朝、登校前に玄関ドアを開けようとした瞬間、わが子が「お腹が痛い」と言ったらどうしますか?私の娘は、学校が大好き。帰宅すると、その日学校であった出来事をたくさん話してくれていました。しかし、小学2年生のある時期だけ、「お腹が痛い」と言って登校をしぶったことがありました。登校直前、突然「お腹が痛い」小学2年生のある日、登校直前になって突然、娘が小さな声で「お腹が痛い」と言い出しました。いつも一緒に登校している大好きな友達が迎えに来てくれていたし、家を出る時間が迫っていたので焦りました。「トイレかな?」と聞くと「違う」と。吐き気がある様子もなく、熱もなく、一見して何も問題がなさそうに見えました。お腹をさすってあげながら、「大丈夫?」と聞くと、娘は力なく「うん」とうなずいたので、「もし途中で具合が悪くなったら先生に相談しなさい」と言って送り出しました。普段は、学校が大好きで、特に給食の時間を楽しみに登校する娘ですから、この日のことは私にとっては驚きでした。しかし、次の日も、その次の日にも同じことが起こったのです。「お腹が痛い」は「学校に行きたくない」という意味だった娘は「お腹が痛い」とは言うものの、お腹を押さえたり、トイレから出てこないということはなく、本当に体調が悪いわけではなさそうでした。これは、実際に腹痛があるわけではなく、「学校で何かがあるのでは?」と思い、帰宅後に娘に聞いてみました。娘は、下を向きながらポツリと「学校に行きたくないの」と言いました。あれだけ学校が大好きで、ランドセルを背負ってお友達とスキップしながら登校する娘が…と思うと、「何かあったの!?」と焦ってしまう私。しかし、ここはガマン…と娘が話してくれるのをじっと待っていると、ゆっくりと「大縄跳びが怖い」「当たると痛い」「私ひとりだけ跳べない」「みんなのジャマになる」と話してくれました。その時期は、ちょうど全校大縄跳びの大会前だったのです。クラスのみんなが記録を伸ばそうと楽しくチャレンジしている中、ぐるぐる回る縄の前で怖くて、たったひとりで固まっている娘の姿が想像できました。まず最初に「その気持ち、わかるよ」と話した幼い頃の私にも同じ経験があり、「自分ひとりだけできない」ときの寂しい疎外感もわかりました。「ママも小さい頃、同じだったよ」と体験談を話し、「大縄が怖くならないように、どうしたらいいかな?」と聞くと、娘は「練習する」と言いました。そこで百円ショップで見つけた大縄を使い、放課後に練習することに。ほぼ同時に、担任の先生から、連絡帳を通じて連絡がありました。「学校で元気がない。大縄を怖がっているのでは。家庭での様子を教えてほしい」という内容でした。返信に、娘の様子を知らせてくださったお礼と家庭で今後どう取り組むか書くと、先生から再度返信があり、「学校でも気をつけてみます」とのことでした。「ほら、先生も応援してくれているね!」と話したら、娘もホッとした笑顔を見せたことを覚えています。その後は、帰宅してから「先生が背中を押してくれたから縄に入れた!」とか「今日はクラスで何回跳べた!」など学校での様子を笑顔で嬉しそうに話すことが増えました。最終的には、残念ながらクラスで優勝とはいかなかったものの、本人なりに「がんばった」出来事として終わらせることができたようです。この一件で、私は親として気づいたことがたくさんありました。冷静になること、先生に知ってもらうことの大切さ「学校に行きたくない」と言われた時、私は動揺しました。「まさかいじめ?」「不登校になったら?」と考えが飛躍してしまったのです。ですが、今回の場合は、まずは落ち着いて目の前の娘に集中しようと話を聞いたことで、「大縄が怖い」という問題点がわかり、解決の糸口が見つかりました。このことから、どんなことがあってもまずは落ち着くことを心がけようと思いました。また、「大縄が怖いから学校に行きたくない」というのは、一見すると大きな悩みではないので、私から先生には伝えませんでした。しかし、先生からこの件で連絡があったことから、ちょっとしたことでも先生は気にかけてくれていることがわかりました。担任の先生という力強い味方がついてくれたことで、娘の不安を取り除くことができたので、今後は、「ささいなこと」と思っても、先生の負担にならない範囲で相談しようと思います。当時、小学2年生だった娘は高学年になりました。現在もまれにですが、ふと学校に行きたくないと言うことがあります。そんなときは、「まずは落ち着いて」話を聞く姿勢で、娘に向き合うようにしています。<文:ライターeurope>
2020年07月18日学校が再開され、楽しんで通っている子も多いと思いますが、中には学校へ通う足取りが重くなっている子もいるかもしれません。この春に入学した小学校1年生のみなさんはいかがでしょうか。私は元小学校教諭で、小学1年生の担任を務めたことがあります。小学1年生のこの時期は、学校生活にも慣れ、友達もできてくる頃です。それと同時に、勉強も少しずつ難しくなって思うようにいかないこともでてきます。緊張から解放されてきて自分を出しやすくなる子がいる一方で、自分の思いを伝えられないで困っている子も。ちょっとしたきっかけで「学校へ行きたくない」と言い出すことがあるかもしれません。特に2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、自粛中に自由に過ごしてきた反動もあって学校で楽しさが見つけられず、家にいたいと言い出す子もいるのではないでしょうか。子どもが学校に行くのを嫌がったとき、どうすればいいのかはその子の抱えている問題や思い、シチュエーションによってさまざまです。今回は、保護者の相談から解決までの4つの事例をお伝えしたいと思います。話を聞いて、解決策を一緒に探る1年生が行き渋る原因は本当に些細なことが多いです。「今日の給食が好きなメニューじゃないから」「昨日、先生に怒られたから」「叩いてくるお友達がいるから」「体育で走るのが疲れちゃうから」「国語の教科書をなくしちゃったから」。大人から見れば、「え!?そんなことで!?」と思うようなことも多いですが、子どもにとっては大事件です。どうしよう、どうしようと不安でいっぱいなのです。わが子が「学校に行きたくない」と言ったら、まずはじっくり話を聞いてあげてください。いろいろ根掘り葉掘り聞きだそうとするのではなく、子どもが話したいことを話したいように話してもらいます。話したがらないこともあると思いますが、時間をおいたり、違う場面で聞いたりするとぽろっと言ってくれることも。親子2人では話さなかったことも、先生を交えると話してくれることもあります。「学校の大きなプールが怖い」と話せたことで「子どもが学校に行きたくないと言っているのですが」という保護者と本人とで三者面談をしたことがあります。学校に来られたお母さんはとても話を聞くのが上手な方でした。お母さんと私で、子どもの話をうんうんと相づちを打ちながら聞いていきました。いろいろ話を聞いているうちにその子は「学校の大きなプールが怖い」というのが原因のようだとわかりました。「最初はこんなに少ない(おへその下くらい)お水から入るんだよ」「怖かったら先生も一緒に入るから、先生のところにきてもいいよ」「最初は足だけでもいいんだよ」などと話をしたら、安心してくれたようです。その子は、お母さんも先生も自分の話を聞いてくれて、思いを受け止めてくれたということが安心につながったようでした。学校生活は自分の思い通りになることだけではありません。ガマンしなければいけないこと、頑張らなければいけないこともたくさんあります。そのたびにこうしたらいい、ああしたらいいと先回りしてアドバイスをしたくなりますが、自分で乗り越える力をつけていくことも大切です。話をじっくり聞いて、どうしたらいいのかな?と一緒に考え、やってみる経験をたくさん積んでいく。そして乗り越えられたことを一緒に喜んでいくことで子どもは安心し、自信を持ち、一歩が踏み出せるのかなと思います。「子どもはウソをつく」ことを知っておく子どもの話を聞くうえで気をつけてほしいのが、子どもは多かれ少なかれ「ウソをつく」ということです。お母さんに怒られたくない、嫌われたくない、カッコ悪いところを見せたくない…。自分が悪かったところは隠したり、自分のよいように事実を曲げてしまったりするのは当たり前です。ウソだと分かって言っていることもありますが、それが事実だと思い込んでいて、ウソをついている自覚がないこともあります。記憶違い、勘違いが起こることも多いです。この時期、自分のことをよく見せたいと思うのは当然のことなので、あまり問い詰めずに、話を聞いてあげればいいと思います。ただ、子どもの話すことを全面的に信じるだけでなく、いろいろな方面から話を聞いて、多角的に冷静に判断することで大きなトラブルになることを防げます。「教科書をお友達にとられた」と話していたけれど「〇〇ちゃんに教科書をとられてしまって、学校に行きたくないと子どもが言っている。うちの子はいじめられているのか!?」と、保護者がとても怒って、学校に来られたことがあります。翌日、本人に話を聞いてみるとどうしても教科書が見つからず、かといってなくしたとお母さんに言うと怒られそうで怖くて、ウソをついてしまったということがわかりました。その後、みんなで探してみると隣の席の子が間違えて持っていました。なんでウソをつくの!と怒ってしまうと、ウソにウソを重ねていく…ということになりかねないので、子どもにも子どもなりの事情があるのだなと思いつつ判断するように心がけるのがよいと思います。親の不安は子どもにうつることを意識して入学当初、いつも自信がなさそうにおどおどしていて、困ったことがあるとすぐに泣いてしまう子がいました。勉強も学校生活も問題があるわけでもないのに、いつも不安そうにしていました。お母さん自身の不安な気持ちを取り除くことで個人面談の時期になり、その子のお母さんと話をしました。お母さんは、「娘はちゃんとやっていますか?何もできないのではないですか?」と、とても心配されていました。実は、保護者が必要以上に不安がっていると、子どもも不安でいっぱいになります。また、保護者が学校や先生に対して怒ったり文句を言ってばかりいると、子どもも学校や先生に不満をもちやすくなります。逆になにがあっても大丈夫!とドーンと構えているお母さんの子どもは安定しておだやかに過ごせていることが多かったです。この不安が大きかったお母さんには、折を見て学校生活では問題なく楽しそうに過ごしていること、勉強も積極的にしていることをお話しし、学校公開などで実際に見てもらうことで少しずつ不安を取り除いていきました。するとその子にも少しずつ変化が。小学2年生になるころには、ニコニコ元気いっぱい学校で過ごせるようになったのです。子どもの能力を信じて、あまり心配しすぎないことも大切です。些細なことでも先生に相談してOK学校は親の目の届かないところでの生活です。幼稚園や保育園と違って担任の先生と会う機会はそれほどなく、子どもが話してくれないと学校生活が見えてこないことが多いです。そのため不安に思うこともたくさんあると思います。ですので、心配なことがあったら些細なことでも先生に相談してみるとよいと思います。先生がその子の状態を知っていると、気にかけて見たり、声かけしたりしやすくなります。毎朝の声掛けで子どもに変化が学校ではとても楽しく過ごしているように見える子どものお母さんから「学校へ行きたくないと言っている」と相談されたことがありました。学校生活の中では行き渋りがあるようにはまったく見えなかったので、とても驚きました。私は、相談された日から、登校時に「おはよう!今日も会えてうれしいよ!」「頑張ってきてくれたんだね。ありがとう」と声をかけるようにしました。最後の保護者会の日にお母さんから、「毎日、喜んで学校に行くようになった」と言ってもらえてホッとしました。「1年生は1年間かけて小学生になる」を心に私が勤めていた学校の校長先生は「1年生は1年間かけて小学生になるんだ。1年生の一番大事な勉強は学校が楽しい、勉強が楽しいと思えるようになることなんだよ。そんな学級経営をしなさい」と言っていました。ランドセルを背負えば誰でもすぐに小学生!というわけではありません。焦らず1年かけて学校生活に慣れ、勉強することに慣れ、お友達をつくり、学校の中での自分の居場所を見つけていければ大丈夫です。子どもたちみんながにこにこ楽しく学校に通えるように、保護者と先生が手を取り合って支えていけるといいなと思っています。<文:ライターHIDE>
2020年06月19日子どもに対して、「勝手に育ってくれ」なんて思っている親はまずいません。親それぞれに理想の子育てがあるからです。そのため、自分の理想から外れるようなことを子どもがすると、どうしても親子でぶつかりがち。アメリカの臨床心理学者であるトマス・ゴードン博士が、心理学、教育学、発達心理学をベースに開発したコミュニケーション訓練プログラム「親業」のインストラクターである親業訓練協会の瀬川文子さんは、親子間の問題を解決するには「勝負なし法」がベストだと言います。しかも、この方法には子どもの創造性を伸ばすというメリットもあるのだそう。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人親子間における問題の解決法は3種類「親業」においては、親子間における問題を解決するには3つの方法があると考えています。よく使われるのが、親の意見や考えを無理やり子どもに押しつけて従わせる方法です。これをわたしたちは、「第1法」と呼んでいます。一方で、スーパーで子どもに「お菓子が欲しい」と駄々をこねられ仕方なく親が従うということもある。これは、子どもが自分の考えを押し通したケースで、「第2法」と呼ぶものです。これら第1法と第2法には、勝ち負けが存在します。第1法なら親が勝ちで子どもが負け、第2法なら子どもが勝ちで親が負け。これら勝ち負けがある「勝負あり法」は、力技です。力を使われて負けたほうは、勝ったほうに対してもどうしても不満を持ってしまう。そのため、いい関係を築きにくくなります。でも、3つ目の問題解決の方法である「第3法」と呼ぶものは、勝ち負けがない「勝負なし法」です。この方法では、本来、子どもより力を持っている親は、その力を使わずに子どもとの話し合いのテーブルにつきます。いわば、横並びで対等になるわけです。そして、子どもと同じ目線に立ち、互いが納得できる解決策を話し合いながら探していくのです。もちろん、子どもの側も子どもなりに考えて解決策を出します。そのため、互いに不満が残らないのです。「勝負あり法」が子どもの育ちに与える悪影響もちろん、「勝負なし法」で親子間の問題を解決することが信頼関係を強めます。第1法、第2法では、親子のどちらかに不満が残ること以外にも、大きなデメリットがあります。それは、子どもの育ちに悪影響を与えるということ。第1法では、指示命令によって親の言いなりに子どもを育てることになります。そのため、子どもは、「言われたことはやるけど、言われなければやらない」という、いわゆる「指示待ち人間」になってしまうでしょう。これからの時代に大切だとされる、自立心や主体性がまったく育たないということになりかねません。また、第2法の場合には、子どもは常に自分の要求が通るために、すごくわがままで傍若無人に育ってしまう可能性を秘めています。もちろん、その要求を親だけに向けるのではなく、友だちなどまわりの人にもそうするでしょう。それでも、未就学児の頃までならなんとか社会生活ができるかもしれません。でも、小学校に入学したらそうはいかない。先生からは叱られ、友だちには嫌われる……。そうして、不登校になるといったことだって否定できません。さらに、第2法を使い続けると、年齢に応じて要求が大きくなることも問題です。スーパーでお菓子をねだるくらいならまだかわいいものですが、10代も後半となったら、バイクや自動車をねだるといったふうに要求はエスカレートするでしょう。そのときになって「これじゃ駄目だ」と慌てて第1法に変えようものなら、それこそ親子間のバトルが勃発してしまいます。子どもが一生懸命に考えることで、創造性が伸びる一方、「勝負なし法」である第3法の場合には、親子双方に不満が残らないことのほかにもメリットがあります。それは、子どもの創造性が伸びるということ。なぜなら、子どもが自分で「どうしたらこの問題を解決できるんだろう?」と一生懸命に考えるからです。いろいろな経験があるために「こういうケースはこうするべきだろう」と考えがちな親よりも、むしろ子どものほうがよほどおもしろくて自由な解決策を提案するということも珍しくありません。これは親子が衝突したケースではありませんが、かわいらしくて楽しいエピソードをひとつ紹介しましょう。わたしたちが行なっている親業訓練講座(インタビュー第1回参照)を受講したお母さんから聞いたお話です。そのお母さんには3人の子どもがいます。そして、問題となっていたのが、「寝るときにお母さんの隣を3人の子どもが取り合う」ということでした(笑)。子どもは3人なのに、お母さんの隣はふたつしかありませんからね。どうすればいいかと話し合ってみると、子どもたちは、じつにおもしろくて自由な解決策をどんどん提案しました。たとえば、「ひとりはお母さんの上で寝る」とか。それから、「みんなで寝られる大きい布団を買う」という意見も。その子の視点からは、同じ布団に入っていたら隣で寝ているという感覚なんですね。そんな発想は大人にはありません。このケースのように、なにか問題が生じたとしても「勝負なし法」によって子どもの発想を面おもしろがるような姿勢が、親子間の問題解決には大切なのかもしれません。子どものおもしろい発想に親が笑ってしまったら、それこそ衝突どころではありませんからね。『あっ、こう言えばいいのか! ゴードン博士の親になるための16の方法 家族をつなぐコミュニケーション』瀬川文子 著/合同出版(2013)■ 親業訓練協会インストラクター・瀬川文子さん インタビュー記事一覧第1回:子どもが反発ばかり……親子関係の問題を劇的に改善する「双方向」のコミュニケーションとは第2回:繰り返す、言い換える、気持ちを汲む。親の「能動的な聞き方」が、子どもを問題解決に向かわせる第3回:「私メッセージ」の叱り方で子どもが変わる! 親は怒りではなく“第一次感情”に注目して第4回:親子の衝突を解決するには「勝負なし法」がベスト。勝敗を決めるのは、子どもの育ちに悪影響【プロフィール】瀬川文子(せがわ・ふみこ)1954年8月28日生まれ、東京都出身。親業訓練協会シニアインストラクター。1973年、日本航空に客室乗務員172期生として入社。14年間の国際線勤務の後、結婚のために退社。1998年、コミュニケーション訓練のプログラム「親業」の指導員資格を取得。2002年、CAP(子どもへの暴力防止プログラム)スペシャリストの資格を取得。2003年、親業シニアインストラクターの資格を取得。2006年、『ママがおこるとかなしいの』(金の星社)で絵本作家としてデビュー。同年、親業訓練協会インストラクター養成担当となる。2015年、日本アンガーマネジメント協会ファシリテーターの資格を取得。現在は、親業訓練協会の運営に関わりながら、医療、介護、教育の各機関、企業、家庭を対象に、「想いが伝わるコミュニケーション」を軸とした講演会等を全国各地で行うなど活躍の場を広げている。主な著書に、『聞く、話す あなたの心、わたしの気もち いじめない、いじめられない子どものためのコミュニケーション』(元就出版社)、『ほのぼの母業のびのび父業 ゴードン博士に学ぶ 21世紀の家庭へ わかりあえるコミュニケーション訓練』(元就出版社)、『職場に活かすベストコミュニケーション ゴードンメソッドが職場を変える』(日本規格協会)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年06月10日子どもの頃から運動が苦手で弟に歩き方を笑われていたけれども、いまは運動が大好き出典 : 私はADHDとASDがある、現在30代の男性です。一般企業で管理職をしつつプログラマーとして働いています。私は子どもの頃は運動が苦手でした。幼稚園や小学校の運動会でも順位はほとんどビリ、夏のプールの時間も大嫌いでした。歩き方もかなり特徴的だったようで、「歩き方がヒョコヒョコしているねー」と弟に笑われたことがあります。自分ではわからなかったのですが、左右や上下に揺れていたようでした。そんな私でもあるきっかけがあり、中学生になる頃には運動が好きになっていました。今回はそうなったきっかけである、小学校の野球部でのできごとについて書いてみようと思います。バスケをやりたかったのに渋々参加した野球部出典 : 私が小学校に入る頃、私の周りではバスケットボールを題材にしたマンガが大流行していました。私もハマっており、同時期放送されていたアニメは毎週欠かさず観るほどでした。運動が苦手で、運動会でもビリの常連だったにもかかわらず、アニメの影響でバスケットボールが大好きになった私は、小学校ではバスケ部に入ろうと心に決めていました。小学生になり、いざバスケ部に入りたいということを両親に伝えたところ、私が通っていた小学校にはバスケ部がないことが発覚。中学校になったらやればいいじゃないかと父に勧められ、そこに向けて何か運動をと考えた私は野球部へ入部することにしました。全然上達しなかった入部1年目出典 : そんな経緯で野球部の部員となったものの、キャッチボールすらろくにできず、バットを振ってもボールに当たらず...練習相手の先輩が、私がとんでもない方向に投げたボールをいつも取りに行ってくれていました。父に付き合ってもらって家でも練習していたのですが、なかなかうまくなりませんでした。そんな状況なので、最初は練習に行くのが辛かったのですが、少しずつバットにボールが当たるようになっていったことで楽しさを感じられるようになり、何とか続けることができていました。それでも週末の試合にはやっとバッティングができるようになってきたレベルの私はもちろん出られず...毎回ボールボーイ(ボールが必要になったら審判にボールを渡す係)として参加していました。この状況は人によっては辛いと思うかもしれませんが、私は先輩たちの動きを見てルールを覚えたりするだけで楽しかったので、あまり苦になりませんでした。新しいポジション決めの練習が転機。それからは運動が好きに!出典 : そんな部活生活も1年がたち、6年の先輩たちが引退するため、新しいポジションを決める日がやってきました。その日は、次のピッチャーを決めるために全員マウンドからボールを投げてみることになっていました。順番を待つ間、私は“うまく投げている自分”をイメージしていました。そしていよいよ私の番です。キャッチボールもろくにできない私でしたが、「これでうまく投げられたらすごいな」と思いながらマウンドに登っていきます。そしてイメージしていたように、ミットめがけて思いっきり投げてみたところ…いままでにないまっすぐなボールを投げることができました。気分が高揚してあまり覚えていませんが、みていた先輩たちも驚いてざわついていたように思います。その日以降、いままでとは別人のように狙ったところにきちんとボールを投げられるようになりました。今思うに、それまでは身体の使い方のコツがつかめておらず、“成功するイメージ”も持つことができていなかったのだと思います。この日はじめて頭の中にイメージを描くことができ、それがうまく投げられる結果に繋がったように思います。このできごとからしばらくして不登校になったので、野球をする機会は減ってしまいましたが、この経験があったおかげで自分の中にあった運動への苦手意識はだいぶ薄れました。野球をしたことで筋肉がついてきたのか、100m走のタイムも縮まり、体育の授業にも自信を持って取り組めるようになりました。私の運動のコツは「上手い人の動きをよく見て、自分の身体でその動きを再生する」こと出典 : そのころの経験から、新しい運動をするときに私が意識するようになったのは、「自分がしたい動きをなるべく具体的にイメージして、それを身体で再現する」ということでした。運動が上手い人の動きをよく見て、身体の動きがどうなっているのか分析し、その動きと同じように自分の体を動かすよう意識してみる。うまくいかなかったら、もう一度上手い人の動きをみて自分とどこが違うのかを比べ、そのイメージに近づける。そうすることで、いつの間にか運動の上達が早くなっていました。例えば私が通っていた高等専門学校では、体育の授業でゴルフの練習をすることがあったのですが、私もクラスメイトの大半もゴルフをするのは初めてでした。最初はみんなで空振りばかりしていたのですが、ひとりだけゴルフ経験があって上手い人がいたので、私は自分の練習を止めて、その人の左腕の動かし方や肩・腰の使い方をよくみることにしました。最初に構えたところから膝や腰を上下に動かさなければ、地面を打つことはないとか、スイングバックのタイミングで左ひじは曲げないようにするとか…自分の身体でその動きを真似するようにしてみたところ、どんどんいい具合にボールを打てるようになっていき、その授業の終わりごろには、いろいろなクラブでしっかりとボールを打てるようになっていました。運動が好きになったことよりも、上達できることへの楽しみを経験したことが大きな財産に出典 : 野球部での経験は、興味があることや好きなことであれば反復練習が苦にならないということや、運動の際には身体の動きを具体的にイメージすると効率よくやれるようになるという、自分の特徴が活かせた初めての体験だったと思います。また「うまくいかなかったことも、自分の工夫次第でできるようになった!」と実感できたことは、社会人生活で苦しんでいたときにも乗り越える力をくれ、私にとって大きな財産となっています。運動が苦手で困っている当事者の方やその周りの方には、是非興味のあるものから取り組んでみていただきたいなと思います。その際、周りの人と比べるのではなく、去年の自分や先月など、過去の自分と比べて上達を感じることができると、上達することそのものが楽しくなってくるのではないかと思います。運動は苦手な人も多いかと思いますが、やってみると実は上達を感じることができるポイントがたくさんあり、私のようにその後の自信や力につながることもあります。この私の経験が、今悩んでいる方のご参考になれば幸いです。
