全国12万人以上の子どもたちが投票した『小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙』の結果発表が行われ、『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』が第1位を獲得しました。本作は“生き物の残念な部分”に光を当てた初めての本。第4位にランクインした続編と合わせて、160万部突破の大ブームとなっています。「ウーマンエキサイト」では、同シリーズの監修を手掛けた動物学者・今泉忠明さんにインタビュー。本制作の裏側とともに、子どもの「なぜ?」、「どうして?」を伸ばす方法を教えてもらいました。■『ざんねんないきもの事典』大ヒットの理由とは?――『ざんねんないきもの事典』はベストセラーとなりました。初めからこの盛り上がりを予想されていましたか?いえいえ、まったく考えていませんでした。でも、これが売れたと聞いて「子どもたちのことは侮れないな」と思いました。テレビゲームだけじゃなく、本を読む力もすごくあるんだっていうことが証明された感じがします。だから留守番をさせるときなどにも、「ゲームでもやってなさい」と言わないで欲しいですね。ぜひそこは「本でも読んでなさい」にしていただきたいなと(笑)。――肝に銘じます(笑)。今泉先生は、なぜこの本がこれほどまでに支持されたと思われますか?おそらく「残念でもがんばって生きている生き物がいるんだ」というところかな。この本は“残念”であることをテーマにはしていますが、進化の話をしているんです。優れた進化をしなくても、生き延びている動物がたくさんいるっていうところを感じてくれたのかなとも思いますね。「優れていること」ばかりが注目を集めますけど、優れていなくても生きる価値は十分ある。そんなことが伝わればいいなと思います。――『こどもの本総選挙』表彰式で、子どもには“うんち”や“おしり”がウケるという話もありましたね。そうですね。やっぱり幼稚園から小学校の低学年のうちに、そこを越えていかないと大人になれないんですよ。だから大人は「汚い」などと止めては絶対にダメ。いずれ必ず卒業しますから、心配しなくても大丈夫(笑)。みんなが通るべき通過点なのだと思いますよ。――そんな子どもの興味を引く内容が盛り込まれていることも、人気の秘密かもしれませんね。「子どもたちに読んでもらうには、どうすればいいのか」というのは常に考えていますね。だから、100コ以上ネタがあれば、どこか引っかかるのではないかなって。「すべて興味がある」ではなくても、「ひとつ気になること」が入っていれば、それでいいと思うんです。そうすれば「ほかもちょっと読んでみようかな」と広がって、おもしろさを発見することにつながるんだと思います。■大人の感覚で“子どもの好奇心”を止めちゃダメ!――今泉先生ご自身は、小さな頃から「なぜ」と疑問を抱くお子さんでしたか?その気持ちは、子どものみなさんは全員持っていると思うんです。でも、僕はその疑問の持ち方が少ししつこかったのかもしれませんね(笑)。(疑問に思ったら)自分で「バラしてみよう」と考えるような子でした。――「なんでだろう?」で終わらないということですね。そうそう。当時は、まだそれほど“動物愛護”という流れもなく自由自在でした。だから、たとえばトンボを捕まえたら、おなかを抜いて代わりにわらを入れてしまう。そうなってもバランスよく飛べるのかというのを観察していました。トンボがどういう風にバランスを取って飛んでいるのかということが知りたかったんですよね。ですから、子どもが興味を持ったら、親としては止めないでやらせることが大事です。“残酷な子”になるんじゃないかと親は心配するけれど、そんなことはありません。僕は小さな頃、「アリの巣穴に水を入れ続ける」ということもしました。そういった子どもの好奇心を大人の感覚で「やめなさい」と言うのは、よくないんじゃないかと思います。――親としては、どうしても「かわいそうだからやめなさい」と声をかけたくなってしまいます…。そうかもしれないですね。でもそこを通過することで、足が折れちゃったアリを見て、いつしかかわいそうだと思えるようになるんです。子どもは、大人と違って“残酷”という概念がありません。それを理解した上で、一生懸命育ててあげた方がいいと思います。そうすれば、きっと曲がることなく大きくなってくれるはずですよ。■子どもに「なぜ?」と聞かれたら…?――子どもから「なぜ?」、「どうして?」と聞かれたとき、親としてどう返すべきかというのも難しいところです。そういうときには「一緒に調べよう」というのがいいと思います。教えようとせずに、レベルを子どもに合わせればいいんです。子どもにとって大事なのは、調べる方法。だから、「私なら図書館で本を調べるわ」とか調べ方の手順を教えてあげて、一緒に調べることが大切ですね。――いまはスマートフォンなどですぐに検索できてしまう時代です。それでもやはり図書館に行くことが大事ですか?指は脳とつながっているので、紙の感触やめくるっていう作業が重要なんです。スマートフォンは画面をなぞるだけですから、進歩はしないですね。“皮膚感覚から書物を知る”ということが大事だと思います。――たしかに、同じ知識でもスマホで観ると「そうなんだ」とその場で終わってしまうような気がしますね。そうですね。もちろん、大人になってから仕事で調べ物をするときにはいいと思うんです。ただ子ども時代には、やっぱり本がいいですね。■「生き抜く知恵」を付けるために親ができること――今泉先生も、小さな頃から本を読まれていましたか?『シートン動物記』や『ファーブル昆虫記』を読んでいました。家にそれしか本がなかったというのもあるんですけどね(笑)。気づいた時には、パラパラとよく本をめくる子どもだったと思います。ただ、僕は「鉄砲玉」とも呼ばれていたんですよ。一回家を出たら、暗くなるまで帰って来ない(笑)。毎日、秘密の小屋を作ったり、田んぼや原っぱで遊んだりしていたので、いざというときに「生き抜く知恵」が付いたと思います(笑)。遊びをとおして「これは危ないぞ」と予測がつくようにもなるんです。だから本だけでなく、外遊びも大事でしょうね。――親は先回りして注意してしまいがちですが、子どもの好奇心や行動力を大人が抑えつけてはいけないということですね。そうです、そうです。子どもの頃のケガは当たり前で、ケガをして痛さを知るんです。そうすることで、思いやりもわく…全部がつながっているんですよ。それなのに、思いやりだけを育てようとするから無理がある。痛みがなければ、思いやりの心は生まれませんからね。――それでは最後に、読者へのメッセージをお願いします。いまのお母さんは時間がなくて大変だと思うけれど、できるだけアナログで子育てすることが大切だと思います。すべては本人のヤル気が問題なので、どうすれば子どものヤル気が出るかを親は考えなくてはいけません。たとえば子どもに本を読んでほしければ、自分が本を読んで笑ってみたり、おもしろさを伝える演技をしてみる。そうすれば、陰で見ていた子どもがその本を手に取るかもしれません。子育てには、子どもと接する時間、そして、子どもをだます演技力も必要だと思いますよ!■お話を伺った今泉忠明さん監修書籍『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(左)、『おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典』(右)● 『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』 今泉忠明/監修 高橋書店生き物の“ざんねんな進化”にスポットを当てた事典。「どうしてそうなった!?」と思わずつっこみたくなる、愛おしき「ざんねんないきもの」122種を紹介する。『こどもの本総選挙』第1位。● 『おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典』 『ざんねんないきもの事典』第2弾。オールカラーで、恐竜などの絶滅種についても紹介する。笑えて、ちょっとためになる“ざんねん"な生き物の真実がたっぷりつまった1冊。『こどもの本総選挙』第4位。今泉忠明さん1944年東京都生まれ・動物学者。東京水産大学(現東京海洋大学)卒業。国立科学博物館でほ乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現文部科学省)の国際生物学事業計画(IBP)調査、環境庁(現環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査などに参加。上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。
2018年05月24日2018年9月6日、東京・江東区青海に英語で学ぶ体験型学習施設 「TOKYO GLOBAL GATEWAY(以下、TGG)」 がオープンします。外国のような空間で、着いた瞬間から英語漬け。子どもたちが、海外の日常生活シーンや文化を体験できると話題の施設です。東京都と共同で推進するこの英語教育施設について、統括本部本部長の谷口正一郎さんにお話をうかがいました。■学習時間が足りない英語「英語漬けになれる場所を作ろう」――TGG開設は、どういう経緯で決まったのでしょうか?谷口正一郎さん(以下、谷口さん):2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、大学入試や小学校の英語授業が変わります。より英語の実践力を高めていかないといけないという東京都教育委員会の強い思いから、企画が実現したんです。いろいろな有識者の方が集まり話し合った結果、英語漬けになる場所を作ろうとなりました。日本の英語教育の現状は、英語を使う場所がないというところに尽きると思います。私も仕事で海外に行く機会が増え、「英語ができるようになったね」と言われることがありますが、できるようになったのではなく、使う場面や機会があることが何よりも重要だと感じています。一般的に英語は、2000~2500時間くらい勉強しないとしゃべれるようにならないといわれています。小学校から高校3年生の大学受験まで入れた英語の総授業時間がだいたい800時間。家庭学習を全部入れても足りないのです。学校の英語の教え方が間違っているのでは、という方も多いのですが、そうではない。学習時間、特に英語を使って話す時間がそもそも足らないのです。この大都会・東京でさえ、英語が使えるところ、使わないといけないところはあまりありませんよね。であれば、いつもの学校や地域社会とは違う空間を意図的に用意して、英語漬けになれる場所を提供しようというのが、発想の原点です。 ■英語「を」活用、英語「で」学ぶプログラム――どのようにしてプログラムを進めていく予定ですか?谷口さん:学校で利用いただく時は、8人のグループに分かれて参加いただきます。それぞれにイングリッシュ・スピーカー「エージェント」が1人付き、このチームで1日、または半日を過ごします。具体的な例をご紹介します。入場した生徒さんは自己紹介などをしてから、「アトラクション・エリア」で飛行機やレストランなど、海外で起こる生活シーンを疑似体験。例えば、飛行機のブースに行くと、スタッフが待っていて生徒とやり取りをし、なるべくフルセンテンスで答える練習をします。その間、待っている生徒たちはエージェントと練習をするようにしています。声が大きい子はよくしゃべる、内気な子はなかなかしゃべらないなど、小学生にはよくあるのですが、ここではなるべく全員が同じ発言量にできるよう促します。また、待っている間に日本語を使っていると効果が薄れますので、常に英語が飛び交う環境をご用意します。アトラクション・エリアが終了したら「アクティブ イマージョン・エリア」へ移動。ここは、英語で新しい単元を学ぶというコーナーで、専門知識を身につけた「スペシャリスト」が授業をします。例えば、マーケティングというのはこういう考え方なんだよという内容を、先ほどの8人で聞くんです。スペシャリストが何を言っているのかわからない場合は、エージェントが英語で教えてあげたりします。そして、最後に“振り返り”学習を行います。その後、学校で、先生と一緒にTGGでの一日を振り返っていただければと思います。――アクティブ イマージョン・エリアは、初級レベルのお子さんには難しくはないのでしょうか?谷口さん:このエリアは、初級から上級まで5つのレベルに分かれています。例えば、橋を制作して街を作るなどのテーマは、目で見てものを動かしたり、「これくらいの高さで」と指示があったり、チームで作業することが多いので、小学生でも英語が理解しやすいと思います。上級ですと、デイトレーダーのような画面を見ながら株価の算定をする企業分析もあります。今回、日本で初めてオーストラリアのクイーンズランド州と提携した留学ゾーンを設置します。高校の先生方から、英語のできる子、優秀な子でも留学すると、海外の授業スタイルになじみがなく、手が挙がらないという悩みをうかがいます。クィーンズランドの学習指導要領に基づいた授業をそのまま受講でき、討論形式の授業を受けることで、留学前の準備をしていただくというものにしています。――英語漬けの良さはどのようなところですか?谷口さん:皆さんも体験したことがあると思いますが、海外旅行をしていると、帰る日くらいに「ソーリー」が「Sorry」と聞こえてきたり、話す時も「I want 〇〇」と自然と出てくるようになりますよね。TGGでは、最短で3時間半、最長で1日7時間過ごしますので、海外旅行での英語体験をギュッと凝縮している感じですね。伝わって楽しかった、伝えられなくて悔しかった、という思いが、英語学習のモチベーションになります。「TGG」PRの動画撮影の際に、英語に興味があるモデルの子たちに集まってもらったんですよ。中にはしゃべれない子もいたのですが、3時間半くらい撮影をすると、明らかに変化がわかるんです。外国人役の先生が「How can I help you?」と聞くと、最初は何を言ってるんだろう? という様子だったのが「I want this one.」「How could I call this one?」と言うようになるんです。そういうところを見ると、子どもたちの吸収力に下手にふたをしてはいけないなと思いますね。「日本人はどうして中学、高校の6年間英語を学んでも話せるようにならないのか?」と長くいわれてきましたが、谷口さんの「一般的に英語は、2000~2500時間くらい使わないとしゃべれるようにならない。小学校から高校3年生の大学受験まで入れた英語の総授業時間がだいたい800時間。家庭学習を全部入れても足りないのです」の言葉で、目からウロコでした。期間や中身だけではなく話す時間数がキモだった英語学習。そのために、TGGはできるべくしてできた施設なのでしょう。 次回 は、TGGの具体的な利用方法や、来る東京2020オリンピック・パラリンピック大会へ向けた取り組みについてご紹介しましょう。 『TOKYO GLOBAL GATEWAY』 住所:東京都江東区青海2-4-32 TIME24ビル1-3階問い合わせ:0120-86596-1(受付時間:月~金9:00~17:00、祝日・年末年始を除く)画像提供:TOKYO GLOBAL GATEWAY取材・文/河部紀子
2018年05月22日子どもの笑顔のためなら何でもしてあげたくなるのが親心ですが、正直どこまで要求に応えるべきか悩みどころ。とくにわが家は息子が1歳を迎え、自己主張が強くなってきたので、少しは我慢を覚えさせるべき? “泣いたらすぐ抱っこ”もわがままを助長するのではと不安になります。そんな疑問を解決してくれたのが、50年にも渡り子どもの精神医療に尽力し、2017年6月に永眠された児童精神科医・佐々木正美先生の言葉。お母さん、お父さん。どうぞ子どもを甘やかすことを決して恐れず厭わず、一生懸命にかわいがって育ててあげてください。出典:『子どもの心の育てかた』P5(河出書房新書)よりこの言葉で「いまは思う存分甘やかしていい時期なんだ」と心が軽くなりました。先生の著書『子どもへのまなざし』(福音館書店)は育児書のバイブルとしてあまりに有名ですが、ページ数も多いので忙しいママや育児書初心者の方には『子どもの心の育て方』(河出書房新書)がおすすめ。亡くなる1年前に書かれたラストメッセージともいえる本で、子育ての軸としたい普遍的な教えがギュッと凝縮されています。今回はそのなかから「自己肯定感」を持った子どもに育てるために親がすべきことをご紹介します。■なぜ自己肯定感が必要?先生が本のなかで繰り返しうたっているのが、“乳幼児期に子どもが望む事をできる限り叶えてやり、親や周囲に依存する経験をさせる”ということ。自分をありのままに受け入れてもらった子どもは“自分は価値のある人間なのだ”と認識し、それが「自己肯定感」を生むというのです。自己肯定感とは、“自分はかけがえのない人間なのだ”と存在意義を肯定できる感情のこと。幸福度にも影響するといわれており、高ければ物事を意欲的に捉えられるといいます。そしてこの自己肯定感が自律心、ひいては自発性、主体性、創造性につながるというのです。子どもの求めになんでも応じる、つまり「泣いたら飛んでいって抱く」といったことをできる限り繰り返すことで子どもは自他に対して「絶対的な信頼感」を知ります。それがなければ「自律心」は育ちません。そして「自律」がなければ自発性、主体性も生まれないのです。出典:『子どもの心の育てかた』P23(河出書房新書)より自主性、主体性、自信、豊かな感性、感謝する心、共感できる力、尊敬する気持ち、創造性。育ててあげたいものが、あまりにもたくさんあるように思うかもしれませんが、それらはすべてつながったものです。英才教育だけで美術やスポーツの能力を育てることはけっしてできませんし、「尊敬心」だけを教えることもできない。すべてを健全に育てるためには、小さなときにじゅうぶんに親に依存する経験を与えてやることが前提なのです。出典:『子どもの心の育てかた』P120(河出書房新書)より■子どもにどこまで依存させるべき?でも、子どもの望みをすべて叶えることは自立とはほど遠いことのように思えます。子どもののぞみ通りにしてあげること、してあげすぎること、というのは「悪い」とされることがあります。なんでも子どものいうことをきいてやったら、子どもは依存心ばかりが強くなり、自立できなくなる、という意見です。 けれど、私はそんな事例を、本当に見た事がないのです。一見、そういうふうに見えるケースというのは、過保護の結果ではなくて、過干渉です。子どもに対して過剰に干渉し、そのあとから保護的な態度をとる、というケースがほとんどなのです。出典:『子どもの心の育てかた』P37-38(河出書房新書)よりそう、気をつけなければならないのは、“過保護”と“過干渉”の違いをきちんと認識して接すること。子どもがのぞむ通りになんでもしてあげすぎることが「過保護」で、いっぽう子どもはのぞんでいないけれど、親が一方的に「こうしたほうがいい」とおもうことをいったり、したりすることが過干渉です。これは決定的に違うものです。出典:『子どもの心の育てかた』P37(河出書房新書)より■叶えていい要求とダメな要求でも、子どもの要求とひと言でいってもその内容は千差万別。無理難題も多いもの。そんなときはどうしたらよいのでしょう。子どもがのぞむことは、親から見たら、全部危険で役に立たないことで体に悪いこと、かもしれません。けれどそれを全部禁止したら、子どもの世界は本当につまらないものになります。好奇心のかたまりのような子どもにとって、欲求不満だけがたまる世界です。 もちろん、本当に危険なことや他人に大きな迷惑をかけること、悪いことはやってはいけないよ、と教えなくてはいけません。けれど、そうでないのなら、なんでもいうことを聞いてあげたらいいのです。(中略) 我が家では、食事は子どもの好きなものを好きなだけ食べさせました。嫌いなものを食べさせようとしたことはありません。全部はムリでも、できる範囲のものはすべて叶えてあげたらいいのです。(中略) 金銭でほしがるものを買い与えることは節度が大切です。物で心を満たそうとする育児は、かえって欲求不満の感情をエスカレートさせることがあるのです。 これさえ心得ていれば、子どもの求めに応じて肥料を水や太陽をいくら与えても、それで子どもに悪い影響がでてくることは絶対にありません。それが基本原則なのです。出典:『子どもの心の育てかた』P42-43(河出書房新書)より■子育てはいつからでもやり直しができる乳幼児期は子どもの欲求に耳を傾け、できる限りのことをして自己肯定感を高める。そんなシンプルな指針ができただけで子育てにちょっと自信が持てるような気がしてきます。「でもうちは乳幼児期をすでに過ぎてしまったんだけど…」という方、ご安心ください。最後に先生はこんなことをおっしゃっています。乳幼児期にやり忘れたから「手遅れ」などということはありません。何歳からでもやり直すことはできますし、また、そうしなければなりません。出典:『子どもの心の育てかた』P136(河出書房新書)より実際に、小学四年生で言語の能力はあるのに言葉がでない「かん黙」という症状がでていた子がカウンセリングをうけ、その後日本一偏差値が高い国立大学に入学したという例もあるそう。子育てに自信をなくしたとき、そっとページを開きたくなる一冊です。・ 子どもの心の育てかた(河出書房新書)
