女性外来のパイオニア天野惠子医師2月24日、世界文化社が家庭画報ビューティウェルネスの新刊『女の一生は女性ホルモンに支配されている!』を発売した。A5判、192ページ、定価は1,760円(税込)となっている。著者は日本内科学会、日本性差医学・医療学会理事、NPO性差医療情報ネットワーク理事長、一般財団法人野中東晧会静風荘病院で女性内科・女性外来を担当する天野惠子氏である。同氏は女性外来のパイオニアとして知られ、2021年に立ち上げた『女性外来オンライン』などで様々な情報を発信している。更年期の基礎・増えてくる病気 女性外来リストも性別によりかかりやすい病気に違いがあることはわかっていたが、まだ女性を総合的に診ることができる医師や医療機関が少ない中、天野惠子氏は女性外来を開始し、その動きは全国へと広がっていった。新刊では、体のサイクルや女性ホルモンの役割など、更年期の基礎知識をわかりやすく解説。セルフケアや対処法についても紹介し、更年期以降に増えてくる症状と病気も解説されている。そのほか、全国の女性外来21件も掲載する。なお、同氏は2022年から2023年に月刊誌『家庭画報』にて「天野惠子先生のすこやか女性外来」を連載しており、新刊はそれらの内容をもとにした内容となっている。(出典元の情報/画像より一部抜粋)(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)※出典:報道用資料
2024年03月02日ヘルスアンドライツが運営するPMS対策アプリ「ケアミー」は、15歳から49歳の男性を対象に実施した「PMSに関する意識調査」の結果を発表しました。PMS(月経前症候群)がどのようなものか知っているか、パートナーの有無別に調べました。現在パートナーがいる男性の30.9%、現在パートナーはいないものの、過去にパートナーがいた男性の15.6%は、PMSを「知っている」と回答。一方、現在も過去もパートナーがいない男性のうちPMSを「知っている」と回答したのは、わずか6.9%でした。女性パートナーの有無により男性の認知度には4倍以上の差があることがわかります。PMSを「知っている」と回答した男性に、PMSを知った方法についてた聞くと、「パートナー(恋人や妻)から教えてもらった」(43.8%)が最も多く、「インターネットやSNSで知った」(34.3%)と続きました。パートナーの生理に関連して起こる不調に対して、悩んだことがあるか尋ねたところ、43.2%が「ある」と答えました。生理に関連して起こる不調について知りたいと思うか聞くと、91.1%が「知りたい」と回答。男性は具体的にどのようなことに悩んでいるのか。インタビュー結果の一部をご紹介します。★パートナーの生理に関連して起こる不調について男性が抱える悩み独身男性(25歳)彼女と同棲をしはじめてから、コミュニケーションで悩むことが増えました。いつもは仲が良いんですが、急に彼女が情緒不安になり険悪なムードになるんです。理由もよくわからず、急にイライラしたり、黙り込んだりするので、どう接したらいいのか分からず悩んでいます。女性特有のものかなとは思うのですが、きちんと理解したいと思っています。既婚男性(31歳)生理のせいで気分のムラが起こるということはなんとなく知っているのですが、妻の情緒不安が生理のせいなのか自分からは聞きづらいです。話しかけると、余計に相手をイライラさせてしまう気もして……。たまにならいいんですけど、毎月のようにそんな時期があるので、ちょっと精神的に疲れてしまうことがあります。 二人の関係性のためにも本当は相手のことを理解して、自分にできることがあるならしたいと思っています。調査結果を受けて、産婦人科医・高橋怜奈先生は、「PMS(月経前症候群)は女性だけの問題ではありません。男性のPMSの認知度が低いことも問題ですが、たとえPMSの存在を知っていても、パートナーを理解したり、どのように対応すれば良いのか分からないといった悩みを抱える男性は少なくありません。女性だけでなく、男性もPMSについて学ぶことで、互いを理解し、尊重する関係に繋がります」「また、PMSには対処法や治療があります。PMSかもと思ったら、まずは婦人科でご相談ください。普段の生活のみならず、人生がもっと輝くものになるでしょう」とコメントしています。■調査概要調査期間:2023年11月27日~12月13日調査対象:15~49歳全国の男性4,000名調査方法:インターネット調査(フォルサ)
2024年01月03日ユニ・チャーム株式会社(代表取締役 社長執行役員:高原豪久)は、女性の分泌物質である“おりもの”に、排卵日の予測に必要な黄体形成ホルモン(以下、LH)※1を発見しましたので、その成果について一部を報告します。なお、本件はクレインバイオ株式会社(代表取締役社長:山本大輔)と千葉陽子教授(前・京都看護大学大学院看護学研究科、現・滋賀県立大学大学院人間看護学研究科)との共同研究によるものです。※1:LH(Luteinizing Hormone)は、生殖システムにおいて重要なホルモンで、女性では卵胞の成熟と排卵、黄体の形成と維持に関与し、産生の調節に寄与します。uc_01■共同研究の背景妊娠を希望する女性(妊活女性)にとって、排卵日を事前に把握することは重要です。現在、一般的な排卵日の予測方法は、専用の検査キットで尿中のLHを確認するものです。この方法は比較的簡便であるものの、毎朝起床直後に測定する必要があるなど、一部の利用者にとって「朝の忙しい時間が奪われる」などが負担であることがわかりました。※4このような妊活女性の生活実態を踏まえ、時間に縛られることなく排卵日を予測する方法を調査・研究することとしました。なお、調査・研究に際しては、クレインバイオ社および、京都看護大学との共同研究としました。※2:感度とは、陽性を正しく陽性と判定できる割合。※3:妊娠可能な時期のこと、また妊娠活動にはこの6日間を捉えることが重要である。※4:2019年 ユニ・チャーム調べ■共同研究の概要対象:20歳以上40歳未満の月経関連の疾患を有さない女性16名(妊娠・出産経験は不問)時期:2019年5月~2020年9月(共同研究以降、学術論文発表に向けて準備)方法:以下の手順にて被験者のおりものに含まれる成分を抽出し測定・分析を行いました。(1) 被験者に尿の検体採取キット及び無香料のパンティライナーを支給し、月経後10日目から月経後19日目の尿とパンティライナーを回収。(2) 回収したパンティライナーの中心部を2cm2切り取り、プロテアーゼ阻害剤カクテルを添加した500μlのPBS(リン酸緩衝食塩水)に含浸後、3,600rpmの遠心操作によって抽出液を回収し測定検体とする。(3) 尿及びおりもの中のLHはELISA法(酵素結合免疫吸着測定法)により測定を実施。また、検体の濃度の外的要因を除外するため、尿中クレアチニンをELISA法により、おりものは総タンパク量をBCA法(ビシンコニン酸法)により測定し、補正を実施。■共同研究の結果・尿中のLHを基準として排卵日を定めた場合、おりもの中のLHは排卵日を含む6日間※3に90%の割合で現れました。・おりもの中にLHが見られる日とその前日を比較し、LHの強さを測定した結果、おりもの中のLHは0.15mIU/mgにおいて感度86%でした。uc_02■共同研究参加メンバークレインバイオ株式会社 齋藤 敬太竹下 元京都看護大学 千葉 陽子林 里沙子ユニ・チャーム株式会社 共生社会研究所 吉政 渡鈴木 裕哉uc_03《関連情報》本研究は、2023年8月4日(金)配信したリリース『妊活タイミング※5をチェックできるおりものシート』の開発検証に応用されております。 ※5:妊活に適したタイミングである「排卵時期を含む約6日間」のこと。■女性の“おりもの”と排卵予測に必要な黄体形成ホルモン(LH)の関係に関する調査・研究を通じて貢献する「SDGs 17の目標」この研究は、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)で定めた17の目標のうち、下記に貢献すると当社では考えています。3. すべての人に健康と福祉をこれからも、商品やサービスの提供といった事業活動を通じて、環境問題や社会課題を解決し、SDGsの達成に貢献することを目指します。■会社概要社名 :ユニ・チャーム株式会社設立 :1961年2月10日本店 :愛媛県四国中央市金生町下分182番地本社 :東京都港区三田3-5-19 住友不動産東京三田ガーデンタワー社員数 :グループ合計16,206名(2022年12月)事業内容:ベビーケア関連製品、フェミニンケア関連製品ヘルスケア関連製品、化粧パフ、ハウスホールド製品、ペットケア関連製品、産業資材、食品包材等の販売≪消費者の方のお問い合わせ先≫ユニ・チャーム株式会社 お客様相談センターTEL:0120-423-001 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年10月19日閉経を挟んだ前後5年間を「更年期」といいます。更年期には女性ホルモンの分泌が減り、心身ともにいろいろなゆらぎがあると知られています。豆腐などに含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモン様作用があるとされ、長らく注目されてきましたが、女性ホルモンが減る更年期には、健康と美容のためには大豆イソフラボンを積極的に補う必要があるのでしょうか。アンチエイジングに詳しい、美容専門医の黒田愛美先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic 医師)美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。大豆イソフラボンはたくさんとったほうが良い?大量かつ継続的に摂取すると健康面に影響が一般的に更年期というといつごろで、どのような変化があるのでしょうか。「日本人の平均閉経年齢はおよそ50歳です。その前後5年間、10年間を更年期と呼ぶので、平均的には45歳から55歳くらいです。この時期は女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減り、健康面でも美容面でもさまざまな不調が出やすくなります。美容面だけで言えば、女性ホルモンの減少は、肌の弾力を保つコラーゲン繊維やエラスチン線維の変性による機能低下、皮脂分泌減少による肌の乾燥などを招き、シワやたるみを進行させるなどの肌トラブルの原因になります」(黒田先生)。大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た作用をすると聞いたことがあります。更年期に女性ホルモンが減るなら、大豆ホルモンで補ったらよいのかな?と思うのですが……。「大豆イソフラボンは化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)と似ていて、エストロゲン受容体(エストロゲンレセプター)に結合することから、女性ホルモンに似た働きをヒトに及ぼすかどうか研究が進められています。女性ホルモンは、肌の組織に潤いを与えるなど美容効果が認められています。しかしここで注意したいのは、大豆は健康面でいくつか指摘されている点があるということです。大豆にはさまざまな栄養が含まれていますが、ゴイトロゲン、フィチン酸、トリプシン阻害物質といった物質も含まれています。ゴイトロゲンは甲状腺機能異常のリスクが高まることがわかっており、フィチン酸はミネラルの吸収を阻害する物質。トリプシン阻害物質とは消化を抑制する物質です。もともと大豆は消化しにくい食品として知られています」(黒田先生)。それでは、大豆はとらないほうが良いのでしょうか。「いえ、今紹介した物質はごく微量で、通常量の大豆摂取ではまったく問題ありません。大豆を大量に、かつ継続的に摂取することが問題となります」(黒田先生)。大豆はどのようにとるのが良い?発酵食品をとりましょうなんとなく大豆のイメージが悪くなってしまいましたが、日本人は毎日、大豆を何かしらとっていると思います。いかがでしょうか。「どんな食品もメリットとデメリットがあります。大豆も同じです。そして、先ほど紹介した健康面に影響を及ぼす可能性がある物質の一部は発酵させることで、構造が一部変わります。大豆食品は、発酵させたものを積極的にとるといいでしょう。日本人がよく食べる、大豆の発酵食品は味噌と納豆ですね。特に意識しなくても日本人は大豆を十分にとっています。頑張ってたくさんとる必要はないのです」(黒田先生)。味噌と納豆を選ぶときに注意点はありますか。「味噌は、だし入り味噌でなく、大豆とこうじ、塩だけが原材料のものを選ぶようにしましょう。添加物は腸内環境を乱す原因となるからです。納豆は、ひきわり納豆のほうがビタミンKが豊富なのでおすすめです。遺伝子組み換えの食品は、まだ人体への影響が明らかになっていないため、避けたほうが無難です」(黒田先生)。豆乳も発酵食品が良い?ヨーグルトメーカーで作った黒田先生の特製豆乳ヨーグルト。出典)黒田愛美オフィシャルブログ「Health & Beauty Room …ヨーグルトにすれば乳酸菌もとれます豆乳も発酵させたほうが良いのでしょうか。「前述した物質は豆乳にも含まれているので、私はヨーグルトにしてとっています。豆乳に乳酸菌を加えてヨーグルトメーカーに入れ、室温27℃くらいの場所に36時間置けば完成です。今は豆乳ヨーグルトも市販されていますが、砂糖など添加物がないものを選ぶと良いでしょう。大豆イソフラボンの女性ホルモン様作用は、骨粗しょう症、乳がんなどの予防効果が期待される一方で乳がんを発症した人の再発リスクも指摘されています。また、大豆イソフラボンの効果は出やすい人と出にくい人があることがわかっており、その差はエクオールという物質に変換できるかどうかにあります。腸内にエクオール産生菌という菌があるかないかで差がついてしまうのです。大豆イソフラボンの健康効果については、まだ解明されていないことも多いので、大量に摂取するというのではなく、これまで通り摂取していれば問題ないと思います」(黒田先生)。まとめ大豆食品の中でも、味噌汁は1日1杯は飲む、という人も多いでしょう。味噌は発酵食品なのでリスク物質は含まれませんが、塩分が多く含まれています。なんでもとり過ぎはよくないと肝に銘じたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/岩崎みどり(51歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/黒田 愛美 先生美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。Zetith Beauty Clinic医師(東京都中央区銀座4丁⽬2-17銀座111レジャービル13階)。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。著書に『アスリート医師が教える最強のアンチエイジング』(文藝春秋)。
2023年10月16日フェムケア事業を展開するオノフは、調査研究として全国の20〜60代の女性を対象とした「天気・季節の変わり目と体調・気分の関係性に関する調査」を実施しました。今回は、女性の気分や体調が、天気とどのように関連しているかについて調査。その結果を年代に紐解いています。■天気によって気分が左右される女性が5割以上「あなたは天気の変化や季節の変わり目によって、気分が良くも悪くも影響されることはありますか。」の設問に「すごく影響される方だと思う」「やや影響される方だと思う」と答えた回答者数は合計で52.5%。約半数以上の女性が「影響される」と回答しました。次に年代別で見てみると、30代以降、年代が上がるにつれて影響されないと感じる傾向に。合わせて、普段健康的な生活を送れている人ほど、気分に影響しないと答えている結果となりました。このことから、30代以降は体の代謝が低下しやすくなる影響などから自身の体の変化に意識が向いたり、家庭を持つことで家族の健康に気を遣う機会が増えたり、などで健康意識が高まり、健康的な生活を送ることで日頃の不調が整うなどの良い影響もあるため、天気や季節の変化の影響を受けにくくなっているのではないでしょうか。■天気の変化が、気分よりも体調に影響する結果に「あなたは天気の変化や季節の変わり目によって、体調が良くも悪くも影響することはありますか。」の設問に、「すごく影響される方だと思う」「やや影響される方だと思う」と答えた回答者数は合計で57.6%となり、「気分」よりも「体調」への影響が約5ポイント以上高い結果となりました。年代別に見ると20〜50代は「すごく影響される方だと思う」「やや影響される方だと思う」と回答した合計が約60%に対し、60代は約50%と下回っており、年代が上がると影響に変化があることがうかがえます。その理由を天気や季節の変化が心身へ影響する原因から読み解いていきます。天気や季節の変化が心身へ影響する原因としては、気温などの変化が自律神経にストレスを与え乱れることが考えられますが(※1)、女性ホルモンと自律神経も互いに影響しあっているといわれています。(※2)(※1)参照元:環境省(※2) 参照元:e-ヘルスネット[情報提供]このような理由から、一般的に更年期を迎えて自律神経が乱れやすくなる40〜50代女性の体調は、天気や季節の変化に影響される割合が高い傾向であるのに対し、60代では閉経を迎えたことで「すごく影響される方だと思う」「やや影響される方だと思う」の割合が減少したと推測されます。今回の調査では、女性の約半数以上が天気の変化や季節の変わり目が気分や体調に影響していることがわかり、女性ホルモンの影響が重なり合っていることを読み取ることができました。■調査概要調査方法:インターネット調査対象者:全国の女性20〜60代調査期間:2023年8月11日〜8月14日有効対象者:3,004サンプル調査機関:オノフ(エボル)
