう」と「ごめんなさい」を使うべきところで言えないと、「親のしつけができていない」と思われるんじゃないか、とママは焦ってしまう…。アンケートからはこんな意見が多く聞かれました。一方、「ありがとうは?」「ごめんなさいは?」と無理に言わせることに対して、意見が分かれました。子どもがわざと悪いことをしたときはもちろん、結果的に相手を困らせてしまったり泣かせてしまったりしたときも、その場を流そうとする息子。相手の子や親へのフォローもあり、強制的に謝らせます。私も一緒に謝ります。「しつけがなっていない」と思われてるかも…と気にしてしまいます。あいさつを強要してはいけないと思います。小さい頃から強要していると絶対に言える子になります。でも「本当に意味わかって言ってる?」みたいな、何でもかんでも「ありがとう」「ごめんなさい」を言えばいいんでしょと思っているような子に遭遇したことがあります。なぜ「ありがとう」、「ごめんなさい」が必要かをこんこんと教え続けることが大切だと思います。「無理に言わせたくない」という気持ちと、相手や周りのことを気にしてしまう気持ちで、揺れ動くママの心。また子どもが「“言えなかったこと”に対して相手が気分を害した」というエピソードも寄せられたので紹介します。お友だちのママから、お菓子をもらったり、身だしなみを整えてもらったりすることが良くあるのですが…。わが子は、恥ずかしいのか、いまは自分でできないことことだからか、用がすんだらプイッと行ってしまうので、すごく気まずいです。私がお礼を言って謝り、ママ友からも「そんな良いよ」と言われ終わったと思っていました。しかし、後日そのママ友だちとお酒を飲む機会があったときに言われたのが、「子どもができなかったことは、親がフォローしないとムカつくんだよね」。親の力量を試されてるなと思い恐怖を感じました。■子どもが“言えない”理由とは?“言えない”当の本人は、どんな気持ちでいるのでしょうか。かたくなに“言わない”という、ちゅいママさんの長男くんの理由は「恥ずかしいから」。アンケートでは、同じく「恥ずかしい」のほかに、さまざまな理由が挙がりました。◎恥ずかしいから親戚など普段会わない人には、「ありがとう」が言えません。恥ずかしいみたい。普段は何気なく「ありがとう」も「ごめんなさい」も言えるので、言えないときは特別恥ずかしいか悔しいときなんだろうなと表情から察して無理強いしないようにしています。でもママ友と一緒のときは、相手に悪いなと思ってしまい、「ごめんね」の強要をしちゃうこともあります。なんか違うよな…と思いつつも。◎謝る=怒られると思ってしまうから「ごめんなさいでしょ?」と言われると、怒られたと感じるらしく、悪いことした本人は泣いて、その場は母が謝り倒してごまかすことが多い。◎負けた気になるから自分が言えない子どもでした。「自分が負けた気」になるという理由だったと思います。どちらの言葉も相手を上に見るような発言で、悔しいし恥ずかしい、負けず嫌いな複雑な感情で、親にうまく説明できませんでした。昔の自分のような損をする子になって欲しくないので、自分の子どもたちにはどんな小さなことでも「〇〇してくれてありがとうorごめんね」。子どもがだれかに言えたら、誉めています。もし言うのを忘れていたら「いま~してもらったから、『ありがとう』と言えば良かったね!」など。功をそうしてか、子どもは言える子で安心しています。◎タイミングがわからない親が、「感謝」、「うれしい」、「喜ぶかな」と思っていたことでも、この子にとっては「たいしたことではないのかな」と思えるほど、「ありがとう」が言えません。本人に、なぜ言わないのかを丁寧に聞いてみると、「どこで『ありがとう』を言うべきなのかわからない」と。私が先に言ってしまうものだから、本人からすると、「言わないほうがいいのかな?」と感じてしまったり、私が言わなければ本人も「言わなくていい」と思ったりで、タイミングがわからないらしい。どう教えたらいいものか…。子どもたちは、それぞれに“不安”や“心配”を抱えながら、言葉を選んで使っているんだということが伝わってきます。自分の気持ちを表す言葉が何なのか、いまここでこの言葉を使うのは正しいのか。いろんな思いをめぐらせた結果が、「ありがとう」「ごめんなさい」が言えないという状況になっているのかもしれません。■親にも要因がある?アンケートでは、「子どもが“言えない”のは、パパやママの行動が関係している」という意見も寄せられました。子どもたちがあまり言わないな、と思っていました。ある日、「ママは『ありがとう』を言わない!」と言われて気がつきました。自分の鏡だった。20歳になった娘が最近よく「ありがとう」と言うようになって、あらためてまた、私は「ありがとう」が少ないと気がついています。長男が「ありがとう」は言えるのですが、「ごめんなさい」が言えなくて困ってます。弟とケンカを毎日しますが、大抵先に手を出すのは、「ごめんなさい」が言えない長男。でも、わが家にはもう1人ごめんなさいが言えない人がいて、それが主人。まず、そちらを改善させるのが先か? 子は親を見て育つと言うからな…とも思ったりしてます。まさに、“子どもは親の鏡”ですね! 「夫が言えない」というエピソードには、子どもが“言えない”まま大人になるのでは…、というママの心配も感じられます。実際に親が率先してあいさつをするようにした方からの意見もご紹介します。うちの息子は「ありがとう」や「ごめんなさい」を「強要」すると、かたくなに拒否してました。そこで、「親が普通に子どもに対して『ありがとう』や『ごめんなさい』を日常的に言っていれば、子どももそのうちそれが普通なんだ、恥ずかしいことではないんだと思ってマネするようになるかも?」と、軽い気持ちではじめました。とにかく自分から「ありがとう」や「ごめんなさい」を伝えるように心がけました。すると時間差はありましたが、いまでは4歳の息子もちゃんと言えるようになりました。一番効果的なモデルは親!なかには、「『ありがとう』が恥ずかしい場合には、「thank you!」とか「メルシー!」と言うと、恥ずかしさが半減する」という意見も。キッカケつくりには、こういった方法もいいかもしれませんね。■言えるようなった子のママがした声掛けとはそれでは“言えない”子どもに対して、ママたちはどんな声を掛けているのでしょうか。コメントからは、“生きていくために大事なこと”を一生懸命伝えようとするママたちの想いが伝わってきました。うちの5歳の娘は、「ごめんね」の前に泣いちゃうので、マズイと思っていました。でも、「泣いてる=反省してる」わけで、無理やり「ごめんね」を言わせるのもどうかとも思って。ただ家庭内ならまだいいけれど、だれかを巻き込んでる場合は違ってくるだろうと思っています。「ありがとう」と「ごめんね」は自分では思ってても口にして言わないと相手には伝わらないんだよと言いました。時間をかけて「ごめんね」が言えるようになった娘でした。「ありがとう」、「ごめんなさい」だけでなく日頃のあいさつなどにも、照れや恥ずかしいという気持ちが子どもにはある(自分もあった)と思っていたので、小さいころから「あいさつやお礼、『ごめんなさい』を言うことが恥ずかしいんじゃないんやで。あいさつ、お礼、ごめんなさいを言われへんのが恥ずかしいことなんやで」と諭して育ててきました。いま、小2・年長の子供2人ですがあいさつがしっかりしていると、よく言っていただけます。■子どもと大人で“悪いこと”のモノサシが違う?感謝すべきとき、謝罪すべきとき、言葉に出して表せる子どもに育てたいと思っても、なかなか思うようにいかないもの。「大きくなっても言えないのでは?」と不安を抱えるコメントもなかにはありました。しかし、そもそも大人と子どもでは一緒に考えなくてもいいのでは? という意見も。「ごめんなさい」は、小さい子は言いにくいのではないかなと思います。大人のモノサシと、子どものモノサシでは、「悪いことをした」という感覚が違うように思う。こちらのものさしでとにもかくにも謝らせるのも、「どうなのかなぁ」と思う。難しいですけどね。生まれて数年の経験値で物事を推し量っている子どもと、長く生きてきた大人では、「悪いこと」の感覚が異なるのかもしれません。また大人は処世術というものを身に着け、「いまどういえばこの場が良くなるのか」を考えますが、あたり前ですが子どもにはそんな思いはありません。逆に言えば、周囲を意識して心では思っていなくても、まずは「ありがとう」「ごめんなさい」を言っている子どもがいるとしたら、それはもしかしたらとても悲しいことかもしれませんね。そんな気持ちを芽生えさせないためには、親のブレない態度も大切かもしれません。そう考えると、子どもの感性を大事にしながら、どう教えていけばいいのか。ひとつには、やはり親が見本を見せていくことではないでしょうか。家庭の中で自然と感謝ができて、申し訳ないという気持ちが生まれていれば、いつしか子どもにも伝わっていくと信じたいです。Q. 子どもが「ありがとう」「ごめんなさい」が言えないことについて、エピソードやご意見があれば、教えてください。回答数:68(アンケート集計期間:2018/8/9~2018/8/14)
2018年09月06日お子さんの歯並び、キレイですか? 実はわが家の長男(現在小4)は歯並びがガタガタだったので、1年前から歯列矯正を開始したのですが、この夏ついに終了したのです!子どもの教育費や養育費にお金がかかるのは想定内でしたが、 歯並びにお金がかかるとは私たちにとっても予想外でした。今や、歯科医院はコンビニより多いと言われているのをご存じでしたか!? すごい数ですよね。ということはその数だけ歯科医がいるということですし、歯医者さんそれぞれの歯列矯正についての方針もあります。わが家がかかった歯医者さんでは、「とりあえず前歯8本を綺麗にしていれば歯並びが悪いという印象は受けにくい」という考えで、もちろん将来的には奥歯もキレイにしていくのですが、大人の歯が全部生えそろうまでは今既に永久歯になっている前歯8本を綺麗に揃えていこうという方針でした。トータル金額に驚き! 歯の矯正が高額だった…そして、何とその額……ざっと40万! 将来的にはトータル100万円だそうです。現状、前歯8本で40万ですから1本当たり5万円の歯ですね(笑) 。いやぁぁぁ、歯並びがいいっていうだけでも親孝行ですよ。歯並びは遺伝しがちなので(わが家は夫が矯正歴あり。私はなし)、仮にわが家の三兄弟全員が矯正するとなると……車1台買える金額になります(遠い目)。それでも、やはり歯並びは整えてあげられるのなら整えてあげたいですし、お金に替えられない価値があると思うので、迷わず始めることにしました。さて、実際の矯正はどんな感じだったかというと、あくまでわが家の長男の場合ですが……。1年前、長男の前歯はガタガタでした。前歯二本が両サイドにパカーッ!と開いてしまっているため、隣の永久歯が生えて来れるスペースがなく、半年以上全く生えてくる気配がありませんでした。下の前歯は4本が重なり合って生えてしまい、本来なら横一列に並んで生えるべきところが、上下二列の凹の形に生えてしまっていました。 あごを広げる? その矯正方法とはそこで、まずは上あごに装置をつけて、あごそのものを広げていくことになりました。すごいですねぇ……! あごって広げられるんですね。驚きました。しかし、その広げ方は原始的と言えば原始的。上あご装置についている穴に棒を差し込んで一日1回ずつネジを回して少しずつ少しずつあごの骨を広げていくのです。長男曰く、1年間頑張った全行程の中で、この最初の上あご装置が一番きつかったそうです。やはり最初に付けた日の違和感が忘れられないようで、今でもその日のことを鮮明に覚えていると言っています。喋りにくいし、なにより食事が食べづらい! 上あごと装置の間に食べ物が入り込んでしまって、中でも素麺はものすごく食べづらかったようで、この1年ですっかり苦手な食材になってしまいました。矯正中に素麺が食べづらいっていう話は他にも聞いたことがあります。 意外ですよね。麺類ってツルツルって食べれそうなイメージでした。あ、でも、痛みはなかったそうです。1ヶ月ほど上あごのネジを回してあごを広げたあとには、下あごも広げていくことになりました。お……おおお…………上も下も大変だ……。ベロの下の部分に装置をつけていくので、見ているこちらのほうが違和感でした。そして最終的には、よく見るあのワイヤーをはめて、全部乗せ~~~~~!!!!もう、あっちもこっちも口の中全部器具だらけ!! この子のためだとはいえ、見ててちょっとかわいそうでした……!当然のことながら、虫歯になってしまっては元も子もないので、日々の歯ブラシも気をつけなければいけません。磨き残しがあると汚れがたまってきて、歯茎が腫れて器具が食い込み、痛みが出てきてしまうのです。しかし、努力の甲斐あって当初の予定では1年半を目処に矯正していく予定でしたが、実質1年2か月でキレイになりました!!1年間頑張った矯正の結果は?日々見ていると実感が湧きにくかったですがビフォーアフターの写真を見てみたらその差は歴然! 見違えるほどキレイになりました!!いやぁぁぁ、子どものあごって柔らかいんですね! 1年でこんなにあごが広がって、歯がまっすぐになり、 しかも痛みがないだなんて。これはもう、大人になってから始めるより小さいうちのほうが断然いいんじゃないかな?と個人的には思いました。本人に歯並びがよくなってどう思った? と聞いてみたところ……「どうも思ってない!(ニコッ)」でした。ズコォオオオオッ!!!!!!ま、まぁね……息子からしたら歯並びとか今はどうでもいいかもしれませんね(汗)将来いつか気づいてくれる時が来れば…………40万円も浮かばれることと思います(笑)。というわけで、1年間矯正を頑張ってみた結果報告でした!
2018年09月06日「教育ライター」という名刺で仕事をしている筆者は、常に「客観的な視点での取材」を心がけているつもりです。それでも花まる学習会の取材のあとは、いつも、「やっぱり、そうだよね。これからの教育は、そういう方向だよね!」と、つい感情移入してしまいます。そんな花まる学習会を率いている高濱正伸(たかはま まさのぶ)さんが、「これからの教育について語る」というので行ってきました!高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。■日本の教育は、何が問題か?高濱さんは、言います。「いまの日本の教育の問題点は、何か? ひと言でいえば、もう古いんです」。尾木ママこと尾木直樹先生が「博物館」、映画『みんなの学校』の木村泰子先生が「化石時代」と表現する、いまの日本の教育。それは、高濱さんの言葉で言えば、「粒のそろった兵隊を作る教育」なのだとか。それでは、もう古いそうなんです。具体的に、どんな感じで古いのでしょうか? 「たとえば、スポーツ。いまの日本の部活動は、『生涯スポーツを楽しめる人を育てる』という方向ではありませんよね? 『大会で勝つ』『いい記録を出す』ということが良しとされている。そもそもの方向性自体が、ずれてしまっているんです(高濱さん)」そもそものゴール設定が根本的にずれてしまっている…。そう「解説」してもらえれば、「そうかもしれない」と感じますが、「そういうこと、自分では気がつけないよな」と思いました。高濱さんは、「上の言うことを忠実に聞く兵隊を作るのではなく、これからの教育では『自走する人間』を育てていく必要があるんです」と、言います。■「家庭の力」があれば子どもは伸びる「そのために必要なのは、言葉です」(高濱さん)。言葉の力は、つまりは「本質をとらえる力」ということ。「何千という家庭を見てきて、言葉がしっかりした家の子は伸びるというのは確信を持って言えます」(高濱さん)。家庭の力…。そう言われてしまうと、「やっぱり、母である私がちゃんとしなければ!」と緊張を強いられるような気分になってしまいます。でも、高濱さんは「各家庭で、しっかりとした教育をしてください」と、突き放しはしません。「親ごさんが変われば、子どもは変わってきますよ」と、まるで悩んでいるお母さんたちを「抱きしめる」よう。そういえば。私が初めて高濱さんを取材させていただいた日のこと。取材前の雑談で、「ママたちがテンパってしまうのは、あたり前のことなのですよ」と励ましていただいて、「そうか、キーキーと子どもを怒鳴ってしまうのは私だけではないんだ」と、心がスッと楽になりました。このときの様子は、 「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」 をぜひお読みください。ちなみに、高濱さんが開催する「お父さん講座」では、お父さんたちを800人を集めて、妻の話を聞くときの「うなずき方」の練習をしているのだとか(笑)。高濱さんの本質を突いた取り組みに頭が下がります。■「自分はこれだ!」の芯を見つけるためには「自走する人間」を育てるために必要な、もうひとつ大切なことは、「『自分は、これだ! という芯』を子どもの中に見つけてあげることです」(高濱さん) そのために必要なことは、子どもを感じること。「感じる」というのは、人工知能にはできないことですものね。「目の前の子どもを感じることを大切にできるか。教育者としての力量の違いは、結局感性の差だなと思うことが多いんです」(高濱さん)。いま、アメリカでMBAをとるような一流のビジネスパーソンたちの間では、こぞって絵を描いたり、音楽に親しんだりなど、アートへの関心が高まっているそう。イギリスでは、教科のなかに国語や算数と並んで演劇もあり、先生になるために演劇学を学ぶところもあるのだとか。高濱さんのエネルギッシュなお話しを伺って、「これからの教育」に対しての「希望」「熱さ」を感じました。ひとりの母親として、まずはわが子を感じることから始めよう。そのためには、親子でたくさんの芸術に触れ、心のあかを落とし、感性を研ぎ澄ませたいと思いました。
2018年09月06日夏休み中は多くの宿題が出るところが多いと思いますが、中でも子どもだけではなく親をも悩まされるのが読書感想文だと思います。計算や漢字の宿題なら教えることもできますが、答えのない感想文は書かせるのが難しいところ。どんなところに気を付けて書いたらいいのか、感想文を書くコツを見てみましょう。1. 親の手伝いはどこまで?まず当たり前のことですが、感想文を書くためには本を読まなくてはいけません。平仮名が全く読めないという子は少ないと思いますが、まだ1年生だと長文などになると読むこと自体が苦手だという子は結構いるのではないかと思います。「絶対に親が手伝って読んではいけない」ということはありません。まずは本に親しむという意味からも、本人が読むことを拒否する場合は無理せず一緒に読んであげて下さい。2年生になったら、基本は子どもに読ませる方が良いと思いますが、これもその子の状況に応じて臨機応変に対応していきましょう。書き方に困っている場合も、「手伝ってしまうと自主性が育たない!」などと頑なにせず、声かけや質問などで誘導してあげると良いでしょう。2. 書くポイントは4つ基本的には本人に自由に書かせて良いのですが、書くポイントとしては1.その本を選んだ理由2.本のあらすじ3.特に気になった場面とその理由4.本を読んでこれからの生活にどう活かしていくかなどを挙げていくとある程度のまとまった文章になると思います。1・2番は特になくても良いですが、3・4番で量が足りないかなという時などは付け足してみて下さい。言葉かけの例としては「どの場面が一番面白かった?」「主人公は好き?嫌い?なんでそう思うの?」「この本ではこうなったけど、〇〇(子どもの名前)はこれからどんなことに気を付ける?」などと聞いてあげることでうまく感想が引き出せるでしょう。3. 読書感想文の鉄則4つ読書感想文を書く際におさえておきたいポイントを4つ挙げます。これをおさえておけば、難しく考えずに書くことができるはずです。 (1) 本選びまずは本選びです。本を読んだ際に、自分以外の人に「これ、面白いよ!」と伝えたいような本であれば楽しんで感想文を書くことが出来ます。友達や家族に伝えたいと思うようなストーリーの本を選びましょう。 (2) 読書メモを作る本の分量にもよりますが、読みながら感じたことなどは読み終わった時に意外と忘れているものです。大体のあらすじくらいは覚えているかもしれませんが、本を読みながら、感動した部分や表現が出てきたら、しるしをつけたりメモに書いたりしておくなどの習慣をつけておきましょう。自分でメモをするのが難しい子は、親が事前に声かけをしておいてそういった場面に遭遇した時に言ってもらうようにしましょう。また、先ほどの言葉かけの質問をメモしてあげるのもいいですね。 (3) 構成を考えて書くこれはある程度高学年になってから意識する部分ですが、感想文を書くことに慣れてきたら構成を考えてみましょう。構成と言っても難しく考える必要はありません。あらすじを書くのではなく、最も印象に残った場面を書いていきます。「はじめ・なか・おわり」の3つで組み立てるとまとまりがうまれます。・「はじめ」最も印象に残った場面を、簡潔に書く・「なか」なぜ、どのように印象に残ったかを書く。「もし自分だったら~」など、自分と照らし合わせて詳しく書く。・「おわり」本を通して考えたことや学んだことを書く自分と照らし合わせることで他の子と違う内容になり、さらに3部構成にすることで読みやすくまとまりのある文章になります。あれもこれも、と書くのではなく、最も印象に残ったところを重点に書くのもポイントです。 (4) 必ず読み直す書き上げて安心してしまいますが、終わったら必ず読み直して誤字がないか、おかしいところはないかをチェックしましょう。小さい子は親が一緒に読んであげるといいですね。高学年でも、おうちの人が読んであげることで「内容が他人に伝わるか」をチェックできます。自分で読み直すだけではなく、必ず他の人も読んでチェックしましょう。この時期は書店に行くと、読書感想文におすすめの本が年代別に並んでいるところが多いですね。年代に関わらず、子どもが興味を持っていたらまずは読ませてみるといいでしょう。感動したところなどを尋ねると、子どもは思いもよらない場面やその理由を述べることがあります。どんなところで感動したのかを知るいい機会ですね。また、それを言葉にして表現するということは、自分の考えを述べることができる子どもに育つ為にはとても重要なことです。是非夏休みという長い休みの機会に、親子で本について語り合う時間を作って下さい。それを字に起こせば、意外と読書感想文も難しくないはずですよ!