2018年05月19日「この子、人と関わるのが苦手なのかな?」わが子の消極的な姿を見ると、それが個性とわかっていても不安になることがあります。世界No2の営業ウーマンに上り詰め、現在は作家・営業コンサルタントとして活躍する和田裕美さんも、幼い頃は引っ込み思案な性格だったそう。そんな和田さんを強くしてくれたものとは? 和田さんの著書で、道徳の教科書(※)に掲載されて話題になった絵本のリニューアル版『ぼくは ちいさくて しろい(クラーケン刊)』からご紹介します。■短所を長所に変える思考術絵本の主人公は小さくて白い、ひとりぼっちのペンギン。仲間と違う容姿や能力に悩みます。そんなときにどこからともなく聞こえて来たのが、心の中に宿る今は亡き母ペンギンの声。「おかあさん おかあさん どうして ぼくはほかのこよりも はしるのがおそいの?」「それはね まえをはしっていたらうしろのこがころんでも きがつかないでしょう。あなたは ほかのだれかが ころんだら おこしてあげるやくめなの」出典:『ぼくは ちいさくて しろい』(クラーケン刊)P9-10より「でも ぼくは いまたったひとりで さびしいよ」「さびしいのは ほかのひとの さびしさを まなぶためなの」出典:『ぼくは ちいさくて しろい』(クラーケン刊)P13よりそう、母ペンギンは容姿はもちろん、環境や状況も決して否定することなくポジティブに捉えて子ペンギンに語りかけるのです。これがまさに和田さんが実際に亡きお母さんから受け継いだ教え。見方をちょっと変えて短所を長所に変えていく思考は、和田さんが現在でも「陽転思考」としてセミナーや著書で広く伝えているものです。その教えがこの絵本には踏襲されています。何をするのも遅くてノロマだった和田さんにお母さんは「ゆっくりなのは大物になる証拠だね」「なんでもゆっくり、遅いことも余裕があっていいことだ」と、自信をなくしているときこそ「それがあなたの良いところ」と認めてくれたのだといいます。そのたったひと言が和田さんの心に小さな明かりを灯し、その後の人生を支え続けます。「ダメな私にもちょっとはいいところがあるんだ」と気づいて強くなれました。それが私の素となり、いまの私につながっています。出典:『ぼくは ちいさくて しろい』(クラーケン刊)あとがきより■勇気をもって進む力を身につけるには…その後も子ペンギンは一人で歩んでいくことに不安を抱きますが、母ペンギンはとにかく前を向いて歩んでいくことで“勇気”と“夢”に出会えると説きます。「さいしょに ゆうきにであうから いっしょに あるいていきなさい。きっとゆめにであえるから。かぜもふくし あらしもくる。 でも かぜは あなたに つよさをおしえてあらしは あなたに いのちをおしえる。あたたかいたいように かんしゃをまなびおいしいおさかなに よろこびをまなぶ。そして ころんだら おきあがることをまなびなさい」出典:『ぼくは ちいさくて しろい』(クラーケン刊)P29-30より子どもが何かにチャレンジすることを恐れていたら、それはひ弱な心のせいではないかもしれません。誰しも初めてのことや苦手なことには不安をいだくもの。そんなときに、ほんの些細なことでいいので自分を好きになれるひと言をかけてみてはどうでしょうか。そうして一歩を踏み出せたら、あとはやり続けていくことで、いつの間にか自分に自信がつき、勇気が持てるようになる。きっと勇気があるから前に進めるのではなく、前に進み続けたことで勇気が後からついてくるのかもしれません。その後子ペンギンは心の中に生き続ける母ペンギンに支えられながら、太陽に向かって歩み始めます。「おかあさん おかあさん…ぼくは ひとりぼっちじゃないんだね。おかあさんは ぼくの こころのなかにいきているんだ…」出典:『ぼくは ちいさくて しろい』(クラーケン刊)P34より忙しい毎日の中でついガミガミ怒鳴ってしまったり、子どもの欠点ばかりに目を向けてしまったり…。でもひと言でいいので、本人が欠点や悩みに思っていることがじつは素晴らしい長所であることを伝えてみてください。親に見守られているという安心感と自信が、きっとその後の人生を明るく照らしてくれるに違いません。・ 『ぼくは ちいさくて しろい』(クラーケン刊) ※平成30年度版『いきるちから』日本文教出版刊
2018年05月15日最近「PTAはブラック」「PTAは大変」という話題が盛り上がっていますよね。新年度ということで、改めてPTA(今回は小学校のPTAメイン)について考えてみました。ブラックと言われる内容の代表(強制加入、会費徴収、役員ノルマ)については、私も目の当たりにしてきたのですが、そもそも「PTAが任意団体である」という前提を知らなかったので…「そういうものか、みんな大変な中、子どもたちのために携わってきたんだな」と長い間、役員もやってきました。その在り方自体がブラックなのかもしれませんが、私は、その実態はブラックとは少しニュアンスが違うな~と感じましたので、そのあたりが伝わるといいなと思い書いてみました。PTAについて考える機会は、多くの方に訪れるかと思いますので、読んでいただけたら嬉しいです。このような感じであることが多く、強制的な悪の組織みたいなものではないです(笑)中には言い方が威圧的であったり考え方が偏ってたりする方もいるのですが、それは個々の資質で、人がたくさん集まれば、どこにだってそういう人はいますよね。それをふまえてもなおPTAは敬遠されがち、それは…このように、PTAが強制的・非効率と感じる方が多いのに、いつまでもアナログな方法で無駄があったりするのには、上で書いたように、任期が1年(の場合が多い)なのでやっつけ仕事で終わってしまうのが一つ。もう一つは、個人差…例えばパソコンなどのスキルが高い人もいれば、持っていない(使用できない)人もいるとか、さまざまな人がいるので、積極的に改革しようと思う方がいなければ、その状態は継続されてしまうわけです。最近ではPTAについても、いろいろな視点から話題になっているので、認識が変わって、PTAの在り方も変わるべき時を迎えてるとは思うのですが、それはまた場所や時期によってもそれぞれで簡単にはいかないかもしれません…。ここで、PTAがなぜ必要なのか、何のために在るのかについてをまず考えてみました。これです!「先生と保護者で子どものためになることを行う会」なので、先生もPTA活動に協力してくれています。私が肌で感じてきたのはこれ!「保護者の目が学校にあること」がPTAが必要だと思う理由です!もし何か問題が起きたときに、普段から学校や先生とコミュニケーションが取れていると問題解決がしやすくなります。また、個人の声は届きにくくても保護者全体の意見とすれば、届きやすくなります。次に私がPTA参加で感じたメリットです。これ大きいです!子どもと先生の普段の様子を見ることができますし、子どもは自分の世界にお父さんお母さんが来てくれる、見てくれるっていうのは嬉しいようで喜びます。何度も顔合わせる保護者の方同士で友達ができるかも。一般会員でお手伝い程度だとこれは望めない場合もありますが、役員をやると高確率で友達ができます!性格によるところもあるでしょうが理由があります。小学校にあがると、子どもが仲の良い子の保護者の方と会うのは参観日や行事で学校に出向いた時のみです。「誰々のママ」としてご挨拶程度になりがちですが…役員ってことで大人同士のお付き合いができるし、学年の違う保護者の方とも知り合うので情報いろいろもらえますし子育ての勉強にもなります。それになんと、PTAの仕事や在り方に改善すべき点があることが、かえって結束を強めることもあったりするんです!「うわ~役員になっちゃった~!まあやれば楽しいんだけどね~(笑)」って言う人多いです、これほんと!それから、PTAに対する憂鬱の原因にはコミュニケーション不足ということもあるかと思います。例えば…こういった無理難題を突きつけられると疑念を抱きがちですが、その方も悪意があるわけではなく、経験や状況の違いなどから気が付いていないだけということが何度もありました。誰も意見を言わず議事が通ってしまったら、一般会員の方はそれを書面で見ることになります。すると「PTAって……どうすりゃええねん」ってことになるわけです。私の経験では、中に入って意見交換をすると解決することがほとんどでした。最後に…「PTAに入りません!」と言うのも今は勇気がいることですよね。本来任意加入なので、気にせずにいられるならそれで良いのですが。家庭や仕事を犠牲にしてまでやることでもありません。できる人がやればいいはずです。ただ今回ずっと書いてきましたが、基本PTAは子どもたちのためにあるものです。我が子だけでなく学校に通う子ども、みんなのためです。PTAの悪い面だけの情報で、最初から敬遠してしまうのはもったいないと思います。役員によっては、時間を取られるものとそうでもないものとありますし、低学年のうちに引き受けてしまえば先輩ママさんたちにリードしてもらえますし、早くに学校の様子がわかります。総会資料に詳しい活動内容書いてありますので、よく読んで上手に参加するといいかもと思います。私は、深刻なトラブルに直面しなかったので言えることかもしれませんが、ブラックにするものホワイトにするのも、私たち保護者次第なのではないでしょうか。また、今後は仕事を持つママが増えていることもあり、今までのやり方に固執せず、時代の変化にあったPTA活動を考えていくことが重要だと思います。
2018年05月13日遊ぶことは、子どもにとって本当に大事。遊びを通して成長するのが子どもなんですね。小さい頃の遊びが、人間としての基礎をつくると言ってもいいかもしれません。よく芸術家の人たちが、「子どもの感性には、とてもかなわない」なんて言うでしょ? きっと大人が考えつかない自由な発想をする子どもたちが、うらやましいのね。「こうあるべき」という常識をもっていないぶん、突拍子もないことを考えつくのが子ども…。「ごっこ遊び」に夢中になるのも当然なんですね。お母さんたちにお願いしたいのは、空想の中で遊んでいる子どもを温かく見守ってあげてほしいということなのよ。せっかく子どもが自由な発想で、自分なりの楽しみを見つけているんですからね。たとえば、チャンバラごっこ…。いまの若いお母さんたちは知らないかしら? 昔の子は、みんなやっていたのよ。チャンバラごっこをするときは、敵、味方の分け方から戦いの方法まで、自分たちでいろいろ工夫しました。刀は新聞紙を丸めてつくったりしてね。大勢の子どもで遊ぶから、人間関係の勉強にもなった…。自分で判断して行動することを知らず知らずのうちに身につけられたのね。もちろん、いまの子は昔と違って大勢で外遊びをすることもなければ、遊び道具を手づくりすることもないかもしれません。でも、遊びの経験から判断力や行動力を学ぶのはいまも昔も同じ。いまの子はいまの子なりの遊びを通して、たくさん学んでいるはずです。 自由な発想をすることや、自分なりに工夫しながら遊ぶこと、ボ~ッと空想したり、いろんなものにさわってみることすべてが子どもの心の基礎になります。もちろん、その中でイヤなことも経験するでしょう。でも失敗も含めた経験が、その子をたくましくするの。親の過剰な介入や過保護は子どもをどんどん弱くします。自由な心が育たないため、判断力や行動力も身につきません。心が折れやすく、思春期に踏ん張れないことも多いのね。特にいまは忙しい子が増えていて、スケジュールがびっしりの小学生も珍しくありません。友だちと遊ぶ機会はもちろん、ボ~ッと空想する時間すらない子もいるんじゃないかしら。もちろん、決められたことを一切しないで遊んでばかりいるのも問題よ。でも、子どもには伸び伸びと遊ぶ自由な時間が必要なことだけは確かです。そこから人間の基礎みたいなものが、つくられるんですからね。小さい頃遊んだ経験が大人になってから活きてくる。このことだけは、忘れないでね。 まだまだやり直せます! 恋も仕事も【後悔不要】◆しあわせ開運占い
2018年05月11日春は新しいことを始めたくなる季節です。子どもに習い事をさせてみたいというママも多いのではないでしょうか。しかし今は習い事も種類が多く、どんなタイミングでどんなものを始めたらいいのか悩む部分も多いでしょう。選び方やお金のことなど、今どきの習い事事情を知っておきましょう。習い事は何歳から始める?まずは何歳から始めるのが良いのか、ということです。教室が受け入れを始めるのは3歳からが一番多いです。幼稚園や保育園などで社会性が身につく4歳頃から本格的に始めると一番スムーズでしょう。子ども本人も好奇心旺盛となり物事を吸収しやすい時期なので、新しいことを始めるチャンスです。逆に、半数近くのママは初めての習い事を2歳以下に始めているという意見も。この年齢では何かを習得させるという目的よりは、親子で過ごす時間を楽しむことを重視することが多いようです。私の息子は英語に1歳になる前のベビークラスから通っています。当時は英語を習得させるという目的ではなく、週1回親子で出掛けて同級生や先生方と交流する場が欲しいと思ったからです。しかし、毎週通うという習慣がついたこと、最初は怖がっていた外国人の先生に慣れたという点がよかったと思っています。気になる習い事の月謝は?習い事をさせたいと思っても、やはり一番気になるのはその月謝です。毎月どのくらい使っているものでしょうか。1位. 5千円~1万円未満2位. 1万円~2万円未満3位. 2千円~5千円未満平均的には5千円~1万円となっています。しかし習い事の種類によっては道具や衣装、交通費、発表会があればその費用など追加で出費が必要な場合も。習い事を始める前に月謝以外の必要費用についてもしっかりと調べておき、負担のないようにしましょう。タイプ別、人気の習い事どの習い事にするか決める際の一番の決め手は、何をおいても子ども自身のやる気や興味です。普段の生活からどんなことに興味があるかを見極めましょう。トレンドや人気も気になりますが、本人に興味がなければ無理矢理やらされていると感じ、続きません。習い事を始めるにあたって、子どもが何に興味があるか分からない、本当に続くかどうか心配という気持ちもあるでしょう。習い事は事前に体験レッスンを行っているところがほとんどなので、まずは色々な体験レッスンに顔を出してみましょう。今注目されている習い事をタイプ別にご紹介します。【芸術】音感、リズム感、色感など、言語で表現できない感性を磨くことができます。一人遊びを夢中でするような子に向いています。五感で理解する幼児期に右脳を鍛えることは、知能と感性のバランスがとれた子を育てます。・リトミック幼稚園や保育園でも導入が増えている教育法です。歌やダンスを通じて表現力や感性を養います。集中力を引き出し、表現豊かな子どもに育てます。・ピアノ音感やリズム感が育ちます。指を動かすこと、楽譜を読むことは脳を活性化させることにもつながります。・絵画教室答えは子どもの数だけあります!個々のアイデアを尊重し、自己主張や自己表現のできる子を育みます。【スポーツ】小さい頃からしっかりと体力をつけることで、健康で丈夫な体を育てます。園や家庭だけでは体力が有り余る子どもにもピッタリです。・水泳昔から人気No.1の習い事です。基礎体力がつき体が丈夫になります。様々なジャンルのスポーツ選手も幼少期は水泳を行っていた人が多いです。送迎バスがあるところが多く、通わせやすいのも人気のポイントです。・ダンス中学校での必修科目が決まったことから、習う子が急増しています。運動が苦手な子でも楽しく体を動かすことができます。・フィギュアスケート日本人選手の世界的活躍により人気が急増しています。日常では経験できない動きを経験でき、表現運動でもあるので心身の発達を促します。【学習】学びの原動力は探求心。「もっと知りたい」という知的好奇心を伸ばしてあげましょう。「わかった!」という自信は、勉強が好きになるきっかけとなります。・幼児教室知的好奇心や集中力を伸ばすのにピッタリ。比較的小さい年齢からのクラスもあり、園に通う前から集団生活に慣れるのに最適です。学習はもちろん、体を動かす時間を取り入れる教室もあり、総合的に成長を促すことができます。・プログラミング小中学校から必修化されることもあり人気が高まっています。論理的思考や問題解決力を育成し、将来に役立つスキルを学ぶことができます。・英会話幼児期は何でも吸収するので、新たな言語も覚えやすい時期です。小さいうちから英語を聞いていると耳が慣れ、将来的に英語の習得がスムーズになります。小学生から英語の授業が開始されることもあり、少し早めに取り組む子が増えています。習い事はとにかくたくさんあり、周りを見ると「あれもやらせたい」「これもやってみたい」と焦ってしまうこともあるでしょう。あまりあれもこれもと欲張らずに、本人の興味があって続きそうなものを見極めて的を絞ることが大切です。もちろん合わないと思ったら無理に続けさせる必要はありません。習い事は、送迎などもあり親の負担も少なくありません。園に通うようになればスケジュールもタイトになります。無理なく続けられるように始めは少なめにしておくのが良いでしょう。