2023年10月05日みなさんはおりものの変化について、気にしたことはありますか。実はおりものは月経周期の中で増えたり減ったりという変化だけではなく、ネバネバしたり水っぽくなったりという変化もします。また、おりものの変化に病気のサインが隠れていることも。産婦人科専門医の筆者が、月経周期や病気によるおりものの変化について詳しく解説します。おりものとは?そもそもおりものとは、女性の体から出てくる分泌物であり、子宮や腟からの粘液や古い細胞が混ざって出てきたものを指します。月経周期がある場合、ほとんどの女性にとって当たり前にあるものです。「なんだかベタベタするし、お気に入りの下着が汚れる…」とネガティブに思われがちですが、おりものは女性がしっかりと成熟している証拠でもあるんですね。おりものには大きく2つの働きがあります。1つ目は、腟内をクリーンな状態に保つという働き(自浄作用)です。腟は排泄器官と近い位置にあることから、雑菌が入りやすい状態になっています。そのため、おりものには自浄作用により腟や子宮を守る働きがあります。2つ目は、受精しやすくする働きです。排卵前のおりものは、精子を子宮内に導きやすくすると考えられています。おりものの変化とホルモン女性の体は、女性ホルモンの影響を受けて一定の周期で変化を繰り返しています。ほぼ1か月ごとの変化が月経周期による変化です。その他にも一生の中で大きな変化があり、それに合わせておりものの状態にも変化が起こります。1.月経周期による変化月経周期によって、次のような変化が考えられます。おりものの変化のパターンを覚えておくと、排卵日が近いなど自分の体の状態を把握しやすくなるはずですよ。・月経前(黄体期)濃い黄色やクリーム色で、やや粘り気がある状態になります。月経の数日前から少量の血液が混じることもあります。・月経後(卵胞期)少量で水っぽいか、一時的になくなることもあります。その後、排卵にむけておりものの量が増えていきます。・排卵期透明のゼリー状で、よく伸びる状態です。卵白のようなとろみのある性状になります。2.年齢による変化おりものの量や質は、年齢によっても変化します。初めて月経を迎えてから、だんだんおりものの量が増えていくとされます。10代のうちは、女性ホルモンの分泌が安定しないため、月経周期の不安定さとともに、おりものも安定しないことがあるでしょう。20代以降は女性ホルモンが安定していくのに従って、おりものも安定して分泌されるように。閉経が近づくと女性ホルモンの分泌が少なくなり、おりものの量も減っていきます。閉経後はほぼ出なくなるのが一般的です。3.その他その他には、妊娠期や授乳期、ピルやミレーナなどのホルモン剤を使用している場合にも変化が生じます。おりものの変化と病気おりものには腟内をクリーンな状態に保つ自浄作用があります。この働きは“デーデルライン桿菌”と呼ばれる乳酸菌によって起こり、腟内のpHを保つことで雑菌の繁殖を防いでいます。ところが、免疫が低下したり、抗菌薬を服用したりすると、腟内の細菌バランスが乱れることも。そうすると雑菌が繁殖しやすい状態になり、おりものの性状に影響することがあります。主な病気は次の通りです。カンジダ症カンジダという真菌が異常に増殖することで起こります。白くてカッテージチーズのようなおりものが出て、かゆみを伴うことが一般的です。細菌性腟症雑菌が繁殖することによって起こる病気です。おりものから魚のようなにおいがしたり、灰色になったりします。腟トリコモナス症トリコモナス原虫が増えることで起こります。緑色や泡立つおりものが出て、においやかゆみを伴うことがあります。性器クラミジア/淋菌性頸管炎それぞれ、クラミジアと淋菌に感染することで起こる病気です。おりものの量が増えたり、出血を伴ったりすることがあります。がんなどの悪性腫瘍血の混じったおりものや、大量で悪臭のするおりものが突然出る場合があります。おりものの状態がいつもと違うと思ったらおりものは、女性の体の健康状態を映し出す大切なサインです。月経周期や年齢による正常な変化の場合もありますが、異常が続いたり、明らかにいつもの状態とは違ったりする場合は、婦人科で相談することをおすすめします。婦人科で検査を受けることで、何が原因か、治療が必要な状態なのかを判断できるでしょう。今までおりものの変化について気に留めていなかったという人は、ぜひおりものの量やにおいをチェックしてみてくださいね。©VLADIMIR VK/shutterstock ©Nitcharee/shutterstock ©La corneja artesana/shutterstock©Pixel-Shot/shutterstock ©Syda Productions/shutterstock著者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年08月27日シアンの運営するキラクル編集部は、低用量ピルを服用したことのある女性を対象に実施した「低用量ピルによる生活の変化と満足度」に関する調査結果を発表しました。低用量ピルについて、値段に見合った満足度は得られているか尋ねたところ、74%が「満足している」「少し満足している」と答えました。その理由としては、「毎月悩まされていたひどい生理痛が軽くなったから」「生理の日程をずらすことができるので、旅行とかを避けることができた」「副作用もなく、継続できているから」といったコメントが寄せられています。低用量ピルをどこで処方してもらっているか聞くと、73%が「産婦人科などの病院」と回答。実際に病院へ出向いて処方してもらっている人が多いことがわかりました。低用量ピルの服用を始めるきっかけについて尋ねると「普段の仕事、家事などにおいての不調を避けて性生活を良好にするため低用量ピルの服用を開始しました」「妊活の準備として、生理周期を整えるために服用を開始しました」「生理痛がひどく、緩和させるために服用しています」などの声が集まりました。次に、低用量ピルの値段は高いと感じるか、安いと感じるか尋ねたところ、19%が「高い」、46%が「少し高いと感じる」と回答。「海外ではピルは無料で支給されるのに対し、日本はお金がかかる上に値段も高いのでかなり遅れていると感じます」「生理は毎月あるものなので、長く使用するとなると結構な金額になってしまう」といった声も挙がっています。毎月低用量ピルを手に入れるためにいくらお金を使っているか尋ねると、「2,000円~3,000円」が最も多い回答となりました。毎月の低用量ピルに関する出費は、いくらまでなら許容範囲であるか聞くと、最も多い回答は「1,000円~2,000円」でした。実際に支払っている金額よりも1,000円近く低い値段という結果になっています。使っている人の約7割が高いと思いながらも、メリットが大きいので使っていることが分かりました。低用量ピルの効果に対する満足度は高いので、より安価に1,000円〜2,000円で手に入れられるようになれば、日本でも低用量ピルの普及が広まるのではないでしょうか。■調査概要調査方法:インターネットアンケート調査対象:低用量ピル利用者100名実施:2023年5月調査実施主体:キラクル編集部調査会社:シアン(フォルサ)
2023年08月07日閉経に向かうにつれ、女性ホルモンの分泌が少しずつ減る更年期。その一方で、男性ホルモンが増えるという話を聞いたことはありませんか。そもそも女性に男性ホルモンがあるのか、ある場合、更年期には増えてしまうのか、気になることについて産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:<老化のメカニズム>更年期のうつ症状を改善するカギは男性ホルモンにあり【医師解説】女性にも男性ホルモンはある?そもそも、女性には男性ホルモンはあるのでしょうか。「女性は男性の約10分の1の量ではあるものの、男性ホルモンがあります。更年期になり、女性ホルモンが急激に減ったあとでも、男性ホルモンの減少は緩やかなので、元気な体を維持できているのです。よく、更年期は男性ホルモンが増えると誤解されるのですが、女性ホルモンが急激に減ることで男性ホルモンが優位になり相対的に増えて見えるだけで、増えるわけではありません」(駒形先生)。とはいえ、男性ホルモンも加齢とともに減り、80代にはほぼ分泌しなくなるそうです。男性ホルモンとは?ところで、男性ホルモンとはどんな特徴があるのでしょうか。「男性ホルモンは『テストステロン』と呼ばれ、体調の調整、決断力、判断力、意欲、性欲などを司ります。筋肉や骨の発達を促進するので例えば肩幅を広くしたり、胸板を厚くしたり、太ももを太くしたりと、いわゆる“たくましい肉体”の素になります。ひげが生えたり毛深かったりするのも、テストステロンの働きです」(駒形先生)。男性ホルモンの影響は髪に出やすい更年期になると男性ホルモンが優位になるということですが、それでは急に毛深くなったり、性欲が増したりするのでしょうか?「男性ホルモンが増えるわけではなく、また、もともと男性に比べれば少ない量なので急に毛深くなるということはありません。しかし、個人差はありますが男性ホルモンが優位になることで髪の毛に変化が出る女性は多いようです。髪の毛は、男性ホルモンが司る部分と、女性ホルモンが担当の部分があります。例えば、男性ホルモンが強く関わっているのが、生え際や頭頂部。男性の抜け毛や薄毛はこの部分が多いですね。女性ホルモンがあることで保たれていた生え際や頭頂部の髪が、急激に減ることで守れなくなり、かつ、男性ホルモンが優位になったことで抜け毛や薄毛が起こることがあります」(駒形先生)。毛深くなるほどの男性ホルモンの量はないものの、抜け毛や薄毛と関わってくるということです。性欲は強くなる?一方、性欲はどうなのでしょうか。むしろ、更年期には減退する女性が多いように感じます。「男性ホルモンの性欲と女性ホルモンの性欲はもともと違っていて、前者は発散するタイプ、後者は受容するタイプのもの。受け入れたいという気持ちは減るものの、発散したいという気持ちは残っているのではないでしょうか。更年期の女性は性欲がないかといえばそんなことはなくて、結局は相手次第なのだと思います」(駒形先生)。まとめ発散したいという性欲は残っている……ということは、そういう意味ではオス化しているのかもしれません。しかし、既婚女性の場合、パートナーと発散したいという気持ちがどれだけあるかは、本当に個人差があるのではないでしょうか。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年07月20日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは、ホルモンバランスと肌の変化。ホルモンバランスの変化による肌荒れに悩んでいるという人にオススメのスキンケアアイテムをご紹介します。ブルーな気分を吹き飛ばす心ときめくパッケージ。【Rael】フェイシャルマスク日々変化するホルモンバランスに着目し、それぞれの時期に合わせた植物由来の成分を配合した4種類のフェイシャルマスク。〈Week1〉は月経中など、敏感になりやすい期間に。〈Week2〉はコラーゲン入りで、日々のスペシャルケアにもぴったり。〈Week3〉はビタミンCを配合し、潤いを与えて明るい印象へ。〈Week4〉は揺らぎやすい生理前はもちろん、脂性肌の人に。肌タイプや悩みに合わせて選ぶのもオススメです。左上から反時計回りに、Rael フェイシャルマスク Week1(月経期)、同 Week2(卵胞期)、同 Week3(排卵期)、同 Week4(黄体期) 5枚入り各¥2,530(フェルマータストアinfo@hellofermata.com)生理周期に合わせたフェイシャルマスクで、自分をいたわるきっかけに。生理周期に合わせてセレクトすることで、健やかな肌をキープできるとSNSなどを中心に大きな話題の『Rael』のフェイシャルマスク。アイテムを取り扱っているフェムテック専門オンラインストア・フェルマータの中川里菜さんにお話を伺った。「『Rael』は、3人の韓国系アメリカ人女性により設立されたLA発のフェムケアブランドで、ホルモンバランスの乱れに悩む女性のための商品を手がけています。弊社との最初の出合いは、弊社が2019年から行っているフェムテックフェス。女性の生理周期に合わせた商品コンセプトがとても画期的だったので、フェルマータストアで販売することに」フェイシャルマスクは、女性のリズムに合わせた4タイプ。「肌が乾燥しやすくなる生理中は、ブルーの保湿タイプを。生理が終わった卵胞期は、肌が安定しやすい時期なので、ピンクのコラーゲン配合タイプでさらにハリ・弾力のある肌を目指すのがオススメ。排卵期は、イエローのマスクを使用してください。とくに人気が高いのがグリーン。心身ともに不安定になりやすい生理前の黄体期は、ティーツリーを配合したマスクで、自分を大切にする時間を作ってほしいですね。生理周期にかかわらず、肌悩みに合わせて選ぶのもいいと思います」おしゃれなパッケージは、プレゼント需要も高い。「ポップアップイベントでは、生理周期と合わせて使えるという商品コンセプトをお伝えすると、男女問わず興味を持ってもらえることが多いですね。プレゼントに購入される男性も実は多いんです」使用した人からも好評だそう。「美容液がひたひたで贅沢、香りがほのかでリラックスできる、使い心地がいいなど、フェイスマスクとしての満足度の高さはもちろん、生理周期のことを考えたことがなかったので、自分をいたわるきっかけになったというお声もいただきました。私自身も、フェイスマスクは特別な日にご褒美感覚で使うアイテムでしたし、生理周期に合わせて選ぶという発想もありませんでした。でも、生理前のイライラ時期には“グリーンの〈Week4〉があるんだ”と思うことがお守り代わりになり、モヤモヤした気持ちが少しだけ晴れるような気がします」肌荒れに悩む人はもちろん、自分と向き合うためのアイテムとして利用するのもオススメ。「仕事や家事、育児にと忙しい人は、自分のことを振り返る時間があまりないかと思います。そういう方にこそ、自分の体や肌を見直すきっかけとして、このフェイシャルマスクを生活の中に取り入れていただけるといいんじゃないかなと考えています」※『anan』2023年3月29日号より。取材、文・岡井美絹子(by anan編集部)
2023年03月24日ホルモンの種類出典:byBirthまず、ホルモンには沢山の種類があります。その中でも私たちに主に影響していきそうなものをピックアップしてみました。美容やインナーケアでもよく出てくる言葉もあるので、是非参考にしてみてください!エストロゲン・プロゲステロンエストロゲンは、女性らしい丸みのある身体を作ったり、肌のツヤや潤いを保つのに欠かせないホルモンです。プロゲステロンは、これが増えるとイライラを引き起こす作用があります。ですが、エストロゲンを適度に保つためには必要なホルモンでもあります。妊娠の準備をするためにも必要で、月経の周期を決めたり、子宮の働きを調節してくれる、女性にとって欠かせないものです。朝日を浴びると分泌が高まります。早起きは三文の徳はこのことですね。セロトニンこれは、よく耳にするあの「幸せホルモン」の正体です。不安やイライラを引き起こす物質をコントロールしてくれます。気持ちを安定させてくれる嬉しい効果も。脳を活性化させ、心を整えるホルモンです。成長ホルモン内臓や、気管、筋肉、骨を作ったり修復してくれます。新陳代謝をサポートしてくれるので、成長ホルモンが出やすい夜の22時から深夜2時の間にしっかり寝るとダイエット効果も上がることも。身体のメンテナンスには欠かせないホルモンですが、分泌のピークは20歳頃。40歳で半分も下がってしまいます。出典:byBirthメラトニン老化の原因になる物質を除去してくれたり、免疫力を向上させる効果があります。暗くなると分泌がはじまり睡眠の質を上げてくれますが、人工の光が苦手で敏感です。寝る前は携帯の光は注意ですね。グレリン・レプチン空腹時に多く分泌され、食欲をコントロールしてくれるホルモンです。規則正しく食べ、腹八分目に止めると正しい分泌量が保たれやすく、食欲をコントロールしてくれます。ですが、ストレスが増えるとこのホルモンが減少するので、ストレスで爆食いしてしまうのはこのせいでもあるんですね。ストレスをできるだけ減らすことでダイエットに繋がるのであれば、気をつけておきたいです。DHEA筋肉を増やしたり、性欲、代謝、心の安定に繋がります。運動機能を維持したり老化防止に欠かせないホルモンなんですね。これは筋肉をつけていくと分泌が増える事がわかっているようです。ドーパミンこのホルモンは是非活性化させておきたい!快楽や幸福感を与えてくれるホルモンです。初めての経験や初めて会う人、刺激や経験で分泌してくれます。出典:byBirth気を付けるポイントたくさんのホルモンがある中、全てを整えていくのはとても気が遠くなりますよね…。実はこれらのホルモン達は、密な連携をして動いています。ホルモンの影響を自らコントロールしていくこともできるとのこと。一つ気を付ける事で全体のホルモンが活性化してくれるので、無理なく毎日に取り入れていきたですね。毎日のケアでホルモン全体を活性化させていきましょう!出典:byBirth笑顔を心がける!笑うことは、自律神経を整える効果があります。これは楽しい時限定ではありません。例え気分が落ち込んでる時でも、口角を上げてみたり、作り笑いでも大丈夫。そうすることで脳に“楽しい”と勘違いさせる事ができるのです。睡眠の質で身体と心を整える!私たちの身体は、眠っている間に細胞の再生が行われます。成長ホルモンやメラトニンが整う時間なので、睡眠は大切にしていきましょう。眠る3時間前の過ごし方で眠りの質が変わってくるので、なるべく心穏やかにリラックスすることを心がけてください。そして、メラトニンは光によって抑制されるので眠る前は光の量を減らしてみましょう。食事でパワーを高める!身体を作る食事はホルモンとも深い関係があります。心も身体も更に軽やかにパワーアップさせていきましょう!特に30代になると更に食事の見直しが必要。タンパク質の肉や魚、野菜を意識的にしっかりバランス良く!暴飲暴食は、老化に繋がるホルモンが分泌されやすくなるので、食べる量は腹八分目に。食事の時間は、出来るだけ決まった時間にとる事で体内のリズムが整い、ホルモンの分泌も整います。ホルモン全体を整えることは、毎日の生活をより良くしていくことに繋がったり、意外とシンプルなことかもしれませんね。前向きに心地よく過ごしていきましょう。