2018年08月31日子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、親はどのように対応すればいいのでしょうか。一度学校を休ませると不登校になってしまうのではと心配してしまうママも少なくないと思います。小学生の不登校の実情について伺った前回に引き続き、今回は、子どもの不登校に対して親ができることについて、不登校新聞の石井志昂編集長に話を聞きました。 「学校行きたくない」と言われたら(前編):子どもが追い込まれる危険日は夏休み明け の続きです。■不登校の原因特定より大切なことがある――前回、不登校の理由は複数あり、子ども自身もはっきりわからないことがあるとお聞きしました。親としては、ついその理由を特定させて学校に戻してあげたいと思ってしまうのですが…気持ちはよくわかるのですが、子ども自身も自分が学校に行けない理由がはっきりわかっていないのに、そこで「なぜ行きたくないの?」ときつく問われると、ますます追い込まれてしまいます。当事者のなかには、不登校の理由は不問でもいいのではないかという声もあるくらいなのです。――それでは、親にはまず何ができるのでしょうか。原因を特定させることよりも、まずは子どもを甘えさせてあげることが大切だと言われています。不登校というのは、よく子どもの甘えだと言われがちですが、親に甘え足りないからなるのだという専門家の意見もあるくらいなのです。親は子どもたちが頼れる心の安心基地でもあるのですが、ここが揺らいでしまうと、その先子どもが進んでいく道のなかで、いつかもっと大きな問題になってしまうこともあります。小学生のうちに甘えさせてあげれば、傷が深くないうちに子ども自身が満足して、成長につながるとも言えます。■「学校に行きたくない」サインを見抜くには――子どもが「学校に行きたくない」と言い始める前に、そうなりそうなサインというのはあるのでしょうか。小学生くらいの子どもの場合、必ず何かしらのサインを出していると思います。不登校の子をもつお母さんたちも、「そういえばあのときは…」と、あとから何かしらのサインを出していたことに気づく人が多いようです。不登校というのは、不登校になってからが問題なのではなくて、その前に子どもたちはすでに追い込まれて危険な状態になっているんですよね。だれにも言えない苦しみを、複数抱え込んでしまっている。そして、原因となっている学校から離れたいと、SOSを出して不登校になるんです。――具体的に、どのようなサインを出す子が多いのですか。「今日は学校やだな」とか、「もう無理」とか、何かしらの言葉を発している子もいます。また、落ち込んでいる表情をしている子も多いようで、学校が始まる月曜日と、休みの日の表情を比べると顔つきが全然違うというようなこともあります。――そのサインに気づいたら、どのように対応すればいいのでしょうか。まずは、「どうしたの?」と率直に聞いてあげることが大切です。その聞き方が重要で、親が子どもをなんとか学校に行かせようとコントロールしようという気持ちが働くと、子どもたちはそれを敏感に感じ取って、返事をしてくれないことが多いのです。親としては、まずは子どもを心配して「心配だな」と思いますよね。そしてその次に、「待てよ、この子不登校になってしまうのでは」と不安になり、先を見越して何とかそうならないようにと打算が働いてしまいます。その親の心の動きを子どもたちはすごく敏感に読み取ってしまいます。自分の心配する気持ちのままに、子どもたちに尋ねてみてください。■「学校に行きたくない」と言われたとき――では、子どもに「学校に行きたくない」と言われたときは、どのように子どもに声をかければいいのでしょうか。さきほどのサインが見られたときと同じで、心配して、「どうしたの」と聞いてあげましょう。そして、本人からつらいことを伝えてきたら、いっしょに悲しんであげましょう。じつはこれだけで十分なのです。――何か行動するというわけではなく、いっしょに悲しむだけでいいのですね。これは、子どもの気持ちの前に出てはいけないという鉄則に基づいています。「子どもの気持ちは今こうだろう」、「こうアドバイスしてこうさせよう」とすると、子どもたちは自分の気持ちをますます言えなくなってしまいます。不登校になる子どもたちは心が傷ついた状態なので、まずはその心が救われないといけません。いっしょに悲しんでくれる人がいて、それも自分の心の拠りどころである親がそうしてくれるということが大切です。――その先はどうしていけばいいのでしょうか。あとは、本人が必ず自分の幸せな道はどこにあるかと考えて、提案を出してきます。その提案を親は支えてあげて、いっしょに歩んでいってもらいたいですね。その道はおそらく紆余曲折あり、大変なこともありますが、子どもが自分で決めたことなので、しっかり進んでいけると思います。 ■「学校に行く」「行かない」どちらが正しい?――学校に行かせる、行かせない、どちらが正しいのでしょうか。ついこの2択で考えてしまいますが、じつは選択肢はいろいろあります。そして、子どもたちが自分で決めることが大切です。不登校の子も、中学校卒業と同時に、85%の子が高校に行くのです。私が知っている子で、小学校、中学校とずっと不登校だったけれど、フリースクールでできた友達が高校に行くから自分も行くと決めた子がいます。そんな単純な理由だけで、学校に戻ろうとする子もいます。ですから、学校に行く、行かないということにはそこまでこだわる必要はないのではないかと思っています。――文部科学省でも学校復帰にのみこだわらない対応の必要性にもとづいて、これまでの方針を見直す動きがありますね。そうなんです、教育支援センターやフリースクールへの通所は、これまであくまで学校復帰を目的としたものだとされてきました。それにより、学校の先生や親は子どもたちを学校に何とか戻そうとする、そして学校以外の受け入れ先は見つけにくいという不登校の子たちにとってつらい状況が続いてきたのです。これを見直して、学校復帰のみにこだわらない不登校対応を行っていこうという方針が決まったのは、とても重要なことです。学校に行かせないという選択肢がもっと普通のものとなっていけば、楽になる子どもたちもいるのではないかと思っています。――とくに夏休み明けは、子どもたちが学校へ行きづらくなる時期です。子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、どのようにすればいいですか。これまでにお話したとおり、まずは心配して聞いてあげる。そして緊急性が高いと思ったら、思い切ってその日は休ませて、子どもといっしょにいてあげてもいいと思います。夏休み明けは、統計的にも突出して18歳以下の子が自殺する可能性が高く、子どもが追い込まれる危険な日だと言えるので。不登校になる前には、夏休みの宿題にも手がつかないということが多いそうです。言いづらいとは思いますが、親が「もういいんじゃない」と言ってあげてもいいのではないかと思うんです。そして、どうしても苦しそうだったら、先生に連絡して相談するのもひとつです。親はできるだけ子どもを追い込まないであげてほしいと考えています。■担任よりも適した親が相談できる場所がある――子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、親が相談できる場所はありますか?担任の先生に相談する親が多いのですが、不登校の子に対応した経験が少ないことも多く、あまりおすすめとは言えません。不登校については、フリースクールに聞くのが一番いいと思います。不登校の子どもたちをたくさん見てきた経験をもとに、相談に乗ってくれるはずです。また、不登校の子の親が集まる場に行くと、客観的に自らの状況が整理できますよ。あとは、信頼できる医師やカウンセラーに相談するのもいいと思います。――親たちに伝えたいことはありますか。不登校になることに対して、不安を感じている親も多いと思います。そして、実際になってしまって困っている人もいるでしょう。不登校は、子どもが弱い、怠けているなどと言われがちですが、そうではないのです。説明できなくても、本人にとっては学校に行けない理由があり、どうしても自分にとって曲げられない大切なことであります。不登校になると、本人も心に傷がつくが、それが癒えていく過程でたくさんのことを学びます。不登校は子どもの成長過程のひとつでもあるのです。その日々もたった一度きりのものなので、親と子どもで有意義に過ごしていってもらいたいと思っています。●相談先一覧 ・フリースクール全国ネットワーク ・NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク ■石井志昂(いしい・しこう)さんプロフィール1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行ってきた。 【同じテーマの連載はこちら】 樹木希林からの命のバトン この連載の全話を見る >>
2018年08月27日まもなく9月、小学生ママたちにとっては長い夏休みが終わりますが、一方で子どもたちは、楽しかった毎日が終わってしまうと嘆いている子もいるかもしれません。そしてなかには、夏休み明けの学校生活に対して憂鬱(ゆううつ)な気持ちを抱えている子もいるのではないでしょうか。夏休み明けは、子どもたちが学校に行くハードルが上がり、不登校になりやすい時期だと言えます。今回は、小学生の不登校の実情について不登校新聞の石井志昂(いしい しこう)編集長に話を聞きました。不登校新聞とは1998年に創刊された不登校に関する専門誌。当事者の視点を大切に、不登校についての情報を発信し続けている。不登校とは文部科学省は、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくてもできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による事案を除いたもの」と定義している。■小学生での不登校になる、不登校の実情とは――小学生で不登校となる子はどれくらいいるのですか。2017年に文部科学省が発表した調査結果によると、小学生の不登校者は31,151人いて、割合としては0.4%、208人に1人だということがわかっています。学校に1ケタという数字で、けっして多いとは言えません。ですが、これまで20年ほど取材を続けてきて感じるのは、小学生の不登校というのは人数が少ないからこそ、親が孤立しやすく、なかなか対策が講じられないという問題があると感じています。――不登校の小学生数は、年々どのように変化しているのでしょうか。しばらく0.3%台を維持してきたのですが、この数年で0.4%台に増えてきています。20年前は0.24%だったことから比べると、かなり増えてきている印象ですね。■小学生が不登校になる原因――なぜ、小学生で不登校になってしまうのでしょうか。私は、その主な原因には5つあると考えています。それは、「いじめ」、「発達障害」「集団生活が合わない」、「人一倍敏感な気質」、「学校の管理の厳しさ」です。▼いじめ――小学校でのいじめとは、どういった内容なのでしょうか。驚かれるかもしれませんが、小学校1年生でもいじめは起こります。小学校低学年でも、腕力が支配しているような旧時代のいじめは起きていて、子どもたちの見た目から想像するような平和な世界ではないのです。ただ、子どもに「いじめを受けたか」と聞くと、クラスの半分くらいが受けたと言ったという話もあって、まだ意地悪といじめの区別はついていないように思います。――学年によって、いじめの質も変わるのですか。そうですね、小学校3~4年生くらいからは、現代的ないじめに切り替わってきます。クラスカーストがあって、女の子を中心にコミュニケーション操作が行われ、特定の子が孤立させられていくようないじめです。大人からはけっして見えない高度ないじめが行われている場合もあり、いじめられた子どもにとってはつらい経験になります。そうして、小学校から学校に行けなくなった、行かなくなったという話はよく耳にします。▼発達障害――発達障害があると、支援学級などでケアがあるのではないでしょうか。たとえば、発達障害があってもグレーゾーンと言われる状態で、支援学級に行くほどではない子も多くいます。その場合、ケアは十分に受けられるとはいえず、集団生活になじめないということがあるのです。――たとえばどのようなことが起きてしまうのでしょうか。私が聞いた事例では、ある発達障害のグレーゾーンだった子が、消しゴムの使い方がわからなかったんですね。その子は空気を読んで周りの子の使い方をまねすることが苦手でした。書いたところを消せないので、二重線で消していたら、先生に怒られてしまった。しかし、消しゴムの使い方はわからないままなので、何度も繰り返して…。先生の怒りがどんどん膨らんでしまったのです。そしてパニックを起こしてしまい、学校に行けなくなってしまった。こうした事例もよく見られます。学校がそうした子への関わり方を工夫できたらいいのですが、その受け皿ができていないのです。▼集団生活が合わない――集団生活が合わないとは、発達障害などの「合わせらない」こととは違うのですか。小学生でも大人びている子がいて、その中でも集団生活がばからしく感じてしまうという子がいます。お遊戯をさせられたりするのが屈辱でたまらないと感じ、学校から離れて行ってしまうことがあります。▼人一倍敏感な気質――敏感な気質で学校に行けないということもあるのですね。人一倍敏感な気質の子どもを、「ハイリー・センシティブ・チャイルド」という言葉で表します。略して「HSC」と言われることもあるのですが、ここ近年、こうした子どもたちの存在がわかってきて、私たちも何度か取材して記事にしてきました。すると、「やっと言葉にしてくれた。自分はHSCだったんだ」という反響があったのです。――「HSC」とは、たとえばどのようなことに敏感になるのでしょうか。典型的によく見られるのは、音に敏感になる子です。先生がだれかに大きな声で怒っていると、まるで自分が怒られているような感覚になって体が動かなくなってしまう、教室のザワザワした音が苦痛に感じるといいます。研究者の中では、5人に1人がこうした気質を持っているとされていて、病気や障害ではないのですが、本人たちにとってはかなり大きなダメージを受けると聞いています。そのほかにも臭いや気圧など、それぞれに敏感になる対象が違い、それが原因で学校生活が送れないという子がいるのです。そういう子は、虚弱体質だとか、臆病だとか言われがちなのですが、そうではなくて、変えることのできない気質なのだと、ぜひ周りが理解してあげたいところですね。▼学校の管理の厳しさ――学校の管理というのは、校則や決まりといったことでしょうか。取材を通じて、小学生に守らせる決まり、日々の細かい指導が近頃どんどん厳しくなっているんではないかと思っています。子どもたちの管理体制が厳しくなっているように感じ、それに対して子どもたちは合わせることが難しく、双方の亀裂が大きくなっているように思います。学校側が子どもたち1人ひとりに合わせて指導する余裕がなくなっていて、ある種の慢性的なパニック状態になっていると言えるかもしれません。 ■夏休み明けは一番注意が必要!――1年をとおして、不登校になりやすい時期というのはありますか。厚生労働省が発表している「自殺対策白書」によると、9月1日に18歳以下の日別自殺者数は突出して高くなっています。「自殺」というと大げさだと感じるかもしれませんが、これまで数多くの不登校の人たちと出会ってきて、この時期というのは不登校が始まる時期に限りなくイコールだと思っています。――この統計では、夏休みやゴールデンウィーク、冬休みなどが明ける時期に、自殺者が多くなっていますよね。不登校が始まるのも、休み明けの時期が多いということですか。そうですね、とくに夏休み明けは注意してあげてもらいたいです。■不登校になる理由はひとつじゃない――なぜ子どもたちは「学校に行きたくない」というのか、その理由は特定できるものなのでしょうか。それは難しいと思います。なぜなら、子どもたちが不登校になる理由はひとつだけではなく、3つくらいの理由が重なり合っているからです。子どもたち自身が、学校に行きたくない理由を説明するのが難しいと同時に、いじめられている場合は親に言いたくないと感じるものです。ですから、子どもの不登校の理由を見つけるのはなかなか容易なことではありません。――子ども自身も理由がわからないということがあるのですね。私が取材したなかで、小学生から不登校だった子がいるのですが、その人は話を聞くたびに不登校だった理由が変わったんです。約5年おきに取材をしていたのですが、初めは「雷が怖かったから」、次は「いじめられていたから」と話していて、いじめられていたと言いにくかったのだなと思っていました。しかし、その後「やっぱり雷が怖かった」と言っていて、よく話を聞くと彼はいわゆる「HSC」で、雷の音に敏感に反応していてパニックを起こし、それが理由でいじめにも遭っていたことがわかったのです。このように、子どもたちが学校に行けない理由は複数ある可能性があります。まずはそのことを知ってあげることが大切ですね。次回は、子どもの不登校に対して親ができることについて、引き続き石井編集長にお話をお伺いします。具体的な子どもとの向き合い方についても、ご紹介します。■石井志昂(いしい・しこう)さんプロフィール1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行ってきた。【参考サイト】・文部科学省: 平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」 ・厚生労働省: 平成26年度自殺対策白書 [PDF:234KB] 【同じテーマの連載はこちら】 樹木希林からの命のバトン この連載の全話を見る >>