2018年05月09日息子の保育園生活がスタートし、少しは時間に余裕が出るかと思っていたけれど、朝はとにかく忙しい。アフロヘアだった夫も、髪を整えるのに時間がかかるとのことで、朝の支度を早くするべく、髭だけは残したものの、髪をバッサリ切り、爽やかな昔の姿に戻り綺麗になった。身なりを整えたくなるなんて…! 先生方から好印象を持たれたいのだろうか。保育園パワーおそろべし。わが家は夫婦共働き。通勤がない分、起床時間は遅めの7時起床。夫のヘアセットの時間が省かれたとしても、朝の支度には時間がかかる。朝の苦手な夫をまず起こすところからスタート。そして朝食の準備、保育園の準備をして息子を送り届ける。9時登園なので、起きてから約2時間で全ての準備を終わらせなくてはならない。息子の準備だけではなく、家事も終わらせなくてはならない。そして、自分の準備もそこには含まれていて、すっぴんでボザボサの髪を整える必要がある。保育園のママさんたちに、パジャマ姿のまま「おはようございます~!」と挨拶できたらどんなに楽か……。しかしながら、そうもいかないのが現実。朝、息子を送り届けるまでは戦場だ。ワンオペ育児状態に陥るのだけは避けたい! そう願って、保育園生活が本格的にスタートした直後、私一人では大変なので、わが家では全てのことを分担することにした。朝食を作り、家事をする人はA、息子の準備して送り届ける人はB。曜日ごとにも、送迎をどちらがするかを決めた。平日の半分ずつ、AとBを入れ替える。まるで旅館の露天風呂の女湯、男湯が入れ替わるシステムとわが家の家事・育児はシステム化した。取り決めをしないとスムーズに動くことができない。独身時代の27年もの間、ずっと実家暮らしだった夫は、脱サラをしてからというもの、みるみるうちにスーパーお父さんに近づいていく。掃除、洗濯、料理も育児もなんでもできる。お風呂を洗ったこともなかった人が、こんな風に成長するとは驚きだ。人間いくつになっても、変われるものなのかもしれない。そういうわたしも、台所に立つ時間も独身時代から比べたらずいぶんと増えたものだ。掃除だって昔に比べてば上手くなったのかもしれない。息子がわたしたちを成長させてくれたのだなぁ、と思う。こうして、わが家はどうにかワンオペ育児にならずに済んだけれど、実際にご主人の出社が早く、帰宅時間が遅い場合などはどうしたら良いのか。そういうケースは妻が全ての育児を抱えるようなことになりがちだ。サポートできることを自分なりに考えて、ケアしてあげられたら、夫婦の関係も円満になるような気がする。それは家事や育児だけに限らなくて「いつもありがとう」と、声をかけてくれるだけで、きっとずっと気持ちは軽くなる。休みの日に、一人で出かける時間を作ってあげるだけでもずいぶん違う。母だって一人の女性であり、ひとりの人間。たまには友達と呑みにだっていきたいだろうし、買い物だってしたい。そういう息抜きが、子育てをより楽しいものにさせるのではないかなあと思う。つづく
2018年05月09日この10年間で、小学生のクラス内暴力が約14倍に増えたという調査があります。昔は「じゃれ合い」とされていた行為が「暴力」とみなされるようになったことも急増の理由の1つですが、感情のコントロールが苦手な子どもが増えていることが原因です。小学生の中でも特に低学年の暴力の伸び率が高い結果となっています。小さい内から感情のコントロールを教えていくにはどうしたら良いのでしょうか?感情をコントロールできない子どもの特徴子育て中の親は、子どもが自分の感情をコントロールできず爆発してしまう状況に直面することがあると思います。まずは感情のコントロールができない子どもの特徴を知っておきましょう。●思い通りにならないと大声を出す・泣く感情のコントロールがうまくいかないと、自分の思い通りにならない時に大声を出したり泣き出したりします。例えば、欲しいお菓子を買ってもらえるまで床にひっくり返って暴れるなどです。●自分の邪魔をする相手に暴力を振るう感情のコントロールが苦手な子は、自分のやりたいことを邪魔する相手につい手を出してしまいます。おもちゃで遊んでいる時に他の子が側に来ただけでも邪魔されたと感じてしまいます。●自分の感情をうまく言葉にできない自分の心の中の苛立ちをうまく言葉にできず、それが行為になって表れてしまいます。「ばかやろう」などの暴言を吐くのも、自分の感情に整理がつけられないことから発してしまいます。●自分の考えを相手に押し付ける相手の話を聞かず自分の考えややり方を押し付ける傾向があるのも特徴です。集団で遊ぶ時に、自分がやりたいルールを押し付けようとします。周りが自分に合わせてくれないと、ふてくされて遊びから抜けることもあります。理解できていなくても正しい在り方を教える必要がある感情をコントロールできるかどうかについては、小さい内から親の関りが重要です。暴力を振るう子どもの親は、「子どもだからこれくらい許されるでしょ」と考える傾向にあります。例えば、公共の場で走り回ったり、よその人に乱暴な口を子どもがきいても注意をしない親がいますよね。「子どもだからやってもいい」ではなく、子どもの内から何がいけなくてどうすればいいかを教えていくのが大人の役目です。子どもが小さくて理解できないから教えないのではなく、そういう時期から繰り返し教えることで感情をセーブできる子どもが育ちます。また親から「〇〇しなさい」と命令されて育つと、人から価値観を受け入れてもらう経験が乏しくなり、自分も誰かの価値観を受け入れられることが出来ず「ムカつく」「ウザい」などの言葉を連発する傾向にあります。感情をコントロールできていない時こそ教えるチャンス子どもが感情をコントロールできていない時、何とかしないとと親はまず考えますが、実は子どもに対応を教えるチャンスです。ケース別に対応を見てみましょう。●けんかで相手を叩く特に兄弟げんかでは、エスカレートすると殴り合いになることもあります。お互いの言い分をしっかり聞く事と、「今回はお兄ちゃんが正しいと思うよ」「でもここは悪かったから謝ろうね」などと伝えましょう。●思い通りにならないと声を上げるレストランなど公共の場で大声を出されると、大人は焦ってしまいとにかくその場を収束しようと、子どもにスマホを与えるような対応が多いです。確かにその場は一旦収まるかもしれませんが、それでは感情をコントロールできるようにはなりません。食事の場であれば一旦外に出て落ち着かせ、まずは「皆が静かに食べられないよね」など理由を説明します。「落ち着くまで中に入れないんだよ」と毅然とした態度を取ります。ルールを守れないと損をするという経験が、感情のコントロールに必要です。●暴言を吐く家庭内で気を付けていても、外の世界やTVなどから色々な言葉を覚えて使うようになります。これは仕方ないことであり社会が広がった証拠でもあります。子どもには何が良くて何が悪いのか分かりませんので、「ママはその言葉、相手を傷つけるから嫌いだな」などとその都度伝え理由も説明しましょう。感情をコントロールできない子どもへの接し方子どもが感情をコントロールできない場合、親はどのような態度で接したらよいのでしょうか。接し方を間違えるとさらにエスカレートする恐れもあります。ポイントを押さえておきましょう。1.感情的にならない子どもが困った行動をすると、つい怒鳴ったり無理にやめさせようとしてしまいます。しかし親が感情をぶつけると子どもの興奮はおさまりません。親は感情を押さえて穏やかに接しましょう。声のトーンを下げて落ち着いて話すことを心がけます。2.意見に耳を傾ける大人の物差しで決めつけず、子どもの意見をしっかりと聞くことが大切です。親が話を聞いてくれることは子どもに安心感を与え、暴れる前に自分の気持ちを話してくれるようになります。3.子どもの気持ちを言葉で表す子どもはやりたいことや言いたいことがうまく表現できなくて暴力や暴言などの問題行動を起こしてしまいます。何をしたいのか、何が嫌なのかを親が代弁してあげることが効果的です。「〇〇がしたかったんだね」「疲れたからイライラするんだね」など、伝えたいことをまとめてあげましょう。「こういう時はこう言えばいいのか」など、子ども自身が学ぶことにもなります。4.一貫性を持った態度をとる場合によって対応が異なると子どもは混乱します。子どもと接する時は、その時の気分などで対応が変わらないように一貫した態度を取りましょう。また、夫婦で違うことを言うのもよくありませんので、夫婦間で話し合って方針を統一しておきましょう。感情のコントロールは大人でも難しい時があり、子どもであれば尚更です。親が無理におさえつけてやめさせるのではなく、子どもの気持ちをしっかりと聞き想像し言葉にすることで、子は徐々に落ち着いて考えることができるようになってきます。「うちの子はすぐキレて困る」と嘆く前に、子がどんな風に考えているのかをよく探ってみるところから始めてみましょう。
2018年05月01日赤ちゃんの頃は「元気に育ってくれれば、それで十分」と思っていたのに、子どもが成長するにつれ「あれもこれもできる子になってほしい」とついつい願ってしまうのが、親の常。でも、世の中にはさまざまな幼児教育があふれ、どれを選べば正解なのか、わからなくなりますよね?そんなママのお悩みを、シンプルに解決してくれるのが、『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文嚮社)が10万部を超えるベストセラーとなった脳医学者・瀧靖之先生。つねづね「子どもを賢く育てるには、図鑑が一番!」と話し、自らも図鑑を使った子育てを6歳の息子さんに実践している瀧先生が総監修した「MOVEはじめてのずかん みぢかないきもの」(講談社)が発売されました。「図鑑を作るのが夢だった」と話す瀧先生の「こんな図鑑が欲しかった」のエッセンスがたっぷり入ってできあがった一冊。制作での思いや、図鑑の効果的な使い方などを瀧先生にお聞きしました。瀧靖之先生 プロフィール1970年生まれ。医師。医学博士。 一児の父。東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター 副センター長・加齢医学研究所 教授。東北大学加齢医学研究所および東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳MRIはこれまでに16万人にのぼる。「脳の発達と加齢に関する脳画像研究」「睡眠と海馬の関係に関する研究」「肥満と脳萎縮の関係に関する研究」など多くの論文を発表。学術誌はじめ新聞・テレビなど、マスコミでも数多く取り上げられ注目を集めている。『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)は10万部を超えるベストセラーに。■「はじめてのずかん」が子どもの好奇心の入り口にまずは最初に、瀧先生が提唱する「どうして図鑑が脳にいいのか?」をご紹介しましょう。・「わくわくする」好奇心を育てれば、自分の力で学べる「ぐんぐん伸びる子」に育つ。・いろいろな情報に触れられる図鑑は子どもの好奇心を育てる。・絵や写真があるので、言葉をつかさどる領域だけでなく、図形や空間を認知する領域など複数の脳の領域を同時に活性化できる。・図鑑で見たもの(バーチャル)を実際に見る(リアル)ことが子どもの好奇心を広げ、知識を定着させる。上記をふまえたうえで、インタビューはスタートしました。── 今回、図鑑の総監修をしてみていかがでしたか?瀧靖之先生(以下 瀧先生):小さな子どもでも楽しめるけれど、中身は本格的という図鑑があればいいのにとずっと思っていました。子どもは暗記力もすごいし、大人以上に好奇心が旺盛なので、はじめて触れるからこそ本物を見せたあげたいという気持ちを出版社と分かち合えました。今回、まだ形のない段階から関わり、何度も何度も出版社とやりとりを重ね、かなりイメージ通りの「図鑑の入り口となる図鑑」ができあがりました。── 「はじめてのずかん」というだけあって、図鑑に触れる入り口となる図鑑なんですね?瀧先生:図鑑というと小学校入学のプレゼントというイメージがあり、そのくらいの時期に初めて手にするお子さんも多いと思います。今までは、小学校入学前後の子どもに向けた本格的な図鑑か、子どもっぽいおもちゃのような図鑑しか出ていませんでした。昔の僕みたいに図鑑が好きな子どもは初めから本格的な図鑑から入ればいいけれど、そうではない子どもでも興味をもって手に取り、図鑑の入り口になる1冊があればと思っていました。ここから先は、恐竜や昆虫、動物などの図鑑につながっていける「初めての図鑑」を作りたかったんです。そのためにも、ただ「チョウ」とか「ゾウ」とかではなく、「クロアゲハ」とか「アフリカゾウ」などきちんと名前を伝えて、興味を持ってもらえるようにしています。子どもは機会的な暗記力がすごいので、あっという間に覚えてしまいますから。そして、デザインもほかのシリーズとそろえ、本格的な図鑑にしました。── 「2歳からの脳に効く!」と帯にありますが、2歳くらいでこの図鑑を手にするのがいいのですか?瀧先生:言葉を吸収し、周りに対する好奇心もどんどん出てくるのが2歳くらいですが、もちろん、0歳からでも1歳からでも、3歳、4歳でも図鑑を楽しんでもらって構いません。ただ、「好き嫌い」がまだあまり出ていない早い時期からいろいろ見ておくと、大きくなってからも好奇心の対象を広く保てます。できれば早い時期から図鑑でいろいろな情報に触れていただきたいと思っています。■図鑑が苦手な親子だから楽しめる“しかけ”が満載──「読み聞かせ図鑑」というのもおもしろいですね。図鑑というと見るイメージがありますが、読み聞かせができるんですね。瀧先生:子どもが楽しむためには親がまず楽しむことがとても大切なのですが、世の中のお父さんお母さんがみんな図鑑好きというわけではないと思うので、今まで図鑑にあまり触れてこなかった方でも気軽に子どもと楽しめる工夫にこだわりました。── それは世の中のパパママにとてもありがたいですね。瀧先生:好奇心だけではなく、乳幼児期に愛着形成をすることは、その後の精神安定に非常に大切だと言われています。ぬくもり、声、笑顔など親子の愛着掲載がとても大事な時期なので、子どもひとりで読むのではなく、親子でコミュニケーションをとりながら楽しめるようになっています。── 具体的にはどのようなしかけがあるのでしょうか?瀧先生:ほかの図鑑ではあまりないと思うのですが、写真の動物が吹き出しで話しています。もともとMOVEシリーズの特長である動きのある写真も子どもを引きつけますが、生き物が話すことで子どもの興味をよりひきつけやすくしています。そして、その吹き出しを読めば、誰でも簡単に読み聞かせができるんです。それ以外にも、親子の会話のきっかけづくりになるコラムがあったり、子どもが大好きなクイズが載っていたりして、親子の愛着形成や言葉を覚えるコミュニケーションが簡単にできるようになっています。── たしかに「ゾウの足音ってどんな音」というコラムなど自分も知らないことが載っていておもしろかったです。 ■知的好奇心を育てるのは「図鑑で見たアレ」を「実際に目にする」── 親子のコミュニケーションのほかにこだわったことはなんでしょうか?瀧先生:図鑑に載っていた動植物を目の前で見られたら「これが図鑑で見たアレなんだ」と興味が深まりますね。知的好奇心をいかに伸ばすかを考え、あえて身近なところを前半に取り上げました。── パッと目をひきそうなパンダやキリンなどではなく、ダンゴムシとかチョウなど「まちのいきもの」から始まっているところに挑戦を感じます。瀧先生:あまりにも遠い世界のことを入れてもつながらないので、図鑑を見た後に身近なところで本物を見る、あるいは本物を見て「これは何だろう」と図鑑を見る、ということを双方向で繰り返すことで、知的好奇心は伸びるんです。そして題材は身近だけど内容は本格的。子ども扱いして幼稚じゃないことが大事です。■図鑑の正しい使い方、NGな使い方── ついつい、脳への効果を期待してしまいますが、この図鑑はどうやって使ったらいいでしょうか?瀧先生:一番大切なのは、親自身が楽しむこと。「子どもに興味を持たせなければいけない」と重荷を感じる必要はまったくなくて、親自身が興味を持つところをパラパラめくって、ペンギンが好きならペンギンを、猫が好きなら猫をと興味をもったページを楽しんでいれば十分です。── 大人が楽しんでいれば、子どもも「楽しそう」と思ってくるわけですね。反対に、NGな使い方もありますか?瀧先生:子どもに押しつけることは避けたいですね。勉強もそうですが、「やりなさい」というと子どもは嫌になりますから。あとは、本棚の飾りにせず、テーブルなどいつでもパッと手に取れる場所に置いておくことです。そうすれば、外でチョウを見かけたり水族館に行ったりしたら、帰ってから「なんだろうね」とすぐに調べられます。本棚にしまいっぱなしでは、「なんだろうね」と疑問を持ちながらも調べずに終わってしまうので、せっかくの好奇心が伸びずにもったいないですよね。── やはり「疑問に思ったことを調べる」ということが大切なんですね。忙しい時などつい子どもの「なんだろう」を聞き流してしまう自分としては反省します。瀧先生:疑問に思ったことを調べる、というのは一生使える勉強の基本ですよね。「調べようね」と言って調べるのは、子どもにとってとても楽しいことです。まだ「勉強を勉強と思わない」小さな頃から調べる習慣がつくと、勉強しなければいけなくなった時に自分からどんどん調べることに抵抗がなくなります。── 最後にこの図鑑をぜひ手に取ってほしい、乳幼児のお父さん、お母さんにメッセージをお願いします。瀧先生:いろいろなことに好奇心を持てるようになると、将来どんな道に進んでも、きっと役立ちます。身近な動物や植物にもちゃんと名前がついていて、おもしろい特徴があったりする。そんなことを教えてくれるのが図鑑で、図鑑は世の中の広がりを知り、世の中に興味を持つ最初の一歩になります。その「最初の一歩」として楽しめる図鑑が完成したので、ぜひ親子で楽しんでみてください。参考図書: 「MOVEはじめてのずかん みぢかないきもの」 (講談社)総監修に脳研究者・瀧靖之先生、生きものの監修に動物学者の今泉忠明先生をむかえ、読みきかせできる図鑑として親子で楽しむこともでき、小学校低学年のひとり読みにも最適です。 ファースト図鑑として、小さなこどもが出会う身近な生きものを網羅。 カブトムシ、ダンゴムシ、ゾウ、キリン、ドングリ、はっぱ…子どもたちの好きなものが詰め込まれています。 クイズやコラム、巻末には生きものが登場する昔話も! はじめて出会う自然の世界を、季節を感じさせる本格的なイラストとダイナミックな写真、NHKの貴重なアーカイブ映像で紹介します。文・取材/まちとこ出版社 石塚由香子