2020年05月30日編集部:学研キッズネット編集部一般社団法人 日本教育学会は、2020年5月11日、「9月入学・始業」案について時間をかけた丁寧な社会的論議が必要であると考え、政府に対して拙速な導入を決定しないよう要請しました。併せて、学校休校による子ども、保護者、教職員の不安や心配の声に応える実効性ある対策を大至急検討し講じていくことを求める声明を発表しました。日本教育学会声明全文去る4月30日、新型コロナウイルス感染拡大防止のための学校休校が長期化するなか、全国知事会は、内部に賛否両論がありながらも、政府に対し9月入学の導入を検討するよう要請しました。これを受けて、安倍首相は国会で「選択肢の一つとして検討する」と答弁し、首相官邸が各府省に論点整理を指示し、6月上旬には方向性を示す予定であるとの報道がなされています。今般、9月入学問題が浮上した背景には、勉強の遅れと受験への不安や部活動や行事などの貴重な学校生活の時間を削減しないで欲しいという子どもたちの声があります。また、学校再開後の短縮された期間での詰め込み・スピード教育が子どもたちのストレスを高め、不登校を増やすのではないかとの心配を保護者や教師が抱いていることも事実です。こうした声や心配には真摯に耳を傾けることが求められます。しかし、9月入学は不安や心配の基にある、直面する問題の解決にはどれほど有効でしょうか。それどころか、9月入学・始業の導入は、状況をさらに混乱させ、悪化させかねません。例えば学力格差の是正への有効性などには数多くの疑問があります。9月入学・始業そのものについてはこれまでもしばしば検討され、そのメリット・デメリットなども指摘されています。しかし問題は、これを「コロナウイルス禍で生じている問題」の解決策として性急に実施するということについてです。仮に学年の始期をいま直ちに9月に変更するとすれば、学校や子どもたちにも、家庭や社会にも甚大な影響が及びます。例えば来年度の小学校入学を9月に変更すれば、義務教育開始は一番高い年齢で7歳5ヶ月と世界でも異例の高年齢になります。9月入学導入に伴って生じる4月から8月までの5ヶ月間の学費分の空白は、私立大学だけでも1兆円近くになりますが、これを誰が負担するのでしょうか。8(7)月卒業になると高校生大学生らの就職はどうなるでしょうか。さまざまな問題が予想されます。これらの中には、仮に将来的に解決・解消できるとしてもそれまでに10数年を要するものも少なくありません。そうした重大な諸問題は、政治や行政のトップだけでなく、その解決策を含めて現場の教員・教育行政や子ども・保護者、中小企業を含む企業・諸組織など多くの関係者等の声を十分に反映し、専門家等も加わり慎重に検討すべきです。日本教育学会は緊急に特別委員会を設置し、検討すべき課題の洗い出しを行っており、近日中に緊急提言を公表する予定です。そもそも、コロナウイルス禍で学校でも社会でも様ざまな支援が緊急に求められているときに、教育の実質的保障に使うべき、限られた財源と人員を割いてでも9月入学・始業を直ちに実施することが果たして必要でしょうか。9月入学に議論を集中させることで、いま対応すべき重要な他の諸問題を見過ごすことも危惧します。以上から本学会は、「9月入学・始業」について、時間をかけた丁寧な社会的論議が必要であると考え、政府に対して拙速な導入を決定しないよう求めます。あわせて、学校休校による子ども、保護者、教職員の不安や心配の声に応える、実効性ある対策を大至急検討し講じていくことを求めるものです。2020年5月11日日本教育学会以上のように、「9月入学」に対して疑問や懸念を抱いている方も少なくありません。前例のない長期にわたる休校措置に、政府は早急な対応を求められています。日本教育学会は、「9月入学」を実施した際に生じる様々な問題に対し、解決するまでに数十年を要すると懸念しています。学校再開の見通しが立たない中、政府に対して問題の対策が不明確な状態で、拙速な導入を決定しないよう求めています。■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年05月13日編集部:学研キッズネット編集部ネットスクール「クラスジャパン⼩中学園」を運営する株式会社クラスジャパン学園は、2020年4⽉7⽇に政府から発令された緊急事態宣⾔を受け、全国の学校で休校継続となり⾃宅待機中の子どもたちに向け、各界の著名⼈の協⼒を得て、「おはよう!クラスジャパン」として毎朝⽇替わりで体操映像を配信。早起きで⽣活リズムの定着と体操による体調管理のサポートを通じて、⾃宅待機中の⼩中学⽣に元気を与えていく。「おはようクラスジャパン」概要◆配信期間:2020年4月20日(月)~5月6日(水・祝) ※休校状況によって変更◆配信日時:毎週月曜日~金曜日午前9時~9時10分◆視聴方法:1)参加型:事前送付される専用のログインURLから画⾯に⼊り、動画と⼀緒に体操する※オンライン動画システムZOOMの利用※事前申し込みが必要2)視聴型:指定のURLより画⾯を視聴しながら体操する。※動画配信ユーチューブからの視聴※事前申し込みは必要なし◆視聴料 :無料◆配信体操:毎日日替わりで著名人が朝の体操を実施【実施体操及び協力者】1)キティちゃんラジオ体操協力:サンリオピューロランド公式動画より2)ワンバルカン(ヒーローマン)体操協力:ACTION TEAM tokyo-lumme-ONE3)アートパーフォーマー カラリズム協力:アートパフォーマー・カラリズムリサさん4)しのぶお姉さんの農場体操協力:久住高原童心回帰農場5)極真空手体操協力:纐纈卓真さん 極真空手世界大会3連覇6)インド式ヨガ ストレッチ体操協力:メディカルヨガインストラクター 千葉久美子さん7)転び方健康体操協力:柔道学習塾「紀柔館」腹巻宏一館長8)女子野球体操協力:元侍ジャパン女子チーム監督 橘田恵さん9)ボディビル体操協力:パーソナルトレーナー野村昇平さん10)新体操トレーニング協力:一般社団法人BLUE ties Impression 代表理事川戸元貴さん◆申し込み方法申し込みは、参加型をご希望の方のみ。ユーチューブチャンネルからの視聴型をご希望の方は特に申し込みは必要ありません。<参加型のお申し込み><視聴型をご希望の方>毎朝9時より、から配信。【クラスジャパン小中学園とは】不登校の小中学生を対象に、オンライン在宅学習を通じて、子どもたちの学力向上とコミュニケーション能力を養成するネットスクールです。在籍する小・中学校と連携し、在宅学習を出席扱いとすることで、義務教育期間を安心して過ごすことができます。ネット教材やオンラインチャット、テレビ会議システムを駆使して、得意を伸ばすことにより、不登校の子どもたちがICT教育のトップランナーになることを目指しています。■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月17日中学生社長、感覚過敏と向き合う加藤路瑛(かとうじえい)といいます。14歳、中学3年生です。僕は12歳の時に親子起業®️という形で起業して、株式会社クリスタルロードの取締役社長をしています。株式会社クリスタルロード起業のきっかけなどは、以前、発達ナビで書かせてもらったことがあるので、その時のコラムをご覧いただけたらと思います。起業して1年間、メディア運営をしたり、18歳以下専用のクラウドファンディングのプラットフォーム開発・運営などをしてきましたが、ある日、父に「せっかく株式会社を持っているなら、路瑛の困りごとを解決する商品やサービスを作ってみたら?同じように悩んでいる人はいるはずだから。」と言われました。困っていること…それは感覚過敏です。食べることが苦手ですが人に理解されません。食べられるものも少ないし、臭いも苦手だし、できれば食べ物を目にしたくない。だから、友達との付き合いや仕事でファミレスやカフェに行くのもとても苦手です。特に臭いで気持ち悪くなります。レストランだけでなく、給食が終わったあとの教室の臭いや駅を降りた瞬間にわかるその街の食べ物や排気ガスが混ざった臭いが本当に苦手。体調が悪くなります。人が数人で騒いでいる声が苦手です。教室や雑踏での人のにぎやかな声で頭痛や吐き気がします。ヘッドフォンで音楽を聞いて防御しています。衣服が重くて着ているのがつらくなります。デニムのような硬い感じの素材も窮屈に感じます。苦手なものに向き合うのはしんどいです。特に、食べ物の臭いが苦手なのに、それを解決する商品を作るとなれば、その臭いに向き合う必要がある。それは苦痛が大きくて、僕はいやだと思っていました。しかし、ある日、僕は気がついてしまうのです。僕は年齢やお金を理由に「今」をあきらめない社会をつくろうというビジョンを掲げて活動しています。今は中学生ということもあり、特に子どもを理由に何かをあきらめなくていい社会を作りたいと考えてきました。僕は、聴覚・嗅覚・味覚などが敏感であることで、できていないことがたくさんあります。それは、仕方がないことだと思っていたけれど、それはあきらめているということなのではないかと思い始めたのです。「今」をあきらめないで生きようそう言っている僕が、実はあきらめて生きていた…僕にとって衝撃的な気づきの瞬間でした。そして、その勢いで以下のようなツイートをしたのです。感覚過敏のコミュニティーを作って、そこで感覚過敏の困りごとを解決していく商品を作っていくことを考えていました。感覚過敏研究所を設立そして、ツイートして一晩で集まった25名のメンバーでSNSのDM機能でグループを作って、どんな感覚過敏を持っているのか、どんな工夫をして生活しているのかを話しました。話したい内容が多すぎて、すぐにチャットツールに移動しました。メンバーには中高生もいますし、感覚過敏の子どもを持つ保護者も参加していて、それぞれの視点で話ができてとても面白いし参考になりました。こうして、感覚過敏研究所を立ち上げることになりました。Upload By 加藤路瑛感覚過敏研究所感覚過敏の人が悩みを相談できるコミュニティーを作るだけでなく、快適にくらせるような商品作りや社会りに取り組みます。研究所として取り組みたいことは感覚過敏のある人が相談できるコミュニティーを作る感覚過敏の困りごとを解消する商品やサービスの商品化感覚過敏のこと知ってもらう活動最終的にはテクノロジーで解決するです。すぐにできることは感覚過敏の当事者や家族のコミュニティーを作ることでした。2020年1月9日に募集を開始し、3月末で110人以上の方が参加しています。Upload By 加藤路瑛感覚過敏コミュニティー「かびんの森」感覚過敏を表現する、代弁者をつくる感覚過敏の当事者にも、そして今は無関係な人にも「感覚過敏」を身近になってもらうために、感覚過敏のキャラクターを作りました。Upload By 加藤路瑛Upload By 加藤路瑛「かびんの森のどうぶつたち」に活躍してもらって、絵本やアニメ、グッズなどを通して、感覚過敏について知ってもらいたいと計画しています。特に、自分で感覚過敏であることを認識できなかったり、表現できなかったりする小さい子どもたちに好きになってもらえるキャラクターにしたいです。感覚過敏マークを広めたいそんなかわいいキャラクターを使って「感覚過敏マーク」を作成しました。Upload By 加藤路瑛感覚過敏があることのヘルプマークというよりも、マークをつけることで自分を勇気づけたり、「これ何?」と質問されて、「実はね」と感覚過敏について話せるきっかけになればいいと思って作成しました。さらに、当事者の意思表示だけでなく、誰もが付けられる感覚過敏応援団のマークも作成しました。Upload By 加藤路瑛感覚過敏マークを使った缶バッチ&キーホルダーUpload By 加藤路瑛身につけやすいように、感覚過敏マークの缶バッチを作成しました!缶バッチだけでなく、キーホルダーにできたり、写真のようにスタンドして飾ることもできます!誰もが気軽につけて、誰もが知っている。「あ、苦手な音あるんだ」そんな気軽な感じの世の中になればいいと思います。感覚過敏は実は身近な問題です。感覚過敏を知らない人や、自分が感覚過敏であることを知らずに苦しんでいる人もいます。感覚過敏マークを通して、たくさんの人に感覚過敏を知ってもらい、日常生活にあたりまえにある音やニオイが苦手な人がいることを相互理解できる社会になり、感覚過敏の理解が深まり、周囲に言えずに悩んだり苦しんでいる人が、バッチを付けることで逆に気分があがるようなマークにしたいです。究極はマークがなくても誰もが生きやすい世の中になることですが、その最初の段階としてマーク付けは効果があると僕は思っています。特に、子どもたちのためにUpload By 加藤路瑛僕が「感覚過敏」という言葉に出会ったのは中学1年生の時でした。それまでは、自分の感覚が普通だとか過敏だとか考えたこともありませんし、音やニオイに対する過敏さや違和感のようなものを表現できず、何が辛いのか、何に困っているのか自分でもわかりませんでした。小学生以下の人は同じような状況かもしれません。特別な理由がないのに不登校になってしまう生徒の多くに感覚過敏があるのではないか?という考えもあるそうです。学校には行けていても、我慢していたり、居心地の悪さに苦しんでいるかもしれません。マークを「付けたい」「付けてもいいかな」と思ってくれる子どもたちが、感覚過敏バッチを付けることで、ちょっと気持ちが元気になったり、友達や先生に自分のつらさを話すきっかけになってほしいと思います。しかし、友達に「これ、何?」と質問された時に、うまく説明ができなかったり、説明したけど伝わらなくて悲しい思いをしないように、「子ども向けの感覚過敏マークの説明書」「親向けの感覚過敏マークの説明書」「学校の先生向け感覚過敏マークの説明書」を用意しようと思います。ネットでダウンロードできるようにします。(内容はこれから検討します。)勇気を持って、マークを付けてくれた人たちが、「付けてよかった」と思ってもらえるマークにしていきます。Upload By 加藤路瑛と言っても、全ての人のためにこの感覚過敏マークはキャラクターを使っていますし、色もカラーなので、抵抗なく付けれる人は限られているかもしれません。試作品をヘルプマークと一緒につけて外出してくれる大人もいます。Upload By 加藤路瑛まずは、年齢に限らず、「付けたい」と言ってくださる方々に付けていただきたいと思います。そして、実は、カラーが苦手な人のためにモノトーンのマークと、さらにはキャラクターが苦手な人や実用性を重視したい人向けにピクトグラムも計画しています。最初のステップとしては、人目につきやすいこの感覚過敏マークを広めていく活動をします。そのために、缶バッチやキーホルダーから取り組みたいと思います。マークを公開してから、印刷をして使いたいというというお問い合わせが来ていますが、マークの使用については、検討中です。感覚過敏は当事者や家族だけの問題ではないと考えています。まず、自分が感覚過敏だと気づかずに苦しんでいる人も少なくないと思います。そして、感覚過敏は、うつ病や認知症、交通事故などの脳の損傷によって起きることもあります。さらに、自分の周囲に感覚過敏の人がいるかもしれません。このように、感覚過敏は全ての人に無関係ではありません。感覚過敏応援団のマークをつけることで、感覚過敏を持つ人の応援や理解を目に見える形で表現することもできます。Upload By 加藤路瑛感覚過敏マークの普及を応援お願いします感覚過敏マークの普及を目指して、クラウドファンディングに挑戦します。リターンは感覚過敏マークの缶バッチ(キーホルダー)です。ぜひ、一度、プロジェクトを見ていただけたら嬉しいです。Upload By 加藤路瑛クラウドファンディングのチラシも作ったので、興味のある人にお渡しいただけると助かります。チラシ(PDF)おわりに僕は『感覚過敏』を世界中の人に知ってもらいたいと思っています。「感覚過敏」という言葉も概念も知らない人が多いので、自分が感覚過敏だと自覚していない人もいます。まずは、『感覚過敏』を知ってもらうための活動として、感覚過敏マークの啓発・普及活動をします。過敏さのある人が自分の過敏さを表現でき、それをそのまま受け止められる人が増えるのが目標です。社会全体が多様性を認め、それぞれが居心地のいい居場所を見つけられればいいなと思います。これは感覚過敏に限ったことではなく、あらゆる人に当てはまることです。1人でも多くの人が多様性を認められるようになれば、どんどん居心地がいいと思う人が増えるはずです。どんな人でも過ごしやすい社会、暮らしやすい社会を僕はみんなと一緒に完成させたいです。僕は「感覚過敏」という他人とは共有が難しいテーマからアプローチします。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
2020年04月10日睡眠障害で学校に行けていない...いっちゃんの学習面は我が家の長女いっちゃんは、10歳ごろから睡眠障害の症状が現れ始め、小学校6年生で登校日のおよそ半分を欠席し「不登校」になりました。中学に進学しても1/3ほど登校するのがやっとといったところです。一応プリントなどもらってきて、家で勉強もしていますが、自発的にするのは自分が興味を持ったものだけです。テストの出来も良くはないし、ノートの提出も全くできない…通知表の評定もそれなりです。Upload By 寺島ヒロお兄ちゃんのタケルは、読んだ文字や聞いた言葉をそのまま覚えておいて、頭の中から取り出すことが得意だったので、学校を多少休んでもテストの成績は問題ありませんでした。でも、いっちゃんは映像や音楽などイメージに変換して記憶するタイプのようで、ものの名前や単語を覚えるのが苦手。社会の穴埋め問題などはほとんどできません。記述テスト向きではなさそうだなーとは、かねてより思っていました。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ将来のことは「よくわからない」このままでは心配!?でも...さて、そんなテストが苦手ないっちゃんは「将来のこと」についても、中学校などで聞かれるとあまりしっかりした返事はしていないよう。「高校とか、就職とか言われてもよくわからんし興味ない」だそうで、「このまま大人になっちゃいけないの?」と、逆に答えにくい質問を返したこともあったそうです。学校にろくに行けていないわけなので「このまま…となると、高校に行っても不登校、就職しても通勤できないってことだろう。何とかしないと!」という考えに一瞬私も傾きかけたのですが、いやいや!?と思い直しました。Upload By 寺島ヒロ高校も会社も興味がないと聞くとニート一直線か!と、つい心配してしまうところですが、いっちゃんは実は性格的にはとてもアクティブなのです。将来何も仕事をしないで暮らすとか、無気力になっているとは考えにくい…。固有名詞が苦手ないっちゃん、もしかして将来のことを大人が求めるような「どの高校に行く」とか、「どこの会社に入る」という考え方で捉えてはいないのではないか?そこで、ずばり12歳のいっちゃんに「将来どんな大人になって暮らしていけたらいいと思う?」と聞いてみました。すると「絵を描いたり、曲を作ったり、歌ったり、ナレーション?とかもして、こういうことで仕事にならないかなと思ってる。何って決めてないけど、やるからにはすっげーってみんなが言ってくれるようになりたい!あと料理も自分で作れるようになりたい!」と言うではないですか!意外と具体的な内容が出てきたのです。一般的には、子どもが絵描きになりたいとか歌い手さんになりたいと言ったら、夢みたいなことを…と思うかもしれません。例えば高校3年生になった子どもが「アニメが好きだから声優の専門学校に行く」と職業について深く調べもせず急に言い出したら、正直不安しかないでしょう。しかし、いっちゃんは、物心つく前の本当に小さいころから、"努力"とは意識もせず、ずっと絵を描いたり、曲をつくったり、ピアノを演奏したり…「創り表現すること」を続けてきたのです。そのため、私はいっちゃんの言葉を聞いて「確かに!そのままでいい!」と思いました。Upload By 寺島ヒロ学校以外での「名前のない学び」も大切に見守ること13歳になった今のいっちゃんは、描画ソフトで絵を描くことはもちろん、MMDという有名なコンピュータアニメーションを作成するCGソフトを使って3Dキャラクターの改変モデルをつくったり(さすがに丸ごとはまだつくれない)、AviUtlというソフトで動画編集をしたりしています。ボイストレーニングや演技の勉強も続けていて、中学校にこそ行っていませんが、しっかり学んでいる様子が見て取れます。Upload By 寺島ヒロとはいえ、学校で数学も物理も学んでいないので、動画制作はしばしばカン頼みです。もし誰かと一緒に協力してつくるとなると、基礎教養や共通言語がないので相当苦労することでしょう。でも、今そのことを心配して「同級生のみんながやっていること」を無理やりやらせても効率は良くないような気がします。本人が必要だと思い知ってから学んでも、きっと遅くはないはずです。おそらく、いっちゃんのような子どもにとっては、高校や、会社のような「名前のあるもの」は、そういう毎日の学びと創作の延長線上にたまたまあるものなのでしょう。「名前のないこと」をやっている子どもを見守る力が、親には求められているのかもしれません。
