こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。これからの時期、学校や塾などで前期面談・保護者面談などが行われます。親は、「あんなこともこんなことも聞きたい」と思いを巡らしますよね。でも、実際に先生の目の前に座ると聞きたいことが聞けなかったという人は多いようです。私は以前塾講師をしていましたので、先生として面談の場に立ったことがあります。そのときの経験を元にして、面談での質問内容のご提案をさせていただきたいと思います。●知りたいことは何かを整理して先生は面談のときに、授業態度や成績状況の大まかな部分を用意しています。親は授業態度や成績状況の話を聞くと、たいていその後は相談形式になってしまう場合が多いのではないでしょうか。相談することもすごく大切です。先生からアドバイスをもらえたりするのですから、そこはそのままで、もう少し詳しい話を聞くことができたらいいですよね。ただ、時間が15~20分と限られています。そのため、相談に進む前に子どもの状況について具体的に質問しましょう。質問したいことは、あらかじめ自宅で箇条書きにしていく ことをおすすめします。●学校での面談の場合学校での面談の場合、学校での様子や学習状況など多くのことを知りたいと思います。先生から「何か質問ありませんか?」と聞かれたときに質問しておきたい内容は以下の通りです。【質問内容】・自主勉強の内容はどうか?(ノートの使い方や学び方のズレがないか確認するため)・子どもの授業態度で先生が気になっているところは?(子どもの様子をさらに詳しく聞きたいとき)・先生が持つ子どもへの印象的な行動は?(先生がどのようにお子さんを見ているかわかります)・クラスメイトとうまくやれているか?(子どもの様子でおかしいなと感じている人は、必ず聞くことをおすすめします)----------先生たちは、“いじめ”という言葉に大変敏感になっています。そのため、面談の場では具体的ないじめの事実がない限り、「いじめはないでしょうか?」などと聞かない ようにしましょう。その代わり、「クラスメイトとうまくやれているか?」や「息子(娘)は普段、クラスでどのように過ごしているか?」などと聞いてみましょう。●塾での面談の場合学習塾も学校と同様に、時間が限られていますので、質問内容を用意して行きます。主に学習や進路に関することがメインとなります。【質問内容】・学習の進み具合と見立て(今後どのように学習を進めたら伸びるかという相談にもつながります)・志望校に入るために必要な偏差値や勉強方法の改善(子どもの弱点などを教えてもらって、家庭学習に役立てられます)・受験準備はいつから始めて、手続きはいつくらいから?(私立受験を考えている場合は、早めに聞いておきましょう)・休みを有意義にするための勉強法は?(家庭学習だけでなく、塾の活用法などを教えてもらえるでしょう)・模試が終わった後の勉強法は?(復習のやり方などを聞いておくといいです)----------塾では学習に関することがほとんどとなっていますが、家庭で気になることがある場合、塾での様子を聞いておくことも必要かと思います。教えることに関して、塾の先生も学校の先生同様にプロ です。聞いておいて損はありません(私も当時はこういった質問を受けましたし、説明もたくさんしました)。●おわりに面談に臨むときに必要なことは、「聞きたいことを具体的に!」です。家では見せない、お子さんの頑張っている姿や心配に思っていることをしっかりと聞き出しましょう。遠慮することはありません。ただ、時間に制限がありますから、質問を簡潔にして準備していってください。その方が有意義な面談となります。【参考文献】・『尾木ママの共感子育てアドバイス』尾木直樹・著●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2017年07月12日子どもの夏休み。宿題で親子ともに悩んでしまうのが「自由研究」ではないでしょうか。自由であるがゆえ、なにをテーマにするか考えてしまうのは今も昔も同じ…。そこで今回おすすめするのが「資格取得までの体験記録」。資格を知ったキッカケやその内容、自分がした勉強法などをまとめて発表できますし、子ども自身も新たな知識を身につけることができます。夏休みの間に試験が受けられるものに限定して、紹介していきましょう!■在宅受験が可能! 手指の動きで伝えられる発見「手話技能検定」手話は、手や指などを使った動作をともなう視覚言語です。「手話技能検定」は手話の技能をはかる試験で、おもに手話を習っている人や手話を使う仕事をしている人に役立ちます。小学生におすすめなのは最も簡単な7級(受験料1,750円)です。6級以上は年3回おこなわれる会場での受験となりますが、7級だけは在宅受験が可能。合格基準は指文字の基本形(50音)を覚えてゆっくり表現、あるいは読みとりができること。試験では指文字のイラストが描かれており「なにを示しているのか」を解答用紙に記入します。学習期間の目安は8時間ほどなので、早めに取り組めばそう難しくありません。80点以上が合格で、希望すれば合格級のピンバッチ(有料)がもらえます。勉強することで、言葉をかわさず手や指の動きで気持ちを伝えられる、という発見があるのもいいですね。■ネット社会に役立つ「インターネット ルール&マナー検定」ネット社会といわれるこのご時世、子どもたちに伝えるべきルールのひとつがネット利用に関するものです。「インターネット ルール&マナー検定」はネット上でのルールやマナーの知識を客観的にはかり、正しい関わり方を学べるようにした検定です。小学4年生以上の児童、中学生、高校生の生徒、保護者、教員を主な対象としていますが級などのレベル分けはありません。WEB上から無料でうけることができ、不正解の問題はくわしい解説を読むことができるので、ネットの安全な利用法をしっかり理解することができます。「こどもばん」の受検者数は18万人を超えており、中学生が授業で受検している例も多くあるよう。欲しい人には合格証(有料)を発行することもできます。親子で一緒に受ければ理解もいっそう深まりそうです。■夜空にはせる想い。星がもっと好きになる「星空宇宙天文検定」「星空宇宙天文検定」、通称「星検」は宇宙・天文に興味がある子どもに目標をもってもらい、楽しく学んでもらうための検定試験です。おすすめは星空初心者レベルの5級受験。試験の内容は星空に関することのほか、宇宙開発や生活文化に関係するものもあります。年齢制限などありませんが、先にご紹介した2つの資格と比べ、少し難しい内容となるので挑戦するにはもってこい! 公式HPでは過去の試験問題をみることができますので「実際どの程度のレベルなのか気になる…」という人は、ぜひ確認してみてくださいね。正解率70%以上で合格、受験料は3,000円です。申込み締め切りは7月23日(日)、試験日は8月27日(日)なので夏休み総まとめのチャレンジにもよさそう。勉強用の問題集はテキストとしてだけじゃなく、星に興味をもつための図書にもなりますよ。資格取得体験は、研究テーマとしてもおもしろいですよね。今回は「夏休みに挑戦できるもの」に限定してご紹介していますが、「これ、いいかも」と興味がでてきたら、他の分野もぜひチェックしてみてくださいね。※価格はすべて税込です。<参考サイト>・ 手話技能検定 ・ インターネット ルール&マナー検定 ・ 星空宇宙天文検定
2017年07月08日ウチの息子はLDっ子!Upload By ひらたともみご覧の通り、私は歳の差兄妹の母でもあります。そんな中、この春、息子2号は中学3年生。高校進学を考える時期になったのですが…。Upload By ひらたともみ息子2号には学習障害(LD)があり、読み・書き・計算のとらえ方に偏りがあり、学校の授業や受験勉強も悪戦苦闘…果たして息子は高校生になれるのか?親である私も、心配しながら試行錯誤する日々です。LDの検査って必要?ウチの息子の場合…Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみそして検査の結果は案の定……Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみ息子が学習障害の検査を受けたのは、小学校6年生のとき。担任の先生の強い薦めでした。そして検査結果は案の定LDだったのですが、検査自体はLDの太鼓版を押されただけ。(あくまでも個人の感想です)どうしたらいいかは具体的には教えてもらえませんでした。また息子はなかなかLDを受け入れられず、小学校の特別支援学級にもあまり参加しないまま、小学校を卒業。中学に進学してからも、普通クラスに在籍し、個別授業も受けていません。成績は悲惨ですが、真面目な性格ゆえに珍回答ながらも精一杯、課題やテストに取り組んでいます。LDっ子の息子、高校生になれるのか!?ですが、息子もいよいよ中学3年生。部活も夏で引退になると、真剣に進路を考えなければなりません。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみというわけで、あらためましてはじめまして。イラストレーターのひらたともみです。思えば息子がまだ小さかった頃、絵本を読み聞かせている私に息子は「どういう意味かぜんぜんわからない。」ということが多く、その都度、本のページをさかのぼって、絵を指さしながら、ひとつひとつお話を解説して読み進めることがありました。それでも、息子の「わからない」は解消されないことが多く、そのころから何となく発達の遅れを感じていたような気がします。そして、LDと診断された息子は現在中学生3年生になりました。思春期でなにもかも「うぜぇ、うぜぇ」の息子も、英単語を覚えたりしなければ高校生にはなれません。さて、息子はどんな高校を選ぶか?高校生になれるか?子どもが自分の未来を切り開く最初の一歩でもある「高校受験」を、これから発達ナビにてコミックエッセイで綴っていきます!悩めるLDっ子とそのご家族の「なにか」になれば幸いです。
2017年07月05日小学校や中学受験を考えるママにとって、一貫校や大学の附属校を選ぶかどうかは、かなり悩むところではないでしょうか。エスカレーター式なら受験の回数を減らすることができますが、メリット、デメリットはほかにもどんなことが考えられるのでしょうか。そこで、ママ自身がお受験をしたことがある人、子どもがお受験を経験したママたちに話を聞きました。■メリット1:好きなことに打ち込める息子が、エスカレーター式の学校を卒業したというNさん(58歳)。遊びたいさかりの子どもを受験させることに「かわいそう」と思う面もあったといいます。でも一定の成績をおさめることができれば、エスカレーター式で大学に進学できたため、「外部受験よりも結果的に楽だったのかも」と、思っているそうです。「受験がない余裕があるからこそ、学生時代はサッカー部で毎日がんばっていました。社会人になったいまも当時の仲間とフットサルを楽しんでいるようです。好きなことを見つけられて、友だちや先生といまでも濃い付き合いができることもあって、一生の財産を得られたのではないでしょうか」(Nさん/58歳・社会人のママ)ちいさいときに勉強で遊ぶ時間が減るのはかわいそうかもしれないけれど、その分、受験後に思いきり好きなことに打ち込める。そして、一生付き合える仲間を見つけられる。こうしたメリットもあるようです。■メリット2:留学などのチャンスが多い母親自身が、中高一貫の女子高に進学したというYさん。同じミッション系の大学の指定校推薦が多く、それを利用して大学へ進んだそうです。「私の学校からは一般入試ではとても入れないような有名大学に行けたので、受験に関してはラッキーでしたね。オーストラリアに姉妹校があり、中学生のときから毎年のように短期留学もできました。おかげで英語が好きになり、いまも勉強を続けています。娘にも同じような環境で学ばせてあげたいけれど、学費がちょっと心配です」(Yさん/39歳・小学3年生のママ)Yさんとは別に、やはりミッション系の女子高で指定校推薦を受けて、同じくミッション系の大学に進学した友人がいます。彼女がいうには「私は、中学受験していたから楽できてよかったけど、いまの自分には娘を通わせる財力がない」とのこと。いわゆるお嬢さま学校といわれるところは学費だけでなく、友だち付き合いにもお金がかかり、余裕がないとちょっと大変な一面もあるようです。■メリット3:ママ友付き合いが楽!「うちの息子は小学校受験をしました。住んでいるところはバラバラだし、公立よりも保護者会などが少ない気がします。私は働いているので、そうした行事に休みを取られずに済むのはありがたいです。また、収入や家庭環境、考え方が似ている人が集まりやすく、保育園のときよりもママ友付き合いがしやすくなったと感じています」(41歳・小学6年生のママ)子どもだけでなく、ママにとってのメリットも見逃せませんね。これを享受するには、校風を見きわめることも重要。学校説明会などでチェックしておきましょう。■デメリット1:附属校だからといって油断できないこれまでの話ではエスカレーター式という特性をうまく生かして、大学進学、留学といった先に進むメリットが語られましたが、デメリットはどんなものがあるのでしょうか。【だれもが進学できるわけではない】「私の通っていたころの附属校は、成績順に希望の学部を選べたんです。大学の花形学部である法学部や文学部は成績上位の子でいっぱい。私は高校時代に遊んでしまって成績が悪かったこともあり、内部進学するなら二部、つまり夜間しか選べなかったんです。だからといって、外部受験するなら浪人しない間に合わないし、仕方なく二部を選択しました。有名大学の附属校だからといって、だれもが希望どおりに進学できるわけではないところもあります」(39歳・小学2年生のママ)【途中で進路が変わることも】「息子は中学から大学の附属校へ。高校生になって進路を考えだしたときに、医学部へ行きたいと言い出しました。しかし、エスカレーター式の大学には医学部がないんですよ。中学受験をすれば子どもも楽をできると考えていたけど、進路が変わることだってあるわけだし、附属校だからと油断はできないものですね。正直なところ、附属校ではなく公立にすればよかったのかなと思ってしまいます」(48歳・高校2年生のママ)中学校へ進学する時点で進路が決まっている子のほうが少ないかもしれません。附属校はエスカレーター式で進学しやすいとはいえ、必ずしもそれが子どもの夢のための進学が>一致するとは限らないことも覚えておきましょう。■デメリット2:お弁当作りが大変!「小学校では給食があったので、やっとお弁当作りから解放された! と思ったのですが、私立中学に進学してからはまたお弁当作りの日々が…。駅まで車で送っていかなくてはならないし、朝はまさに戦場です!」(40歳・中学2年生のママ)私立校は給食がない場合も多いですよね。子どもはお弁当のほうがうれしいかもしれないけど、ママにとっては大変かも!?■デメリット3:おさななじみがいない…「わたしは、幼稚園から大学の附属校に通っていたので、近所に友だちがいなくて。おさななじみに、あこがれちゃいます。学生時代も基本的には同じ顔ばかりなので、一生付き合える親友もできたけど、狭い世界で生きてきたような気がしています。人間関係がうまくいかないときは本当につらかった。高校進学時に外部受験も考えたのですが、中学受験を経験して別の附属校に入ったからもったいないし、親にも申し訳なくてそのまま残りました。いいこともたくさんあったけど、嫌な部分も見てきたから子どもが希望しないなら受験させる気はありません」(39歳・3歳児のママ)私立の場合は、みんなが近所に住んでいるとは限りません。そのため、地元に友だちがいないという結果になることも…。また、人間関係がうまく築けないと、長期にわたってつらい思いをすることもあるようです。もちろん、こうしたメリット・デメリットは、公立校にもあります。どちらがいい・悪いと決めることはできないけれど、わが子に合う・合わないは事前に検討できるはず。デメリットもしっかり把握したうえで、子どもにとって最適な道を考えてあげたいですね。
2017年06月26日「子どもの“やる気”を伸ばしたい」「口うるさくなるばかりで、どうにかなるのだろうか?」と思うことはありませんか。子どもの将来を考えている親の気持ちが伝わらず、ため息が出てしまうこともあるでしょう。では、やる気を出す方法、子どもに合った勉強法にはどのようなものがあるのでしょうか。筆者の経験をもとに、未就学、小学生、中学生とそのときどきの勉強方方法を振り返ってみたいと思います。子どものやる気に火をつけよう!まず、自分自身のやる気が出るのはどんなときなのかを考えてみましょう。目標や夢を持ったとき、認められたとき、褒められたとき、人によっては悔しいときという方もいるのではないでしょうか。私の場合は、認められ、苦労したことが報われることで達成感が得られたときに、また頑張ろうと思います。子どもたちも大人と同じです。褒められることで喜び、認められることで自信がつきます。できたという喜びや目標を達成することも自信につながります。目標は小さなものでOKです。一つひとつクリアしていくことで達成感を得やすくなります。それがつぎへのやる気につながります。失敗や悔しさも大切です。その気持ちが新たなやる気に火をつけるのです。だから、大人も一緒に悔しがりましょう。共感してもらうことで、さらにやる気が出てきます。小さなことでも親子で一緒に喜び、褒めることでやる気に火をつけてあげましょう。子どもに合った勉強法とは? 子どもを知ることから始めよう!では子どもに合った勉強法とはいったいどのようなものでしょうか。■未就学児この時期は勉強法というよりは体を動かし、思いきり遊ぶことが大切です。遊びを通して体の使い方を知り、遊び方を工夫したり楽しさを広げたりしながら、さまざまなことを学んでいます。思いきり体を動かしたあとは、絵本やお絵描きなどに集中できるようになります。この時期はのびのびと遊ばせてあげましょう。■小学生小学生になると本格的に勉強が始まります。まずは、親が子どもの勉強への向き合い方を理解することが必要です。先に遊んでから宿題をする子もいるでしょうし、宿題を終わらせてから遊ぶ子、ごはん・おふろが終わり、寝る前にやる気が出る子、朝早く起きて勉強するタイプの子もいるでしょう。それぞれ子どもたちにはタイミングがあります。親のやってほしいタイミングと子どもがやる気になるタイミングが違う場合もあるのです。子どもの勉強するタイミングを探りましょう。また、声かけのタイミングや言い方もポイントです。例えば「勉強したくない」と言ったときに、「ふーん」と親に受けながされたら、そのままやらない子もいれば、反対に勉強をし始める子もいます。いつも口うるさかった親から宿題や勉強という言葉がまったく出なくなったとき、急に自発的に勉強をし始めるという子もいるかもしれません。さまざまなパターンを試し、親に言われていやなことはなにか、親のどんな態度で勉強する気になるのかを見きわめてみましょう。■中学生中学生になると部活動が始まります。また、受験へ向け本格的に受験勉強を始める子も増えてきます。身近な友だちや先輩の意識にも変化がみられるようになりますので、そんな姿に影響され、子ども自身に自覚が生まれてくるようになります。親として、子どもがやる気をなくしてしまうような言動は避けたいですが、つい口うるさく言ってしまいけんかになることや、やる気に水を差すということもあるかと思います。思春期に入り、子どもでありながらも大人の感情が芽生えていますので、自分の置かれている立場をよく理解しています。