2018年04月30日小学生に上がれば幼稚園のときと違って、いろいろな体験をすると思うのよ。勉強はもちろんだけど友だちとの関係など、幼稚園のときとは比べものにならないくらい多くの経験をしていくことになります。そこで大事になってくるのが、子どもの話を聞いてあげること。特に低学年のうちは、新しい経験をお母さんに言いたくてしょうがない子が多いと思うの。学校で習ったことやクラスの友だちのことなど、次から次へ話し出す子もいるでしょう。そんなとき、つい忙しいと「後にして」とか「もう、わかったから宿題やっちゃいなさい」なんて言ってしまうママもいるかもしれませんね。育児と家事で、てんてこまいなのはわかるけど、仕事をしながらでもいいから子どもの話に耳を傾けてほしいのよ。これから大きくなると思春期に入るでしょう? 反抗したり、親と口をきかなくなったりする子もいると思うの。そうなってから、あわてて親があれこれ話を聞こうとしたって、なかなか話してくれません。小さいうちから親が子どものおしゃべりの相手をしてあげていれば、難しい年ごろになって口をきかなくなっても何かのキッカケでまたフッと話し出すようになるんですね。とはいっても、忙しい日常生活の中で子どもとおしゃべりする時間をとるのは、なかなか大変かもしれないわね。 でも、家事のあい間のちょっとした時間に子どもの話を聞くだけなら、できるんじゃないかしら? 親は「へぇ」「ふ~ん」「そうなんだ」などの相づちを打つだけにして、子どもがいっぽう的に話すのを聞いていればいいんです。子どもに意見を求められたら答えるくらいにしておいて、なるべく口をはさまないこと。特に、否定的な言葉は禁物よ。子どもの話を聞いていると「こうしたほうがいい」とか「それは違うんじゃない」など、ついお説教をしてしまうお母さんも多いわよね。もちろん、子どものためを思ってのことでしょうけど、子どもが求めているのは「正しい意見」ではなく「共感」です。親に自分の体験を共有してほしいのね。注意したいことがあったら後で言うようにして、とりあえず話を聞くことに専念してください。人に共感してもらうと元気が出るのは、大人も同じよね? 大好きなお母さんに共感してもらうことは、子どもにとって何よりも嬉しいことなのよ。親として間違いを正すのは当然だけど、お説教は後回し。まずは共感できるところを探して、一緒に楽しんで聞いてあげてちょうだいね。 1年グラフ付【2018年~2019年/恋愛・結婚・仕事・財・転機】新宿の母
2018年04月27日4月23日に放送されたNHK『クローズアップ現代』が話題になっている。テーマは「“道徳”が正式な教科に 密着・先生は? 子どもは?」。今年4月から小学校で教科化された「道徳」について、先行授業に取り組むクラスに密着。そこで浮き彫りになった課題とは?■本当の「家族愛」って? 男の子の意見に涙いままで特別教科とされていた「道徳」が、4月から小学校で、来春からは中学校で正式教科化される。価値観の押し付けになることを懸念し教科化が見送られてきた「道徳」だが、いじめ問題の増加などを理由に教科化を進めたという。「道徳」で教えることが定められた“価値”は「正直・誠実」、「節度・節制」など22項目。国の検定に合格した教科書を使用し、教師が授業を行っていく。番組で放送されたのは、都内の小学校で行われた授業。新任の女性教師はテーマに「家族愛」を選び、『お母さんのせいきゅう書』という教材を選んで授業を進める。母親の無償の愛を通じて、子どもたちに「家族愛」について考えさせることにしたのだ。ある朝、たかしが母親に“「お使い代」「お掃除代」「お留守番代」500円”と書いた1枚の請求書を渡す。昼時、母親は500円と一緒に請求書を渡すのだが、そこに書かれていたのは「病気をしたときの看病代」「洋服や靴」「おもちゃ代」など、すべて0円。それを見たたかしの目には涙があふれる、といった内容である。この話を読んで、ほとんどの生徒たちは“母親が子どもにお金を要求しないのは当たり前”といった意見を述べる。だが、ひとりの男子生徒が母親の気持ちについて「子どもっていいな。えらいことするとお金がもらえるから、私も子どもがいいな」と回答。すると、生徒たちからは大きな笑いが起ってしまう。これを聞いた教師は「お金がほしい、いいなと思うんだったら…」と返したことで、まわりの生徒が「1円、10円、100円でも書いて渡せばいい」と発言。男子はそれ以上声をあげず、静かに涙を流すのだった。■“ねらい”どおりの授業が正解? 「道徳」の問題点「お母さんは家事とかをしても、お金をいつももらえないから、『お金をもらいたい』って気持ちがあってこれを書いた…」。あとから取材陣に対してそう伝えた男子生徒は、なんと母親思いの子どもなのだろう。共働きで忙しく家事をこなす母を思う、まさに「家族愛」から出た言葉だったが、教師はそんな子どもの心のなかまで汲み取ることができなかったのだ。本来、「道徳」にひとつの正解なんて存在しない。しかし教科として扱う以上、“こうするべきだ”というひとつの価値観を“答え”に位置づけ、そこに導く指導をすることが必要となってしまうのだろうか。だが、この方法では、その男子生徒の回答は“不正解”となってしまう。それは、価値観の押し付けとは違うのだろうか…?■「道徳」授業のカギは“多様化”への理解番組に出演していた教育評論家・尾木直樹氏も話していたが、教師の力量によって授業内容が大きく変わるという点も課題のひとつだろう。先程の男子生徒の意見についても、教師がひとつの考えとして受け入れ、あらためて子どもたちに問いかけることができていれば、周囲の子どもたちも「そういうことか」と納得したかもしれない。あるいは「笑ってしまった自分が間違っていた」と反省したかもしれない。じつは、「道徳」の授業の肝はそこにあり、子どもたちが見出すべきは正しい答えではなく、“そんな考え方もあるのか”という多様性を知ることにあるのではないかと思う。“ねらい”まで一直線に辿り着くことがよい授業のように思えてしまうが、それでは物事のうわべをなぞっているだけ。言うなれば“きれいごとの押し付け”のようにも感じてしまうのだ。筆者自身、子どもの頃に受けた「道徳」の授業は「こう答えてほしいんでしょ?」という意図が見え見えで、それに沿った回答をしていた記憶がある。今回、正式教科化となるが、1~5といった数値での評価ではなく、また内申書にも影響はないという。しかし“評価”という基準が入るとなれば、高く評価されたいと思うのが世の常だ。授業で「いじめはいけない」と発言した生徒が、次の休み時間には友達をいじめている…。心から理解していないのであれば、そんな状況が起こりえることが容易に想像できてしまうような「道徳」に、はたしてどんな意味があるのか疑問に感じてしまう。■「道徳」への期待&親としてできることたとえば“友だちとふたりでいるのに、お菓子がひとつしかない”という例文があったとき、きっと求められる答えは「半分にわける」ことだろう。けれども実際に生きていく上では、そのときの状況によって自分が選ぶ答えは変わってくる。必ずしも「半分にわける」ことが正解ではなく、いろいろな選択肢があってしかるべき。もちろん、人を傷つけるようなことはしてはいけないが、いろんな考えがあっていいし、必ずしも自分の考えだけが正しいわけではない。そこまで引っくるめて指導していくのが、本来の「道徳」の在り方のように思うのである。算数のように答えがひとつではない「道徳」において、ひとつの終着点(価値)に向かって授業を進めることは、無理があるのではないか。そうだとしたならば、われわれ親はどうしたらいいのか。そしてそれをカバーできるのは、やはり家庭なのだろうと思える。学校で“答え”を完結させるのではなく、授業内容について親子であらためて話し合うことができれば、「道徳」がより意味のあるものになるのではないか。番組では、「道徳」で取り上げるテーマを子どもたち自身で考えたり、タブレット端末を取り入れている学校も紹介されていた。すでに小学校では教科化がスタートしている「道徳」だが、授業の進め方や目的について、まだまだ考えていく余地があるだろう。そして親である私たちも、もっと「道徳」という教科について関心を抱く必要がありそうだ。
2018年04月27日ウーマンエキサイトで人気連載中のちゅいママさんの記事 「どうか子どもの癖を否定しないで。爪噛みをしていた私が思うこと」 でアンケートを実施し、「子どもの癖」について、ママたちの声を聞きしました。小さなことのようで、気がつくと、どうしても気になってしまう子どもの癖。ママたちはどのように感じ、対応しているのでしょうか。■子どもに「癖」、ありますか?「これまで、子どもの癖で気になった癖はありましたか?」の質問には、その癖が現れていた時期や期間はそれぞれ異なるものの、77.2%の方が「ある」と答えました。Q1.これまで、子どもの癖で気になった癖はありましたか?ある 77.2%ない 20.3%どちらともいえない 2.5%癖が「ある」と答えた方のなかで、とくに多かった癖3つは、「爪噛み」「指しゃぶり」「鼻をほじる(食べる)」。それ以外では「爪、指以外の体の部分をなめる」「髪を引っ張る」「股間を触る」「タオルや服の端を触る、しゃぶる」など、親が気になってしまう子どもの癖はいろいろとあるようです。■爪切りを使ったことがない…。「爪噛み」に悩むママたちちゅいママさんも子ども時代は、「爪噛み」が癖になってしまったといいます。アンケートからも「爪噛み」に関する悩みが圧倒的に多く聞かれました。「爪噛み」の癖は、下は1歳から上は社会人になった子どもまで幅広い層でみられるようです。なかには、親であるママ自身が現在も止められないといった意見もあり、小さな頃に限定された癖ではないようです。一番上の子の爪噛みがひどくて。3番目の妊娠中から始まり、もう3年くらい爪を切ってないです。トップコートを塗ったりばんそうこうを貼ったり、その都度注意したりしましたが、その場しのぎで…。学校から帰ってくると爪はなくなっている状態。もう最近じゃ、よほど気になるときしか声かけてないですが、最初の1年くらいは、随分気にかけました。子ども3人とも爪噛みがあります。爪切ろうとしてもすでにない、というのがずっとです。3人ともダンナに似たのか、爪が少しでも伸びてるというのが嫌なんだと思います。私の爪切りの間隔が長いため、自分で爪切ろうとしたのがきっかけのような気がします。爪をかんだりむしったりします。うちの子の場合も、ちゅいママさんと同じようにテレビを見ているときなど手持ち無沙汰なときです。深爪になりすぎて指先に力が入らないし、巻き爪になりやすく痛々しさもあるのでこっそり悩んでいます。何度話しても主人の理解がなく、(夫が)頭ごなしに怒ってしまいます。「爪噛み」の癖に悩む人のなかには、「足の爪までむしり取ってしまう」や、「甘皮や周りの皮もめくったり、噛みちぎったりして手が血だらけになっている」という声も。癖が治り、爪切りを使えたときは、涙が出るほどうれしかったという声もあるほど、ママにとってはとても深刻の悩みのようです。 ■気にしすぎ? 恥ずかしい? ママが気になるこの癖気がついたら知らぬ間に「癖」がついてしまったわが子。ママはどんなところが気になり、困っているのでしょうか。●指しゃぶり年齢があがるにつれて、「歯並びが悪くなる」、「恥ずかしいから止めて欲しい」と思っています。4歳現在、いまだに止められいません。3歳の次男はいまも指しゃぶりをしていて、外遊び後や病院後の汚い手のときも気づいたらしゃぶることがある。このおかげからか1人だけ病気をよく拾ってくる気がします。入園までにやめてほしい気持ちでいっぱいです。●鼻をほじる(食べる)鼻くそを食べる癖。「汚ないからやめなさい」、「バイ菌の塊だよ」と親が言ってもなかなか止めない。本人が汚ないのももちろんだけど、人が見たら汚くてみっともないからというのが親の本音。●なめる、噛むなど私の娘は手首をしゃぶる癖がありました。きっかけは断乳でした。おっぱいがもらえなくなるとわかると、何かそれに代わる物を彼女なりにさがして、見つけたのが自分の手首だったようです。毎日のように吸うので、タコになってしまい皮膚はただれていました。自分の都合で断乳したことへの罪悪感と悲しさでいっぱいでした。授乳というコミュニケーションの一種を奪ってまで断乳したのが正しかったのかと当時はずっと後悔していました。お気に入りのぬいぐるみの耳をなめる。おなか空いてるとき、眠いときなどやります。今4歳ですが家の中でしかやらないし、本人の安定剤のようなものなので、止めさせていません。私もお気に入りのタオルケット離さなかった過去があるので一緒かなと。自然と本人が止めるまで待つつもりです。●股間を触る末っ子がおちんちん触る癖に悩まされてます。なにが困るって、先っちょがおむつから出たままになるから、そのままおしっこで1日に何回も全身総着替え。寝てるときだと、シーツまでびちゃびちゃになったり。もう! 早く癖卒業してー!年長の長男が、1年くらい前から服の上からですが頻繁にチンチンをかまいます。親の愛情不足、精神不安定なのかと心配で、担任の先生にも相談しました。「その都度『止めなさい』と注意するより、いまは見守った方がいいと思う」と言われました。大きくなれば、恥ずかしいことだと気づくときが来ると。大人になっても触る人もいるので心配ですが、あまり口うるさく言うのは止めようと控えています。その癖が原因となって病気になってしまったらと心配するママ。そして「行儀が悪い」「ママが恥ずかしい」と言った声も聞かれました。ママ友と話している最中に、わが子の「鼻くそを食べている」瞬間を目撃されてしまうと、なんともいたたまれない気分になったりしますよね。■癖は親の愛情不足が原因!? 自分を責めるママたち多くのママが子どもの癖に悩み、「止めてほしい」と思っているようです。また癖の原因がママ自身ではないかと悩む方も多くいました。長女が幼稚園年中の頃に仕事復帰した私。それからしばらくして、爪噛みが始まり、愛情不足なのかとすごく自分を責めました。年長になってもやめられない娘に「やっちゃダメ」と言っても聞かず。先生に許可を得て、透明のマニキュアを「お薬だよ。キレイだね? お姫様みたい! 爪かんじゃったら、お姫様の爪なくなるよ~」と言ったらよくなりました。長女が年長の頃から爪噛みが始まりました。私自身子どもの頃爪噛みが癖で、子どもの爪噛みがショックで怒ってしまいました。私が爪噛みをしていた理由は今思うと、家庭が複雑で両親の離婚などもあったので、ストレスを感じてしていたのかも。そう思うと、ますます私の愛情不足から爪噛みをしているのではないかと思ってしまい…。怒ったら、私の見ているところではかまないんです。でも爪を見ると深爪が進んでいて。それからは『いつかマニキュア塗るとき爪の形もきれいな方がいいよね~』という感じで話すようにしたら、小2になったいま、あまりしなくなりました。どんなに子どもを大切に思っていたとしても、一番に考えていたとしても、ママは常に「愛情足りているかな?」と心配な気持ちがあります。そこに、癖を治したいと思って、ネットで検索すると出てくる「親の愛情不足かも」という言葉に、とてもショックを受けてしまいます。とくに仕事復帰したとき、保育園や幼稚園に入園したとき、2番目の子どもが産まれたときといったタイミングが重なってしまうと、愛情不足という想いがさらに倍増。だからこそ子どもの癖を見つけてしまうと、罪悪感からよりつらい気持ちになってしまうのかもしれません。 ■ママが注意したら止められるものなの?ママにとってもいろいろな思いにかられてしまう「子どもの癖」。ちゅいママさんは「『汚い!』と否定されると辛いし、『またやってるの!?』と怒って突き放さないでほしいのです」といいます。わが子の癖を見つけた親は、どのような声がけや態度で接しているのでしょうか。現在小学3年生ですが爪噛みしてます。あきらかに不安なときにするので、指摘は一切せず、「痛くない?」とだけ聞くようにしています。わが家では指を吸う癖を「指ちゅっぱ」と呼んでいました。やはり、幼稚園に通うようになって、先生から愛情不足は疑われたし、小学校に入学してからは、お友だちにからかわれてしまうので多少、「困ったな~」とは思っていました。前歯が出っ歯になっちゃうし、親指はただれてくるし、止められるものなら止めさせたかったので、何度か注意はしましたが、一生ちゅっぱし続ける訳じゃないだろう! と、途中で開き直ったら、いつの間にかしなくなっていました。4才息子が半分爪がなくなる程かんでいます。私も含め、まわりが注意しすぎたようで 最近ではトイレで10分程こもります。この間 こそっと開けたら爪噛んでました。1人時間を楽しんでました。ちゅいママさんの記事を読んで 反省してます。もう注意はしない。本人もわかっているからこそ 隠れてするんですね。ちゅいママさんも、「子どもながらに、よくない癖だとは自覚していますし、やめなくちゃいけないことはよく分かっています。」と言っています。もし癖が不安な気持ちを置き換えたり、それをすることで安心を得られたりする意味合いがあるのだとしたら、厳しく注意してしまうことは、子どもにとっては否定されているような気分になるのでしょうか。■夫に「育て方が悪いんじゃないか」と責められたら…アンケートでは、「癖=親の愛情不足」を信じた夫から、「妻の育て方が悪いんじゃないか、ストレスや不安を与えているんじゃないか」と、言われかなり落ち込んだという意見もありました。ママ自身が子どもの癖を「親の愛情不足」と感じている場合、また身近な人に責められてしまう場合など、状況は異なりますが癖の原因をそのように考えている人は多いことでしょう。そして実際に断乳、入園といった環境変化などによって、癖が起こってしまう子どももいるのだろうと思います。ただ冒頭のアンケート結果のように、「子どもの癖が気になったことがある」と答えた人は8割弱もいます。それだけ多くのママが癖に悩んでいるということは、ママが深刻になりすぎないことも大切なのではないでしょうか。一人で抱え込まずに、夫、仲の良いママ友、保育園、幼稚園の先生などに相談をしてみるだけでも、ママ自身の気持ちが少し落ち着くと思います。ただ体を傷つけてしまっている場合、何らかの影響が出ている場合はもちろんのことですが、やっぱり気になってしまうという場合にも、専門家や医師などの受診を受けてはいかがでしょうか。「癖」は知らないうちに始まって、知らないうちに終わっているということも多いもの。ママが「自分のせいではないか?」という思いにとらわれ、より癖を嫌悪する気持ちが強まってしまうと、つい強い口調で止めさせようとしがち。そうなると、「やっていない」と反抗されたり、「またやっている!」とママが言っただけでビクッと怯えてしまったりするようになるのかもしれません。もしお子さんに気になる癖を見つけたら、ママ一人が悩むのではなく、家族に相談してスタンスを共有しましょう。もし夫が「妻の愛情不足」であることを責めたり、子どもを怒鳴ったりしてしまう場合には、まずは夫婦で話しあうことが先決だと思います。そして言葉に出して癖を止めさせようとなった場合でも、追い詰めるような形ではなく、おおらかに子どもの癖と向き合えていけたらいいですね。Q1.これまで、子どもの癖で気になった癖はありましたか?回答数:355Q2.それはどんな癖ですか? また子どもの癖に気が付いたときにどう思いましたか?※「ある」「どちらともいえない」と回答された方のみ回答数:247件アンケート集計期間:2018/4/19~4/23