2018年08月26日夏休み後半、小学生ママの頭を悩ませるのが「自由研究」。特にテーマが決められているわけでもなく、かといって一夜漬けでどうにかなる宿題でもないため、親子で「あーでもない、こーでもない」と考えるうちに、夏休みも残りわずか…。いよいよおしりに火がついた状態になっていませんか? そこで、夏休みの自由研究をうまくのりきるコツを、世界初のシャークジャーナリスト・沼口麻子さんにうかがいました。「人食いザメは存在しません」――このにわかには信じられない言葉が帯におどる 「ほぼ命がけサメ図鑑」 を発売したばかりの沼口さん曰く、「好きな生物を観察するなら、“論理性”と“切り分けてまとめる力”が大切」だそうです。お話をうかがったのは…シャークジャーナリスト 沼口麻子(ぬまぐち・あさこ)さん1980年生まれ、静岡県在住。東海大学海洋学部を卒業後、同大学大学院海洋学研究科水産学専攻修士課程修了。 在学中は小笠原諸島父島周辺海域に出現するサメ相調査とその寄生虫(Cestoda 条虫類))の出現調査を行う。現在は、世界で唯一の「シャークジャーナリスト」として、世界中のサメを取材し、サメという生き物の魅力をメディアなどで発信している。サメ談話会やオンラインサロン 「サメサメ倶楽部」 を主宰。 Twitter Instagram Facebook ■世界初のシャークジャーナリスト、その子ども時代は?――今は、シャークジャーナリストとして活躍されている沼口さんですが、どんな子ども時代を過ごされたんですか?沼口麻子さん(以下、沼口さん):幼児期は記憶にあまりありませんが、合理的なことにこだわっていた気がします。例えば、幼稚園で、動物の絵に塗り絵をしてからそれを切り取る工作の時。今思えば、先生の意図は、枠からはみ出さないようにクレヨンでぬることを教えたかったのかもしれませんが、私は動物の絵の枠を越えて高速にシャカシャカとクレヨンで色を塗り、それを切り取っていました。結果的に切り取るのだから、成果物は同じはずですよね。でも、そのやり方を先生に怒られた意味がよく理解できず、困惑していた思い出があります。――確かに、合理性を考えたら、枠にとらわれて色をぬる必要はないですよね。沼口さん:その最たるエピソードをもうひとつ。幼稚園でおもらしをした子どもの処理がやけに早い先生がいたんです。おしっこしたらすぐにふいて、新しいパンツや服に着替えさせるんです。ある日、私は気づいてしまったんですよ。教室からトイレにいって用を足して帰ってくるより、おもらしした方が、早く帰ってこれることに(笑)。なのでトイレに行かず、あえて廊下でおもらしをしてみたことがありました。結果はやはり、先生の対応が迅速ですぐに着替えさせてもらえたので、そのほうが早かったんです。でも、無言で処理をする先生に子ども心になにかを感じるところがあり、それ以降はおもらししないことにした、という記憶があります。――小学校の時はどんなお子さんだったんですか?沼口さん:縁日で売っているような小さな生物(メダカ、金魚、亀、ザリガニなど)をプラスチックケースで飼育するのが楽しかったように思います。小学校では、手を上げて発言などはできませんでしたし、休み時間は校庭に行くこともなく、教室から校庭をながめているような子どもでした。運動会も苦手で…。人の話もあまり聞いていなかったので、教室変更になるとどこに行っていいかわからなくなることも。でも、誰も立候補しないという理由から、学級委員を引き受けることもありました。――その頃の夢はなんでしたか?沼口さん:野生動物カメラマン、獣医師、動物園の飼育員、カブトムシか寄生虫の研究者でした。――ある意味、夢をかなえていらっしゃいますよね。お父さま、お母さまからは、どんなふうに育てられたんですか?沼口さん:父は、みんなが持っているから買って、という理由は一切受けつけない人でした。「なぜ、それが欲しいのか?」と独自の理由をちゃんと言えないと買ってもらえなかったという記憶があります。一方、母は私が虫歯になることを心配して、キャンディーやキャラメル、チョコレートを禁止していました。今も虫歯はありませんし、あまり甘いものが好きではないので、おかげで健康なのかもしれません(笑)。両親は共働きでしたが、やりたいことは大抵はやらせてくれました。日本画、英会話、家庭教師に学習塾、劇団、乗馬など、毎日違った習い事をさせてもらっていました。それから3歳から中学生まで水泳教室にも通っていました。野生動物カメラマンになりたくて、16歳の時、単身でアフリカ・ジンバブエに行かせてくれたのも良い経験となりました。――16歳で単身アフリカはすごいですね。サメに初めて興味を持ったのはいつですか?沼口さん:大学生の時で、きっかけはダイビングでした。水族館や両生類のいる博物館を母とめぐり、生き物好きとして育ちましたが、借家だったため、水槽内で飼育できる生き物しか飼えなかったんですね。でも、大学の先輩がお風呂でドチザメを飼育していることを知り、大型魚類も飼えることを知りました。いろいろな海洋生物を勉強しましたが、ダイビングで出会ったサメが一番、面白いと感じたんです。まだ研究者が少ないニッチな分野でもあったので興味を持ち、大学4年生でサメを専攻しました。――今の道に進むために、相当な努力が必要だったのではないでしょうか。沼口さん:シャークジャーナリストは、もともと存在しない職業。他人はもちろん、自分でもやっていけるのか確信が持てないところがありました。そのため、ビジネスモデルを立てて、それを検証しながら突き進んでいく努力が必要でした。認めてくれる人がいるところへ、自分から飛び込んでいくというのが、最初は大切だったと思います。SNSが普及して、個人で情報を発信できる時代が背中を押してくれたので、一昔前に比べると大きな努力は必要なかったのかもしれません。■夏休みの自由研究「生物観察ならここが大事!」――小学生の頃は、どんなテーマで夏休みの自由研究をやっていましたか?沼口さん:低学年、中学年の自由研究では、「無脊椎動物の標本作り」をしました。家族で海辺へ遊びに出かけた時、東京大学の学生さんが開催する海洋生物セミナーに参加したんです。そこでホヤなどの無脊椎動物のことを学び、そのあと、海辺で採取したカニや貝を乾燥標本にして、クッキーの箱の中にディスプレイして提出しました。ニオイがなかなか強烈で、クラスメートには嫌がられましたけど…。高学年では、カブトムシ観察記録。これもなにかのイベントで、虫捕りの専門家と一泊で山の中に昆虫をとりにいくセミナーに家族で参加しました。そこで採取したカブトムシの観察記録と、自分で撮影した写真や図鑑の情報などをまとめて提出しました。これは、学年トップ10に選ばれて、長らく学校に展示してもらった記憶があります。父の一眼レフカメラで、カブトムシの飛び立つ瞬間を撮影したことと、じっくりとした観察記録が好評だったようです。両親も一緒に考えてくれていたので、どちらかといえば自由研究は好きな方でした。――この時期、自由研究に四苦八苦している子どもたちが多いと思います。うまくやるコツはありますか?沼口さん:好きな生物をひたすら観察して、その記録をとるのが面白いかもしれません。仕事柄、自由研究を添削することも多いのですが、「こんなことをやった結果、こんなことがわかりました!」という文面でも、論理性に欠けている内容では「もったいないな…」と感じることが少なくありません。生物の観察を自由研究のテーマにした場合、内容は次の2つに大きく分けられると思います。・自分で見たこと…自分しか見ていないかもしれない貴重な体験。・他人が見たこと…一般論だったり、一般的な図鑑に書いてあること。この2つのうち、「自分で見たこと」の方が価値のあることだと、まずは認識しましょう。そのうえで、次の2つをうまく切り分けてまとめられるといいですね。・結果…「自分で見たこと」「他人が見たこと」からいえる論理的な結果。・考察…「結果」についての自分の意見や展望。ただ、低学年や中学年でこの作業は少し難しいので、ママパパのフォローが必要かもしれません。――お子さんがサメをテーマに自由研究をする場合、どうしたらいいでしょうか?沼口さん:サメのなにに興味を持ったかにもよりますが、実体験が大事だと思いますので、私が主宰するイベントに参加いただければ、生きたサメの観察や解剖、標本作りなどを指導することができますよ。それが難しい場合は、水族館に行って、「ほぼ命がけサメ図鑑」に書かれているサメを探して観察したり、飼育員さんにインタビューしたり、ほかの図鑑なども調べたりするといいかもしれませんね。本書には、第1章にサメについての生態や概要、第2章には私が体験したサメのエッセイ、第3章は実際にサメに会いたくなった人のためのオススメスポットが書かれてていますから、参考にしてください。ちなみに、 「サメサメ倶楽部」 というネット上のサロンでも、夏休みの自由研究の指導もやっていますよ。■次の夢は「サメ好きキッズが学べる“サメの学校”を作ること」――今、沼口さんが興味を持っていること、夢はなんですか?沼口さん:興味のあることは、世界中のサメ好きキッズに講演したり、インタビュー取材したりするための世界めぐり、サメグッズや標本でいっぱいの家「サメハウス」の完成、年齢性別問わずサメ好きのみんなで集まり情報交換できる日本一の組織作りなどです。夢は、サメ好きキッズがサメ研究者やサメ関係の仕事につくためのサメの学校を作ることでしょうか。――最後に、今の子どもたちへメッセージをお願いいたします。沼口さん:もし、昔に戻れるとしたら、子どもの頃の自分には「クラスの友だちは、たまたま近所だった人たちが、学校に集められただけで、一生付き合うものではない。外へ目を向ければ、地球上のどこかに付き合うべき人たちが必ずいて、自分のことを大切にしてくれる人に時間を使ってほしい」と伝えたいです。それは、子どもたちへのメッセージにもつながります。あなたが今、こうだと思っていることは、狭いコミュニティーでの、今という一瞬の時代の、小さな常識に過ぎません。他人の価値観に合わせるのではなく、本当はなにが好きで、なにをしたいのか。逆に、なにに嫌悪感を覚え、なにをしたくないのか。それを自問自答して、恥ずかしいと思うことなく、生きる指針にしてください。子どもの頃から、合理的・論理的思考を持っていたことがわかる沼口さん。そのうえで、生物への豊かな愛情と、体当たりで会いに行く行動力を、ご両親が後押ししたことで「好き」が仕事になったというのは、子育て中のママも「なるほど!」と思うところが多かったのではないでしょうか。沼口さんからのアドバイスを参考に、夏休みの自由研究、親は伴走者となって子どもと一緒に頑張りましょう!参考図書: 「ほぼ命がけサメ図鑑」 (講談社)沼口麻子著 1,800円(税別) 世界初の「シャークジャーナリスト」という肩書きで、テレビ番組でサメの解説をしたり、専門学校でサメの講義をするなど、サメだけに特化した情報発信をする著者が、サメの本当の姿を世の中に伝えるべく、地球上の海を旅して見たり食べたりした体験を一冊に凝縮したサメ図鑑。これを読めば、著者の「人食いザメは存在しません」というにわかに信じられない言葉の意味が理解できる内容となっている。
2018年08月18日1歳を過ぎて言葉がポツポツ出始めてくると、親としては早くいろいろな言葉を覚えてほしいですよね。そこで、気になるのが言葉の教え方です。くり返し一つの言葉を何度も教えたほうがいいの? それとも、さまざまな言葉を順番に教えたほうがいいの? 脳研究者の池谷裕二先生に、素朴なギモンにお答えいただきました。池谷裕二先生 プロフィール研究者、薬学博士。東京大学・薬学部教授。専門は神経科学および薬理学で、脳の成長や老化について研究している。『海馬』(新潮文庫)、『進化しすぎた脳』(講談社ブルーバックス)など著書多数。近著に『パパは脳研究者』(クレヨンハウス)がある。プライベートでは二児の父。■子どもの言葉学習「一つの言葉のくり返し」か「さまざまな言葉を同時進行」か?―― 子どもが言葉を覚え始めてくると、うれしくて早くいろいろなことをしゃべってほしくなるママもいると思います。でも、思ったように言ってくれないことも当然あるわけで……。子どもに言葉を教える時に、一つの言葉をくり返し教えるのと、周りにあるさまざまな言葉とあわせて教えるのと、どちらがいいのでしょうか?池谷裕二先生(以下、池谷先生):言葉を身につけるうえでは「両方」必要です。子どもは世の中の原理・原則を習得するためにくり返しが重要になってきます。だから、大人だったら3回言われたら覚えられることも、子どもにはそれ以上にくり返しが必要になってきます。子どもは大人以上に何度も同じことをくり返す傾向がありますよね。―― しつこく同じことを言い続けたり(笑)、同じ遊びを繰り返したり。思い当たりますね。池谷先生:でも、同じ言葉のくり返しだけではダメなんです。実験で、子どものネズミに(ピアノなどで)音程の「ラ」だけをひたすら聞かせたところ、「ラ」はすごくよくわかるようになったそうです。でも、そのネズミが大人になって、脳ができあがったところで「ソ」を聞かせても、識別しなかったという実験データがあります。人間とネズミがまったく同じとはいえませんが、一つの言葉だけではなくて、同時にほかの言葉も教えたほうがいいと推測できますね。■2歳頃の言葉学習「同時に教える言葉は3つがベスト」―― なるほど。同時に周辺の言葉も教えたほうがいいんですね。池谷先生:そうですね。ただ、2歳頃の子なら、同時に教えるのは3つくらいにしぼるのがいいですね。例えば、色の名前を教える時は「あか、あお、きいろ」という具合に。一度にたくさんの言葉を教えると、これまでに覚えた言葉と混ざってしまうのです。専門用語で「記憶の干渉」といって、ある記憶がこれまでの記憶に影響される(干渉される)ことをいいます。大人でも一度に多くの言葉を覚えようとすると混乱しますよね。大人は記憶のお皿が大きいですが、小さな子どもはお皿がほとんどないので、複数の言葉を教えられても大人のようにちゃんと覚えられないのです。1歳の頃は「あか」と「きいろ」を教えるだけでも、「あかろ」と新しい言葉を作って言ったりします(笑)。かわいいですけどね。―― 欲張っていろいろ教えてしまいそうですが、発達に合わせることが大切なんですね。ほかにも教える際のポイントはありますか?池谷先生: 同時にいくつかの言葉を教えるなら、どれか一つの言葉にウエイト(比重)を置いて、くり返し教えてあげるといいと思います。先ほどの「あか、あお、きいろ」の例なら、「あか、あか、あか、あお、きいろ」みたいに。その子が言いやすそうな言葉を選ぶのもポイントですね。■子どもの言葉の「言い間違いは気にしない」―― 言いやすそうな言葉を選んでみます。この時期は言葉をたくさん聞かせたほうがいいと聞きます。池谷先生: 言葉を教える時はしぼり込みますが、小さい頃に絵本の読み聞かせなどをしてさまざまな言葉を聞かせるのはいいことです。ちなみにわが家では車に乗っている時、音楽の代わりに日本の昔話の朗読データを聞かせています。言葉をシャワーのように聞かせていると、子どもはずっと流れている文章でも単語と単語の区切りを認識して「文節化」できるようになります。今まで話したことのない外国語でも文節化できるのですから、脳ってすごいですよね。言葉の意味がわからなくても、「単語の切り出し」ができるんです。―― 子どもの脳ってすごいんですね。よくわかりました。ちなみに、言い間違いはかわいいですが、気にするママもいます。池谷先生:言葉ってそのものがそこにあるわけではなく、概念や象徴的な(=シンボリックな)ものを表していて、それを操作(=シンボリック操作)してコミュニケーションを取るものです。今は言い間違えをしていても、親子で会話が通じているなら、子どもは言葉の概念を獲得していて、シンボリック操作ができていると言えますよね。立派なことですよ。子どもの時期は「正しく言えない」ことを気にする必要はまったくないと思います。いずれはちゃんと言えるようになりますよ。言葉を話せるのは生物でヒトだけなんですが、言葉を話せることそのものが奇跡なんです。どうして話せるようになるのか、まだ科学的に解明されていません。なぜ話せるのか、考え始めると夜も眠れないくらいです(笑)。言葉って奥が深いですね。