ときには言いたい気持ちをおさえ、見守ることを心がけるようにしましょう。家庭での勉強法は?■小学生・家での勉強時間は?学校から学年別の学習時間を指定されることがあります。息子の行っていた小学校は宿題も含め「学年×10+10分」でした。1年生ならば20分間の家庭学習が必要ということになります。学校により、家庭学習に対する指導はさまざまですので、小学校からのお知らせや先生からの指導などを目安に勉強時間を考えるとよいでしょう。・宿題は?息子の小学校からは、3年生までは音読の聞き手や丸つけなどを親がやるように言われていました。親にしてみると大変でしたが、一緒にやることで子どもの意欲がみられ、親子のかかわりも深まるきっかけになったのでよかったです。親子で本を読み合うという課題も年に1回ありました。お互いに読み聞かせてもよし、同じ本をそれぞれで読んで感想を話し合ってもよしというものでした。親子で本に関心を持つことで、本を読むきっかけにすることが目的でしたが、読書は文章力、読解力など国語にかかわらず、どの教科にもつながっていくことですので、ときどき、一緒に読書をする機会を設けるのもいいかもしれません。■中学生・どんな勉強の進め方?中学に入ると自分のやり方で勉強ができるようになりますが、毎日コツコツ覚えていくことが大切です。「ノートづくり=家庭学習」ではなく、ノートを元に家で復習し覚えるようにします。わからない問題があると勉強意欲がなくなってしまいがち。わからない問題をそのままにせず、次の日などに先生や友だち、先輩に教えてもらう習慣がつけられるとよいでしょう。信頼できる相手からなら素直な気持ちで教えてもらえますので、理解しやすくなります。・いつ、どこで勉強すべき?部活動で疲れ、家ではゆっくりしたいと思うこともあるでしょう。できれば朝型勉強法に変えられるといいですね。朝型にするメリットはたくさんあります。■朝方勉強法のメリット◇朝ごはんがしっかり食べられるようになる◇受験に向けて朝から頭を働かせる習慣がつくようになる◇朝は睡眠で疲れが癒されているので、復習、暗記や問題を解くには効率がよい◇学校へ行く前の限られた時間なので、集中力がつくどうしても朝は苦手という子どももいます。その場合は、その子の一番効率のよい勉強方法を理解し、否定せずに認めてあげましょう。勉強する場所についても同じです。私の息子のように、リビングなど少し騒々しいところのほうが集中できるという子もいますので、子どもが集中できるところならば、勉強部屋でもリビングでもよいでしょう。勉強法を身につけるために塾には行ったほうがいいの? 行くならいつから?塾に関してはそれぞれの家庭で考え方がさまざまあると思います。幼稚園のときから英語や勉強の塾に行っている子もいれば、塾に行ったことがないという子もいるでしょう。その子にやる気があるのかどうかが大切ですので、まずは本人の気持ちを確認することから始めましょう。塾へ行くならいつからがいいの?子ども自身にやる気がないのに塾に入れても伸び悩んでしまうでしょうし、塾に入れることが親の安心感だけになってしまうのであれば、もったいないですね。しかし、塾をきっかけにやる気を出す子もいます。どのような塾なのか、子どもに合っているのか、ということが重要になりますので、塾に入る目的や子どもの気持ちを大切にして親子で話し合いましょう。子どもにやる気があるなら、いつから始めても成果は出ます。塾ではなにを習うといいの?ある先生から聞いた話です。「理科と社会は暗記が主なので慌てなくても大丈夫。英・数・国の3教科はわからないままでいると、ついていけなくなります」子どもの不得意教科に英・数・国があるのであれば、子どもとしっかり相談し、塾を考えてみるのもいいかもしれません。子どものやる気を育てるための親の心構え勉強は、本人にやる気があることが一番大切です。子どものやる気を伸ばすことを意識しつつ、親も子どもと一緒に喜んだり、悔しがったりしましょう。もし子どもが失敗しても、一緒に悔しがってくれる人がいるだけで励みになります。子どもにとって言うべきことと見守るべきことを見きわめ、口うるさく言うことがあっても、やる気が失われることがないようにするのもポイントです。きちんと納得できる説明をするといいですよ。じつは、このように書きながら、改めて私も実感しています。
2017年05月21日小児科外来のカウンセリング室にやってきた母娘出典 : 病院の小児科外来でカウンセリングを行っているカウンセラーの私のもとに、不登校の娘さんと母親が心理相談を受けに来ました。そのとき娘さんは中学3年生。母親の話だと中学2年生のころから学校に行き渋るようになったけれども、教師の働きかけで今は何とか相談室登校をしているとのこと。母親が説明する間、その子は一言も話さず暗い顔をして座っていました。私は「学校で何か嫌なことがあったのか」、「友だちと気まずいことでもあったのか」と問いかけましたが、無言のまま。母親は、「家で娘に尋ねても嫌なことやいじめはないと言うのです」と代弁します。医師の方では医学的処置は行わないとのことを聞いていたので、経過観察をしながらじっくり支援の方向性を探ろうと考え、「すぐには話したくないかもしれないので、時々来て状況を知らせて下さい」と言って初回の面談を終わろうとしました。しかし母親は「どこに行っても同じことを言われます。私が心配でたまらないのです。このまま一生引きこもりになるのではないかと不安です。ここで話を聞いていただけませんか」と言うのです。娘さん本人の考えは計り知れませんでしたが、母親の困り感が大きいことも鑑み、ひとまず次週も面談の予約を入れることにしました。カウンセラーと母親と娘の三者面談、しかし彼女は一言も話さず…出典 : 翌週、時間通りに母娘がやってきました。母親はこの一週間も娘の状況は変わらないことを説明してくれましたが、肝心の娘さん本人はやはり一言も発しません。母親がしゃべり過ぎるので娘さんが話さないのかと考え、母親の発言を抑えて彼女の発話を待ちました。しかしいくら待っても言葉を発しません。最後にはうなだれ、長く伸びた髪が顔を覆い、ホラー映画の「貞子」のような状態になってしまったので、「これ以上はまずい」と思い、母親との話に戻りました。親子で訪れる小児科の心理相談の時、私は特別の事情がない限り親子別々に話すことをしません。子どもは不安を抱いて訪れます。その時に親から離れて一人で知らない人と話すことは苦痛でしかないと思うからです。廊下で待たされ母親だけが診察室に通されると、そこでは自分のことを話しているに違いないが、何を話しているのか気になるでしょう。余計な不安や苦痛を子どもに与えないために親子で話すのです。まれに母親だけに伝えなければならないことがある場合は、子どもが退屈そうに見えたとき、「退屈なら廊下を歩いてきていいよ」と言って外に出します。時間的に余裕がある環境でしかできないことかもしれません。カウンセリングというより雑談?それでも続く、奇妙な3者面談出典 : そういうわけでその母娘との面談はいつも三者で行いましたが、話すのはいつも私と母親でした。それでも娘さんは毎週来ることを拒まず、一言も話さないにもかかわらず毎回1時間近くその場に座り続けていました。半年近く話しても事態が大きく変わることもなかったので、話の内容は徐々に雑談に変わっていきます。明朗快活なお母さんはニコニコしながらたくさんおしゃべりしました。よもやま話になるとつい笑いだすようなことにもなりますが、娘さんはそれでもやはり、無表情のまま。わずかでしたが相談料を支払っていただいていましたので、談笑でお金をいただくのはどうかと思い、母親に「このまま続けますか」と尋ねました。母親は「長い目で見なければいけないのは分かっているが、娘と二人でいると気が沈んでしまうので、迷惑でなければ続けさせてください」と言ったので、ひとまず継続することに。とはいえこのままずっと談笑を続けるというのも気が引けます。なにか改善のきっかけがつかめないかと、私は彼女が在籍する中学校を訪問することにしました。しかし、娘さんは中学校では人目を避けて登校し、ほとんど相談室で好きな漫画やイラストを描きながら過ごしているとのことで、変化を期待できるような情報を手に入れることはできませんでした。高校受験が迫ったある日、無言だった娘が、はじめて「やりたいこと」を口にした出典 : それからも、カウンセラーと母親が談笑するだけという、奇妙な"三者"面談が続きました。初夏から始まった面談も初冬にさしかかっていました。母親は高校進学のことを気にし始めました。私も引き受けてくれる学校があるか気になりました。そんなある日、母親が思いがけないことを話しだしたのです。「娘は、高校はイラストやデザインが学べるところにしたいと言っています。中学校で尋ねたらA高校のデザイン科があると言われたそうで、そこを受験したいと言うのですが、先生どう思いますか」。この話も三者面談の中でした。私は母親に「それは素晴らしい。本人が受けたいと言うのならぜひ受けさせるべきです」と言いました。本人が高校には行きたいと言い、志望校もはっきりと言った。母親はこのことには喜んでいましたが、実際受験するにあたっては、相談室登校で学力がきわめて不安、試験や面接に行けるかどうか、受験に失敗したらもっと落ち込みがひどくなるのではないかなど、心配でたまらないようでした。私は、「本人が自分で道を切り開こうとしているのです。今はそれを応援しましょう。失敗したらその時に次を考えましょう」と言い背中を押しました。その後。その子は自宅でも受験勉強をし、中学校では専願という受験方法を示され、無事試験会場にも行け、めでたく志望の高校、学科に合格したのです。娘さんの高校入学後も母親はしばらくの間、「また、いつ登校しなくなるか不安だから」と言い、私との心理相談にやってきましたが、不登校が生じやすい5月の連休明けまで様子を見ても特に問題は起こらず、母親も安心して心理相談を終了しました。ずっと黙っていた娘が、なぜもう一度学校に行けるようになったのか出典 : その後も娘さんが私の相談室に来ることはなく、毎日他の生徒と同じように登校し授業を受けており、部活もバスケットボール部に入り元気に活躍しているとのことでした。母親は「嘘みたい、今までのはなんだったの」とキツネにつままれたかのようでした。心理相談を続けている間は一言も発さなかった娘さんが、なぜこのように劇的な変化を起こしたのでしょうか。私が思うに、その子自身の伸びる力がもともと眠っており、表面には出ない間も、じっくりと力を蓄えていたのだと思います。不登校、相談室登校は彼女にとって不快な経験だったと思います。彼女自身もなんとかそれを克服しようと思ったでしょう。しかしなかなか克服の道が見えず、長い間ふさぎ込むことになったのだと思います。高校進学を目の前にして、やっと自分の好きなデザインを学び、本来やりたかったバスケットを行うことに道を見出し、光を見つけたのだと思います。道を見出したのは彼女自身です。それができたのはその子の成長する力によるものと思います。小学校や中学校で不登校を経験したのちに高校生になり、「休みたくなると、もうあの不登校を再び経験したくないからという気持ちになって、それで頑張って登校したんだ」と打ち明けてくれた子もいました。一人、二人ではありません。子どもたちはしっかり学んでいるのです。そしてそのような子どもの成長する力を発揮させることができたのは母親の頑張りだったのだと思います。相談室登校の娘さんを見放すことなく、少しでも効果があることは惜しまず与え続けました。それとともに母親は、娘を支え続けるために自分の心の安定も求めました。娘さんは三者面談の中で一言も発しなくても、母親の言葉、カウンセラーの言葉をしっかり聞いていたのです。自分を支えてくれる人たちの中で自分は何をすべきかを考え続けていたのでしょう。子どもは母親や家族に支えられ、母親や家族は社会に支えられるような循環が子どもたちの成長には不可欠だとの思いを深めたケースでした。
2017年05月20日◆「今できないこと」に振り回されず自分の可能性をちゃんと信じられるのが「自信」だと思いますねー吃音のきっかけを知り、浪人を余儀なくされて…その後どう向き合ったのでしょうか。岩元:それが、この行き場のない憤りや怒りは「お前ら見てろよ!!」というモチベーションになったんです。「お前ら」は一体誰なんだって感じですけど。(笑)浪人生活というのは嫌というほど自分に向き合う時間があって、徐々に「障害も環境も言い訳にしない。絶対自分に負けない。」という気持ちが湧き上がってきました。これまでにない程がむしゃらに頑張れましたね。その結果、受験した全ての国立・公立大学と難関私立大学に合格しました。ー平均評定1.5からの大逆転…岩元:いやぁ〜、本当にどうやったら1.5を叩き出せるのか自分でも不思議ですよ!!(笑)岩元:就職活動も先行き不安ではありますけど、浪人時代に培った「自分は自分に絶対負けないんだ」という心構えがあるので、きっと最後は大丈夫だと思えています。ーそういうスタンスが本当の意味の「自信」なのかもしれませんね。自分をちゃんと信じてあげられる、というか。岩元:あ〜、本当にそうだと思います。「今、何ができる、できない」なんて表面的なことに振り回されずに、自分の未来の可能性をちゃんと信じられるのが「自信」だと思いますね。それは本当に大切なことです。ーその原点が、浪人生活…?岩元:そうですね、「上手く行かなくても自分は逃げない」って信じて進めるのはあの時期があったからですね。逃げないというのは受験も就活も障害も一緒ですから、自分の基盤になったと思います。ーなるほど岩元:で、そんなきっかけをくれたのは推薦を勝手に辞退した両親なんですよね。自分が変わるための十分な時間を作ってもらったようなものだから、今は打って変わって感謝しかない、ははは(笑)。出典 : 岩元:結局ね、どれだけ人や環境を恨んでも何も変わらないじゃないですか。だから「自分の人生絶対負けねーわ!!」という気持ちを持って生きています。ー負けないって誰に?何に?岩元:「自分に」ですね!吃音だから出来なくても仕方ないって言い訳したくなる自分、障害理解の仕組みがない社会や学校が悪いって責めたくなる自分、それに「あ〜勉強めんどくせえ」って怠けたくなる自分にも…(笑)ーははは!岩元:今では自分の人生に障害があることに対しても、かなり前向きです。吃音で苦しい経験をした自分だからこそ、他の人の立場をきちんと自分なりに想像して共感して、励ましていくことができるんじゃないか、って。そんな風に捉えられるようになってからは、この吃音にも両親にも感謝しています。ま、大好きとまではいかないですけどね!(笑)◆自分の知っている常識からはみ出る人を「出来ないやつ」と社会が決めて、排除してしまうー教員を目指しているんですか?岩元:教員になりたいと思っていますけど、自分は「学習指導要領に障害についての学習を盛り込むこと」が人生の1つの目標です。今は、「30人クラスで同じように教えられない」とか「電車の中で大きな独り言をやめない」とか…自分の知っている常識や枠からはみ出る人を「出来ないやつ、変なやつ」と社会が決めて排除してしまうことが多いと思うんですね。岩元:だから自分は障害への配慮どうこうの前に、まずは「みんなが知っている枠」の部分を増やしていきたいんですよ。ー枠、ですか。岩元:深く知らなくてもいい、でも少しだけでも知識があれば「困ってるのかもしれないな」と想像することができますよね。「障害がある人もいる、でもその前にみんな同じ人間なんだ」ということを、子どものうちから学んでいけるような教育システムになれたらいいなと思っています。ーなるほど。岩元:…まぁ〜、こんな目標を持つようになったのも両親のおかげですね!なんか感謝ばっかりで悔しい!(笑)
2017年05月11日◆明るく能天気なキャラを演じて、うまく喋れなくても表現と愛嬌でカバーしようと思ったんですよー岩元さんは、昔からこんな前向きだったんですか?岩元:いやぁ…小学生の頃は凄く大人しかったですね。正直、学校は地獄でしたよ〜、はっはっは!(笑)ーはっはっは、て(笑)岩元:例えば音読のとき。自分の番を待ちながら「どうしようどうしよう」って不安で、いざ自分の番になったら結局何も言えないんです。長い沈黙が続いて、周りの生徒は「おーいどうしたー」、先生はフォローしてくれるどころかちょっと笑っているような感じ。その状況が本当に地獄でした。ー吃音と自覚したのは中学生の頃、と仰ってましたね。岩元:そう、それまでは「周りの友達と自分は違うな」と感じてはいたんですけど、それが何なのかハッキリとはわかりませんでした。でも、同じ地域に住んでいた男性で、自分と同じように話しづらそうな人がいたんです。その人が「吃音という言語障害がある」と言うので「あ、自分もきっと吃音なんだな」と。ショックというよりは、やっぱりな、という納得感でしたね。ー「吃音」というのを知ってから、何か変わりましたか?岩元:乗り越えるための自己流の訓練を始めました。新聞の文章をゆーっくり声に出して読んだり、ほんとうに自己流ですけど…医学的に効果があるかはわかりません(笑)あとは、もともと自分から変わらなきゃって思っていたので「知ったからには自分に出来ることをしよう」という気持ちが強かった。ー変わらなきゃ、というのはどうしてですか?岩元:その頃、地元鹿児島を離れ県外の中高一貫校に進学し、寮生活をしていたんです。ということは、6年間ずーっと学校でも寮でも同級生や先輩後輩と一緒なんですよね、男ばっかりで。(笑)小学校の頃みたく、学校では全く話さずさっさと家に帰って、一息つくということができない。だから「自分から変わらなきゃいけない」と思ってました。ちょっと無理をして、明るく能天気なキャラを演じて、多少うまく喋れなくても表現と愛嬌でカバーしようと思ったんです。ー「表現」ですか。岩元:そう、訓練してもやっぱり言葉で自己表現するのは上手くいかないから。言葉に頼らないような自己表現方法を模索しては、積極的にトライしてました。ギター、ダンス、手芸、美術、ピアノ、スケート、写真、あとは料理もかな…取り組んだものは極めるというか人並み以上にできるようにはなってたと思いますね。ーさっきダンスの動画見せてもらいましたけど、キレッキレで集団の中でパッと目をひく存在だなぁって…岩元:でしょ?…っていうのは冗談で、言語以外だと自分も素直に頑張れたんです。あと周りから「おーすごいね」って言われるのがめっちゃ好きだったから、始める動機こそ「言葉以外で…」って感じでしたけど普通に楽しんでやってましたね!(笑)◆高校のとき「お母さんが倒れたときくらいから上手に話せなくなったよね」と言われた出典 : ー吃音に気づいたのは中学の頃ということですが、ご両親はご存知だったんでしょうか。岩元:いや、両親も自分の子どもに障害があるという感覚はなかったみたいですね。自宅でも変わらず「あ、あ…」ってどもってましたけど、親はそれを障害とは思っていなくて。学校も通常級でしたし。その両親が「この子にはやっぱり障害があるんだ」と気付いたのが、自分が高校生のときだったと思います。「お母さんが倒れたときくらいから上手に話せなくなったよね」と言われました。…それはもうショックで「自分の人生を悪いほうに変えたのは両親だった」という衝撃で親を恨みましたね。本当に言葉は悪いんですけど…「お前らのせいで自分が障害者として人生を送らなきゃいけなくなったんだよ!!」と、逆恨みのような言葉をぶつけてしまったこともあります。◆あの時期は両親だけじゃなく全人類を憎んでいたような気がします。(笑)ー吃音のキッカケを知って、今のように前向きな考えになるまでどんな変化があったんでしょうか。岩元:そんなすぐに切り替えられたわけではなくて…。実は、この後もう1つ両親を心底恨んだ出来事があって、それが自分を大きく前向きに変えてくれましたね。ー「恨んだ、けど人生の転機」ですか…岩元:そう、自分、大学受験に失敗して浪人してるんです。もともと高校から推薦で大学に入れるはずだったので、進学を考える時期になっても「推薦あるしいいやー」と気楽に構えてたんですけど、当時の成績は10段階中1.5という低さ(笑)ー1.5はなかなかファンキーですね。(笑)岩元:すると両親が「推薦は駄目だ!!」と言って推薦を断ってしまったんですよ!1.5の僕には推薦しか大学に行く道はないのに。(笑)結局、仕方なく普通に受験をしたんですけど、当然どこも不合格で浪人することになりました。同級生が大学の先輩になることも、後輩と大学で同級生になることも、本当に嫌でしたね。もちろん地元鹿児島に戻っても同じ立場の友達はいるはずもなく、ずっとひとりぼっち。ーあぁなるほど…同級生はキャンパスライフをFacebookにあげるし。岩元:そう、本当そうっす!吃音の理由を知ったショックも重なり「自分の人生は全部両親に変えられてしまった」と感じて、最初はもうめっちゃ恨んでいましたね。ー気持ちの整理が追いつかない、というような。岩元:まさにそうです。まぁ、あの時期は両親だけじゃなく全人類を憎んでいたような気がしますけど(笑)