2018年04月26日ママたちにとって永遠のテーマとも言える「子どもの育て方」。正解がないものだからこそ、ほかのママたちがどんな子育てをしているのか気になる方も多いのではないでしょうか。東大理Ⅲに兄妹4人全員が合格したという佐藤ママこと佐藤亮子さんと、昨年の世界選手権で銅メダルを獲得した卓球選手・平野美宇さんの母・平野真理子さんのお二人が、「どうすれば子どもの『生き抜く力』を育てることができるのか」というテーマで対談していただきました。東大合格、世界で活躍するスポーツ選手。こんなすごい子を育てるお母さんは、どんな子育て方針を持っているのか、そして子育てのゴールとは何だと思っているのかをたっぷりお話をうかがいます。■嫌いなもの、苦手なものを克服するには東大理Ⅲに兄妹4人を合格させた佐藤さんは勉強法やスケジュールの立て方など、こだわりの持論で成果を出してきたママ。一方の平野さんは元教師で、退職後は卓球教室を開設。長女の美宇さんが3歳の頃から卓球を教えていました。このように聞くと、お二人の子育て法は、「厳しいスパルタなのでは?」と思ってしまうかもしれません。しかし実際にお二人の「子育ての基本方針」は意外にも「親子で楽しく」でした。「子どもが納豆が苦手なとき、ただ『食べなさい』って言うんじゃなくて、納豆でプリンを作ってしまうんです。カップ型にまずは納豆を入れて、上からご飯をギュッギュッと押し込んで、お皿にひっくり返す。名付けて“なっプリン”。こうすると、楽しくなって食べるんです。なんでも遊びながらやっていました」(平野さん)「『苦手なものをいかに克服させるか』というのは、工夫次第ですね。平野さんのように、まずは既成概念を疑ってみて、『こうしたら子どもにウケるかな?』と考えて、自分なりにカスタマイズするのが大事だと思います。そうしたら親自身も楽しくなって、親子で笑顔になる。」(佐藤さん)子どもが苦手とするもの、たとえば食べ物や生活習慣などがあれば克服させたいと思うのが親心。でも正面から苦手なものに立ち向かわせるのではなく、平野さんは「楽しさをプラスアルファ」することでいつの間にか克服させてしまうのだそう。■佐藤ママ流「暗記したいものは斜めに貼る」とは?佐藤さんが編み出したアイデアは、著書などで広く知られているものが多くあります。そのなかには、実際に平野さんが実践しているものもいくつかあるそう。●「2ヵ月カレンダー」通常のカレンダーは1ヵ月が終わってから、めくります。しかしこれだと、次の月のはじめに予定があったとしても、めくらないと気がつかない。カレンダーをめくって、はじめて「あと〇日しかない!」と焦ることに…。そこで2ヵ月分並べて貼ることで、大事な試合、大事な試験といった予定に向けて、先を見とおして準備することができるというわけです。●「暗記したいものは斜めに貼る」「紙に暗記したいことを書いても、キレイに貼ったらダメなんです。斜めに貼ることで、違和感・気持ち悪さが生じる。だからこそ自然に目がいって覚えてしまうんですね」(佐藤さん)これこそ発想の転換。子どもがどうしたら楽しんでくれるか、自然にできるようになるのかを徹底的に考えて導き出されたアイデアです。■「集中できない」は子どもの問題ではなかった!勉強にしてもスポーツにしても、上達するためには集中力は必要不可欠。でも、子ども自身も集中力をコントロールすることは難しい。お二人はどのような対策をしているのでしょうか。「勉強だと、問題がいまの自分のレベルより難しくて集中できないという場合が多いのです。だから問題を、ちょっとやさしいものから始めたり、おもしろい問題を見せたりすると集中すると思います」(佐藤さん)「卓球も、練習内容が楽しかったら集中します。自分の能力に合った課題とゴールを明確にすれば、自然に集中するし、楽しくてやる気も出て、少しずつレベルアップしていきます。美宇だったらキティちゃんが好きだったので、ピンポン球をおにぎりに見立て、『キティちゃんにご飯をあげようね』と言って、キティちゃんを狙い打ちする練習などをしていたんです」(平野さん)「集中できない」のは子どもの問題と思いがち。しかしこれも発想の転換で、課題のレベルを下げることが結果として集中力を高めることができるとは! そしてここでも“楽しく”が基本方針。「勉強は、楽しく効率よくやったら点数は取れると思っています。点を取ったら子どもは楽しい。大学に行くかどうかは置いておいても、『学校が楽しい』って子どもには思ってほしかった」と佐藤さんはいいます。勉強と卓球、ジャンルは違うのに、おふたりの考えること、実践されていることには、共通点が多いように思えます。■子育ての最終目標は、自立よりも“自活”「子育ての最終目標はなんですか?」と聞かれたら、みなさんはどのように考えますか? 佐藤さんの考えるゴールは、「自立ではなく『自活』」だと言います。親はいつか死ぬから、自分自身で稼いで生活できるようにしなければならない。そのために佐藤家では、将来選択の範囲が広がるようにと「基礎学力を付けること=勉強」を重要視したといいます。なぜならいざ自分で自活しようと思ったときに、自分の好きな職業を選べる範囲が広がるから。一方平野さんは、「子どもと一緒にいる時間で、人としての基本的なこと――自分のことは自分でできるとか、人と接するときの礼儀など、土台を作らなければならない」と思っていたそう。「美宇の場合、夢をかなえるためには小学校卒業と同時に県外へ出る可能性が高いと覚悟していたので、12歳までに基本的なことを教えなければと、かなり濃縮した時間を過ごしましたね」(平野さん)「子育てにはタイムリミットがある」という、佐藤さんが話す言葉にドキっとさせられます。“子どもが親元を離れるまでに、一人で生き抜く術を身につけさせたい”という思いは、多くの親が共通して持っていることなのではないでしょうか。■子どもの「生きる力」を育てるためにはあらゆる情報が簡単に手に入る時代、多くの情報を目にしすぎて混乱してしまうのは、ママも子どもも一緒。アプリが正しい情報を導き出してくれるかもしれませんが、そのアプリが壊れてしまったら…。「いまは情報が多い時代なので、お母さんが自分の方針を立てて、それに沿って情報を自分で選び判断して欲しい。基準は『だれかが言っているから』ではなくて、『正しいか正しくないか』だと思います。『だれかが言っているからやめよう』とお母さんが子どもを叱ったら、子どもはお母さんを信じられなくなります。人によって意見は違うから、それにいちいち流されていたら、毎回お母さんの意見はぶれてしまい、母子で迷ってしまいます」(佐藤さん)「『いま、正しいって世間で言われていても10年後は間違った情報かもしれない』と子どもには伝えています。だから情報を自分で仕入れて、正しく判断する力をつけることが大事だと思います。親がいなくなったあと、何も判断できない子になってしまったら困るでしょ。子どもの教育が正しいかどうかは、のちのちその本人にしかわからない。子どもが『自分の人生は幸せだった』と思えれば、成功なんだと思います。だから世間に惑わされず、親は自分の信じた道を行って欲しい」(平野さん)最後に、「いま、子育て中のママたちに伝えたいこと」をお聞きしました。「まだ生まれたばかりの小さな子がいるお母さんだと、『いつまで続くんだろう』と考えてしまうと思います。でもあっという間。子どもと一緒にいられる時間は長いようで、じつはとても短い。それに気づくと、きっともっといまを笑顔で楽しめると思うんです」(平野さん)「親がいつも笑顔でいれば、子どもたちは安心して過ごすことができます。たとえば子どもに悩みごとがあったときに、親が暗い顔をしていたら感情を隠してしまうかもしれません。子どもが安心してすなおな感情を出せる環境であるためにも、親はニコニコ笑顔でいることが大事だと思っています」(佐藤さん)子どもにとって一番身近な大人が笑顔でいることを大事だとするお二人。世の中が大きく動いていて、ママが困った事態ももっと起きてしまうかもしれません。それでもママの笑顔があれば、子どもが大人になることが「楽しいこと」と思えるかもしれませんね。■今回対談されたお二人の著書● 『志望校は絶対に下げない! 受験で合格する方法100』 佐藤亮子/著 ポプラ社兄妹4人全員を東京大学数Ⅲに合格させた凄腕ママぶりで人気を博す佐藤ママこと佐藤亮子さんが、勉強法からスケジュールの立て方、しつけと言葉かけ、親のスタンスまで、受験に合格するための100の方法を紹介する。● 『美宇は、みう。 ―夢を育て自立を促す子育て日記』 平野真理子/著 健康ジャーナル社昨年の世界選手権で銅メダルを獲得した平野美宇選手を長女に、3姉妹を育てる平野真理子さんによる子育てエッセイ。プロ卓球選手の長女美宇、しっかり者の次女、発達障害のある三女。三人三様の三姉妹の夢に寄り添いながら、子どもの自立を見守っていく。
2018年04月24日4月は大きく環境が変わる季節です。入園、入学などに加え、このタイミングで育児休業を終えて仕事に復帰するママも多いのではないでしょうか。出産から常に一緒にいた我が子と離れ、育児と仕事を両立していくという大変さもあるでしょうが、子どもにとっても大きく環境が変わります。いきなり長時間預けるのではなく、徐々に時間を延ばす「慣らし保育」を取り入れる園が増えていますが問題点等もあります。慣らし保育を行う際にはどんなポイントを押さえておけばよいのでしょうか。保育時間を少しずつ延ばす慣らし保育慣らし保育は、新しく入園する子の保育時間を始めは短時間から少しずつ延ばしていくものです。その期間やスケジュールは園と相談したり希望で決めたりすることとなります。慣らし保育の期間は、最短で3日・最長で2週間と言われていますが、一般的には1週間~10日程です。最初は保育園に預ける時間を1~2時間からスタートし、昼食後・昼寝後・夕方まで、と徐々に時間を延ばして慣らしていきます。育児休業を終え保育園に預けると、子どもにとっては毎日親と自宅で過ごしていた生活から大半を保育園で保育士らと過ごす生活に変わります。急激な環境の変化に対応できないということを防ぐために、慣らし保育を実施する園が増えたのです。親にとっても、保育園に子どもを預けながら働く生活を徐々にイメージすることができます。慣らし保育を実施するにあたっての弊害育児休業をあけたママに企業側は復帰当初から通常(フル)勤務を期待することが多いです。ママとしても「仕事を休めない」「保育料を払っているのだから通常の時間預かってほしい」という声も少なくありません。慣らし保育を行う間は仕事を休んだり早退しなければならなかったりするため、育児休業を利用したり復職後の場合は有給利用や欠勤扱いなどで対応する必要があります。夫婦交替で半休を取ったり、祖父母や親戚に協力をあおぐ、ファミリーサポートなどの地域サポート制度を利用したりするなど工夫している家庭も多くあります。保育園に預け始めのころは、保育士も一人一人の生活リズムや性格を十分把握しておらず十分な保育が行き届かなくなります。慣らし保育を行うことで、子ども・親・保育士がそれぞれ余裕を持って信頼関係を築くという効果が期待できます。こうした背景を踏まえ、多くの施設で慣らし保育を実施する方向となっています。市区町村でも、慣らし保育への理解を促すための取り組みを実施しているところが増えています。実施するためには弊害もありますが、新しい環境に無理なく慣れるためには時間が必要です。特に低年齢の子どもにとって急激な環境の変化は情緒不安定を引き起こし、泣き続けたりご飯を食べなかったりと過度なストレスを伴うこととなります。慣らし保育を行う際のポイント・1週間ほどかけて徐々に時間を延ばしていくことが望ましい・慣らし保育をどう進めるかは、保育園と相談して決める・保育園の送迎時や連絡帳などを活用し、保育士らに子どもの性格や好きな遊びなどを積極的に伝える・甘え泣きのような泣き方をしている時は、保育士に任せて潔く退室する・お見送りの時に、バイバイやハイタッチなど、気持ちを切り替えることのできるサインを習慣化する親にとっても子どもを預けて働くことは、不安な部分があります。さらに仕事の都合などで焦る気持ちもあるでしょう。しかし親の不安な気持ちを子どもは敏感に感じ取ります。可能であれば慣らし保育を取り入れ、スケジュールに余裕を持たせ、焦ったり不安な様子を見せたりせずにどっしりと構えましょう。親が心配するよりも子どもは早く新しい環境に順応するものです。慣れやすい環境を作ってあげたら、後は過度に心配をせずにしっかりと子どもと向き合ってあげましょう。
2018年04月23日良好な人間関係は、幸せを感じる上でもっとも重要な条件のひとつ。共感力のある人は、そうではない人より成功の度合いが大きいことも研究からわかっています。共感力を身につけることで、他人も自分自身も、より尊重できるようになるそう。今回は、そんな「共感力」についてお伝えします。【世界一幸せな国デンマークの子育て】連載 Vol.1 日本の子育ては、子どもを「幸せな大人」にできるのか? Vol.2 困難に負けない「折れない心」を育てるために、親ができること ■共感力って、何ですか?共感力とは、他人の気持ちに感情移入できる力。その感情を理解するだけではなく、気持ちに寄り添うことができる力のことを言います。「共感力がありすぎると、いまの世の中、かえって生きづらいんじゃないの?」。そんなふうに思うかもしれませんね。でも、ちょっと想像してみてください。成功している人は一人で働いてはいません。人生においてプラスの結果を得るためには、他人のサポートが必ず必要です。たとえばママが「この人と一緒に仕事をしたい!」と思う人は、どんな人でしょうか? きっと自分の感情に、きちんと向き合ってくれる人なのではないでしょうか?■完璧なママの子どもは、共感力が低くなる?じつは、「何でも、ちゃんとできちゃうママ」は、子どもの共感力の発達に悪影響を及ぼすことがあります。「わが子に失敗させたくない」「嫌な思いをさせたくない」と、子どもの前の石ころをせっせと拾い、子どもの願いをすべてかなえてあげようとするママ…。完璧なママとして弱い自分を子どもに見せないと、子どもが持つ「他者の感情を読み取る能力」の発達をさまたげ、ひいては共感力を減退させてしまいます。過保護な家庭に育った子どもはナルシシズム、不安障害、うつ病になりやすい傾向があるそうです。なぜなら子どももまた「完璧な自分」を作り上げようとしますが、そのための行動と、本来の自分の感情とが一致しないために、自己調整がうまくいかないからです。■子どもの感情を受け止めるでは、どうすればいいのでしょうか?デンマークの親は、子どもと話をする前に、子どもの感情をまず受けとめることを考えます。「どうしたの? なぜ泣いているの?」その後、親の目線から見える内容を伝えます。「あなたは怒っているのね。どうして怒っているの? あの子がおもちゃを取ったから? あの子はまだ小さな赤ちゃんなの。わざとやったとはママには思えないわ。あなたは、どう思う?」子どもの感情に常にもっともな理由があるとは限らないですし、簡単に解決できる方法が見つかるとも限りません。しかし、少なくとも子どもの感情を受け止めて批判しないように努めれば、親は子どもに「人を尊重すること」を教えることができます。■デンマーク流「共感力」の育て方自分が何かを思うたびに「ばかばかしい/不必要/間違っている」と批判され、「こう感じるべきだ」と強要されたら、ちょっと、いや、相当イヤな気分になりますよね?(笑) デンマーク流の共感力の教育の大きな柱は、批判しないことなんです。デンマークの親は、自分の子どもやその友人や家族に厳しすぎる批判をしません。一番声が大きい人だけではなく、家族の全員に、「意見を尊重してもらう権利がある」と考えているからです。自分にも他人にも、「寛容であること」が最優先。子どもは、ママのマネをします。寛容なママの姿勢は、子どもを「他者への批判が少ない大人」に成長させる助けになることでしょう。この「他者」は、ほかならぬママ自身も含まれています。■日本のママはどうしたら感情を受け止められる?そうは言っても、日本のママにとって「批判なく子どもの感情を受け止める」のは、なかなか難しいこと。なぜなら、自分が「批判なく感情を受け止めてもらった経験」が、あまりないからです。まずは、自分の共感力のスタイルを理解することから始めましょう。次の質問について考えてみたり、パパと話し合ってみたりするのも良いかもしれませんね。<「共感力」のヒントへの問い>・私にとって、共感力はどんな意味を持つ?・私のパートナーにとって、共感力はどんな意味を持つ?・私は、自分と他人に批判的? パートナーは、自分と他人に批判的?・そのことが、言葉の使い方にどのように反映されている?・もっと共感力を強めて批判を減らすために、言葉遣いをどう変えればいい?■壊れた人間関係は、心理的ダメージを受ける壊れた人間関係は、肉体的・心理的なダメージの原因になることが証明されています。共感と許しは、脳の同じ領域を活性化させるため、共感力を磨けば、「許す・許される」が楽にできるようになります。大切な友人や家族との良好な人間関係。これはお金よりもはるかに大切な、真の幸福を決定づけるもっとも重要な要因のひとつなのです。■デンマーク企業で働く女性たちの声デンマーク人の子育てが、日本人の私が「無意識に伝承していた子育て」と大きく違うことにカルチャーショックを受けました。これぞ異文化体験なのでしょうか!? この記事を書くためにデンマーク企業で働く女性たちにお話しを聞いてきました。ある人は、「デンマーク人の上司は、私に寄り添ってくれます。『必要なことがあったら、サポートをするから遠慮なく言ってね』というのが、彼らの基本スタンスなんです」とおっしゃっていました。毎日、子どもを叱ってばかりで苦しい。そんなとき、「子どもが『未来の幸せな大人』になるために、適切なサポートって何だろう?」。ちょっと立ち止まって、考えてみることができると良いですね!■今回の記事の参考文献 『デンマークの親は子どもを褒めない~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~』 ジェシカ・ジョエル・アレキサンダー/イーベン・ディシング・サンダール 著/鹿田昌美 訳/集英社 ¥1,500(税別)ジェシカ・ジョエル・アレキサンダーさんアメリカ人の作家、コラムニスト、文化研究者。デンマーク人と結婚して13年になり、常に文化の違いに強い関心を持ってきた。イーベン・ディシング・サンダールさんナラティブ・セラピーの認定療法士など資格を持ち、コペンハーゲン郊外で個人診療を行う。専門は家族と子どものカウンセリング。翻訳者 鹿田昌美(しかた まさみ)さん国際基督教大学卒業。訳書に「フランスの子どもは夜泣きをしないーパリ発『子育ての秘密―』(集英社)など多数。