2018年08月13日書く力を育てるために大切なのは、子ども自身に「自分が肯定されている」という感覚を味あわせてあげること。そう教えてくれたのは、花まる学習会の竹谷和(たけたにかず)さん。子どもの心に寄り添いながら「書く力」を育ててきました。今回は、ついつい親がやってしまう「書く力」を育てるために「やってはいけないこと」、反対に、親が「書く力」を育てるために「やってあげたいこと」についてお話しを伺います。【花まる式:子どもの“書く力”の育て方】 Vol.1 読書感想文、親はどう関わればいい? 「言葉の力」を「生きる力」にする Vol.2 「書くこと」が苦手な子をサポートするには、親の意識改革が必要 ■やってはいけないこと その1.言葉を先に引き取る「これは、いわば、『わが子が言葉を発するのを待ってあげられない』ということです」(竹谷さん)。「はい。それは私です!」と、思わず取材中に挙手してしまいました(笑) たとえば、こんな日常会話をしていませんか?子:「えっと、もってくの忘れちゃった」母:「カバンにすぐにしまわないからから連絡帳を忘れちゃったんでしょう?」子どもの言葉には、「何を」「どうして」が抜けているのに、それを指摘せず、補足しきった質問で「確認」だけをしてしまっている…。「こういう会話が日常的になると、子どもから『自分で最後まで意思を伝えきる』という機会を奪うことになってしまいます」(竹谷さん) 普段の会話を、親が「引き取り(補足)」続けている子にとって、「作文を、『自分で終わらせる』こと」は、とても難しい事柄に感じるそう。そういう子は、ダラダラ何十行も一文を書いてしまったり、普段の会話を完結させられないこともあるそうです。「作文を終わらせるためには、言葉を探さなければなりません。子どもが区切りのつけ方を経験できるようにしてあげてください。『いつも必ず』は難しいかもしれませんが、できるだけ最後まで子どもに会話を締めくくらせましょう」(竹谷さん)■やってはいけないこと その2.ほめ「過ぎる」「作文で危ないのは、『評価』です。これが、じつは一番の落とし穴だとすら思います。評価されすぎると、『人のために書く』作文になってしまいがちなのです」(竹谷さん)書きたいことを、手を抜かずに、書く。これが大事で、同時に難しいところでもあります。本当は、ただ楽しくてクレヨンを動かして描いた絵と同じように、自分が書きたくて書くこと。書く動機は「外の誰か」ではなく「内なる自分」にある、という感覚。「褒められること=成功体験」が本当に大事であるということには、疑う余地がありません。けれども、過剰にほめすぎて、評価という軸がないと書けないというような、見返りをもとめて書くような子にはしたくないですね。そのために親ができることは、何なのでしょうか? 「お子さんが書いたものについて、『すごいね』『上手だね』だけでなく、『この言葉選びがいいね』「ここからここまでが読んでいて、一番ひきこまれたよ」など、具体的に、ご自身がいいと感じたことを言葉にして伝えてあげてください」(竹谷さん)日常生活の中で、何気なくやっていることが、じつは「やってはいけないこと」だった…。指摘を受けて、「ハッ!」としましたが、「そこを、気をつけよう!」と思うキッカケになりました。今度は、「やってあげたいこと」を教えていただきます。 ■やってあげたいこと その1.「親子インタビュー」の時間を作る「子どもに『書く力』をつけてあげたいなと思ったら、インタビューをしてあげるのが、おすすめです」(竹谷さん)自分から何でも話す子はそのままでいいのですが、学校や外でのことをあまり話さない子も多いと思います。聞いても「忘れた!」とすぐに言うタイプです。いろいろなことを経験して感じているはずなのですが、それをわざわざ思い出して伝えることには価値を感じていません。そういう子には、1分でもいいので、できるだけその日にあったこと=子どもが思い出しやすいことをテーマに聞いてみてください。本人が話したくなるような好きなことを切り口にしてみましょう。また、「お母さんとお子さん。一緒に日記を書いても良いですね」(竹谷さん)。低学年の子どもたちは、ママと過ごす時間が多いはずなのに、親子で日記の内容は面白いほど違うそうです。「お母さんが、『子どもと私、これだけ違うものを、見ているんだ!』ということを感じるだけでも、とても意味があります。一日1行でもいいですよ」(竹谷さん)。■やってあげたいこと その2.「思わず観察してしまう時間」を確保する「作文(文章)を書くときには、まずは丁寧に観察できているかどうかが、すごく大事です」(竹谷さん)。この「ものを見る目」というのは、感性とも言い換えられそうです。同じ場所から同じものを見ても、感じること、思うこと、気づくことというのは、人によって千差万別です。では、観察が上手になるには、どうすればいいのでしょうか? 「もっとも必要なのは、『思わず、観察してしまう』というような時間や環境を、確保してあげることです」(竹谷さん)。これは言い換えると、子どもが、ぼーっとしたり道草をしたりといった、ルールのない時間です。それは大人からすれば一見意味のない時間のように思えるかもしれません。けれども、今、大人が意識して作ってあげないと、「予定のない時間」を持つことができない子も多いのです。「書くことを支えているのは、じつは五感を伴う体験と、それに付随する知的な思索です。大きくなったときに、『あの時の、あれって、めちゃくちゃ楽しかったよね』といった心動く経験があるかどうかが大切です。長いお休みのときは、意識して子どもたちにそういう時間をぜひとも作ってあげて欲しいと思います」(竹谷さん)いかがでしたか? 「子どもの『書く力』を伸ばさなきゃ!」と思うと、ついつい肩に力が入ってしまいます。けれども、竹谷さんのお話しを伺っているうちに、「ゆったりした気分で、子どもの言葉を大切にしていけばいいのかも」という気持ちになりました。そんな解脱の境地(!?)、ママと子どもたちが過ごせることを願っています!■今回のお話を伺った竹谷和さんのご著書『子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる』花まる学習会 高濱正伸 竹谷和著/実務教育出版 ¥1,400円(税別)●高濱 正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: ●竹谷 和さん千葉県生まれ。一橋大学卒業。花まる学習会教材開発部。現場を持ちつつ、年中から中学3年までの幅広い学年に対しての教材開発・各種出版に携わる。社会に出て生きていくために、読み書きをベースとした言葉の力が欠かせないという問題意識のもと、講演会、出版、読書感想文講座等を通じて、言語表現に関する親と子の橋渡しをしている。
2018年08月09日前回、「幼児期(4歳~10歳)の子供にとっては、お母さんが考えている以上に『書くこと』のハードルは高いものなんです」と、教えてくださったのは、花まる学習会の竹谷 和(たけたに かず)さん。花まる学習会の現場で語彙(ごい)や言葉のセンスを磨くコースを担当してきた「書く力」を育てるプロフェッショナルです。引き続きお話しを聞きました。【花まる式:子どもの“書く力”の育て方】 Vol.1 読書感想文、親はどう関わればいい? 「言葉の力」を「生きる力」にする ■ポイント1.間違いを指摘する方法作文の大前提として、「正確な日本語で書けているのか?」ということがあります。けれども、幼児期の子どもの作文は、ママから見れば、きっと「間違いだらけ」「指摘したい点だらけ」でしょう。子どもに間違いを指摘するときのコツを教えていただきました。「この場合、伝える順序が大切です。いきなり間違いを指摘されるばかりだと、子どもは否定された気持ちになり、指摘を受け入れられません。まずは、ママ自身が、その作文を読んで、どう心が動いたか、肯定的な側面から伝えてあげてください」(竹谷さん)たとえば、友人に手紙の返信を書くようなつもりで、「ここが、おもしろかったんだよ」といったママの気持ちを伝えます。これは「良い・悪い」という「評価」ではありませんし、「最初の一言」があるのとないのとでは、大違いです。「『最初の一言』を添えることで、子どもは『話を聞く』という受け入れ態勢ができます。人は、否定ばかりしてくる人の言葉を聞こうなんて思いませんからね(笑)」(竹谷さん)。 【声かけ例】・○○ちゃんは、こんなふうに、感じたんだね・ママは、こんなふうに感じたよ■ポイント2.その年齢ならではの十全さ「子どもの作文を読むときに意識していただきたいのは、子どもは、大人とはまったく違う時間を生きているということです」(竹谷さん)。たとえば、夏休みだから! と張りきっていろいろなところに連れて行ったのに、子どもが書いた作文は、「動物園のゾウがおしっこをしていてそれが見ていた人にかかった」みたいなことだったりする。思わず、「そこかい!」っと、ツッコミたくなりますよね…。「子どもの作文を読むとき、『われわれが彼らの価値観に寄り添えるか』は、とても大事なポイントです。もし、子どもがゾウのおしっこのことを熱心に書いていたのであれば、その子の視点と興味は、そこにある。それを大人が『そんなこと書いちゃダメ』というのでは、文章を書く意味がないんです」(竹谷さん)その子が持っている、視点、つまり感性を大人が認める。たとえ、大人が「それ!?」と言いたくなってしまうテーマだとしても(笑)、その子が本当に興味を持って書いたものなのであれば、それが、その子にとって一番大切なテーマである…。そんなふうに大人側が、心から思えること。「たとえば、ある1年生の男の子が『ぼくは、きのう学校のかえりに、ぎん色のビービーだんを見つけてひろいました。どうしてかというとめったに見つけられないからです。』こんな風に書いてきたときに、『え? だから何?』と言ってしまうのか、『え! すごいラッキーじゃん!』と返せるか。これは、ある種の意識改革に近いのかもしれませんね。作文に登場するのは、その子の体験したことのなかでも、印象に残っている場面です。その子の興味関心というフィルターを通過したものなわけで、大人の価値観とは当然異なります。そういう作品は、言い換えれば、十全に幼児期を過ごし、子ども同士の社会を生きていることの証です」(竹谷さん) この記事を書いている筆者自身、「これは、すごく難しいかも!」と、感じました。なぜなら、私は「こうあるべき」といった「枠に当てはめられる教育」を受けてきたからです。まずは、「自分が受けてきた教育というのは、どうだったのだろう?」「子どもを枠に当てはめることばかりに躍起となっている私って、どうなんだろう?」「どうしたら、この意識を、変えていけるのだろう?」といったあたりから、自問自答を始める必要がありそうです。そして、子どもの作文のなかに、その年齢ならではの十全さを見つけることができてきたら、その部分にスポットを当てられるような声かけができるようになりたいと思います。【声かけのポイント】たとえば、「ぎんいろのビービーだんなんて、いいなあ!」と言われたら、この子は「そうでしょー!」と鼻高々ですね。その子が、何をおもしろいと思って書いたのかを想像し、伝えると、「書いてよかったなあ」と思えます。 ■ポイント3.ごまかさない言葉選び少し長くなってしまいますが、下記の作文を読んでみてください。ラムネとおじいちゃんのたたかい(2年男子)すこし前、おじいちゃんちでおるすばんをしていました。おじいちゃんちに行くときに、ついでにサイダーのラムネをもっていきました。おじいちゃんちについたとき、ぼくは、「じぶんじゃあけられないから、おじいちゃんがあけて」と言って、おじいちゃんは、ニコニコしながらラムネのびんを手にとり、力をこめたけど、あきませんでした。(中略)おじいちゃんが、どこからもってきたのかわからないようなどうぐをつかってたけど、まだあきませんでした。ここから、おじいちゃんとラムネの本気のたたかいがはじまりました。出典: 『作文・読書感想文 子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる』 ラムネのふたを開けられない話が、「おじいちゃんとラムネの本気のたたかい」と命名された瞬間、がぜんおもしろくなります。ほかにも、「どこからもってきたのかわからないどうぐ」といった、読者にイメージを喚起させる言葉選びができています。この、的確な言葉選びの背景にあるものは、何なのでしょうか? 「まず、『ありのままをとらえている』ことに着目したいですね」(竹谷さん)たしかに、「なんだ、あの道具? どこにあったんだろう?」と、おじいちゃんを見て感じた自分をとらえることができています。「どこからもってきたのかわからないような」と、そのまま言葉にするだけで、単なる「どうぐ」から一気に魅力が増します。「二つ目のポイントは、感じたことに当てはまる言葉を、子ども自身が持てていることです」(竹谷さん)。おそらく、この子には、まわりからの言葉のシャワーがよく降り注いでいるのでしょう。「三つ目としては、『より正確に伝えたい』という気持ちがあることです。うまく伝わった! という成功体験がこれまでにあったのだと思います」(竹谷さん)。これらの話は、「語彙が豊かである」とか「難しい言葉を知っている」ということではありません。「言葉を知っている・知らない」という話ではなく、「自分の実感そのままに、ぴったりの言葉が選べているか?」ということなのだと思うのです。「子どもに的確な言葉選びの習慣をつけたいと思ったら、子どもが言葉を探したり、選んだりすることを、まず大切にしてあげて欲しいと思います。子どもが自分の気持ちをしっかりと見つめられる力、ごまかさない力は、大人のそういう姿勢から生まれます」(竹谷さん)【声かけ例】「(指しながら)この言葉は、(指さしながら)ここを表現するのにぴったりだね!■ポイント4.「筆が進む感覚」を味わせてあげるところで。「大人が持っている“見えない尺度”に、子どもはとても敏感です」と、竹谷さんは言います。たとえば、長い作文を大人がほめ続けると、「あれくらい長く書かなきゃ、ダメなんだ」と、思う子がいます。はたまた、「その話ではなく、あの話を書きなさい」といった声かけは、「このテーマで書いたら、ダメなんだ」と、子どもの意欲を失わせている可能性もあります。こちらの望む望まないにかかわらず、私たちの反応から、子どもは知らず知らずのうちにメッセージを読み取っています。とりわけ幼児期の男の子は、「書く」ということ自体に興味を持たず面倒くさがる傾向が強いので、注意が必要です。「幼児期の子どもにとって、書くことは、基本的に、しんどいことです。面倒くささがあるのも当然です。でも、書き出してからのどこかに必ず『その子の筆が進む箇所』は、あります。その『筆が進む感覚』こそを、子どもに味わせてあげて欲しいのです。『書きたい!』と思いながら書くということは、こういう感じ! という実感です」(竹谷さん)そうはいっても、幼児期の子は、「作文を書くときのサポーター」が必要な時期でもあります。「よく思い出して書きなさい」などアドバイスしても、「覚えてない!」という子もたくさんいるそうです。竹谷さんは、そんなとき、みずから「書きとり役」に徹します。たとえば、「この間のサッカーの試合、どこのポジションだったの?」から始まって、「そのポジションって、何をする役割なの?」と、ただ、子どもに質問をして、その答えを書きとっていく。ただし、いきなり「そのとき、どんな気持ちだった?」は、NG。まずはその子が、絶対に答えられることを(つまり「経験したこと」を)質問していってください。そんなやりとりをしているうちに、「じゃあ、オレ、自分で書くわ」というふうになる子もいるし、最後まで竹谷さんが書くこともあるそうです。竹谷さんが聞き取って書いた作文を子どもに見せると、「そんなに、(書くことが)あったんだ!」と、本人は、とても驚くそうです。「子どもの話を、ただ聞いて書きとってあげることは、ひと手間かもしれません。でも、「なるほどねー! ふんふん」と肯定される感覚、感じたことをそのまま書いて良いんだという感覚を、2、3回、きちんと子どもに味わわせてあげれば充分だと思っています」(竹谷さん)竹谷さんに「書く力」を育てるポイントを教えていただくと、今まで自分が「作文を上手に書く指導だと思っていたこと」が、かなり的外れだったことにがく然としました。子どもに「書く力」をつけたいと思ったら、子ども自身の心に寄り添おうという気持ちが大切なのですね。次回は、作文好きな子を育てるために「やってはいけないこと」「やってあげたいこと」を整理します。■今回のお話を伺った竹谷 和さんのご著書『子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる』花まる学習会 高濱正伸 竹谷和著/実務教育出版 ¥1,400円(税別)●高濱 正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: ●竹谷 和さん千葉県生まれ。一橋大学卒業。花まる学習会教材開発部。現場を持ちつつ、年中から中学3年までの幅広い学年に対しての教材開発・各種出版に携わる。社会に出て生きていくために、読み書きをベースとした言葉の力が欠かせないという問題意識のもと、講演会、出版、読書感想文講座等を通じて、言語表現に関する親と子の橋渡しをしている。
2018年08月08日「読書感想文、どうしよう?」。子どもに相談されたことがあるママも多いのではないでしょうか? 「○年生なのに、こんな作文でいいの?」「書くことを、面倒くさがる」。わが子の作文問題、気が重いですよね…。そこで、花まる学習会の現場で子どもたちを見つめ、「書く力」を育ててきた竹谷 和(たけたに かず)さんにお話しを伺ってきました。●今回のお話を伺った竹谷 和さんのご著書『子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる』「花まる学習会」とは数理的思考力・読書と作文を中心とした国語力に加え、野外体験を三本柱として、将来「メシが食える大人」そして「魅力的な人」を育てる学習塾。代表は、数多くのメディアでも紹介された高濱正伸さん。竹谷 和さん花まる学習会で、語彙や言葉のセンスを磨く「特国」コースを担当。多彩な指導経験と言葉の力を活かして、講演会も行っている。■「言葉の力」は「生きる力」になる竹谷さんは言います。「私は、子どもたちを、『言葉の力を備えた状態』で社会に送り出してあげたいと思っています」。言葉の力とは、つまり、「生きる力」そのものです。卑近な例を引くと、中学受験、高校受験、大学受験、就職試験。社会で活躍できる人を採りたい場面では、言葉の力は、有利に働くことでしょう。「文章という表現手段を自分のものにできている人は、行動に加えて言葉で人を説得し、人を動かすことができます」(竹谷さん)子どもが言葉の力を備えるための、「根っこ」は、何なのでしょうか? それは、「書くことはおもしろい」と、子ども自身が思えていることです。本連載では、「子どもが書くことをおもしろいと感じるようになるために、親はどうすればいいのか?」を、考えてみます。■子どもと大人。文章指導の方法はまったく別!竹谷さんは、花まる学習会の現場で4歳児から中学3年生までの子どもたちを見てきました。その経験から、あることに気がついたそうです。「『ある時期』までの子どもへの文章指導は、大人と同じ方法である『べきではない』んです。端的に言えば、『ある時期』までの子どもの書くものに対して、親が持つ欲求や希望をそのままぶつけてもあまり効果がありません」(竹谷さん)■「赤いハコ」と「青いハコ」という考え方では、どうしたら良いのでしょうか? 「ある時期」を語る前に、その大前提として、花まる学習会の考え方である「赤いハコ」と「青いハコ」というものさしをご紹介しましょう。「赤いハコ」というのは、大体4歳~9歳ごろのいわゆる「幼児期」。そして、「青いハコ」というのは10歳ごろから18歳ぐらいまでの「思春期」を含む時期です。■「話す」より、「書く」ことの方が難しい「赤いハコ」の子をイメージしながら、下の表を見てみて下さい。表にしてみると、同じ「発する」という行為でも、「話すこと」と「書くこと」では、「話し言葉」と「書き言葉」という違いがあるのがわかります。●「書く」の位置づけを整理結論からお伝えすると、「赤いハコ」の子にとっては、まだまだ「書く」ことは、「話す」ことより、随分とハードルの高いことなんです。この「ハードルの高さ」を、親がしっかりと認識しておくこと。ここが、「書く力」を育てるスタート地点です。■言葉のキャッチボールをできるようにするにはその次に必要なことは、何なのでしょう? 「それは、子どもに“受け手”としての実体験をたくさん積ませてあげることです」(竹谷さん)受け手としての実体験とは、どういうことでしょうか? 竹谷さんは、キャッチボールを例にお話しをしてくれました。「普段の生活や仕事で、“相手を言い負かす”ことが必要な人ってほとんどいませんよね。相手の意図を汲み取って反応したり、自分の言いたいことを相手に伝わるように発する。そんな風に、相手ありきで言葉をつかう、コミュニケーションができることの方が大事なのではないでしょうか。野球に例えると、相手に打たれない剛速球ではなく、相手がしっかり受け取れる球を投げられることの方が大事なのではないかと思います」(竹谷さん)。「キャッチボールが上手にできるためには、この速さだったら受け取れるかな、とか、この軌道はどうかな、こう投げたら面白がってくれるだろうな、といったように、相手への想像力が必要です。その想像力のベースとなるのは、自分がこれまで“ボールの受け取り手”としてどれだけ経験を積んできたかということです。言葉もキャッチボールと同じで、じつは“受け手側”としての経験が多い人ほど、「この言い方なら、相手に伝わるかな」「このテーマってみんなわかるのかな?」といった想像を働かせることのできる範囲の広さを持てているのです」■子どもの文章を修正するより大事なこと「子どもが書いた文章について、あれこれツッコミを入れ赤入れすることは簡単です。すぐに指摘だけで真っ赤になるでしょう。ただ、それでは、どうすればいいのかは子どもに伝わりません。それよりも、『赤いハコ』の時代を生きている子どもたちにとっては、受け手として実体験をどれほど積ませてあげられるか? そちらの方を、大切にしたいと思っています」(竹谷さん)。「赤いハコ」の時代に、“豊かな受け手”としての実体験を重ねることは、いい発し手になるための大事な土台なのだそう。「“発し手”として、『書き言葉』を操れるようになるまで、いかに、『書く』ということに対して、子どものやる気を失わせずにいられるか? そこの橋渡しを上手にしてあげたいと考えています」(竹谷さん)。どう子どもに接すれば、この「橋渡し」を上手くできるのでしょうか? 次回は、子どもの「書く」という意欲を育てる具体的なヒントについてお話しを伺います。■今回のお話を伺った竹谷和さんのご著書『子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる』花まる学習会 高濱正伸 竹谷和著/実務教育出版 ¥1,400円(税別)●高濱 正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: ●竹谷 和さん千葉県生まれ。一橋大学卒業。花まる学習会教材開発部。現場を持ちつつ、年中から中学3年までの幅広い学年に対しての教材開発・各種出版に携わる。社会に出て生きていくために、読み書きをベースとした言葉の力が欠かせないという問題意識のもと、講演会、出版、読書感想文講座等を通じて、言語表現に関する親と子の橋渡しをしている。