2017年05月10日入園・入学の季節は同時に、次年度入園する子どものママたちも、幼稚園選びで忙しくなります。幼稚園選びは秋までの半年が勝負! 先輩ママの経験談から情報収集のポイントをまとめてみました。幼稚園選びで押さえておく基本情報まず押さえておくべき基本情報は“通園手段”“給食orお弁当、“延長保育があるのかないのか?”“入園金と保育料”など。通園は毎日のことなので、ママにとって負担にならない手段を考えましょう。負担軽減のために電動自転車の購入や、自宅の近くで送迎が可能なスクールバスの選択も。食事については、給食かお弁当を選べる園も多いようですが、給食の場合は園内で作られるのか外部委託か、またアレルギー対策についても知りたいところ。そして見落としがちなのが、入園金・保育料以外の費用。給食やスクールバスを利用する場合は別途料金がかかるので、それらを含めたおおよその金額を知っておくとよいでしょう。これらの情報はもちろん幼稚園でも得られますが、公園や児童館で出会う先輩ママたちに話を聞いてみると良いかもしれません。幼稚園の教育方針と雰囲気は実際に足を運んで感じよう幼稚園の雰囲気を知るには、実際に足を運んで、見て感じてくるのが一番です。まずは定期的に行われている未就園児対象の行事や、園の開放日などに積極的に参加しましょう。Point1幼稚園の教育目標と雰囲気幼稚園の“教育目標”を知っておくことはとても大切です。規律を重んじるのか、学習系に力を入れているのか、子どもの自由な発想や戸外での遊びを大切にしているのか、それぞれ特色があります。これは幼稚園の柱となるものなので、幼稚園の要覧やホームページなどで確認しましょう。幼稚園の雰囲気は園長先生によって変わると言っても過言ではありません。Cさん(40代)は入園説明会で園長先生の話を聞き、教育目標と先生の人柄に惹かれてここに預けたいと思ったそう。チャンスがあれば園長先生や先生方と話をしてみるのもひとつです。幼稚園の雰囲気が一番わかるのは、普段の“子どもの活動や遊び”の様子から。実際に私が幼稚園選びをした際に決め手となったのは、園庭でのびのびと遊ぶ園児の姿でした。公立幼稚園なので延長保育はありませんが、私の優先順位は「1.園庭が土で広い、2.遊びが中心、3.雨の日に徒歩で通えるところ」でしたので、即決でした。子どもの様子以外にも、送迎時の“ママたちの雰囲気”も判断材料のひとつになります。「ママが居心地のよい幼稚園を選ぶのも大切!」と言うTさん(30代)は、気の合う友だちに巡り合い、ママ友マウンティングとは無縁の世界で幼稚園ライフを楽しんでいます。気になる園を数か所まわると比較対象ができるので、それぞれの違いや特徴も分かりやすいでしょう。最低でも2~3の幼稚園を調べることをオススメします。Point2“カリキュラム”と“習いごと”最近の幼稚園のカリキュラムはとても充実しています。「年少はスイミングと体操、年長になると英語と習字があったので、お得だと思って」と言うのはYさん(30代)。これらが保育料の中で行われているというので驚きです。保育が終わった後の時間を利用して、英語や音楽、体操や習字、学習などの“習い事”ができる園もあります。外部の企業が幼稚園の場所を借りて行うので別途料金が発生しますが、お迎えの時間が延び、また習い事の送迎の手間が省けるので利用する人も多いようです。Point3通常入園枠以外の特別枠通常の入園募集の枠とは別に、“兄妹枠”、“知人枠”、“プレ幼稚園枠”など、優先的に入園できる特別な枠がある園も。特別枠を使うか使わないかによって、入園手続きの動きも違ってきます。Point4経営母体による違い仏教系、神道系、キリスト教系など経営母体によって、幼稚園で行われる行事も異なるようです。Point5お受験系かそうでないか小学校受験を意識した幼稚園だと知らずに入園してしまうと親子で戸惑ってしまうかもしれないので、ここも知っておきたい点です。幼稚園情報、たくさん情報を収集すればするほど迷いが出てくるかもしれません。しかし“子どもにとって何が一番大切か”“妥協点はどこか”をしっかり考えれば、おのずと絞られてくるはず。そして“わが子が楽しめるかどうか”、そこも忘れずに幼稚園を選びたいですね。<文・写真:フリーランス記者林未香>
2017年04月18日いよいよ新学年。勉強の仕方を見直して、心機一転、がんばるぞ!という意気込みの人も多いでしょう。学年が上がったため、勉強時間をもう少し増やしたい、そんなときには“脳にご褒美”をあげるのが有効!4年生男子を英語力ゼロから半年で英検4級合格に導いた家庭学習ブロガーのなかやまさんに、効果的なモチベーションUPの方法を聞きました。必修科目にまで設定する学校があるほど、人気のマインクラフト(写真:なかやまさん提供)小学生男子も食いつく!「マインクラフト」って?神奈川県在住の主婦、なかやまさんの息子は4年生になってしばらくすると、先生から成績のことで「もう少しがんばりましょう」と注意されてしまいました。このままでは中学で落ちこぼれ、高校受験なんて無理かも!と焦ったなかやまさんは、家庭学習の習慣のなかった息子に勉強をさせようと試みます。途中から、高校受験に有利になるよう科目を英語だけにしぼって学習させたところ、ABCも知らなかった彼はわずか半年で英検4級に合格するまでになりました。4年生の男子がそんな簡単に親の言うことを聞く? これまでほとんど家庭学習をしてこなかったのに、いきなり「やりなさい」と言ったところでやる気なんて出るわけない!というわけで、なかやまさんが自宅での英語学習に取り入れたのはなんと「Minecraft(マインクラフト)」。プレイステーションやXboxなどで遊べるゲームで、画面の中で立方体のブロックを設置したり破壊したりして独自の世界を築き、森林の木々や地下に埋没している鉱石などを利用して武器や燃料を作るなど、とにかく遊び方が多岐にわたるのが特徴的。創造性に充ち、想像力をかきたてるため、スウェーデンのある学校では授業に取り入れられているという、なんだかすごい人気ゲームです。大好きなゲームを日課に取り入れることで時間管理ができるようにマインクラフト(通称「マイクラ」)を息子に買い与え、まずはその遊ぶ時間を1日1回、30分間に設定しました。プレイステーションの“ペアレントコントロール”機能を使えば、1日に遊べる時間を設定できます。遊び始めて30分経つと勝手に使えなくなるので、遊ぶのをやめざるをえません。もちろん「え~、もう終わり?」とぶーぶー言いますが、それは母に対してではなくあくまでもマシンに向かって文句を言っているので、ケンカや言い合いになることなくあっさりと遊ぶのをやめてくれます。そこでなかやまさんは、マイクラができる時間を朝学習の前の早朝に決めました。これには理由があって、英語を話す習慣をつけるためのオンライン英会話(スカイプを用いて海外に住む先生とマンツーマンでの会話ができるサービス)の、お気に入りの先生が早朝にしかいなかったから。また、学校から帰ってからの時間だと、公文や学研など塾に行って帰ってくるだけで勉強する時間がなくなってしまうこともあります。すると、それまでは朝、学校に行くために起こすだけでも一苦労だった息子は、マイクラやりたさに「明日は4時に起きようっと!」と自ら目覚まし時計をセットして、さっさと布団に潜り込むように。朝、寝ぼけた頭を30分間のマイクラですっきりさせてから公文を5枚、そのあとオンライン英会話を2レッスン(1レッスン25分)、というのが日課になりました。マイクラは30分で自動的に切れますが、その後のオンライン英会話は先生から電話(スカイプコール)がかかってきてしまうので、着替えや公文をやる時間など、ちゃんと自分で考えて時間配分をしないと間に合いません。必然的に自分で時間の管理もできるようになってきました。マイクラを通して具体的な目的が見えたマイクラにはほかにも利点がありました。世界中にプレーヤーがいるため、オンラインで英語でチャットしながらいろいろな国のプレーヤーと一緒にバーチャルな世界を冒険したりもできるのです(これはさすがに会話のスピードについていけず、4年生の息子には早かったみたい)。とはいえ、ユーチューブに自分のゲームの進捗を実況する動画がたくさんあるので、発音が聞き取りやすい英国人ユーチューバ―の動画を選んで見せています。実況ですから、画面と言葉がリンクしていて、わからない単語が出てきても彼は興味を持って見入っています。そのうち「僕、もっとダニエル(ユーチューバーのひとり)の言うことがわかるようになりたい!」と言うようになり、英語を学習する意欲がぐんと上がりました。英語が話せるようになりたい、といった漠然とした目標よりも、たった1つ、ダニエルと話がしてみたい。そんな小さな目的でもあったほうが、やる気の出方が違うことをなかやまさんは痛感。親の押しつけではなく、自らやりたいという気持ちにさせることに成功しました。息子が「ダニエル」と呼んでいるユーチューバ―DanTDMさん。確かに、男の子が夢中になりそうなおもしろさ。言葉に出てくる単語も難しくありません(写真:なかやまさんブログのスクリーンショット)”脳にご褒美”でモチベーションがぐんと上がる早起きする理由は「マイクラができるから」。英語を勉強するのは「ダニエルと話せるようになるから」。というように、具体的な“ご褒美”を脳に与えてあげれば、いくらでもモチベーションが上げられる。「これは利用しない手はないよね!」となかやまさんは言います。もちろん、“ご褒美”の内容はマイクラでなくてもよくて、それぞれ子どもの好みに合わせるといいでしょう。なかやまさんによると、大切なのは、“特別感”を持たせることだそう。なかやま家の場合は、遊べる時間がきっちり決められていることで、息子の「この時間だけは逃すまい」という気持ちが働いたわけです。子どもの大好きなものをひとつ見つけて、それを“ご褒美”にモチベーションをアップ。この方法はぜひ取り入れたいものです。なかやまさんの親子学習ブログに細かく学習の様子が書かれています。おやこども英語~目指せエーペラ~<取材・文:フリーランス記者岩佐 史絵>
2017年04月11日こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。日本の大学入試は、原則として“高校卒業と成績とテスト”がセットで必要です。ところが、海外で学ぼうとすると、行きたい国・行きたい大学によって、求められる「資格」や「テスト」が変わってきます。今、世界で主に通用している大学入学のための資格試験についてまとめてみました。●(1)TOEFL(Test of English as a Foreign Language)日本の高校または大学から、海外の大学や大学院に入学・編入学を希望するとき、英語力を証明するためにTOEFLの点数を提出するよう求められることが多いでしょう。TOEFL試験を運営する『ETS』によると、『オーストラリアやカナダ、英国、米国を含め130か国9,000以上の大学や機関に認められて』います。世界中、誰でも何度でも受験できるテストで、一定期間内に取得した一番良い成績を使うことが許されます 。またTOEFLは、最近増えている日本人帰国子女の英語力を証明する手段としても利用されています。TOEFLの点数が日本の高校や大学の帰国枠入試で考査材料になることも増えています。●(2)IB(International Baccalaureate)国際的に通用する大学入学資格制度であり、認定校で2年間のディプロマコースを学んだ後に試験を受け、必要とされる得点を取ればIBディプロマという資格を得ることができます。IDディプロマは大学入学資格であり、高ディプロマはハイレベル大学の入学資格となり、2年生に飛び級できたり、単位の一部免除を受けられたり、奨学金を得られたりといったメリットもあります。『IBO』によると、『急速にグローバル化が進む世界で生き・学び・働くうえで必要とされる、知性、個性、感性、社会性を育てる』『3~19歳の学生のためのプログラム』とのこと。IBプログラムはTOEFLとは違い、一般的な高校で学ぶだろう教科すべてにおいて、解析・証明・論説といった学習と試験を受ける必要があり、独学での対応は原則不可能 です。また、IBは2年のIBコースを履修して試験を受ける原則1回のみのチャンスとなります。●(3)SAT(Scholastic Assessment Test)アメリカの大学進学で利用されることの多い学力試験です。語学と数学分野のSATⅠとそれ以外の教科のSATⅡがあり、大学側がSATⅠのみ、またはSATⅡの一部を受験資格として指定します。SATを運営するCollege Boardによると、『多くの大学がCollege Boardから直接スコアレポートを送るように受験者に要求している』とのこと。College Boardは試験結果を登録した大学へと直接送ってくれるため、受験者は無駄なく入学や奨学制度にアプライすることが可能です。試験そのものは何度も受験可能ですが、成績は過去複数回分のスコアがまとめてレポートとして出ます。そのため、一番高得点の分だけを提出するということは原則できません。日本からアメリカの大学へと進学を希望する学生が多いこともあり、国内にSAT対策予備校などもあります 。ただし、アメリカ以外の国の大学への進学を希望する場合には、SATが資格認定として認められていないこともあるので要注意です。●(4)GCE(General Certificate of Education)、GCSE、IGCSE、GCE-A、GCE-ASSATやIBが主にアメリカで通用するのに対し、GCE群はイギリス系の国で広く用いられています。GCEは総称にあたり、GCSEがもっとも基本的な中等教育最終段階に受けるイギリスの統一試験です。いわば、高校卒業試験のようなもの。その科目はオフィシャルサイトであるGOV.UKサイトに掲載されていますが、国語や数学、語学といった主要教科以外に、デザイン、コンピューター、ダンス、ドラマ、宗教など幅広く専門性の高いものも含まれています 。GCSEで一定の成績を収めると、大学進学のためのコースであるGCE-Aレベル、またはGCE-ASレベルへと進みます。A(Advance)は上級、ASは準上級を意味し、ある程度専攻分野を決めて集中的な学習を行います。日本の大学の教養課程、またはカレッジレベルともいわれます。IGCSEはGCSEのInternational版で、世界各地にある英国系インターナショナル校で使われています。大学進学を目指す場合は、IGCSEの後にAレベルを受験します。GCEも原則学校教育を受けた後に受験し、受験回数は1度です。●まとめとしてそれぞれのテストに、通用しやすい得意な国があったり、受けるための条件もあったりするため、どれでも好きなものを選べるというわけではありません。IBやGCEを選ぶ場合には、遅くともIBやGCEの試験用カリキュラムがスタートする中学生のころには必要な環境を準備する必要がでてきます。TOEFLやSATは、日本の普通の高校や大学に在学していても本人の努力しだいで受験が可能であり、その結果次第で海外の大学への進学・留学がスムーズに、または国内の希望校入学も可能になります。それぞれの試験の特徴をよく理解し、さらに変化著しい受験情報をしっかりとチェックすることで、今後の教育の選択肢を広げていきたいですね。【参考リンク】・TOEFL()・SAT Suite of Assessments | The College Board()・International education | International Baccalaureate®()・GCSE subject content | GOV.UK()●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)●モデル/福永桃子