2018年04月20日最近気がついたんですけど、私の息子3人にはあんまり「癖」がないんです。例えば、指吸いをしたり、ずっと鼻をほじっていたり、おむつの中に手を入れてしまうといったような癖は、3人とも小さいころからこれといってありませんでした。ふと、そんなことを考えているうちに思い出したのですが、実は私、爪噛みがやめれない子どもだったのです。しかし、わが子はというと、今のところ誰も爪を噛んでいません。どうして自分があんなに爪を噛んでいたのか気になって、「子どもの爪噛み癖の原因」を調べてみました。すると、子どもの爪噛みは「親の愛情不足」や「欲求不満」「ストレス」「不安・寂しさ」が関係していると書かれているではありませんか。親になった今、もしわが子に爪噛みの癖がついていたらやはり気にしてしまうと思います(自分のことは棚に上げて)。気にしているところに、さらに爪噛みの原因が親の愛情不足、不安・寂しさの表れだと知ってしまったら、やはり親としてショックですし、「私の愛情のかけ方が足りないのかな」と悩んでしまうと思うのです。でも、ちょっと待った!!本当に爪噛みの癖は、親の愛情不足が原因なのでしょうか。ちなみに私の場合ですが、爪噛みをしていた理由は特にありませんでした。「え!?」と思われるかもしれませんが、挙げられている愛情不足もストレスも欲求不満も……(どうにかしてそこに結び付けようと試みてみましたが)本当にどれにも当てはまりません。ただ、爪噛みをしてしまう時間帯は学校の授業中がほとんどでした。難しい問題を解いている最中だとか、嫌いな授業中だとか、特にそういった法則性もありません。どんな授業でも、話を聞いている最中にただなんとなく手が暇だから、手持ち無沙汰を満たすため、爪をむしったり、指の皮を剥いたりしていました。椅子にはじっと座っていられるのですが、手を静かにして聞くことが苦手で、かといって教科書に落書きをしていると怒られちゃうし、物をいじっていると集中していない子のように見られてしまって結局怒られちゃうし…。そんな中で、爪や指という「遊び道具」は身近で便利なのです。爪をかじっているせいで授業に集中出来ていないかというワケでもなく、話は話としてちゃんと聞いていましたし、授業に遅れるということも特にありませんでした。爪をむしったり、指の皮をはいでいくと当然痛みがあります。血がにじむほどまでむしったりしていましたから。ただ、ここが厄介なのですが、「痛いんだけれど止めれない」「痛いんだけれど、もっとむしりたい」という中毒性のような気持ちがあって、当然自分でもこの癖はよくない癖なんだということは分かっていて、止めなきちゃいけないという思いはあったのですがなかなかやめることが出来ませんでした。話が前後しますが、実は大人になってからも爪噛みが酷くなった時期がありました。ズバリ、第一子のつわりの時期です。長男妊娠時のつわり時代は本当に辛くて、ベッドから起き上がれすらしない日々が続きました。一日中気持ちが悪いし、吐き続けるし、とにかく体がダルくて、テレビも観たくない、音楽も聴きたくない、本も読みたくない、ただただ無音、無味無臭な空間の中で横たわってるしかできませんでした。そのころ、私の中指の爪が完全になくなりました……(本当に)。あまりのしんどさに、無意識のうちに爪を剥ぎ続けたようで、爪がなくなってしまったのです。これに理由を与えるとしたら、「置き換え行為」のようなものだったように思います。妊娠できて喜びいっぱいうれしさいっぱいの反面、朝起きた瞬間から既にしんどいという絶望感を爪を剥ぐ痛みで紛らわしていたのだと思います。ちなみに、子どものころの私の噛み癖について、唯一、気にとめてくれたのは小学校の保健室の先生でした。高学年のころ、図工の時間に指を切り保健室で手当てしてもらった時、私の指を見て保健室の先生が一言言ったんです。「あんまりやり過ぎちゃダメだよ」と。だって親指の皮が広範囲で剥けて、中指周辺もボロボロになっていましたから。こんな指の状態の生徒を見かけたら、「何か不安なことはない?」とか「何か困ってることはない?」と聞く先生も多いのかもしれませんが、当時先生は何か突っ込んだことを聞いてくるわけでもなく、止めなさいよと言うわけでもなく、「ほどほどにしときなさいよ」ぐらいのテンションでした。しかし、これが案外ありがたかったのです。この時、「なにやってるの!」とか「やめなさい!」「汚いよ!」なんて言われたら、きっと私は傷ついていたと思います。子どもながらに、よくない癖だとは自覚していますし、やめなくちゃいけないことはよく分かっています。分かっているけどやめられないものに、「やめなさい」と言われるよりも、「ほどほどにしときなさいよ」と言ってもらったことで自分を責める気持ちが和らぎ、「少しずつ我慢するようにしなくっちゃ」と思えるきっかけになったように思います。誰にも否定されなかったということは、私にとってラッキーだったと思います。かといって、子どもの爪噛みは放っておけばいいというものではありません。注意深く見てあげて、不安や悩みがないかよく話を聞いてあげることは必要だと思います。しかし、一概に親の愛情不足やストレスが原因だと言い切れない事もあるように思いますし、私のように、特に理由もなく、ただなんとなくやってしまう子もいると思います。とにかく手が暇なんです…!何かをいじっていたいけど、いじるものがないから爪をいじってしまうんです。ただそれだけ。だから「汚い!」と否定されると辛いし、「またやってるの!?」と怒って突き放さないでほしいのです。爪噛みの対処法に、爪に苦いマニュキアを塗るなどの方法が存在するらしいのですが、今もし、当時の私に何かをしてあげられるならば……「手に持てる何か」を与えてあげたいなと思います。爪に代わる何かを。例えば、梱包する際に使うプチプチだったり、柔らかい触感のボールだったり、ずっと手の中で動かしていられる何かを与えてあげたいです。ただ、ここが難しい。場所が学校となると「一人だけ特別」ということがなかなか許されません。1人だけ授業中にボールを持ってるとか、プチプチをつぶしてるという行為は、ほとんど受け入れられないように思います。具体的な病名だったり、診断名がついていればまた違ってくるのかもしれませんが、「爪噛みが止めれなくて…」という理由で、特別な持ち物を許してもらえるかどうかは微妙なところです。手に何かを持っていじっているからといって集中していないわけでもないんですが、どうしても集中していない子のように見られがちですよね。本人は意外とそんなことないかもしれません……。子どもの性格や癖はその子によってさまざま。1人ひとり集中できる状況も違うんだ、ということを認めあえる風土になれればいいですよね。【お知らせ】前回の 「『女の子も欲しかった』と思うのは悪いことじゃない。3兄弟の母のホンネ」 の記事下アンケート「Q. 男の子、女の子どちらが欲しい?」のアンケート結果はこちら↓
2018年04月19日40年以上もの間、世界でもっとも幸福な国であり続けるデンマーク。その国で「親が子どもに与えられる最高の贈り物」とされているのが「リフレーミング」というテクニックです。今回は、そんな「リフレーミング」についてお伝えします。【世界一幸せな国デンマークの子育て】連載 Vol.1 日本の子育ては、子どもを「幸せな大人」にできるのか? ■大人になって成功できるのは「折れない心」「リフレーミング」とは、自分が世界を見ている額縁(フレーム)をとり替えること、いわば情報を再解釈するテクニックです。アメリカの多くの企業では、リフレーミングの研修が行われています。なぜなら、リフレーミングは、レジリエンス(折れない心)に欠かせない能力と見なされているからです。レジリエンスは、最近の教育界の「キーワード」でもあります。教育関係者に取材すると皆さん異口同音に、「今、もっとも子どもたちに必要なのは、レジリエンス(折れない心)です」と、おっしゃいます。ハーバード・ビジネス・レビュー誌の記事では、アメリカのある創業者社長がこんなふうに言っています。「経験よりも訓練よりも、人のレジリエンスのレベルが成功者と落語者を決定づける。それはガン病棟でも、オリンピックでも、役員会議室でも言えることだ」。 ■「折れやすい心の子」にしてしまう親の言葉ところで、私たちが既に持っている「フレーム」は、何によって形づくられているのでしょうか? それは、言葉です。普段、何気なく子どもにこんな「フレーム」を投げつけていませんか?あなたは、何をやってもダメよねこの子は、繊細すぎるあなたは、わがまま!この子は、数学が苦手あなたはスポーツがあまりできない親からそう言われ続けている子どもは、これらの「フレーム」につじつまを合わせる行動をとるようになります。やがて子どもは「自分はそういう子だ」と信じ込むようになって、何かにトライするなんていうことはせず、「折れやすい心の子」の一丁あがりです。与えられた物語がいったん人生の一部になると、自分のなかから追い出すのは至難の業。つまり自分や子どもについての気に食わないことをくり返し口に出すことで、まさにその欠点を強化してしまうのです。■デンマーク流の言葉がけでは、どうしたら良いのでしょうか? デンマーク人は、子どもに対しての言葉がけがとても上手です。子どもが不機嫌な時、一緒に感情の波に巻き込まれて乱暴な「フレーム」を投げつけるかわりに、そうなった理由を子ども自身が気づけるように促します。少し長くなりますが、デンマーク流の親子の会話例を引用してみましょう。私は、この会話を声に出しながら読んでみました。声に出してみると「心に入って来る言葉」はわかるものですね。読み進むうちに、私はゆったりとした気持ちになりました。「どうしたの?」「別に」「様子がちょっと変だけど、何かあった?」「まぁね」「どういうことなの?」「わからない」「悲しいの? 怒ってる? 嬉しい?」「悲しい」「どうして悲しいの?」「悲しいのは、ゲイリーが遊び時間に私の人形を取ったから」「彼が人形を取ったのね。どうしてあなたの人形をとったのかしら」「彼が意地悪だから」「彼は意地悪だと思う? ゲイリーはいつも意地悪なの?」「そうよ」「でも、先週はゲイリーとたくさん遊んでいたんじゃなかった?」「そう」「そのときは意地悪だった?」「ううん」「なるほど。じゃあゲイリーは優しいときもあるのね?」「うん。優しいときもある」出典: 『デンマークの親は子どもを褒めない』~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~ デンマークの親は、子どもが自分の感情をきちんと言い表せるようになるのを上手に手伝い、建設的な思考へと導きます。これはリフレーミングに欠かせない作業です。自分の感情を、きちんと言い表せるようにする。これ、本当に大切ですよね。私自身、ひとりの母親として、「子どもと、そんな会話をしたことなかった」と反省しきり…。■ネガティブなことばかり言ってしまう場合会話の続きに戻ります。「彼が人形を取ったとき、どうなったの?」「私が泣いちゃったの」「人形を取られて悲しくなったのね。その気持ち、わかるわ。じゃあ、今度ゲイリーに人形を取られたとき、悲しくならないためには、どんなことをすればいいと思う?」「ゲイリーに返してちょうだいって言う。それとも、先生に言おうかな」「返してちょうだいって言うのが、良い解決策だと思うわ。ゲイリーは人形遊びが好きなの?」「時々ね」「返してちょうだいって言う以外に、何かできることはあるかしら?」「一緒に人形で遊んでもいいかもしれない」「それは素晴らしい解決策だわ。ゲイリーは、本当は優しい子なんだから、今度そんなことがあったら、一緒に遊びたい? ってきいてみたら?」「そうする!」出典: 『デンマークの親は子どもを褒めない』~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~ 「物ごとの良い方の面を見る」というテクニックは、あらゆる状況に活用できます。出来事をきちんと分析し、状況を建設的にリフレーミングするために必要なキッカケを探す。そこから物語を紡ぎなおす。ママ自身がリフレーミングを知ることで、いまよりもっとハッピーな気分になれるのではないでしょうか? たとえば子どもに対してネガティブな決めつけを言いそうになったときは、「わが子の違ったストーリー」を見つけてみては? ふとわれに返れたとき(返れなくても、落ち込まず…)、自分に少し余裕があるとき、一つずつでも「わが家の言葉」を変えていくだけで、子どもに大きなプレゼントができているのだと私は思います。「リフレーミングは、練習を積めば楽にできるようになり、楽しめるようになるでしょう」とは『デンマークの親や子どもを褒めない』の著者の弁。何だか、希望が湧きますね!■今回の記事の参考文献 『デンマークの親は子どもを褒めない~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~』 ジェシカ・ジョエル・アレキサンダー/イーベン・ディシング・サンダール 著/鹿田昌美 訳/集英社 ¥1,500(税別)ジェシカ・ジョエル・アレキサンダーさんアメリカ人の作家、コラムニスト、文化研究者。デンマーク人と結婚して13年になり、常に文化の違いに強い関心を持ってきた。イーベン・ディシング・サンダールさんナラティブ・セラピーの認定療法士など資格を持ち、コペンハーゲン郊外で個人診療を行う。専門は家族と子どものカウンセリング。翻訳者 鹿田昌美(しかた まさみ)さん国際基督教大学卒業。訳書に「フランスの子どもは夜泣きをしないーパリ発『子育ての秘密―』(集英社)など多数。
2018年04月19日突然ですが、子育てをしていて、幸せですか? 「毎日、子どもを叱ってばかりで子育てが、苦しい」。そんな気持ちを経験したママも多いかもしれませんね。「もっと違う子どもの育て方があるはず…」 そんなことを感じたことがあるママたちに、「世界一幸せな国」の子育て事情をお届けします!■40年以上も世界一幸福な国はどこ?「世界一幸せな国」に、デンマークは、1973年から40年以上ほぼ毎年選ばれています(OECD(経済協力開発機構)が選ぶ「世界一幸福な国」に選出)。デンマークは北ヨーロッパに位置する小さな国です。日本人にとっては、「童話作家アンデルセン」と、「レゴ®」くらいしかなじみがないかもしれませんね。しかしデンマークは、国際連合の「世界幸福度調査」の2017年度ランキングでも世界第2位。ちなみに、日本は51位です。■日本の「子育ての価値観」は世界的に正しいのか?世界幸福度調査は、「人々の心理的な幸福度こそが重要」という視点で分析されているそうです。「心理的な幸福度って、何?」 そう思ったのは私だけでしょうか? 「いい学校に入って、いい会社に就職する」とか「結婚して、子どもを産む」とか…。幸福=枠から外れない人生をきちんと歩むこと。それくらいしか思い浮かばない私は、「そもそも幸福について、真剣に考えてみたことがないのかも」と思いました。でも、これが日本の現実(世界幸福度調査51位)かもしれませんね。今回、ご紹介させていただく『デンマークの親は子どもを褒めない』の著者は、「親として大切なのは、まずは自分の『初期設定』を確認することです」と、言っています。多くのママたちが、「普通の日本の価値観」の下で育ち、これが初期設定となっていることでしょう。「日本で『正しい』とされている子育ては、そもそも『未来の幸せな大人』になるために必要なことなのか?」 そんな疑問を持ってみることが、「未来の幸せな大人」を育てる子育ての第1歩です。■ママを楽にする「デンマーク流子育て術」では、デンマークの子育てで大切にされているのは、どんなことなのでしょうか? 「PARENT(親)」の各文字を使って、キーワードを整理してみます。●Play 遊ぶ<日本の“普通”の子育て>・1週間の中のスポーツ、習い事を親が準備している・学習の先取りや知育玩具を与えている・遊び中で起こりそうな危険を排除している<デンマーク流ヒント>自由に遊ぶことは、人が生きていく上で大切な『心』や『能力』を育ててくれる。たとえば折れない心(レジリエンス)、自分の人生は自分でコントロールできると感じていること、ストレスに対処する能力…これが幸福感の基盤になる●Authenticity ありのままを見る<日本の“普通”の子育て>・親が無理に笑顔を作って「大丈夫」と自分をだましている・大きい家や新車を買うことを目標としている・子どもに「頭がいいね」「賢いね」とほめている<デンマーク流ヒント>ありのままを見ることは、自分の感情を信頼する気持ちを育む。あらゆる感情を抱いて良いことを、忘れないで! 自分に正直になることを学べば、自尊心が生まれる。子どもがそんなふうに育つよう、親はプロセスを褒めてあげよう●Reframing 視点を変える<日本の“普通”の子育て>・「娘はわがままだ」「息子は数学が大の苦手だ」と言ってしまう・決めつける言葉「私は●●が嫌い」「私はこんな人」と言っている<デンマーク流ヒント>「リフレーミング=視点を変えること」の技術を教えることは、親が子どもに与えられる最高の贈り物! ネガティブな情報に目をつぶるのでなく、良い面に意識を向ける「リフレーミング」は訓練で習得できる●Empathy 共感力<日本の“普通”の子育て>・ママ友にわが子の問題を正直に打ち明けたことがない・「母乳育児しないなんて自分勝手!」など他人を批判する・わが子に失敗させたくないと、あらゆる衝突を避けさせる<デンマーク流ヒント>良好な人間関係は、幸せを感じる上でもっとも重要な条件のひとつ。共感力のある人は、そうではない人より成功の度合いが大きいことも研究からわかっている。共感力は訓練で習得できるし、それを習うことで他人と自分自身を尊重できるようになる●No Ultimatums たたかない<日本の“普通”の子育て>・自分が疲れているときに、子どもが悪さするとキレてしまう・しつけとして子どものお尻をたたいたことがある・「次に言ってきかなかったら、もう知らないからね」と言ったことがある<デンマーク流ヒント>子どもに言うことを聞かせるために、親は怒鳴ったり、時にはたたいたりしてしまうこともあるかもしれない。支配型の子育てスタイルでは、恐怖を与えているだけ。短期的には効果があったとしても、長期的には悪影響が出る可能性も。●Togetherness And Hygge 仲間と心地よくつながる<日本の“普通”の子育て>・わが子が何かで一番になって目立ってほしい・困っているときに相談せずに困難に耐えようとする・新米ママは、やることと睡眠不足で押しつぶされそうになっている<デンマーク流ヒント>大切な人とともに居心地よくすごすことを、『ヒュゲ』という。デンマーク人にとって、『ヒュゲ』は生き方そのもの。美徳でもあり、自尊心でもある。デンマーク人は個人も重んじるが、他者との関わりやサポートがなければ、人として真の幸福は得られない、という考え方なのだ「デンマーク人が、子育てをする上で優先していること」が、日本人の私の感覚とかけ離れていることに驚きました。「でも、デンマークの子育てエッセンスを自分の生活に取り入れてみたら、毎日が少し楽になるかもしれないな」と、感じています。次回は、「困難に負けない「折れない心」を育てるために、親ができること」で、「リフレーミング」スキルについてのお話です。■今回の記事の参考文献 『デンマークの親は子どもを褒めない~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~』 ジェシカ・ジョエル・アレキサンダー/イーベン・ディシング・サンダール 著/鹿田昌美 訳/集英社 ¥1,500(税別)ジェシカ・ジョエル・アレキサンダーさんアメリカ人の作家、コラムニスト、文化研究者。デンマーク人と結婚して13年になり、常に文化の違いに強い関心を持ってきた。イーベン・ディシング・サンダールさんナラティブ・セラピーの認定療法士など資格を持ち、コペンハーゲン郊外で個人診療を行う。専門は家族と子どものカウンセリング。翻訳者 鹿田昌美(しかた まさみ)さん国際基督教大学卒業。訳書に「フランスの子どもは夜泣きをしないーパリ発『子育ての秘密―』(集英社)など多数。