2018年08月07日毎日のようにTVで塾のCMを見かけます。高校・大学受験や浪人している人向けだけではなく、最近では小学生の通塾率が増加しています。自分の子どもは通わせた方がいいのか、通わせるならいつからがいいのか。また塾の種類はどんなものがあるのかなど、疑問がたくさん浮かびます。最近の小学生の塾事情はどうなっているのでしょうか。1. 小学生の通塾率とは小学生の通塾率は、平均50%となっていて、都心部に近い程高くなる傾向にあります。その中で、公立小学校に通う小学生の割合は41%、私立小学校に通う小学生の割合は71%となっています。これは、授業内容が公立では比較的易しく塾に通わずついていけるのですが、私立では塾で補強を行わないとついていけないほどハイレベルであるということが一因です。さらに公立に通う子は中学受験をする子どもがそこまで多くないため通塾率も下がります。さらに学年別で見てみましょう。・一年生公立:27%私立51.8%・二年生公立:27.4%私立60.5%・三年生公立:32%私立67.2%・四年生公立:36.8%私立72.7%・五年生公立:40%私立72.8%・六年生公立:49.8%私立76.6%※文部科学省「子どもの学習費調査平成26年」私立では一年生でも半分以上が塾に通っているということになります。公立でも、四年生からはほぼ4割が、六年生には半数が通うようになっています。2. 塾のタイプを知ろう一口に“塾”と言っても、小学生が通う塾には3タイプあります。通わせる場合には目的を持ち、タイプを把握して選ぶ必要があります。 (1) 進学塾中学受験を見据えて、入試問題で点数を取れるようにする塾です。三年生の冬からカリキュラムをスタートする塾が多く、大手進学塾の場合は入塾テストに合格する必要もあります。比較的受講料が高い場合が多いです。(2) 補修塾学校の授業内容を理解し、試験で点数を取れるように指導する塾です。学校の授業についていけない部分があるが特に中学受験を考えているわけではないという場合は補修塾に通うことが多いようです。不得意な教科を強化して教えてくれたり、学校の授業をスムーズに受けられるように教えてくれるので、勉強の楽しさを知ってほしいと思う親が選ぶことが多いです。低学年のうちは補習塾、高学年になるタイミングで進学塾へ切り替えるという場合もあります。(3) 専門塾最近人気が高まっている個別指導塾です。マンツーマンか生徒2~3人という少人数の授業となるため、子どものレベルに合った授業を受けることができます。他の習い事とのスケジュール調整がしやすいというのも利点です。進学塾の中で個別指導コースを設けているという場合も最近ではあります。3. 小学生に塾は必要なの?特に低学年は遊び盛りの時期で、塾に通わせるかどうかは意見が分かれると思います。本当に小学生に塾は必要なのでしょうか?答えは「その子と状況によって異なる」ということで、一概には言えません。● 塾が必要な子・中学受験を考えている・高学年で学校のテストが60点以下中学受験をする場合でも必ず塾が必要というわけではありませんが、難関中学や公立の中高一貫などを考えている場合は入試対策に沿った授業を行ってくれる塾を選ぶことが合格への近道でしょう。また、義務教育である小学校では成績の優劣をつける必要がない為80点前後を取れるようなテストが作られています。そこで60点以下しか取れていないのであれば、中学校でついていけなくなる可能性もあるため、塾で補強を行う方が良いでしょう。● 塾が必要ない子・中学受験をしない・学校のテストで80点前後を取れている・勉強する時間を確保できている塾に通わないとしても、高学年になったら自宅で勉強する習慣を身につけておく方がよいでしょう。ちなみに、小学生に必要な勉強時間は「学年×10分」です。一年生だと10分、三年生だと30分という感じで、最低でもその時間は机に向かう習慣をつけておきましょう。塾が必要かな、と親が思った場合でも子どもの意見は欠かせません。無理やり通わせても長続きはしません。しっかりと親子で意思疎通を行い、意思を尊重しましょう。通わせる時期についても意見は様々ですし本人の意見もあるので一概には言えません。しかし一般的には、受験を行う場合は三~四年生から通うというケースが多いようです。4. 塾選びで聞いておくこと塾に通うとなった場合、塾はどのように選べばよいのでしょうか。まずは塾の雰囲気がとても大切です。気になっている所には必ず訪問し雰囲気を見ましょう。パンフレットをもらいに行くだけでも、雰囲気や対応方法などが分かります。数軒見てみると良いでしょう。気になることは事前に聞いておきましょう。聞いておいた方が良い項目は「月謝」「振替可否」「クラスの人数・クラス分けの基準(集団の場合)」「使用する教材」「宿題の量」「担任制かどうか」「実績」などです。塾側からここまで説明してくれることはそうありませんので、これ以外にも気になることがあれば事前にメモをしてしっかり確認しておきましょう。現在6年生の子がいて塾に通っているママが、今の塾は方針が合わずに変えたいが本人が気に入っているので迷っているという話をしていました。通ってみないと分からない部分もあり、塾選びは本当に難しいと感じます。私の息子は叶えたい夢のために中高一貫校に通いたいと言っています。受験や通塾は考えていなかったのですが、高学年になっても同じ考えでいるのなら四年生くらいから塾に通わせることも考えています。小学校は公立ですが、通塾・受験率が高い学校なので周囲とのバランスも多少は考える必要があるのかなと思います。どちらにせよ、本人の意見も尊重しながら、慎重に考える必要がありますね。
2018年08月03日子どもが親を呼ぶときの呼び方はさまざまですが、小さい時は「パパ・ママ」と呼んでいても、大きくなってそのままというケースは少ないですよね。しかし、いつどんなタイミングで呼び方が変わっていくのでしょうか?いつまでも「パパ・ママ」ではおかしいと思いつつ、親から変えようと提案するのが正しいのか、子ども任せにしたらいつまでも変わらないのではないか、と色々気になります。みんなはどうしているのでしょか? みんなの呼び名事情を見てみましょう。1. さまざまな呼び名子どもが言葉を発するようになって、一番多く発するのは親を呼ぶ言葉だと思います。みんなはどんな呼ばせ方をしているのでしょうか。一部ではありますが見てみましょう。 (1) パパ・ママ多数派の呼び方です。言葉を覚えたての子どもが発音しやすい、というのも選ばれるポイントです。また、保育園に通っている場合は先生がそう呼ぶので、混同しないよう統一させているという声もありました。 (2) お父さん・お母さん最初は発音が難しいかもしれませんが、「大きくなってから呼ばせ方を変える必要がないので始めからそう呼ばせている」という家庭も多くあります。最初はうまく呼べなくても、それがかえって可愛いということもありますね。 (3) 父ちゃん・母ちゃんパパ・ママに違和感がある方が呼ばせているのが多いのが、この呼び方です。特に男の子のママが要望する声が多いようです。合わせて「とーしゃん・かーしゃん」と呼ばせることも多いですね。 (4) とと・かか少数派ではありますが、昔の日本では普通に使われていた歴史ある呼び名です。呼びやすいという意味ではパパ・ママにも通じるものがありますね。 (5) ちち・ははこちらも古風な響きで日本らしさを感じます。以前、ファミリードラマで主人公の子どもがこの呼び方をしていたことで、一時人気にもなりました。成長すると公の場では「父・母」ということが必然となりますので、それをすんなりマスターできるという利点もあります。 (6) 名前親の名前で呼ばせるという家庭もあります。呼び捨てではさすがに体裁が良くないと考えて、さん・ちゃんを付けさせる場合もあるそうです。様々な呼び方がありますが、子どもにどう呼ばせるかは、子どもの性格や親の価値観で違ってきます。夫婦間で異なるのも混乱を招きますので、話し合って全員が納得する呼び名を決めましょう。2. パパ・ママからの移行時期や方法とはさまざまな呼び方がありますが、一般的なのは幼少期に「パパ・ママ」、成長と共に「お父さん・お母さん」に変わっていくというものだと思います。いつ頃どんなタイミングで変えていくのでしょう。言葉をはっきりしゃべりだした時2~3歳の言葉がはっきりする頃、早い内に呼び方を変えてしまうというものです。特に男の子は大きくなってから変える方が照れくさいということもあり、早い内の方が子どもも抵抗なく対応できます。入学をきっかけに「幼稚園まではパパ・ママだったけど、小学生になったらお父さん・お母さんに変えようね」などと言うのは、呼び方を変えるタイミングとしては一番分かりやすく子どもも納得しやすいでしょう。同様に入園のタイミングで変えるという家庭も多くあります。子どもの意識が変わるタイミングで親からの提案で変えるのではなく、子ども自身の意識が変わるのを待つという家庭も多くあります。自分の成長だけではなく、周囲が変えるので意識するという子どもも多いですね。親としても、無理に変えるのは抵抗があるが将来的なことを考え徐々に変わってくれたら・・と心配になるケースもあるでしょう。無理強いするのではなく呼び方を変えるには、親自身が呼び方を変えると良いでしょう。親が子どもに自分のことをパパ・ママと呼んだり親同士もそう呼んだりしていると、子どもが変えようという意識にはなりづらいものです。まずは自分自身や親同士の呼び方を変えることで子どもがそれに合わせようという意識を持ち易いでしょう。親から変える提案をするにも、子どものタイミングを待つにも、子どもの意思は尊重しましょう。子ども自身が「今のままがいい」と言うなら、それに合わせます。決して無理強いすることはないように気を付けましょう。家庭と外での対応をしっかりとできることが大切小学校にあがった私の息子は「ママ」と呼びますし、特に変えようとも今のところは考えていません。もちろん本人が変えたいならそれでよいと思っています。もう少し大きくなったら一度変えるかどうか聞いてみようと思っていますが、特に焦ってはいません。しかし最近周囲では、幼児期から「お母さん」や「母さん」などと呼ばせている家庭も多い気がします。どのように呼んでいても、外に出た際に適切に対応できるかどうかが大切だと思います。これから教えなければと思っていた矢先、先日外で息子が「僕のお母さんが・・」と言っていて驚きました。園や学校の集団生活で覚えるものなのですね。家庭と外での対応をしっかりとできることが大切ですね。
2018年07月27日夜におしっこをしてしまう子どもは少なくないと思いますが、「子どものおもらしだから」と見過ごしていませんか?放っておけば治るケースが多いのですが、実は夜尿(やにょう)症であり適切な受診をすることで早く治せるということもあります。おねしょと夜尿症の見極めが難しいところではありますが、違いはどのようなところでしょうか。また、治すためにどのような対策を取ったらよいのかを知っておきましょう。1. おねしょと夜尿症の違いは年齢まずは夜尿について知っておきましょう。「おねしょ」「夜尿症」などと呼ばれますが、寝ている時に知らず知らずの内におしっこをもらしてしまうことを総じて「夜尿」と言います。その違いのポイントは年齢です。幼児期の夜尿を「おねしょ」といい、小学校入学前後以降の夜尿を「夜尿症」というのが一般的です。夜尿は、夜眠っている間に作られるおしっこの量と、おしっこをためる膀胱の大きさとのバランスが取れていないために起こりますが、成長と共にバランスが取れるようになり夜尿をしなくなります。● 赤ちゃんまだ膀胱が小さく昼夜の区別なくおしっこが作られるので、一晩に何度もおしっこをします。● 2~3歳膀胱にためられるおしっこの量が増えてくると同時に、夜に作られるおしっこの量も減ってきます。その結果夜尿が減り、夜尿の割合としては二人に一人となります。● 4~5歳さらに膀胱が安定し夜間の尿量も減るので70~80%の子どもが夜尿をしなくなります。● 6歳〜小学校入学時に夜尿が見られる子どもは10~15%程です。小学校3年生で約8%、小学校5年生でも約5%いるとされる程、頻度の高い病気です。2.夜尿症となるさまざまな原因夜尿症の原因はさまざまですが、多くはこういった原因が複数見られることが一般的です。どんな原因があるのでしょうか。 (1) 夜間の尿量が多い夕方以降の水分摂取量が多い場合と、水分摂取量が適当であっても夜間の尿量が多い場合があります。夜間の尿量をコントロールするのに重要な抗利尿ホルモンは、昼間は分泌が少なく夜になると多く分泌されます。夜尿症の子どもは夜だけ抗利尿ホルモンの出方が悪いため夜間の尿量が多くなっていることがあります。 (2) 夜間の膀胱容量が未熟膀胱機能は子どもの成長とともに発達していき、4~5歳になると夜間トイレに一度も行かなくてよい程の量をためられるようになります。膀胱の機能が未発達で膀胱にためられる量が少ないと夜におしっこをしてしまいます。 (3) 睡眠の影響尿意で夜目覚める子どももいますが、睡眠が深いため尿意では覚醒できない子どももいます。睡眠が深いということは正常な状態ですが、夜間尿量・膀胱容量の増加と睡眠の質がどう関係しているのかは、まだ十分に解明されていません。 (4) 心理的ストレス半年から1年以上しなかった夜尿が突然始まる場合は、ストレスが原因の場合があります。強いストレスがかかると自律神経の働きが不調となり、夜尿の原因となることがあります。3. 夜尿症を改善する原則と生活夜尿症は子どもの性格や親の育て方とは関係なく、精神論などで改善できるものではありません。治療の原則は「起こさず、焦らず、怒らず、ほめる、比べない」です。その上で、生活改善に取り組むことで治るケースが多くあります。まずは生活改善を心がけましょう。 (1) 規則正しい生活をする夜更かしや不規則な生活は夜尿を悪化させます。早寝早起きはもちろん、基本の3食もしっかりと摂りましょう。 (2) 水分の摂り方に気を付ける寝る前の水分はもちろん控えます。しかし水分は大切なので、朝食・昼食ではしっかり摂ります。昼食後は水分を控えめにし、夕食時以降はコップ1杯程度の摂取にとどめましょう。 (3) 塩分を控える塩分の摂り過ぎは、のどの渇きから水分の摂り過ぎにつながります。水分が適量であっても、おねしょの原因となりますので、控えましょう。 (4) 夜中トイレに起こさない本人が自然に起きた場合はよいのですが、無理に起こすと寝ている時におしっこをする習慣がつき、おねしょが治りにくくなります。 (5) 寝る前にトイレに行くトイレに行ってから寝るのはもちろん、布団に入っても30分以上寝付けない場合は再度トイレに行かせましょう。 (6) 寒さ・冷えから守る冷えることで膀胱が縮小します。寝る際の室温や服装で、寒さ対策をしっかりとしましょう。私の息子は小学校に入っても夜おもらしをすることがあり、尿パッドをつけて寝かせていました。しかし本人にとって逆にプライドが傷つき、つけずに寝ることを希望しました。2日続けておもらしをする時などは親もストレスになりましたし、受診をした方がいいのか?と悩みもしましたが、尿パッドをつけることをやめてからは劇的に回数が減りました。合わせて就寝前の水分摂取時間を早めたことで、今は全くしないというわけではありませんが10日に1度程度となっています。改善が見られなければ受診するのも手だと思いますし、少しずつでも改善していれば様子を見るのも良いと思います。夜尿は本人にも家族にもストレスになることがあります。専門の治療を行うことで頻度を減らしたり、早く夜尿を卒業できるようになりますので、一度受診してみるのも良いでしょう。受診する場合もしない場合も子どもにプレッシャーをかけないようにし、自然に生活をおくるように心がけましょう。