2023年03月13日月経前後にやってくる腹痛や頭痛、気分の落ち込みやイライラ、食べすぎといった体調の変化。それってホルモンが原因かもしれません。ホルモンの波と上手に付き合い、月経をラクに乗り切るためのポイントを産婦人科専門医が解説します。月経前後でこんなお悩み、ありませんか?・腹痛や頭痛がとにかくつらい・気分が落ち込む、またはイライラする・つい食べすぎてしまう・眠すぎて気づくとずっと寝ている・デリケートゾーンに不快感がある・においが気になる・漏れてしまったのではないかと不安になる月経は妊娠に向けて成熟した子宮内膜が剥がれ落ち、排出されるものです。約1か月に1回の周期でやってくる月経ですが、人によっては痛みが強かったり体調がすぐれなかったりと、普段通りの生活ができないと感じる方も多くいらっしゃいます。そこで今回は、月経中の“あるある”なお悩みとその対策方法をご紹介します。1.腹痛や頭痛がとにかくつらい月経中で最も多い悩みは、腹痛や腰痛、頭痛といった痛みです。月経のときに子宮内膜が剥がれ落ちるのですが、同時に痛みを引き起こすプロスタグランジンという物質も放出されます。そのため、痛みが起こるとされています。また、月経中には血液の巡りが悪くなる、漢方医学でいう「瘀血(おけつ)」という状態になることがあり、これも月経痛の原因といわれています。対策としては、鎮痛薬を上手に活用することと、血液の巡りを良くするのがおすすめです。鎮痛薬は、痛みのピークに飲むよりも、痛みが強くなる前に飲み始めた方が良いとされています。例えば「私は月経2日目がつらい」ということがわかっているのであれば、痛くなる前の朝、昼、晩に内服するのがおすすめです。鎮痛薬の過剰服用を心配する方もいらっしゃいますが、短期間であればトラブルを起こすことも少ないでしょう。体を温めて痛みを和らげる方法としては、内側と外側からのアプローチがおすすめです。温め作用があるといわれている生姜やニンニク、温かいスープなどを食事に取り入れつつ、入浴時にしっかり温まったり、カイロなどを利用してお腹を温めるのも良いでしょう。また、無理のない範囲でウォーキングなどの軽い運動をして血流を促すのもひとつの手です。2.気分にムラが出る月経前には「月経前症候群(PMS)」といって、気分の落ち込みやイライラなど、気分のムラを感じる方もいらっしゃいますが、月経が始まってからも症状が続く方もいます。これは、月経周期によるホルモンの変動が原因であると考えられています。対策としては、心と体に対してプラスに働く栄養素をしっかりと補充するのがおすすめです。具体的にはビタミンB群、イワシやサバ、サケなどの青魚、イクラやタラコなどの魚卵に含まれるオメガ3脂肪酸、カルシウムやマグネシウムなどがメンタルの安定に大切な栄養素として知られています。これらの栄養素は気分のムラだけではなく、月経痛の改善にもつながる可能性があります。食事に取り入れるのが難しい場合は、サプリメントを取り入れてみるのも良いでしょう。その他、カモミールやローズマリーといった気分をリラックスさせてくれるハーブを、入浴後や睡眠前のリラックスタイムに楽しむのもおすすめです。3.つい食べすぎてしまう月経中には、食欲が増して食べすぎてしまうという方もいらっしゃいます。特に、甘いものが欲しくなるという方が多いようです。対策としては、ある程度の食べすぎは許容して「せっかく食べるのならいつものコンビニスイーツではなくパティスリーの高級スイーツを味わって食べる」など、楽しみながら食べすぎない工夫をするのがおすすめです。月経中は他の様々な症状からもストレスを感じやすい時期なので、ある程度は自分を甘やかしてあげることも大切。ただし、砂糖には中毒性があるといわれており、もっと甘いものが食べたくなってしまうという方もいらっしゃいます。血糖値の乱高下はメンタルの不調につながることもあるので、甘いものが欲しい場合は、血糖値が急激に上がりにくいとされるてんさい糖やハチミツを摂るのもおすすめです。4.眠気が増してボーっとする、寝付きが悪くなる月経前や月経中に眠気が強くなったり寝つきが悪くなったりと、睡眠に関する悩みを抱える方もいらっしゃいます。これはホルモンの変動によって起こるため、ある程度は仕方がないともいえるでしょう。対策としては、睡眠の質を上げることが挙げられます。就寝1時間前にはスマホなどのブルーライトを避ける、2時間前までに入浴は済ませておく、部屋は真っ暗な状態にして心地よいと感じる寝具を用意する、などを意識してみてください。また、日中にある程度運動をするのも良いでしょう。それでも眠いと感じるときは5〜10分程度を目安に短時間の昼寝をするのもひとつの方法。その他、ごはんやパン、お菓子など糖質の摂りすぎは、食後に眠気を誘発しやすいといわれています。糖質の摂りすぎを避けるのも、眠気を抑えるのにおすすめですよ。5.デリケートゾーンが不快になる、においが気になる月経中は常に生理用品が必要になります。日本では紙製のナプキンを使用している方が多いため、ナプキンかぶれやできものといったデリケートゾーンのトラブルが起こりやすくなっています。また、月経時の出血である経血には栄養が豊富に含まれるため、雑菌が繁殖しやすい状態になります。特に、同じナプキンを長時間付けっぱなしにすると、ニオイやムレの原因になってしまうことも。対策としては、ムレや雑菌の繁殖を防ぐことが大切です。経血量が多いときにはナプキンをこまめに取り替え、常に清潔な状態を保ってムレないようにしましょう。また、月経カップやタンポン、吸水ショーツなどを上手に取り入れるのもおすすめです。アンダーヘアに付着した経血もにおいの原因になりやすいので、ビデなどを上手に利用して、アンダーヘアに絡みついた経血を除去するとより匂いが緩和されるでしょう。6.漏れてしまっていないか不安になるデスクワークなどで長時間座りっぱなしの状態が続いた後に立ち上がると、一気に経血が出て「漏れてしまったのではないか」、「服が汚れてしまったのではないか」と冷や汗をかいた経験がある方も多いのではないでしょうか。長時間の会議や忙しくてトイレに行けないときなど、どうしても座りっぱなしの状態が続いてしまうことはありますよね。そんなときはタンポンと吸水ショーツ、月経カップとナプキンなど、生理用品を組み合わせて使うのがおすすめです。体につけるタイプの生理用品をプラスで使うと安心感が増しますね。自分に合った対策でつらい月経を乗り切ろう今回は月経中のあるあるとその対策法についてご紹介しました。現代女性は初経を迎えてから閉経するまで、450〜500回も月経を経験するといわれています。少しでも月経を快適に過ごせる方法を見つけておきたいですね。月経時のトラブルで日常生活に支障をきたす場合は、一度婦人科を受診してみることをおすすめします。子宮や卵巣に異常がないかどうかをチェックしたり、症状によってはピルや漢方薬などを含めた治療法などもあります。ぜひ気軽に相談してみてくださいね。©︎topic_kong/AK/kei.channel/Ushico/PIXTA(ピクスタ)ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の身体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は13万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年02月17日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「食べて整える、ホルモンバランス」。多くの女性が抱える、ホルモンバランスの乱れによる不調。それらと賢く付き合うために必要な栄養素&レシピをご紹介。ホルモンバランスの乱れを食事で整えてPMSを軽減。イライラ、倦怠感、むくみ、腹痛や頭痛、乳房の痛み、さらに便秘や肌荒れなど…。月経前に起きる不調(PMS)は、その人の体質や体調によって様々で、200以上もの症状があるといわれる。エストロゲンとプロゲステロン、この2つの女性ホルモンの変動によって月経やPMSはもたらされているので、日頃からホルモンバランスを整えることを意識すれば、辛い症状も軽減するはず、とインナービューティープランナーの木下あおいさん。「ホルモンバランスが崩れる主な原因は、ストレスや睡眠不足、そして食生活の乱れです。なかでも自分の力で整えやすいのが、食事だと思います」特に、重い症状で悩んでいる人の多くは栄養不足の可能性大。「栄養不足は腸内環境の乱れを招き、自律神経を疲弊させ、ホルモンバランスが崩れる悪循環を生みます。パンだけの食事など、糖質過剰な食習慣の人は、代謝に役立つビタミン、ミネラルが圧倒的に足りません。また、腸内環境を整える食物繊維や発酵食品が不足気味の人も多いです」一方、体の基礎となるタンパク質の摂取を意識する人は増えたけど、肉食派が多いのは気になる点。「高タンパク高脂肪の肉は消化吸収に腸が疲れ、腸内環境悪化の原因に。魚には炎症を抑えてくれるEPAやDHAが含まれるので、月経痛の軽減に役立ちますし、植物性のタンパク質なら腸が喜ぶ食物繊維も摂れます」そこで今回、月経周期ごとの体調に合わせた、レスキューレシピを考案してもらうことに。さらに、下記にまとめた積極的に摂取したい栄養素も、自分の状態に合わせて取り入れたい。「イライラしたり、甘いものが欲しくなった時はガマンは禁物。ただ、腸内環境を乱しやすい砂糖を使ったものより、腸にいい甘酒や、かぼちゃなどの甘い野菜で満足感を得るといいですね。また、月経前に濃い味を求める人も増えますが、塩分はむくみの原因。出汁を増やして味の深みを増すなど工夫をして、症状の悪化を防ぎましょう」忙しい人も、ホルモンバランスを整えるため、朝食だけは自炊に挑戦を。「昼は外食、夜は疲れて自炊する力も残っていない、なんて声を聞きます。朝しっかり食べれば、咀嚼することで脳や腸が目覚めてパワーチャージされ、一日のリズムが生まれます。食事は自分をいたわる大切な時間。ベースの食事をきちんと摂った上で、足りない栄養素はサプリで補填を。美味しく、幸せな時間で心身を整えましょう」生理周期に合わせて取り入れたい栄養素。バランスよい食事を心がけた上で、生理周期ごとの体調に合わせて、積極的に摂ってほしい栄養素をリストアップ。【生理前】むくみ防止&ストレスケアを意識ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンAプロゲステロンの分泌量が増え、むくみやすく、食欲が増して甘みを欲する時期。肌トラブルも多くなるので、ビタミンB1で糖質代謝、ビタミンB2で脂質代謝を促す。また、粘膜の強化に役立つビタミンAもおすすめ。【生理中】眠気&貧血対策を最優先鉄分、ビタミンC、タンパク質活力ややる気が落ちる時期。体の基本のタンパク質をしっかり摂りベースアップ。経血で減少する鉄分は、子宮などの粘膜の強化にも必要なので意識して摂取。同時に、鉄分の吸収率を高めるビタミンCも忘れずに。【生理後】力を蓄えるパワーチャージ期タンパク質、アスタキサンチン、ビタミンAエストロゲンの分泌量が増え、心身ともに活動的に。体づくりに適した時期なので、タンパク質を摂り、抗酸化力が高まるアスタキサンチンにも注目。ビタミンAで生理前、生理中に衰えた肌力を改善し、潤いアップ。美味しく食べてホルモンバランスが整うレスキューレシピ。各時期に取り入れたい栄養素をしっかりチャージできる、オススメの3つのレシピで不調ループを脱出!【生理前】具だくさんかぼちゃスープかぼちゃの甘みに癒され、生姜で冷えを改善。【材料/2人分】玉ねぎ…50g、ひらたけ…50g、マッシュルーム…4個、かぼちゃ…100g、ブロッコリー…4房、生姜…1かけ、豆乳…1カップ、水…1/2カップ、乾燥わかめ…2g、乾燥昆布…5g、白味噌…大さじ2、酒…大さじ2、塩…ひとつまみ、ココナッツオイル…小さじ2、ペッパー…適量、甘酒…適宜【作り方】1、ひらたけをほぐし、玉ねぎとマッシュルームは薄切りに。かぼちゃ、ブロッコリーは一口サイズに切る。2、生姜をすりおろす。3、鍋に、酒、水大さじ1(分量外)と、1で切った野菜ときのこ類、すりおろした生姜を入れ、塩をふり、全体がしんなりするまで弱火で蒸し煮する。ブロッコリーは青々としたら取り出す。4、豆乳、水、乾燥昆布、乾燥わかめを入れ、沸騰直前まで弱火にかけたら、昆布を取り出す。5、白味噌を溶きながら加え、味を調える。6、器に入れ、ココナッツオイル、ペッパーをかける。甘みを足したい場合はお好みで甘酒を加えたら完成。【生理中】スプーンで食べるサバ缶サラダ鉄分、ビタミンが豊富に摂れる、主役級のサラダ。【材料/2人分】サバ缶…1缶、小松菜…100g、ブロッコリースプラウト…50g、紫玉ねぎ…1/8個、にんじん…30g、乾燥ひじき…3g、A[塩麹…小さじ2、バルサミコ酢…大さじ1,1/2]【作り方】1、小松菜、ブロッコリースプラウトを細かく切り、紫玉ねぎを粗みじん切り、にんじんをいちょう切りにする。2、乾燥ひじきを湯で戻す。3、ボウルにAを入れ混ぜ合わせ、1の材料、水気を切ったサバを入れ、全体を和える。【生理後】鮭ときのこのみぞれソースダイエット中の人にも勧めたい、体をつくる一皿。【材料/2人分】鮭切り身…2切れ、えのきたけ…100g、ネギ…1本、きくらげ…10g、にんじん…30g、大根…100g、酒…大さじ2、塩麹…大さじ1、A[醤油…小さじ2、酢…小さじ2]【作り方】1、鮭の切り身に塩麹をまぶして1時間以上おく。2、えのきたけを3cm幅に切る。ネギは薄切りに、きくらげ、にんじんは千切りにする。3、鍋に酒を入れ、えのきたけ、きくらげ、にんじん、ネギ(トッピング用の青い部分以外)、鮭を入れる。4、全体に火が通るまで弱火で6~7分蒸し煮する。5、ボウルにすりおろした大根とAを入れ、混ぜ合わせてみぞれソースを作る。6、器に4をよそい、5のソースをかけ、ネギを散らす。木下あおいさんインナービューティープランナー、管理栄養士。インナービューティーダイエット専門クッキングサロンを主宰し、美容と健康のプロを育成。※『anan』2022年11月16日号より。写真・小川朋央スタイリング協力・大谷優依料理作製・木下あおいイラスト・二階堂ちはる取材、文・板倉ミキコ(by anan編集部)
2022年11月11日「あさイチ」などでおなじみの高尾美穂医師9月1日、女性ホルモンなど、女性の心身の健康について解説している新刊『【女性ホルモンにいいこと大全】オトナ女子をラクにする心とからだの本』が発売された。四六判で出版社は扶桑社、価格は1540円(税込)となっている。著者は医学博士で、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、ヨガ指導者、女性のための統合ヘルスクリニック・イーク表参道副院長の高尾美穂氏。高尾氏はNHK「あさイチ」などの多数のメディアでもおなじみの産婦人科専門医である。からだの悩み・心の悩みを抱えがちなオトナ女子に20年以上にわたり、産婦人科医として女性の不調に向き合ってきた高尾美穂氏ではあるが、コロナ禍で始めた音声SNS「高尾美穂からのリアルボイス」により、多くの女性がからだだけではなく、心の悩みを抱えていることに気付いたという。新刊では、生理痛、生理不順、頭痛、イライラ、肌荒れ、眠れない、妊活疲れといったオトナの女性ならではの悩みについて、できることを解説。女性ホルモンと生理の関係や、体を整えるおすすめの生活習慣と食事、より良い睡眠のためにできることなどを解説する。また、心をラクにする気持ちの切り替えかたを紹介。巻末には生理不順、生理痛、月経困難症、月経前症候群、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫、子宮頸がん、乳がん、おりものの異常、かかりつけ医の見つけ方についてまとめられている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※オトナ女子をラクにする心とからだの本 - 書籍詳細 - 扶桑社