2020年03月26日わが子の幸福を願うのは、親なら当たり前のこと。子どもたちを取り巻く環境が大きく変化している今、子どもたちが幸せな人生を送るために必要なのは何なのか。一緒に考えてみませんか。イラスト/柴田ケイコ好きな仕事に就いて、お金に苦労せず、やりたいことを思う存分やりきること。自分のことが好きで、何か一つ自信を持って生きてほしいです。いつでも相談・話を聞いてくれる人がいて、自分自身も誰かにとってそういう存在であること。自分も周囲も笑顔が絶えない、楽しい人生。自分のことは自分でする!苦しいことを避けるのではなく、乗り越えられる人生を送ってほしいです。健康で人に恵まれ、やりたいことを伸び伸びやれる人生だとうれしい。とにかく何でも楽しむこと。どんなときも思いやりと笑顔を忘れない。人生は一度きりなので、自分を信じて、選んで切り開いて、最後に「自分の人生、最高に面白かった!」と言える人生。日本だけにとどまらず、たくさんの国に行って広い世界を知り、好きなことを見つけて楽しんでほしい。自分で未来を切り開き、いずれは結婚して子どもを持って、その子どもが立派に羽ばたけるように育てられる人。幸せになるための4ステップって?これからの子どもたちは、親世代には想像もつかない多様な価値観と共に成長していきます。単純に職業ひとつとっても、パパ・ママが就職するときには存在すらしなかった仕事に子どもが就く、という可能性も大いにありますよね。「親には予想できない、教えてあげることができない」世界を生きていく子どもたちが、幸せな人生を送るにはどうしたら良いのか。20年にわたり、約1万5000人の子どもたちと関わってきた竹内エリカさんは、「社会で生きていく中で自ら幸せを見つけられる力」が必要だと話します。この力を育むには、1.感じる力、2.考える力、3.協調性(人と関わる力)、4.やり抜く力という4つのステップを踏むことが大切。1.の感じる力とは、五感が敏感なこと。ご飯を食べたときに「おいしい」などと感じることです。これには親の言葉掛けが大きく影響していて、例えば幼稚園に向かうときに「急ぎなさい!」と言われている子と、「わあ、今日は寒いね」「ネコちゃんがお散歩しているよ」など、五感に働き掛ける言葉を掛けられた子では、後者の方が感性が豊かで物事に対して好奇心旺盛で意欲的な子になると言われています。そしてこれが、学びを含めた“人生を楽しむこと”の入り口になるのです。2.の考える力は、問題を解決する力とも言えます。お友達のおもちゃを使いたいとき、無理やり取り上げればけんかになって叱られて終わりです。「代わりのおもちゃとの交換を提案する」「使い終わったら貸してもらう約束をする」など、自分で考えて解決していく力を持つ子は、将来に向かって努力をしていけるようになります。そして、やりたいことを見つけて努力する最中には、ひとりではできない瞬間が必ずあります。壁にぶつかったときに「教えて」「助けて」「手伝って」と言えるだけで、達成できる確率が格段に上がるでしょう。こうした人との関わりを持てることが、3.の協調性です。人と関わり、物事を達成するといった経験を積み重ねると、自己肯定感もアップするし、人が困っているときには自分から進んで助けてあげるようになります。こうして、意欲を持つことでやりたいことを発見し、やりたいことを解決するための方法を考え、それを達成するために人と関わることで、4.のやり抜く力に結び付いていくのです親の楽しむ姿が人生への期待感を育てるわが子が楽しい人生を送るためには、親自身が幸せであることもとても大切です。「親の背を見て子は育つ」ということわざは本当にその通りで、親が楽しそうにしていると、子どもは「人生って楽しいんだ」と思うようになります。特に、子どもの人生観を作る上で、ママの言葉掛けはとても重要。だからママは、自分が楽しいと思うことは、どんどん口に出していきましょう。楽しいことは、「子どもに向き合った内容」でなくて大丈夫。むしろ、「ママが楽しいから、〇〇ちゃんもやってみない?」と、誘ってみてください。ママがワクワクしている様子を見ることは、子どもが人生への期待感を育むことにもつながるからです。もし、毎日忙しくて自分が楽しむどころじゃない…と思うなら、夜寝る前に「子どもの良いところと、自分の良いところを見つける」ことを習慣にしてみてください。そうすると、子どもだけでなく自分に対してもポジティブな気持ちが持て、ママ自身も人生が楽しいものだと思えるようになるはずですよ。\ お話を聞いたのは /竹内エリカさん幼児教育専門家。日本キッズコーチング協会理事長。20年にわたり発達心理について研究し、約1万5000人の親子に携わる。多動症・不登校の克服、運動指導では全国規模の大会で第1位ほか、14賞のコーチ実績がある。「一生を決める0歳から6歳までの育て方」シリーズほか著書57冊。ラジオ「わくわく子育てCafé」パーソナリティ。感じる力を育てる五感に関わる言葉掛けを幼児期の子どもは、5万語の言葉を覚えることができます。しかし実際には、2万語程度しか覚えていない子どもが多いそうです。幼い子どもがかんしゃくを起こしたりするのは、自分の気持ちを言葉にできないことが一番の原因なので、語彙(ごい)を増やすことは、気持ちが安定した子を育てることにもなります。言葉を掛けるときは難しく考えず、事実や気が付いたことを言葉にしてみましょう。外に出たときに…「風が気持ちいいね」「赤いお花が咲いているね」「急いでるんだから早くして!」考える力を身に付ける命令を質問に変えてみて親から子への言葉掛けは、ついつい命令調になりがち。これでは、自分で考えるという習慣は身に付きません。やってほしいことがあるときは、質問形で話し掛けてみて。自分で考えたことは命令されるより納得しやすく、実行する確率も格段にアップします。また、きちんと考えて主張すれば受け入れられる、という体験を積み重ねることで、社会に出ていく自信も身に付きますよ。夜寝る前に…「寝る時間だよ、どうするんだっけ?」「早く寝なさい」協調性を育む「I(アイ)メッセージ」で伝えて褒めるときは、「ママはうれしい」というように「私(I)」が主体の言葉で子どもに感謝を伝えましょう。自分がやることでママ(=相手)が喜ぶ→自分もうれしい、という幸せ体験が自己肯定感の向上につながります。きっと次からは、自分が幸せになりたいから、進んでやってくれるようになるはずです。お片付けをしてくれたら…「片付けてくれて(ママは)うれしい」「(あなたが)片付けてえらいね」やり抜く力を養う「Yes and 法」を実践子どものお願いは、まずは「いいよ」と受け止め、その後に「条件」を付けてみてください。すると子どもは、「何を言っても、受け入れてくれる・肯定してくれる」「ママは味方だ」と思い、条件をクリアしようと頑張るようになりますよ。「お菓子買って!」と言われたら…「いいよ。でも、お買い物が終わってからね」「今は急いでいるから、ダメ」竹内さんからのアドバイス!私は、子育ては最高の社会貢献だと思っています。未来の人材を育てるって、本当にすごいこと。そして、家庭内で複数のことを同時にこなしながら、日々の生活を支えるママは、対応力が高く、社会的にも非常に優秀な人が多いものです。だからママは自分に自信と誇りを持ってください。そんなママの姿が、これからの子どもの人生に、きっと好影響を与えるはずですよ!80%以上のママ・パパが「楽しんでいる」。その多くが「家族が仲良しだから」「子どもがいる生活が楽しいから」との回答で、家庭生活の満足度が人生の楽しさに反映されていることが伺えます。人生を楽しむママ・パパたち。いったいどんなことで幸せを感じているのか、教えてもらいました。家族になっても無理することなく、自分の考えややりたいことを共有しながら実現できていること。好きな仕事をしながら、夫や子どもとの関係も良好なこと。結婚前はバリバリ働き、結婚後は時短勤務。出産と同時に退職して専業主婦になり、下の子が入園したらパートを始める予定です。その時々のライフスタイルに合わせて無理なく過ごせているのは、幸せなことだと思います。わが家では家族全員のおでかけは子ども優先ではなく、パパが楽しいと思うところに行きます。パパの“楽しい”が子どもにも伝わり、みんなで一緒に楽しめていると思っています。親になり、わが子を育てているうちに、「青い空が見えた」「雲があんなに大きい」など、今まで気付こうともしなかったことに気付くようになり、それが何とも言えず幸せです。自分だけでは味わえなかった経験を子どもを通してできること、そして子どもの成長を一番近くで見られること。※データはすべて2019年12/4~2020年1/8あんふぁんWebアンケート(有効回答数1204)
2020年03月09日「自分が障害者だって、自分で明かしてはいけないの⁉」――息子の不服げな表情を見て改めて考えた、「障害」という言葉のイメージについて小学4年生の息子が、ある日「腑に落ちぬ」と言わんばかりの表情で帰宅した。彼はADHD(注意欠如多動性障害)傾向もあるASD(自閉症スペクトラム障害)当事者。約1年半の不登校生活を経て復学、最近また休みがちではあるものの、通常学級に籍を置きながら特別支援学級を利用しており、次年度からは特別支援学級への転籍が決まっている。発達障害は「見えない障害」とも言われており、息子や私も、ぱっと見では障害を抱えているとは分かりにくいだろう。そんな息子が4年生になってから、特別支援学級を利用し始めた――通常学級のクラスメイトたちからしたら、不思議だったに違いない。なぜなのかと彼らから理由を聞かれた息子は、「発達障害があって、感覚過敏などがあるから」というようなことを伝えたのだという。すると、「障害者とか、そういうことを言ってはいけないんだよ!」とたしなめられたのだそうだ。息子にしてみれば「質問に対して誠実に答えただけで、なぜ叱られるのだ」という気持ちになるのは当然だ。「誰かの秘密を勝手にしゃべったわけでもないのに…」などと、ブツブツひとりごちていた。「障害って、悪いことだとか隠すべきこと、みたいなイメージがあるからなあ」隠さざるを得ない事情や場面があることを重々知りつつ、私は息子へと言葉を投げかけた。「本当はそんなことないんだけどね」すぐにそう付け加えて。前回も書いたように、「障害」とは「人と社会の間に生じたずれ」だと思っているし、近年はそうした考え方も広がりつつあるが、まだまだ障害という言葉に対するイメージはよろしくない。「障碍」や「障がい」の表記や別の呼称を使おうと行政などが推し進めたところで、本質的なところは何も変わっていないというのが当事者としての印象であるし、「障害」という言葉、あるいは診断名が、揶揄の言葉として使われているのが現実だ。(今ふと思ったのだが、件のクラスメイトたちは「障害などの言葉で人を罵るのはいけないことである」というご指導を、親御さんから受けたのかもしれない。それが頭の中で「障害と言ってはいけない」へと変化した可能性がある)私は学童期にてんかんを発症しているため、「障害者」というラベルを手にしてからの生活はそこそこに長い。本当は良くないのだが、自分が受ける差別にはある程度慣れっこで、障害名で揶揄されたところで「はいはいそうですよ」と聞き流すことができる。最近は「障害という言葉や診断名が揶揄に使われ続けたら、誤ったイメージは広がる一方だな」と考え、冗談さながらの軽口であっても、「その言葉を聞き流すことを、私はやめることにした」とお伝えしているのだが、とにかく、傷つくことはほとんどない。しかし、自分ではない相手にそうした言葉が向けられているのを見聞きすると、なぜだか落ち着いてはいられない。ADHD性による衝動を用いて発言なさった方のもとに駆けつけ、直後にASD性を発動、「発達障害という概念やアスペルガーとも呼ばれている自閉症スペクトラム障害についての簡単な説明と、“頭が悪い”ということについてのあなたの定義を伺ったのち、障害と頭の良し悪しは必ずしも関係しないこと、そして“真に頭の悪い人など存在しないのでは”と私が思うその理由を説明させていただけないだろうか」などと申し上げたい気持ちになるが、そんなことをすれば本末転倒、障害のイメージ悪化に拍車をかけてしまうこと請け合いだ。そのうえ私は気が弱い。そんな大それた行動を起こせるわけがない。歯がゆさを抑えられないまま、「どうしたもんかね……」とうなだれるぐらいしかできないのである。支援に必要な情報である障害を容易に明かせない現状について、「障害」というラベルを長年持ち続けている私が思うこと前項に書いたように、私にとっての障害名は、自分について説明を要する際に使うラベルやカードのひとつであるという認識だ。「努力や我慢では克服できないレベルの苦手がある、ただし、こうした方法なら可能だ」と説明するためのものであり、もちろん診断名を出さない方が話が早そうなときはそうするが、障害を明かすことに抵抗はない。そして私は、「我々はどうやら発達障害というものの当事者であるらしい」と息子には早いうちに告げており、息子も息子で「なるほど。早めに分かっていれば、有事の折に対応もしやすかろう」とばかりにあっさり受け入れていた。「ゲームは夢中になり過ぎて時間を忘れがちだから、アラームをセットしよう」と自ら対策を講じたり、「自分は感情をその場で認識できないことがあるが、あとから友達に気持ちを伝えるにはどうしたらいいのだろう?」と私に聞くなどはするが、普段は自分が発達障害の当事者であることを、さして意識していないように見える。それは私も同様で、こうしたコラムを書くときや、発達障害についての情報に触れるときなどは発達障害当事者であることを意識するが、平時は「自分の一要素」に過ぎず、見えてはいるが注視はしない。しかし、ネットなどでは「子どもへの障害告知は慎重に。本人のアイデンティティーを揺るがしかねないデリケートな問題です」「障害という単語にショックを受けてしまうケースも考えられます」などと書かれており、私はのけぞった。「本人のアイデンティティーを揺るがしかねないデリケートな」障害告知を、「晩ごはんはカレーだよ」ぐらいの軽いノリで済ませてしまったからだ(もちろん、どのような行動特性が該当するかなども説明はしたが)。当時の私が発達障害を抱える方々の現実について、全くの無知であったからこその行動である。物分かりが良く、自ら質問してくれる息子であったことや、障害をネガティブなものと捉えずにいられる環境があったからうまくいっただけ。分かっている。とはいえ何かが引っかかる。『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』の中で、児童精神科医・臨床心理士の姜昌勲氏が下記のように書いていらした。発達障害は、「治療しなければいけない障害」ではなくて、「支援するために必要な病名」であるとともに、「かけがえのないその子の個性」でもあるのですから。「発達障害はニセの病名?」『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』(宋 美玄、姜昌功、ほか/星海社新書)P92より「支援するために必要な」情報を聞いた子どもがショックを受けたり、明かした人から不当な扱いを受けたり、ネガティブなイメージを抱かれるのはやっぱりおかしい。「実は発達障害で」「ふーん、そうなんだね」でいいじゃないか。もちろん私は「発達障害の当事者は誰もが、その事実を明かすべきだ」とは思わないし、「実は自分も発達障害で」とこっそり打ち明けてくれた方の話を他人に話す気にもなれない。それは、今の自分が、発達障害に関しては、明かしても差別される機会の少ない環境に身を置いているだけだと自覚しており、かつてはてんかんで「隠しても地獄、明かしても地獄」を体験しているからだ。だからこそ、悔しくてたまらないし、憤りさえも感じている。必要な情報を、誰もが気軽に明かせない現状に。「障害はその人が持つ事実ではあるが、人格そのものではない」と思う私に向けられた、友人からの嬉しい言葉Upload By 鈴木希望ところで私は、かばんにいつもヘルプマーク(外見では分かりにくい疾病や障害のある人が、配慮を必要としていることを知らせるためのピクトグラム)を付けている。私が住む新潟県でも配布されてはいるが、まだまだ認知度が低い印象がある。あるとき、私のヘルプマークを見た友人が、「これは何?」と尋ねてきた。彼女は帰郷してから知り合った人で、発達障害つながりではない。子ども同士が仲良しだったことからつながった、いわゆるママ友だ。私がヘルプマークの概要を簡単に説明して、「私はてんかん発作を起こしたり、発達障害からくる感覚過敏があって、パニック発作を起こす可能性があるんだ。だからそうしたときに適切な対応をお願いできるように、このマークを付けているんだ」と話した。すると彼女は「そうなのかー。てんかんのことも発達障害のことも私はよく分からないけど、手伝えることがあったら教えてね!」と微笑んでくれたのだ。(そう…!これ!これなんだよ!こういう対応が嬉しいの…!)感激屋の私はむせび泣きそうになるのをぐっとこらえて、「うん、ありがとう!お願いするね!」と返した。差別されたくないのはもちろんのこと、同情が欲しいわけでも、特別扱いされたいわけでもない。いつでも誰に対しても助けを乞うつもりはないし、自分ができる範囲内なら、ほかの誰かが困っているときにはサポートだってしたい――私が知る限りではあるが、多くの障害当事者はそう願っている。障害を感じにくい人たちもそうであるように、障害当事者にも純粋な人もいれば卑劣な人もいる。障害を理由に差別されていることを逆手に取ってひらりとかわす、狡猾でありながらもどこかキュートな友人の話もいずれ紹介したいが、それは一旦横に置く。とにかく「障害」というのはその人に関する事実ではあるが、人格そのものではない。「実は発達障害で」「ふーん、そうなんだね」ぐらいの扱いになってほしいと願うのは、傲慢なのだろうか。重要なのはラベルではなく中身。「障害」という言葉のイメージを変えたい私が考えた、あえての遠回りさて、息子の話に戻る。「障害って言ってはいけないのなら、これからどういう風に説明したらいいんだろう…というか、障害は悪いことじゃないんでしょ?なのに…」まだ「解せぬ。世の誤ったイメージのためになぜ自分が厄介なことを考えなくてはならぬのだ」という思いがにじみ出る表情の息子に、私は代替案を伝えた。「最初に障害って言葉を言わないでさ」「え⁉言ってることが矛盾してる!!」「分かってるよ。でも、誤解されるなら最初は避けた方がいいんじゃない?で、今回は特別支援学級を利用している理由を伝えたいわけだよね。だから、例えば“チョークで黒板に書く音で耳が痛くなったり、たくさんの人のひそひそ声で先生の話に注意を向けにくくなって、授業を受けることに障害を感じてしまうから”とか、困っていることの具体的な内容と、“障害というのは、困っていることという意味なんだ”と受け止めやすい言葉で伝えたらいいんじゃないかなあ?」幸い、クラスメイトたちは息子の特性を、なんとなくかもしれないが理解してくれているようなので、これで十分に伝わるだろう。「そのときになったら、そんな説明できるかな…」「じゃあ、“通常学級で授業を受けていると、困ったこと、障害がいろいろ出てくる”とかはどう?そこで質問してもらえたら具体的に言えばいいし、ふーんで終わればそれはそれでいいと私は思うが、どうかな?でも、障害っていう言葉を使う必要はないかなと私は思うよ。伝えたいのは障害の中身であって、障害という単語じゃないんだから」私の提案を受け、息子はまだ納得できていない様子だったが、少し考えてから「そうか…そういうことが障害なんだって後から分かってもらえたらいいのかもな…」と、誰に向けるでもなく、つぶやいていた。「障害」という言葉に付きまとう悪いイメージをなくしたい私が「障害」という言葉を避けるような表現を選ぶのは、息子が申すように矛盾も甚だしく、本末転倒とも言える。しかし、障害を明かさなければならない場面において重要なのは、「障害」というラベル以上に、「なぜそうしたラベルを持たざるを得ないのか」という理由、ラベルを示す人それぞれの困難の詳細についてというケースが多いように私は感じている。ならばそちらを優先させて、追々「障害」という言葉との紐づけを行う方が、遠回りのようだが、実は効率良くイメージの変化へとつなげられる道なのではなかろうか。その前に、発達障害については誤解をなくすことや、地域による情報格差など、片づけるべきさまざまな問題があるのだが…。「障害」という言葉のイメージが変わり、障害のある人たちへの偏見がなくなることに従って、人と社会の間のずれも消えていき、あらゆる人が助けを求めやすい世の中になる――なんて、現状では夢物語だ。しかし、そのような未来が訪れることを、私は願っている。そのためにも私はもっともっと学びたいと思っているし、感覚のアップデートも忘れたくない。