2018年07月20日ミュージシャンの坂本美雨さん( @miu_sakamoto )と、2015年からウーマンエキサイトで おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 を連載中で、このたび絵本「おかっぱちゃん」を発売された作者Boojilさん( @boojil )に、初めての出産のときのことや仕事をしながら育児をする毎日について、等身大の意見を伺いました。――はじめての出産。ブージルさんは「子育て奮闘日記」にて陣痛に20時間耐え、出産されたと綴っておられました。出産や子育てについて、プレッシャーはありましたか?「陣痛の痛みって…!」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.2 <Boojil> わたしは、産後うつも経験したし、今思えばプレッシャーはあったんだと思います。ただ、これから「お母さん」っていう新しい生き物になるんだっていう感覚もあって。自分がおっぱいをあげないと赤ちゃんは生きていけないから、だんだん母になっていった気がします。<坂本> わたしはね、妊娠中「絶対、ネコのほうがかわいい」って不安だったの(笑)。だけど、帝王切開で生まれた娘の顔を見た瞬間に「超かわいい! なんでこんなにかわいいの?」って思えたので、自分でもびっくりしました。<Boojil> 生まれる前と後で、赤ちゃんに対する気持ちがぜんぜん違う。<坂本> 妊娠中は「出産後はすぐに保育園に入れて、バリバリ働くタイプだろうな」と思っていたけど、産んでみたらしばらくそういうモードになれなかったんですよね。ときには人の手を借りて、育児の頑張りすぎは厳禁――産後、夜泣きにおびえるほど不眠に悩まされたというBoojilさん。ほかにもくじけそうになったことや育児の悩みについて解消法があったら教えてください。「産後の不眠解消術」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.12 <坂本> 私は性格的にネガティブだから、例えば、子どもが離れていっちゃうときのことを考えちゃうんです。ハーフバースデーのときに「もう成人までの40分の1が終わってしまった!」って。そう考えると毎日がかけがえのない貴重な日になるっていうのはありますね。だから、まだくじけるまではないかなあ。<Boojil> 育児は楽しいよね。ただ、わたしは、3年間一度も時間の余裕を感じられてないんです。例えば、料理本を見て「これ食べさせてあげたいな」とか考えてあげられない。だから、今後はちょっとのんびりやっていきたいなと…。<坂本> 思いきって人の手を借りるのが一番だと思う。わたしは諦めが早いから(笑)すぐ人に甘えちゃう。あと例えば「今日は子どものご飯を作って、寝かしつけまでひとりでやったらイライラしちゃいそうだな」と思ったら、外に食べに出ちゃいます。可能なら、友だちと会う。子どもも、他の人と触れ合うことで気分転換になるようだし。<Boojil> わたしも夫とけんかしたときに、友だちが遊びにきてくれると発散できたな。人としゃべると元気になれる。東京での子育ても、もっと支えてくれる人が増えてくれればいいのになあって思います。子どもが生まれてから旦那さんが脱サラ。何もかもが新たな挑戦――Boojilさんの、産後2ヶ月で旦那さんが脱サラしたというエピソードには驚きました。仕事と育児を両立していく上で、不安はありましたか? 「夫が脱サラ!? ~仕事と育児~前編」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.20 <Boojil> 当時は「自分がどうかしないと」って、プレッシャーを感じていました。母親役も父親役も両方やるぞーって。でも仕事が単純に好きだから、やってこられた部分もあります。声をかけてもらったら絶対に断らないという精神で走ってきたので、ここまで怒濤の3年間でした。<坂本> わたしは、出産前に産休スケジュールを決めてしまっていたので、産後2ヶ月で復帰しました。初めての出産だから、よくわかってなかったんですよね。<Boojil> わたしも結局、入院中の1週間しか産休はとらなかったなあ。<坂本> まわりがパワフルな女性ばかりだからかもね(笑)。ありがたいことに娘を仕事場に連れていける環境だったので、スタッフやマネージャー、みんなで育ててもらいましたね。ただ、職場に限らずですが、子連れでウェルカムされるかどうかは、親とまわりの関係性にもかかっているんじゃないかって。子どもを暖かく見守ってもらえるかどうかは、自分が普段からどう人と関わっているかというのも大事なんだなと学びました。おしゃべりができるようになって感じる、子どもの心の成長――お子さんが1歳を迎えたときの奮闘日記は、成長の喜びにあふれていました。おふたりはいま、お子さんの成長や幸せをどんなときに感じますか? 「おめでとう、ありがとう。1歳の誕生日」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.37 <坂本> 最近は、喋っているときですね。わたしとも喋ってくれるけど、相手をしなくてもひとりでずーっと! 今年で3歳になるから、なにをやるにも一緒に会話をしながら楽しめるのがうれしいです。<Boojil> 言葉でコミュニケーションがとれるのってすごいことだよね。わたしが「腰がいたい」とか「肩がいたい」とかって言っていると、「だいじょうぶ、かんちゃんが、いるから」って。そんな言葉、どこで覚えたんだろうって感動しました。<坂本> おなじこと、娘にも言われたよ! なんだか、わたしは娘のことを相棒のように感じていて。いまは、相棒と呼べる相手がいることが幸せです。子どものおかげで変化した母の心境――出産後、Boojilさんが一番がまんしていたことは旅行だと連載で綴っておられました。ほかにも、母になって、旅行や仕事など制限されたと思うことはありますか? 「1歳の息子を連れてタイ・チェンマイへ! 初めての子連れ旅 移動編」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.43 <Boojil> やっぱり、一番は旅行ですね。でも、奮闘日記にも書いたように、息子が1歳のときにはタイへ。それから台湾にもいきました。子どもに負担をかけないように気をつけています。それでも「覚えていないんだから連れていかなくても」っていう考えもあると思いますが…。<坂本> 旅行にいくと、行くさきざきで子どもをかわいがってもらえるよね。わたしは、そうやって人に会うことが子どもの財産になると思っています。<Boojil> “今”は確実に旅行にいったことも覚えているんですよね。「台湾で大きいかき氷を食べたね!」とか。旅行で得た経験は血肉になっていると思うし、大人になったときに海外へのハードルが低くなってくれればうれしいです。<坂本> 親子で思い出話をするのも楽しいですよね。「制限される」というよりはむしろ、子どもが生まれて、自分の世界が広がった気がします。例えば、世界中のニュースが他人事じゃなくなったり。直接知らない子どもですら大事に思えて、自分にできることはないかと考えたり。子どものおかげで関心ごとが増え、それによって出会いも増えましたね。仕事もしながら、柔軟に子育てを楽しんでいる様子のおふたり。出産からこれまでの育児について、等身大のお話をうかがいましたが、まだまだ友だち同士の会話は尽きないようでした。(取材/いずみかな 写真/松木宏祐)坂本美雨さん 音楽家5月1日生まれ。1990年に両親が音楽活動の拠点をニューヨークに移したことをきっかけに移住。1997年に坂本龍一 featuring Sister M「The Other Side of Love」でデビュー。現地の高校を卒業後、本格的に音楽活動を開始。ソロ活動に加え、シンガーソングラーターのおおはた雄一氏とのユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」としても活躍。2014年には初の自著『ネコの吸い方』を発刊。“ネコ吸い妖怪”としても有名。TOKYO FM「ディアフレンズ」パーソナリティーを務める。このほど、子どもの虐待問題への取り組みとしてチーム『こどものいのちはこどものもの』を結成。(写真左から真鍋かをり、福田萌、犬山紙子、ファンタジスタさくらだ、坂本美雨) Boojilさん イラストレーター1984年、横浜生まれ。世界各国を旅した経験から、カラフルでピースフルな作品を描く。NHK総合『妄想ニホン料理』のキャラクターデザインを手がけ、2011年に自身の旅エッセイ『おかっぱちゃん旅に出る』がNHK Eテレでアニメ化。絵本『おかっぱちゃん』(あかね書房)にて絵本作家デビュー。コミュニケーションを目的としたアトリエ兼イベントスペース「東京おかっぱちゃんハウス」を主宰。 絵本 「おかっぱちゃん」 (あかね書房)天気のよい日、おかっぱちゃんは絵の具とスケッチブックを持っておでかけ。いろいろな動物に「にがおえ かいて! おかっぱちゃん」とたのまれます。クマ、ワニ、キツネと出会い、最後におかっぱちゃんが似顔絵を書いてあげるのは……? 著者Boojilさんが実際に旅した国々の風景がカラフルに広がる、心温まるオリジナルストーリー。
2018年07月14日ウーマンエキサイトで人気連載中のちゅいママさんの記事 「読み聞かせのお悩み8つを解決! ママも絵本を楽しむコツは?」 で、読み聞かせに関するアンケートを実施しました。アンケートの結果からは、ママたちが読み聞かせを重要視していること、少しでも楽しく、子どものためになるような読み聞かせをしたいと思っていることがわかりました。■毎日読み聞かせをしているママは半数以上読み聞かせは子どもにとって大きな利益をもたらすと言われています。だからこそ、多くのママが“読み聞かせをしてあげたい”“読み聞かせをしなきゃ”と思うようです。今回のアンケートの結果では、じつに55%のママが「毎日読み聞かせをしている」と回答。さらに、読み聞かせに対する悩みや疑問が集まり、ママたちの読み聞かせに対する真剣度の高さが浮き彫りになりました。Q. 子どもに読み聞かせをする頻度をお知らせください毎日している 55%週に数回程度 27%月に数回程度 15%していない 3%その他 0%■抑揚をつけるのはNG?今回のアンケートのコメント欄で1番目立ったのが「読み聞かせをする際、抑揚をつけるのはダメなのか?」という悩みでした。読み聞かせのときに、「抑揚をつけずに読んだ方が子どもの想像力がふくらむのでよい」ということをときどき耳にします。たしかに登場人物によって声色を変えて読むのは固定概念(小さいうさぎは高い声、こわそうなライオンは低い声、など)を与えてしまいそうな気がします。でも、たとえば楽しい気持ちの場面などで、たんたんと読んでいるのはなんとなくつまらない気がして、日によって同じ本でも読み方を変えるときがあります。子どもが喜ぶのはどのような読み方なのか、日々悩んでいます。「子どもが喜ぶ読み方は?」「子どもにとって良い方法は?」。そんなコメントからは、ママたちが絵本で子どもを楽しませようという気持ちが伝わってきます。読み聞かせに関して、育児書やインターネットを見ると、「単調な読み方のほうが想像力を育む」「オーバーすぎる読み方だと、子どもが絵本の世界に入りにくい」「抑揚をつけるとママの表情や発声だけが記憶に残り、物語の内容が残らない」などと書いてあることがあります。たしかに、そのようなマイナスの要素もあると思います。でも、抑揚をつけることで、子どもの「楽しい!」という気持ちがアップして“思い出に残る読み聞かせ”になれば、それはステキなことなのではないでしょうか。抑揚をつけたらダメと決めつけず、淡々と読む絵本、オーバーに読んで子どもたちと思い切り笑いあう絵本と分けてもいいですし、そのときによって1冊の絵本を読み分けてもいいと思います。ちゅいママさんが言うように「読み聞かせに正解はない」。抑揚をつけて読むことが好きなママ、淡々と読むほうが好きなママと、“読む人=ママ”の気持ちも大切にしないと、読み聞かせが続かないと思います。子どもの反応を見て、ママが読みたいように読むのが1番ではないでしょうか。■落ち着いて聞かないときはどうする?「絵本は好きだけど、最初から最後まで順番に読むことができない」というエピソード。じつは、これとてもよく耳にするエピソードなんですよね。子どもにとっては、物語よりも目の前にある「この絵を見たい!」という欲求の方が強くなってしまうのでしょうか。ただママとしては、「ストーリーを追って聞く力を育てたい」と思ってしまうものですよね。ページをめくるのが楽しくて読んでいても、進みすぎたり戻ったりします。そんなときは元のページに戻してから続きを読めばいいのか、話の内容なんて関係なしに子どもが開いたところから読めばいいのか迷います。「読んで~」と持って来たのを読んでいると、集中せずまた次の絵本を開いたり、持って来たり…。絵本は好きなようなので読んであげたいのですが、聞かずにキョロキョロそわそわ次の本を探されると、モチベーションが下がり面倒くさく感じてしまいます。ページを飛ばされたり、絵本を変えられてしまうと、「一体なんの話だった?」とママも混乱しますし、そもそも「読み聞かせにならない!」なんて思ってしまいますよね。でも、子どもって基本は興味を持つものが出てきたら、それに飛びつく瞬発力に優れた生き物。いまはストーリーを読むことより、めくる感触を楽しむことや、気に入った絵をじっくり見ることが、その子にとっては大切な時間なのだと思って好きにさせてあげることも、“心の栄養”になるのではないでしょうか。■兄弟によって読みたい本が違う!夜寝る前に行う読み聞かせの時間のママは、少し疲れ気味。できれば、ママ自身もゆったりした気持ちで1日の終わりの子どもとの触れ合い時間を楽しく過ごしたいと思っているのではないでしょうか。しかしそんなときに勃発するのが兄弟によって読んで欲しい本が違うという争い。一人ずつ本を選んだ場合、読む順番でもめる。本の好みが違ったり、年齢によって理解できたりする本が違う。下の子に合わせてしまうので、上の子には物足りないかなと思うことがある。四歳の兄は絵本が大好きで毎日、寝る前読み聞かせをしますが、10ヶ月の赤ちゃんが邪魔をしてしまって…。兄や私にちょっかいを出してきて、こちらがほっとくと泣き出す感じです。赤ちゃんは「だるまさん」シリーズ、飛び出す系の仕掛絵本なら興味を持って見てくれますが、兄にはもうおもしろくはないので「違う本にして」と言われてしまいます。二人とも楽しめる絵本があれば知りたいです。上の子と下の子で読んであげたい本が違うのですが、別々に読み聞かせる時間もありません。でも、上の子に合わせちゃダメかなという気もします。ちゅいママさんはちゃんと3人にそれぞれ読んであげていてすばらしいお母さんだと思います。上の子、下の子、それぞれのことを想い、頭を悩ませているママの様子が目に浮かびますね。しかし、兄弟ひとり一人に平等に読み聞かせをするというのは至難の業。それぞれ1冊ずつ選ぶ、交互に好きな本を選ぶなどをルールを設けてもいいかもしれません。どちらかに我慢させてしまっているなと感じたら、たとえば休日に多くセレクトできるなど、少し特別感あるルールを作ってしまうというのはどうでしょう。また、上の子どもが文字を読めるようになったら、下の子どもに本を読み聞かせてあげるという方法も! 上の子にとっては読む勉強、下の子にとってもママとは違った読み聞かせで、楽しく過ごせるでしょう。また年齢とは異なる絵本を読んだことで、その子なりの新たな発見につながる可能性も。必ずしも対象年齢にとらわれず、上の子が選んだ本を下の子にも一緒に読ませてみたり、下の子に合わせた絵本を上の子も一緒に読ませてみたりすることが、子どもの興味が広げるキッカケになるかもしれません。■年齢が上がってくると一冊が長くなる!子どもの成長にしたがって、読む絵本は変わっていきます。内容の濃いもの、お勉強色が強いもの、子どもの想像力に任せるような構成のものなど。そして、それに従い文字数も増えていきます。そうなるとつまりは、1冊読むのに時間がかかるように。そんな読む絵本の長さについての悩みもアンケートでは集まりました。年齢があがってくると文字数が増えて、1冊を読むのに時間がかかります。それでも下の子と同じ冊数を読んで欲しがるので、時には声がガラガラになります(笑)。最近では長い話のものが増えて、1冊全部読むのが大変になってきています。いつ頃から「ここまでね、続きはまた明日」ができるようになりますか? それはしない方がいいですか?たとえ読み聞かせの時間を大事に思っていたとしても、そのために寝る時間が遅くなってしまうのはママとしては不本意ですよね。そんなときは、子どもに「つづき」の楽しさを教えてあげましょう。「『つづき』があるから明日はもっと楽しみだね」とお話ししながら、「あのあとクマさんはどうなるのかな?」「おばあさんは何を作るんだろうね?」と一緒に空想しながら眠りについてもいいかもしれません。成長と共に読む絵本はもっと長くなっていくと思いますから、一度そのような習慣をつけると、ママも少し気が楽になるのではないでしょうか。■絵本を“読む”だけではないプラスの作用があるそのほかにも、「“あと一冊! あと一冊!”と、読み聞かせがエンドレスになってしまう」や、読み聞かせをする際の部屋の明かるさ、絵本のチョイスについてなど、ママたちが日々思いを巡らせていることがわかりました。また、読み聞かせに対して、こんな位置づけをしているママも。私も、絵本が大好きなので、毎日読むようにしています。それが仲直りの時間になったり、上の子の唯一の構ってあげられる時間になったりするからです。おかげで、上の子は絵本が大好きで、最近は自分で読むのも挑戦し始めています。ただ絵本を読むだけでなく、読み聞かせには親子にとってたくさんのプラス作用があります。たとえば、今日どんな絵本を選んだかでその子の気分が伝わってきたり、今どんなことに興味が向かっているのか、さらには性格や個性といったものもわかってくる可能性があります。ここまでいうと大げさかもしれませんが、その子を知るキッカケや、子育てのヒントになることもあるかもしれませんね。■大事なのは、楽しく続けること選ぶ本や好むページは子どもによってそれぞれ違いますし、そのときそのとき、その親子によって読み聞かせのスタイルがあっていいはず。必ずしも1ページ目から最後まで順番どおりに読まなくてもいい。ママが全部読まず、子どもが読むページがあってもいい。兄弟一緒に聞かなくてもいいし、もちろん一緒でもいい。ただ、忙しいママにとって、毎晩ゆったりと余裕を持って読み聞かせの時間を取れるとは限らないはず。そんなときは「なし」でもいいのではないでしょうか。今回集まったエピソードのなかには、疲れてしまったときは「子どもにお願いする」というママも。「読んで読んでー」と言われ寝る前に10冊読んだ事もありました。でも私がヘトヘトな日は、子どもに「読んでー」とお願いします。まだ字が読めませんが、自分の知っている単語を持ち出し絵を見て一生懸命説明してくれる姿がカワイイです。あまり読んだこともないのに気に入ったフレーズはすぐ暗記してる事にもビックリさせられます。なんともかわいらしいエピソードですね! これもまた、読み聞かせが生んだプラスの作用と言えそうです。子どもが絵本から得る感動や発見を一緒に共有できるのは、小さいうちだけ。ちゅいママさんが言うように、「無理せず、楽しく、ゆる~~く。読まない日があってもOK」。気負わず、楽しく続けていきたいですね。Q. 読み聞かせについてお悩みがあれば教えてください回答数:32(アンケート集計期間:2018/6/28~2018/7/1)