2018年04月18日兄弟がいると、程度の差はあってもケンカをすることは避けられないと思います。大抵は些細なことがきっかけで始まることが多いと思いますが、毎日だと親もどう対応していいのか悩みますよね。兄弟げんかにはどう対応すればよいのでしょうか。兄弟げんかは学びの機会兄弟仲良くいてほしいと思っていても、兄弟がいるとケンカをするものです。しかし兄弟げんかは社会性を育む貴重な機会であり決して悪いことではありません。幼い内になるべくたくさんケンカをすることで、おのずと社会性や対人関係を学びます。ケンカをしたら無理に止めるのではなく、なるべく介入せずに公平に接することを心がけましょう。友達とのけんかの違い兄弟がケンカをするのは、家庭が安心できる証拠であり自分の意見を自由に言えるということ。友人関係とは違い、甘えや安心感があるからこそケンカができるのであり、健全なことです。園や学校の友達とのケンカと違い、兄弟げんかはケンカした後もひとつ屋根の下で一緒の生活が続きます。悲しそうにしていたり痛そうにしていたりする姿を見て、相手の想いを想像して反省したり手加減したりという経験を積み重ねることができます。また、兄弟げんか特有の理由として"親を独り占めしたい"、"注目されたい"という気持ちから起こることもあります。親が心に余裕を持ち、兄弟を順番に抱きしめたり甘えさせたりすることで子どもが落ち着くこともあります。普段から公平に愛情をかけることも大切です。ケンカを公平に見守るための親の心構え兄弟げんかには、大きな危険がない限り基本的には見守ります。親の心構えを知っておきましょう。・ケンカの最中に口出しをしない・上の子ばかり叱らない・一方的に判断しない・意識的に公平に接するように努める・子どもの気持ちを尋ね、共感する・子どもが納得する家族のルールを作る・ケンカ自体を「いい経験である」と前向きに捉えるケンカでは子どもの本音が飛び出すので注意深く耳を傾けましょう。途中でけんかを止めると後から蒸し返しがちになります。時間を置いて落ち着いたのを見計らって、「どうしてほしかったの?」などとフォローしましょう。兄弟の年齢や体格に差がある場合は助け船を出しましょう。「弟が言いたいことをしゃべるまで待ってあげてね」「小さい妹と取っ組み合いになったらどうなると思う?」など、自分で考えさせたり我慢させたりすることは良い経験となります。私自身3人兄弟の一番上なので、「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」などと言われることは多くありました。親から見ると、年齢が上の子によりしっかりしてほしいという気持ちは強くなるものなので、公平に扱うということはとても難しいと思います。だからこそケンカの際は親が口出しをせず見守ることで、子ども同士が対等に関わることができます。見守ることが一番難しいかもしれませんが、大人の思い込みや先入観は子どもの成長を妨げます。けんかを止めたい気持ちはわかりますが、少し下がって見守るようにしていきましょう。
2018年04月16日急に子どもの口数が減ったり、何となく元気がなかったり…。「学校で何かあったの?」と聞いても「別に…」と返ってくるだけ。こんなとき親としては、ものすごく心配になるわよね。どうしていいかわからず、途方に暮れてしまう人も多いでしょう。やはり親としては、いじめられているんじゃないか、友だちとケンカして仲間はずれになっているんじゃないかなど、いろいろ考え込んでしまうと思うのよ。子どもが何も話してくれないだけに、心配は募るいっぽう…。だんだん親の気持ちもふさいできて、子どもの落ち込みがうつってしまうお母さんもいるんじゃないかしら? もちろん、「あなたのことが心配なのよ」というメッセージを子どもに送ることは、とても大事です。子どもが落ち込んでいるのに、見て見ぬ振りをするなんて絶対にいけません。でもね、一緒に暗くなるのも同じくらい良くないことだと思うの。子どもだって、それは望んでいないはずよ。まず、子どもの気持ちを考えてみましょう。なぜ、親に悩みごとを相談しないのかしら? そこには、子どもなりの遠慮や気恥ずかしさがあると思うの。小学校の3、4年生くらいになれば、親を心配させたくないとか、家庭以外での自分を知られたくないなど、複雑な気持ちをもつようになってきます。まして、高学年にもなれば早い子は思春期に差しかかっていて、すごく敏感な年頃ですからね。 親には知られたくない学校での顔というものがあっても、おかしくはありません。そういう気持ちをもっている子どもに対して、しつこく質問したり、親まで一緒になって暗く落ち込むのは逆効果。ますます、子どもは自分の正直な気持ちを打ち明けにくくなってしまいます。そこで大事になってくるのが、明るさだと思うの。お母さんが明るく楽しげに生活していることで子どもは救われます。もちろん親が好き勝手して、はしゃぐことではありませんよ。人生の先輩として、明るく楽しく生きている姿を見せればいいと思うの。その中で、一緒に好きなケーキを食べに行くとか、映画を見に行くなど、子どもと楽しみを共有できればいいわね。そういうふれあいの中で、子どもが悩みを打ち明けてきたら相談にのればいいんじゃないかしら。子どもは、自分のことで親に心配かけたくないんですね。一緒になって暗くなるのではなく、明るく楽しい雰囲気づくりを心がけたほうがいいと思います。明るいお母さんは子どもにとって何より心強いものなのよ。 【現職でも大丈夫?】あなたの今後の仕事人生を徹底占断!
2018年04月13日普段毎日一緒にいるママとは違い、仕事をするパパは育児に関わる時間が自然と少なくなり、その関わり方も様々です。すぐにお菓子を買ってあげて甘やかすなど、パパに安心して任せられることができないなど、育児について意見や価値が違うこともあるでしょう。違う価値観で育てることに不安があるかもしれませんが、実は子どもにはプラスになることなのです。異なる価値観で育児を行っていく際、どのようにお互いの価値観を尊重していけば良いのでしょうか。意見の違いが価値観の多様化を育てるママが普段行っているしつけをパパがたまの休日などにしつけとは真逆のことをしていると、しつけを壊されたような気持ちになり「余計なことしないで!」と言いたくなるかもしれません。しかし夫婦の意見の違いは子どもが色々な価値観に触れるきっかけとなり、人の意見は一つではないことを学ぶことにもなるのです。核家族が増え大人と密に接する機会が減る現代では、パパにはママと違う価値観を伝える存在であることが、子どもの成長にプラスになります。夫婦間の意見が違っていても夫婦円満に過ごすコツは、お互いの頑張りを認め合うことです。例えばパパに子どもを一日見てもらったなら、ご飯はコンビニなどで済ませていたとしても「一日頑張ってくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えます。成功体験をたくさん積むことでパパもスキルアップしていきます。夫婦の意見が違う時の話し合いのコツ子育てについての意見は、大小にかかわらず異なっていて当然です。意見が違うことが問題なのではなく、違った意見を無理やり結論づけることが問題なのです。お互い自分の意見を言ったら、そこで終わりにすることがオススメです。「結論が出ないんじゃ意味がないのでは?」と思うかもしれませんが、大事なのはお互いの考えをインプットすること。繰り返すうちに「自分はこう思うけど、相手はこう思うかもしれない」と相手の立場に立って考えられるようになります。意見をぶつけ合うことで夫婦のパートナーシップが深まります。食い違いを恐れて何も言わなかったり、相手の考えに耳を閉ざしていると夫婦関係は進化しません。衝突を恐れずにお互いの意見をぶつけましょう。意見が異なる話し合いを泥沼化させないコツをお伝えします。1.結論を出そうとしない意見をお互いに出し尽くしたらそこで終わりにします。話し合いの目的は、結論を出すことではなく「相手はこういう考えなんだ」とお互いに知ることです。2.最終決定者を分野ごとに決めておく習い事や受験など、大切な局面ではどうしても意見をまとめなければならない事もあります。例えば、教育はパパ・しつけはママという風にあらかじめ分野ごとの決定者を決めておきましょう。3.相手の考えを最大限尊重する最終決定者を決めていたとしても、決定者が好き勝手に決めていいわけではありません。決める側こそ、相手の意見をよく聞き最大限に尊重した決断をすることが必要です。パパの関りは量より質!子どもと関わる時間の少ないパパは、短い時間で集中して子どもと関わることが大切です。子どもから園などではやっている遊びを教えてもらったり、身近な疑問をクイズにして一緒に調べたり、集中して子どもと関わることでパパの存在感をアップさせます。子どもと遊んだり、子どもに合わせたオーバーな反応をするのが苦手なパパであれば、無理にする必要はありません。洗濯物たたみやお風呂掃除などのお手伝いに子どもを巻き込んでしまいましょう。自然な声掛けができますし、「パパの役に立てた」と子どもも満足できます。普段からの子どもとの関わりで、子どもの心をつかむ声がけの名セリフがあります。・「きみのおかげでパパはパパになれたよ」「パパは初めからパパだった」と子どもは思っているものです。自分がパパにとって大きな存在だと知ることは自尊感情につながります。・「さっきは怒りすぎてごめんね」謝ることで父親の威厳がなくなるというのは間違いです。自分の誤りを潔く認められる人こそ威厳を感じられるものです。・「ママにはナイショだよ」パパと子どもの絆を深めます。公園の隅にドングリを隠したなど、他愛ないことを二人の秘密にしてしまいましょう。ママとパパが意見を交わす際は感情的にならないようにしましょう。子どもは大人の喧嘩を一番嫌がりますが、逆に冷静に議論する姿は、真剣に自分のことを考えてくれているのだと感じることができるでしょう。パパの言うことやることに腹を立てたり諦めたりする前に、是非意見を積極的に冷静にぶつけてみてください。
2018年04月04日いよいよ息子の保育園生活が始まる4月になった。庭の大きな桜の木も満開を迎え、これから始まる新生活を祝ってくれているかのよう。生まれてからずっと、この2年弱、わたしと息子はずっと離れることなく暮らしていたから、保育園生活が始まったらどうなるのか想像してみると、寂しくて寂しくて仕方がなかった。「息子はきっと、泣くだろうなあ……」。そういうわたしも泣きそうだった。息子が生まれてから初めての母子分離だ。あんな幼い子を預けて、わたしは働くのか……。そんな自己嫌悪に陥りつつも「これは夫婦で決めたこと。自分が働き続けることは、きっと家族にとって将来のためになる」。そう言い聞かせながら、保育園生活1日目がスタートした。夜なべして作った登園グッズをバックに詰め込んで、初日は夫と二人で息子を連れて、保育園まで向かう。息子には連日「これからお友達がいっぱいいる保育園に通うんだよ」と説明してきた。少しでも心構えができていればいいと思いつつも、本人がどの程度理解しているかはわからない。息子は、1歳児クラスに入園が決まり、担任の先生とご挨拶。初日は、まず慣らし保育からスタート。慣らし保育とは、言葉の通り、場所に慣らす為の期間のこと。初日、2日目は2時間だけ。それ以降は徐々に時間を延ばしていく。1週間後には、朝から仕事が終わる夜の18時ごろまで、ずっと保育園で生活することになる。たった2時間。それでも息子にとっては初めて親と離れて、知らない人と一緒に過ごすのだから、そんな不安なことはないだろう。息子を保育室に預け、そおっと部屋を出ていく。様子がおかしいことにすぐに気づいてしまったようで、すぐに泣き始めてしまった……!「びえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」ほかの子どもたちも全員泣き始め、先生たちも必死にあやし始める。子どもの心境を想像して、涙ぐむお母さんたち。そして、わたしも涙を抑えるのに必死だった。2時間後……。息子を迎えにいくと、心配していたとおり、涙が枯れるほど泣いたようで、表情はゾンビのようになっていた。「おかあさんが悪かった……!!」と、息子に謝罪しながら抱きかかえこの先の保育園生活がうまくいくものなのか、不安がよぎる。そんな中、先生がやわらかな笑顔でわたしに声を掛けてくれた。「大丈夫ですよ、お母さん。みんな最初は泣くものですから。心配しないでいいですよ」。そうかそうか、そういうものなのか。無理もない、初めて通う場所だもんな……。慣らし保育は、子どものためにあるけれど、結局子どもと離れる練習を親もしているのかもしれない。これは将来きっとやってくるであろう、子離れにも通じてるんだろうな。つづく次回は おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 vol.52「ワンオペ育児よ、さようなら! 共働き夫婦の脱却術」をお送りします。
2018年04月03日子育ての情報って、たくさんありますよね。特に、いまのお母さんたちは、当り前のようにパソコンを使うでしょ? 集めようと思えば、いくらでも情報が入ってくるみたい。いろいろなことを知るのは一見、いいことのように見えるけど、そればかりじゃないと思うのよ。情報が多すぎて何を信じればいいのかわからなくなる、という面もあります。でも、これは当然よね。だれだって子どもには、幸せな人生を歩んでもらいたいもの。親としては、できる限りのことをしたいと思うはずです。そのため、たくさんの情報を仕入れて子育てに活かそうと頑張るのよね。でも、子育てには正解がありません。こういう育てかたをすれば絶対に大丈夫、なんていう答えはないのね。子どもたちの性格も環境も、ひとりひとり違うし、親が子どものためを思ってしたことが子どもをダメにしてしまうこともある…。日々、子どもと一緒に悩みながら育てていくしかないと思うのよ。いまは、社会自体がいろいろ複雑になってしまったうえ、変化のスピードも早いでしょう? 昔のような素朴な子育てが通用しなくなってきていると思うの。たとえば携帯電話。もちろん昔は、そんなものありません。でもいまは、子どもが持っていて当り前。携帯電話を子どもに持たせるのか、持たせるべきでないのか、親が判断しなきゃならないわよね。携帯電話の良い面と悪い面を比べてみて、自分の子どもに必要なものかどうか、きちんと考えて答えを出さなきゃいけない…。このように、例をあげたらキリがないくらい、現代特有の悩みがいくらでも出てきます。 そんなとき思い出してほしい言葉があります。「まずは心、次に体、最後に頭」というものなの。子どもを育てるときは、心をいちばん大切に育て、その次は健康な体になるよう育て、その後に頭を鍛えましょう、という昔の言葉です。たくさんの情報があるし、新しい時代の悩みもどんどん出てくるでしょうけど、これを基準にすることが大切なのよ。人間の基本は精神、心の豊かさや美しさです。心が真っ当に育っていれば、人生のどんな困難だって乗り切れるはず。子どもに関するいろいろな情報がある中で迷ったら、この言葉を思い出してちょうだいね。その子の心に栄養を与えること、これをいちばんに考えてほしいと思います。 伝説級の的中力でつかむ! あなたの仕事、次のチャンスと活かし方
2018年03月30日子どもがスプーンやフォークを使って食事ができるようになってきたら、箸の使い方も練習していく必要があります。しかしいつ頃から箸を使わせればいいのか、または使っているけど上手にならないという悩みもあると思います。箸はいつ頃からどのように使っていけばよいのか、そして箸の選び方について知っておきましょう。お箸を使い始めるタイミングとはお箸を使わせる年齢ですが、2歳からと言われることが多いですがこの限りではありません。スプーンやフォークを使う時に、親指・人差し指・中指の3本で鉛筆持ちのようにできるようになっていたら使い始めの目安にしましょう。しかしスプーンを上手に持てていなくても、大人が箸を使っているのを見て使いたくなるということもありますよね。子どもが興味を持つのであれば、「まだ早い」と親が敬遠せずにどんどん使わせて慣れさせていきましょう。まずは関心を持つことが一番です。使い始めは上手に持つ事が出来ないため、こぼしたことを叱ったり、正しく持つよう厳しく教えたりしがちです。最初はうまくいかないと分かっていても「変な癖がついてしまうのでは」と親が過剰に使い方を気にすると、箸を使うことが苦痛になってしまいます。通常箸でうまく物をつかめるようになるのは小学生くらいからですので、焦りは禁物です。それまでは練習をしつつ、上手につかむことよりもおいしく楽しく食事をすることを優先しましょう。正しい箸の持ち方子どもに箸の持ち方を教えるにあたり、教える側も改めて正しい箸の持ち方を知っておきましょう。・上の箸は人差し指と中指で挟む。親指の腹で軽く押さえる・下の箸は親指の付け根で挟む。薬指の横腹に乗せて支える・箸の頭は、親指の付け根から1cm程出す・箸の先は揃える・物を挟む時は下の箸は動かさず、人差し指と中指で上の箸だけを動かす意外と大人でも正しい箸の持ち方が出来ていない場合がありますよね。これを機会に正しい持ち方を理解し、食事の際に子どもの見本になれるようにしましょう。箸の選び方子どもの箸はどんなものがよいでしょうか。●子どもの手に合った長さのもの長すぎる箸は使いづらいです。子どもの手に合った長さとは、手首から中指の先までの長さより3cm程長いものです。一般的には2歳用で13cmのものが多く、以降1つ年齢をあげる毎に1cmプラスされます。しかし個人差があるので、まずは試しに持たせてみるとよいでしょう。形は角が丸みを帯びた四角いもので木製が良いです。●利き手に合うもの利き手に合う箸を選びましょう。右利きのみに対応しているものや、それぞれの利き手に対応しているものなど種類も様々なので、しっかり確認しましょう。●段階を踏めるもの矯正箸は、正しい持ち方を最初から身につけるために有効です。しかし、ずっと同じ箸を使っていると、通常の箸を使う時に戸惑ってしまいます。持ち方に慣れたら徐々にリングを外せるタイプの矯正箸がオススメです。3段階くらいになっているとステップアップしていくことが出来て達成感を得ることもできます。●やる気にさせるもの上手に使えない箸を練習するには根気が必要です。子どもが飽きずに楽しんでトレーニングできるよう、好きなキャラクターのものや明るい色のものを選ぶといいでしょう。購入する際は子ども自身に選ばせてあげるといいですね。一緒に教えたい、箸のマナー箸の使い方に慣れてきたら、箸のマナーについても少しずつ教えていきましょう。以下はやってはいけない箸の使い方です。●寄せ箸箸で器を引き寄せる●ねぶり箸箸をくわえたりなめたりする●立て箸箸をご飯やおかずの上に突き刺して立てる●指し箸人や物を箸で指す●迷い箸「どれを食べようかな」など、箸で器を交互に指す他にも箸のマナーはいくつもありますが、まずはこのあたりは早い段階でやってはいけないということを教えておきましょう。うちの子は一時期、箸に興味を持ったもののすぐに興味がなくなり、再度練習し始めたのは5歳頃と遅めでした。しかし逆に手が器用になってきているので、習得も早かったです。周りが使っていると焦ってしまうこともありますが、本人のやる気がなければ上達はしません。本人がやりたい時まで待つのが一番ですし、どうしても使わせたいなら強制などはせず大人が楽しそうに箸で食事をするところを見せるなどして工夫してみましょう。