2020年03月08日新たな学年に向けて1年間のまとめをする時期になりました。いよいよこの1年が終わりますね。お子さんにとってどんな年だったでしょうか?1年を振り返っていただく前に、皆さんにひとつ質問があります。「子どもと大人の違い」とは何だと思いますか?答えは「発達途上か、そうでないか」です。子どもの特徴は、“心身ともに発育・発達していく存在である”ということ。どんなに病気や障害があっても、「その子なりに」「その子らしく」成長しているのです。大人はどうしても、周りと比べたり平均値を気にしたりして、「自分の子どもに足りないこと」を探しがちです。しかし大切なのは、子どもがどれだけ成長したかをしっかりとらえてあげること。「いつまでも逆上がりができない」「九九も間違えるし」と“できないこと探し”をするのではなく、昨年と比べて“できるようになったこと探し”をしてみませんか?親子で話し合ってみれば、きっと親が気付かなかったこともたくさん出てくると思います。それを「すごいね!」と褒めてあげてください。子どもは意外と「乗り越える力」を持っている1年を振り返ると子どもの成長を嬉しく感じる反面、環境の変わり目となるこの時期は、親御さんにとって特に心配事が多いものですよね。進級前だからこそ不安になりやすいことについて、いくつかアドバイスをさせていただきます。【親御さんからの質問 1】子ども以上に、親である自分のほうが新しいクラスへの不安を感じています。毎年クラス替えがあり担任も変わるので、「次はどんな先生になるのだろう」と気になるし、「〇〇先生にまた担任になってほしいよね」とか「若い先生はちょっとね~」などと子どもの前で言ってしまうことも。「いいクラス・先生でありますように」と祈る気持ちでいるのですが、子どもにもこの不安が伝わるのは、やっぱり良くないでしょうか?1年は早いもので、やっとクラスの友だちや担任の先生に慣れたと思ったら、もう新学期がやって来ます。今度は誰と一緒のクラスになるのか、どんな先生が担任になるのか、それは気になりますね。学校では多くの場合、校長先生やそれまで担任だった先生たちが集まってクラス編成会議を開き、新たな担任を誰にするか決めたり、子どもたちのクラス分けを行なったりします。子ども全員をトータルに見てできるだけ偏りがないように決めますので、今まで親しかった子同士が離れてしまうこともあるかもしれません。新学期が始まってすぐの時期は、前のクラスの友だちと遊んでいる子もいます。ですが、2月号『気になる我が子の「友だち」問題。親は介入してもいい?嘘つきな友だちへの対処法は?』でもお伝えしたように、子どもはクラスが変わっても、席が隣になったり、勉強のグループが一緒になったりすることで、次第に新しい友だちを作っていくもの。学校で子どもたちのそんな様子を見ていると、「子どもって、大人が考えている以上にすごいな!」と感心させられます。これは、担任に対しても同じです。担任が変わると、「これまでずっと女の先生だったのに、初めて男の先生になってしまった」とか、「これまではベテランの先生だったのに、今度は新任の先生なんだ」などと、いろいろ戸惑いがあるでしょう。「先生との相性がいいか、悪いか」も心配になりますね。でもこうしたことは親のほうが気にしているもので、子どもは意外に乗り越える力を持っていて、子どもなりの距離感をとって過ごしています。長い人生の中で、この経験はとても大切なんですよ。ですから、親は子どもの前で担任を悪く言わないこと。もし気になることがある場合は、担任に直接話すか、校長先生や教頭先生に相談するといいでしょう。子どもの中には、環境の変化に慣れるのに時間がかかる子もいますが、家庭が落ち着いていて安心できる場所であれば、必ず乗り越えていきます。親御さんは、学校の変化に一喜一憂するよりも、「子どもが家に帰ったらホッとできる家庭づくり」を心がけましょう。いつも「完璧」を求めない。少し「いい加減」になろう【親御さんからの質問 2】親に言われないと学校の用意をしないときや、連絡帳に書いてあるはずの宿題をやろうとしないとき、つい「もう〇年生になるんだよ?このままで良いと思う?」などと言ってしまいます。いつまでも小さい子ではないのだから、親としてはもっと自分で気づいて行動してほしい。でも、発破をかけたらかえってプレッシャーになってしまいますか?成長途上にある子どもにどう声をかけたらいいのか、いつも悩みます。子どもには、子どもの思いや都合があるものです。とは言え、子どもがやるべきことをやらない様子に、いつまでも目をつぶっているわけにもいきませんよね。ですから、年度初めにいくつか約束をしておくといいと思います。たとえば「遊ぶのは、宿題をすませてから」「時間割は必ず前日に整えておく」などの決まりを作り、それを習慣化するのです。でも、いつも決めたとおりにやれないのが子どもの特徴でもあります。たまには「今日はお母さんが手伝ってあげる日(スペシャルサービスデー)」があってもいいでしょう。親も子どもも少し「いい加減」な部分があってもいいのです。最近は、何でも決めたとおりにやらせるべきと考える親や、どんなことも頑張らなくてはいけないと考える子どもが増えているようです。でも、「〇〇をしなければならない」というプレッシャーを背負った子は、いつしか自分の力量を超えてまで頑張ろうとしてしまい、息切れしてしまうおそれがあります。頑張って頑張って無理をしすぎると、学校へ行くためのエネルギーが切れてしまうこともあるのです。(参照:9月号『夏休み明けに「不登校」が増えるのはなぜ?親が知っておくべき子どものSOSサインと対処法』宿題も時間割も、たまには忘れていくこともありですよ。「忘れたときには自分が困る」という体験も貴重です。1・2年生では少し親が手伝いながら宿題をやらせたり時間割をそろえたりさせ、3年生以上になったら手はかけないで声かけだけ、というように、子どもの成長に合わせて大人の関わり方を変えていけるといいと思います。つまずきのサインは、「豊かな親子の会話」から見出す【親御さんからの質問 3】3年生になると6時間授業が増えたり、学習教材が増えたり、勉強が難しくなったりすることを、子ども本人がやけに不安がっています。「あーあ、3年生になるの大変だなぁ……」とため息をつくことも。特に3年生は勉強の面で差がつきやすくなる時期だと聞くので、今からそんなに自信を失っていてはとても心配です。気持ちの揺らぎに早めに気づいてあげたいので、子どもの言動で注意すべき点があれば、教えてください。「9歳の壁」「10歳の壁」という言葉があるくらい、3年生というのは苦手な科目がでてきやすい時期であることは確かです。勉強面以外でも、自分とほかの子を比べて劣等感を抱くなど心理面での問題を抱えやすいのも、この時期の子どもの特徴と言えます。そんな子どものつまずきのサインに気づいてあげるために何よりも大切になるのが、豊かな親子の会話です。まずは「学校に行くことが楽しいかどうか」を子どもに聞いてみてください。会話の中で、子どもが学習に関して「わからないから嫌い」とか「つまらない」というような言葉を言ったら、その理由を聞いてあげましょう。12月号『自己肯定感を育む、親子コミュニケーション。「聞いて!」「あとでね」の正解』でも書きましたが、たとえ短い時間でもしっかりと「子どもに心を向けて」、子どもの悩みや気持ちを受け止めてください。「親に何でも受け止めてもらえる」と感じる子どもは、学校の勉強で感じている戸惑いも正直に親に打ち明けるものです。逆に、話を途中で切り上げたり、「なんでそんな簡単な問題を間違えるの!」などと叱ってしまったりするような親は、子どものつまずきにすぐに気づくことはできないでしょう。そして、子どもがどこでつまずいているのかがわかったら、家庭学習で親が少し手をかけてあげることも必要です。学校公開日などに参加し、授業風景を見て子どもの様子を確認することも大切ですね。また、「寺子屋」とか「放課後補習」といった名前で、授業時間以外で子どもの学習を見てくれる学校もあります。つまずきがあればこれを利用するのもいいでしょう。親として、子どもの学習面のことは大いに気になるところだと思いますが、小学生の学力を高めるのは机上での勉強だけではありません。多様な生活経験が、学力向上の一端を担うのです。家庭の手伝いをさせたり、休みの日には親子でいろいろなところに出かけて自然や動物と触れ合ったりなどして、体験的に学べる機会を増やすことで、子どものトータルな力が伸びていきますよ。子どもたちに「自分は愛されている、大切にされている」という実感を1年間『まなびの保健だより』を連載させていただきました。皆さんの子育てのヒントになるものはありましたでしょうか。ここで、連載の初回、4月号でお伝えしたメッセージを改めて書かせていただきます。「しっかり食べる」「たっぷり眠る」「からだを動かして友だちと群れて遊ぶ」「安心して受け止めてくれる大人がいる」の4つが家庭で保障されている子どもは、少々のことがあっても十分乗り切ることができます。最近は、この4つが崩れていることが多いのですが、これぞ家庭の役割です。4つのことをしっかり満たしてあげれば、子どもは新たなことに挑戦したり、失敗してもまたチャレンジする意欲を持てたりします。これぞまさに、心身ともに健康に育つための「4大栄養素」と言ってもいいでしょう。(4月号『親の心配は子どもの負担になる。新学期に大切な「聞く」より「聴く」の実践法』より)子どもの成長は、本当にひとりひとり違います。周りと比べて一喜一憂するのではなく、我が子の成長を信じて「この子は大丈夫」という信頼の目を子どもにそそぐことがとても大切です。そして、家庭では子どもの成長を支える4大栄養素をたっぷりと供給してあげましょう。これからの社会は、どのように変化していくのか読めない部分がたくさんあります。でも人間は、「自分は愛されている、大切にされている」という実感があれば、たとえ多くの困難があっても乗り越えることができるもの。家庭の役割で一番大切なことは、この実感を子どもたちに持たせることです。子どもたちがこれからも、自分らしく元気に育ち、健やかに学べることを、心から願っています。
2020年03月06日ウーマンエキサイトの読者のみなさん、こんにちは! 8歳と5歳のやんちゃ兄弟を育児中のなーみんです。あと少しで新学期!お子さんが小学校に入学という方も多いのではないでしょうか?今回は「登校」についてプチトラブルになったエピソードをご紹介します。■小学校へ入学! 学校へは誰と行く?ところでお子さんが通う小学校は集団登校ですか? とれともそれぞれ自由登校ですか?うちは後者で自由に登校です。もともと保育園と自宅が少し離れていたため、園の中に同じ小学校に通う子が3人しかいませんでした。その3人とも特別に仲が良かったわけではないので…、ちょうど3年前の今頃は「学校、誰と行くんだろう…」と悩んでいました。そしてついに保育園を卒園。その数日後に近くの公園で遊んでいると、同じ小学校に行くという〇〇君と出会いました。〇〇君はお父さんの転勤で年長さんの後半に入ってきた子で、クラスも違ったので長男とはあまり関わりがありませんでした。〇〇君のママとちょっと立ち話をしていると小学校の登校の話に。すると〇〇君のママがちょっとびっくりすることを言い始めたんです…!えぇ…!! まさかの一方的な約束…!その時はここまで言われたら断れないし、1人で行かせるよりかは良いかな? と思って〇〇君と行かせることにしました。入学後は問題なく行っていたのですが…、1年後ちょっとしたトラブルに発展。■他の友達と行きたい長男長男が他の友達と行きたいと言いだしたんです。小学校で自分に合う友達ができ、その子も近所に住んでいることが判明。でも登校を断ったら〇〇君を傷つけてしまうのではないかと悩みに悩んだ結果…〇〇君のママに、・〇〇君を傷つけてしまう事になったら本当に申し訳ないということ・決して仲間外れとか〇〇君が嫌いとかそういう事ではないことということをちゃんと伝えて謝り、朝の登校をお断りさせてもらいました。気まずくなったりすることもなく円満に解決できて良かったですが、最初にきっぱりと断れなかった事に反省しました。小学校に行くと友達関係も変わってくるし、自由登校って難しいですね。私が子どもの頃は集団登校だったので当たり前のように近所の子と行っていたし、周りに相談できる人もいなかったので入学前は悩みました。集団登校になると保護者の付き添いがあったりいろいろと大変そうですが、どちらもメリットデメリットがありますね。
2020年03月05日こんにちは、心理カウンセラーの佐藤栄子です。これまで、子育てや夫婦関係、ママ友トラブルや自分のココロの在り方についてなど、さまざまなテーマを心理カウンセラーの立場で取り上げてまいりました。そういった記事に寄せられた「もっと深掘りした内容が知りたい」「個々のケースで対応は変わるの?」といった皆様のお悩みにお答えする連載「ココロで読み解く『ママのお悩み相談室』」。今回は、 「『夏休み明け不登校』子どもが発するSOS、原因、対処法」 という記事に寄せられたお悩みです。記事では、長期休暇期間と登校期間の生活時間配分などに気をつけながら様子を見ていきましょうとお話ししましたが、今回寄せられたのが、「先生が原因で子供が不登校ぎみになっている場合」に対するご相談です。■質問:先生と合わない我が子「我慢しなさい」と言うしかないのか…小学5年の子どもをもつ母です。4年生までは、なんの問題もなく通っていた学校に、5年生に上がってから登校をグズるようになりました。進級と同時に担任が変わり、子どもにかけるような言葉ではない発言をされる先生で悩んでます。学校にも何度か相談しましたが改善しません。これからどうしていけばいいでしょうか? 子どもに「我慢しなさい」と言いきかせるほかはないのでしょうか? ■回答:まずは子どもの気持ちを受け止め「あなたの味方だよ」と伝える子どもの登校しぶりの原因が、担任の先生にありそうなことはわかっているのですね。では、もし子どもが学校を休みたいと言うならば、一旦気持ちを立て直す意味でも、お休みさせてよいと私は思います。親としては当然心配ですし、不安になる気持ちもあると思います。しかし、まずは「先生が何と言おうと、親は絶対にあなたの味方」ということを子どもに話し、安心させてあげることが先決です。おそらく、子どもは先生の心ない言葉で自信をなくしたり、傷ついているのでしょう。その気持ちを受けとめ癒してあげるほうが、無理して登校させるより大切だと感じます。そして、お母さん自身も一緒にゆっくり休んで元気を取り戻しましょう。■「先生だからといって絶対正しいわけではない」ことを話すでは、これからどうしていけばいいのでしょうか。子どもに「我慢しなさい」と言い聞かせることは、私はあまりおすすめしません。「先生の言葉に納得できないかもしれないけれど、あなた自身が学校で面倒な存在になってしまうから、無理にでも納得すべき」と子どもに我慢を強いてしまうと、「親は自分の味方にはなってくれない」と子どもに不信感を抱かせてしまうからです。子どもには「先生の言うことが、いつも絶対正しいわけではない。だからと言って、間違っているわけでもない。正誤ではなく、それがこの先生の考え方というだけ」と伝えるのはいかがでしょうか。例えば、先生が「男子のくせに、こんなこんなこともできないのか?」と発言したとします。しかし、それは真実でも正しいことでもなく、その先生が「男子=できて当然」と思っているだけ。世界中の人みんなが同じ考えではないのですから、「自分はダメだ」などと落ち込む必要はないのです。この先生が実際はどのような言葉をかけているのかはわかりませんが、おかしいと感じた時「どういうことですか?」「では、どうすればいいか教えてください」と子どもから聞き返すように促してもいいかもしれません。ただし、これは子どもの性格によってできる・できないがあるでしょう。先生の言葉があまりにも感情的な内容であれば、「真に受けなくていいよ」と聞き流すようにアドバイスするのもいいでしょう。本来、「先生」とは人格が優れ、周りのお手本となる存在であってほしいものですが、必ずしもそういう人ばかりが教職を選ぶわけではないのがとても残念ですよね。同じように感じている保護者がほかにもいるかもしれません。目に余る発言が続くようなら、ほかの保護者にも働きかけるなどして、学校へのアプローチは続けたほうがいいと思います。■不登校を防ぐ「反面教師からの学び」と「学校内の逃げ場」かつては、親や先生、上司の言うことを何も考えずに「はい、はい」と聞いていれば一生安泰で、穏やかな老後が待っていると大多数の人が考えていましたし、実際その通りの場合も多かったでしょう。しかし、現在は全く違う世界になりつつありますよね。変化の早い今の時代を生きていくためにも、子どもの頃から自分の頭で考え、行動する力が求められています。そういった力を養う意味で、この先生の言動を教材としてみてもいいのではないかと思います。子どもには「先生にどんなことを言われ、どんな風に嫌だったかをママに話してね」と伝えておき、子どもの言葉にきちんと耳を傾けましょう。子どもが先生の言葉をどうとらえ、それに対しどのような判断を持ったか、自分ならどのように相手に伝えようと思うかなどを聞きます。その子どもの考えを親が認めてあげたり、違う視点を提供したりすることで、子ども自身に自分で考え対応する力がついてくると思います。また、担任以外で、子どもの気持ちに寄り添ってくれる先生を学校内で見つけておくというのもいいでしょう。担任に何を言われても、気持ちをわかってくれる先生がほかにいるという「逃げ場」が学校にあると思えば、子どもも少し気が楽になるのではないでしょうか。今はつらいかもしれませんが、親が笑顔で子どもに「絶対に味方でいるから、あなたは何があっても大丈夫」と伝えてあげれば、子どもも少しずつ自信を取り戻すでしょう。先生より誰より、ママに信頼されていることが子どもにとっては一番励みになりますからね。これからも皆さんのお悩みに答えていきたいと思います。お気軽に、下の読者アンケートにお寄せください。お待ちしております。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2020年02月20日宿題をやったことがなかった小学校時代と将来のために本気で勉強した高専受験出典 : 私は昔から、興味がないことにはまったくやる気が出てこないという特性がありました。おそらく深くて狭い領域に興味を持つASDの特性と、自分にとって刺激的なものでないと集中できないADHDの特性がかみ合った結果なのかなと思っています。例えば小学校のころはよく宿題が出ていたのですが、そのほとんどは提出はおろか手すらつけていませんでした...。先生には毎回怒られ、宿題を集めるときに肩身が狭い思いもしていたので、たまに気が向いたときには誰にも読めなくてもいいからとにかく早く書いて宿題を片付けたりして、なるべく時間をかけずにこなしていた記憶があります。そんな私でも、高専の受験は本気で取り組みました。小学生のころは不登校にもなりましたが、中学生になった私はようやく「将来プログラマになりたい!」と思うようになり、その第一歩が地元の高専に進学することだったからです。それまでは宿題すらろくに取り組まなかった私でしたが、高専受験のときは家で参考書を見ながらほぼ毎日勉強をしていました。自分にとっての目的がはっきりしていれば家でしっかり勉強できることがわかり、自分でも驚きました。得意不得意がはっきり分かれた高専の成績出典 : 高専進学後は、小学校高学年のころからずっと勉強しようと思っていた、プログラミングの勉強ばかりしていました。夏休みのバイトで得たバイト代のほとんどを専門書につぎ込んでいたり、晩ごはんを食べて寝る準備をしたら寝るまでずっとパソコンや専門書とにらめっこしているような状態でした。そのおかげか、プログラミング関連の教科はいつもかなりいい点数を取ることができていました。強い興味がある教科だと、自然と集中して取り組むことができて、少ない時間でしっかり覚えることもできました。さらに意外なことに、プログラミングに関係がありそうだなと思っていた物理などの教科についてもそれなりにいい点数をとることができていました。まったく興味がなかった電気系の教科は、いつも赤点ギリギリのひどい状態でしたが...とはいえ得意なプログラミングを好きなだけできていたので、とても楽しい学生生活を送ることができていました。興味がないことでも成果を出さなければいけない...社会人生活で感じた困難出典 : 学校を卒業してシステムエンジニアとして就職、大好きなプログラミングを仕事にすることができたのですが、仕事の中ではまったく興味がない分野のタスクもこなすことが求められます。例えば説明用の資料作成だったり、他の人と協力してひとつのものを作り上げたり。仕事なので期日もあり、やらないわけにはいかないのですが、どうしても集中して取り組めず、「他の人の倍以上の時間をかけてようやく人の半分くらいのものができあがる」ということがよくありました。社会人になってすぐのころは、この「興味を持てないけれどもやらなければならないこと」へどう取り組むかがずっと自分の中での課題になっていて、数年間悩んでいました。それから色々と試してみて・・・出典 : 「興味を持てないけれどもやらなければならないこと」へどう取り組むかーーそのなかにはうまくいったものもあれば、まったくうまくいかなかったり、逆効果になってしまったりというものもありました。その一部をご紹介いたします。結論から言うと、私にとってこれは全然うまくいかないどころか完全に逆効果でした。思い込みで好きになろうとするのは、興味がないまま自分なりにやってみる以上に疲れるものでした。ただ、数年間試行錯誤してみて『そのタスクが好きな人にどこが好きなのか聞いてみること』は自分にとって少し効果があるように感じました。自分が興味を持てないことでも、得意だったり好きだなと思っている人は誰かしらいます。そういう人に話を聞いて好きなポイントを知ることで、自分の中でそのタスクへの見方が変わり、興味を持てるようになることがありました。興味を持てないタスクをこなしていると、集中できず周りのいろんなことが気になり、ますます作業が進まない...という悪循環に陥ります。そういうときには会議室を借りるなどして、”そのタスクしかできない状況”に自分を追い込んで何とかこなしていました。興味がないことに取り組むとかなりのストレスがかかるので、終わった後には好きなものを食べるなど、ストレス発散するイベントをセットで用意しておくのもポイントかなと思っています。ストレスが溜まる方法でしたが、とりあえず目先のタスクを何とかするためには多少効果がありました。高専のときにプログラミングと関連する教科を好きになったように、興味を持てないタスクについても自分が好きだったり興味があったりする分野と関連する部分を探してみるアプローチです。うれしいことに、これは自分にはある程度効果がありました。例えば興味がない分野の資料作成をするときには、「こういう風に表現するとプログラムの設計書を書くときにも使えそう」とか「もともとの資料のこの書き方、すごくいいな。次に技術系の資料書くときにマネしてみよう」というように、自分が興味を持っている分野に活かせそうなポイントを探しながらタスクをこなすよう意識してみました。この方法は興味があれば集中できる私にはピッタリでした。どうしても集中できなかった仕事もちょっとだけ楽しくなって、それまでよりも集中して取り組めるようになりました。いろいろと試行錯誤してみた結果、いまの私が心がけていること出典 : 十数年をかけて試行錯誤し、私の場合興味がないことに対してはかなりの工夫をしないと集中して取り組めないのだということがわかりました。色々と試してみましたが、興味がないことをやらなければならないときには、もともと興味を持っている分野に関連させて取り組むのが私には合っているようでした。もちろんどうしても難しいときもありますので、そういうときには他のことができない状況にして、無理やりなんとかする方法をとっています。もし私と同じような特性のある当事者の方は、興味がないことに取り組む際にはもともと興味を持っているものと関連する部分を探してみるのはいかがでしょうか。そしてどうしても関連するところが見つからないときには、周りの方を頼ってみると自分ひとりだけでは気づけなかった視点での発見があるかもしれません。サポートする側の方は、その方の興味に関連する部分を探す手助けをしていただけたらなと思います。今回のお話が、発達障害当事者の方とその周りの方のご参考になれば幸いです。