2022年09月07日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「女性ホルモンとPMS」。生理前に起きるイライラや倦怠感の原因について、産婦人科医の宋美玄さんとフェムケア委員会の中元日芽香さんと考えます。女性ホルモンとPMS女性ホルモン分泌の変動の波が、心身の様々な不調の原因になります。体内で分泌される女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンの2つ。その働きについて産婦人科医の宋美玄さんが解説する。「エストロゲンは体を守り、女性らしさをつくるホルモン。コラーゲンを生成して肌のハリを保ち、髪をツヤツヤにするなどの美容面だけでなく、情緒を安定させ、骨や血管を守ったり、生殖器官を育て、女性らしい丸みのある体型をつくる働きも担っています。一方、プロゲステロンは妊娠の準備や維持をするためのホルモンで、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くしたり、基礎体温を上げます。また、栄養や水分を体に蓄えようとするため、食欲が増したり、むくみやすくなることも」このように聞くと、エストロゲンは良いホルモンで、プロゲステロンは悪いホルモンのように思ってしまいがちなのだが…。「どちらが良い悪いといった単純なものでもないんですよ。エストロゲンは血栓やがんの原因になることもあるので、たくさん分泌されれば良いというわけでもなく、あくまでも両方が過不足なく分泌されることが大切なんです」この2つのホルモンの分泌量は、一度の生理周期の間に常に変動しているという。「生理期間が終わると、エストロゲンの分泌量が急激に増えます。生理が終わってから排卵までの1週間は一番むくみが少なく体調が良い、いわば“キラキラ期”。一方で、排卵が終わると、今度はプロゲステロンの分泌量が急激に増えます。はっきりとわかっていない部分も多いのですが、このようなホルモンの急激な変動によって、様々な症状が現れると考えられているんです」それが、生理前に精神的、身体的な不快症状が起きる「PMS(月経前症候群)」。イライラや気分の落ち込み、倦怠感、肌荒れ、下腹部の痛み、頭痛など症状は人によって異なり、仕事を休まざるを得ないなど日常生活に支障をきたす場合もあると宋さんは言う。「PMSの中でも、特に気分の落ち込みや不安などの精神的な症状が強いものをPMDD(月経前不快気分障害)と呼びます。ただ、PMDDの場合は、月経前だけでなく、常にメンタルの不調があり、生理前にそれが悪化するというケースが多い。その場合、ホルモン面のアプローチだけでなく、精神科や心療内科に相談しましょう」【エストロゲン】肌にハリが出て、髪もツヤツヤに自律神経や脳の働きを良くしてくれる内臓脂肪がつきにくくなる【プロゲステロン】体に水分を溜め込み、むくみやすく食欲が旺盛になり、代謝が鈍感に基礎体温が上がるホルモンバランスは約1か月周期で変動。PMS症状の多くは、排卵後から現れる。腰痛や頭痛、胸の張りなど体の症状のほか、イライラや落ち込み、眠気が取れないなどの精神的症状を訴える人も。生理前の不調を当たり前と思わず向き合うことから。中元:私は、数年前、倦怠感や気分の落ち込みがあり、精神科に通院していた時期があるんですが、その原因がホルモンバランスの乱れなのか、自律神経の働きなのか、はっきりとはわからない部分がありました。ただ、生理前になると倦怠感が強くなり、食欲もすごく増えてしまって…。もしかしたらPMSだったのかもと、ふり返ってみると今は思います。宋:わかりにくいですよね。体は全部つながっているので、自律神経がきちんと働かないと、ホルモンの分泌も影響を受けることも。その頃は、生理不順などの悩みはあったんですか?中元:私は幸い、生理は毎月来ていたんですが、ダイエットによって止まってしまったといった話は、周囲の友達からもよく聞きました。宋:ダイエットで急激に体重が減ったり、強いストレス環境に置かれると、脳が「生命を維持しなければ」と考えて、ホルモンの分泌を抑えようとするんです。それで生理が止まったり、排卵が起きなくなったりする。だから痩せすぎはよくないんですよ。女性ホルモンのうち約6割は卵巣から分泌されるんですが、残り4割は体脂肪から分泌されます。“脂肪は敵”って思ってる人が多いんですが、脂肪は、ある意味“財産”だと考えてほしいですね。中元:知りませんでした。若い時に生理が止まったら、その後の妊娠に影響はあるんですか?宋:一時的に生理が止まったからといって、将来妊娠できなくなるわけではありません。生活の見直しや治療を受けることにより、その後妊娠できたという例もたくさんあります。でも卵巣機能を整えるという点でも、体重の大幅な増減は好ましくないんです。中元:女性ホルモンの分泌量は年齢によって変わるのでしょうか?宋:脳の指令によって卵巣から女性ホルモンが分泌されるようになるのは、思春期の頃から。分泌量は20代でピークに達し、50歳前後で閉経を迎えると卵巣から分泌されるホルモンが急激に減ります。中元:そうなると、心身にも様々な影響が出てきそうですね。宋:その通り!女性の体の組織は、ホルモン分泌の減少によって大きく変わります。だから年齢を重ねると、男性に比べて骨折や貧血などのリスクが高くなるんです。中元:将来のことも心配ではありますが、私と同世代の女性の生活にとってホルモン分泌の影響はとても大きいですよね。ひと月のうち、1週間は生理ですし、排卵後の2週間にPMSによる症状がある人は、快適に過ごせる期間が1週間前後ということになると改めて考えてみると…。宋:昔は初潮が来るのが遅く、若くして子供をたくさん産み、寿命が短くて閉経を迎える前に亡くなるケースも多かったので、人生で生理が50回程度だったといわれています。ところが今は、小学生で初潮が来る子も多く、さらに平均出産年齢が上がり、女性1人当たりの出生数も減っている。そのため、昔に比べて生理の回数が格段に多いんです。中元:そう考えると、生理にまつわる不調を見逃さず、向き合うことって大切ですね。でも、“どうせこんなものだから”とか“生理前だけだから”と思って、我慢している人も多いなと感じます。宋:そうなんですよ。でも、“つらい=当たり前”じゃない。適切なケアによって症状を緩和することはできます。anan総研150名にアンケート。Q. 生理前にホルモンバランスの乱れを感じたことがありますか?A. ある…82%Q. 具体的に、どんな対策をとっていますか?(複数回答)A. 休養…43%、市販の薬をのむ…36%、何もしない…29%、体を温める…25%、婦人科へ行く…14%生理前に不調を感じたことがあるという女性は8割以上も…。それにもかかわらず「婦人科へ行く」と答えた人はごくわずか。自己流の解決法で“過ぎるのを待つ”という人がほとんどでした。そん・みひょん(写真左)産婦人科医。丸の内の森レディースクリニック院長。『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』など著書多数。2児の母。なかもと・ひめか(写真右)1996年4月13日生まれ、広島県出身。乃木坂46メンバーとしてデビュー。グループ卒業後の現在は、心理カウンセラーとして活動している。ワンピース¥19,250(A VIEW FROM HERE/ローカルメゾン TEL:092・260・7277)イヤリング¥3,740(ミミサンジュウサン/サンポークリエイト TEL:082・248・6226)ブレスレット¥2,090(アネモネ/サンポークリエイト)※『anan』2022年7月6日号より。写真・水野昭子スタイリスト・岡安幸代(中元さん)ヘア&メイク・川嵜 瞳(中元さん)イラスト・REDFISH取材、文・音部美穂(by anan編集部)
2022年07月05日女性のココロとカラダや、ライフスタイルにまで大きく影響する”女性ホルモン”。しかし、その働きや整える方法をよく知らない人も多いでしょう。今回は女性ホルモンの不調やバイオリズム、心との関係、暮らしの中でできるセルフケアについてご紹介します。1.女性ホルモンってなに?そもそも女性ホルモンがどんなものなのか、働きや整え方をちゃんと理解している人は少ないかもしれません。女性ホルモンの基礎知識やバランス、それによって引き起こされる女性特有の様々な不調について解説します。女性ホルモンに関する正しい知識を身につけて、日常の当たり前を見直しましょう。ホルモンバランスの乱れは心身の不調に大きく関わる。女性ホルモンとは、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンの一般的な呼び名のこと。「生理や妊娠だけでなく、心身の不調にも深く関わっている女性ホルモン。後々、不妊で悩んだりしないように、女性ホルモンに関心を持ってほしいですね」そう話すのは、産婦人科専門医の角ゆかり先生です。「女性ホルモンの分泌は、脳の視床下部が司令塔となり、調整されています。視床下部は、神経系統のコントロールタワーのすぐ隣にあるので、強いストレスを受けると視床下部から指令を受ける女性ホルモンの分泌も乱れてしまうのです。ストレスには、過剰なダイエットによる身体的ストレスも含まれます。過剰なダイエットをすると、脳が『身体的危機の今は新しい生命を育てられない』と判断し、血液を体外に排出する生理を止めてしまいます。無月経は不妊になることもあるので注意を」生理の約1週間前から、イライラしたり、いつも以上に甘いものを食べたくなったり、PMS症状が表れるのも女性ホルモンの影響。「PMS症状対策で重要なのは、それがPMS症状なのだと自覚することです。あらかじめどんな症状が自分に出るのか知っておけば、周囲に『この時期は機嫌が悪くなるかもしれない』と伝えておくことで大きなトラブルを防げますし、食欲が増すケースも、脂肪分の多いスイーツを食べる前にカロリーが低く栄養価の高い野菜のスープなどでお腹を満たしておくといった対策がとれます」では、根本的に女性ホルモンを整えるには、どうしたらいいのでしょうか。「基本的なことですが、栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送ることが、女性ホルモンにとっては大切です。もちろん、生理に少しでも異常があったり、PMS症状が辛かったり、ホルモンの乱れを感じたらなるべく早く、婦人科を受診してください。その際、月経周期がわかっているとスムーズです。自覚症状がない方も、いつかの時のために、月経周期のチェックを」エストロゲン肌にハリが出て、髪もツルツルに自律神経や脳の働きをよくする内臓脂肪がつきにくくなる卵胞ホルモンとも呼ばれ、いわゆる女性らしい丸みを帯びた体型を作るホルモン。肌や髪の潤いを守る、代謝をアップするなど、女性にとってうれしい作用も。40歳を過ぎると分泌量が減ってホルモンバランスが急激に崩れ、更年期を過ぎるとほとんど分泌されなくなります。プロゲステロン体に水分を溜め込み、むくみやすくなる食欲が旺盛になり、代謝が鈍くなる疲れやすくなる排卵直後から分泌量が増え、子宮内膜を柔らかくして妊娠に備えるホルモンで、黄体ホルモンとも呼ばれます。プロゲステロンが優位な黄体期は、妊娠のために体が水分や栄養を溜め込もうとするため、むくみが出やすく、食欲が促進される場合も。精神的にも不安定になりやすい傾向があります。ホルモンバランスの入れ替わりで心身に変化が!女性の心と体は、エストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンの影響を受け、約1か月周期で変動。たとえば、エストロゲンが優位になる生理直後は、肌がきれいになりますが、プロゲステロンが優位になると、肌が脂っぽくなってニキビが増加。精神的に不安定になりやすくなることもあります。教えてくれたのは…角ゆかり先生産婦人科専門医、虎ノ門ウィメンズクリニック院長。東京女子医科大学卒業。2013年、メルボルン大学ウィメンズヘルスマスター取得。症状以外にも、患者の話に耳を傾ける診療方針で信頼されている。※ 取材、文・小泉咲子※ 2022年1月13日配信2.女性ホルモンとココロの関係生理前のイライラ&体調不良と女性ホルモン、自律神経…。何となくつながっていると知ってはいるものの、うやむやになりがちなこの関係を専門家が解説。心身を健やかに保つための基本のセルフケアもチェック!自律神経の不調も、女性ホルモン&心と密接な関係に。もうひとつ知っておきたいのが、ストレスと自律神経の関係。産婦人科医の宗田聡先生いわく、「自律神経には緊張した時に優位になる交感神経と、リラックス時に働く副交感神経の2種がある。相反する2つの働きで、意志に関係なく、心拍や呼吸などの体のさまざまな機能を、絶えず自動制御しています」2つがバランスよく働くことが理想的ですが、この自律神経も、ストレスによって乱れやすいシステムだといいます。「ストレスがかかって交感神経が活発な状態が続き、体が休まらないままだと、むくみや肩こり、慢性疲労など体の不調が現れてきます。体が辛ければ当然、メンタルにも悪影響です」(宗田先生)さらに、自律神経は女性ホルモンの変動とも密接な関係が。心療内科医の田中奏多先生は「それぞれの司令塔が脳の近い場所にあり、どちらかが不調になると片方も呼応しやすいという特徴があります。逆に言えば、体に働きかけることで、心にも良い影響を与えられる可能性があるということ。体からのサインも見逃さずに、メンタルマネジメントに役立てましょう」とのこと。下記の、自律神経が乱れた時に起きがちな症状例を参考にしてみましょう。自律神経バランスがピンチかも?寝足りない感じが続くマッサージをしても肩こりが良くならない下痢や便秘が続く手や足が冷える、下半身がむくむ原因の分からない頭痛がするめまいや耳鳴りがするようになった息苦しくなったり、急に動悸がしたりする顔や手足など、体の一部だけに汗をかく教えてくれたのは…宗田 聡先生産婦人科医、広尾レディース院長。長年の経験をもとに、女性たちの悩みに心と体の両面からアプローチ。著書に『31歳からの子宮の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。田中奏多(かなた)先生心療内科医、産業医。東京TMSクリニック勤務。ハーバード大学TMSコース修了。著書に『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』(アチーブメント出版)がある。※ 構成、文・新田草子※ 2021年12月22日配信3.女性ホルモンを整える暮らしとは?仕事で責任が重くなったり、ライフステージが変わったりと、体調を崩しがちなアンアン世代。まさにその一人だった女性ホルモンバランスプランナーの原由記さんは、健康を取り戻した実体験と知識から、日常的にできるホルモンバランスの整え方を伝授!起きたらカーテンを開けて、必ず朝日を浴びる。睡眠不足は女性ホルモンを乱すといわれています。そこで、良質な睡眠のためにやるべきは、朝一番に、カーテンを開けること。「体内の生体リズムを整えてくれる太陽の光は、睡眠と覚醒をうまく切り替えるカギ!朝起きたらすぐに1〜2分、深呼吸をしながら太陽の光を浴びると約16時間後にメラトニンという眠気を誘う脳内の神経伝達物質が分泌され、寝つきがよくなります。曇りや雨の日でも十分な明るさがあるので、毎日の習慣にするといいでしょう」スマホは、できるだけ遠い場所に置いてからベッドの中へ。生活のリズムを整えることが、すなわち女性ホルモンを整えること。そのベースになる睡眠にとって、脳を活性化させるパソコンやスマホのブルーライトは完全にNG。「寝ると決めたタイミングで、仕事のメールやSNSチェック、動画観賞もおしまい!寝室とは違う部屋に持っていき充電を。ワンルームの場合は、視覚に入らない、できるだけ自分から遠い場所へ。夜はマッサージなど、セルフケアの時間にして“スマホに囚われない自分”でいたいものです」寝る時には”五感”に心地よいものを意識して選ぶ。女性ホルモンの影響を強く受けるのが、心の状態。「肌に触れて心地よい、ふわふわして癒されるなど、気持ちをポジティブな方向に導いてくれるアイテムを選びたいもの。特に寝具やパジャマは、睡眠の質も左右します。肌触りがよく、五感が喜ぶ素材を選びましょう。チクチクする、毛玉でゴワゴワするといった小さなストレスも、蓄積されると眠りを妨げます。ピローミストやルームフレグランスの香りにもこだわって。生理不順には、セージやレモンバームを」4.女性ホルモンを整えるセルフケア術とは?朝ごはんには、植物性タンパク質を摂る。女性ホルモンにいい食生活は、栄養バランスのとれた食事。「不足しがちなのが、タンパク質。不足すると、体内に水分を溜め込むようになりますが、生理前はその傾向がより強くなります。生理前のむくみが辛い人は、朝にお味噌汁を飲み、タンパク質摂取を意識してみて」。大豆イソフラボンは、エストロゲンと似た作用があり、生理周期の乱れを整える働きや美肌にも期待大。「食事を改善することは、次の生理周期を整える準備になります」リモートワークでも、始業前に家の周りを歩く。リモートワークだと、通勤で駅まで歩いたり階段を上り下りすることさえもなくなり、意識しないとすぐ運動不足に陥ってしまいます。「体を動かして、血行をよくすることは、女性ホルモンにいい働きがあります。始業前に、できれば一駅分、難しければ家の周りだけでも歩くと。また、1時間に1回はストレッチをして、座りっぱなしで滞った血流を改善してあげましょう。冷たい椅子は腰まわりやお腹を冷やします。クッションやブランケットで冷え対策を」【CHECK!】生理中は内くるぶしマッサージで、卵巣をケア。床に座って、内側のくるぶしの上部を流れる血管の横をなでて、ゴリゴリしていたら、卵巣が疲れているサイン。「石みたいに硬い部分に老廃物が溜まっているので、そこをぐっと押して、しっかりと流してあげるといいでしょう」※『anan』2021年12月8日号より。教えてくれたのは…原 由記さん女性ホルモンバランスプランナー。大学を卒業後、化粧品会社に入社。会社員時代に体調を崩した経験から、資格を取得。デリケートゾーンケアアイテムを扱う「メリア」を立ち上げ、代表を務める。※ 取材、文・小泉咲子※ 2022年1月14日配信5.心と体を整えて、女性ホルモンのバランスをとろう忙しい日々の中で、ストレスなどによる女性ホルモンバランスの崩れに悩んでいる方も多いのでは?自律神経のセルフケアチェックなど、あなたのライフスタイルにあったものを取り入れてみましょう。心と体を整えて不調を緩和し、心地よく過ごせるように役立ててみてくださいね。©Atipati Netiniyom / EyeEm /Getty Images文・小泉咲子、新田草子 再編集・Nana — 2022.06.21