2018年03月28日新年度を迎えるにあたって、子どものスマホデビューをお考えの方もいらっしゃるかと思います。便利だけどちょっと心配…どのタイミング、どの年齢でのデビューが最適なのか悩みますよね。本当は自分で稼いでから自分の責任で購入するのが理想ですが、現実は学生の多くが所有していて、私の住んでる地域では、中学に上がるとほとんどの子がデビューしている現状です。うちの子どもたちも周りがみんな持ってるからということで中学1年の誕生日にデビューしました。習い事で帰りが遅くなったり、行動範囲が広がったりするので、もちろん連絡取れて便利なのですが、やはり困ったことも…。スマホデビュー時にもちろん使用にあたってのルールを決めたのですが、なんせこれが守れない!最初はとにかく夢中になって勉強なんてしないし、LINE含めSNSは相手があることなので、時間で切り上げることが難しかったり。必要以上に友達と繋がれば嫌な思いをすることも出てくる…。それに何と言っても中学生、「思春期・反抗期」であるということがネック!親の言うこと素直に聞かない、親には知られたくないことも出てくる!そしてそれはどの子もどの家庭も大抵似たり寄ったりな状況のようです…。もちろん周りに流されずスマホ等を与えないご家庭もあったり、問題なく上手に使ってるお子さんもいたのでしょうが、先生はじめ多くの親御さんが程度こそ違えど頭を悩ませていました。では中学生でスマホ・ケータイを持たせるのは早いのか。と思う一方でこんな現実も。実際にあった話です。中学生の普及率が高いので、先生からもLINEを使って連絡をしたりするのです。連絡が全員に行き届けば問題ないのですが、連絡できてない子が出てきてしまったことも。こういうことがあると、子どもにスマホ・ケータイをまだ持たせたくないと思ってる親御さんは困っていました。ちなみに中~高校生は、男女でスマホ・ケータイの使いかたの傾向はこんな違いがあるようです。※我が子や、その周りの友達調べです現在うちの大きい子らはこのようにスマホに慣れ、時間を使いすぎていることにも自分で気がつき、やっと上手に使えるようになりましたが…大変でした。そして次は末っ子が…スマホ・ケータイデビューの時期は、子どもの成長や家庭の事情などによっても変わってくるので、正解があるわけではないのですが…時代の流れを考えたら、本格的な反抗期・思春期突入する前の段階でスマホに慣れさせたほうが、勉強など本来やらないといけないことにも影響は少なく済むかもなと思っています。ですが、お金もかかるし必要性もあまり感じないし、危険もあるのに持たせるのもなぁということで私と共用で使うことにしました。SNSでのモラルやマナー、課金、有害サイト、プライバシーの保護、ID管理など、気をつけなければならないことが沢山あります。それらを一緒に勉強して「スマホ等に翻弄されない使いかた」を身に付けてくれるといいなと思います。それにはまずは親がお手本になる使いかたしていないと説得力ないので頑張ろうと思います!(汗)
2018年03月27日トイレトレーニングが上手く進まなくて悩むお母さんも多いのではないでしょうか。次男君の誕生で赤ちゃん返りもあり、ひよくんもトイレを全面拒否のようです。しかし、たった1つの質問であっさりと…。赤ちゃん返りでトイレトレーニング失敗! たった1つの問いかけで…トイレトレーニング楽勝! なんてことを思っておりましたが…次男誕生とともに赤ちゃん返りの長男も誕生しそれ以来、トイレを拒否しつづけること半年…シールでつってみたり大好きなスターウォーズで引きよせたものの全く効かず最終的に本人に質問すると…その日からうそみたいにトイレに行くように「よく考えたら嫌じゃなかった」ってことでしょうか?あんなに拒否してたトイレに自分から進んでいくようになりました。半年苦戦してたことが、たった一つの質問で解決して嬉しいのは嬉しいのですがモヤモヤが残っております。 ■マンガで読む「みんなのトイトレ日記」>>
2018年03月25日小学生も低学年くらいの年齢だと、大人から見て突拍子もないような夢を言い出す子がいますよね。本当に可愛らしくて、微笑ましいと思うのよ。でもいまの子は、夢そのものを持たない子も多いし、将来の夢を「公務員」なんて答える子も…。もちろん、公務員が悪いわけじゃないけど、「安定しているから」という理由で選んでいるところがビックリしちゃう…。時代が違うのね。ただ、「歌手」「マンガ家」「サッカー選手」などの大きな夢を語ってくれる子も、まだまだ多いわよね。中には「宇宙飛行士」や「科学者」なんていう、子どもらしい夢を持つ子もいます。そんなとき、つい親御さんがやってしまうのが「夢の批評」。例えば、医者になりたいと言う子どもに「じゃあ、たくさん勉強しなくちゃ。勉強ができないとお医者さんになれないよ」とか、「お医者さんは、たくさん稼げるから頑張って勉強しなさい」など、お説教混じりに現実的な助言をしてしまう人も多いんじゃないかしら?もちろん、親としては話の流れでアドバイスをしただけで、悪気はありませんよね。でも、せっかくの夢に水を差すのは、もったいないと思うのよ。だって、現実をまったく考えないで夢を見ていられる時期って限られているでしょ? わざわざ夢を壊すようなことをしなくても、いいんじゃないかしら。自分が子どもだった頃のことを思い出してみてほしいの。夢を批評するお母さんと肯定してくれるお母さん、どちらと話したいですか? もちろん、後者のほうよね。無条件で夢を応援してあげることは、子どもにとって嬉しいことだし、エネルギーの源になります。ただし、応援のしかたを間違えてはダメ。親のほうが子どもの夢に依存しているケースもありますからね。野球を例にとりましょうか。親がキャッチボールやランニングにつき合ったり、栄養バランスを考えた食事やお弁当をこしらえる、なんていうのはいいと思うの。ただ、最近は「わが子さえよければ、それでいい」という風潮が強くて、自分の子どもを試合に出させろとか、あの監督の采配じゃダメだ、なんて文句を言ってくる親御さんもいるんですね。主役は子どもなんだから、親が出てきてはいけません。これでは、応援どころか子どもの邪魔をしているようなものよ。長い人生から見れば、ほんの一瞬の夢かもしれないけど、親が温かく見守ってくれた記憶は、ずっと消えません。それが後々、子どもの人生に宝物として残っていくはずですからね。 まだまだやり直せます! 恋も仕事も【後悔不要】◆しあわせ開運占い
2018年03月16日入園入学の準備、新生活のスタート……。懸命に記憶をたどるのですが、なんか頭の中から飛んでいるというか。保育園の入園ならまだしも、娘の小学校入学はたかだか3年ぐらい前。しかし、僕はその入学直前のことをほとんど覚えていない……。それはなぜって? そう、子どもを持つ親にとって、3月は記憶がなくなるくらい忙しいのです…。そもそも、3月って2月の日数が短い分、突然やってくる感じがありませんか? その突然からはじまって、会社員の人たちは期末の忙しさも大詰め、私のような個人のフリーランスの人間にとっては、その年の最大の事務作業といっていい確定申告が待ち構えている。そこにほとんど未知の作業で、馴れない初めてのわが子の入学準備が加わると、もうそれだけで慌ただしいし忙しいし、いっぱいいっぱい。なんか一気にダダダッと新入学まで日々が過ぎていった感覚があるんです。忙しかった記憶は確かにありますが、具体的になにが忙しかったのか、何だか忘れてしまうほどなのです…。そんな記憶をたどっていくと、まず思い出すのが、名前入れ。教科書から文房具まで、何から何まで名前を書かないといけない。これが単純作業ながら、なかなか大変だったなと。「たかが名前入れでしょ?」と昭和に小学生時代を過ごした人は思うかもしれません。でも、平成をなめちゃいけない。まあ、われわれの時代は教材って教科書とドリルぐらいだったと思うんですけど、今の教材ってけっこう多いんですよ。特に小学校低学年は……。あなどるなかれ、おはじきに全部に名前入れ…!算数の数を覚えるボードの教材があったんですが、マグネットのおはじきみたいなものが何十個とあって、それにもひとつひとつ名前を書かないといけない。ジャポニカ学習帳のようなノートなら本人に名前を書かせるところなんですが、鉛筆とか小さいものへのネームタグとなると、そんな小さな文字、入学前の子どもじゃ書けませんから、親が全部書き入れることになる。お名前スタンプでも用意しとけばよかったのかもしれないけど、大きさがまちまちでそうもいかない…。この不甲斐ない作業は今でも覚えています。ちなみに余談ですが、これも驚きました。教材を入れた際のランドセルの重さ。今のランドセルってたぶん昭和に比べたらかなり軽量化されているはず。それなのに、大人がもってもずっしりくるほど、体に食い込んでくるんですよ。それもそのはず、昭和に比べて、現代の小学生は、確実に教材が増えている気がします。今でもわが子がランドセルをしょって前かがみになって、一生懸命歩いていく姿が思い出されます。小学生ともなると、もう親としては手もかせないので“頑張れ”と心の中でつぶやくしかありませんでした。給食費の引き落としは子ども名義の口座が必用だった…!そして、次にやってくるのは、給食費やPTA会費など銀行から引き落としなので、この手の事務手続き。しかも、物によっては親の名前の口座ではダメで、子どもの名義の指定の口座が必用って言われたりして、なんか郵便局や銀行に何度もいった記憶があります…。この手のことは、事前に情報入手して処理しておくと少し入学準備も楽になるかもしれません。緊急連絡先に学童保育…登録の嵐! ランドセルの中はしばらくチェック。これだけじゃありません…。学校からの緊急連絡メールを受け取るサービスへの登録に、学校や学童保育、わが家の場合、民間の学童保育にも入ったので、なんかそれらがごったになり、「あれ、これって登録したっけ?」と「こっちはしてなかったっけ?」と混乱していった記憶があります。また、この時期、入学前から入学後にかけて異常に保護者に向けたプリントがあって、とにかくプリントにひたすら目を通していた気が……。それでもって、親がうっかりして、なんなら子どももぼんやりしていると(笑)、知らないうちに誰の眼にも触れないままランドセルの中で、大量のプリントが眠っていたりする。その中に重要なプリントがあって、「期限が過ぎてる…やってしまった!!」ということになりがちなので、ランドセルの中はしばらくの間、常にチェックする心構えを… !前日、きちんと翌日の準備をするしっかりしたお子さんならば大丈夫でしょうが、何を隠そう、わたくしもそうですがわが子も自身もうっかりタイプの人は忘れべからず。提出物はアナログが当たり前それから基本的に、学校の提出物はアナログで手書きが求められる。もはやメール馴れした私は、メールなら即レスするのだけれど、手書きだと後回しにしがち。もちろん、考えてから答える、時間がかかるものもある。でも、即断できることは、その場で書いてしまうのがベター。たいてい後回しにしたこと、仕事でないとかなりの確率で忘れます(笑)。わたくしが忘れっぽいだけかもしれないのですが……。3ヶ月を乗り切ればなんとかなる…!入学準備に関するアドバイス…? いや、ちょっと愚痴っぽい話になってしまった感じもありますが…、ただ、こうしたあわただしさも3ヶ月もすれば解消されるはずです。何より、不慣れな新生活が始まり、大変なのは決して親だけではありません。子どもたちも新生活が始まってドキドキしているはず。親子でこの忙しさをどうにか乗り切りましょうね…!!
2018年03月15日子どもが大きくなるにつれて、お金事情も変化します。おやつやゲームなど今までは親が買い与えていたものが、自分の意思で欲しいものを買うためにお小遣いが必要になってきます。お小遣いは、子どもがお金の使い方を学べる絶好のチャンスです。逆に、お小遣いのあげ方を間違えると金銭感覚が身につかなくなります。お小遣いはどんな風に、そしていつごろからあげるのがいいのでしょうか。お小遣いを始めるタイミング小学生の約8割、中学生・高校生の約9割がお小遣いをもらっています。学年別の1ヶ月当たりの平均額は、・小学生の低学年(1・2年)553円・中学年(3・4年)860円・高学年(5・6年)1,370円・中学生2,513円・高校生5,651円となっています。※金融広報中央委員会の調査お小遣いを始める時期は、入学・進級などのタイミングが多いようです。「数字が分かるようになってから」「お金に興味を示すようになってから」と考えて、未就学時に始めるママも増えています。逆に小学生になってもまだ早い、と考える家庭もあるでしょう。子どもの様子や性格を見て判断しましょう。ただ、お金のことを大人が丁寧に説明してあげることで子どもも考えるようになります。お小遣いをあげる・あげないの前に何度かお金の大切さについて話してみるといいですね。金銭感覚を養うお小遣いのあげ方お小遣いをあげると決めたら、次はその方法を考える必要があります。大きく分けるとお小遣いには2つのタイプあり、決まった時期に決まった金額を与える“定額制”と、手伝いをしたり頑張ったりしたご褒美として与える“報酬制”があります。●定額制定額制についても、例えば学年によって自動的に金額が増えていくことはオススメできません。「お金は、何をしなくても段々多くもらえるもの」という感覚が身に付いてしまう可能性があるからです。学年が上がるタイミングで本人の行動も変わっている(向上している)かがポイントです。また、本人からのアップ交渉を取り入れても良いでしょう。結果上げるか上げないかに関わらず、上げて欲しい気持ちをプレゼンすることも能力です。プレゼンしたことで、子どもの意外な気持ちに親が気づく場合もあります。お小遣いのアップ交渉は積極的に受けていきましょう。●報酬制考え方にもよりますが、家のお手伝いをした時にお小遣いをあげるのは基本的にNGです。お手伝いは家族の一員として当然行うことであり、その都度お小遣いを与えると「お小遣いがもらえるからやる・もらえないからやらない」という意識が芽生える可能性が高いからです。報酬制を取り入れたいなら、普段行わないような大変な手伝いをしてくれた時や、勉強や運動などですごく頑張ったと感じた時に特別感を出すためにあげる方が良いでしょう。定額制・報酬制それぞれにメリット・デメリットがあります。オススメは、定額制にした上でボーナス的に報酬を取り入れることです。どのように渡すかは、親子でしっかり話し合い、お互いが納得する形を決めましょう。お小遣いをあげる時の注意点●期間は短く定額制の場合ですが、与える期間は短めにします。10日に1回、週に1回などがいいでしょう。特に年齢が小さい内は、月に1回のお小遣いは次が待ちきれなくなってしまいます。我慢を覚えさせるにしても、使ってしまったら次まで1ヶ月もらえないとなると我慢しきれなくなってしまいます。「1週間経ったらまたもらえる」というワクワク感も大切です。●細かい小銭でもし100円を渡すなら、100円玉1枚ではなく50円1枚・10円5枚というように細かい小銭で渡します。お金を使う際に、お金が減る感覚を掴みやすくなります。お金は使った分だけ減るということが分かって貯金ができるようになったら、500円玉や札などに両替してあげましょう。●使い道は本人に任せる初めてお金を手にすると、大人から見たらくだらないものや不要だと思うものを欲しがることもあるでしょう。しかし使い道はあくまで本人に委ねます。また、使い過ぎて失敗してしまった時も責めてはいけません。どうして失敗したのかをよく話し合い、次は失敗しないためにどうしたら良いかを考えさせる良い機会となります。やってはいけないお小遣いのあげ方●必要な時に必要なお金を渡す必要な時に必要な分だけお金をあげていると、自分でお金を管理する必要がなく、金銭感覚が養われなくなります。「お金は計画的に使う。使ったらなくなるもの」という認識は、自分でお金を管理することで培われます。●前借りをさせる「今欲しいものにお金が足りないから貸してほしい」と言ってくる場合もあるかもしれません。前借りを覚えると、計画性のないお金の使い方をする可能性が高くなり、また人から借りれるという感覚が兄弟姉妹や友達間での貸し借りにつながる可能性があります。お金が足りない時は我慢を覚えるチャンスであり、頑張ってお金を貯めて欲しいものを手にすることの喜びを知ることにもつながります。そうしたお金の大切さがわかると物を大切にするようにもなります。心を鬼にして前借りは拒否しましょう。息子は年長ですが、同学年のお友だちがお小遣いを始めたと聞きました。週に1回、100円と決めているとのことで我が家でも始めることにしました。最初は、ゲームなどの高価で、お小遣いで買うには非現実的なものを欲しがっていたので、まだお金の管理という意味では早かったかな?と感じていました。しかし何回か小遣いをあげると、貯金したり残高が0にならないようにお菓子を買ったりと、自分なりに考えるようになってきました。今は2千円程度のおもちゃが欲しいということでお小遣い貯めつつ、時々お菓子を買っています。お小遣い帳はまだつけていませんが、小学校での勉強が始まったらつけさせるようにしようと考えています。お小遣いはまだ早いかな、と思う方もいるかもしれませんが、状況を作ることで子どもは親の思う以上に順応していくのだと感じました。失敗したらやり直せばいいので、まずはお小遣い制を始めてはいかがでしょうか?
2018年03月15日うちの家族、個性の塊です
夫婦・子育ていまむかし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々