2018年07月12日子どもは小学校へ上がるころになると、大概のことはひとりでできるようになっていると思います。自分でできることは自分でさせる、親はなるべく手を出さない、この姿勢が大事になってくるのではないかしら。とはいっても、お母さんたちにとっては、なかなか難しいことかもしれませんね。イライラしながら子どもを待つより自分が手を貸したほうが、てっとり早いので、つい世話を焼きすぎてしまうママも多いと思うのよ。赤ちゃんのころから面倒を見てきたんですもの、自然に体が動いてしまうお母さんもいるでしょう。でもね、子どもは面倒を見られるだけではなく、面倒を見たいという気持ちも持っています。弟や妹が生まれると、最初はヤキモチを焼いて意地悪をしていた年長の子が、自然に下の子の世話をするようになるでしょう?ひとりっ子の場合なら、パパやママが困っているときになぐさめてくれたり、役に立とうと子どもなりに動いてくれたりすることがあるのではないかしら。子どもは親から一方的に面倒を見られるだけではなく、面倒を見る能力もあるし、見たいという気持ちもあるんですね。大人が思う以上に、いろいろなことができるのよ。それなのに、親が先回りして何でもやってしまったら、せっかくの子どもの力が発揮できません。「役に立ちたい!」という思いやりの心や、「自分でやってみたい!」という意欲を育てるチャンスを奪うことになりかねないの。基本的に人間というのは、みんな「だれかの力になりたい」という気持ちを持っています。人に感謝されるとうれしくなるのは、そのためです。子どもだって同じですよ。それどころか、大人より子どもたちのほうが、ずっと人の役に立ちたいと願っているのではないかしら。いまの子どもは勉強に追われて、家のお手伝いをする時間が、とても少ないわよね。昔はきょうだいが多かったし、電化製品もないから家事も大変で、子どもは当然のように自分のできる仕事を引き受けていました。家のお手伝いをすると、家事ができるようになるのはもちろんですが、家族のために役立っているという実感が持てたり、家庭に一体感が生まれる、といった良い面があるのよ。 子どもは、お手伝いをすることで「家族の一員として自分も役に立っているんだ」という自信を持つことができるし、何よりも人に感謝されるよろこびを実感できます。家族に「ありがとう」といわれるうれしさ、誇らしさをもっとたくさん子どもたちに感じてほしいと思いますね。赤ちゃんのときは、すべての面倒を親に見てもらわないと生きていけない子どもですが、小学生ともなれば大人が思う以上に何でもできます。失敗もするでしょうけど、それも経験…。親は手を貸さず、なるべく自分でやらせるようにしたり、お手伝いの時間を積極的につくってあげたりして、子どもの思いやりや意欲を引き出してあげてほしいのよ。子どもには可能性がいっぱいです。その力を信じて、子どもたちの素敵な部分を伸ばしていくよう親が見守っていくことが大事なのではないかしらね。 ※もうすぐ!※あなたの運命が動き出す◆今から準備しておくべきこと
2018年06月29日親は子どもに、どうしても期待してしまいます。親心で、しかたのない部分もあるでしょう。「わが子には、しあわせな人生を歩いていってほしい」、これは誰もが願うことですからね。ただ、問題なのは親の考えるしあわせと、子どもの思うしあわせが違う場合もある、ということなの。親子といえども別々の人格。能力や好み、考え方が違っていて当たり前なんですね。親はどうしても自分の信じる、しあわせの形に子どもを合わせたがります。親が勝手にレールを引いて、この道を行けば絶対にしあわせになれる、と子どもに押しつけてしまうのね。もちろん、子どもを導くのも親の役目。「この子のためになる」と思ったことを積極的にやらせてみるのはいいことです。いろいろなチャンスを与えてあげられるのは、素晴らしいことだと思うのよ。でも、その子が望まないことをムリにやらせるのは親のエゴでしかありません。子どもが興味をもっていることを見つけ、それを伸ばしてあげることが大切なのではないかしら。とくに、子どもが自分から「やりたい!」といったものは、なるべくやらせてあげてほしいわね。というのも、そこで親が口をはさんでやめさせてしまうと、子どもの意志や責任感を育てるチャンスをつぶしてしまうのね。物事を自分で決めたからには、最後までやり遂げなければならないし、自分の言葉に責任をもたなければいけません。親が認めたことだけをやる場合「自分がいい出したことじゃない」「やらされてる」という気分が抜けないため、どうしても甘い考えになりやすいのね。「途中でやめるのも仕方がない」とか「自分が選んだわけじゃないんだから」など、いくらでもイイワケができてしまうんです。 すると、最後までやり通す力や責任感も育ちにくくなる…。もちろん、危険が伴うようなことまで何でもかんでもやらせればいいというものではないけれど、子どもが自分から何かを始めたがったら、なるべく親は口をはさまないことが大事。意志と責任について学ぶ、絶好の機会ととらえましょう。また、意志の力と責任感をもつことの大切さがわかっていれば、自分で自分のしあわせを見つけられますからね。子どもたちは、いつまでも子どものままではありません。成長したら自分自身の足で生きていかなければならないんです。いつまでも親がレールを引き続けていくことはできないのよ。子ども自身が見つけたしあわせに沿って人生を歩いていけるのが一番なんじゃないかしら。しあわせの形は人それぞれ。自分で自分のしあわせを見つけていける力が、子どもにとって必要でしょう。 この先、仕事とどのように接していくべき? 現状の悩み/飛躍のとき
2018年06月22日離婚の数が増えた結果、母子家庭や父子家庭も昔にくらべて増えました。数のうえでは母子家庭のほうが圧倒的に多いぶん、父子家庭の人たちはあまり目立たないけれど、一生懸命がんばっている人たちが大勢います。母子家庭のお母さんたちも本当によくやっているわよね。同じひとり親家庭でも母子家庭、父子家庭それぞれ抱える問題に違いがあるかもしれないけれど、子どもと向き合う姿勢は一緒のはずよ。まずひとり親家庭の場合、ひとりで「両親としての役割」をこなさなければいけないと力みすぎてしまうのね。母子家庭のお母さんなら父親的な役割を、父子家庭のお父さんなら母親的な役割をしようと努力します。子どもに「寂しい思いをさせたくない」という親心はとってもよくわかるのだけど、肩に力が入りすぎるのは逆効果よ。父親、または母親のぶんまで、自分がしっかり育てようとがんばりすぎて、かえって親子関係がギクシャクしてしまうことがあるの。母親なら母としての愛を、父親なら父としての愛を、まずはたっぷり注いであげることが大切なのではないかしら。だって、特別意識しなくても日常生活の中で自然に、父親代わり、母親代わりをしているはずですからね。お母さんが社会のルールを厳しく教えたり、お父さんが家事をしたり、当り前に両親の役割を果たしているはずです。そのうえ、さらに何か特別なことをしようと肩に力を入れすぎると、子どもが重荷に感じてしまうことも…。ひとり親であることを意識しすぎると、肝心な子どもの気持ちが見えなくなってしまうこともあるのね。いちばん大事なのは自分らしく精一杯、子どもを愛すること。いない親の代わりは自分ができることをムリのない範囲ですればいいのではないかしら。そして、もうひとつひとり親にとって大切なのが仲間づくりです。ひとりで子育をしようとしてしまうと余裕がなくなり、どんどんつらくなってきますからね。自分だけで何とかしようとするのではなく、周囲の人たちに協力してもらうことが重要です。いまはひとり親同士のサークルもあるようですし、おたがいに悩みを相談し合うのもいいわね。 母子家庭、父子家庭ならではの悩みもあるでしょうから、同じ境遇の人たちと情報交換する場所を見つけておくと、ずいぶん心強いと思うの。とくに父子家庭のお父さんは数が少ないぶん、積極的に自分で動かない限り、なかなか仲間を見つけられませんからね。いちばん大切なのは、子どもに愛情を与えること。ひとり親より、ふたり親が必ずしもいいわけではありません。愛情たっぷりのひとり親家庭と、愛情のないふたり親家庭だったら、間違いなく子どもが幸せを感じるのは愛のあるひとり親家庭でしょう。大変なことも多いと思うけれど、家族仲良くがんばっていけば、必ず明るい未来が待っていますからね。私も心から応援していますよ。 これで良かった?【あなたの人生】そして今後の仕事/お金/恋/結婚
2018年06月15日いまの子どもたちは傷つきやすく、もろいところがあるわよね。気持ちのやさしい子が増えているのでしょう。でも、生きていくためには強さも必要です。その強さ、たくましさが最近の子どもには欠けているのかもしれないわね。生きていくうえで必要な強さというのは、腕力や体力のことじゃありませんよ。もちろん、身体的に強いことも素晴らしいことだけど、もっと大事なことがあります。自分の頭で考える力、その場その場で臨機応変に動ける力、つまり判断力ね。とくに、これからの子どもたちにもっとも必要な能力なんじゃないかしら。思いやりの心を持っているのが一番だけど、自分で判断する力も、とても重要です。人生の荒波を切り開いていくためには、誰にとっても欠かせない力だと思いますね。子どもの強さを育てるためには、親が「先回り」しないことが大事。あれこれ世話を焼きすぎると子どもは失敗できないでしょう?失敗することで子どもは成長し、強くなっていくのに、親が前もってお膳立てをしたら何にもなりません。これは、私たち大人だって同じことですよ。判断を誤ったことのない人や失敗をしたことのない人は、この世にひとりもいないんです。ツライ思いもすればイヤな目にもあうのが失敗…。 だけど、それを乗り越えたとき、ひと皮向けて大きく成長することができるのね。失敗の経験を積み重ねることで、強さが身についていくのが人間なんです。親が過保護に育てて何でも先回りすることは、その子の力を奪うことになるのよ。失敗の少ない子どもは成長する機会を逃すことになり、判断力もなかなか身につきません。言われたことだけをやる、または言われなければ何もやらない無気力な子どもになってしまうことも多いの。自分で考えて行動できないため、自立心も芽生えないんです。ちょっとしたことで傷ついたり、何でも人のせいにする、精神的に弱い子どもになってしまうことも。失敗という財産を子どもから奪わないでほしいのよ。過保護に育てるというのは、ある意味とってもラクです。子どもの失敗を遠くで見守り、手を出したいのをグッとガマンするほうが、親にとっては大変ですからね。でも、子どもが自分の足でしっかり生きていけるようにするのが親の役目。小さいうちに、たくさん失敗させてあげることも大事ですよ。 この先、仕事とどのように接していくべき? 現状の悩み/飛躍のとき
2018年06月08日新学期がスタートして2ヶ月が経ちました。子どももようやく新生活に慣れてきた…かと思いきや、わが子はいまだに朝、保育園に預けるときに泣きべそをかきます。その姿を見ると毎日のように「子どもを預けてまで仕事を続けるべきなのかな?」と胸が締め付けられる思いです。働ける環境にあるのは本当にありがたいこと。でも、筆者と同じようにくじけそうになっている方も多いのでは。きっと人生に正解はないし、専業主婦だろうと復職だろうと、自分と家族にとってその選択がベストなはず。結局は、選んだ道を信じて進んでいくしかないのですが、誰かに背中を押してもらいたい! そこで今回は、“働き続けること”を選んだママたちに向けて、人生の先輩たちの著書から働きつづけることを後押ししてくれるような言葉をご紹介します。■働き続けることで得られるものまずは、日本のメークアップアーティストの第一人者で、82歳を迎えたいまも美容家として現役で活躍しつづける小林照子さん。29歳で長女を出産後、いまほど復職制度が整っていない時代に復職し、化粧品会社「コーセー」初の女性取締役にまで上り詰めます。その後も56歳で会社を設立、75歳のときには学校を創立するなど、意欲的に活動。その小林さんが著書『 これはしない、あれはする(サンマーク出版) 』のなかで、仕事についてこう語っています。長い人生を充実させて生きたいなら、できるだけ長く働きつづけることです。(中略)働いていると、思い通りにならないことや、理不尽な目にあうこともたくさんあります。でも、それでも放り出さずにやり遂げたときに、必ず大きな喜びが得られます。出典:『これはしない、あれはする(サンマーク出版)』働きつづけるよりたしかに、仕事でしか得られない達成感というのは、続けたからこそ味わえるもの。それに、自分を必要としてくれる場が家庭以外にあるというのも大きな自信につながります。それでも、いざ子どもが泣いているのを見ると不安が募るものですが…。何かが心配になったときは、心配をもっと膨らますより、いま目の前にある「自分がいまできる最大のこと」に目を向けるのです。(中略)結局のところ、どんなにあがいたところで、人生はなるようにしかならないのです。逆に、自分がいま歩んでいる道を100%信じることで、道は開けていくのだと私は思います。出典:『これはしない、あれはする(サンマーク出版)』心配しないよりそう、子どもの心配をしたところで母親にできることは限られているもの。それにその心配、案外、杞憂に終わるかもしれません。■子どもの順応性を信じて、人に任せる勇気を持つ2児の母でキャリアデザインやコミュニケーションに関する講座を開催している和田清華さんは著書『 ママは働いたらもっとスゴイぞ!(ダイヤモンド社) 』の中でこう示しています。「子供を保育園に預けるのはかわいそう」と、思っていませんか? 確かに、保育士さんに子供を預けて出て行こうとして、「ママー!」と大泣きされたときは、胸がキュンとなりますよね。でも、親が思っているよりも、子供は順応性があるもの。保育園では保育園の顔で、楽しんでいます。ママが見えなくなったら、ケロッとして遊び出しますよ。10分後こっそり戻って、窓から見てみると面白いです。「あれ? ママのこともう忘れてる?」とさみしく思うくらい。子供って、親の前では甘えているんですよね。出典:『ママは働いたらもっとスゴイぞ!(ダイヤモンド社)』P90よりそういえば、筆者も保育園に預けたあと、こっそり覗きに行ったことがあるのですが、さっきまで泣いていたのが嘘のように、おせんべいをもらってうれしそうにしていたっけ。それに、どんな子でも20分以上泣き続ける子はいないと和田さんは言います。さらに、他人に預けるメリットについても述べています。最初は不安かもしれませんが、もっと自分以外の人を信頼してみましょう。親とだけと接して育った子より、いろんな人に触れながら育った子のほうが、考え方のパターンが柔軟な子になるような気がしませんか?(中略)いろんな人に触れるからこそ、知恵も文化もまんべんなく吸収して、バランスの取れた子供になる。(中略)もっと大地のようにドーンとしていたらいいんです、母は。人に任せる勇気を持ちましょう。出典:『ママは働いたらもっとスゴイぞ!(ダイヤモンド社)』P92より■毅然とした態度が子どもの不安を取り除くそう、子どもって大人が思っているよりちゃんと状況を把握したり、親の態度を敏感に感じ取っているんですよね。だからこそ、母親が不安そうに送り出してしまうと、子どもにも伝播してしまいます。それは、子どもの学びの課程にも関係しているようです。子供は親を、やさしいかどうかよりも、尊敬できるかどうかという視点で見ています。子供の学びの課程は「モデリング」と言って、親のマネからはじまります。少し年齢が行くと、マネする人を選ぶようになるのだそうです。つまり、尊敬できる人の行動を選んで、マネるということ。1人の人間としての生き方や考え方を、子供は見ているのです。(中略)あなたの背中を、子供は、きっと見ています。出典:『ママは働いたらもっとスゴイぞ!(ダイヤモンド社)』P24より結局は、ママ自身が選んだ道を堂々と歩んでいくことが一番! 子育てをしながら働いてきた経験をもとに暮らしのアイデアを発信している生活コラムニストのももせいづみさんも著書『 働く母さん お助けバイブル(主婦の友社) 』の中で働くママたちにエールを送っています。「働いていていいのかな」「ごめんね」と思って子どもに接していると、子どもはそれをすぐに感じとります。そして「行かないで」とアピールしたり、ときには発熱することだってあります。だから毅然と胸を張る。そして「○○ちゃんが一番大事。でもお仕事もとても大事なの」と日ごろからお母さんのお仕事の話もしてあげて。そんな親の後ろ姿を見ながら、子どもはさまざまなことを理解して成長します。ちょっと時間がかかることもあるけれど、必ずいつか落ち着くから自信を持ってね。出典:『働く母さん お助けバイブル(主婦の友社)』P52よりでは、実際に働くママの背中を見て育った子どもはどう感じていたのでしょうか。■働くママはいつか子どもの誇りになる!エッセイストで作家の桐島洋子さんを母に持つ、モデルの桐島かれんさんは著書『 ホーム スイート ホーム 暮らしを彩るかれんな物がたり(アノニマ・スタジオ) 』のなかでこう語っています。子供ながらにして、私は、母には母の生き方があるのだと悟っていました。彼女の生き方には世間体に惑わされることなく、自分で考え選択した道を突き進むたくさんの「勇気」が必要だったはずです。子供を他人に託す勇気、子供を信じる勇気、そして自分らしく行き続ける勇気…。そして、そんな「わがまま」に生きる母の元で育つ私たち姉弟にも、たくさんの「勇気」が必要でした。人とは違うということを恥じない勇気、そして、自分の力を信じる勇気…。母との生活を通して学んだのは、親と子の人生は、スキーのパラレルのように離れすぎず、付きすぎず、しなやかなバランスを保ちながら進んでいくものではないかということです。出典:『ホーム スイート ホーム 暮らしを彩るかれんな物がたり(アノニマ・スタジオ)』P118より桐島洋子さんといえば、出版社に勤務しながら未婚のままかれんさんを出産。編集者の仕事を辞めるつもりがなかった洋子さんは、結婚退社の規定があった会社に妊娠をひた隠し、臨月直前まで働いたうえ、出産後まもなく復職。その後も世界中を旅しながら作家や評論家として活躍し、破天荒でぶっとんだ生き様は働くカッコいい女性として一目置かれます。当然、留守も多く寂しい思いもしたかれんさんは、「普通の家庭に憧れた」と言いますが、上記のとおりきちんと母の姿から人生について学んでいるのです。子どもの泣き顔につい心が折れてしまいそうになりますが、想像よりも子どもはずっとたくましいもの。さあ、もう迷うのは終わりにしましょう。選んだ道を信じて自分らしく毎日を過ごせば、きっとママの姿を誇らしく思ってくれる日がくるはずです。ちょっと足踏みしたくなったときには、ご紹介したような人生の先輩方の声に耳を傾けるのもいいかもしれません。