2017年04月05日待機児童の増加と保育士不足が叫ばれる昨今、子どもを産んでから保育士の仕事に興味をもち資格を取得する人も増えています。どのように勉強し、どのような場で資格を生かしているのでしょうか?5人のママにインタビューしてみました。何をきっかけに保育士資格を取ろうと思いましたか?2015年に資格を取得したアルプスさん(47歳)、上の子ども2人は既に成人し、一番下の子どもが現在高校生。常々「子育てがひと段落したら何か資格を取得したい」と思い続け、自分の育児経験を活かしつつ長くできる仕事として、保育士を選びました。保育士資格取得のためがんばって勉強をする友人の姿が刺激になり、自身も資格を取得したのはドリームママさん。バイオリンの講師をしているSeikoさんは、“社会の役に立てるような仕事”をしたい、そして“国家資格”という点にも魅力を感じ昨年受験、見事合格しました。保育士試験についてここで少し“保育士試験”について触れておきます。保育士の人材確保のため平成27年より年に2回、試験が実施されるようになりました。受験料は28年度時点で1万2700円。筆記試験と実技試験があり、筆記試験においてすべての教科で合格点がとれると、実技試験を受けることができます。筆記の合格科目には試験の免除期間が設けられており、3年以内であれば1度合格した科目の受験を免除される仕組み。1度に全科目を合格できなくても、不合格だった科目だけを重点的に勉強し受験すればいいのです。そして同じく平成27年度から対象施設において一定の実務経験がある場合は、合格科目の受験が最長5年間免除されるように。数年かけて焦らず資格取得を考えることができそうです。では、みなさんどのように勉強をしたのでしょうか?勉強は大変だった?費用はいくらくらい?勉強方法や期間は、それぞれの家庭の事情やライフスタイルの違いによってバラバラ。しかしほとんどの人が参考書と過去問を購入し、独学でスタートしていました。1回目の試験は参考書で独学し、2回目に残った苦手な教科はスクールに登録、音声教材を利用したのはSeikoさん(39歳)。費用はトータルで5万円くらい。「短期集中型なので、そのときは大変でしたが、今思えばたいして大変ではなかったのかも…」と振り返ります。4人の子どもの母でもあるブラウンさん(45歳)は、家族や離れて暮らす両親を第一に考えていたので自分のことは後回しに…。思うように勉強がはかどりませんでした。しかし通信教育と、専門学校の短期講座を受講して3年で資格を取得(トータル約8万円)、「私もまだやればできるんだ!」と自信につながりました。1年の独学後、2年目から専門学校に通ったドリームママさん(42歳)は、合計15万円かかったのだとか。しかし少し費用がかかったとしても、学ぶ場として“学校”を選ぶのも良い選択、素敵な自己投資です。それぞれが自分に合うスタイルを見つけて勉強している点が素晴らしいと思いました。補足:通信教育はリーズナブルなところだと4万円台から。模試や学科の添削、DVD・CDの教材、Web配信講座などの内容はもちろん、フォロー体制とサポート期間が異なり、それが値段に反映されているようです。保育資格取得、保育の勉強で得たものは何ですか?バイオリンの講師をしているSeikoさんは、「以前は無意識に、感覚的に子どもに接していましたが、保育を勉強したことで裏付けされる点が多く、安心感が増えました」。「別の視点から自分自身の子育てを見直す機会ができたこと、それがプラスです」と言うのはペコママさん(34歳)。これまで保護者の立場からの視点だったのが、視野が広がり保育園側の立場からも物事を考えられるように。単に知識として学んだだけではなく、日常の小さなところでもその学びが生かされているようです。ある程度子どもが大きくなり、保育士として活動しているアルプスさんとブラウンさん。ファミリーサポートや、有償保育ボランティアのグループで週2~3回活動をしています。2人は「自分の経験を生かして、誰かの役に立てるということが喜びです」と口をそろえます。「子は宝。大変なときは1人で抱え込まず、みんなで支え、ママを助けることが大切」とアルプスさん。子どもを保育するだけではなく、母親の気持ちに寄り添うことも大切にしている様子がうかがえました。「“子どもは社会全体で育み、守っていかねばならない大切な存在”であることが、今までよりも深く実感できるようになりました」。今の世の中で忘れられがちなフレーズを聞かせてくれたのはSeikoさん。この言葉が胸に響きます。保育士としてだけではなく、母親として人としても学びが多そうな保育士資格、ムダにはならない資格のひとつとして注目すべきかもしれません。<文・写真:フリーランス記者林未香>
2017年03月19日こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。嫉妬は人が持つ感情の中でもとびきり複雑でとびきり醜く表れやすいものです。誰だって感じたくないし、当てられたくもない嫉妬ですが、その原因は身近なところにたくさんあって、なかなか避けられません。残念ながら、ママ友の間にも嫉妬はつきもの。ママ友間の嫉妬はどんなところから生まれやすいのか、それをどうすればトラブル化させずにかわすことができるのか、30~50代のママ仲間10人に聞き取りをしてみました。●(1)経済的な背景への嫉妬10人中4人が取り上げたのが、“実家や夫などの経済力に対する嫉妬”の怖さでした。社宅住まいのWさんは、『夫の出世で、ママ友付き合いがガラリと変わってしまった 』と嘆きます。これまでは同僚として一緒にキャンプにいくような家族ぐるみの付き合いをしてきたのが、夫が昇進するや、ママ友だったその妻の言葉遣いが変わり、子ども同士を遊ばせる回数も激減。もうママ友とは言えないような関係になってしまったそうです。Wさんは、『直接、嫉妬をぶつけられるわけではないけど、これも一つの嫉妬の形よね』と悲しげ。また、ご主人が会社を経営しているTさんは、『B級グルメツアーに、何度か誘ってもらえなかった』と打ち明けてくれました。ママ友仲間が計画したB級グルメツアーに、Tさんともう1名の“高収入な夫を持つママ”はメンバーとして声をかけてさえもらえず、後で知り、「え~、行きたかった」と言うと、「だってB級だし」と言われたそうです。微妙ですが、そこにも嫉妬の影がチラチラ。Tさんは、『「私も行きたいから次は誘って」とごり押しして無理矢理にでも仲間に入れてもらっている 』とのこと。嫉妬を消すことはできなくても、こうしてママ友のつながりをキープするのが大切だとTさんは言います。●(2)ママの仕事への嫉妬専業主婦か、パートタイムかフルタイムで働いているかでも、嫉妬は生まれています。ママ友の食事会。専業主婦なら参加が当たり前。パートタイムなら、時には不参加も仕方ない、でもフルタイムの場合は参加できなくて当たり前。その感覚には、気遣いだけでなく嫉妬も含まれているというのはYさん。「Yさんはフルタイムだし、ランチは無理よね」と誘われる前にダメ出しされてしまう というYさん。その横で、「何曜日なら大丈夫なの?」と聞かれているパートタイムで働くママ友は、「フルタイムで働けばもっと稼げるけど、ランチに行けなくなるのもイヤだしね」とこれ見よがし。毎回繰り返されるこんなやり取りを「どう考えても、嫉妬からくる嫌味」とYさんは感じるそうです。『この場合、「フルタイムは大変なのよ」とか「そんなに給料もらえないよ」といった愚痴は逆効果。かわりに、学校行事などで平日休みを取るときに私からランチや家でのお茶に誘う ようにして、関係をつなぐよう努力しているのよ』と教えてくれました。同じく嫉妬の原因に「仕事」を上げたママは3人。そのうち2人は、『自分が働きたくても働けないからこそ、仕事の話題になるとうらやましくなってしまう』と嫉妬を感じる側の気持ちも代弁してくれました。●(3)子どもの学校・学力への嫉妬ママ友間の会話でのトップトピックスは「子ども」。乳幼児なら、「言えた・できた」、入園時ならどこの幼稚園を受けるか、小学校や中学校なら成績や受験についての話題は避けられません。幼児期におしゃべりが上手でも、ひらがなやカタカナを覚えるのが早くても、それが将来どの程度何に影響するかと聞かれると疑問もあります。でも、そのときのママたちの間では重大問題です。『「うちの子はどうしてひらがなを覚えられないんだろう」と焦ってしまった』と話してくれたのはRさん。入園前に通っていたママサークル内での子ども自慢に、疑問より先に焦りを感じたそうです。Sさんもまた、『小学校受験のときも中学校受験のときも、うちの子が受験をしないというだけで、ママ友間だけでなく子どもたちの間もギクシャクしてしまった』と言います。また逆にFさんの場合は、『「公立小学校に行かずに受験する」と話した途端に、ママ友からのメッセージが激減した』と話してくれました。子どもの学校選びはプライベートな問題ですが、それが原因でママ同士も子ども同士も関係が悪化することがあり、『打ち明けるタイミングがとても難しい』(Fさん)とか、『早い時期に打ち明けておかないと言い出せなくなるし、否定的な意見は絶対に口にしたらダメ 』(Sさん)といったアドバイスもありました。●まとめとして嫉妬を全く受けない、全く持たないというのは難しいかもしれません。誰の心にも多少の「羨ましいな」は存在しているものでしょう。でも、それがママ友間の大炎上の原因になったり、ママ同士だけでなく子どもたちの関係にまで影響したりするとしたら問題です。うらやましい気持ちを持つのは当たり前。だからこそ、それを隠しすぎずにサラリと口に出すことで流す、または大人らしくきっちりと胸のどこかに仕舞い込む、大人なママはそのくらいの嫉妬対策を身につけておくべきかもしれませんね。●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)●モデル/ゆみ、SAYA
2017年03月18日こんにちは。育児に仕事に忙しすぎて、ストレスの発散どころがなーい!と最近悶々としております。フリーママライターの横山かおりです。たまにはマッサージとか一人で映画とか行きたいけど……自由になるお金もそんなにないし。いつもお財布と相談しながら生活しているみなさん、お疲れさまです!やっぱり家族が増えるとお金がかかりますよね。皆さんはどんなときにそれを感じますか?そこで今回は、ママたちに“子育てはお金がかかる”と感じた瞬間について聞いてみました。●赤ちゃん編『先輩ママから「母乳だったらお金かからないよ」と言われていたけど、搾乳機や母乳のフリージングパック、母乳パッドなど……地味にお金がかかっています。仕方ないけど全然かからないと思っていたから少しつらい!』(0歳6か月女の子のママ)『何よりオムツ代が結構かかる。もうLサイズでもいいのに、枚数多いほうがいいからMサイズでまだ頑張っています 』(1歳女の子のママ)これはベビーママあるあるですね!オムツの枚数を地味に節約したり、もうパンツタイプでいいのにテープタイプで頑張ったり……。本当に地味な節約方法なのですが、「ちりも積もれば……」ということでオムツを選んでいるママはかなり多いです!●幼児編『私立の幼稚園に行っているのですが、月々の保育料の他に給食費、絵本代、バス代……などと諸費用が多すぎて驚いています。全部まとめたおおよその金額を最初に提示して欲しかった!』(1歳女の子と5歳男の子のママ)『兄妹が増えるとイベント時のプレゼント代でかなりの出費がかかります。クリスマスと誕生日にあげる金額が倍になる ので、家族が増えるって幸せだけど本当にお金がかかるなぁと痛感しています』(0歳、2歳、5歳女の子のママ)子どもが成長するにつれてお金のかかり方も変わってきます。大きくなると欲しいものも増えてくるので、おもちゃ代なども意外とかかるんですよね。幼稚園も私立だと結構な金額がかかります。幼稚園選びでは細かい部分まで先輩ママに聞いたほうが良いですよ。●児童編『中学受験を始めるために塾に通いだしたのですが、本当にお金がかかる!ママもフルタイムで働かなきゃいけないかも ……と焦りを感じています』(小学校4年生女の子のママ)習い事でお金がかかるのは仕方のないことですが、中学受験向けの塾は特にお金がかかります。最初は週1、2だったものが、6年生になるころには週5日塾なんていうのも当たり前の話。習い事をするときは金銭面でも計画的にはじめましょう。----------子どもを育てるって本当にステキで幸せなことなのですが、お金もたくさんかかります。日々少しずつでも貯蓄をして、計画的に生活できると素晴らしいですね。●ライター/横山かおり(ママライター、元モデル)●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)
2017年03月10日臨床心理士とは出典 : 臨床心理士とは、不登校や精神障害などのこころの問題をかかえた人に対する療法や、こころの問題を予防するための研究にもとづいて、人のこころにアプローチする専門家です。臨床心理士はクライエント(=カウンセリングや福祉での相談者)の視点に立って、クライエント一人ひとりの独自性や固有の特徴、問題点を見つけることに重きを置いています。これに加えて、どのような援助の仕方が最適なのかも同時に明らかにしようとします。クライエントの特徴によって、さまざまな臨床心理学技法を用いてクライエントのこころを支えていきます。しかし、臨床心理士はこころの専門家ではありますが医師とは異なります。そのため、薬をつかった治療や障害かどうかの診断をすることはできません。また医師にかかる場合は、健康保険が適用されますが、臨床心理士に相談する場合は基本的には健康保険が適用されません。参考臨床心理士の専門業務|日本臨床心理士資格認定協会臨床心理士の活躍の場出典 : 臨床心理士は発達障害や精神疾患で苦しんでいる患者さんをはじめ、身体疾患のある患者さんや人間関係に悩んでいる人なども対象にしています。臨床心理士は幅広い人を対象にしているため、その活躍の場も多岐にわたります。医療機関や福祉施設だけでなく、学校や会社の相談室で活躍されている臨床心理士の方もいらっしゃいます。家庭裁判所で調査員として関わったり、鑑別所で子どもの特性を踏まえたうえで処遇の検討をしたりする方もいます。他にも、DVで苦しんでいる方の相談にのったり子育てに悩んでいる保護者の相談にのったりしている方もいらっしゃいます。ただ心理学系の資格は臨床心理士以外にも多く、臨床心理士ではない資格でも活躍されている方も多くいます。そのため実際にどの資格をもっているのかを職業から判断することはできないので注意してください。臨床心理士になるための資格取得の方法は?出典 : 平成27年の時点で臨床心理士の資格を持っている人は全国31,291人で、そのうち医師免許を持っている人は573人です。臨床心理士の資格は国家資格ではなく、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会による民間資格です。出典「臨床心理士」資格取得者の推移|日本臨床心理士資格認定協会臨床心理士の資格を取得するには、受験資格を満たしたうえで年に1度東京で10~12月にかけて行われる資格審査に合格しなければいけません。受験資格は大きく3つの種類にわけることができます。・日本臨床心理士資格認定協会によって指定された大学院を修了している者(ただし、大学院によっては1年以上の心理臨床経験も必要になる場合があります)・諸外国で上記と同等かそれ以上の教育をうけて、日本で2年以上の心理臨床経験がある者・医師免許取得者で、取得後2年以上の心理臨床経験を有する者試験は一次試験と二次試験があり、臨床心理査定、臨床心理面接、臨床心理的地域援助およびそれらの研究調査等に関する基礎的知識と技能について問われます。一次試験は筆記で100問のマークシート型の試験(150分)と定められた字数内での論述型試験(90分)の2種類を1日で実地します。二次面接は2名の面接委員による口述での面接試験です。一次試験、二次試験ともに合格すると、臨床心理士として名乗ることができるようになります。資格取得後も臨床心理士は、5年毎に資格の再認定を受けることが義務付けられています。参考臨床心理士になるには|日本臨床心理士資格認定協会臨床心理士による相談の流れ出典 : 臨床心理士による療法は心理アセスメント→治療方法の選択→治療開始というおおまかな流れで行われることが多いです。心理アセスメントとは、生活におけるクライエント独自の行動やふるまいを調べたり、さまざまな検査をしたりして、クライエントの状態を理解して判断することです。たとえば観察法、質問紙法、投影法、作業検査法、面接法などの方法を用いて行われます。心理アセスメントの結果から、臨床心理士はクライエントにとってよりベストな療法を提示し、療法をすすめていきます。臨床心理士による、発達障害に対する心理アセスメント出典 : ここからは発達障害の子どもによく行われる心理アセスメントの紹介をします。発達障害の子どもにはよく以下の3種類のアプローチで心理アセスメントが行われます。臨床心理士が子どものことを身近で見ている保護者にいくつか質問をしたり、話し合ったりすることで手掛かりを見つける方法です。保護者が子育てをしているなかで、感じている問題や子ども自身の今までの生活の様子・病歴・家族関係などさまざまなことを聞かれることがあります。他にも、成育歴を聞かれることもあり、出生状況や出産時の子どもの状態といったことから食事・衣服の着脱・排泄・睡眠などの生活習慣がどれくらい身に付いているのかということを質問されることもあります。知能検査・発達検査・スクリーニング検査は、子どもの問題に応じていくつかの検査を使い分けて行われます。それぞれの検査について説明します。◇知能検査知能検査ではおもにIQ(知能指数)の値を指標とすることが多いです。従来は、精神年齢と生活年齢をもとにもとめる比例IQを用いることが多かったですが、最近では、同年代の平均との隔たりをもとにもとめる偏差IQが中心になってきています。知能検査を行う目的は認知発達の水準を科学的・客観的に評価することで、その人の得意分野、不得意分野を分析することです。知能検査の結果からわかる子どもの得意、不得意分野から療法の方向性を決定するために使われます。代表的な知能検査に以下のようなものがあります。・ウェクスラー式知能検査・田中ビネー知能検査・K-ABC心理・教育アセスメントバッテリー・DN-CAS 認知評価システム◇発達検査発達検査では日常生活や対人関係などにおける子どもの発達基準を数値で表したDQ(発達指数)を算出します。子どもが成長していくには、発達段階に適したアプローチが必要になります。そのため、発達段階を客観的に知るための手段として発達検査は使われます。ただし、発達指数の値だけで子どもの発達状態を判断をすることはありません。あくまでものさしの一つであり、発達検査から分かる能力のバランスや日常生活の様子などを総合して子どもの発達状態を把握します。代表的な発達検査には以下のようなものがあります。・新版K式発達検査・乳幼児精神発達診断法◇スクリーニング検査発達障害に関するスクリーニング検査は、どの精密検査を行うべきかの判断や潜在的な発達遅滞や発達障害の可能性を検査するために行われます。スクリーニング検査は、たくさんある発達障害のうち、子どもの障害として可能性のあるものを絞り込むためのものです。スクリーニング検査には網羅性が重要視されるため、正確性はそれほど高くはありません。かりに検査で陽性が出たとしても精密検査するかどうかの判断基準になるだけで、発達障害であることが確定するわけではないということに注意が必要です。スクリーニング検査は乳児健康診査、1歳6ヶ月健康診査、3歳児健康診査などの場でも活用されています。代表的なスクリーニング検査には以下のようなものがあります。・STRAW・M-チャート・ADHD-RS・LDI-R・PARS臨床心理士は言葉をかけた時の子どもの反応や、話し方、質問を正しく理解しているのかなどのさまざまな反応をできるだけ詳細に観察して、子どもの特徴やくせを見つけようとします。臨床心理士による、発達障害へのアプローチ出典 : 臨床心理士が心理アセスメントをした結果、発達障害の可能性が高いと判断したときや、すでに医療機関で発達障害と診断されているとき臨床心理士はどのような支援をしてくれるのでしょうか。臨床心理士と一概に言っても、臨床心理士の行う療法にはさまざまな種類があり、それぞれの臨床心理士によって療法が異なる場合もあります。ここでは、発達障害へのアプローチとして代表的なソーシャルスキルトレーニングとペアレントトレーニングを紹介します。ソーシャルスキルとは、抽象度が高く明確な定義が決まっているわけではありませんが、他人とよい関係を築き、社会に適応するために必要な能力だといえます。発達障害の子どものなかには、支援を受けないままではソーシャルスキルを身につけることが難しく、友達と良好な関係をつくることが困難である場合や、集団生活が苦手な場合があります。ソーシャルスキルトレーニングは、スムーズに身につけられなかったソーシャルスキルを獲得するための療法です。ペアレントトレーニングは、「親は子どもの最良の治療者」という考えからうまれた保護者向けのプログラムです。ペアレントトレーニングにはいくつか種類がありますが、基本的には臨床心理士などの専門家のもとで講義・ワークを行うことが中心のプログラムです。臨床心理士のもとで学んだことをホームワークとして継続していきます。保護者はホームワークをしていくなかでうまれた不安や悩みを相談することもできます。ペアレントトレーニングの効果として、保護者の不安解消や子育てに対する自信を得られることや子どもが好ましい行動をとる傾向が強くなることが期待されます。臨床心理士による、不安障害に対する心理アセスメント出典 : 臨床心理士は精神疾患で苦しんでいる人への支援もしています。