2020年01月31日計54名様に!日々のお子さんとの関わりに役立つ書籍をプレゼントしますLITALICO発達ナビでは、書籍レビューコラムや新刊情報コラムにて、発達障害や子育てに関する書籍の情報をお届けしています。今回は4周年を記念して、発達ナビユーザーの皆さまに書籍をプレゼント!各出版社様にご協力いただき、さまざまな種類の書籍が集まりました。ぜひ興味のある書籍を選んで応募してください!4周年書籍プレゼントキャンペーンの応募期間は、2020年1月31日(金)まで。下記の応募要項を確認の上、ぜひ奮ってご応募ください!【応募要項】■ご応募はお1人様1回までです。■当選した方には、書籍の送付先をお伺いするため2月14日(金)までにメールにてご連絡いたします。ご応募の際は必ず受信確認ができるメールアドレスをご入力ください。※ご連絡が取れない場合、期日までに送付先情報がいただけない場合には、当選は無効となります。■個人情報取扱の注意事項にご同意の上お申込ください。お申込いただいた時点で同意いただけたとみなします。子育てや支援の考え方について考えたいときに読みたい7つ多くの発達障害の方を診てきた精神科医の田中康雄先生が、日々お子さんや親御さんと関わる中で大切にしている考え方に触れることができます。医師として診断名をつけることはもちろん大切ですが、診断名でその子を捉えるのではなく、一人ひとりの思いに目を向けてその子や家族に合った関わり方を一緒に考えることを大事にする田中先生。その姿勢は保護者や支援者としての子どもたちとの関わりにもヒントを与えてくれそうです。富山県砺波市にある「みやの森カフェ」は、さまざまな人が訪れ、誰にとっても居場所になります。障害の有無も老若男女も関係なし。海外からきた人も不登校の人も...みんなが「カフェのお客さん」という共通点でつながり、心地よいコミュニティが形成されていきます。福祉でもない、支援でもない、新しい形の居場所はどのように成り立っているのでしょうか。その魅力と可能性が詰まった一冊です。感情や行動を自分自身でうまくコントロールできない子どもたちを支援する際に必要とされる、子どもの心理を読み解く理論やアプローチ方法を、仮想事例を用いて分かりやすく解説している専門的な書籍です。子ども本人との向き合い方から、生活の基盤となる家族や地域環境との関わり方といった環境へのミクロアプローチ、社会システムのあり方のようなマクロ環境へのアプローチまで幅広い視点から説明されており、支援者がより質の高い支援を提供するために知っておきたい知見が詰まっています。発達ナビでコラム連載中のかなしろにゃんこ。さんの著書です。ADHDと軽い自閉症スペクトラム障害があるリュウ太くんの、「キレやすい」「イライラしやすい」「おしゃべりが止まらない」といった行動にずっと悩まされていたかなしろさん。その行動の理由を、大人になったリュウ太くん本人が語ってくれています。前川あさ美先生(東京女子大学教授)の解説も交え、「行動の理由や背景」を解き明かしていきます。どうして?と頭を抱えてしまうような行動があっても、その背景を理解した上で関わることで、きっと子どもは成長してくれる...かなしろさんの楽しい漫画とともに、発達障害のわが子との向き合い方を学んでみてはいかがでしょうか。発達ナビでもコラムを好評連載中の寺島ヒロさんの、発達障害のあるお子さん2人とのエピソードがまとめられたコミックエッセイです。大変なこともたくさんある日々の中でも、好きなこと・得意なことはのびのびと取り組ませ、できないこと・苦手なことは理由を探しながらあたたかく見守る様子は、読んでいてほのぼのとした気持ちになれます。子どもたちのありのままを受け止めて楽しむ寺島家のお話は、肩の力を抜くことの大切さに気づかせてくれそうです。発達ナビユーザーへのアンケートから、ニーズの高かったお悩みについての考え方を紹介している書籍です。監修は鳥取大学大学院教授の井上雅彦先生。日常生活、学校生活、人間関係など、小学生はさまざまな場面で困りごとに直面します。その際、どのように子どもと向き合いサポートしていくのがよいか、その答えは1つではありません。本の中では3つの対策が提案されています。複数のサポート方法に触れながら、ご自身のお子さんにはどんなサポートが合っているのかを考える参考にしてみてはいかがでしょうか。二次性徴でのからだの変化の大きさや、女子グループ特有のコミュニケーションの複雑さなどから、女性が抱えるストレスは思春期前後から大きくなっていく場合があります。周囲から見えにくく自分自身でも認識が難しいこうした困難について、この本では、「からだ」「こころ」「関係性」の3つの軸から理解し、支援していくことが提案されています。発達障害のある16人の女性たちの実際の支援事例が紹介されており、当事者、保護者、支援者がどのように困難を理解し、サポートを受けてどのように変化していったかを事例を通して知ることで、現在またはこれから思春期に入る女の子のサポートを考えるヒントが得られそうです。支援方法を学べる事例やワークが詰まった書籍発達ナビでもコラムライターとして大人気の、かなしろにゃんこ。さんの著書。話す・聞く力を身につける「イイトコサガシ」のソーシャルスキルのワークショップの内容が、かなしろさんと長男リュウ太くんが実際に参加した様子の漫画とともにまとめられています。会話力を伸ばすためのワークとそのポイントが分かりやすく解説されており、家庭でも支援の場でも実践できそう!2017年に刊行された書籍『発達が気になる子の脳と体をそだてる感覚あそび』(合同出版)で紹介されている68の遊びがさらに明確化・具体化され、支援の際に活用しやすいカード型で発売されました。カードには身体のどの感覚・機能を伸ばすかや、遊びに必要な人数・場所などがアイコンで分かりやすく記載されており、子どもの得意不得意や環境に合わせて取り組む遊びを選択できます。各カードにはQRコードもついていて、動画で遊びの流れが確認できるので、保護者や支援者がどのように遊ぶか事前に確認し、より適切な支援を行うことや、遊び方のモデルの提示がスムーズにできることも特徴です。コミュニケーションが苦手という人でも、「この場面ではこうする」というような、状況に合わせて「うまくいくスキル」を身につけられれば、楽しく過ごせたり、自立や就労に繋げることができたりする場合も。この本では「声の大きさの調整」「困ったときに助けを求める方法」など苦手な子どもも多いスキルがワークになって紹介されています。ワークには子ども自身が考えて記入できる欄もあり、子ども自身も取り組みやすい設計になっています。支援者向けの指導のポイントやQ&Aページもあり、子どもがスキルを獲得するためのヒントがたくさん詰まった一冊です。発達が気になるお子さんを育てたり支援したりする中で、「どんな支援が必要なのか」と不安に思う場面もあるかもしれません。そんなとき、子どもの発達の段階と現状の課題が把握できると、接し方を考えやすくなります。この本では、その子の発達段階や困りごとを”見える化”するシートとその活用方法が紹介されています。見える化した子どもの様子は、子育てや支援の見通しを立てる際にはもちろん、専門家に相談する際の情報共有に使用することも。著者は特別支援教育コーディネーターの安部博志先生。教育現場で実際に使用しながら、専門的な知識がなくても活用できるようアップデートを繰り返して刊行されています。性の行動に関して正しい知識を身につけることは、自分の身を守るためにも他者を傷つけないためにも大切です。そんな性の行動に関しての知識を、発達障害のあるお子さんでも学びやすいよう具体的な指導方法とともにまとめた書籍です。月経指導用グッズ、性感染症の液体実験、恥じらいやマナーの学習用カードなど指導に使用できるアイディアも多数紹介されており、性教育の実施に活用できます。子ども自身が考えられる4コマ漫画形式のワークもあり、日常の中で遭遇するかもしれない問題を学んでおく際にも役立てられるので、支援者だけでなく保護者が読んでも参考になる一冊です。さまざまな感情がうまれる毎日の中で、自分の感情とうまくつき合うことが難しい子どももいます。そして感情との向き合い方の中でも、どのように感情を言葉にすればよいかが分からなかったり、感情のコントロールが苦手であったりと、困りごとの種類も多様です。この本では、場面ごとに自分や他者の感情に気づき、感情を調整すること、友達とうまく関わることなどの方法やコツを学ぶことができる50ワークが、さまざまな場面設定に合わせて紹介されています。お子さんが気持ちを大切に育んでいけるよう、一緒に読み、活用してみましょう。将来就職できるのか、ひとりで生活していけるのか――大人になる前に身につけて欲しいことはたくさんありますが、どのように教えていけばよいのでしょうか。本書では、思春期の子どもに身につけてもらいたい身だしなみや家事、お金やスケジュールの管理、コミュニケーション方法などの具体的なスキルの教え方が紹介されています。また、家庭学習、ゲームや動画サイトの閲覧など気になる人が多いテーマについて、実際のご家庭での取り組みやエピソードを紹介するなど、実用的な内容を多数取り上げていることも特徴です。悩みや子育ての難しさに寄り添いながらも、将来に向けて踏み出す保護者をサポートしてくれます。お子さんの日々の学習をもっと学びやすく!苦戦するお子さんも多い時計の読み方を、特別支援学校教諭が日々の指導の中で作成した教材をもとにスモールステップで学べるワークです。短針、長針をステップを分けて読む練習をしたり、前半はメモリの数字が細かく振られていたりと、段階にわけた補助も活用しながら理解を深めることができます。「がんばりシール」「ごほうびカード」もついており、お子さんの達成感を大切にしながら学習をすすめられそうです!視覚に障害のある子どもたちを教える教員で構成される日本視覚障害社会科教育研究会がつくった、使いやすい工夫が詰まった「みんなの地図帳」。必要な情報だけに絞り、色使いも配慮しているのでシンプルで見やすく、また図の読み方を身につけやすいレイアウト設計にもこだわっているため、情報を探し出すのが苦手な方でも使いやすいデザインになっています。1ページあたりの情報量は減らされていますが、小学校と中学校の学習内容はすべて記載されており、学校の学習にも活用できます。
2020年01月20日4周年を迎えたLITALICO発達ナビ!発達が気になる子の保護者や支援者の居場所にUpload By 発達ナビ編集部LITALICO発達ナビは2016年1月26日、発達障害ポータルサイトとしてオープン!2020年1月26日で4周年を迎えます。・発達障害について分かりやすく伝えるメディアに・発達が気になるお子さんの保護者や支援者の皆さんが悩みや不安の解決のヒントを見つけられるように・日本の、世界のどこに住んでいても仲間と出あえる場所にそんな想いで、運営してきました。現在、会員数は15万人を超え(2020年1月8日現在)、多くのユーザーのみなさまにご利用いただいています。発達ナビには、今年度スタートした新しい機能の「ダイアリー」をはじめ、様々な機能があります。■ダイアリー子育ての記録や日々の想いを綴ることができる日記機能。公開範囲を選ぶこともできます。新たにハッシュタグ機能もつき、キーワードでの検索もしやすくなりました。悩み事のヒントを他のユーザーの皆さんの投稿から見つけたり、仲間を見つけやすくなるハッシュタグ機能も、ぜひ活用してください■タイムラインユーザーさんが自分の気持ちや日々の出来事をつぶやき、他のユーザーさんと交流できます■みんなのアンケート発達ナビからのさまざまなテーマのアンケートに参加。他の回答も見られるコーナーです■Q&Aユーザーさんが自分の聞きたいことや悩みを質問できます。投稿に対して他のユーザーさんから回答が集まります■コラム当事者ママの体験談や専門家のコラム、発達障害についての概説コラムやニュース記事が読めます■コミュニティユーザーさん同士が交流できるコミュニティがたくさんあります■親子のヒント子どもの困りごとに関して、臨床心理士や作業療法士の専門家がヒントを紹介!イラストつきで対処法が分かります■施設情報発達が気になる子どもたちが利用できる全国の施設が検索できます4周年を迎え、さらに機能の充実を予定しています。2,000を超える掲載コラムをより検索しやすくする準備も進めています!発達ナビに出あって、どう変わった?ユーザーアンケートから2020年の元旦から、発達ナビではユーザーの皆さまにアンケートを行っています。「発達ナビに出あって、どう変わった?」「発達ナビがどんな風だったらもっと使いやすい?」というテーマのアンケート、皆様から、さまざまな声をお寄せいただきました!その一部をご紹介します。リアルな世界にはくつろげる居場所はなかったり、違和感ばかりを感じていたけれど…。コラムなどで様々な知識を得ることができたり、ダイアリーやタイムライン、Q&Aなどで他の保護者の皆さんの意見や体験談を知ることで、一人じゃないと勇気づけられ、お子さんとの関係もよくなった、という方もいらっしゃいました。毎日かかってくる学校からの電話。クラスのお友達の家に謝罪や、壊してしまった物の弁償。大騒ぎや、耳を防いで座り込む姿で授業に参加出来ていない姿を見る授業参観…。リタリコ発達ナビに出会い、自分だけが悩んでいる世界から、視界が拡がり大袈裟かも知れないけれど、独りじゃないって感じる事が出来ました。一生懸命に言い聞かせ○○しなさいってガミガミな母から、息子の気持ちを聞き解決策を一緒に考える母に成長出来たのも、リタリコ発達ナビのお陰です。学校で、初めてやる事への不安。家に帰ってからの母のガミガミ。息子からしたら、くつろげる場所も無く拷問の様な日々だったに違いありません。あの拷問の日々から、脱出して、息子の成長も相まって、現在は、内服薬が無くても、何一つパニックになる事や大きなトラブルは無い状態迄に成長しました。(のっぺさん)発達ナビで一番助かっているのは、同じような方の声をたくさん見ることができることです。同じような質問を見ても、大手検索サイトの回答はいわゆる「定型の子」向けの教科書的なものが多いと感じます。その点、こちらでは「発達に難がある子」向けの回答なり体験談だったりするので、参考度合いが全然違います。これだけ同種の母が集うところも少ないのでは?今では、PC立ち上げてまず開くのがこちらのサイトになりました。苦労しているのは自分だけではない、といつも勇気をもらっています。(Reiさん)基礎的な知識を深める内容から、実体験を元に書いていただいたたコラム、そしてみなさんのタイムライン。一人として同じはなく人それぞれの特性がある中、悩みながらも前進されている皆さんの存在に勇気をもらっています。自分ひとりではとても調べきれない色々な事がここに集約されていて、大変助けられています。(ゆっきーさん)気持を書き出すことで整理でき、落ち着くことができるという方も多くいらっしゃいます。新しくリリースした「ダイアリー」は、子育て記録として、仲間との交流ツールとして、活用いただけています。気持ちを吐き出す場所。日記にだったり、Q&Aだったり。誰かに聞いてもらっていると思う事に救われる。書いたり読んだりしてるうちに気持ちが落ち着く。(にこにこぷんさん)ダイアリーしか活用できてないですが、コラムもとってもお勉強になっています。周りに話せないことをたくさん書かせて頂いて、共感して頂けていいね!をもらい「自分でだけ悩んでるわけじゃない」と思えます。(ルーシーさん)実生活でも、発達ナビでユーザーの皆さんからの後押しで大きな一歩を踏み出せたという人も。一番大きな変化は、発達グレーというやつかも。と疑い、学校へそう伝えているものの、専門機関へ繋ぐ勇気が持てず、また繋げる方法も分からず居ましたが、こちらで皆さんに背中を押して頂き、学年主任の助言を得て、小4の2学期になって初めて市の専門機関と隣市の児童精神科受診に繋げる事ができた事です。大きな一歩でした。(ヒヨコさん)発達ナビユーザーとの交流の中で、お子さんのペースを大切に、自分らしく成長していければ…と自然と思えるようになってきたという声も寄せられました。心の拠り所ができました。身近な人達には愚痴りづらい事もこちらでは吐き出せるし、皆さんからアドバイスも頂けます。子供の事も今までは、定型に近づけたい!と言う気持ちが強かったのですが、LITALICOさんに出会い、気持ちを大切にしてこの子のペースで成長していけば良いんだ。と変わりました。今まで、一人で悩み孤独だった気持ちが少し癒されたように思います。同じように悩み試行錯誤している仲間がいる!と勝手に思わせてもらい、頑張る気力にしています。(はむはむさん)変わったこと…意識でしょうか。一年と少し前の私は思いやりの気持が持てるようになって欲しいと息子に望んでいたけど、今は自分らしく生きられるようにと願っています。上っ面しか見てなかったなと思います。リタリコのおかげで理解が深まりました。受診予約を待たずして的確なアドバイスをたくさんもらえたり、どんな時間帯でも吐き出せたり、交流させてもらえたり、本当に助けられています。(ニナさん)いつでも寄り添ってくれる仲間、戦友に出あえたという声もたくさんありました。リタリコに登録した頃の息子は深夜3時まで眠らないか深夜3時に起きるか、しかも私を巻き込む形のこだわり有り、という状態でした。どんな破天荒な時間にタイムラインを更新しても5分以内にハートがつくリタリコで顔も知らない戦友に出会えました。ありがたい事です。(ロレスカトックスさん)ナビに出会えて変わった事は、一人で抱え込まずに助けられたり、支えられたり、理解されない悩みに理解されたり、本当に嬉しい世界ができた事。リアル世界もこうであって欲しい。(梛丹さん)同じように子育てに悩みながらも懸命に子育てをする仲間だからこそ、ダイアリーのコメントも、Q&Aやコミュニティでのやりとりも、あたたかで思いやりある言葉であふれています。こうした思いあえるつながりが、社会の中でもあたりまえになるように。みなさんの寄せてくださった言葉から、発達ナビも、もっと発信をしていきたいと思いました。これからの発達ナビ、どんな機能や運営を期待する?機能や取り組みについても、ご意見をたくさん寄せていただきました。その中から一部をご紹介します。発達ナビでは、年に1回行うフェスタのほか、企業の皆さんとのコラボイベントや、りたりこ研究所等が行うワークショップのご案内など、様々なリアルな場で集えるイベントも実施しています。そうしたイベントにご参加いただいた方からもご意見を頂きました。参加させて頂いたイベントではVR体験を受けさせて頂き、瑠美の感覚の一部を知る事ができました。VR体験については、色々な子供に触れ合う事がある人たちを中心に、どんどん体験をして、理解が広まれば良いと思います。また、VRが難しい人向けに普通の画面でも体験できるようなものがあれば、小学校等の道徳に役立てられるのではないでしょうか。(飛竜 翔さん)新機能のダイアリー等への機能改善のご提案もいただいています。ダイアリーは、より使いやすくなるよう、順次機能開発を行っています。ダイアリーでは、記事の削除、投稿途中の書き込みの自動保存や、投稿月ごとにみられる機能等の準備も進めています。ご期待ください。ダイアリーの、公開非公開切り替え機能が便利で重宝しています。上書き編集で対応していますが、記事の完全削除ができるといいかなと思います。(まどからさん)やコミュニティで、長々とコメントを書き込んでいざ投稿って時に真っ白になって消えてしまう時が多々あり心が折れそうになった事があります。あれってどうにかなりませんか…(モジャ子さん)検索性やコンテンツへのご意見もいただきました。既存コラムの検索しやすくるす取り組みを行っています。また、動画コンテンツなどコンテンツの幅も広げていますが、こうした新しいコンテンツにもアクセスしやすいサイトにリニューアル予定です。息子が今後色々な壁にぶつかることが出てきても、何かの打開策は何も知らなかった時からすれば、安心して見つけられそうです。今後もつぶやける環境の継続と、年齢別での悩み相談や解決法、選択肢の数々なんかを検索しやすく見られたらなと思っています。(ゆきさん)専門家の方に質問できるコーナーがあれば嬉しいです。あとは、「こういうケースにはどう対応しているか?」などをたくさんの例が知りたいので、アンケートをもっと充実させてもらえたら嬉しいです。カサンドラについてはコラムが一件あった様に思いますが、ここに登録している親、本人のケアについてももっと取り上げてもらえたら、心が救われる親が増えて、結果、子どもに良い影響が出るのでは?と思っています。(らららさん)知的障害が無いと、公的支援も少なく、対応方法を相談センターも、病院も誰も教えてくれません。でも、本人も家族も支援を必要としています。少しでも、不登校になる子ども減るように。自分の夢をあきらめずに、進んでいけるような環境があったらと思います。(上記にともなう情報や参考事例などがあるとたすかります)(ひーちゃんさん)今年度より配信スタートした動画コンテンツでは、アンケートで募集した皆さんからの質問を専門家にインタビューし、ご紹介する企画なども行っています。今後は、ダイアリーなどを活用して、より双方向型のコンテンツを作っていくことができたらと考えています。発達ナビでは、今後も幅広いコンテンツをご用意し、さらに皆さんそれぞれにとって必要な情報をより簡単に見つけられる仕組みを準備しています。ぜひ4周年を迎えた発達ナビにご期待ください。さまざまなSNSアカウントでも情報発信中!発達ナビでは、FacebookやTwitterのほか、InstagramやLINEなどのSNSでも情報を発信しています。ぜひ、活用してくださいね。インスタグラム皆さんの「発達ナビに出あって変わったこと」「変わるといいなと思っていること」をシェアしてください発達ナビを活用いただくことで変わったこと、変わるといいなと思っていること、まだまだ募集中です!をぜひお寄せください。「発達ナビと出合って変わったこと」「こんな風に使っています」「こんな機能があったらうれしいな」etc…シェアの方法は2つ!ダイアリーでシェアいただく、もしくはアンケートにご回答いただく形で受付ます。ダイアリー投稿の場合は・公開範囲を「全員に公開」にする・タイトルに【4周年アンケート】を入れる形でご参加ください!