2018年06月01日2018年9月6日、東京・江東区青海にオープンする、体験型英語学習施設 「TOKYO GLOBAL GATEWAY(以下、TGG)」 。外国のような空間で、着いた瞬間から英語漬け。学校単位での利用をメインとしており、子どもたちが海外の日常生活シーンや文化を体験できると話題の施設です。「一般的に英語は、2000~2500時間くらい使わないとしゃべれるようにならない。小学校から高校3年生の大学受験まで入れた英語の総授業時間がだいたい800時間。家庭学習を全部入れても足りないのです」と語る統括本部本部長の谷口正一郎さんに、TGGの具体的な利用法や活用術、来る東京2020オリンピック・パラリンピック大会へ向けた取り組みについてうかがいました。■個人利用も可! 圧倒的な「会話量」が強み――TGGの強みは何でしょうか?谷口さん:通常、学校のクラスでは、40人の生徒に対し担任の先生1人と外国人の先生1人ですが、TGGでは8人ずつ5グループに分かれます。つまり、5グループに1人の先生が付き、さらにアクティブイマ―ジョン・エリアだとスペシャリスト(英語の教科専門講師)が1人いるので、単純計算でも40人のクラスに6人のイングリッシュ・スピーカーがいるわけです。飛び交っている英語の量が違います。実は、日本にはほかにも英語村があるのですが、こういったエージェントとのやり取りがあるのが、TGGの強みだと思います。また、先生は全世界、さまざまな国や地域から集まってもらう予定です。英語とひと口にいっても、いろいろな英語があるということを子どもたちにわかってもらいたいんです。アメリカやイギリスの英語だけではなく、フィリピン、ポーランド、オーストラリアなどの英語もあり、それぞれ違いがあるというのを学んでほしいですね。学校利用の1日コースではランチタイムを挟むので、生徒同士の会話で「私に付いてくれたのはフィリピン人のミア先生だったよ。フィリピンってお祝いに豚の丸焼きを食べるんだって」「僕のところはアメリカ人のジョセフ先生だった。アメリカの給食って、チーズがたくさん出るんだって」という話題が出るかもしれませんね。それは、英語はもちろん、海外にも興味をもっていただけるきっかけになるのではないでしょうか。――個人的な利用や親子での利用はできますか?谷口さん:週末や長期の休みで学校が利用しない時期は、一般利用の受付を開始しました。4月から予約を受け付けて、開業する9月からの利用になります。「伝わるっていうことはすごいな」「相手が言っていることがわかってうれしい」「自分が言ったことが伝わるってうれしい」というインタラクションを大事にするという基本コンセプトは同じです。個人向けには、2つのコースを用意しようと思っています。ひとつは、学校で来た時と同じことを体験できるプログラム。ただし、学校利用と違い、いろいろなレベルの子どもが利用すると思うので、利用説明をしてからグループで移動しますが、話している間は1対1の対応になるでしょう。例えば、エアポートゾーンが終わったら、学校でできなかったホテルゾーンに行ってみようという風に、レベルに合わせてどんどんできるようになります。現時点で、子どもたちの発話を大切にしたいので、付き添いの保護者は見学のみとなりますが、将来的に大人のコースも設置しようと思っています。英語で人工知能を学ぶなど、親子のクラスも考えています。お母さん方からもやりたいという声が多いんですよ。――個人と学校での参加ではどのような違いがありますか?アクティブイマージョン・エリアは、少し趣向を変えた先駆的な取り組みも予定しています。例えば、人工知能の基本的な話を聞いた後に、人工知能ロボットに話しかけてみようとか、学校利用よりももう少し進んだプログラミングをやってみようとか、個人利用だからできることをやろうと思っています。 ■「継続は力なり」英語が上達するための理想的な活用法――英会話スクールは週1回通うというのが一般的ですが、TGGはどのような活用法が理想的でしょうか?谷口さん:学校でのTGG利用は、授業やほかの学校行事との関係を考えても年に1回くらいです。年に1回利用しただけで劇的にペラペラになるかといえば、そうではないと思います。海外旅行に1週間行ってペラペラになるかといえば、そうなりませんよね? 自分が使った英語のここをちょっと変えてみようとか、これが言えなくて悔しかったとか、持ち帰ってもう1回勉強するというサイクルがとても大事なんです。英語学習で一番大切なのは目的だ、と言われますが、子どもたちに目的を持て、というのは相当要求が高い。TGGを使うことで目的が出来てくる、目標が見えてくる、というイメージだと思います。音読をする、オンライン会話で話すなど、自分で英語を勉強する方法はいくつかあります。でも、それだけでは、スポーツでいう「練習試合」の場がありません。そこで、年に1回、月に1回TGGに来ていただき、実際に英語を使うという経験をするのが一番いいと思います。いきなり、ここを利用しても、基礎がなければ話せません。「理解する→反復して練習問題を解く→実践する」をグルグルと繰り返すのがいいと思います。――英会話スクールとの違いは何でしょうか?谷口さん:英会話スクールでのリスニング時間は意外と短く、1対1で話す時間も少ないように感じます。TGGでは、いろいろな英語に触れる機会をあえて設けているところも、スクールではなかなかできないところだと思います。■スポーツと英語の相乗効果! 東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて――2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、何か考えていらっしゃいますか?谷口さん:企業や大学と連携して、オリンピック・パラリンピックに対応したプログラムを作れないかと考えています。「オリンピック」とかかげなくても、スポーツのことを英語で基礎からやってみようというのはいいですね。英語が嫌いな子でも、サッカーやラグビー、野球などスポーツをする時に使っている英語の単語はたくさんありますから、そういうものをやってみようと思っています。英語上達の第一歩は、「英語で伝えたい」と思うこと。そして、「伝わる喜び」を感じること。日常とは異なる空間でさまざまな体験ができるTGGなら、楽しみながらそのきっかけを見つけることができるかもしれません。2回にわたって、TGG統括本部本部長の谷口正一郎さんにお話をうかがいました。2020年を境に、日本の英語教育は大きな転換期を迎えます。もう「英語は苦手」「英語はわからない」とは言えない時代が訪れるのかもしれません。学生の頃の「英語は苦手」という先入観を捨て、子どもと一緒にTGGを体験してみてはいかがですか? 『TOKYO GLOBAL GATEWAY』 住所:東京都江東区青海2-4-32 TIME24ビル1-3階問い合わせ:0120-86596-1(受付時間:月~金9:00~17:00、祝日・年末年始を除く)画像提供:TOKYO GLOBAL GATEWAY取材・文/河部紀子
2018年05月28日新年度は環境が変わり、新しい場所や人と新しい関係を築いていく季節ですよね。子どもにとっても刺激がたっぷりで、気持ちが不安定になりやすい時期といわれています。親としては、子どもの心を落ち着かせる言葉がけをしたいところ。でも、ついついいつもの調子で、子どもの不安な気持ちに追い打ちをかけるような言葉をかけてしまっていませんか? 今回は、子どもを不安にさせる「NGワード」3つを厳選し、フォローや改善点も含めてお話していこうと思います。■新しい環境で子どもが抱えがちな「不安」とは?入園・入学・進級を迎えると、子どもは知らない人、慣れない場所という環境に身を置くケースが多いですよね。そんな時、子どもたちは「ここに入っていけるだろうか?」「受け入れてもらえるだろうか?」という不安を意識的、あるいは無意識に感じています。環境が変わったばかりの頃は目新しさが先に立ち、わくわく感でいっぱいだった子どもたち。しかし、それが落ち着いた頃、ちょうどGWの連休が明けた時期くらいから、新しい環境への不安を強く感じ始めるようです。そのため、気持ちが落ち込んでしまったり、園や学校など新しい環境に行くのを嫌がり始めたりと、気持ちが不安定になる子どもが増え始めるのです。■子どもの不安に拍車をかける「NGな言葉がけ」不安な気持ちを抱えている子どもは、何気なく親が口にした言葉に対して、過敏に反応してしまうことがあります。特に、言ってはいけない言葉は、「ちょっと待って」「○○ちゃんてスゴイね」「だから言ったでしょ」の3つ。これらの言葉を、ふだんから何気なく使っていませんか? でも、実はこの言葉、親が子どもにかけてはいけないNGワードのベスト3です。親からしたら、どうしてNGなのかさえ想像がつきませんよね? それは、大人同士で同じ言葉を交わしても、何とも感じないから。でも、子どもは大人とは違う受け止め方をしているようです。「どうして子どもにとって、NGワードなのか?」「では、どう伝えれば良いか」も合わせて説明していきましょう。■子どもへのNGワード1:「ちょっと待って」「ちょっと待って」は子どもを待たせる時、手がかけられない時など、日常的に口にしている人も多いのではないでしょうか。何気なく使っている人が多いと思いますが、実はこの言葉、子どもからするととても曖昧に感じるようです。大人ならなんとなく予測がつく「ちょっと」という時間の感覚を子どもはまだ判断できないので、「“ちょっと”とはどのくらいなのか?」をわからないまま、5分、10分、30分…と母親が自分のほうを向いてくれるのをずっと待っています。この時、うっかり親が待たせていたのを忘れてしまうと、子どもは「自分の気持ちを受け止めてもらえなかった」と感じてしまうのです。それが繰り返されると、子どもは忙しい親を気づかって自分の気持ちを閉じ込めるようになったり、かんしゃくを起こしやすくなったりします。そこで「ちょっと待って」という時は「お洗濯が終わるまで待ってね」や「ごはんを用意するまで待ってね」など、具体的にどのくらい待てば良いのかを伝えるようにしましょう。逆に、子ども本人が待つことを忘れてしまった時も、親から「さっき何か言いかけていたけど、どうしたの?」と声をかけます。そうすることで、子どもは「覚えていてくれた、自分を受け止めてくれた」と安心できます。 ■子どもへのNGワード2:「○○ちゃんてスゴイね」例えば、わが子に新しくできた友だちを話題にあげ「〇〇ちゃん、足がすごく速いんだって。スゴイね」と話しかけたとします。親としては話題のひとつとして口にした言葉でも、子どもはこの時「ママは自分より○○ちゃんをスゴイと思っているんだ…」と多かれ少なかれ感じます。子どもは基本的に親にほめてほしい、認めてほしいという気持ちを持っているので、「親の期待を満たせない自分」に自信が持てなくなります。この思いが強まると、できない自分を受け入れられなくなったり、自分に自信が持てなくなったりしてしまうことも…。なかには、「ほめられることで親から注目を集められないなら、悪さやいたずらをして注目を集めよう!」と、逆の行動をとってしまうケースもあるようです。そんな時は「でも、○○(わが子)はサッカーが得意だもんね」「〇〇は歌を歌うのが上手だよね」など、必ず自分の子どもの良いところもあげて、フォローの言葉を忘れないように。ほかの子をほめる時は、必ずわが子もほめる。これがあるのとないのとでは、子どもの受け止め方や安心感に大きな違いが生まれます。「ママはほかの子だけじゃなく、」僕(私)のことも認めてくれている」んだ」と子ども自身が感じられるような声がけを意識してみると良いですね。■子どもへのNGワード3:「だから言ったでしょ」例えば、「危ないからやめなさい」と注意したのに、子どもが走り回ってヒザをすりむいてしまった。そんな時、ついママの口から出てしまうのが「だから言ったでしょ」ですよね。けれど、この言葉をかけられても、子どもは「何が“だから”なのか」ケガをした理由まで理解できません。そのため、「理由は分からないけれど、なぜか怒られている。とりあえず、これ以上怒られないために謝ってしまおう」という子どもが多いようです。ありがちなシチュエーションですが、このやりとりを繰り返してしまうと、子どもはずっと理由が分からないまま謝り続けることになります。すると、「何が悪いのかわからなくても、とりあえず謝らなくてはならない」という気持ちが子どもに芽生え、怒られることを恐れるあまり、積極性や自信を持ちにくくなってしまうのです。何かを始める、取り組むという時に、子ども」自らブレーキ」をかけてしまうようになることがあります。「だから言ったでしょ」を口にしそうになった時は、必ず「何が“だから”なのか」を子どもへ説明するようにしましょう。前述した例では「走り回ったら、人やモノにぶつかったり、転んだりするよね。だから今、ヒザをケガしたんだよ。今度からは注意してね」という言葉に言いかえます。子どもにもわかりやすく理由まで丁寧に説明すれば、子どもは“だから”を理解したうえで謝ることができます。こうした声がけであれば、親自身が子どものやる気や自信を奪ってしまうことにはならないでしょう。とはいっても、何度注意しても、同じことを繰り返すのが子どもというもの…。100回言っても分かってもらえないこともあるでしょう。半ばあきらめつつも、言葉が与える影響は決して小さくはありません。ママもパパも大変ですが、根気よく声がけしていきましょう!新しい友だちや先生、環境は、子どもにとって刺激的であると同時に不安にも感じます。ごはんを食べている時、一緒にお風呂に入っている時、布団にもぐりこんだ時など、さりげなく今の気持ちを子どもに聞いてみるといいですね。少しでも不安そうなら、やさしく声がけし、ママパパでフォローを。その際、ご紹介したNGワードは決して口にしないようご注意を。
2018年05月28日「とにかくこわがりで、本当に困っているんです」。こういう悩みを抱えるお母さんがいました。子どもがいつも不安がっていて、とっても臆病なんですって。その子は男の子だったので、よけい心配なのでしょう。でもね、子どもというのは新しい経験をしながら大きくなるのですから、不安がないほうがおかしいと思うのよ。大人だっていままで自分がやったことのない、新しい経験をするときは不安になるでしょう?子どもは、日々新しいことに出合いながら成長していくのですから、不安があって当り前なんです。問題は、異常なほどこわがりだったり、お母さんのそばをかたときも離れないなど、不安が強すぎる場合…。そこには何か原因があるはずなので、それをお母さんがわかってあげないといけませんね。そこで考えてみてほしいのが、お母さん自身の気持ち…。何か不安を抱えていませんか?子どもは、とても敏感でお母さんに不安があると、それをすぐに感じ取るのね。家庭の雰囲気が暗かったり、両親がケンカばかりしていると、とても不安な気持ちになります。また、ウソが多い親というのもいけませんね。都合が悪くなると、ごまかして終わりにしてしまうお母さんも多いと思うのよ。いちいち説明するのは面倒くさい、子どもなんだからすぐに忘れてしまうだろう、と考えるお母さんたちがいるかもしれません。でも、これも子どもの不安感を強くする原因になります。 絶対にごまかしてはいけない、とまでは言いませんがホドホドにしないと子どもは傷つきます。ウソをつかれるというのは、裏切られることと一緒ですからね。もちろん、親だって悪気があるわけじゃないのだし、そんなに神経質になる必要はないと思うのよ。でも少し意識して、ごまかす回数を減らしましょう。また、夫や姑などに問題がある場合、すぐに解決するのは難しいかもしれませんが、子どもに不安を感じさせないよう明るい雰囲気をつくることは、できるはずよ。母さんが子どもの安全基地となってあげることで子どもは救われますからね。子どもにとって心から安心できる場所をもつことは、本当に大切なの。安全基地があるからこそ、不安と上手につきあえるのです。「よりどころ」がある子どもは、信頼感を育めるため、不安に押しつぶされることもありません。母親だけでなく、大人全員が子どもの安全基地になることが大切ですよ。 【仕事徹底占断】あなたの秘めたる才能・天職・助け人・生涯財産
2018年05月25日うちの家族、個性の塊です
夫婦・子育ていまむかし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々