精神疾患のなかでも、発達障害の二次障害としておこりうる不安障害を例にとって心理アセスメントについて説明します。心理アセスメントは、クライエントに絵を描いてもらったり、はい/いいえで答えられる質問を複数聞いたりしてクライエントのこころの様子や性格などを知るための方法です。臨床心理士は心理アセスメントを通して、クライエント一人ひとりの不安障害の原因となる考え方を明らかにしていきます。心理アセスメントは具体的には投影法、作業検査法や質問紙法などの方法が用いられます。臨床心理士は、不安にかられてしまうような場面を具体的に想定して、そのときの無意識な思考をクライエントから読み取ります。さらに、その思考になった原因となる考え方やその場面でのクライエントの行動などを明らかにしていきます。参考社交不安障害(社交不安症)の認知行動療法マニュアル(治療者用)臨床心理士による、不安障害へのアプローチ出典 : 臨床心理士による不安障害に対する代表的な療法として、認知行動療法・森田療法・曝露法(エクスポージャー法)があります。認知行動療法では、不安の原因になっている考え方を再構成することで不安をなくしていきます。たとえば、テストであまり点数がとれなくてなにをやってもだめだと不安になっている場合について考えてみましょう。「次回はいい点が取れるかもしれない」と考えたり、「勉強ができなくても歌はうまいから、自分はなにをやってもだめなわけではない」と考えたりすることができるようになると、強く不安にかられることがなくなります。森田療法の特徴は、不安や恐怖を消そうとするのではなく、不安や恐怖を自然な感情として受け入れようとすることです。森田療法には、「自然な感情を自覚して、受容する」などの5つの指針が定められており、それをもとに療法が行われます。曝露法ではあえて不安を感じる場面に身をおくことで、その場面に慣れて少しずつ自信をつけていくものです。いきなり本人にとって強い不安を克服しようとすると、かえって悪化してしまうこともあるので弱い不安から少しずつ克服していくことが大切です。たとえば、人前で話すことが苦手な人であれば、親しい人からはじめて、少しずつ人数を増やしたり見知らぬ人の前で話したりするようにしていきます。臨床心理士にどこで会えるの?出典 : 臨床心理士に発達障害や精神疾患についての相談ができる場所としては、医療施設、学校・園のスクールカウンセラー、福祉施設、大学附属の施設、私設相談室などがあります。◇医療施設精神科医と臨床心理士が連携して治療をしている病院もあります。◇学校・園のスクールカウンセラー学校や園にはスクールカウンセラーのいる相談室がある場合があります。スクールカウンセラーの多くは臨床心理士の資格を持っています。スクールカウンセラーが相談室に常駐せず、毎週決まった時間のみ相談を受け入れているようなケースもありますので、詳しくはお子さんの通われている学校・園にそれぞれお問い合わせください。◇発達障害者支援センター発達障害者支援センターは、発達障害のある人に対して総合的な支援をしている専門機関です。地方自治体によって指名された社会福祉法人、特定非営利活動法人によって運営されており、保険・医療・福祉・教育・労働などの機関と連携することで地域における総合支援ネットワークを築いています。発達障害者支援センターには「発達障害者支援センター運営事業実施要綱」に基づいて障害者支援の専門家が配置されています。しかしセンターによっては、臨床心理士ではなく、言語聴覚士、精神保健福祉士や医師などの専門家が配置されている場合もありますので、相談に行く前に臨床心理士がいるかどうかをご確認ください。◇大学附属の施設多くの大学には、学生向けの相談室を用意してあります。また大学によっては、学生だけでなく一般の方向けの相談室もある場合があります。詳しい利用方法については各大学のホームページで確認できるようになっているのでご確認ください。◇私設心理相談室施設心理相談室は個人もしくは複数人で経営されている相談室です。臨床心理士ではない資格でも同じような相談室を経営している場合もあるので、臨床心理士に相談したい場合は各相談室に確認してください。以下のサイトからお近くの臨床心理士のいる相談室を探すことができます。臨床心理士に出会うには|一般社団法人日本臨床心理士会公認心理師とは出典 : いままでは、心理学系の国家資格はありませんでした。そのため近年、心理学系の国家資格をつくろうとする動きがありました。その結果、公認心理師法という法律が平成27年9月9日に議員立法によって成立して、9月16日に公布されました。公認心理師法は、公認心理師という国家資格を定めるとともに、国民の心の健康を増進させていくことを目的にした法律です。公認心理師法の大部分は公布の日から2年以内に施行されることになっています。厚生労働省によれば、平成29年9月15日までに施行される予定になっています。公認心理師という資格の説明は、以下の通りです。公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供第1回国家試験は平成30年までに実施すると厚生労働省は発表しています。公認心理師が制度化されたことで、臨床心理士や精神科医の仕事内容がかわっていく可能性もあるので今後注意が必要です。参考公認心理師について|厚生労働省まとめ出典 : この記事では、臨床心理士になるための方法から具体的な療法や検査の種類に至るまで説明してきました。臨床心理士について知りたいときや、相談するか迷っているときに参考にしていただければ幸いです。この記事内で取り上げた療法はあくまで一例にすぎないということをしっかり留意して、臨床心理士とよく相談して療法や通う頻度・期間を決めていただけると幸いです。
2017年03月10日安倍政権になって、最初に始めた議論は、大学入試改革、道徳や英語の教科化、そして幼児教育の無償化でした。幼児教育の無償化は、幼児期の義務教育化が期待されていましたが、現在は財源の関係で、年収要件を付けた経済的支援という形になっています。教育というよりは子育て支援の一つと考えた方が正しいでしょう。最近になって、「教育の無償化」として、高校や大学まで、希望する人すべてが進学できるように、義務教育の後も無償化すべきという意見も聞かれるようになりました。ただ、幼児教育を無償化する財源の8000億円ですらなかったのですから、全ての教育を無償化するために必要な5兆円を国が配分するとは思えず、これはあまり期待しない方がよいと思います。そして、子どもに習わせたいお稽古ごとの上位に入る「英語」。これは、3年後に5、6年生で教科化されることになりました。教科になるというのは、成績もつくということです。そなると、「中学受験でも英語が必要?」と不安になりますよね。これは基本的に受け入れる側の中学の判断になりますから、これからは中学受験のための英語を勉強しなくてはならないこともあるかもしれません。ただ、大学受験のための英語がそうであるように、「受験のための英語」を学ぶことは、将来、実践としてはほとんど役に立ちませんから、本当に必要なことなのかどうか、学校側も、また親もしっかりと判断することが必要です。また、今5、6年生が「外国語活動」として行っているものを、3,4年生に前倒しします。つまり早期に始めることで、より「使える英語」にするということを目指しています。道徳の教科化については、いじめ問題への対応として始まったものでした。これも英語と同じタイミングで教科になり、やはり成績もつくようになります。とはいえ、なかなか数値での評価は難しいので、記述式での評価になる予定。今、道徳の授業といえば、年間35時間は教えることになっているものの、運動会などの練習に振り替えられたり、お話を読んで考えるという授業方法から、国語との違いがわからないなど、真剣に取り扱われていない実態があります。教科にすることによって、物事の善悪を考えたり、思いやりの心を育てたりなどいう本来の道徳の教育がきちんと行われるようになることが、期待されています。大学入試は、4年後に大学生になる今の中学2年生が受験をするときから、新しい制度になる予定です。数年間の試行期間を経て、本格的に変わるのは、そのあとになるので、今の段階では、まだまだどうなるのか不透明。でも方向性としては、1回きりの試験から、通年で機会がある、マークシートだけでなく記述問題も出るなど、少しずつ固まりつつあります。講義式の一方通行の授業から、自分たちで課題を見つけ考える「アクティブラーニング」、コンピューターに早くから慣れ親しむためのICT教育など、小学校では3年後、中学校では4年後の本格実施に向け、今、様々な準備が進められています。ちょうど、子供がこの時期に差し掛かるという世代が多いみなさんにとっては、不安もことさら大きいことでしょう。今の教育も、ましてや自分たちが受けてきた教育は、全く参考にならないのではとも思ってしまいますね。親として、こんなにたくさんある変化を、どう受け止めればよいのか。私は、まず親が、自分の子どもが生きていく将来の社会の姿を、一生懸命想像し、考えることだと思っています。科学の進歩は目覚ましく、今、小学生の子どもたちが将来就く仕事の6割は、今ない職業だとも言われています。今の小学生が社会人になるのは、あと10年ちょっとのことです。進歩や変化は早いので、なかなか想像するもの難しいと思いますが、とにかく頑張って、一生懸命考えるのです。そしてその将来の社会で、どんな能力が必要になるのか、それをさかのぼって考えていくことで、今、子供に必要な教育も見えてくるはずです。また一方で、社会がどう変わろうとも、「人」として必要なことは、どの時代も大きく変わるものではありません。例えば、人の気持ちを考えることができる、約束を守るなど人間としての基本は普遍的なものです。親としての責任は、子どもの将来に責任を持つことができるかということに尽きると私は思っています。今、親である自分自身が持っている最大の力を尽くして、一生懸命考え、想像し、責任を持って子供たちを、将来へ導いていきましょう。春は別れと出会いの季節。進級や進学を控える子どもにとっては、一年間の締めくくりです。それを見守る親としても、なかなか感慨深い日々が続きます。新しい環境のスタートである4月の新学期よりも、親にとっては、「3学期の終わり」にこそ、子どもの成長を実感するように思うのです。そして私自身も、今年、小学校を卒業する子どもに、成長への感慨深さと共に、何だか整理できない寂しさも感じています。ランドセル姿を見るのもあと10日。そんな進学や進級を控えた「別れと出会いの季節」に、これからの子どもたちの教育や、生きていく社会はどのようになるのかを、改めて考えてみるのもいい機会です。
2017年03月10日私の娘は、22歳の時にアスペルガー症候群と診断されました。そんな娘が小中学生だった当時は、まだまだ発達障害についての世間の認識が薄かった時代。娘の特性に対する理解や支援を得られず、小学校高学年から続いたいじめの影響で、神経性食欲不振症、不登校、被害妄想、幻聴幻覚、解離などの二次障害が現れていきました。そして、いま現在も入院治療が続いています。今回は、前回記事の小学生時代に続き、娘の中学生時代についてお話します。これは今から、15年ほど前の出来事です。現在では信じられないような出来事に、親子で随分と苦しめられてきました。障害や教育に対する支援・態勢が、現在と比べてどのくらい異なっていたのか、その点も含めて読んで頂けると嬉しいです。入学した中学でもいじめが待ち受けていた出典 : いじめの事態が改善されないまま小学校を卒業した娘でしたが、期待を持って入学した中学でも、再びいじめが待ち受けていました。三校の小学校から生徒が集まる中学だったので、娘の名前はすぐに知れ渡ってしまい、新しい仲間にも打ち解ける事ができないようでした。学校に行く事が苦痛になっているのではないかと感じましたが、頑張って登校している娘を見ると何も言えず、ただ楽しく過ごせるようにと祈る事しか出来ませんでした。加えて同じ頃、重度知的障害のある四年生の次男が、担任が変わり環境が変わった事で落ち着かなくなり、些細な事でも大声を出しパニックを起こすようになりました。私は、娘の事が気になりつつも、目の前の次男の対応に追われていました。2泊3日の学年行事から帰宅後、言葉を話せなくなった娘。出典 : 娘に変化が起きたのは6月下旬でした。新1年生の行事である2泊3日のふれあい合宿を終えて帰宅した時のことです。「お帰り〜!」と、私は声をかけましたが、娘は何も言わずに黙って下を向いたまま。出かける前には、「行きたくない」と口にしていたので、いろいろあったのだろうなと思い、私はそれ以上は何も言いませんでした。夕食の時間になっても、娘は何も話さず、食事も口にせず、下を向いたままでした。私は娘の様子が気になったものの、「合宿で何かあったのだろうか。話したくないなら仕方がない、明日になれば、少しは元気になるだろう…」と考え、事態をあまり重く受け止めていませんでした。ところが事態は、私の想像をはるかに超えたものでした。翌日以降も、何を聞いても、返事をするどころか、顔を上げる事すらせず黙ったまま。言葉を発するのが困難なように見えました。ただ事ではないと感じた私は、担任に相談し、言葉が出ないまま学校に通うのは無理だろうと、夏休みまでの1ヶ月間、学校を欠席させると決めたのでした。娘の言葉は、その後の2ヶ月間も出る事はありませんでした。児童相談所の医師の言葉に、親としての自信を失くしてしまい…出典 : その後学校からは、娘を児童相談所に連れて行くように勧められ、私は娘と次男と出かけて行きました。相談所に行くと、女性職員との簡単なやり取りの後、「精神科の医師に診て貰います」と言われ、その場で待つように指示されました。しばらくして現れた若い医師は、私と娘と次男をチラリと見ていきなり、こう告げました。「お母さんが悪いです!」驚いて、言葉も出ない私に、医師は続けて言いました。「お母さんの育て方が悪いから、子どもがこうなったのですよ!」私は、あまりの言葉にショックを受けました。この時、医師とはまだ一言も言葉を交わしていません。何も話していないのに、なぜ断言するの?なんとひどい言い方。話も何も聞かないで、何が分かると言うの?私はただただ驚き、自分の子育てを全否定されたショックで、やりきれなさと悔しい気持ちでいっぱいでした。医師との面談の後、女性職員が申し訳なさそうに言いました。「こういうケースは、ものすごく多いのですよ。関東から九州に引っ越して来た人は、カルチャーショックで、子どもと母親は耐えられなくて関東に帰ってしまい、父親だけが残って単身赴任になるんです。」私は、この女性職員の言葉に救われたような気がしました。けれども、若い医師の言葉はずっと心に引っかかり、自分の子育ては間違っていたのだろうかと、母親としての自信を失いかけてしまったのでした。神経性食欲不振症(拒食症)と診断されて出典 : その後も娘は、下を向いて顔も上げられない状態が続き、歩くのもおぼつかなく、食事も取れなくなり、164cmで42kgだった体重が30kgを切るまでになりました。私たちは、次男の主治医に娘の診察をお願いしました。児童相談所のあの若い医師とは違い、娘の様子をしっかりと診てくれました。娘に下りた診断は、神経性食欲不振症(拒食症)。体力を回復させる内科治療をしながら臨床心理士のカウンセリングを受ける事に決まり、娘の治療が始まりました。週に一度、1時間の女性心理士のカウンセリングと並行して、次男の言葉の教室でお世話になっている言語聴覚士にもお願いをして、娘の指導をしていただきました。娘の言葉はすぐには出ませんでしたが、言語聴覚士の指導で行われた私と娘が身体を密着させて行う運動療法は、お互いの不安を解消させてくれました。二人で向かい合って座り、手を繋いで引っ張り合いをしたり、その手をお互いの背に回し、ギューッと抱きしめたり、背中合わせでおしくらまんじゅうをしたり…言葉はなくても、お互いの心が一つにならないと出来ない運動でした。何回か通ううちに、娘は、「うん…」と声が出るようになりました。絞り出すような娘の声を聞いた時、私は嬉しくて心から感謝をしました。それからようやく、少しずつ娘の言葉が出てきたのでした。ところがそのうちに、また別の奇妙な出来事が起きるのです。娘は「お母さん大好き」と言って、私の顔をじーっと見つめ、異様な笑みを浮かべ、それから、私の行く先々に着いて回り、トイレの中まで入ってくるようになったのです。いわゆる赤ちゃん返りでした。娘は、私のそばを片時も離れなくなり、「抱っこ!」と言って膝に乗って来ます。私は一晩中、私よりも身体の大きな娘を抱っこして座ったまま状態で過ごすことになり、朝まで眠れない日々が続きました。一瞬たりとも、心が休まる事はありませんでした。4,5日経つと、さすがに娘も辛くなったのでしょう。夜は布団で寝る…と言って、添い寝をするようになりました。日中も夜も、私は娘のそばを離れる事もできない状況でしたが、次第次第に、娘の様子も安定していきました。そして、夏休みも終わろうとする頃、娘はようやく無言状態から脱出したのでした。不思議なもので、娘が安定してくると、あれほど不安定だった次男も落ち着いてきました。2人が不安定になって、私ひとりでは手に負えない状態でしたが、少しずつ事態は進展していったのです。自らカウンセリングをストップさせ、再び学校へ…娘の家での様子はこのように変化していきましたが、その間も週に1度のカウンセリングは続けていました。カウンセリングは1時間ほど、心理士と娘だけで行われました。たわいもない話をしたり箱庭療法をしたりして過ごしながら、私たちには話さない学校での出来事を話していたようでした。何回目かのカウンセリングを受けた後、娘は自分から心理士に「もうこれ以上続けていても意味がないから、自分の気持ちに蓋をして、学校に行きます。」と言って、突然にカウンセリングを終了させました。私は驚きましたが、娘の決断は揺るぎませんでした。そして、10月の終わり頃、娘は休んでいた中学に再び通い始めました。私たちは、もう少しゆっくり休むようにと伝えましたが、娘は私たちを押し切って、学校へと戻って行ったのでした。体調はまだ戻っておらず、調子の良い時だけ登校する形で、通院しながら頑張って登校しました。以前は、男子生徒からの悪口が酷かったのですが、担任教師のお陰で、娘の悪口を言う生徒は減っていきました。若い教師でしたが、何度も家庭訪問をして下さり、娘や私の気持ちを親身になって考え、支えてくださいました。娘は、カウンセリングを終了しても、困った時には心理士に電話をかけていました。カウンセリングという形を取らなくても、いつでも深夜でも相談に応じてくださる心理士の存在は、娘にとって、どんなにか心強かった事でしょう。この心理士と担任教師の二人を味方につけて、娘は学校という孤独な場所に立ち向かって行ったのでした。出典 : 中3になった娘の高校受験対策出典 : 中1の10月から登校を始めた娘は、中2も同じ担任教師のクラスとなり、生活を変える事なく、体調の良い時だけ登校しました。無理のない登校で、だんだんと落ち着きを取り戻し、笑顔も見られるようになりました。けれども、中3では担任も変わり、娘への理解も得られませんでした。自分の考えを押し通す担任に、私は不安を覚えました。高校受験も控えているので、体調の良い時だけ登校する訳にもいかず、悪口を言われても、嫌がらせがあっても娘は我慢して登校を続けたのでした。担任教師が理解してくだされば、なんとか頑張れるものなのに、担任は娘の訴えを否定し続けます。クラスの生徒に悪口を言われて我慢できずに、娘が担任に相談に行くと、まるで娘のほうが告げ口をしているかのように思われて「どうして、いちいち言いに来るんだ。」と突っぱねて、少しも娘の気持ちを理解しようとしないのです。私自身も何度も学校に行き担任に話をしましたが、私の話など聞く耳を持ちません。そこで、小学校の時と同じように主人と2人で学校に出かけ、夫婦揃っての校長面談を取り付けることにしました。ですが、いざ学校に行ってみると、現れたのは校長ではなく学年主任。私たちの話を「はい、はい」と笑顔で頷いて聞くばかりで、全て分かっているかのように応答したのでした。私は、この表面的な応対に人としての温かさの微塵も感じず、失望したのでした。推薦入試で高校合格へ… 卒業への思い。出典 : 担任教師にも学年主任教師にも理解を得られず、修学旅行や体育祭、文化祭など行事があるたびに辛い思いをしながらも、娘はどうにか、残りの学校生活を乗り切っていきました。中3の2学期になって高校見学や説明会が始まると、私は娘と私立の美術科のある高校見学に行きました。私たちだけのために応対してくださった美術科主任教師は、とても穏やかな優しい方でした。私はその誠実なお人柄に惹かれて、初対面であったにも関わらず、心を開いて話が出来たのでした。「毎日一緒にいる担任教師よりも、この初対面の教師のほうがよほど理解してくださるではないか…こんな出会いはそうそうない」私は、この教師になら娘を安心してお任せ出来ると確信し、この高校の美術科の推薦入試を娘に受けさせ、無事に合格通知を頂いたのでした。九州に転居してからずっと、娘はひとりで耐えて来ました。転勤とはいえ、住みたくもない街で暮らし、行きたくもない学校に行かなければならない事は、辛く苦しいものだったに違いありません。苦しんでいる我が子に、してやれることは何なのか。親として出来る限りの事は、してきたつもりです。ですが、果たして、これで良かったのでしょうか。発達障害への認識が、現在のように進んでいたのなら、娘はこんなに苦しまなくても良かったはず。療育や支援を受けて、もっと娘自身を輝かせる事が出来たはずです。医師ですら、発達障害の認識がない時代では、支援も療育も受けられず、当事者だけが苦しみの中にいたのです。現在なら、学校に行かない選択も出来たでしょうし、必要な支援も療育も受けられるでしょう。時代のせいにはしたくありませんが、そんな時代であったのは事実です。卒業式の日、娘は立派に卒業証書を頂きました。晴れ晴れとした娘の顔を見て、私はホッとしていました。本当によく頑張ったね。卒業おめでとう…私は、娘のこれからの道が明るく光り輝くものとなるようにと、願ったのでした。