2020年01月09日良質な睡眠は、子どもの健やかな成長に欠かせない要素です。それだけに、子どもの睡眠に悩む親は少なくありません。特に、保育園・幼稚園から小学校に進学するタイミングは、園でのお昼寝がなくなるために、夕食直前に寝てしまったり、新しい環境で気疲れして、なかなか寝つけなかったり。さらに、宿題や次の日の準備で、ベッドに入る時間が遅くなるなど、睡眠リズムが狂いがちです。ところが、この過渡期でさえスムーズに乗り越えることができる「科学的に証明されたコツ」があるのです。ニューヨーク在住で、日本人で初めて米国IPHI(International Parenting & Health Institute)公認資格を取得し、乳幼児の睡眠コンサルタントとして活動している愛波文(あいばあや)さんに話を聞きました。子どもの睡眠不足が引き起こす問題とは?「寝る子は育つ」という言葉があるように、睡眠の大切さは広く認識されています。では、子どもの睡眠が不足すると、具体的にどのような悪影響があるのでしょうか。愛波さんによると、免疫力が低下して風邪をひきやすい、運動能力が低下してケガをしやすいなどの体への影響に加え、イライラして暴力的になるなど、心への影響も大きいそうです。実際に、いじめや不登校も、睡眠習慣を整えることで改善する場合も多いとか。睡眠習慣が乱れたまま小学校生活をスタートしてしまうと、朝起きられず遅刻する、授業中に集中力が続かない、居眠りしてしまうなどの問題が起こり、学力低下にもつながってしまいます。子どもの睡眠は「コツと練習」で改善される!?愛波さんのもとには、「夜泣きをする」、「睡眠が不規則」、「夜遅くまで寝てくれない」、など、乳児から小学生まで、子どもの睡眠に関する悩みが寄せられます。二人の男の子をもつ愛波さん自身、長男出産後は、寝かしつけに苦労したそう。ところが、乳幼児の睡眠に関する本や論文を読み漁り、対処法を実践したところ、夜7時にはひとりでスッと眠ってくれるようになったとか。その感動が現在の活動につながっているそうです。「『子どもは疲れたら自然に寝てくれるはず』と思っていましたが、大きな誤解でした。脳が疲れると、ストレスホルモンのコルチゾールが過剰分泌され、さらにハイテンションになり、眠れなくなることがあります。科学的な知識とコツを知り、練習すれば、子どもの睡眠問題の大半は改善されます」とのこと。就学前後の子どもの理想的な睡眠習慣とは?各年齢における必要な睡眠時間を確認してみましょう(グラフ:National Sleep Foundation提供・愛波さん訳)。就学前の3〜5歳児は、1日に計10〜13時間の睡眠が必要です。昼寝を含めて、1日の合計睡眠量をきちんと取ること、朝自然に目が覚めるように生活習慣を整えることが大切です。昼寝をして、22時や23時と就寝が遅くなってしまう場合は、昼寝を卒業する時期だと考えてよいでしょう。とはいえ、保育園に通っていると、4-5歳でも2時間前後の昼寝時間が設けられていることがほとんどです。「体力的に昼寝が必要なくなったと感じる場合は、休日だけでも昼寝をやめて、平日よりも早く寝かせてあげましょう」と愛波さん。「合計の睡眠時間だけでなく、早寝早起きも大事です。朝自然に起きることが理想なので、遅寝の場合は15分ずつ就寝時刻を早くしてみることから試してみてください。そして、朝、きちんと太陽を浴び、セロトニンの分泌を促すことが大切です。そのセロトニンが夕方ぐらいから睡眠ホルモンのメラトニンに変わっていき、夜眠くなってきます。睡眠ホルモンのメラトニンがうまく分泌されるためにも、生活リズムを整えることがとても大切です」スムーズな睡眠を促すための3つのコツ幼児期の子どもが理想的な睡眠習慣を身につけるためのコツを、3つ教えていただきました。1. 寝る前のルーティン(生活リズム)を作る寝る前の準備を、毎日同じルーティンで行います。たとえば、「お風呂→パジャマに着替える→歯を磨く→絵本を読む→電気を消す」などですね。毎日同じ時間帯に同じ順番で繰り返すことで、スムーズに眠りにつくことができます。2. 睡眠環境を整える室温は、大人が少し肌寒いと感じる温度(20〜22度)に設定し、下着、パジャマ、スリーパー(または布団)を身につけます。部屋は暗くします。ただし、2歳頃からは想像力が発達し、暗い部屋を怖がることがあるので、その場合は、赤やオレンジなど暖色系のフットライトなどで、少しだけ明かりを取り入れます。3.安心感・幸福感を与える大人でも心配事があると眠れませんが、子どもも、幼稚園で嫌なことがあったりすると、睡眠に影響します。ママやパパと一対一で話をする時間を作り、心のケアをしてあげましょう。ブランケットやぬいぐるみなど、安心できるグッズがあるとよいですね。おもちゃは刺激になってしまうので、寝室には置かないように。添い寝は、自分たちが何も問題を感じていない場合は、そのまま続けても大丈夫。「一人寝は何歳からすべき」ということはありませんし、もしも一人寝を教えたい場合は、いつでも教えることは可能です。いかがでしょうか。やみくもに早く寝かせようとするのではなく、コツと練習が必要なのですね。愛波さんのアドバイスを参考に、親子ともに穏やかで安定した生活習慣を身につけられますように。取材協力:乳幼児睡眠コンサルタント、APSCアジア代表・IPHI日本代表、Sleeping Smart Consulting LLC代表愛波文さんHP:Instagram:Twitter:<文・写真:ライター鯰美紀>
2020年01月08日子どもには生き生きと自分らしい人生を歩んでほしい――すべての親が願うことだと思います。自らの力で、生きたいように生きるためには、“自己実現”できる人になることが必要です。子どもをまっすぐ導くためのヒントとなる「マズローの欲求5段解説(自己実現理論)」をご存じですか?今回は、ビジネスでも活用されるこの心理学理論についてご紹介し、子育てにどういかしたらいいのかをみていきましょう。現代社会で自分らしく生きるのは難しい……?インターネットが普及し、さまざまな媒体から情報があふれる現代、子どもたちを取り巻く環境も変化し、子どもたちに求められるものは増え、複雑化しています。たとえば、昔の子どもたちの“環境”といえば、自分の家族と学校と地域がほとんどでした。しかし、今は日本のみならず、世界の状況や情報が簡単に手に入るぶん、比較対象は広がり、求めるもの、求められるものも多様化し、「自分のコミュニティの中でよりよく生きる」シンプルさから、「グローバル化世界でどう生きるのか」を早い段階から求められるようになってきたのです。精神科医の香山リカ氏はこう言っています。最近は「自分でキャリアプランを描いていかないとなかなか生きていけない」と親も思っていますので、子どもには早い機会から「先のことを考えるように」と言わなければなりません。「先のことを考える」といっても何でも良いのではなく、ただでさえ「どう生きるのか」が難しくなっている中で、「生まれたからには“自分ならではの生き方”をしなければいけない」といった、いわゆる「自分らしさ」も、今の若い人や子どもたちは求められていると思います。(中略)「ただ生きる」「なるように生きる」ことができない点が、子どもたちの「生きづらさ」の一つの大きな理由です。(引用元:教育で未来をつくる ROJE|「現代の子どもの<生きづらさ>に向き合う」香山リカ氏)自分らしく生きてほしいけれど、それが大きなプレッシャーになって挫折してしまっては、本末転倒ですよね。子どもたちがどう感じ、何をしたくて、どんな学校や職業に進みたいのか、自然な流れで選んでいけるよう、サポートしてあげられるのが理想です。そのために、子どもが「今どんな状況にあり、何を望んでいるのか」を把握することはとても重要。その指標になる「マズローの欲求5段階説」について、次に詳しくご説明します。マズローの欲求5段階説(自己実現理論)とは「欲求5段階説」とは、アメリカの心理学者 アブラハム・マズローが唱えた心理学の仮説で「自己実現理論」とも呼ばれます。人の欲求は、ピラミッド型に5段階の基本的欲求から成り立つという説です。【マズローの欲求5段階説】※図は編集部にて作成下の欲求から順に見ていきましょう。生理的欲求食事・睡眠・排泄などの命に関わる生理的欲求です。まずはこの基盤の安定が子どもの成長の大前提になることは言うまでもありません。安全欲求安心、安全な暮らしに対する欲求です。健康であること、事故、暴力や犯罪などからの危険回避、経済的安定も含まれます。貧困や家庭内暴力の中で日々の生活が脅かされている子どもは、この2段階目の欲求を満たしていないことになります。社会的欲求愛情や人とのつながりを求め、どこかに所属したい欲求を持つのが3つ目の段階です。学校などの集団に属することで、社会や他者から受け入れられている安心感を感じます。いじめや不登校の問題に悩んでいる子どもは、この欲求が満たされていないのです。承認欲求社会的欲求が満たされると、次は「他者から認められたい」という欲求が生まれます。「親や先生に褒められたい」「かけっこで一番になって友だちに一目置かれたい」など、自分の存在感に注目を集めたいと思います。しかし、これは低いレベルの承認欲求。高いレベルでは、他人よりも自分自身による自己評価が重視され、努力や結果から自己肯定感が高まり、満足感を得られます。自己実現の欲求人は生活の基盤が満たされると、最終的に「自分の持つ能力を最大限に発揮して、理想の自分になりたい」という欲求を持つようになります。そのために意欲的に努力やチャレンジを続けるのです。親として子どもをサポートするとき、この欲求ピラミッドは、タイミングよく、正しく背中を押してあげるためにとても有効です。マズローの欲求5段階説(自己実現論)段階別アドバイスこの「マズローの欲求5段階説(自己実現理論)」は教員試験でも問題としてよく出されており、学校教育にも活用されています。お子さんが何に悩んでいるのか、どんな助けを必要としているのか、段階別にみていきましょう。『子育て&親業ガイド』の著者であるデイビッド・アバドラム博士と、中学受験指導のプロ・小川大介先生のアドバイスを参考にしてみました。【生理的欲求・安全の欲求には――】この2つは“物理的欲求”です。子どもが安定した生活を送るために、親がしっかりとしたベースを築いてあげましょう。規則正しい生活を栄養バランスの取れた食事、良質な睡眠、規則正しい生活など、健康管理は子どもの基盤をつくります。その重要性は理解しつつも、忙しいなかで生活バランスが崩れることもあると思いますので、定期的に見直してみてくださいね。家族の会話をたっぷりと「親に守られている」という安心感は、子どもにとって何ものにも変えがたいものです。会話により子どもの行動を把握することで、身の安全に注意を払うこともできます。【社会的欲求・承認欲求には――】3段階目からは“精神的欲求”となります。大切なのは、自分で行動することで子ども自身が「満たされている」と感じること。承認欲求が満たされないと、劣等感を抱いたり、無気力状態となる傾向があり、社会的ドロップアウトを招き兼ねませんので、注意が必要です。子どもの話を真剣に聞く忙しい仕事や家事の合間に、子どもの話をつい聞き流してしまうこともあるかもしれません。しかし、社会的欲求を満たすためには、子どもの話を真剣に聞いてあげることがとても大事なのだそう。また、「大好きだよ」など意識して言葉にすることで、子どもに疎外感を感じさせないように気をつけましょう。会話はいじめや学校の悩みの早期発見にもつながります。家庭内での役割を与える+褒めるお手伝いで、自分は人の役に立っているという満足感を得ることができ、自分のことは自分でやることで、自立心と自己信頼感を築くことができます。その際、親が子どもの行動を褒める(=認める)ことで、承認欲求の満足度はさらに高まり効果的です。その積み重ねが、自己肯定感をどんどん育むことになるでしょう。他人の評価だけでなく、自己信頼感を持てるようになるのを目標としてください。【自己実現欲求には――】いくらほかの欲求が十分に満たされていても、自己実現欲求が満たされないと、幸福感を感じにくく、欲求不満に陥ってしまうそうです。子どもがやりたいことを見つけたり、夢を語り始めたら、次の点に気をつけてあげてください。「勉強しなさい」は封印親はつい「勉強しなさい」と言いがちですよね。しかし、口うるさくいうよりも「“自己実現”のために勉強する」というモチベーションにつなげるのが正解です。「海外で活躍できるようになりたいから英語を勉強しよう」など、学習の意義を見出せるよう誘導してあげましょう。自分で目標を立てさせる子どもの夢が見えてきたら、大きな目標とそれを達成するための小さな目標を自ら立ててもらいましょう。たとえば、大きな目標が「プロ野球選手になる」なら、小さな目標は「毎日素振り100回」「毎朝30分走る」など。具体的事項をひとつずつクリアしていくことで、自己実現へ少しずつでも近づいていく実感を得ることが大事で、満足感も増していきます。***ピラミッドを積み上げて「自己実現」というトップにたどり着くと、これから生きていくうえで、全ての行動や決断の動機がここに帰結されるようになるそうです。ひとつひとつの積み重ねが、「自分らしく生きられる場所」へ導いてくれるようになるのですね。お子さんがどの段階で悩んでいるのかをしっかり把握して要所を抑えたサポートをしてあげるために、「自己実現理論」は親の助けになりそうです。(参考)ウィキペディア|自己実現理論東御市 元気に育て!すくすくぽけっと|マズロー の欲求段階説教育で未来をつくる ROJE|「現代の子どもの<生きづらさ>に向き合う」香山リカ氏マイナビウーマン|心理学の「自己実現」とは?自己実現欲求を満たす6つの手順鳥取県|第2章 学級づくり・人間関係づくりの考え方東洋経済オンライン|子どもに絶対言ってはいけない「3つの言葉」デイビッド・アバドラム博士著, (2016),『子育て&親業ガイド ―― あらゆる人間関係に効く「三つの柱」しつけがうまくいく秘訣』,SMART GATE Inc.WEDGE Infinity|誰だって叱りたくはないけれど
2020年01月03日すごく温厚な普段の私と自分勝手に振舞う余裕がない私出典 : 私は普段、誰かに対してほとんど怒ることがありません。特に仕事中は顕著で、周りの人が初歩的なミスをして自分が全部対応しなければいけなくなったときも「なんでこんなミスしたんだ!」というような気持ちにはならず、「ああ、こういうミスをするとへこむよね。さっさと解決して立ち直ってもらわなきゃなぁ」と思うことが多いです。自分は温厚な人間だと思っていましたが、ある日、家に帰ってから妻に対して「これ片づけるって言ってたじゃん!」とか「これとこれはやっておかないとダメだよね!」と小言ばかり言っている自分に気づきました。普段は怒ることがほとんどない自分がイライラと小言ばかり言っていることが自分でも不思議で、その日の夜、お風呂に入って色々と考えているうちにふと、子どものころの自分の怒りの表現はどうだったかな・・・と思い返していました。幼稚園時代――他人にも感情があることを知らず、気に入らないと叩く出典 : 幼稚園時代は、気にくわないことがあると怒ってほかの子を叩いたり、ほかの子が話している内容に自分が知っていることが含まれていると「それ知ってる!F1ってセナがかっこいいよね!」みたいに口をはさんで勝手に話し始めたり...とても自分勝手な子どもでした。いま考えると顔が真っ赤になるくらい恥ずかしい話なのですが、そのころの私は「自分以外の人間も感情をもっていて、自分と同じようにいろんなことを考えている」ということがまったく想像できていませんでした。そのため、自分の感情や感じたことを何も考えずに周りにそのまま表現していました。その後父にたしなめられたことで、自分以外の人間も自分と同じように感情があり、いろいろなことを考えているということを想像できるようになり、だんだん自分勝手な振舞いは減っていきました。(父にたしなめられたときの出来事は以前記事に書いていますので、気になる方はご参照ください)学生時代――自己肯定感の低下から怒りの感情をもたなくなる出典 : 他人の感情が想像できるようになった私は、小学校にはいってからは従順な生徒として生活するようになっていました。その後不登校を経験してから高専に入ってある程度年数を経るまでも、他人に対して「自分が怒っている」と感じたことはありませんでした。不登校を経験したことにより自分自身への評価がかなり低くなっていたためか、いつの間にか「自分は誰かに怒りの感情を抱いてはいけない人間なんだ」と思い込んでいたのだと思います。納得できないことがあったときには、怒る代わりに納得できるまで説明を求めて問い詰めることで解決していました。「期待しない」「とりあえず受け入れる」処世術で温厚に仕事をこなす出典 : こうして社会人になったのですが、周りの人たちには「怒らないけど余計な質問が多くて面倒なやつ」と認知されていたことと思います。それからもいろいろな経験をしてきましたが、相変わらず仕事でもプライベートでも他人に対して怒りの感情を覚えることはほとんどありませんでした。例えば新卒で入社した会社では、先輩から「いじり」という名目で「おまえならだいじょうぶだよな?」とか「テレビのアレまねしてみろよ」みたいなことを言われていたことがありました。いま考えてみると人によってはとても耐えられない状況だったとは思うのですが、私としては嫌な気持ちはありつつ「自分が話すのが下手だから輪にいれようとしてくれてるのかな」と思い、その言動を受け入れようとしていました。このころは自分自身への評価の低さに加えて、独自の処世術として「自分以外の人に期待しない」だったり「相手が言ってきたことはとりあえず受け入れてみる」という考え方をしていたこともあり、そもそも誰かに怒りという感情を抱く以前に処理していたような気がしています。人には怒りを感じない一方で――思い通りにしたいものにはイライラが募るようにしかし、人に対しては怒りを感じない一方で、パソコンやアプリなど、自分がこう動いてほしい!と思っているのにそう動いてくれないものについてはイライラすることがよくありました。私がイライラするポイントは相手に対してこう動いてほしいという希望や、こうしてくれるだろうという期待を持っていて、その通りにならなかったとき。このあたりにヒントがあったのかなと思います。身近な人にイライラしてしまう自分に気づいて自分が期待しているものが期待どおりに動いてくれないととたんにイライラしだす傾向にあることを踏まえると、最近妻に対してイライラするようになったのは、自分の中で妻との距離が近くなったために、自分自身と同じようなレベルで妻に期待してしまうことが原因なのかなと思います。この状態は妻にとってかなり窮屈な状態だと思っているので、今後どうやって改善していこうか考えているところです。今のところは以下のように振舞うことで対応しています。私が家族以外の人間関係でイライラしないのは、「人に期待をしない」考えがベースにあるから。身近な人間に対してはこの考え方をするのがなかなか難しいですが、良くも悪くも自分と妻は違う人間であることを意識して、自分が期待していることと違うことをされた場合には、なぜ妻がそのような行動をしたのかを考えたり想像したりするようにしています。そうすることで、お互いの違いを理解していくことができると考えているからです。あっ!いまイライラしてる!と、自分の気持ちに気づくことはとても重要だと考えています。そして、何に対して・なぜイライラしたのか、そのときの自分のコンディションはどうだったかなど、可能な限りで振り返るようにしています。その上で、また同じような状態になったときに、自分にも周りの人にとってもよりよい状況になるような対処法を日々考えています。ちなみに私の場合、不必要に声が大きくなっていたり、説明している理由が論理的でない感情的な発言をしていたりしたら、自分が怒っていると判断するようにしています。自分がイライラしていることに気づいたときには、そのまま妻にぶつけてしまわないようすぐにお風呂に入ったり、自分の部屋にこもったりして物理的に妻と距離をとるようにしています。私は妻よりも口ゲンカが強いため、イライラをぶつけてしまうことで妻に嫌な思いをさせてしまうのが嫌だからです。ひとりになれば誰も傷つけることなく、なぜ自分がそのときイライラしたのかをじっくり考えることができるため、個人的にはかなり安全な策だと思っています。妻からは突然怒ったように見えると思うので、原因や理由を説明しないと「理由はよくわからないけどささいなことで夫が突然怒り出した」という状況になってしまい、かなり怖いのではないかと思います。そのため、怒った理由を言語化できるときにはなるべく妻に伝えるようにしています。「リモコンがいつも自分が置いている場所とは違う場所に置かれていたから、イラッとしてしまった」のようなささいなことでも、気づいたら言語化して伝えるようにしています。こうすることで自分で自分の怒りの原因を知ることができますし、妻にもそれを知ってもらうことで、今後同じような状況になったときに自分も妻も前回とは違う振舞いができるのではないかと期待しています。自分勝手に振舞うことは甘えていることの表現なのかも出典 : 身近な人に自分のイライラをぶつけてしまうことについて、もう一つ思い当たる要因があります。私は感覚過敏のためか他人との身体の接触があまり好きではないので、小さなころから両親にべたべたくっついて甘えることはあまりありませんでしたが、「自分の考えを好きなだけ話す」ということが私にとってべたべたくっついて甘える行為に相当していたのかなと今では思います。家族も仲の良い友人も、自分の考えをしっかり聞いてくれるしその考えについてちゃんとコメントをしてくれていたので、そのコミュニケーションが安心感を生み、自分なりの甘え方になっていたような気がします。そう考えると、自分自身の期待を投影してしまい妻にイライラしてしまうということも、妻に対して「なんで自分のことをわかってくれないの!」というような、かなり子どもっぽい甘え方をしている側面もあるのかなと思っています。これは私だけの感覚で他の発達障害当事者の方はまた違う感じ方になるのかもしれませんが、物理的に近づく以外にも甘えを表現する方法があるところをご参考にしていただけますと幸いです。社会人になってから家族にもこういう甘え方をしなくなっていたので、この状況にどう対応するのが良いのか戸惑っているところです。自分なりのコミュニケーションで人との距離感を縮めようとしている自分自身の特性を把握しつつ、これから状況を改善するためにいろいろと試していってみようと思います。
2019年12月27日4コマ漫画でケースごとに学べる!『学校でできる! 性の問題行動へのケア』性の行動に対する基本的な考え方や支援者や保護者が目にすることのある性の問題行動に関するQ&Aなど、性の問題行動に関しての知識を学ぶことができる書籍です。第4章では、『すぐに使える性教育・性コミュニケーションツール』として、月経指導用グッズ、性感染症の液体実験、恥じらいやマナーの学習用カード、性器模型の作り方などを具体的に紹介しており、授業やご家庭での指導に取り入れることができます。また、支援者や保護者だけではなく、子ども自身が考えられるワークも。第1章では、4コマ漫画形式で子どもが遭遇する可能性のある危険な場面などが提示されており、どのような対応をしたらよいか考え、適切な対応について解説を読みながら学ぶことができます。場面設定も、近所のおじさんやゲームセンターで知り合ったお兄さんとの間で起きた問題など、日常的なものを取り扱っているので、お子さんが身近なできごととして考えることができそうです。支援者・保護者もお子さん自身も、性の問題行動について学び、具体的な対策を考えるときに活用できる一冊です。発達性トラウマの基礎から介入方法まで学べる専門書『レジリエンスを育む―ポリヴェーガル理論による発達性トラウマの治癒』発達性トラウマを抱える人たちの症状は複雑で、医学的処置と心理学的介入が必要なケースが混在しており、支援者もそれを見極めて支援していくのが非常に難しいという課題があります。この本では、発達性トラウマが子どものレジリエンスの発達に与える影響に着目し、レジリエンスを高めるために支援者が具体的にどのような介入を行っていく必要があるか、解説されています。2部構成になっており、Part1では発達性トラウマの基礎知識が解説されており、調整機能の発達が発達性トラウマによってどのように妨げられるかが説明されています。またPart2では発達性トラウマの兆候や症状を理解するための手がかりなど、発達性トラウマがある人に働きかけるときに専門家が理解しておく必要があることを網羅的に知ることができます。人生の早期の段階でトラウマを体験した人たちをいかにサポートするかを考えていく際に必要となる知識が詰まっている専門書です。子どもや家族と日々向き合う精神科医・田中康雄先生の著書『「発達障害」だけで子どもを見ないでその子の不可解を理解する』精神科医の田中康雄先生の最新刊です。田中先生が普段多くの子どもやその保護者と向き合う中で大切にしている考え方が綴られています。『かんしゃくが激しい、ひろゆきくん』『不登校気味の、ゆうきくん』『人間関係がうまく行かない、ゆいちゃん』など12人のお子さんのストーリーと、田中先生のそれぞれのお子さんや家族との向き合い方が紹介されています。また、発達障害の特徴を診断名ごとに説明した上で、障害特性の現れ方は人それぞれ違うこと、診断名ではなくその子自身を理解することの大切さや、発達を促進する環境づくりの大切さを改めて綴っています。田中先生の「診断名」に対する考え方やお子さんとその家族を理解しようとする姿勢は、発達が気になるお子さんと関わる上で大切なことを改めて考えるきっかけを与えてくれそうです。働く上での困りごと、具体的な対処方法は?『まんがでわかる 発達障害の人のためのお仕事スキル: 楽しく働くためのヒント&セルフアドボガシー』第1章から第4章にかけて、5人のキャラクターが職場で困っていることとその原因や対策のヒントが紹介されています。仕事をうまくこなす、ミスやうっかりをなくす、人づきあいを円滑にする、長く仕事を続けるといった働く上で身につけておきたい力について、「優先順位」「電話対応」「身だしなみ」など具体的なスキルごとに漫画で困っている場面が紹介され、それに対しての対処法やミスを防ぐためのポイントがまとめられています。楽しく読み進めながら、困りごとと必要な力について考えることができるので、現在就職している方だけではなく、これから就職する方やその保護者が、働く際に必要なスキルについて学んだり、自特性にあわせて想定できる困りごとについて知ったりする際にも活用できそうです。