2022年07月04日肌のコラーゲンを呼び覚ます株式会社fearlessは2022年6月20日(月)、「成長ホルモン誘導ペプチド」配合の新シリーズ「アルフォンソ」をリリースし、化粧水、美容液、アイクリーム、クリームの4商品をラインナップした。「アルフォンソ」は「成長ホルモン」に着目した新スキンケアブランド。「成長ホルモン」をつくり出す「成長ホルモン誘導ペプチド」を3~5%配合し、肌の土台細胞が持つコラーゲンを呼び覚ます仕組みである。同商品に含まれる成長ホルモン誘導ペプチドは、線維芽細胞のコラーゲンやヒアルロン酸にアプローチし、肌のハリ・弾力をアップさせる成分である。肌の様々な部分のエイジングに「アルフォンソ」シリーズのラインナップは、肌の様々な部分のエイジングが気になる人や、土台からゆるがない肌作りを目指す人におすすめな基礎化粧品。中でも「アルフォンソアイクリーム」は、昨年、数量限定で発売され大好評につき完売した商品である。エイジングケアのためレチノール(ビタミンA)誘導体やビタミンC誘導体、ヒト型セラミドなど、複数の成分を配合した。商品は全国の取り扱いサロン及び公式オンラインショップにて購入できる。(画像はプレスリリースより)【参考】※フィアレス公式オンラインショップ
2022年06月21日毎日スキンケアに励んでいても、生理前後で肌の調子がよい時期とよくない時期を感じる女性は多くいます。女性の体内では、ホルモンが分泌されており、生理周期で分泌量が変わるため、肌も影響を受けて状態が変わるのです。肌の調子を安定させるためには、ホルモンの影響を考慮し、生理周期に合わせたスキンケアを心掛けることが重要です。本記事では、生理周期に合わせたスキンケアについて解説します。生理周期について出典:byBirth肌状態を大きく左右する生理周期。ここでは、「生理周期に肌が変化する理由」と「生理周期4つのサイクル」について解説します。生理周期で肌が変化する理由生理周期で肌が変化するのは、女性ホルモンの分泌量が変化し、バランスが乱れることが原因です。女性の体内では、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」といわれる2種類のホルモンが分泌されています。それぞれの働きは、次のとおりです。卵胞ホルモン(エストロゲン)卵胞を育てて子宮内膜を厚くし、受精卵が着床しやすいように妊娠の準備をします。女性らしく美しい体をつくり、キレイを高めてくれるホルモンとして知られています。黄体ホルモン(プロゲステロン)厚くなった子宮内膜をより妊娠しやすい状態にするとともに、妊娠を維持するために必要な水分や栄養をため込む働きがあります。一方で、皮脂の過剰分泌やむくみなど不調を起こしやすい特徴があります。このように、性質の違う2種類のホルモンの分泌量が生理周期で変化することで、肌の調子が安定したり崩れたりと状態が変わっていくのです。生理周期の4つのサイクル出典:byBirth女性ホルモンのバランスは、「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4回変わり、肌の状態もそれに応じて変化します。ここでは、生理周期の4つのサイクルについて詳しく解説します。月経期妊娠が成立せず、子宮内膜が剥がれて体外に排出される期間を指します。月経期は「卵胞ホルモン」も「黄体ホルモン」もどちらも分泌量が低下します。このことから、次のような肌状態になります。血行不良になりやすいくすみ、くまが目立つ肌が過敏になりやすい卵胞期新しい卵をつくり、排卵日に向けて成長させていく期間です。卵胞期では、「卵胞ホルモン」の分泌が高まるため肌状態は次のようになります。代謝が上がり、血行がよくなるツヤが出て、調子がよいバリア機能が高まり、肌トラブルが少なくなる排卵期成熟した卵子が卵胞から排出される時期です。生理開始から約14日が経過したころに起こります。このころから黄体ホルモンの分泌が高まり、卵胞期とはホルモンバランスが大きく変わるため、肌に変化を感じやすいのが特徴です。排卵期の肌状態は次のとおりです。皮脂の分泌が増える肌の調子が悪い日が増える黄体期卵胞ホルモンの分泌が減り、黄体ホルモンの分泌がさらに高まる時期です。子宮内膜もさらに厚くなり体が変化するため、体温の上昇、むくみ、イライラ、精神不安などさまざまな症状が表れがちです。黄体期の肌も、ほかの期間に比べてトラブルを抱えやすくなります。血行不良でくすみ、くまが目立つ毛穴が開くニキビ、吹き出物がでる生理周期に合わせたスキンケア出典:byBirthスキンケアは、肌状態に合わせて行うことで効果が期待できるものです。肌は、生理周期で状態が大きく変わっていくため、変化に応じてスキンケアも変えていかなければなりません。ここでは、生理周期それぞれに最適なスキンケアを紹介します。月経期月経期は、 肌のバリア機能が低下してデリケートなので、刺激の強いお手入れは避けるようにしましょう。乾燥してごわつきを感じやすい期間ですが、角質ケア、ピーリング、スクラブなどを行うとかえってトラブルを悪化させるため、控えることをおすすめします。使用する化粧品は、植物性や無添加のものなど肌に優しい製品を選びましょう。保湿はしっかりとしておきたいので、化粧水、乳液、クリームを使った最低限のスキンケアで乾燥を予防しましょう。卵胞期卵胞期は、生理周期の中で最も肌の調子がよく、お手入れに力を入れられる時期です。エステ、角質ケアなど、しっかりとしたケアを行って肌の調子を高めましょう。肌にとっては少し刺激となるクレイパック、炭酸パック、酵素パックなども卵胞期であれば使用でき、肌の調子を高められます。また、新しい化粧品を試すのにも最適な期間なので、気になる製品がある場合は卵胞期の使用をおすすめします。排卵期排卵期から、ホルモンバランスが大きく変化し肌の調子も低下していくため、徐々に低刺激なお手入れに替えていきましょう。皮脂分泌は多くなるものの、肌内部は乾燥しやすくなるため、保湿を重視したケアが大切です。肌を清潔に保つために洗顔を朝晩2回欠かさず行い、保湿力の高い化粧水、乳液、クリームを塗布して水分蒸発を防ぎましょう。お手入れ後にテカリが気になる部位は、ティッシュオフして肌の水分と油分のバランスを整えましょう。黄体期黄体期は、ニキビや赤みなどトラブルも多くなり、肌調子が悪いと感じる時期です。その反動からお手入れを頑張る方も多いのですが、やりすぎるとかえってトラブルの悪化につながります。また、疲れがストレスになると余計に肌状態は不安定になるため避けましょう。黄体期は、化粧水、乳液、クリームを使った最低限のケアを中心に行い、保湿系のシートマスクをプラスしてうるおいを蓄えます。トラブル部分は触らず、メイクも軽めにして刺激をしないように注意しましょう。心も不安定になりやすいので、好きな香りの化粧品、ホットタオルを使うなど、リラックスできるようなケアを取り入れることをおすすめします。まとめ出典:byBirth生理周期で肌が変化するのは、女性ホルモンの分泌量が変化しバランスが乱れることが原因です。生理周期の4つのサイクルは「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」で、肌も変化していきます。本記事では、生理周期それぞれに最適なスキンケアを紹介しました。女性のホルモンバランスと上手に付き合い、最適なお手入れを心掛け、常に絶好調の肌を保てるといいですね!
2022年06月04日生理前になるとニキビに悩むという女性は非常に多くいます。ニキビができてしまうのは、ホルモンバランスの変動が大きな原因です。生理前のニキビを予防するには、ホルモンバランスによる肌の変化を理解し、対策を講じることが重要です。本記事では、生理前のニキビの原因と対策について紹介します。生理前のニキビについて出典:byBirth生理前のニキビの原因と対策を知る前に、まずは生理前の肌状態について理解しておきましょう。ここでは「生理周期による肌の変化」と「生理前にニキビができる原因」について解説します。生理周期による肌の変化肌は、生理周期によって状態が変化します。ここでは、生理前、生理中、排卵前、排卵後の4期間の肌状態について解説します。生理前ニキビや肌荒れが起こりやすく、状態が不安定になります。むくみ、だるさ、イライラなど体にも不調が出る場合もあります。生理中生理前のニキビや肌荒れが少しずつ回復します。排卵前肌にツヤ・ハリが出て、調子のよい日が続きます。精神状態も安定し、心身ともに最もよい状態です。排卵後肌が脂っぽくなり、ニキビなどの肌トラブルが出始めます。普段使っていた化粧水がしみるなど、肌が敏感になる時期でもあります。生理前にニキビができる原因上述したように、肌は生理周期によって状態が大きく変化し、生理1週間前くらいから不安定になり、ニキビができやすくなります。生理前にニキビができる原因として考えられるのは、次の2つです。女性ホルモンの分泌量の変化生理前になると、プロゲステロンと言われる女性ホルモンが多く分泌されます。プロゲステロンは妊娠を助ける女性ホルモンで、体内に必要な栄養や水分を蓄積してくれる働きがある一方で、皮脂の分泌を増やす作用があるため、毛穴に汚れが詰まってニキビや炎症が起こりやすくなります。とくに、Tゾーン(額、鼻、あご先)は、普段から皮脂の分泌が多く、生理前になると過剰分泌となりニキビができやすいのが特徴です。ストレスによるターンオーバーの乱れ通常、肌は28日周期で細胞の生まれ変わり(ターンオーバー)をしています。しかし、生理前は、ホルモンバランスの急激な変化によりストレスを感じやすく、ターンオーバーの周期が遅れがちになります。そのため、古い角質や汚れが残って毛穴を塞いでしまい、ニキビの原因となるのです。生理前のニキビ対策出典:byBirth生理前は、どうしても肌状態が不安定になりがちですが、丁寧にケアをしてニキビのできにくい肌づくりを目指すことはできます。ここでは、意識して行いたい生理前のニキビ対策を4つ紹介します。肌を清潔にしてうるおいを補給するスキンケアを行う出典:byBirth生理前は、皮脂分泌が多くなって肌に汚れが溜まりやすいので、しっかりと落として清潔に保つスキンケアを行いましょう。汚れを落とすには、クレンジングと洗顔が必要です。ただし、洗浄力が強すぎると、必要な皮脂や角質まで落としてしまい、肌が乾燥してさらに皮脂が分泌するといった悪循環になります。クレンジング料と洗顔料は、中程度の洗浄力と保湿力を兼ねそろえたものを選びましょう。例えば、クレンジング料では、洗浄力が強いオイルやバームタイプは避け、ジェルやクリームタイプを選ぶことをおすすめします。とはいえ、いくら保湿力のあるクレンジングや洗顔をしても、そのまま放置すると肌は乾燥してしまうため、化粧水、乳液、クリームを使った保湿ケアも忘れずに。セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなど高保湿成分配合のものを使うと、より保湿力が高まり、ニキビ、肌荒れといったトラブル予防に役立ちます。紫外線対策を行う生理前は、バリア機能が低下してデリケートになっているため、紫外線対策をしっかりと行いましょう。紫外線により肌がダメージを受けると、炎症が起こってニキビの悪化につながる恐れがあります。朝のスキンケアの最後に日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。もし、肌が敏感になっていて普段使用している日焼け止めに刺激を感じる場合は、紫外線吸収剤不使用のノンケミカル処方のものなど、低刺激なものに替えるなど工夫することが大切です。どうしても日焼け止めがつけられない場合は、帽子、日傘、サングラスなどを着用して、できる限り紫外線から肌を守る努力をしましょう。皮脂の過剰分泌を抑えるアイテムでケアをする出典:byBirth皮脂の分泌が気になる生理前は、皮脂分泌を抑制する成分配合の化粧品を使ったケアをプラスすることをおすすめします。皮脂分泌を抑える成分の例は、次の通りです。ビタミンC誘導体ドクダミエキスライスパワーNo.6ローヤルゼリーエキスクレンジングローションなどに配合されていれば、コットンに湿らせて顔をふき取ることで、皮脂を抑制しながら不要な角質、汚れを取り除くことができます。また、皮脂分泌抑制成分が配合された美容液を使うのもよいでしょう。美容液は有効成分の配合量が多いため、しっかりと皮脂分泌を抑えて、ニキビのできにくい肌に導いてくれます。サプリメントでニキビのできにくい肌をつくる生理前のホルモンバランスの乱れは、体の内側から整えることも大切です。ニキビを防ぐために必要な栄養素を、サプリメントで補いましょう。サプリメントは、1粒に栄養素が凝縮されており、体への吸収も早いことから、効率よく肌の調子を整えられます。活用するときは、ニキビ予防に効果のある成分が配合されているものを選んで飲みましょう。ニキビ予防に役立つ成分は次の通りです。ビタミンB群ビタミンCテアニンビタミンB群は、肌の代謝を促してターンオーバーを早め、汚れや古い角質を除去してニキビを防ぐ効果があります。ビタミンCは、皮脂分泌を抑制しニキビができにくい肌づくりに有効です。テアニンは、イライラやPMS症状を和らげてストレスを軽減する効果があり、ターンオーバーを整えニキビの悪化を防ぎます。まとめ出典:byBirth生理前は、ニキビや肌荒れが起こりやすく、状態が不安定になります。また、むくみ、だるさ、イライラなど体にも不調が出る場合もあります。原因は「女性ホルモンの分泌量の変化」と「ストレスによるターンオーバーの乱れ」の2つです。生理前のニキビ対策として、「肌を清潔にしてうるおいを補給するスキンケア」「紫外線対策」「皮脂の過剰分泌を抑えるアイテムの使用」「サプリメント補給」の4つがあります。生理前のニキビをホルモンバランスのせいだからと諦めず、肌の変化に適した対策法でニキビを予防しましょう!
2022年05月06日閉経に向かうにつれ、女性ホルモンの分泌が少しずつ減る更年期。その一方で、男性ホルモンが増えるという話を聞いたことはありませんか。そもそも女性に男性ホルモンがあるのか、ある場合、更年期には増えてしまうのか、気になることについて産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。★ウーマンカレンダー更年期のお悩み記事をもっと読む女性にも男性ホルモンはある?そもそも、女性には男性ホルモンはあるのでしょうか。「女性は男性の約10分の1の量ではあるものの、男性ホルモンがあります。更年期になり、女性ホルモンが急激に減ったあとでも、男性ホルモンの減少は緩やかなので、元気な体を維持できているのです。よく、更年期は男性ホルモンが増えると誤解されるのですが、女性ホルモンが急激に減ることで男性ホルモンが優位になり相対的に増えて見えるだけで、増えるわけではありません」(駒形先生)。とはいえ、男性ホルモンも加齢とともに減り、80代にはほぼ分泌しなくなるそうです。男性ホルモンとは?ところで、男性ホルモンとはどんな特徴があるのでしょうか。「男性ホルモンは『テストステロン』と呼ばれ、体調の調整、決断力、判断力、意欲、性欲などを司ります。筋肉や骨の発達を促進するので例えば肩幅を広くしたり、胸板を厚くしたり、太ももを太くしたりと、いわゆる“たくましい肉体”の素になります。ひげが生えたり毛深かったりするのも、テストステロンの働きです」(駒形先生)。次の章では、男性ホルモンが髪にもたらす影響についてお伝えします。男性ホルモンの影響は髪に出やすい更年期になると男性ホルモンが優位になるということですが、それでは急に毛深くなったり、性欲が増したりするのでしょうか?「男性ホルモンが増えるわけではなく、また、もともと男性に比べれば少ない量なので急に毛深くなるということはありません。しかし、個人差はありますが男性ホルモンが優位になることで髪の毛に変化が出る女性は多いようです。髪の毛は、男性ホルモンが司る部分と、女性ホルモンが担当の部分があります。例えば、男性ホルモンが強く関わっているのが、生え際や頭頂部。男性の抜け毛や薄毛はこの部分が多いですね。女性ホルモンがあることで保たれていた生え際や頭頂部の髪が、急激に減ることで守れなくなり、かつ、男性ホルモンが優位になったことで抜け毛や薄毛が起こることがあります」(駒形先生)。毛深くなるほどの男性ホルモンの量はないものの、抜け毛や薄毛と関わってくるということです。性欲は強くなる?一方、性欲はどうなのでしょうか。むしろ、更年期には減退する女性が多いように感じます。「男性ホルモンの性欲と女性ホルモンの性欲はもともと違っていて、前者は発散するタイプ、後者は受容するタイプのもの。受け入れたいという気持ちは減るものの、発散したいという気持ちは残っているのではないでしょうか。更年期の女性は性欲がないかといえばそんなことはなくて、結局は相手次第なのだと思います」(駒形先生)。まとめ発散したいという性欲は残っている……ということは、そういう意味ではオス化しているのかもしれません。しかし、既婚女性の場合、パートナーと発散したいという気持ちがどれだけあるかは、本当に個人差があるのではないでしょうか。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。★関連記事:「驚き!」閉経後は総コレステロール値が2倍にも!?今すぐできる食生活改善とは【医師監修】★関連記事:更年期症状がつらいときは何科を受診するの? 受診の目安は?【更年期の基礎知識3】★関連記事:40代から肝機能低下の宣告。閉経後に増加する「脂肪肝」とは?【医師監修】著者/監修/駒形 依子 先生東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