2017年01月25日愛しいわが子は、元気で無事に生まれてくれさえすればいい。かつてそう思っていたはずなのに、いざ出産してしまうと、あれやこれやと欲深くなってしまうのが親の業というものです。素直で積極的な子になってほしい、友だちをたくさん作ってほしい、恥ずかしいことをしないでほしい、落ちこぼれないでほしい、いい学校に行って、学歴社会を乗り越え、いい会社に入ってほしい、稼げる仕事について、安寧に暮らしてほしい……。そんな親の願いはすべて、子どもの幸せを思ってのこと。しかし、その願いがあまりにも強すぎると、子どもを自分本位に振り回すことになってしまいます。今回はさまざまな世代のママさんたちに、自分の子育てを振り返ってもらい、今考えたら親のエゴだったと思うことを語ってもらいました。●(1)過剰すぎるしつけまずは、子どもに対する接し方について、後悔や反省を語るママたちの声です。『お花やリボンが好きな、静かでおとなしくかわいらしい女の子になってほしかったんです。だから、外を走ったら危ないからダメ、泥んこ遊びは汚れるからダメ、大きな声は恥ずかしいからダメ、泣くのも怒るのもダメ、いつもニコニコしていなさいと強くしつけすぎました。思春期を過ぎたころ、娘がポツリと「私もほかの子みたいに、泥んこになって暗くなるまで遊びたかったんだよ 」と呟いて、目が覚めました』(50代女性/主婦)『テレビはEテレだけで、民放のアニメや戦隊モノは禁止。オモチャは木製のものだけで、光ったり電子音が鳴ったりするものは禁止。ファストフードも禁止。小さい頃は何度も、「僕もほしい、僕も食べたい」と言って泣いていました。そうやって厳しく育てた息子も、いま大学生ですが……よそのお子さんと何ら変わりません(苦笑)。一人暮らしをして、コンビニのお弁当とカップラーメンを食べ、マンガを読んで生きてます。だったら小さいころからもっと自由にさせてあげればよかった 』(50代女性/パート)●(2)自分本位のファッションおしゃれなママたちからは、子どもを着せ替え人形のように扱ってしまったという反省が聞かれました。『アニメキャラがついてる服や靴が大キライで、ひとつも買ってあげなかった ことかな。どうせ小さいあいだしか身に着けられないものなんだから、こだわることなかったなって今は思います』(30代女性/会社員)『小学校に入るまでずっと、息子をオデコ丸出しのパッツン前髪にカットしてました。完全に私の趣味です 。先日、“二分の一成人式”に必要で昔の写真を出してきたのですが、その髪型が全く似合ってないのもあって、何とも言えない気分になりました。当時の自分を叱りたい(笑)』(40代女性/パート)●(3)行き過ぎた教育お受験やお稽古ごとなど、教育面では親のエゴが強く出てしまうようです。『お受験をさせたことです。まだ年少のうちから土日に塾通いをし、机に向かわせてペーパー問題を山のようにやらせていました。いつもよそのお子さんの成績が気になっていて、少しでもわが子が劣っているとイライラして叱ってしまいました。受験直前は、朝起きてすぐ問題集、夕食後にも勉強をさせていました。その結果、念願かなって希望の小学校に入学することはできました。でも当時のことを考えると、あんなに小さな子にムリヤリ知識を詰め込んでよかったのだろうか と疑問がよぎることがあります。見栄やエゴがあったのは否めません』(30代女性/主婦)『ピアノ、ヴァイオリン、バレエ、水泳、書道、学習塾……気づけばほとんど毎日お稽古ごとに通わせていました。当時は子どもの可能性を少しでも広げてあげたくて、子どものために通わせているつもりでした。でも、よく考えたら全部、私がかつて挫折して、中途半端に投げ出したお稽古ばっかり なんですよね。自分の挫折を、娘を使って乗り越えようとしている。そう気づいたときに、これってすごいエゴイスティックだなってショックを受けました』(40代女性/会社員)----------いかがでしたか?筆者には、このインタビューを経て感じたことがひとつあります。それは、子育てにおいて「コレはエゴだろうか?」と悩み苦しむことそのものも、愛情なのかもしれないということです。愛情のないエゴイストには、悩みなどないはず。もしも悩みが生じたら、じっくりと向き合って問いかけ続けてみてはいかがでしょうか。●文/パピマミ編集部●モデル/いちご姫(いちごショートくん)
2017年01月12日親の夢を子に託す、将来に役立つことを学ばせたいなど、習い事を始めさせる動機はさまざまですが、せっかくなら子どもにあったものを選んであげたいですよね。しかし、習い事はお金もかかるし、親の時間を割いたり、体力も必要となってくることがあります。また本格志向スクールでは、入学前にさまざまな視点でチェックされることもあるのだとか。驚くことも多い子どもの習い事、ママたちはどのように向き合っているのでしょうか。■プロを目指す?幼稚園に入るのを機に、娘がバレエを始めたUさん(40歳・小学2年生のママ)。友だちと同じ教室に通いたいといわれて説明会に参加したところ、「今の体形ではプロを目指すのは難しい」といわれたのだとか。「その教室はコンクールを目指す子も多い本格的なスクール。太りやすい体質では、上にはいけないかもしれないという話をされて…。単なる習い事としてしか考えてなかったからびっくりしたし、こんなに小さいころから将来の話をされたのはショックでした」それでも、Uさんは娘のやる気を尊重し、情操教育の一環として始めることに。少しでも娘のためになればと、おやつの食べすぎや食事内容に気を使っています。そんなUさんのフォローもあり、「バレエを始めてから、娘の体が引き締まってきた」とのこと。遺伝的なことはわからないけど、体を動かすことは健康にもいいし、楽しそうに通っているうちは将来のことを気にせず、続けさせてあげようと考えているそうです。■将来的な試算も必要「習い事にはとにかくお金がかかって大変!」というのは、息子をサッカースクールに通わせているMさん(31歳・小学3年生のママ)。年会費と月謝はそれぞれ1万円くらい、ほかにもユニフォームやスパイク、練習着などを用意する必要があります。せっかく購入しても、すぐに小さくなってしまうので買い替えによって、出ていく金額もかなり高くなるといいます。「小さいころから始めたほうが有利だと思ってやらせたけど、ここまでお金がかかるとは…。遠征や合宿代もばかになりません」経済的な負担だけでなく、ママたちも送り迎えや応援などに時間や体力が取られて大変なのだとか。そのため、Mさんはほかのママたちと協力して、交代で送り迎えをしているそうです。「中学生になるとレベルの高いコースに移るのですが、そうなると金銭的にも時間的にもさらに負担が増えます。学校の部活ならもっと安くすむらしいので、中学進学前にコーチと相談しようと考えています。才能があるなら伸ばしてあげたいけれど、そうでないなら部活に切り替えてほしいというのが親の本音です」子どもには「スクールは小学校卒業まで」と話しているそうですが、6年生になったときに納得してくれるかどうか、今から悩みの種だとか。■親に才能がないとダメ!?私は、幼少期にピアノに通っていました。母はお世辞にも歌がうまいとはいえないので、子どもにはそうなってほしくないという思いで習わせたそうです。何ヶ所か見学に行ったところ、「親に才能がないと上達しにくい」といわれたこともあったのだとか。それでも私の親はピアノを習わせたかったので、個人で教えている先生を紹介してもらい、私を含めたきょうだいをそこに通わせることに。その教室には音大受験コースもありましたが、先生は「音楽は楽しむものだから気軽にどうぞ」という考え方。おかげで、私も遊びに行く感覚で通えました。母に、当時は何が大変だったかあらためて尋ねてみました。「先生の趣味でやっているような教室だから月謝は安かったけど、ピアノは高価なものだし場所もとる。だからピアノを自宅で練習するための準備が大変だった。それに、定期的に調律が必要だからそのお金もかかるでしょ? そこまでお金をかけたのに、大きくなったら誰もピアノをひかなくなってしまったんだから、もったいなかったわよね」それでも「やらせなければよかったとは思わない」とのこと。どんな習い事であっても、上達する喜びや継続することを学べることは子のためになると考えていたそうです。私は当時、練習が大キライでたいして上達もせず、母の苦労を知ったいまでは本当に申し訳ない…という気持ちになりました。今回、習い事をさせているママたちから話を聞いて思ったのですが、少子化の影響からか、本格的なスクールが増えているような気がします。そして、お金以外の親の負担も、私たちが子どものころよりも大きくなっていると感じます。子どもが「やりたい」と思う気持ちは、もちろん大切です。でもその習い事に対して、どこまで親がフォローできるか、習い事に向き合えるかを考え、親の協力度にあった範囲のスクールから選んであげるということも必要になってくる場合もあります。でも大丈夫! 才能があればどのような環境でも輝けます。そして習い事のもっとも大切なことは、子どもが「楽しそう」これに尽きると思います。
2017年01月07日グローバル化が進む今、インターナショナルスクールへの注目がますます高まっています。インターナショナルスクールに通うメリット、デメリットは何があるのでしょうか。実際に通わせた経験のあるママたちに話を聞きました。■母国語なのに日本語がカタコト!?Oさん(41歳・小学5年生のママ)は子どもが3歳になる年から、インターナショナルプリスクール(保育園)を利用していました。自身が英語で苦労したこともあり、子どもには早いうちに習得させたいと考えたそう。「日本人もいますが、欧米人の先生のほうが多かったです。園での会話は英語のみ。最初は不安でしたがすぐに慣れたようで、びっくりするほどきれいな英語を話せるようになりました。海外旅行へ行くと、簡単な会話なら通訳してくれるほど」小学校は日本の学校へ通わせていますが、今でもきれいな発音をキープしています。しかし、困ったこともあるようで…。「小学3年生になってもカタカナが覚えられなかったんです。自分の名前もアルファベットで書いているし、日本語がおぼつかないんですよ。これはまずいと思って、国語教室に通わせたり、家では読書や文字の練習をしたりして克服しました」もちろん、個人差はあるでしょうが、日本語すら上手に話せない時期に英語漬けの生活を送ると、国語力が身につかないということもあるようです。子どもだけではなく、ママであるOさんも園での生活には四苦八苦したそうです。「園では保護者に対しても英語なんです。とてもゆっくり話してくれるので日常生活に関することはわかるけれど、教育の話などは何を言われているのかまったくわからない…。でも、ほかのママたちは英語がペラペラだったから、とても恥ずかしかったです」ママのスキルも試されるとは! 先生方とコミュニケーションがとれないのは困りものですので、子どもだけでなくママにも合った園かどうか、事前にチェックしたほうがいいかもしれません。■日本の学校には進学できない!?Kさん(49歳・大学生のママ)の長男は幼児期から英語を学び、インターナショナルスクールの小学部へ入学。現在は、日本の大学に進学しています。「大学受験の際のリスニングでは苦労しなかったみたいです。英語力が身につくメリットだけでなく、インターナショナルスクールには外国人やハーフの子たちもいるので、多様性やさまざまな文化の違いも身につけられました」しかしデメリットもあるといいます。とくに日本の中学校への進学問題。「息子が通っていたインターナショナルスクールは、学校教育法で定められたいわゆる『一条校』ではなかったんです。このため公立校では受け入れてもらえないと先輩ママから聞いたときには驚きました」『一条校』とは、学校教育法第一章 第一条で定められた日本の一般的な学校のことで、文部科学省によるカリキュラムに沿って学習します。例えば一条校でないインターナショナルスクールの小学部を終えた者が中学校から一条校への入学を希望してきても認められないこととなります。インターナショナルスクールの中学部の途中で我が国の中学校へ編入学を希望する場合も同様です。出典: 文部科学省 「小・中学校への就学について」「就学事務Q&A」インターナショナルスクールに通ったとしても、多くの学校では日本での義務教育を終えたことにはなりません。だから「英語が話せるようになる」「自由そう」といったインターナショナルのカッコよさそうなイメージから進学してしまうと、のちのち後悔するシーンも出てくる可能性があります。インターナショナルスクールにはメリットもたくさんありますが、デメリットがあることも理解しておくことが大切です。スクールの種類について事前によく調べ、子どもや夫婦で将来の進路についてよく話しあっておきましょう。とくに、日本の高校、大学に進学したい場合に、本当にインターナショナルスクールが有効であるのかどうかは、親も子どもも慎重に判断する必要があります。子どもの将来の選択肢の幅を広げてあげるつもりでインターナショナルスクールを選んだ結果、逆に将来を狭めてしまう可能性もあります。子どもの将来も考えて、学校は選択してあげたいですね。
2016年12月31日こんにちは。冬休みに入り、子どもたちと毎日の過ごし方について考えることがちらほら……。フリーママライターの横山かおりです。冬休みの公園、保育園児や小さな子どもたちが遊んでいる姿はよく見かけますが、小学生くらいの大きな子どもたちの姿をあまり目にしません。最近の小学生はどんな過ごし方をしているのでしょうか?今回は実際に小学生の子がいるママに話を聞いてみましたのでご紹介します。●都心一等地に住む子どもの場合昨年、パパの仕事の都合で九州から都心の一等地に引っ越してきたSさん一家。小学1年生と4年生の女の子がいます。ママにお話を聞いてみました。『いま通っている小学校は、通っている子の9割が中学受験をするんです。だから3、4年生になるとみんな塾に通いだす。塾に行っている子が当たり前だから、塾に行かないと遊び相手がいないってうちの子が言うんです。うちは2、3年でまた九州に帰るから中学受験はしないけど、「みんな行っているから行きたい!」って言って長女は塾に行くようになりました……。塾や習い事で放課後は予定がうまっている子がたくさん います』もちろん地域にもよる話ですが、都心の一等地に住むSさんの場合はほとんどが中学受験のための塾に通っているとのこと。たしかに最近では公園で遊んでいる子どもたちよりも、夜に塾のリュックを背負って帰宅している子どもたちの姿をよく目にするようになりました。「どこで遊ぶ」「何をして遊ぶ」というよりも、そもそも「遊んでいない」子どもたちが増えているのかもしれません。●大人の目の届く安全な場所で安全な遊びを都心からすこし離れた、千葉県のとある市に暮らすNさん一家。こちらには小学3年生の男の子がいます。Nさん夫婦は共働きのため、子どもは学童に通っています。ママにお話を聞いてみました。『うちの子は学童に入っているのでそこで放課後を過ごすことがほとんどですが、最近では公園や空き地などで不審者が出ることを警戒して、大人の目の届く安全な場所で遊ばせている人が多いようです。小学校では無料でいくつかの教室を夕方まで開放して、プレイルームと称して遊び場にするところもあります。学童のない日は、外で遊ぶよりも自宅やお友達の家でゲームをしている ことが多いですね』子どもが絡んだ痛ましい事件は後を絶ちません。親としてはどうしても「安全な場所で」「安全なことを」と願ってしまうのも仕方ありません。最近では共働き世帯のために放課後をうまく利用した習い事が増えたり、小学校がある時間帯まで遊び場を提供してくれたりするところもあるので、親としては一安心。でも、遊ぶ内容は限られてきそうです。小学生にはからだを思いきり動かして外で遊んで欲しいですが、やはり最近はゲームやテレビなど静かに遊ぶことが多いようですね。外遊びの楽しさも、たまには思い出して欲しいものです。----------時代が変われば遊び方や過ごし方が変わるのは当たり前。一概に「何が良い」とは言えませんが、なるべくストレスをかけずに、子どもらしさを忘れずに、小学生の大切な時期を過ごして欲しいですね。●ライター/横山かおり(ママライター、元モデル)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2016年12月30日ゆとり教育を受けたとされる世代は、現在29〜12歳の人たちと言われています。その世代の子どもを持つ親たちは、学校で教えなくなった勉強を家庭や塾で補ったりした人も多いようです。また、いくらゆとり教育といっても逃れられないのが大学受験。多くの壁にぶつかることになったのは、子どもたちのほうかもしれません。Q.ゆとり教育、結果的に良かったと思う?1.良かったと思う 4.3%2.どちらかと言えば良かったと思う 6.6%3.どちらかと言えば良くなかったと思う 33.6%4.良くなかったと思う 41.2%5.