2019年12月12日睡眠障害のいっちゃん、中学校では通常学級に在籍5年生の春ごろから睡眠時間が1~2時間ずつ後ろにずれこんでいくようになったいっちゃん。6年生の後半はほとんど学校に行くことが出来ていませんでした。でこぼこ兄妹の兄のほうは静かに勉強が出来る環境を求めて中高一貫校を受験をしたのですが、いっちゃんは受験勉強の時間を取るのも難しかったし、そもそも通常学級に通えるかもわからない状態だったのです。なので進学先としては、公立中学の通級指導教室の利用か、不登校のサポートをする私立中学のいずれかでと考えていました。調べてみたところ私たちの住む地域では、学区選択制で選べる公立中学のうち、校内に特別支援学級と通級指導教室があり、カウンセラーと特別支援スタッフが常駐しているところはA中学ひとつだけでした。他の中学校で通級指導を受けている子どもたちは通級のときだけその学校へ行くのだそう。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ入学時、校長先生には面談の際に睡眠障害について伝えていたのですが、担任や通級指導教室の先生には詳細に共有する機会はありませんでした。しかし、いっちゃん登校初日の授業中、突然寝落ち!実際に様子をみたことで、いっちゃんの睡眠の状態について先生方も理解してくださったようです。簡単に相談をして、普段は通常教室で授業を受け、必要に応じて通級指導教室で補習や宿題をするというかたちにしていただきました。学校とも連携しながら、行ける日に学校に行くいっちゃんを見守る日々睡眠障害については決まった治療もなく、外から働きかけるのも限界があります。今の段階では無理なく登校するように見守ってくれているという感じです。先生方とは、寝落ちしたいっちゃんを私が学校まで迎えに行ったときに直接話したり、連絡帳を交換したりして、家庭と学校での様子などを共有しています。Upload By 寺島ヒロ中学入学より半年ほど過ぎた今も、やはり学校へは行ったり行かなかったり...やや行かない日が多いかな...という感じですが、始業時間に間に合うように起きたときには自分で身支度をしてサラッと出かけていくので、学校自体はいっちゃんも楽しく通えているようです。ところで少し話は戻りますが、実はどうしても通えないとなったときのことも考えて、A中学に入学する前に不登校のサポートをする私立の中学校にも連絡をしていました。こちらの中学は自分で出る授業を決めることができ、例えば今日は3~6限、明日は4~7限といった授業の取り方ができるのです。これならいっちゃんも無理なく通学できるのではないかと考えたのです。しかし、6年生の中ごろから月の2/3欠席しているので十分不登校の資格(?)はあると思ったのですが、よくよく聞くと小学校の分はノーカウント、一旦公立の中学校に入学して半年間不登校であったと認められると入学を許可できるとのこと。制服などを揃え直さないといけないことを考えると憂鬱になりましたが、4月からの入学は見送らざるを得ませんでした。校長先生によれば、あくまでここでは不登校の子どもが元の中学校に戻れるようサポートをするという考え方でやっており、サポートの内容も、不適切な養育やいじめなどで傷ついた心のケアに重点を置いている。もちろん不登校による勉強の遅れをフォローするという意味はあるので受け入れないということはないが、いっちゃんの場合はまず公立の中学校に通ってみてはとのことでした。なるほどなあと思ったものです。親としては先が不安ではあるけれど...中学生になって早や6ヶ月、とはいえまだ6ヶ月です。体調任せなので、これからも不登校が続くかもしれません。でも、担任の先生や支援スタッフの方々も優しくしてくださいますし、わたくし自身も睡眠のことでは悩んでいたので、あまり登校についてはうるさく言わず見守っていく方向で考えています。無理をさせて健康を害しては仕方ないですからね。とはいえ、成績表を見るとうわーと頭を抱え、学校行ってくれないかなあ(平常点が付くから)と思ってしまうのですが...ここは親が精神力を試される場面と心得て、「あえて働きかけない」ことを頑張っています。親も日々修行です。
2019年11月22日アスペルガー症候群とは?アスペルガー症候群(AS)はコミュニケーション能力や社会性、想像力に障害があり、対人関係がうまくいきづらく、知的障害や言葉の発達の遅れがないものをいいます。明確な原因は現在も分かっていませんが、何らかの脳機能の障害と考えられています。アスペルガー症候群には大きく分けて3つの症状があります。「コミュニケーションの問題」「対人関係の問題」「限定された物事へのこだわり・興味」です。これらの症状は、成長発達の段階で現れてくる症状が異なってきます。ここでは、多くみられる症状について、年齢別に具体的に紹介します。年齢別に見たアスペルガー症候群の症状の現れ方出典 : アスペルガー症候群の症状は、年齢別でどのように現れ方が変化するのでしょうか?成長過程によって変化するアスペルガー症状の特徴や困りごとについて説明します。乳児(0歳〜1歳)アスペルガー症候群は知的な遅れがなく、見た目や行動からは分かりづらい障害のため、大人になっても気がつかない場合もあります。特に、言語・認知・学習といった発達領域が未発達の乳児では、症状が分かりやすく出ることはありません。ですから、すぐにアスペルガー症候群と診断されることはありませんし、またアスペルガー症候群の症状は他の発達障害の症状と共通するものです。しかし、アスペルガー症候群と診断された人たちは乳児期に特徴的な行動を共通してとることが多いです。それらを紹介します。アスペルガー症候群の乳児は、大きな音や声に過敏に反応する場合があります。大人が大声で笑ったり、くしゃみをしたりすると嫌がって泣きます。また、電車やデパートなど騒々しいところに連れて行くとずっと泣きっぱなしになってしまうなどが見られます。これを聴覚過敏といいます。アスペルガー症候群のある人には、このような聴覚の過敏さをはじめ、視覚、触覚などさまざまな感覚の過敏さがある場合が多いと言われています。アスペルガー症候群は知的な遅れがなく、見た目や行動からはわかりづらい障害のため、大人になっても気がつかない場合もあります。特に、言語・認知・学習といった発達領域が未発達の乳児では、症状が分かりやすくでることはありません。ですから、すぐにアスペルガー症候群の診断がでることはありませんし、またアスペルガー症候群の症状は他の発達障害の症状と共通するものです。しかし、アスペルガー症候群と診断された人達は乳児期に特徴的な行動を共通してとることが多いです。それらを紹介します。親が目を合わせようとしても視線が合いづらかったり、笑いかけても反応しないなども特徴の一つとして挙げられます。乳児が母親の動作をまねることを「動作共鳴」といいますが、アスペルガー症候群のある乳児はこの「動作共鳴」が苦手とされています。焦点が合いづらく、目を合わせようとしないことはアスペルガー症候群の症状の一つである可能性があります。幼児(2歳〜小学校就学)言葉を覚え出し、会話ができるようになる幼児期のアスペルガー症候群の症状の現れ方をみていきましょう。このころになると症状が見えやすくなり、アスペルガー症候群があるかの判別がしやすくなります。例えば、母親が怒るときに見せる表情や、空気を読み取ることが苦手です。何かしようとしたときに母親が怒った表情をしてその行動を止めようとしても、構わず動作に移します。言葉ではっきりと説明しないと理解しにくいのです。幼児は、数回同じ行動を繰り返すことで、「やってはいけないこと」や「言われなくても分かること」が増えてきます。しかし、アスペルガー症候群のある幼児は、その都度説明しなければ理解しにくいとか、具体的に言われないと理解しづらいという特徴があります。また、注意された内容から応用して考えることも苦手なので、繰り返し伝えたことは理解できても、少し環境が変わると理解できないことがあります。幼児期ともなれば、同じ月齢の子たちと一緒に遊ぶことを覚えます。通常であれば自然に他人との関わりを持とうとしたり、他人に興味を持って輪に入ろうとするのですが、アスペルガー症候群のある幼児は、公園などで同年代の子が遊んでいても一緒に遊ぼうとしないことが多いです。もちろん恥ずかしがり屋で輪に入れない幼児はたくさんいますが、人間関係をうまく築けないことはアスペルガー症候群の一つの特徴として挙げられます。小学生(6歳〜12歳)本格的な集団行動が始まる小学生のころになると、本人がその環境で過ごしにくくなる場面が増えてきます。周囲の理解が必要になってくる時期でもあるので、保護者や周りの大人たちは具体的な対応を考えるようにするとよいでしょう。朝はホームルーム、中間休みは15分、掃除は15時から、など一定の規則を守ることが得意です。すでに決められていること、法則性があることにはきちんとしたがって行動することができます。反面、イレギュラーな時間割やルーティーンが変更になると慌ててしまったり、それらに従うことが難しくなったりすることがあります。小学生になると、特定の友人たちと長い時間を過ごすことになります。ですが、アスペルガー症候群のある子どもは、周囲の人の気持ちを理解することが苦手だったり、マイルールにこだわってしまったり、場違いな発言をしてしまい輪を乱してしまったりする場合があります。周囲と協調するのが苦手で、一人遊びに没頭してしまい集団遊びができないこともあります。アスペルガー症候群には知的発達に遅れがないので気がつきにくいですが、興味や関心が狭く特定のものにこだわるという特性から、特定の科目だけずば抜けて得意となるが、いくつかの科目はとても苦手だというケースも見られます。アスペルガー症候群に加え、学習障害(LD)もある場合などには、聞く、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり実行することに困難を示すことがあります。中高生(12歳〜18歳)出典 : 中高生になると、思春期とも重なり、周りに理解されないことで本人が苦しむケースも珍しくありません。大人へと成長する段階でとても重要な時期なので、家庭や学校での理解と適切な対処が大切になってきます。小学生時代に比べ、中高生になると、趣味・嗜好がより深まり、クラス内でのグループもはっきり分かれてきます。自分の居場所が分からなくなる、なかなか友人が作れないなど、コミュニケーション能力の困難さゆえに出てくる人間関係の問題が多くなります。学習障害もある場合、中高生になると学習内容がより高度となるため、苦手分野の学習についていくのがより困難になります。しかし、得意分野や興味のある科目に対しては、熱意を持って深く掘り下げて取り組むといった特性もあいまって、好成績を出せるようになるなど、本人の強みが明確になってくる時期です。このころに将来の夢やビジョンを一緒に描けるように、周りの工夫や理解、指導が重要となってきます。場の空気を読めないことで友人関係がうまくいかなくなったり、周りから浮いてしまうことで孤立してしまうケースがあります。最悪の場合はいじめに発展したり、それを原因として不登校になってしまうこともあります。不登校の要因としては、人間関係だけでなく、学習面が原因となることもあるため、登校渋りなどが生じた場合は学校と連携しての早期の対応が重要になります。成人期(18歳〜)社会生活を送っていくためには、周りのサポートや理解はもちろん、何より本人が自分自身を理解し、対処法を用意しておくことが重要です。障害特性によるコミュニケーションの苦手さや、周囲の状況を判断して協調することの困難さ、不注意・こだわりなどにより、仕事上のミスや、遅刻、スケジュール管理ができない、手際が悪いなどのマイナスな評価が多くなってしまうことがあります。また、職場での付き合い、上司との関係に悩んでしまうこともあります。自分自身の得意なところや苦手なところを理解し、苦手な部分の対処法を考えたり、相談できる人を増やしたりすることが大切です。周りに理解を得られないまま困難な人生を送ってきたことから、いわゆる「二次障害」を引き起こしてしまう可能性が高くなります。うつ病になったり、パニック障害を併発したり、ひきこもりや家庭内暴力などを起こしてしまう場合もあります。早めに支援機関・医療機関に相談するようにしましょう。アスペルガー症候群をもっと知るためのリンク集「もしかしてアスペルガー症候群?」お子さんの発達等について、気になる症状があるときには、次のコラムが参考になります。まとめアスペルガー症候群は、年齢・成長発達の段階によって目立つ症状が異なります。早期に特性に気づき、一人ひとりに合った環境をつくること、適切な教育を行っていくこと、苦手なことの対応方法を工夫していくことで、逆に特性を強みとして活かすこともできます。ご紹介したさまざまな症状に気づいたら、早めに専門機関に相談するなど、アスペルガー症候群がある人にとって必要な支援が得られる体制をつくれるようにしましょう。アスペルガー症候群は、2013年に発行されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)で「自閉症スペクトラム障害(ASD)」の中にまとめられていますが、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)(※)による診断を行う医療機関もあること、すでにアスペルガー症候群の診断を受けた人もいるため、本記事ではアスペルガー症候群という用語を用い、症状や特徴を説明しました。※ICD-10について:2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。
2019年10月31日子どもたちが保育園や幼稚園、学校などにスムーズに通えることが、あたり前と思う人もいるかもしれません。でもときに子どもから「行きたくない」と言われ、頭を悩ませた経験がある人もいるでしょう。今回は、子どもたちが「園や学校に行きたくない」と言ったときの対処法について、アンケートをもとに考えてみたいと思います。■6割以上の親が「行きたくない」を経験アンケートでは、「園や学校に行きたくない」と言われたことがあるかどうか聞きました。その結果、「よくある」、「時々ある」、「数回だけある」と答えた人が合わせて63.3%となり、6割以上のパパやママたちが「ある」と答えたことがわかりました。一方で、「ほとんどない」、「ない」と答えたのはあわせて35.6%で、「園や学校に行きたくない」と言われたことのある人の方が多い結果になりましたQ.「園や学校行きたくない」と言われたことある?よくある 16.8%時々ある 17.5%数回だけある 29.0%ほとんどない 19.1%ない 16.5%その他 1.0%■行きたくない理由1、「お母さんといっしょにいたい」アンケートに寄せられたコメントからは、子どもたちが園や学校に行きたくない理由は複数あることがわかります。それぞれの理由について、具体的なエピソードをみていきたいと思います。「息子が保育園の時によく言っていました。サービス業の私は日曜日仕事のことが多く、一緒にいたかったみたいです」(新潟県 40代女性)「保育園時代は毎日泣いていました。泣きすぎておう吐してしまうほど。仕事に行くのが、本当につらかったです」(福島県 30代女性)「小学1年になって間もなく、ある日突然『行かない!』と。スクールカウンセラーの先生に相談したところ、『赤ちゃんがえり』だと言われました」(鳥取県 40代女性)園児や小学校低学年の子どもたちの親を中心に、「親と離れたくない」という理由から登園や登校を嫌がるエピソードが多く寄せられました。嫌がる子どもを前に、後ろ髪を引かれる親たちの様子が目に浮かびます。筆者自身も、2歳で幼稚園に通い始めて、毎朝号泣する長男を泣く泣く園のバスに乗せていました。幼稚園や保育園での生活は、初めて親と離れて過ごす第一歩。「離れたくない」という思いは、成長の証とも言えそうです。■行きたくない理由2、「いじめがつらくて教室に入れない」学校生活を送る子どもたちの親から寄せられたのは、学校でのいじめや友人との人間関係に悩んだ子どもたちから発せられた「行きたくない」の声です。「小学生のとき、長い間いじめられていて、『行きたくない』と言いました。先生を信じて話したら否定されたときには、『もう学校やめたい』と」(神奈川県 40代女性)「長男が1年生のときから意地悪されて、『行きたくない』と言っています。学童では、うちの子がやり返さずに泣いてしまうから面白がって集団で意地悪された。学童に行かないで済むならそうしたい」(静岡県 40代女性)「長女は中2のときにクラスのグループメールのやりとりでトラブルになり、教室に入れなくなった。本人の気持ちとしては、学校には行きたいけど、どうしても教室には入れない、苦しかったと思う」(神奈川県 40代女性)どのコメントも、胸が痛くなるような子どもたちのエピソードがつづられています。学校に通い始めると、子ども同士だけのやり取りや関係性が深くなっていき、親がをすべて把握するのは難しくなっていきます。しかし多くの親は、子どもたちの「行きたくない」理由がいじめによっているのであれば、その事実を把握したいと思っていることでしょう。■行きたくない理由3、「先生が怖い…」また、子ども同士ではなく、先生との関係性に苦しんでいるという声も多く寄せられていました。「幼稚園のとき、突然『園バスに乗らない。行きたくない』と泣きだし、これが何日も続きました。そのうち本格的に登園拒否が始まり、しばらくして、原因は担任の先生が意地悪だからとわかりました」(神奈川県 50代女性)「担任の先生に陰険なことをされたり、怒ってばかりで先生が怖かったりで、学校に行きたがらなくなりました」(和歌山県 40代女性)「原因は校長でした。何かうまくできないことがあると、『そんな事もできないのか? 学校来なくていいから』と言われたり、1人だけ休み時間に個室に入れられて勉強させられたこともありました」(島根県 20代女性)園や学校では、担任の先生といっしょに過ごす時間が長いため、うまく関係が築けないと子どもにとっては大きなストレスになってしまいます。もしかしたら本当に先生の方に原因がある場合もあるかもしれません。しかし、人間同士でのやりとりには相性の良し悪しが出てしまうことも事実としてあるように思えます。コメントのなかには、「娘が男性の担任を嫌がり、学校に行きたくないと言った」というものもあり、担任の先生との付き合い方の難しさを実感させられます。■行きたくない理由4、「集団生活が合わない」また、そもそも『集団生活が合わない』という声も寄せられていました。「現在小1男児ですが、行きたくない時期に波があり、変化の時期はつらい様子。小学生になってからは、あきらかに精神的な腹痛が毎日のようになり、保健室登校をしています」(神奈川県 40代女性)「下の子は人見知りが激しい性格のため、集団行動、団体生活になじめないようで、幼稚園から5年生になった今でも毎朝、『気持ち悪い、おなかが痛い』と嫌々登校していきます」(千葉県 30代女性)「『HSC』をご存じでしょうか? とても敏感に感じてしまう特性です。 新しい環境、騒がしい教室、ちょとした言葉で傷つくなど普通の子にはなんてことはないことに、ストレスを感じ悩まされてるのです。わが子は騒がしい教室、先生が他の子をしかる声に、家で体を震わせていました」(神奈川県 40代女性)人一倍敏感な気質の子どもを表す「ハイリー・センシティブ・チャイルド(HSC)」についてのコメントも寄せられていました。集団生活が合わないという子どものなかには、かなり深刻な理由を抱えている子もいて、それに悩む親子の様子がうかがえます。■行きたくない理由5、「通学がつらい」などさまざまな意見園や学校に行きたくない理由は、本当にさまざまなようです。ここからはそのほかに寄せられたコメントをいくつかご紹介します。●通学がつらい●偏食のため給食を食べることが苦痛●保育園で昼寝が嫌さらに、「理由がわからない」という声も寄せられていて、園や学校に行けない理由が単純なものではないことが伝わってきます。■「学校が好きでたまらない!」一方で、3割以上の親は、子どもが「園や学校に行きたくない」と言ったことは「ない」、もしくは「ほとんどない」とと答えています。「園についたら一回ハグを求められて、後は振り向きもせず園庭に駆けていく。頼もしいけどちょっとさみしい」(広島県 30代女性)「いつ言われるかと心の準備だけはしてきましたが、高校卒業まであと半年。心配は、取り越し苦労に終わりそうです。いまは中学高校通算6年間、皆勤賞を狙っているようです」(神奈川県 50代女性)「学校が好きでたまらないのか、登校指定時間の15分以上も早く学校に行ってます。家から5分とかからない場所ですが、『あと20分遅く出ればパパと一緒に出られるのに』と思ってしまいますね」(東京都 50代男性)「学校に行きたくないと言われたことはなく、むしろ大事をとり休ませたくても休んでくれなくて困ったことはありました。意地悪を言われたり嫌なこともあるみたいですが、学校を休む事自体がそもそも嫌みたいです」(神奈川県 40代女性)寄せられた声からは、園や学校が大好きだという無邪気な姿と、真面目にがんばる姿の両方が目に浮かびます。「親としてはちょっと寂しい」という意見もありましたが、子どもたちにとっての居場所があるということには、親として安心できますよね。ただ、「体調を崩していても行きたい」という子どもたちの姿勢には、心配する声も寄せられていて、時にはストップをかけてあげるのも親の役目かもしれません。■「行きたくない」と言われたら……それでは、「園や学校に行きたくない」と子どもから言われたとき、親としてはどのように対応すればいいのでしょうか。コメントからヒントを探してみたいと思います。<その1、友だちや人の手を借りる>●下の子が年少の時、行きたくないと泣いていましたが、仲良くしてくれる友だちができて、無事に行けるように。友達の力は大きい●学校で嫌がらせされていましたが、仲の良い友だちがかばってくれて改善した●1年生の頃は集団登校が嫌で学校に行きたくないと泣いていた。ある日、事情を知った近所のおばさんが娘の登校時間に合わせて犬の散歩をしてくれて、登校できるようになりました<その2、必要に応じて親が介入する >●イジメが原因だったので、担任に手紙を書き、道徳の授業でイジメに関して授業をしてもらいました●子どもたちの「行きたくない」はしょっちゅうです。そのなかで、本当にSOSを出しているものを見抜くのは親の役目。私がイジメにすぐ気づいて、担任に対処してもらい、解決したことがありました<その3、行きたくない気持ちを受け止める>●元気がないときは「何かあった?」と声をかける。少し間を置いたときは、次の言葉が核心である可能性が高いので、子どもの気持ちを受け止めて、どうしたいか、どうできるかをいっしょに考えてあげる●「なんで行きたくないの」と子どもを問い詰めるのは逆効果。「そうだね、行きたくないよね」と同調してあげると気分が落ち着いたようだった●初めて幼稚園に行くときから数日は全身で拒否されましたが、成長と共に必ず通る道。私と家が最高の避難場所になってあげることが大事だなと思います<その4、一時的に休ませる>●年長の時に「行きたくない」って言われたので「行かなくていいよ!」と話して、丸1日ズル休みをして遊びに行ったら「次の日にはやっぱり行く!」って言いました。つらい時はちょっと回り道するのもアリですよね●幼稚園の時に小児科で「休ませるなら期間を決めること。両親でよく考えて決めること。決めたならそこからブレない事」と言われて、結局1週間休ませました●「本当にだめそうかな?」って時は休ませて悩みを聞く。そうすると、本人もすっきりするみたいで次の日からは普通に行きます<その5、園や学校をやめる、長く休む>●娘が高校で不登校になり、通信制高校に転校。いい同級生に囲まれて、1年遅れで無事に高校を卒業しました●長女は学校に行っていません。でも毎日元気に過ごしています●中2の夏休みから長い休みをとりました。今では、高校は毎日行けるようになり、建築の勉強が楽しいみたいですどのコメントからも、子どもへの愛情が垣間見え、親として何がしてあげられるか考え、行動していることがわかります。きっとどんなパパもママも、子どもの「行きたくない」という言葉を聞いたら、最初は戸惑ってしまったのではないでしょうか。それでも、子どもがどんな対応を求めているのか、親である自身には何ができるのか考えて行動したパパとママたちからのコメントは、大きなヒントとなります。最後に、こんなコメントもご紹介します。「長男が保育園登園をぐずり途方にくれていた時、先生に『保育園に行きたくないというのは、おうちでお母さんとの関係がとてもいいという証拠ですよ』と言われ、気持ちが楽になりました」(茨城県 40代女性)「勉強できてもできなくても、運動できてもできなくても、『行きたくない』ってことはある。大人だって仕事に行きたくないってことあるんだから!」(山口県 40代女性)「子どもの言葉を優先し、休ませると休み癖をつけてしまうのではないか? 子どもの気持ちを励まし、登校させてつらい思いを増やしてしまうのではないか? 命より大事なモノなどありませんが、欠席か登校させるかの判断は、やはり日々ともに過ごし、当人の顔を見ている家族のみんなで判断するしかないですよね」(神奈川県 50代女性)子どもの「園や学校に行きたくない」という声は、転じて「家にいたい」というメッセージを発している場合もあるようです。家族との関係がうまくいっているからこそ、子どもがSOSを出せているということを聞くと、親としても少し落ち着いた判断ができる気がします。嫌がる子どもを前に、最終的に園や学校に行かせるか休ませるか、親としては判断を迫られることもあるでしょう。「一度休ませたら、ずっと行けなくなってしまう」と思うと、なかなか休ませてあげられないと感じる人は多いと思います。また、筆者自身もそうですが、「仕事があるから、行ってもらわないと困る」という切実な思いがあることも確かです。そうした働くパパやママたちの思いを子どもももしかしたら敏感に感じ取っているかもしれません。ただ、子どもたちが本当に深刻な状況になる前に、「園や学校に行きたくない」というSOSを出してきたら、そのときにできるだけ子どもに向きあって、いっしょにどうすればいいか考えてあげることが大切でしょう。忙しい日々の中でも、子どもの気持ちに寄り添う時間は少しでも作り、何か変わった様子がないか気にかける、そうした日々の積み重ねが、子どもたちの助けになると信じたいと思います。Q.「園や学校行きたくない」と言われたことある?アンケート回答数:4482件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年10月06日学校選びで後悔しないために…出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回は、発達障害&グレーゾーンの子が中学受験を考え始めた時のご参考に、うちの経験を元にした、「発達障害目線」からの志望校選びのポイントを2回に渡ってお伝えするコラムの<後編>です。