2022年02月13日仕事で責任が重くなったり、ライフステージが変わったりと、体調を崩しがちなアンアン世代。まさにその一人だった女性ホルモンバランスプランナー®の原由記さんが、健康を取り戻した実体験と知識から、日常的にできるホルモンバランスの整え方を伝授!お話を伺った方:原 由記さん女性ホルモンバランスプランナー®。大学を卒業後、化粧品会社に入社。会社員時代に体調を崩した経験から、資格を取得。デリケートゾーンケアアイテムを扱う「メリア」を立ち上げ、代表を務める。起きたらカーテンを開けて、 必ず朝日を浴びる。睡眠不足は女性ホルモンを乱すといわれている。そこで、良質な睡眠のためにやるべきは、朝一番に、カーテンを開けること。「体内の生体リズムを整えてくれる太陽の光は、睡眠と覚醒をうまく切り替えるカギ!朝起きたらすぐに1〜2分、深呼吸をしながら太陽の光を浴びると約16時間後にメラトニンという眠気を誘う脳内の神経伝達物質が分泌され、寝つきがよくなります。曇りや雨の日でも十分な明るさがあるので、毎日の習慣にするといいでしょう」カーディガン¥28,600(ガリャルダガランテ/ガリャルダガランテ 表参道店03・5766・1855)タンクトップ¥9,449(ラヴィジュール/ラヴィジュール ルミネエスト新宿店03・3358・7790)パンツ¥16,500(ナイスナイス モーメント/MIC03・6432・9156)リモートワークでも、始業前に家の周りを歩く。リモートワークだと、通勤で駅まで歩いたり階段を上り下りすることさえもなくなり、意識しないとすぐ運動不足に陥ってしまう。「体を動かして、血行をよくすることは、女性ホルモンにいい働きがあります。始業前に、できれば一駅分、難しければ家の周りだけでも歩くと。また、1時間に1回はストレッチをして、座りっぱなしで滞った血流を改善してあげましょう。冷たい椅子は腰まわりやお腹を冷やします。クッションやブランケットで冷え対策を」朝ごはんには、植物性タンパク質を摂る。女性ホルモンにいい食生活とは、当たり前だが、栄養バランスのとれた食事。「不足しがちなのが、タンパク質。不足すると、体内に水分を溜め込むようになりますが、生理前はその傾向がより強くなります。生理前のむくみが辛い人は、朝にお味噌汁を飲み、タンパク質摂取を意識してみて」。大豆イソフラボンは、エストロゲンと似た作用があり、生理周期の乱れを整える働きや美肌にも期待大。「食事を改善することは、次の生理周期を整える準備になります」お風呂上がりのデリケートゾーンケアで、自分をいたわる時間を作る。デリケートゾーンのケアと女性ホルモンの分泌に、直接的な因果関係があるわけではない。しかし、デリケートゾーンケアを始めてから、生理周期が整った、肌ツヤがよくなったという人もいるそう。「VIOゾーンを優しく洗い、美容液で整え、保湿をする。そんなふうに自分自身をいたわり、愛することでハッピーになれれば、心が安定して、体にもいい結果が表れるのだと思います。睡眠、食事、運動に、心地よいデリケートゾーンケアも生活の一部にして」左・乳酸菌発酵エキスがふっくらした肌へ導く。デリケートボディクリーム 150g¥4,950右・メラニン生成を抑える成分配合。デリケートブライトニングセラム〈医薬部外品〉30ml ¥7,480(共にアイム ラフロリアsupport@mellia.co.jp)スマホは、できるだけ遠い場所に置いてからベッドの中へ。生活のリズムを整えることが、すなわち女性ホルモンを整えること。そのベースになる睡眠にとって、脳を活性化させるパソコンやスマホのブルーライトは完全にNG。「寝ると決めたタイミングで、仕事のメールやSNSチェック、動画観賞もおしまい!寝室とは違う部屋に持っていき充電を。ワンルームの場合は、視覚に入らない、できるだけ自分から遠い場所へ。夜はマッサージなど、セルフケアの時間にして“スマホに囚われない自分”でいたいものです」寝る時には“五感”に 心地よいものを意識して選ぶ。女性ホルモンの影響を強く受けるのが、心の状態。「肌に触れて心地よい、ふわふわして癒されるなど、気持ちをポジティブな方向に導いてくれるアイテムを選びたいもの。特に寝具やパジャマは、睡眠の質も左右します。肌触りがよく、五感が喜ぶ素材を選びましょう。チクチクする、毛玉でゴワゴワするといった小さなストレスも、蓄積されると眠りを妨げます。ピローミストやルームフレグランスの香りにもこだわって。生理不順には、セージやレモンバームを」キャミソール¥24.090(KEnTe/KEnTeカスタマーセンター03・6451・1688)肩に掛けたニット¥28,600(セカンドフィメール/ローズ バッド ルミネエスト新宿店03・5368・2767)メガネ¥46,530(オリバーピープルズ/ルックスオティカジャパン カスタマーサービス0120・990・307)パンツ¥30,800(ドローイング ナンバーズ/ドローイング ナンバーズ 新宿店03・3359・8517)【CHECK!】 生理中は内くるぶしマッサージで、卵巣をケア。床に座って、内側のくるぶしの上部を流れる血管の横をなでて、ゴリゴリしていたら、卵巣が疲れているサイン。「石みたいに硬い部分に老廃物が溜まっているので、そこをぐっと押して、しっかりと流してあげるといいでしょう」写真・小笠原真紀 スタイリスト・稲葉有理奈(KIND) ヘア&メイク・森川 誠(PEACE MONKEY) モデル・千國めぐみ 取材、文・小泉咲子
2022年01月14日今回はホルモンバランスの乱れと、それによって引き起こされる女性特有の様々な不調についてご紹介。女性ホルモンに関する正しい知識を身につけて、日常の当たり前を見直しましょう。そもそも、女性ホルモンってなに?女性のココロとカラダに、大きく影響する女性ホルモン。にもかかわらず、その働きや整える方法をよく知らない人も。そこで、産婦人科医が女性ホルモンの基本をレクチャー。正しい知識には、より快適な人生を送るヒントがたくさん!お話を伺った方:角ゆかり先生産婦人科専門医、虎ノ門ウィメンズクリニック院長。東京女子医科大学卒業。2013年、メルボルン大学ウィメンズヘルスマスター取得。症状以外にも、患者の話に耳を傾ける診療方針で信頼されている。ホルモンバランスの乱れは心身の不調に大きく関わる。女性ホルモンとは、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンの一般的な呼び名のこと。「生理や妊娠だけでなく、心身の不調にも深く関わっている女性ホルモン。後々、不妊で悩んだりしないように、女性ホルモンに関心を持ってほしいですね」そう話すのは、産婦人科専門医の角ゆかり先生。「女性ホルモンの分泌は、脳の視床下部が司令塔となり、調整されています。視床下部は、神経系統のコントロールタワーのすぐ隣にあるので、強いストレスを受けると視床下部から指令を受ける女性ホルモンの分泌も乱れてしまうのです。ストレスには、過剰なダイエットによる身体的ストレスも含まれます。過剰なダイエットをすると、脳が『身体的危機の今は新しい生命を育てられない』と判断し、血液を体外に排出する生理を止めてしまいます。無月経は不妊になることもあるので注意を」生理の約1週間前から、イライラしたり、いつも以上に甘いものを食べたくなったり、PMS症状が表れるのも女性ホルモンの影響。「PMS症状対策で重要なのは、それがPMS症状なのだと自覚することです。あらかじめどんな症状が自分に出るのか知っておけば、周囲に『この時期は機嫌が悪くなるかもしれない』と伝えておくことで大きなトラブルを防げますし、食欲が増すケースも、脂肪分の多いスイーツを食べる前にカロリーが低く栄養価の高い野菜のスープなどでお腹を満たしておくといった対策がとれます」では、根本的に女性ホルモンを整えるには、どうしたら?「基本的なことですが、栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送ることが、女性ホルモンにとっては大切です。もちろん、生理に少しでも異常があったり、PMS症状が辛かったり、ホルモンの乱れを感じたらなるべく早く、婦人科を受診してください。その際、月経周期がわかっているとスムーズです。自覚症状がない方も、いつかの時のために、月経周期のチェックを」エストロゲン肌にハリが出て、髪もツルツルに自律神経や脳の働きをよくする内臓脂肪がつきにくくなる卵胞ホルモンとも呼ばれ、いわゆる女性らしい丸みを帯びた体型を作るホルモン。肌や髪の潤いを守る、代謝をアップするなど、女性にとってうれしい作用も多い。40歳を過ぎると分泌量が減ってホルモンバランスが急激に崩れ、更年期を過ぎるとほとんど分泌されなくなる。プロゲステロン体に水分を溜め込み、むくみやすくなる食欲が旺盛になり、代謝が鈍くなる疲れやすくなる排卵直後から分泌量が増え、子宮内膜を柔らかくして妊娠に備えるホルモンで、黄体ホルモンとも呼ばれる。プロゲステロンが優位な黄体期は、妊娠のために体が水分や栄養を溜め込もうとするため、むくみが出やすく、食欲が促進される場合も。精神的にも不安定になりやすい。ホルモンバランスの入れ替わりで心身に変化が!女性の心と体は、エストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンの影響を受け、約1か月周期で変動。たとえば、エストロゲンが優位になる生理直後は、肌がきれいになるが、プロゲステロンが優位になると、肌が脂っぽくなってニキビが増える。精神的に不安定になりやすくなることも。女性ホルモンにまつわる年齢別トラブル20代生理による不調は大切なメッセージ。体からの大切なメッセージに目を背けないこと。20代に入ると生理が安定する人が大半だが、量や回数が多い、生理痛がひどいなど、生理そのものの悩みが大きくなる人も。「量や回数が多い方がなりやすい貧血は、早めに治療を。慢性化すると生活上で辛さを感じず、せっかく定期健診で貧血が判明しても、治療を後回しにしがち。体が重点的に血液を送るのは内臓で、髪の毛がパサパサする、爪が割れる、肌が荒れるなど、体の表面に症状が出てきた段階では、かなり対応が遅れてしまっています」30代多くの方のライフステージが変化する時期。出産などによって、大きくホルモンバランスが乱れることも。30代は、子宮内膜症や子宮筋腫に気をつけたい時期。「将来、出産を考えている方にとっては不妊の原因にもなるのが内膜症や筋腫。早い時期から治療していれば、進行を止めて、自然妊娠できたかもしれないと、後悔なさる方もいらっしゃいます。早くからの検査や治療が大切なのは、子宮頸がんも同じです。30代に入ったら、必ずがん検診を。また、生理不順からくる無排卵も不妊の可能性が高くなります。ご自身の将来のために、放置しないで」最近よく聞く、プレ更年期ってなに?30代後半から、体温調節がしにくくなるなど、更年期のような症状が出始めること。「プレ更年期は、子育てや仕事などのストレスで心身に不調が起こります」40代更年期を迎え、ホルモンの分泌が減少。それによって、体の不調が起こりやすい時期。更年期とは、閉経前後の10年間をさし、日本人女性の閉経の平均年齢は50.5歳なので、一般的には45歳から55歳が更年期にあたり、心身に不調が表れる。「ホルモンの分泌量が減り、今までのようには頑張れなくなります。生理も不順になり“閉経が近づいたのかも”という不安感が加わり、精神的な症状が強まる方も。更年期が始まるまでに夢中になれるものを見つけておくといいですね。更年期の辛さが大きく異なります」50代日本人女性は平均50.5歳で閉経その後の人生をどう生きるか? 早くから想像しておくことが大切。日本人女性の9割は、45歳から55歳までに閉経する。「閉経後は、子宮や卵巣が萎縮したり、陰部にかゆみや痛みが表れたり。セックスが辛くなる方もいます。更年期から閉経後の変化に悩んだら、婦人科医に相談を。今は我慢する時代ではありません。閉経してからも、人生は続いていきます。この長い時間をいかに健康に生きるかがとても大切。ホルモン治療に怖い印象を持っている方には漢方もありますし、前向きに考えてほしいですね」イラスト・室木おすし 取材、文・小泉咲子
2022年01月13日メンタルを健やかに保って女性ホルモンバランスも整える、マッサージ、睡眠の工夫、思考法をご紹介。【触れて整える・セルフタッチング】肌のセンサーを目覚めさせて、自分の心と体を慈しむ。「人の肌には、心地よさに対するセンサーが備わっています」と、臨床発達心理士の山口創さん。触れ方で反応が異なり、「ごくゆっくり触れると、愛情ホルモンと呼ばれる“オキシトシン”が分泌される。エストロゲンやセロトニンと連動して働き、リラックスをもたらします」月経後、エストロゲン分泌が増加している時期におすすめという。「月経前の眠気やイライラが気になる時は、肌を軽くはたくタッピングが気持ちがすっきりとして効果的。イヤなことが頭に浮かんでしまった時は、自分を抱きしめるようなバタフライハグを。セルフタッチは、自己肯定感を促すものでもあります。自分を慈しむ気持ちでゆっくりと行ってください」お話を伺った方・山口 創(はじめ)さん臨床発達心理士、桜美林大学リベラルアーツ学群教授。他者に触れられることが及ぼす心理的効果など、タッチングとオキシトシンに関する研究の第一人者。著書に『皮膚はいつもあなたを守ってる』(草思社)ほか。アームマッサージセンサーが多く集まるのが前腕。秒速5cm程度でゆっくり触れて。「心地よさを感じるセンサーが、体の中でも多く集まっているのが前腕です。ここを、手のひら全体で包みながら1秒に5cmほどの速度でゆっくりなでるとリラックスに効果的。顔にも同じくセンサーが多いので、肌の手入れのついでにこのタッチングをぜひ」How to片方の腕の肘関節あたりに手のひらを置き、包み込むようにして触れる。軽く圧をかけ、同じように触れながら、手首に向かってごくゆっくりと手を移動させていく。場所を少しずつ変えて、左右の前腕にまんべんなく触れる。バタフライハグトラウマ的な記憶を和らげる。ハグされているような感覚も。過去のことを思い出してイライラ。そんな時はこの方法を。「嫌な記憶にとらわれている時は、右脳が活発になりがち。体の中心線を軸に左右に交互に刺激を与えると、右脳と左脳のバランスが整って、セロトニンの分泌も増えることが分かっています」How to胸の前で手首を交差させ、鎖骨のあたりに指先がくるようにする。指先で、左右交互に、鎖骨のあたりを1秒間隔で軽く叩く。3分ほど続ける。フェイス&ボディタッピング軽くはたくタッチで、気持ちをしゃきっと。指先でリズミカルな刺激を肌に与えるこの方法は、「心身を快適な覚醒状態にする効果が。月経前、プロゲステロンの作用で眠気やむくみ、集中力の低下が気になる時に試すとよいでしょう」。肩からお腹へのタッピングは、緊張感を除く作用も。プレゼン前にどうぞ。How to両手の指の腹をおでこに当て、左右交互に、軽くはたくようにして顔に触れる(タッピングする)。顔全体にリズミカルに触れ、さらに肩からお腹にかけて、左右に場所をずらしながらタッピングする。【眠って整える・快眠アイテム】アウター&インナーケアで深い眠りを手に入れる。女性ホルモンもセロトニンも自律神経も、分泌や制御の司令塔である脳がしっかり休んでこそ働きが健やかに保たれるもの。脳が休めるのは眠っている間だけだから、深い睡眠で必要なエネルギーをきちんとチャージしよう。ここでは、下半身の血行を良くして心地よい眠りに導くゆるゆるインナーから、リラックス効果で注目されるCBDを使ったアロマやスイーツまで、体の中と外から眠りを助けるアイテムをご紹介。夜が長くなるこの季節だからこそ、グッズの力も借りつつ、朝までたっぷりと眠りたい。締め付けないふんどし風ショーツで快適に。一枚の布を巻くだけのふんどしは、体を締め付けず、実はとってもヘルスコンシャスな下着。そのふんどしのメリットを、使いやすい形に落とし込んだ商品がこちら。そけい部を締め付けない解放感にぐっすり眠れて、一度試すとやみつきに。上質なリネンを使い、デザインもキュートです。右・もっこふんどし(リボンタイプ)リネン(ピンク)¥4,400左・もっこふんどし(パンツタイプ)ストライプ(ネイビー)¥3,850(共にsharefun/プラスチャーミング)ふんわり柔らかなパジャマに包まれて熟睡。生地に使っているのは、繊維にストレスをかけず、綿の油分や不純物を取り除く「和晒製法」で作られたガーゼ。それを職人が縫製して完成するのが、こちらのパジャマ。生地を重ねることでできる空気層が通気性と保温性を高め、さらりとした肌触りをキープ。3シーズン使えるこの2重合わせのほか、さらに暖かな3重合わせもあり。全5色。写真の〈白〉はSS〜LLの5サイズ展開(男女兼用)。京和晒綿紗 ガーゼパジャマ 2重合わせ¥14,300(大東寝具工業0120・557・017)体に優しく染み込む、ハーバルドリンク。眠る前にほっとする飲み物を…という時に選びたいのがこんなアイテムたち。『コスメキッチン エルボリステリア』のパッションフラワーのタンチュメール(ハーブ浸出液)は、夜中に目が覚めたり、朝起きにくい、という人におすすめ。台湾発の漢方ライフスタイルブランド『デイリリー』の暖活薑棗飲は、体を温める黒棗などのほか、眠りを誘う竜眼入り。いずれも、お湯で割ってどうぞ。右・アップリフト ハーバル シロップ 暖活薑棗飲 24g╳7包¥2,980(デイリリー)左・コスメキッチン エルボリステリア タンチュメール パッションフラワー 100g¥2,808(コスメキッチン03・5774・5565)話題のCBDの、眠りに特化したアイテム。CBDとはカンナビジオールという、大麻草から抽出された成分のこと。とはいえハイになるような成分は含まれず、むしろリラックス効果があるとして世界中で人気に。こちらは睡眠にフォーカスした2アイテム。パッケージもおしゃれな「PEAQ」は、熱で蒸気にしたCBDを吸い込む新しいスタイル。また、眠りサポートに良いCBN(カンナビノール)がCBDに加わったフルーツグミは、お休み前の小腹すきタイムにも。右・PEAQ アロマ〈スリープ〉本体キット(本体+アロマカートリッジ2個)¥7,960(amateras)左・SnoozeタルトチェリーCBD+CBNグミ 5粒入り¥2,786(grön japan)【言葉で整える・デトックス思考法】悪いほうに向きがちな思考を、流れを変えて取り除く。自律神経や女性ホルモンに悪影響を及ぼす大きな原因が、精神的ストレスであることは前述の通り。「ストレス過多の人は、頭の中に常に不安や心配事、グチが渦巻いていることが多いのです」とは、自律神経に特化した整体院院長の原田賢さん。このぐるぐる思考を生み出すもとが、「物事をネガティブな方向に捉える、心理学で“認知の歪み”といわれる10の思考パターン。それに気づき、凝り固まった考え方を取り除いていくことが、心を整える助けになります」10の思考デトックス技を、典型的なネガティブ思考例とともにレクチャーしてもらった。