わからない・どちらとも言えない 14.3%「良くなかった」と「どちらかと言えば良くなかったと思う」を合計すると74.8%にもなり、多くの人がゆとり教育に否定的な意見のようです。みなさんがどのような理由で、ゆとり教育に反対しているのか聞いてみましょう。■ゆとり教育のしわ寄せは子どもたちへ大人たちが決めた「ゆとり教育」ですが、その教育を受けるのは子どもたち。そして、苦労するのももちろん子どもたちということになります。教育の格差が生まれたり、その格差によって将来、就職ができないなどにつながることもあるかもしれません。「ゆとり世代の人と一緒に働くとイライラする。そんな人いませんか?」(神奈川県 40代女性)「そこそこのレベル以上の高校や大学に進学したい場合、通用しませんから、どこかでゆとりにされた部分を自分で補っていかなくてはなりません。特に大学受験での大きな苦労はまぬがれません。国の政策には疑問ばかりです」(神奈川県 40代女性)「疑問だらけのゆとり教育。いちばん苦労するのはそのゆとり教育を受けた子どもたち」(北海道 40代女性)「塾や習い事など学校以外の活動に力をそそげる家庭と、生活だけで精一杯な家庭により子どもの格差が広がったと思う。ゆとり教育の場合、貧困層の家庭では十分な学習ができない。家庭環境による子どもの格差を生んだ元凶だ思う」(神奈川県 40代女性)■ゆとりも詰め込みもどちらにもデメリットはあるゆとり教育が良くなかったとして、ではそれ以前の詰め込み教育が良かったのかというとそれもまた疑問。両方経験した今、何が子どもたちにとっていいことなのかを改めて考えるときなのかもしれません。「いいこともあればそうでないことも。考え方で変わると思うのでどちらでもありません」(三重県 30代女性)「ゆとりはいいと思うけど、なぜゆとりにするのかをもっと周知するべきじゃないのかと思った。ただの突き放しとしか感じられない」(島根県 30代女性)「『詰め込み』と『ゆとり』、どちらも良い点と悪い点があるとわかったのだから、それを生かせるような選択をしたい。偏らずに選択していくことで、個性を生かして他を認めることを学んでいってほしい」(神奈川県 50代女性)■どんな時代も生き抜けるたくましさを身につけるもちろん学校教育だけが子どもの成長に影響を与えるものではありません。時代の流れが早い現代だからこそ、どんな時代でも、柔軟にたくましく対応できる大人になってほしいというのが、今どきの親の共通した思いなのかもしれません。「長男はゆとり始まり世代。次女はゆとり終わり世代。授業内容は激変したように感じますが、学力低下やコミュニケーション能力低下は学校教育だけの責任ではないと感じています。時代の変化に対応できるたくましい子どもに育ってほしいです」(鹿児島県 40代女性)Q.ゆとり教育、結果的に良かったと思う?アンケート回答数:5148件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年12月09日【ママからのご相談】小学6年生の子どもがいます。中学受験に向けて塾に通わせていますが、家では私が勉強を見ています。勉強を始めた時期がほかの家に比べて遅かったので、勉強時間は長く取るようにしています。しかし、勉強時間が相当長いのに、なかなか成果が出てきません。子どもは一生懸命に取り組んでいますが、このままだと受験に間に合わないし、折れてしまわないか心配です。●A. やみくもに学習するのをやめて、優先順位付けをご質問ありがとうございます。学習アドバイザーの佐々木恵と申します。一生懸命勉強しているのに成果が出ないと、お子さんはやる気を失ってしまう可能性が高くなりますし、質問者さん自身も不安やイライラが募ってしまい、ぶつかり合ってしまう危険性もありますね。ここで多くの方が、「もっと勉強時間を増やせば伸びるはず」と、さらに勉強時間を増やして、さらに疲弊してしまうという落とし穴にはまります。穴から抜け出すには、勉強時間を伸ばす以外の解決策 が必要になりますが、一体どうしたらいいのでしょうか?●やみくもに学んでも効果がない理由『パレートの法則 』をご存じでしょうか。『社会現象は平均的に分散しているのではなく、偏りがあり、主要な20%が全体の80%に影響を及ぼしている』というものです。勉強時間は長いのに成果がなかなか出てこない人は、やみくもに学び「すべての範囲を完璧にしなければ!」と考え、全てを均等に頭に入れようとします。すべての範囲をまんべんなく学ぶこともとても重要ですが、短時間で高得点を得ようと思うなら、重要な2割を重視して勉強する 必要があります。それで8割の得点を得られるのなら、理想的ですよね。特に、合否を判定する試験では、満点を目指す必要は全くありません。完璧を目指すというよりも、できるところを確実に解き、ほかの人ができるところを間違えずに着実にとり、プラスアルファで点数を積み上げていくことが求められるでしょう。このことからも、優先順位付けがいかに重要か、ご理解いただけると思います。●優先順位付けのコツは“過去問”にありまんべんなく学習するのではなく、重要なところだけを優先して学ぶ方が効率的ですが、問題はその方法ではないでしょうか。受験のプロではない親御さんには、どこが重要かそうでないかの判断は難しいでしょうし、そこまでのことは必要ないでしょう。そこで、活用したいのが、受験校の過去問 なのです。過去問には、重要事項が詰まっています。早い時期に過去問に触れておけば、受験校の傾向と対策を知ることができるので、受験校が何を重視しているかがわかるのです。過去問は直前まで取っておいて、実力試しにする方が多いですが、それではもったいないのです。過去問を有効活用することで、優先すべきポイントがわかるようになるのです。----------勉強時間が長いのに、うまく成果が出てこない人は、一度“まんべんなく”主義を捨てて 、過去問から傾向と対策を分析してみてはいかがでしょうか。本当に必要なところをしっかり学び、モノにすることで自信もつくはずです。ぜひ実践してみてください。【参考文献】・『勉強の技術 すべての努力を成果に変える科学的学習の極意』児玉光雄・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年11月27日ママやパパの話す声、いろんな場所で目にする文字。子どもたちは物の名前と文字につながりがあることを知り、新たな発見に驚きながらもどんどん「ことば」を覚えていきます。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、赤ちゃんから未就学児程度まで楽しめる「あいうえお」絵本を選んでみました。あっちゃんあがつく たべものあいうえお原案:みね よう/作:さいとう しのぶ/出版社:リーブル 「あっちゃんあがつく たべものあいうえお」(絵本ナビ紹介ページ) 「あっちゃん あがつく あいすくりーむ」で始まるこちらの絵本には、おいしそうな食べ物がたくさん出てきます。ページごとにストーリーを感じるので「もしかしたらこの後はこうなるのかな?」なんて想像しながら新たなページをめくるのが楽しい! いちごじゃむを塗られているトーストや、すっぱい梅干を食べたくまの子の表情がなんともいえず愛らしいです。あいうえおべんとう作・絵:山岡 ひかる/出版社:くもん出版 「あいうえおべんとう」(絵本ナビ紹介ページ) あいうえお、の言葉でできあがるお弁当って? なるほど「あ」は、あすぱらがす。「い」はいちご、「う」はうずらたまご、「え」はえびふらい、「お」はおにぎり。この調子で、ら行まで登場する色とりどりのおいしそうなお弁当たち。物語の最後はみんなで「いただきます」! 明日のお弁当づくりのヒントになるのも、ママにはうれしいですね。リングカード・あいうえお 作・絵:とだ こうしろう/出版社:戸田デザイン研究室 「リングカード・あいうえお」(絵本ナビ紹介ページ) 約8×16cmの美しい曲線を描くリングカードは全部で46枚。車に動物、食べ物などシンプルで分かりやすいイラストが大きく描かれているので、小さなお子さんとも絵を使った親子のコミュニケーションが可能です。感性を刺激するカラフルなカードは、赤ちゃんの目にもくっきりと映ります。イラストの裏には物の名前が書いてあります。子どもの頭の中で「絵とことば」が頭の中でつながる瞬間を、間近で目にできるかもしれませんね。 ぐりとぐらのあいうえお 作:中川 李枝子/絵:山脇 百合子/出版社:福音館書店 「ぐりとぐらのあいうえお」(絵本ナビ紹介ページ) 「あさ いもほり うでまくり えんやらやっと おおきなおいも」「なんとまあ にんじん ぬいたら ねっこのひげが のびほうだい」など、リズミカルにことば遊びが楽しめる絵本。ぐりとぐらシリーズは初めてというお子さんも、くまやきつね、いのししやろばなどたくさんの動物が登場するので見応えたっぷり。12×12cmのコンパクトサイズなので持ち歩き用にもおすすめです。くろくまくん あいうえお 作・絵:たかい よしかず/出版社:くもん出版 「くろくまくん あいうえお」(絵本ナビ紹介ページ) あいうえお、を口にするときってどんな顔になるのかな? 大きくお口をあけたら「あ」、真っ白な歯を見せて「い」。しろくまくんの後に続いて、ぶたくんやねこさん、うさぎさんらほかの動物たちもマネする様子が可愛らしい! 顔マネだけじゃなく、立ち姿などのポーズも真似れば全身運動になるかも? 50音を覚える前の予行練習にもおすすめの一冊です。何気ないようで計算しつくされた「ことば」の数々。子どもたちが楽しく、そして覚えやすいように考えられたひらがな絵本を紹介しました。歌うように読んであげたり、ママも一緒になってマネっこしたり、親子で楽しくことば遊びしてみましょう!データ協力: 絵本ナビ
2016年11月24日こんにちは。ハロウィンが終わったとたんにはじまるクリスマスモード。家の飾りも手抜きになってきているフリーママライターの横山かおりです。最近幼稚園のママたちのあいだで話に出るのが、“引っ越し”。小学校入学前に引っ越しを考えている家庭が多い ようです。そこで今回は子連れで実際に引っ越しをしたママたちに、気をつけるポイント、注意してみるポイントを聞いてみましたのでご紹介します。●(1)医療費や補助金の有無『妊娠中に引っ越しをしたため、あまり知識がなかったのが悪いのですが、都内から近隣の県に引っ越しをしたら医療費が1歳から有料に !都内だったらまだ無料だったのに……。よく考えれば良かったです』(1歳女の子のママ)『区によって幼稚園の補助金が全然違う!入園金も毎月の補助金も違う ので、そこもよく考えておくべき』(3歳と5歳女の子のママ)これはある程度子育てをしていないと分かりにくい問題なのですが、県や区の自治体によって補助金などはかなり変わってきます。細かいことを言えば、予防接種の負担金額なども。手間はかかりますが、金銭的な問題はとても大切なのでよく調べてみましょう。●(2)ママたちの雰囲気『いままで都内の中心部に住んでいたのですが、マイホーム購入のために都外へ。ママたちの雰囲気の違い にいまだになじめずにいます』(2歳男の子と4歳女の子のママ)『夫の転勤で関西から都内へ。ママたちが毎日オシャレでキラキラしていてついていくのが大変です。必死に頑張っています』(5歳男の子のママ)引っ越し前に近隣のママたちの雰囲気を見ておくのも重要!実際に子どもがいるなら、試しに近くの児童館などに行ってみてもいいですし、近くのスーパーなどを見てみてもなんとなく雰囲気はわかります。自分に合いそうなママ友のエリアなのかどうかは、今後生活していく上で大切なポイントです。●(3)近隣幼稚園、小学校の評判『引っ越した先に良い幼稚園がなくて 悩んでいます。園バスもあまり出ていないので通園が大変そう』(2歳女の子のママ)『近くの小学校はほとんどの子が中学受験をするので、迷った末わが家も中学受験をすることに!まぁよかったかなとは思いますが』(小学校2年生と4年生の女の子のママ)子連れで引っ越しをするうえでもっとも大切なのは、子どもの幼稚園や小学校の問題。どこにどんな幼稚園や小学校があるのか、その評判はどうなのかなど事前に調べておく必要があります。小学校まであがると中学への問題も出てくるので、先が長い話かもしれませんが、周辺の学校などはしっかりチェックしておきましょう。----------子連れで引っ越しをするときは考えなくてはいけないポイントがたくさん。大変かもしれませんが、家族みんながより良い生活をするためには引っ越し先の情報をしっかり調べておきましょう!●ライター/横山かおり(ママライター、元モデル)●モデル/神山みき(れんくん)
2016年11月13日グローバル化が進む昨今、教育にも「国際化」をのぞむ家庭が増えています。語学はもちろん、相手を尊重し、柔軟な考え方ができるコミュニケーション能力の高い子に育てたい。そんな風に考えるママを中心に注目されているのが3歳から19歳までの生徒を対象にした「国際バカロレア」という教育プログラムです。文部科学省も「国際バカロレア」の普及・拡大を推進しています。2018年までに、国内における国際バカロレア認定校を200校までに増加させる取りくみが進められているのだとか。国際バカロレアって、一体どんな教育なのでしょうか?■「国際バカロレア」が提唱する人物像国際バカロレア(IB : International Baccalaureate)は、本部をジュネーブに置く、国際バカロレア機構が提供する教育プログラムです。国際バカロレア教育のいちばんの目的は「多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探求心、知識、思いやりに富んだ若者を育成する」こと。そして、人が持つ違いを「違い」として理解し、自分と異なる考えの人々にも、それぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人を育成することだそうです。具体的には、「IBの学習者像」として、以下の10の人物像が挙げられています。・探求する人・知識のある人・考える人・コミュニケーションができる人・信念をもつ人・心を開く人・思いやりのある人・挑戦する人・バランスのとれた人・振り返りができる人出典:文部科学省/国際バカロレアについて また、年齢に応じたプログラムが組まれています。・プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)3歳~12歳を対象。初等教育。・ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)11歳~16歳を対象。中等教育。・ディプロマ・プログラム(DP)16歳~19歳を対象。大学入試を目的としたもの。・キャリア関連プログラム(CP)16歳~19歳を対象。専門学校への進学や就職を目的としたもの。IB認定校で「ディプロマ・プログラム」を取得すると、世界の大学の受験資格を得られるというメリットもあるのだそうです。日本でも、IBの成績を入試に取り入れる大学が増えているのだとか。■自主的な学習を最重要視する「国際バカロレア」ディプロマ・プログラムには、「コア」といわれる「課題論文(EE)」、「知の理論(TOK)」「創造性・活動・奉仕(CAS)」の3つの必修要件があり、普通の科目と並行して履修します。TOKは批判的思考などを養うための授業のため、毎回ディスカッションが行われるそうです。先生が一方的に知識をたたきこむのではなく、自分たちで考え、取りくみ、自主的に行動することを重要視しているのです。また、それぞれのカリキュラムは、地域のニーズや文化的状況にも合わせて編成するようになっているようです。認定校の初等部のカリキュラムを見てみると、国語、算数、理科、社会…と、一般の小学校とほぼ同じ教科が並んでいます。しかし、授業は外国人教員と日本人教員がどちらもいる状況で行われ、すべての教科において英語習得の機会となるため、初等部6年間のあいだに英語で自分の考えをディベートできるようになります。インターネットの普及やその技術向上により、海外留学する人は年々減っているそうです。その一方で、世界がぐっと近くなり、国際的な視野が求められているのはいうまでもない事実。国際バカロレア認定校は、玉川学園、東京学芸大学付属国際中等教育学校、東京都立国際高等など、全国に39校あります(2016年11月現在)。正直、入学金や授業料が高額の学校もあります。しかし、留学と比べれば…ですし、安全な日本で国際的な教育が受けられることを考えると、検討してみる価値はありそうです。(参考)・ 文部科学省/国際バカロレアについて