お話を伺った方・原田 賢さん自律神経専門整体「元気になる整体院」院長。オーバーワークで自律神経失調に陥った自身の体験を生かし、心身の両方を整えるアドバイスを施術を通じて行う。著書に『自律神経が整う考え方』(朝日新聞出版)ほか。デトックス技 1世の中は「ゼロか100か」じゃない例)仕事で任されたプロジェクト、完璧に成功させたい。うまくいかないならやる意味なんてない!世の中のたいていの物事はゼロか100のどちらかに収まることはないと考えよう。完璧ではなく90点でいいんだ、と思って挑むと気持ちもすっと楽に。デトックス技 2ひとつの良くないことを「いつも」だと思わない例)友達グループのひとりとLINEでケンカ。以来、みんなが私のことを遠巻きにしているみたい…。たったひとりとそうなっただけで、「みんなが」と一般化しないで。実はたいていみんなはそう思っていないし、ひとりに対してなら挽回の余地はあるはず。デトックス技 3悪いことだけを見ず、良いことにも目を向ける例)チームの仲間が評価してくれた企画書に、ひとりの先輩が厳しくダメ出し。自信がなくなってしまった。仲間たちも本当はダメだと思っているのかな。大多数が賛成してくれることのほうがすごい。ネガティブな心のフィルターを外し、良い面に注目を。デトックス技 4自分の成功をまぐれだと思わない例)新規の営業先に上司と一緒に出向いてプレゼン。契約は取れたけれど、上司がいたからだよね…。良いことを悪いことにすり替えてしまう思考例。でも、契約が取れたのは自分のプレゼンが良かったから。成功をまぐれと考えず、ちゃんと喜ぼう。デトックス技 5根拠のない心配はしない例)クライアントがずっと黙っている。私、嫌われているのかも。契約が取れなかったらどうしよう…。「嫌われている」かどうか根拠はないのだから、反対に「自分は好かれている」と思い込んでみよう。「ネガティブな先読み」をやめると、心も穏やかに。デトックス技 6小さなミスを大きなミスと捉えない例)寝坊して打ち合わせに遅刻。今までこんなことなかったのに。もうこれですべて台無し…(涙)。ささいなミスを自分で大きく解釈してしまい、苦しくなってしまう例。でも、小さなミスは小さなミス。必要以上に大げさに考えないようにして。デトックス技 7不安な感情にだまされない例)仕事で失敗してブルーな気分。今日の夜はヨガのレッスンだけど、行っても楽しくないに違いない…。気分は一過性のもの。その時の気分で悪い結果を予測しないこと。楽しいことやリラックスできることを考え続けて、気持ちを明るいほうに切り替えよう。デトックス技 8「〜べき」をやめる例)会っても電話でも自慢話ばかりの旧友。こちらの行動にもケチをつけ、マウントばかりで本当に憂鬱。「友達なんだから話を聞くべき」という「〜べき」思考が、ストレスに。実は、世の中に「しなければならない」ことはない。嫌な時は相手にしなくてOK。デトックス技 9自分にレッテルを貼らない例)遊び仲間の女の子たちにはみんな彼氏がいるのに、私だけひとり。恋愛もできない私は負け組だ…。自分に負のレッテルを貼ってしまっている例。でもよく考えればそれは、他の誰かの価値観では?自分自身が本当はどうありたいかを見極めて。デトックス技 10他人の失敗を自分のせいにしない例)同僚が仕事で大失敗してしまった。私がもっと助けていたら、こんなことにはならなかったのに。他人に100%の影響を与えるのは無理だし、それができると思うのはむしろ間違い。他人がやってしまったことに対して、必要以上に気に病まないで。写真・小笠原真紀 イラスト・牛久保雅美 取材、文・新田草子
2021年12月24日生理前のイライラ&体調不良と女性ホルモン、自律神経…。何となくつながっていると知ってはいるものの、うやむやになりがちなこの関係を専門家が解説。心身を健やかに保つための基本のセルフケアもチェック!お話を伺った方々田中奏多(かなた)先生心療内科医、産業医。東京TMSクリニック勤務。ハーバード大学TMSコース修了。著書に『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』(アチーブメント出版)がある。宗田 聡先生産婦人科医、広尾レディース院長。長年の経験をもとに、女性たちの悩みに心と体の両面からアプローチ。著書に『31歳からの子宮の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。女性ホルモンの変動が、“幸せホルモン”にも影響を与えている。「女性の体内ではエストロゲンとプロゲステロンの2つの女性ホルモンが分泌され、常に変動しています。その波が体調や、時として気持ちに影響を及ぼすことがある。特に生理前はPMS(月経前症候群)のひとつとして、イライラや不安などのメンタルトラブルが現れることも少なくありません」(産婦人科医・宗田聡先生)女性ホルモンが心に作用する、その仕組みとは?「エストロゲンが減ると、幸せホルモンと呼ばれる“セロトニン”も減り、それが憂鬱な気分やイライラを招くとされています。ただ、それだけで大きな不調が出るわけではなく、そこに精神的・身体的ストレスが加わることで症状が強くなる場合がほとんどです」(心療内科医・田中奏多先生)つまり、憂うべきはホルモン変動ではなく、ストレスの放置。「健康な女性にとって、女性ホルモンが変動するのは自然なこと。気持ちが揺らぎやすい時期があることを心に留めて、上手に付き合っていきましょう」(宗田先生)PMSの症状の多くは、排卵後から現れる。腰痛や頭痛、胸の張りなど体の症状のほか、イライラや落ち込み、眠気が取れない、などの精神的症状を訴える人も。ストレスがもとで、女性ホルモンの分泌自体が乱れることがある。ストレスは、女性ホルモンの変動に乗じて気分に影響を与えるだけでなく、女性ホルモンの分泌自体を乱す存在でもある。「強いストレス環境に置かれると体は自衛機能を働かせ、生殖のためのシステムをストップしてしまう。エストロゲン分泌の低下が起こり、結果として無月経や月経不順などが生じます」(宗田先生)エストロゲンが減ると、前述のようにセロトニンが減少し、これもイライラ気分の原因に。「また、無排卵が長く続くと排卵障害につながったり、骨密度が下がるなどの心配もあります。無月経や月経不順が3か月以上続く場合は、心身にストレスがかかっている可能性大。甘く見ずに、早めの対策が必要です」(宗田先生)自律神経の不調も、女性ホルモン&心と密接な関係に。もうひとつ知っておきたいのが、ストレスと自律神経の関係。「自律神経には緊張した時に優位になる交感神経と、リラックス時に働く副交感神経の2種がある。相反する2つの働きで、意志に関係なく、心拍や呼吸などの体のさまざまな機能を、絶えず自動制御しています」(宗田先生)2つがバランスよく働くことが理想的だけれど、この自律神経も、ストレスによって乱れやすいシステムだという。「ストレスがかかって交感神経が活発な状態が続き、体が休まらないままだと、むくみや肩こり、慢性疲労など体の不調が現れてきます。体が辛ければ当然、メンタルにも悪影響です」(宗田先生)さらに、自律神経は女性ホルモンの変動とも密接な関係が。「それぞれの司令塔が脳の近い場所にあり、どちらかが不調になると片方も呼応しやすいという特徴があります。逆に言えば、体に働きかけることで、心にも良い影響を与えられる可能性があるということ。体からのサインも見逃さずに、メンタルマネジメントに役立てましょう」(田中先生)下記の、自律神経が乱れた時に起きがちな症状例を参考にして。自律神経バランスがピンチかも?寝足りない感じが続くマッサージをしても肩こりが良くならない下痢や便秘が続く手や足が冷える、下半身がむくむ原因の分からない頭痛がするめまいや耳鳴りがするようになった息苦しくなったり、急に動悸がしたりする顔や手足など、体の一部だけに汗をかく心と女性ホルモンのバランスを整えるには、日々のケアが肝要。ホルモンの変動、自律神経…とさまざまな要因が絡むのが、女性のメンタルウェルネス。「PMSの辛い症状には低用量ピルを用いるなど、治療すべきことはしつつ、セルフケアを必ず。不調を根本的に絶つには、心や体調を崩す大もとの原因を取り除くことが大切です」(宗田先生)今は不調がなかったとしても、「女性ホルモンは、女性の一生に大きく関わるもの。大きなアップダウンを迎える時期もやってきます。今から女性ホルモンを意識したストレスケアを身につけることは、将来のメンタルを守ることにつながります」(田中先生)セルフケアの3つの柱【食事】セロトニンを作るアミノ酸と、 貧血を防ぐ鉄分をしっかりと。「セロトニンの原料であるトリプトファンは、アミノ酸の一種。肉や魚、大豆製品などに含まれます。セロトニンの合成に必要な、ビタミンB6とともに摂りましょう。いずれも体内に溜めておけないので、こまめに摂取を」(田中先生)忙しい朝におすすめなのは、味噌汁やバナナ。「どちらも、トリプトファンが豊富です。バナナはおやつにもぴったり。また、鉄分もセロトニンの代謝に必要。不足すると貧血気味になり、それもメンタル不調の一因に。代謝に関わるビタミンCも一緒に摂るようにしましょう」【睡眠】眠りが浅い月経前は早寝を。長さで睡眠の質をカバー。良質な睡眠も、心身を健やかに保つために欠かせない要素。まず肝心なのが、朝の過ごし方。「起きたらすぐに太陽光を浴びる習慣を。セロトニンの分泌が始まり、体内時計がリセットされて、体調や気分が安定します」(田中先生)セロトニンは、起床から約15時間後に眠りを誘う物質「メラトニン」に変わる。夜の熟睡のために、朝のうちにセロトニンを分泌させよう。「また、ホルモン変動の影響で眠りが浅くなりがちな月経前は、いつもより15分早めにベッドへ。睡眠の質を長さでカバーしましょう」(田中先生)【運動】脳へのリズミカルな刺激でセロトニンの分泌を促す。「リラックスに導き、セロトニンの分泌を促すのに有効なのが一定のリズムで行う運動です。一番身近な方法は歩くこと。15分ほどでいいので、散歩に出かける習慣を。朝行えば、体内時計のリセットにもなって一石二鳥。少し速めの歩調でリズムよく、がコツです」(田中先生)携帯は家に置いておき、軽快に。「運動が難しければ、ガムを噛むなどの咀嚼運動でも。また、マッサージなどによるスキンシップも有効。心と体に働きかける触れ合いがセロトニンアップに役立ちます」(田中先生)イラスト・牛久保雅美 構成、文・新田草子
2021年12月22日ホルモンバランスとは?出典:byBirthまずホルモンとは、私たちの身体の様々な働きをコントロールする物質です。その中でも女性ホルモンは、環境の変化や日々のストレス、生活習慣でも簡単にバランスが崩れてしまいます。女性ホルモンは、肌や髪のハリ・ツヤを保ったり女性らしい身体をつくる「エストロゲン」と、基礎体温を上げる役割や子宮内膜、乳腺を整えたりと女性に欠かせないホルモンの「プロゲステロン」の2種類で成り立っています。これらの分泌量が減ってしまったり、バランスが乱れることで、女性の体や心にも影響が出てきてしまいます。不安やイライラを引き起こしてしまったり、肌荒れ、便秘、むくみの原因になることも。ホルモンバランスの崩れによる不調は、日々の食事と生活習慣を見直すことで、改善することが出来ます。まずは出来ることから始めていきましょう!生活にリズムで基盤作りまずは、基盤となる生活のリズムや食事の改善で、内側から整える習慣を身につけていきましょう。生活リズムが不規則になると、重い生理痛や肌荒れ、便秘などを引き起こす悪循環へとつながります。毎日の生活リズムが整うと、体内時計も整い、セロトニンの分泌量も増え、重い生理痛の改善にも。様々な体の不調も整えてくれるので、健康や美容にとっても大切な基本になってきます。出来るだけ毎日同じ時間に起きて朝日を浴びるのもオススメです。温める習慣を女性の体の大敵「冷え」は、血流やホルモンバランスが乱れることにも繋がります。冷えを解消すると、経血の排出がスムーズになります。生理中は下腹部を温めてあげることで生理痛も和らぎ、血の循環も良くなります。生理中以外にも、女性は体が冷えてしまうと、むくみや疲れを感じやすくなったり、免疫力も低下してしまいます。病気を引き起こすだけではなく、肌の乾燥やむくみにも繋がるので、体を温める習慣は身につけていきたいですね。生理中以外でも、腹巻きやおへそを温めるアイテムで、じっくり身体を温めていきましょう。出典:byBirth食事を見直す普段の食事を少し気をつけるだけでも、女性ホルモンを整えケアする事に繋がります。特に「大豆」に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」と似た働きをしてくれます。中でも「納豆」は「大豆イソフラボン」を最も多く含む食品のひとつ。ですが、摂りすぎは逆にホルモンバランスを崩してしまうので、1日1パックでOK!適量を心がけ取り入れてみてください。大豆イソフラボンと同様に、小魚や乳製品などは腸内環境を整えてくれるので、積極的に取り入れていきましょう。幸せホルモンを増やす幸せホルモンを増やす事により、生理前のPMSやストレスに強く生きましょう!幸せホルモンといわれている「セロトニン」。この材料でもある「トリプトファン」は体内で勝手につくることができないので、毎日食事から取り入れることが大切です。日々の食事を気をつけて、セロトニンを増やす意識をしていきましょう。タンパク質(大豆、乳製品など)ビタミンB6(鶏肉、カツオ、バナナなど)大豆などに含まれる幸せホルモンを作り出す成分とビタミンB6を合わせる事によって、トリプトファンの合成が促進されます。バランスよく取り入れることが大切ですね。頻繁な間食やお酒の飲み過ぎも要注意です。出典:byBirth睡眠ホルモンバランスを整える為には、睡眠をしっかりとることも大切です。6~8時間は睡眠をとり、朝は朝日を浴びて体内時計を整えることも、自律神経が整い、心身ともに健康に導きます。睡眠1時間前には出来るだけブルーライトなどの光はシャットダウン。寝る前はカフェインを摂らず、湯船につかりリラックスすることも質の良い睡眠に導きます。睡眠前に適度なストレッチをすることも、血行が促進されホルモンバランスが整います。ストレッチをする際は、ゆっくりと身体を動かし深い呼吸も心がてみてください。「スキンケア」ホルモンバランスが崩れると、肌は敏感な状態になり、バリア機能が低下してしまいます。乾燥しやすかったり、いつもよりなんだか敏感になってるなと思うこともあるかもしれません。そんな時はまず「保湿」を重視したお手入れを。基礎化粧品を見直し、保湿力の高い、「アミノ酸」「セラミド」「ヒアルロン酸」が含まれているものを使ってみてください。いつも使っている化粧水などがあれば、特に優しくしっかりと保湿を心がけてみてください。手のひらでプレスする以外にも、コットンにたっぷり浸してパックのように使ったりするのもオススメです。その後は、水分が蒸発しないように、クリームや乳液でフタをするのもお忘れなく。ホルモンバランスの乱れは、女性の身体や心の様々な不調に繋がり、どうしようもない気持ちで辛くなることもありますよね。ですが、日々の生活習慣や食事や毎日のスキンケアを見直すことで、女性としての人生をもっと楽しく前向きに過ごせるきっかけになれば嬉しいです。
2021年06月02日宮川めぐみ医師が語るホルモンの話1月13日(水)、ZOOMによるオンライン講座「女性の健康学校-ジョイラボ-【B-12】内分泌・代謝 女性の視点からみた興味深いホルモンの病気」が開催される。講師は医療法人誠医会宮川病院内科部長の宮川めぐみ氏で、参加費は4,000円。定員は100名であり、当日開始時刻の18時30分まで申し込みを受け付けている。ホルモンバランスを整え健康的な毎日を仕事、家事、育児、介護などをこなし、さらに睡眠不足、無理なダイエットなどにより女性はホルモンバランスを乱しがちである。ホルモンバランスが崩れると、月経不順や自律神経失調症などを招き、閉経後も骨粗鬆症や、高脂血症、動脈硬化症が心配になる。また、過度のダイエットや偏食はビタミンDの欠乏や、女性ホルモンの分泌を低下させ、骨粗鬆症になりやすく、妊娠期には胎児の健康にも関わり、さらに新型コロナウイルス感染症の患者にはビタミンD欠乏症が多くみられるという。この日のオンライン講座では、ホルモンの仕組みが解説され、女性医師の視点からホルモンが関わっている病気などについて紹介される。日時: 1月13日(水) 18:30~20:30場所: ZOOMにてオンライン受講申込期限: 当日18:30まで(女性医療ネットワークのサイトより引用)(画像は女性医療ネットワークのサイトより)【参考】※1月13日女性の健康学校-ジョイラボ-【B-12】内分泌・代謝 - NPO法人女性医療ネットワーク
2021年01月06日すべての女性にきいてほしい!12月15日(火)、NPO法人女性医療ネットワークによるオンライン講座「女性の健康学校-ジョイラボ-【C-2】心・体・肌 すべての女性にきいてほしい!もっとキレイの女性ホルモン塾」が開催される。当日はZOOMによるオンライン開催。参加費は4,000円で、講師は美容家でオーガニックスペシャリストの吉川千明氏と、産婦人科医師で医学博士、医療法人社団ウィミンズ・ウェルネス理事長、NPO法人女性医療ネットワーク理事長の対馬ルリ子氏となっている。女性ホルモンと体や心の変化についてわかりやすく女性の美と健康に深い関わりがある女性ホルモン。対馬ルリ子氏は女性の体を臓器別に分けたり、心身を分断したりすることなく、トータルな存在として診療。女性の健康と一生を支え続ける。また、吉川千明氏は美容家として女性の美をサポートしている。両氏には『「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる!』『プレ更年期からの女性ホルモン塾―ずっとキレイのエイジング』などの共著があり、2人が登壇するこの講座は140回以上も繰り返し開催されている。当日は女性ホルモンと、その変化によって起きる体や心の変化についてわかりやすく解説。女性ホルモンに興味がある人であれば、誰でも参加できる。日時: 12月15日(火) 18:30~20:30場所: ZOOMにてオンライン受講申込期限: 当日18:30まで(女性医療ネットワークのサイトより引用)(画像は女性医療ネットワークのサイトより)【参考】※12月15日女性の健康学校-ジョイラボ-【C-2】心・体・肌 - NPO法人女性医療ネットワーク