2016年11月04日「小学校受験」の世界…、経験のないママたちにとっては、なかなか知ることができません。「受験用の教室に通わないと合格できないの?」「とても高額な費用がかかるのでは?」、さらには「子どもにとってストレスなのでは?」という憶測を耳にすることもあります。実際に子どもの小学校受験を経験したママは、どんな感想を持っているのでしょうか。現在7歳の長男S君の小学校受験を経験したA子さんに聞きました。小学校受験はお金がかかる?私立幼稚園に通うS君は、幼稚園に入園後、小学校受験のための体操教室と塾に通っていたそうです。塾では工作を習ったり、ペーパーテストの勉強をしたり。教室も塾も、どこの学校の受験に強い(情報を持っている)といった傾向があるそうです。それにしても、お受験準備はお金がかかりそう。そっと、「毎月の出費はどれぐらいだったの?」と聞いてみました。「10万円はかかっていたと思います。夏期講習などの時期は、月20万円の出費もありました」。お受験教室では、こんなことが学べる!小学校受験のためのお教室通いと聞くと、「小さいうちから詰め込みで大変そう」という固定概念を持っている人も多そうですが、A子さんいわく、「息子は、教室が楽しくてたまらないという感じでしたよ。たとえば、『あ』がつくものの絵を描いてくるというような宿題が出るのですが、帰宅後すぐに取りかかるほど大好き。塾では、絵を描く楽しさを教えてもらったようで、今でも絵が得意です。友達に会えるのも楽しんでいましたし、ペーパー上のお勉強も、喜んで取り組んでいました。塾の先生も言っていましたが、子どもの脳は、本来学ぶことが大好き。『わかった!』という体験をすると喜ぶようになっているそうです。教室では、面接対策として、自己表現や発表の練習もあります」。小学校選びは、幼稚園年少からスタート!?さて、本格的な小学校受験の準備は、志望校を絞ることからスタートすると思うのですが、いつ頃から動けばいいのでしょうか。A子さんは、「息子が幼稚園年少から少しずつ説明会に参加しはじめ、年中で一番たくさん参加し、年長では、最終確認でしたね」とのこと。旦那さんをメインに、合計10校以上の説明会に参加したそうです。志望校選びは、子育てを考える好機「子どもが幼稚園の間に、夫婦で教育方針について、きちんと考えておいた方がいいと思います」というA子さん。まずは、小学校から始まる学校選び。家から近い公立校にするのか、または受験して、国立の付属校、あるいは私立校にするのかという選択肢があります。私立校であれば、中学や高校進学のタイミングで外部の学校を受験することを前提とする進学校にするのか、あるいは学内の基準を満たしている限り、内部進学でエスカレーター式に大学まで進める学校にするのかといった選択肢があります。もちろん、私立校は校風がさまざまですので、どの学校の教育方針がしっくりくるのか、学校説明会などで確認する必要があります。私立校を選ぶときは、ついつい無理をしがちになるようです。たとえば、遠方なのに「これぐらいなら通える」と思ってしまったり、子どもの学力や性格に合っていないのに、「ラッキーなら入れるかも」と思ってしまったり。でも、6年間通うのですから、無理をしているとあとで苦しむのは子どもです。A子さんも、「選考試験が自分の子どもに向いているかどうかは、入学してからも、その子の個性を認めてくれて、『いい子だ』と思ってもらえるかどうか。向いている学校に出会えればそれが一番幸せで、子どもの力を伸ばすことにもなると思うのです」。親が入れたい学校と、子どもに合う学校は違うこともあるので、とにかく無理は禁物ですね。受験を目指すママへのメッセージ先輩ママのA子さんから、受験を目指すママへのメッセージをいただきました。「子育て全般に言えることですが、『わが家にとってどうなのか』を見失わないことが一番大切かと思います。受験をすると決めたら、親が余裕をもった準備計画を立てること。ゆとりをもって、穏やかな気持ちで本番を迎えられるように、こつこつと準備を進めていってください。小学校受験は大変だったものの、懐かしく良い思い出になっています。受験準備を通して、家族の絆も深まりますし、子どもの今後の力にもなりますから、前向きに取り組んでくださいね」。小学校受験は、いつから準備して、出費がどれぐらいなのか、もちろん個々の家庭や住んでいる地域などによって事情は異なりますが、少なくとも首都圏では、本当に行きたい学校がある場合は、何らかの準備をすること、それなりの出費があることを覚悟した方がよさそうですね。「親が子どもに寄り添っていれば、子どもにとってプラスの経験になる」というA子さんの話は、とても参考になりました。<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年11月03日【ママからのご相談】こんにちは!中学受験を控える小6女子の母です。子どもが幼稚園~低学年くらいまでは特に意識することなく、のほほんと暮らしてましたが、中学受験では保護者を交えた面接もあって、最近は自分自身の語彙力や知性の無さにうんざりしています。結婚前はお勤めも少ししていたのですが、学歴も自信も無いし、面接で娘以上にオドオドしてしまいそうで不安。知性なんて簡単に身につくものではないってわかってますけど、雰囲気だけでも賢そうに、落ち着いて見えるテクニックなんてありませんか(笑)?あまり勉強せずダラダラ生きてきたことが、こんな風に自分や家族の足を引っ張るとは思いもよりませんでした。ちなみに娘は私に似ず(主人似)成績優秀で、筆記試験の方はほぼ合格間違いなしと言われています。あああ~~~(泣)。●A. 気品高く、色気も失わず。これから知性派を目指すならお手本は壇蜜さん!こんにちは!ライターの月極姫です。娘さんの中学受験のサポート、お疲れ様です。学校によっては両親の学歴や面接時の受け答えが合否に関わるなど、なかなか厳しい現状があるようですね。さて、今回は知的な女性に自己変革したいということで、おそらくご相談者様と同年代であろう壇蜜さんをお手本にして考えてみたいと思います。いきなりハードルが高い!と思われるかもしれませんが、壇蜜さんだってもともとは普通に受験勉強に励む女の子だったのです。それがどのようにして、知性派セクシータレントになられたのか気になりませんか?では、ちょっと厳しめになるかもしれませんがビシビシまいります。●知的オーラの素その1:努力・禁欲壇蜜さんの奥深い知性の裏には、ひたむきに努力する姿勢と抑制の効いた生き方があるようです。有名女子大の英文科卒で、教員免許をはじめさまざまな資格を所持する勉強家。著書『エロスのお作法』の中でも、『ほどよく抑制された子ども時代が現在の自分を形作っている』と述べられています。堅実なご両親のもと、真面目に勉強に取り組む学生時代を送られたようですね。かといってご相談者様に、娘さんと同じ受験勉強は今さら必要ありません。しかし、どうかアレルギーを起こさずに聞いてください。“学ぶ努力・実践”なくして知的オーラは出てきません 。まず今からでも、読書をする習慣を身につけてください。興味関心を広く持ち、疑問を抱いたことは何でも調べてみましょう。ちょっとした隙間時間に、スマホをいじったりゲームをしたり漫然とテレビをみるだけではなく、学びたいことや打ち込めるものを探してください。また、過剰な自己顕示欲にも気を付けなければなりません 。日ごろの知的研鑽を「私こんなに頑張っているの!」とお友達にひけらかすのはやめてください。ストイックになりたくてもなれない人は多いもの。そのような自慢話は、誰も聞きたくありません。“他人が見ていない場面で、評価を求めずにどれほど学んでいるか ”。これが知的オーラの度合いを決めるといっても過言ではないのです。●知的オーラの素その2:色気・ギャップ砂糖の甘みが微量の塩で強調されるように、“色気”があってこそ知性が引き立ちます 。壇蜜さんに美貌や美しさが無かったら、世間はその裏に隠された知性に注目すらしなかったでしょう。例えばご相談者様の学生時代、勉強ばかりで恋や遊びとまったく無縁のクラスメイトが1人くらいいませんでしたか?失礼ながら、その子は「成績がいい」というイメージはあっても「知的」というイメージとはまた違ったのではないでしょうか?言葉は選ばなくてはなりませんが、色気カサカサの“ガリ勉”タイプに、多くの人は魅力や知性を感じない ものです 。ガリ勉は試験・受験を突破するスキルに優れていますが、世間慣れした感じがせず、視野が狭そうなイメージを与えてしまいます。人間は決して見た目で価値が決まるものではありませんが、「小ぎれいにしておいた方が皆が良い気分になる」「世間は美しいもの、セクシーなものに対して優しい」という真理をよく知った上で、自分の外面も磨いている人こそが「あ、頭いいな」という印象を与える ものです。「セクシーなのに頭が切れる」「かわいいけど賢い」。このギャップが重要です。まず「キレイ、かわいい」ありきで、その奥の意外性として知性が光っている状態を目指しましょう。●知的オーラの素その3:聞き上手雄弁を通り越して、無駄口が多くなっていませんか?人の話を聞くよりも、主張することに快感を覚えるようになってはいませんか?控えめなコミュニケーションスキルも、知的オーラを醸し出すための武器になります。知的な人は聞き上手 なのです 。壇蜜さんは夜のお仕事で接客業をされていたことがあるので、この点は一般的なママさんたちにとっては縁遠い世界かもしれませんが、人をよい気分にさせる会話術というのは「ただ引き立てるだけ、聞いてあげるだけ」というのとはまた少し違います 。ふと意見を求められたときに言葉につまるというのも困ったもので「頭からっぽ」な印象を与えてしまいます。日ごろから見聞を広げ、自分の確固たる考え方を持ってこそ、人の立場を理解し、落ち着いて傾聴し、自分の考えも的確に述べることができるのです。さらに女性らしさを保つためには、理屈だけで押し通すのではなく、自然な形で自分の感情も交えることも重要 です 。「私はあんまりそれ好きじゃないけど、なんとなくわかるわ」とか「体験したことないけど、そういうの興味あるな」とか、背伸びせずかつ柔軟さを感じさせる姿勢も「賢いな」という印象を与えるものです。●知的オーラの素その4:慎重さ壇蜜さんは意外に浮いた話が少ないことでもよく知られており、「1年間はお付き合いしてみないとわからないことが多いので、スピード婚は考えられない」という発言もしています。こうした控えめさ、慎重さも知性を裏付ける重要な要素 です。いくら美人で有能な女性でも「ハデでキレイで交際の噂が絶えない」となると単なる遊び人扱いとなり、高級感が失われてしまいます。たとえば既婚の方であれば、不倫行為が絶えなかったり、またそうした不倫の話をお友達にペラペラ自慢げに話したりするようではアウトです。男性にも女性にも丁重に扱ってもらえるようになるには、まず自分自身が自分を大切に扱うこと 。嫌な環境に身を置かない、良い意味で妥協しない。人間関係においては柔軟さも大切ですが、相手によって距離感を維持することも忘れてはなりません。誰にでも図々しくグイグイ迫っていったり、自分の心の扉を不用心に開けすぎるのも考えもの。どんな方とお付き合いしてもブレない部分、譲らなくてよい部分というのはありますよね。しっかりと芯を持ち、自分らしさを失わないよう慎重に行動しましょう。----------いかがでしたか?知性は一日にしてならずですが、今からでも遅くはありません。お子さんが大きくなるにつれて“お母さん”としての責務は少しずつ減っていきます。いずれ“空の巣症候群”になってしまわないためにも、自分自身の外見と内面を充実させて知的な毎日を送ってみてはいかがでしょうか?【参考文献】・『エロスのお作法』壇蜜・著●ライター/月極姫(フリーライター)●モデル/倉本麻貴(和くん)
2016年10月27日こんにちは、保育士でライターのyossyです。子どもはいつまでもかわいいものですが、ずっと幼いころと同じように親と一緒にいてくれるわけではありませんよね。実は、中学生以降は親と一緒に行動してくれる機会がぐっと減るケースが多いのです。思うように一緒に旅行をしたり、遊びに出かけたり、といったことができなくなることも……。「もっと子どもとの思い出を作っておけばよかった!」と後悔するかもしれません。なぜでしょうか?理由を見ていきましょう。●(1)部活動によっては、とにかく忙しい!中学に入学して子どもがハードな部活動を選ぶと、一緒に過ごせる時間がとても少なくなってしまいます。平日の朝練や放課後の練習に加えて、休日にも練習・遠征が頻繁にあることも。活動日程がギリギリにならないとわからないケースや、試合結果によって変わるケースも珍しくありません。そういう場合は旅行計画を立てるのにも制限が出てくる でしょう。もちろん、学校によっても違いますし、部活動やその年度の部内の雰囲気によっても大きく変わってくることがあります。入部してからでないとはっきりとした内情がわからないケースもありますので、注意したいところです。なお、部活動によっては部員同士で「トラブルを避けるために、賑やかな場所への出入り禁止」など、普段の行動を制限するケースもあるようです。公的な規則でなくても、本人たちは“絶対的な決まり事”としてとらえることも多いもの。そういった制限が存在する可能性があることも知っておきましょう。●(2)高校受験に向けて勉強が忙しくなる日本の高校への進学率は97%。ほとんどの子が高校受験をするため、部活だけではなく、勉強も忙しくなります。文部科学省の平成20年の調査によれば、中学生の通塾に関して「通ったことがあり、今も通っている」と答えた家庭は、下記の通りでした。・1年生……41.2%・2年生……47.3%・3年生……60.7%中学3年生になると6割以上の子が通塾している のですね。地域や学校によっても異なるかと思いますが、小学生に比べて通塾する子が増えるのは確かです。通塾するならば、長期休み期間中も講習やテスト、模試等の予定が入ることが増えるでしょう。そういったことも考慮に入れておきたいものです。●(3)思春期・反抗期が訪れる女子は10歳ごろ、男子は11歳ごろから思春期が訪れると言われています。また、第二反抗期(第一反抗期は2歳ごろの「イヤイヤ期」のこと)が訪れるのも中学生時代である子が多いです。子どもにとっては、身体的にも精神的にも驚くほどの変化があり、大きなストレスを抱える子もいます。場合によっては、親と会話することを嫌がるようになる ケースもあり、一緒に旅行に行けたとしても、純粋に楽しめなくなる場合もあるようです。●(4)友人同士で遊ぶことが増える中学生になると、「親といるより友人と一緒にいたい 」と思うようになる子も増えてきます。家にいても友人とのメール・電話のやり取りに夢中になる子もいるでしょうし、「休日も友人同士で遊びたい」と言うようになる子も出てくるでしょう。反抗期ではなくても、一緒に出掛ける機会が減る可能性はあります。----------小学生であっても、習い事をたくさんしている子や中学受験をする子の場合、「十分忙しい!」と思うかもしれません。しかし、「中学生の忙しさは想像を超えていた」と語るママも多いもの。忙しくても、中学校入学前に可能な限り子どもとの時間を確保しておいたほうがいいかもしれませんね。【参考リンク】・子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告 平成20年8月 | 文部科学省(PDF)()・高等学校教育 | 文部科学省()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2016年10月22日今回は、ソニーコンピュータサイエンス研究所の研究員として、そして株式会社Xiborg(サイボーグ)の代表として、義足の研究開発をされている遠藤謙さんにお話をお伺いします。ご自身が立ち上げたXiborg社の公式サイトには「すべての人に動く喜びを」と掲げ、「才能がない、障害を抱えている、高齢だからといって、この喜びが奪われる事はあってはならないと考えています。」とあります。社 公式サイト「人間の身体にはまだまだ隠された機能があります。それを引き出すことによって人間の生活スタイルは激変する可能性を秘めています。例えば、損なわれた機能を補うだけでなく拡張することができれば、障がい者、健常者、高齢者の身体機能の境界線がなくなり、身体能力の欠如に対するネガティブな考え方も変えることができるのです。私のゴールは、世の中から身体の障がいをなくすことです。」そう語る遠藤さん。一体どのような幼少期・学齢期を過ごしてきたのでしょうか。そのライフストーリーをお伺いしたいと思います。なぜ「義足」の道を進んだのか?編集部:遠藤さんがおっしゃる「世の中から身体の障がいをなくす」という言葉、とても共感しているんです。そのお話からまずは。遠藤:ありがとうございます。僕は人の身体にまだまだ可能性があると思っているんですよ。目の前の目標としては、義足の開発を通して障害を無くしたいと考えてます。2020年のとオリンピック・パラリンピックでは、障害の定義が「脚があるかないか」と関係なくなってくる。じゃあ、一体何が「障害」なんだろうとか、そういう議論が起こるだろうと。編集部:義足の開発は、その議論を起こすきっかけになりそうですか?遠藤:なると思います。具体的にいうと、今僕たちは陸上競技用の義足を作っているのですが、それはこれまでの義足のように「無い脚を埋める」だけの義足ではありません。脚のない人が、義足によって「より自分の能力を引き出せる」ことを目指して作っている。陸上選手で言えば、「義足の方がより早く走れるようになる可能性を秘めている」ということです。すると健常者のほうが障害者よりいいタイムが出るという、これまでの概念が崩れていくのではと考えています。編集部:すごい。遠藤さんは初めからそういう考え方で研究をされていたのでしょうか?それとも徐々にそういう志が生まれてきたのか。遠藤:もともとはロボットの研究をしていました。ASIMOが2000年に発表されて注目されて、これは面白いと思った。それまでロボットというといかにも機械っぽくてメカメカしかったのに対して、可愛らしい要素が取り入れられたところに興味があって。編集部:ご自身でも開発をされていたのでしょうか。遠藤:はい、最初に開発に関わったのがPINOというロボットでした。松井龍哉さんというデザイナーがデザインしたロボットで、宇多田ヒカルさんの「Can you keep a secret」のPVに出たので見たことがある方も多いかもしれません。編集部:みんなびっくりしましたよね。友達のような、ロボットとの距離感が新鮮だったのを覚えています。でも、そこから義足の研究に切り替えたのは何かきっかけがあったのでしょうか。遠藤:友達がガンになり、お見舞いにいったんです。その時僕の研究の話をしたら「ロボットで歩くんじゃなくて、自分で歩きたい 」と言われて、ハッとしたんですね。編集部:なるほど。遠藤:誰かの役に立つ技術開発をしたい、そう思いました。そこから色々なことがあって、マサチューセッツ工科大学(以後MITと表記)のヒューハー教授のことを知りました。出典 : 遠藤: 彼はもともとはロッククライマーなのですが、事故に遭い両足を失くしたんです。そのとき彼はロッククライミングを諦めるのではなく、自分で義足の設計をしようと勉強し始め、研究の後に教授になった人物です。編集部:またすごい人物ですね。遠藤: 彼に会いに行った時、「MITに来たらいい、受かったら教えて」と言われて、それで受験したら幸運にも合格したんです。ただ、入学後はこれまでの専門とは違う学問を学ぶので、それはもう猛勉強の日々でしたね(笑)。「できなかったらどうしよう」は考えない編集部:語学の壁、学問分野の壁、と困難続きだったと思いますが、辞めたいと思ったことは?遠藤:何回もありますよ。最初のうちは授業に全然ついていけなかったです。解決策は、「寝ないで頑張る」。2〜3年はそんな感じでした。遠藤:でも、1年中力を入れっぱなしというわけではなく、アメリカの場合、授業があるのは8ヵ月だけなので、その8ヶ月はとことん勉強して、残りの4ヵ月、夏休みなどはゆっくり過ごす。そして学期が始まったら、また集中して…、という過ごし方でした。期間を決めて、その間だけは先の事とか考えずに没頭するんです。編集部:でも先の事を考えずに没頭するって、意外と難しいことではありませんか。遠藤:うーん、僕の中に「できなかったらどうしよう」というのがあまり無いのかもしれません。編集部:あーーー、なるほど。だから今に集中できる。遠藤:一番になりたいけど、一番にならないと悔しくて死んでしまうってほど執着したことも、あまり無いんですよ。結果的に二番になってもいいと思っているのかも。知的好奇心が原動力。支えてくれた親の存在は…編集部:ただ、没頭したことを、さらに続けていくのって大変なことだと思うんです。遠藤さんを支えたものは何だったのでしょう。遠藤:知的好奇心。勉強しているのが単純に楽しかったんです。知的興奮を覚える、といいますか、勉強はもちろん大変だけど面白い。もっと知りたい、だから頑張っていられたんだと思います。編集部:とってもシンプルですね。知的好奇心。ちなみに、高校時代にも一度留学をしたいと、ご両親に相談したことがあると伺いましたが…。遠藤:あ、そうなんですよ。高校の同級生に帰国子女がいたことで英語に興味が湧いて。それでアメリカの大学に行きたいと両親に伝えたら、もう大反対でした。編集部:なぜでしょう。遠藤:留学したい理由を聞かれて「英語を身に着けたい、若いほうがいいと思うから」って答えたんです。そしたら「その語学を身につけて、何を勉強したいんだ」と聞き返されて、僕は何も答えられなかった。反対された時に、押し通すほどの理由や熱量が無かったんです。そんな状態で行っても意味がないなと自分でも思い、その時は行きませんでした。でも、大学を卒業してMITに行こうと思った時には明確な目的があった。だから受験をしたし、両親も応援してくれましたね。その時に「学費をどうまかなうか」という話をしたのがとても印象的で、今でもよく覚えています。編集部:そのお話、ぜひ伺いたいです。次回は、遠藤さんのご両親とのかかわりや幼少期の過ごし方についてお伺いします。株式会社 Xiborgソニーコンピュータサイエンス研究所 プロフィール
2016年10月17日猫の手貸して~育児絵日記~
うちはモフモフ暮らし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々