2020年12月04日日ごろよく耳にするわりに、その正体についてはいまいちよく理解されていないホルモン。そんなホルモンの驚きの実力を、最新の研究結果と併せて紹介ーー。「たいして食べていないのに体重増加が止まらない、気が重くてやる気が出ない、集中力が落ちて本の内容が頭に入ってこない……加齢につきものと思われがちなこうした悩みには、じつはホルモンが関係しています。裏を返せば、ホルモンさえコントロールできれば、悩みは解消できるのです」そう話すのは、これまで減量外来で多くの人のダイエットを成功に導いてきた工藤内科医院副院長の工藤孝文先生。「ホルモンという概念は20世紀初頭に確立されたものですが、あらゆる臓器から分泌され、体全体に影響を及ぼしていると考えられています。ですから、太るも痩せるも、体調や気分の良しあしも、すべてはホルモン次第。さらには、人間関係や仕事の成否など、ホルモンは人生のすべてに影響を与えていると言ってもいいでしょう」ホルモンは、これまでに100種類以上が確認されているが、まだまだその働きの全貌は明らかにされていないだけに、近年、これまでの常識を覆す発見も相次いでいるという。そこで今回、最新の研究をもとにした「若返り」のためのホルモンコントロール術を工藤先生に指南してもらった!ホルモンのコントロール術を学ぶ前に、まずはその基礎知識を確認しておこう。「ホルモンは、日常生活のさまざまな場面で神経細胞から分泌され、血液にのって各細胞に情報を伝達しています。わかりやすい例を挙げると、睡眠ホルモンのメラトニンは、暗くなると脳から分泌され、脳の興奮を鎮めて体温を下げ、眠気を誘います。『夜が来たぞ!』と体に教えて、眠る準備を整えてくれるのです。眠気のようにコントロールが難しい欲求は、まさにホルモンのしわざ。抑えきれない食欲や、生理前のイライラ感も同様です」つまり、ホルモンさえコントロールできれば、一見、制御不能に思える欲求に手綱をつけることも可能となるのだ。「ホルモンの分泌には体内時計のほかに、食事、ストレス、月経周期、加齢などが影響しています。このうち体内時計、食事、ストレスは自分でコントロール可能。生活習慣や食事にひと工夫加えたり、軽い運動を取り入れるだけで、見た目や体調、気分が変わってくるのを感じられますよ」さて、ホルモンに関する基礎知識を習得したところで、若返りとの関係について見ていこう。「ほとんどのホルモンは加齢によって分泌が低下し、それが老化につながります。たとえば、女性ホルモンであるエストロゲンが低下すると閉経につながるだけでなく、コレステロール値が上がって動脈が硬くなるので血管年齢が上がり、老化が進みます。おなかまわりに脂肪がつき、頻尿や骨粗しょう症などの疾患が一気にやってくるので、いやでも身体的な老化を感じるようになるでしょう。しかし、こうしたホルモンの分泌をうまくコントロールできれば、年を重ねても若々しくいられるのです」数あるホルモンの中でも、今、若さを生み出すホルモンとして熱い注目を浴びるのが、骨ホルモンと呼ばれる「オステオポンチン」。近年の研究で、脳や内臓だけでなく骨からもホルモンが放出されることがわかってきたという。【骨ホルモン「オステオポンチン」】〈分泌する場所〉骨芽細胞、母乳中の細胞など〈はたらく場所〉全身〈分泌されるタイミング〉骨が代謝されるとき。骨に刺激を与えることで骨芽細胞が働き、オステオポンチンも増えると考えられる〈主な役割〉カルシウムとコラーゲンを結合し骨を形成する/造血細胞の機能を保つ/傷を治すために免疫を活性化する/免疫に働きかけ、ウイルスや感染症から体を守る「オステオポンチンは骨芽細胞という骨を作る細胞から分泌され、全身の免疫力を活性化する役割があります。逆にいえば、骨量が落ちると免疫力が下がり、肌や脳、内臓など、全身が衰えてしまうのです。また、代謝にも関わっているので、太りやすくなる可能性もあります。とくに女性は更年期以降、エストロゲンの減少から骨量が急激に落ちるので要注意。閉経後、急に肌が老けたり、風邪をひきやすくなったりするのは、オステオポンチンの減少が一因と考えていいでしょう」その分泌を増やすには、骨を鍛える“骨活”の習慣を日常に取り入れるとよいという。骨は衝撃により代謝を促され、その際にオステオポンチンを放出するので、小さくてもいいのでジャンプをする習慣などが主な対策となる。「手っ取り早いのは、かかと落とし。背伸びをしながら全身で大きく伸びをし、一気にかかとを落とします。1日30回を目標に行うといいでしょう。体力に不安のある人は、座ったまま行っても大丈夫です。日常生活の中では階段の下りがとくに効果的。外出先でもなるべく階段を使うように意識してみて」工藤先生がオステオポンチンに続く「若返りホルモン」として挙げるのは、美人ホルモンの「エストロゲン」、筋肉ホルモンの「マイオカイン」、睡眠ホルモンの「メラトニン」、男性ホルモンの「テストステロン」の4つ。最初の2つは若返りと関係していると想像がつくが、最後の2つを選んだ理由は?「メラトニンは冒頭でも説明したとおり、睡眠を促すホルモンとして知られていますが、最近の研究で老化の原因となる活性酸素を取り除く役割があるとわかってきました。質のいい睡眠自体も若返りには欠かせませんが、活性酸素除去が加わり、ダブルでアンチエイジング効果を発揮してくれます。そして、男性ホルモンのテストステロンは、じつは女性の若返りにとっても欠かせないホルモン。骨や筋肉の発達を促進することで、若々しい体づくりに貢献してくれるのです」ホルモンで若返るのは、体だけではない。幸せホルモンのセロトニンは心のバランスを整え気持ちの若返りに、戦闘ホルモンのアドレナリンは集中力を上げて頭の若返りに役立ってくれる。「女性自身」2020年11月24日号 掲載
2020年11月22日そもそも「成長ホルモン」とは…まず初めに「成長ホルモン」について説明しておきましょう。成長ホルモンとは脳下垂体前葉というところから分泌されるホルモンで、「成長作用」と「代謝作用」という2つの作用があります。成長作用として、筋肉や骨の成長を促す作用があります。一方、代謝作用には、糖質や脂質、タンパク質の代謝を促進する作用があります。また、脂肪分解を促す作用もあります。なぜ「美のカギは成長ホルモンにある」と言えるのか?このように成長作用と代謝作用を持つ成長ホルモンですが、それではなぜ「美のカギは成長ホルモンにある」と言えるのでしょうか。その理由は、成長ホルモンによって「ダイエット効果」と「美肌効果」が期待できるからです。ダイエット効果成長ホルモンが分泌されることで、基礎代謝アップにつながる効率良く脂肪を燃焼させることができるという2つの効果が期待できることから、ダイエット効果につながると言えます。1.基礎代謝アップにつながる成長ホルモンが分泌されると、筋肉や骨の成長が促進されます。その結果除脂肪体重がアップします。除脂肪体重が1kg増えると、基礎代謝は1日あたり50kcal程度アップすると言われています。2.効率良く脂肪を燃焼させることができるまた、成長ホルモンには、前述したように脂肪分解を促す作用があります。脂肪細胞にある中性脂肪を分解し、血中への遊離脂肪酸の動員を促進させようとします。そのため、ただ有酸素運動を行うよりは、成長ホルモンを分泌させた上で行ったほうが、分解された脂肪がエネルギーとして使われるようになり、より効率良く脂肪を燃焼させることができると言えます。出典:byBirth美肌効果成長ホルモンによる美肌効果として、ターンオーバー(肌代謝)の正常化お肌の潤いを保つお肌の老化防止という3つの効果が期待できます。1.肌代謝の正常化ターンオーバーは約28日の周期で繰り返されます。しかし加齢と共にこの周期が長くなってしまいます。するとお肌の張りを失う他、シミやシワの原因にもなります。成長ホルモンが分泌されることで、ターンオーバー開始にスイッチが入り、ターンオーバーが正常に行われるようになります。2.お肌の潤いを保つお肌の潤いを保つ成分であるヒアルロン酸は、線維芽細胞によって作り出されています。成長ホルモンには線維芽細胞を活性化させる働きがあり、それによってお肌の潤いを保つことが可能になります。3.お肌の老化防止お肌の老化は、紫外線からのダメージや水分量の低下によってもたらされると言われています。成長ホルモンには紫外線からのダメージを回復させたり、水分量の低下を防いだりする働きがあるので、お肌の老化防止効果も期待できます。出典:byBirth成長ホルモンの分泌を促進させる「2つの方法」ダイエット効果と美肌効果をもたらす成長ホルモンですが、成長ホルモンの分泌を促進させるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法として、「筋トレ」と「睡眠」の2つが挙げられます。方法1:筋トレ成長ホルモンを分泌させるには筋トレが有効です。しかし、ただ闇雲に筋トレを行っても、成長ホルモンは分泌されません!成長ホルモンは乳酸が蓄積されることで分泌されます。乳酸は筋肉内が低酸素状態にあると発生します。そのため、筋肉に中程度の負荷をかけてセット数を多めにし、酸素の供給が回復しないようにセット間の休憩を短めに設定するようにします。具体的には、筋トレを10回反復可能な強度で、1分間の休憩を入れながら3~5セット行うようにします。出典:byBirth方法2:十分な睡眠また、成長ホルモンを分泌させるには、十分な睡眠も必要となります。成長ホルモンは、眠り始めの「ノンレム睡眠」のときに多く分泌されると言われています。ノンレム睡眠とは、体も脳も休んでいる、深い眠りの状態のことを言います。十分な睡眠をとるには、就寝前のスマホチェックを避けるようにしましょう。なぜならブルーライトは、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を阻害すると言われているからです。出典:byBirth「美しさ」は努力次第でものにすることができる!出典:byBirth今回は、美のカギは成長ホルモンにあると言える理由と、その分泌を促す方法についてお伝えしました。成長ホルモンが分泌されることで「ダイエット効果」と「美肌効果」という2つの効果が期待できることから、「美のカギは成長ホルモンにある」と言えます。成長ホルモンの分泌を促進させるには、「筋トレ」と「十分な睡眠」が必要です。そのため筋トレを中心とした運動と十分な睡眠を取るように心がけることで、お肌や体を美しいものに変えることができます。努力次第で、誰でも「美しさ」をものにすることができるのです!「自分にはムリ…」と諦めていませんか?最初から諦めてしまうと、できるものもできなくなってしまいます。諦めずに自分の可能性を信じましょう!今回の内容をヒントに、是非「美しい体作り」に取り組んでみてくださいね。
2020年10月06日ZOOMによるオンライン講座10月20日、ZOOMによるオンライン講座「もっとキレイの女性ホルモン塾」が開催される。この講座はNPO法人女性医療ネットワークによるもので、これまでも開催され続けてきた人気講座である。定員は設けられておらず、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からオンラインのみでの開催となる。講師は美容家でオーガニックスペシャリストの吉川千明氏と、産婦人科医師で医学博士、対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長、女性医療ネットワーク理事長の対馬ルリ子氏で、参加費は4,000円である。女性ホルモンの変化と心身の変化女性が自身の健康と美容を考える上で欠かせないのが女性ホルモンの知識。女性は生涯の中で、女性ホルモンが変化し、身体や精神に大きな影響を与える。吉川千明氏は女性の美をサポートする美容家で、対馬ルリ子氏は女性の健康を支える産婦人科医師である。2氏は共著として『プレ更年期からの女性ホルモン塾-ずっとキレイのエイジング』『「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる!』などを発表している。このオンライン講座では女性ホルモンと、その変化によって起きる心身の変化についてわかりやすく解説。女性ホルモンに興味がある人であれば、誰でも参加できる。日時: 10月20日(火) 18:30~20:30申し込み期限: 当日18:30まで(女性医療ネットワークのサイトより引用)(画像は女性医療ネットワークのサイトより)【参考】※10月20日女性の健康学校-ジョイラボ-【C-2】心・体・肌 - NPO法人女性医療ネットワーク
2020年10月03日女性ホルモンが乱れて起こる体の不調とは?出典:byBirthシミ・シワ・たるみ…。女性を悩ませるお肌トラブルは、30代からどんどん減っていく女性ホルモンが関係しています。お肌の健康を保つためには、女性ホルモンを正しく理解して、ホルモンバランスを整えていく必要があります。まずは、女性ホルモンが乱れることで起こるトラブルを解説します。肌荒れホルモンバランスが乱れ、女性ホルモンの分泌が減ることで、お肌の皮脂を過剰に分泌する男性ホルモンが活発になります。この皮脂が原因で、ニキビなどの肌荒れができます。生理不順や生理痛女性ホルモンには、「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンがあります。この2つのホルモンが少なくなると、無月経や過少月経など生理不順が起きます。月経が8日以上続く過多月経もホルモンバランスの乱れが原因と言われています。また、生理中に分泌される「プロスタグランジン」というホルモンには、痛みや炎症を起こす作用があると言われています。このホルモンが多く分泌されると強い生理痛となります。PMS【月経前症候群】排卵後にホルモンバランスが変化することで、頭痛や肩こり、便秘、イライラなど様々な心身の不調が起こります。これが原因で暴飲暴食し、お肌トラブルの原因となることもあります。その他にも、「自律神経失調症」や「不正出血」、「不妊」「更年期障害」など、女性ホルモンの乱れによって引き起こされる不調は沢山あります。心身共に健康に過ごしていく為には、この女性ホルモンと上手く付き合い、ホルモンバランスを整えていくことが必須です。生理周期で変わるお肌の調子…その理由は?出典:byBirth女性のお肌は、生理周期と女性ホルモンによって大きく左右されます。この生理周期による女性ホルモンの変化を無視してお肌のケアを行ってしまうと、逆にお肌に負担をかけてしまうこともあります。ご自身の生理周期を把握し、ホルモンの変化に気づき、その時期に気を付けるべきことを理解しましょう。排卵日後~生理期間中のお肌はとても敏感?排卵日後から、生理期間中は、お肌が敏感になっている時期です。いつも使っている化粧品が合わなかったり、シミてしまったりする場合は、その時期のお肌にあっていない証拠です。従って、生理前~生理期間中に刺激の強いピーリング剤でのケアや、新しい化粧品を試すことは辞めましょう。生理が終わってから、排卵日までの期間は、お肌のバリア機能が一番高まっている時期です。排卵日は、お肌の調子がよくツルツルでメイクノリもよいと感じるでしょう。スマホのアプリやカレンダーでご自身の生理周期を今一度確認し、お肌のケア方法を見直しましょう。ホルモンバランスを整えるカンタンな方法を解説!出典:byBirthホルモンバランスを整えていく為には、まずはご自身の体の状態を把握することが必要です。基礎体温を測って、ホルモンの状態をチェックしましょう。ホルモンバランスのチェック方法!毎日起床時に体を動かさず、安静にしている時の体温を婦人用体温計ではかる。毎日同じ時間に測るようにする。おりものや、性行為、経血の量、不正出血などを体温と一緒に記録する。最低でも3か月は継続して測定する。この基礎体温は、高温期と低温期の2相に分かれます。この差が0.3度以上あれば排卵があり、ホルモンバランスが正常であるという証拠になります。 この方法で、まずはホルモンバランスをチェックしましょう。ホルモンバランスが乱れていたら?ホルモンバランスの整え方!心身を休めるしっかりと休息をとったり、ぬるめのお湯につかって体を休めたりすることがホルモンバランスの乱れを整えます。自分のペースでマッサージやストレッチを行ったり、ウォーキングをしたりすると心も体もリフレッシュすることができます。ダイエットを一度辞める無理なダイエットは、ホルモンバランスが乱れる原因となります。その結果、生理周期が乱れたり、月経異常が起きたりすることがあります。ホルモンバランスが崩れている時は、ダイエットを一度お休みし、ホルモンバランスを整える為に、規則正しい食生活を心がけましょう。大豆を摂取し、バランスの良い食事にする大豆イソフラボンは、女性ホルモンと同じ働きをしてくれます。納豆や豆腐、豆乳を積極的に摂取しましょう。早寝早起きをする誰もが知っているように、成長ホルモンは、睡眠中に作られます。睡眠時間をしっかりと確保することが自律神経を整えます。早寝早起きをする習慣をつけましょう。ホルモンバランスを整えて美肌に!体を見つめ直そう出典:byBirthいかがでしたか?今回は、女性ホルモンと美肌の関係について解説しました。一見遠回りのような方法に思えますが、女性ホルモンの働きを正常化させることが美肌への近道です。今一度、生活習慣を見直し、ホルモンバランスを整えていきましょう。体もお肌もきっと応えてくれますよ。
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