<前編>では、「その子に合った環境なら、多少の個性の違いは気にならない」ことだってあるので、その子の個性を活かしやすい、前向きな環境選びのポイント4つをお伝えしました。ただし、どんなに素晴らしい学校に出会ったとしても、受験期も入学後も「現実の壁」に突き当たることもあります。特に、人一倍感受性の強い子や、真面目で思いつめやすい子なら尚更影響が大きいでしょう。万が一、入学した後で「学校に行くのがつらい」「やめたい」となった場合、そこからリカバリーし軌道修正していくのは、親子共に多大なエネルギーと時間が必要になってしまう可能性も(でも、もし、そうなったらなったで「なんとかなる」と親子で思えることも大事です!)。今回の<後編>では、入学後に「こんなハズではなかった」「知らなかった、聞いてなかった」と親子で後悔するリスクを減らすために、事前によく調べた上で、親子でじっくり話し合い検討しておいたほうがいいと思う、現実的なポイント3つを中心にお伝えします。出典 : もし、お子さんが希望の学校に合格しても、満員電車や遠距離通学の負担等が大きくて学校に通えなかったら、つらい想いを経験してしまいます。どんなに素晴らしい学校でも「現実的に我が子が自分で通えるか」は、よく検討したほうがいいでしょう。うちでは早い段階から、「ドア・ツー・ドアで片道1時間以内、電車の乗り換えは1回まで」の学校にまず絞ってから、志望校選びをしました(また、現在長男は「通勤通学の混雑時間帯を避けて、早めに登校する」などの工夫もしています)。感覚過敏があり身体接触が苦手な子や、自律神経や思春期のホルモンバランスの乱れから、起立性調節障害、自律神経失調症、過敏性腸症候群などの傾向がある子は特に、毎日の通学負担は無視できないポイントです。また、発達障害のある・なしに関わらず、特に思春期の女の子は、混雑路線の電車通学や、部活動等で帰宅時間が遅くなるのも心配でしょう。・自転車通学やスクールバスなど、電車以外の通学手段もあるか・電車通学でも「乗り換えが少ない」「混雑路線や混雑駅を避けられる」等のルートがあるか・体調に不安のある子は、途中駅に寄りやすいトイレがあるか・学校・駅周辺の夜間の街灯の設置や治安はどうか・万が一の災害やトラブルなどの時に、親が迎えに行くまでどのくらいかかるか(自宅・職場からの距離など)…などをチェックし、できるだけ負担の少ない通学手段・時間を選べるといいでしょう。併発している疾患がある場合には、主治医ともよく相談し「どの程度の負担までなら大丈夫そうか」意見を聞いてみるのも大事です。また、通学の負担の「体感での」確認は、見学会・文化祭等で学校に足を運ぶ度に、「実際に使用する通学手段・ルートで(できれば、同じ通学時間帯で)」親子で何度も体験・確認するのがいいでしょう(この過程で、子どももある程度慣れることもあります)。出典 : 発達障害のある子の中には、IQ(知能指数)の非常に高い子や、寝食を忘れて勉強に没頭できる子、人並み外れたガッツがある子などもいて、いわゆる「超難関校・超進学校」の中にも「入学してみたら、類友ばかり」なんて話も…。でも、そういったタイプ以外の子には、ただでさえ中学受験勉強は、まだまだ幼い小学生には負担が大きなもの。ましてや、過度なストレスやプレッシャーに弱い子は特に、精神的に不安定になったり、余計に集中力や注意力が落ちてしまう可能性も(特に、現在二次障害があるお子さんは、受験勉強を始める以前に、まずはそのケアと解決が最優先でしょう)。子どもの健全で健康な発達には、十分な睡眠やあそびの時間も大切な栄養なんです。そして、発達障害に限らず、過剰な受験勉強を強いられて、心身の健康のバランスを崩し、その後の学校生活や思春期の人格形成に影響したり、燃え尽きて生きる意欲を失ってしまう…などの教育虐待や、過剰な受験競争・学歴偏重社会の影響も、昨今、国内外問わず問題視されてもいます。偏差値や知名度だけを見ていたら、「その子にとって」本当にいい学校・合っている環境が見えにくくなるかもしれません。それに、少し先の大学受験を視野に入れる場合も、近年の大学入試での推薦・AO型入試の増加傾向等から、「より偏差値の高い学校が、より偏差値の高い有名大学に入りやすい」とも限りません。世の中の価値観が多様化していく中で、学校・大学の偏差値順のランキングも存在意義が薄れつつあるようにも思えます。また、正直な話、進学校で学力的にギリギリ合格ラインだと、入学後に中高一貫校の進度の早い授業スピードについていけなかったり、大量の宿題がこなせなくて、不登校になるお子さんも少なからずいるようです。ですから、あくまで1つの考え方ではありますが、その子のペースで無理のない受験勉強をし、入学後も余裕を持って勉強に励むことができる、「背伸びし過ぎない」難易度の学校を選ぶのも、私には賢い選択のように思えます。苦手なことや失敗が多くて自信をなくしがちな子でも、比較的上位合格できる学校や、得意分野の強みを活かせる学校で、「できる子」として扱われて自信をつけるのもアリでしょう。こういった受験生の過剰な勉強の負担を考慮し、1科目・2科目入試、選択科目入試、推薦・AO型入試等、多様な入試方式を採用する学校も増えていますので是非、早めのチェックを。そして実は、「中高一貫」だからと言って、無条件に全員が高等部に進学できるとは限らない場合もあるのは、注意したい点です。高等部進学に際して、「成績評価に1がないこと」「進学試験にパスすること」などの一定の条件が課せられる学校もあるからです。また、学校によっては、成績不振の生徒にはさりげなく転校や、他校の高校受験を勧められる…なんて話も時々あるようです。その子の進路に関わる大事なことなのに、入学後に「聞いてなかった」「知らなかった」というリスクは大き過ぎます。こういった情報は説明会ではどの学校でもあまり触れられませんでしたが、もし、学習面で不安がある場合、在校生や保護者の方に実情を訊ねてみるといいでしょう(高等部進学に関する規定は、生徒手帳の校則等に書いてある場合もあります)。記事 「教育虐待をしないために親に心がけてほしいこと」おおたとしまさ出典 : そして最後に、いじめの予防と対応です。特に、発達障害のある子は「みんなと違う」ことで、いじめの対象になりやすく、また、親や先生に上手に相談できるスキルが弱くて深刻化しやすい傾向があると私は思っています。特に思春期は、その子の人格形成においてとても大事な時期なので、「いじめのない学校を」と希望されるご家庭も多いでしょう。でも、残念ながら、「家庭環境に恵まれた子が多いから」「この学校は優秀なお子さんが多いから」…等の理由で、私立中学にいじめがないとは言い切れません。また、学校の口コミサイトなどに「いじめはありません」等と書かれていても、鵜呑みにしないのが賢明です(状況は日々変化する上、書き込んでいる人の立場によって「いじめの事実」が見えないこともありますから…)。つまり、どんな学校でも「いじめは起こるもの」を前提に、事前にできる予防の対策をし、発生後に迅速に対応できる体制があるか、を見るといいでしょう(特に私立は、教育委員会などの上位組織もなく、何かあった時に学校内で収めてしまいがちです)。・校舎の造りや雰囲気(照明や採光の明るさ、防犯設備の有無、掃除や掲示物の状態など)・スクールカウンセラーの配置や外部機関との連携体制があるか・先生と生徒、先生同士のコミュニケーションが取れているか(職員室の配置や様子、先生の親しみやすさなど)・情報の公開性(学校に不利・不都合な情報でも公式HP等で公開し掲載されているか、など)…などの「風通しの良さ」が、いじめ対応のポイントだと、私は思います。こういった雰囲気は、なかなか外からはハッキリと見えにくいものですが、全体的に明るくオープンで「空気が軽い」印象がする学校は、ある程度いじめに対して、心理的な予防効果があるように思います。また、先生方のコミュニケーション力は、いじめ対応においても、とても大事な要素でしょう(特に管理職)。見学会や説明会の際、挨拶程度でもいいので、校長先生や教職員を見かけたら話しかけてみるといいでしょう。また、文化祭や最寄駅などでの、在校生同士の様子や表情の豊かさなども参考になると思います。子ども自身の意思がなければ、どんな環境でも適応が難しいから…出典 : 最後に…もっとも大切なのは、やはりお子さん自身の意思です。そしてご承知の通り、現実的には受験は合格・不合格があり、必ずしも希望が叶うとは限りません。それでも、第一志望以外の学校でも気持ちを切り替えて前向きになれる子はいいのですが、それがなかなかできなかったり(親のほうが結果を受け容れられない場合も)、親や塾から無理矢理勧められた学校に不本意ながら通うお子さんは、その後の学校生活への適応が難しくなる傾向があると聞きます。実際、長男の中学でも、入学直後から情緒が不安定だったり、数ヶ月で不登校になるお子さんも何人かいました。どんな学校でも、どんな環境でも、本人の意思を伴わなければ不満やストレス、環境への違和感を、より強く感じやすくなるのだと思います。ですから、元々気持ちの切り替えが苦手な子や、真面目で思いつめやすい子は特に、お子さんが本心から「行きたい学校」「行ってもいい学校」しか基本的に受験しないことを、私はオススメしたいです。うちの長男の場合、中学受験以外の選択肢も含めて、小学校卒業以降のあらゆる進路の可能性を親子で検討しましたが、結局、本人が気に入った第1志望1校だけを一般入試とAO型入試の複数回受験し、他校は受験しませんでした(もし、不合格だった場合は、「公立中学に在籍しつつ、自治体の教育支援センターとホームスクールの併用で前向きな不登校」という選択が、うちの「滑り止め」でした)。ここまで2回に渡って、うちの経験から私立中学の志望校選びのポイントを「発達障害目線」でお伝えしましたが、なかなか、ご家庭の全ての希望を満たし、尚且つ、現実的に合格可能な学校と出会うのは難しいかもしれません(特に、うちのような地方在住の場合、私立学校の選択肢も少ないでしょう)。その子にとって「絶対に外せないこと」「ある程度妥協できること」「そんなに気にならないこと」などの優先順位をつけながら、親子でよく話し合って志望校を比較検討されるのがいいでしょう(一覧表にして点数などをつけるのもいいですよ)。でも、中学受験に限らず、「どんな環境でなら、その子らしく生きていけるのか」その子の個性と相談しながら、親子で一緒に探っていくこと自体が、自立に向かうための大事なプロセスだと私は思っています。大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』2017年/刊/ポプラ社
2019年10月02日少し前にわが家の不登校体験記として、子どもが不登校になったら親としてどんな対応をしたか、どう考え受け入れたのか、というお話を描きました。今回は不登校を受け入れた先に、どう過ごしていくかの選択肢について書いてみました。不登校の親の会をやってきていろんな方とお会いして思ったのですが、不登校になってからの子どもはどういう行動が多いかというと、勉強してみたり家の手伝いをしたりするのも最初だけでそのうちただゴロゴロしてゲームや動画などで時間を潰す子が多い印象です。そして昼夜逆転する子も。わが子も一時期そうでした。親はわが子の心の傷を感じてとりあえず休ませないとと思うのですが、そんな状態が続くとどうしても不安が頭をよぎります…。学校以外の居場所がみつからない…!少し落ち着いた後は、学校以外の居場所を探したりしますが、なかなか良い(合う)ところが見つからずどこにも行けない場合も多いでしょう。不登校の子どもの受け皿が少ない&合うところがないというところにたどり着くのではないでしょうか。学校に苦手意識を抱えて行けなくなる…勉強や人間関係につまづいて傷を抱えてる子どもに対して、適応指導教室などは学校に戻すための学校簡易版みたいな機関だったり、フリースクールもお金がかかったり近くに無かったり、そもそも子どもがどこにも行きたがらない、などなど…。不登校の子どもの受け皿が少ない&合うところがないのは常々親の会で出る悩みでした。で結局どう過ごしてるか聞くと…やることがないからゲームや動画で過ごしてるという子の多いこと。対してそれをやめさせないとと思っている方も多かったです。ここで好きなことがある子はそれをとことんやればいいと思います。(わが子も絵が好きで描きまくって現在イラストレーターとして働いています)でも…なにも好きが見つからない子はどうしたら…親が何か新しいことに誘ったりしていろいろ経験できる子は良いですが、それすら拒否し家から出ない、出れない子もいるでしょう。そんな折、以前対談させていただいた小幡和輝さんと再びお会いするチャンスがありまして、行ってまいりましたよ~!不登校についての対談「第2弾」です。しかもグッドタイミングで新しい選択肢を引っさげて来てくれたではありませんか!子どもがゲーム好きならそれこそ利用するべし!なんと日本初のゲームのオンライン家庭教師サービスです!最初聞いた時は、親がやらせたくないのでは…と思いました。しかし子どもが「やることがなくてゲームばかりしている」というのは、実は「ゲームが一番好きだからやってる」のかもと考えてみると…だとしたら、ゲームを避けて禁止や制限をするより、ゲームを利用して居場所を見つけてあげて社会復帰のキッカケにした方がいい、ゲームが好きならそこを利用しない手はないと思い直しました!小幡さんが、「囲碁や将棋の習い事ならいいのに、ゲームを習うのはダメという考え方を変えていきたい」と言っていたのが印象的でした…。オンラインゲームの怖いところは、悪い人と出会わないか、高額課金してしまったりしないか…という心配があるかと思いますが、この「ゲムトレ」というサービスならそういった心配はありません。また、トレーニングなので「決まった時間でやる」「先生にレッスンしてもらう」「自分で練習する」その結果、上手になって自信がつく…というプロセスを体験できます。これは、どの習い事も一緒だなぁと思いました。ゲームだからダメというのも親の思い込みなのかもしれません。「好きなことをがんばること」が自信につながる!好きなことをがんばることは、元気に、自信につながります。ここをなくしては次のステップに行くのは難しいと私は思います。学校に行けないことを嘆いていても先に進めません。その時間を子どもの好きを親子でゆっくり一緒に見つけて深めていくための時間にできたらステキですよね。不登校経験者の小幡さんだからこそ作れた子どもの気持ちに寄り添ったサービスだなぁと思いました。不登校の子たちみんながまた笑顔になれますように!日本初、ゲームのオンライン家庭教師『ゲムトレ』◆ 詳細はこちら>>
2019年10月01日僕はゲームを30000時間やりましたはじめまして。『ゲームは人生の役に立つ。』という本を書いています。小幡和輝と申します。Upload By 小幡和輝いきなりですが、僕は不登校でした。幼稚園から休みがちで、小学2年生からは完全に不登校になり、それから中学3年生までほとんど学校に行っていません。その期間はほとんどゲームをしていて、これまでに30000時間以上はゲームで遊んでいます。この30000時間という数字がどれくらいかというと1日8時間遊ぶことを1年間やり続けると約3000時間なので、それを10年間毎日やり続けるくらいです。それくらい僕はゲームに没頭し続けました。いまでもゲームが大好きです。僕の話をもう少しすると、高校からは定時制高校に通いはじめて、大学にも通い、自分の会社を立ち上げ、いま幸せに生きています。これはゲームをやっていたからだと心から断言できます。勉強も運動もできなかった僕が唯一輝けたもの。それがゲームでした。ゲームを通じてたくさんの友達ができました。この記事では、僕の体験を通じて、ゲームはコミュニケーションツールになるということをお伝えできればと思っています。不登校の子どもたちがゲームで笑顔にUpload By 小幡和輝僕は今年の夏、47都道府県すべてを周って不登校の当事者と会ってきました。約1000人との交流の中でゲームがコミュニケーションツールになった場面がたくさんあります。ずっと大人しくて、まったく話さなかった子がゲームの話になると目をキラキラ輝かせて、自分が好きなゲームのことを話し出してくれました。ちょうどそのゲームを持っているというので、みんなで一緒に遊ぶことに。お互いにはじめましてだった子どもたちが終わるころにはみんなが仲良くなって、LINEを交換したりしている姿を見たとき、改めてゲームの魅力を感じました。親御さんが、子どものやっていることを理解していないという課題日本を一周して感じたことは、子どもがやっていることを理解していない親御さんが非常に多いという課題です。例えば「子どもが家でゲームをしている、小幡さんみたいにゲームで友達を作って欲しいのですが、なかなか上手くいきません」というご相談がありました。ここで驚いたのが、「お子さんはどんなゲームをやってるんですか?」と聞いてみると、「詳しいタイトルとかはわからないです」という親御さんがとても多いんですね。これでは何もはじまりません。”スプラトゥーン”をやってる子どもに”フォートナイト”をやろうというわけにはいかないのです。これはサッカーが好きな子に、野球をやろうと誘うのと同じなので。不登校の子の親御さん同士が繋がって、もしその子ども同士が同じゲームにハマっていたらそこで一緒にやろうという話になるかもしれない。でも、ゲームタイトルがわからないのでは繋ぐこともできません。これはYouTubeなどでも言えることで、「子どもがYouTubeを見ている」というのは、テレビを見ている。音楽を聴いてる。レベルの抽象度です。YouTubeでどんなチャンネルを見ているのかがわからないとそこで話が終わってしまいます。ゲームとか、YouTubeとかっていう抽象度ではなく、どんなゲームをやっているのか、子どもはどれくらいの実力なのかというところまで理解できると、「じゃあこんな人と会ってみない?こんなイベントに行ってみない?」という誘い方ができるようになります。まずは子どもがやっていることを正しく理解するところからスタートしてみてください。プロゲーマーレベルの才能が埋もれていた一つ具体的なエピソードを書きます。子どもたちとの座談会で一緒にゲームをしました。来ていた子どもの中には大会で優勝経験もあり、すでにプロゲーマークラスの子がいて、一緒にゲームをしていると、一緒にやりたそうに見ていた子が近くに来ました。「じゃあ一緒にやろう」と誘ってみると、僕はもちろん、なんとプロゲーマークラスの子どもにも勝ってしまったんです。その子の親御さんはゲームに反対で、どうやって辞めさせるかを考えていました。もちろん大会などに連れて行ってくれるわけもないですし、その子は家でもあまり居心地がよくなかったでしょう。一方でプロゲーマークラスの子どもは親御さんもゲームが大好きで、大会にもどんどん連れて行くし、ゲームを通じて多くの友達ができています。この差は親が作り出したものです。もし将棋や囲碁ならどうでしょうか?自分の子どもがプロ棋士レベルに勝ったら嬉しいし、その才能をどんどん伸ばしてあげようと思うのではないでしょうか。子どもの才能を伸ばしてあげるのは親の役目なのではないでしょうか。ゲームを教える家庭教師の可能性実は海外だとゲームを教える家庭教師が存在します。プロゲーマーが職業として一般的に認められているので、プロゲーマーを目指すための家庭教師が徐々に広がってきたんですね。日本ではまだまだ厳しいと思いますが、僕はプロゲーマーを目指すものではなく、教育プログラムとしての習い事にゲームを使えないかと考えています。ゲームを通じて脳を鍛え、不登校をはじめ、コミュニケーションが苦手な子どもがゲームを通じて人と関われるようになっていく。ゲームが強くなって大会で結果が出ることで自己肯定感が高まっていくなど、ゲームを通じた教育に繋げる家庭教師の可能性を感じています。実は9月から試験的にはじめているのですが、とても評判がいいです。僕はこれから、囲碁や将棋を習うように、ゲームを習う文化を作っていきます。参考:日本初、ゲームのオンライン家庭教師『ゲムトレ』(@nagomiobata)(@nagomiobata)小幡和輝オフィシャルブログ
2019年10月01日自分に合った環境なら、「みんなと違う」は気にならないUpload By 楽々かあさんこんにちは。「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。私は、発達障害の「障害」とは、その子の「個性」と「環境」の間にある…と考えています。ですから、本人側から環境に合わせる努力や工夫も大事ですが、自分が適応しやすい環境を選ぶことでも、「みんなと違う」が気にならなくなる場合もあると思います。現在中学2年生の長男は、私立中高一貫校を受験し、第一志望校に無事合格。自分の個性に合った環境で充実して過ごせるようになり、私はそこに「障害」を感じなくなりました。中学受験は、あくまで「環境選び」の1つの選択肢に過ぎませんが、独自の校風や教育方針などの「環境」が、その子の「個性」とぴったり合っていれば、少々個性的でも学校生活を楽しく過ごせるお子さんは結構いるように思います。ただし、私立中学の場合、特別支援学級設置校は現在全国で1校のみ(文部科学省H29年度資料より)ですし、障害者差別解消法による「合理的配慮」も「努力義務」の範囲になるため、基本的に「特別支援教育」や「特別な配慮」は、現状あまり期待できないと思っていた方がいいでしょう(※ただし、発達障害・不登校対応ができる学校や、公言せずとも一定の理解や配慮がある学校もあります)。そのため、まずは、入学の前提条件として、お子さんがある程度、特別な配慮がなくても教室で落ち着いて過ごせ、通常学級での授業や学級活動への参加に大きな支障がないことが必要な場合が多いと思います。また、将来の自立に向けて必要な、ソーシャルスキルや生活スキルを身につけるための発達支援(療育)・トレーニングは、必要に応じて医療・支援機関の手も借りながら、家庭が主体となって学業と並行して継続的に取り組んでゆく必要もあるでしょう(これは、公立中学の通常学級、フリースクール・ホームスクール等で学ぶ場合や、高校進学〜それ以降の進路を選択した場合も同じです)。その上で、もし、中学受験をお子さん自身が強く希望したり、ご家庭の教育方針と合うのであれば、様々な学校を実際に見学し、比較検討してみるといいでしょう。その際、うちの経験上、発達障害傾向のある子の場合、志望校選びの段階で偏差値や知名度などよりも、ずっと優先して考えた方がいいことがあります。環境の影響を受けやすい発達障害傾向のある子は、毎日の小さな負担の積み重ねが、いつの間にか、「適応できない」「努力では乗り越えられない」大きな障害物となってしまうこともあるからです。発達障害&グレーゾーンの子が中学受験を考え始めた時に、志望校選びのポイントを7つ、ご参考までに独自の「発達障害目線」で、2回に渡ってお伝えします。今回の<前編>では、その子の個性を活かしやすい、前向きな志望校選びのポイント4つです。文部科学省「特別支援教育資料(平成29年度)」より出典 : まずは校風です。校風とは「学校の雰囲気」という漠然としたものですが、校訓や募集要項やアドミッション・ポリシーなどで、「こういう子に来て欲しい」と学校側は意思表示していますから、学校の公式HP・資料請求などで、すぐに確認できます。そして、教育方針。私立学校は特色ある独自の教育を打ち出していることが多く、「サイエンス教育に重点を置いている」「国際教育に力を入れている」「スポーツの強豪校である」「情操教育を大事にしている」…などなど、学校自体も個性的です。つまり、「学校の個性」と「その子の個性」がピッタリ合っていれば、同じ子の同じ部分が短所から長所に変わることも。例えば、うちの長男の「空気が読めない」という部分を、現在の中学では「積極的に自分の意見が言える」と肯定的に高く評価してくれます(こういった学校の考え方は、建学の精神、校訓や募集要項、過去問等にもハッキリ表れていました)。そして、凸凹差が大きくても、特定の分野に興味関心が高い子、一芸に秀でた子、一つのことに集中できる子等を歓迎し、得意分野を伸ばしてくれる教育方針とマッチすれば、「できる子」として扱ってもらえる可能性も高いでしょう。また、留学生や帰国子女を積極的に受け入れるなど、多様な個性や文化背景のある生徒が集まる学校や、博愛精神を大事にする学校などでは、多様性を認める教育がなされ、多少の個性やものの感じ方・考え方の違いは、大らかに受け容れてもらえることも。こういった、個性的な生徒を求めている学校は、「推薦・AO型入試」などを実施している場合も多いので、入試方式も早めにチェックしておきたいところ(推薦・AO型入試は、説明会への参加、事前の資料準備や面談、面接練習などが必要なことが多いです)。出典 : 学校の規模も、発達障害傾向のある子にとっては、大事な要素だと思います。感覚過敏があると、教室でのザワザワ音や他の人の動きなどが気になってしまい、負担が大きくなります。うちの長男は「人が多ければ多いほど、集中できない」とのこと。また、グレーゾーンの次男も人の顔と名前が覚えにくく、学級数が多い小学校ではクラス替えによる負担が大きく、対人関係でなかなか自信が持てませんでした。こういった子は、小規模校や少人数クラス編成の学校のほうが負担が少なく、落ち着いて過ごせる可能性が高いでしょう(ただし、クラス数が少ないと、いじめやトラブル等の際にクラス替えによる解決が難しくなることも。また、少人数でも静かとは限りません)。そして、中学では小学校と違い、担任の先生がずっと同じ教室にはいないので、大人の目が届きにくくもなります。また、集団の規模が大きくなればなるほど、「個別に、柔軟に」は、物理的に難しくなるでしょう(ただし、「干渉されない大規模校のが気が楽」「ビシッと管理されるほうが落ち着く」という子もいると思うので、一概に大規模校が合わないとは言えません)。そのため、小規模校や少人数クラス編成の学校は、アットホームな雰囲気で先生方も生徒一人ひとりの顔を覚えやすく、目も届きやすいでしょう。また、大規模校でも、副担任制の採用や少人数授業や補習制度など、教員の配置が手厚く面倒見の良い学校も。生徒数・クラス数・教員数も、学校の公式HPや学校案内・募集要項等に大抵記載されています(ただし、入試の際の募集定員数と実際の在籍生徒数がかなり違う学校もあるため、「実際のところ」も、よくご確認を)。出典 : 思春期は、いわゆる「フツーの子」でさえ、身体面・精神面で不安定になりがちです。ましてや発達障害傾向のある子は、環境の変化に敏感なことも多く、心身に大きな負担のかからない、安定した生活環境が大事だと思います。ただし、設備の「体感」は公式HPや学校案内だけでは掴めないので、実際にお子さん自身が見学会や文化祭・体験授業等に足を運んで確認してくるのがいいでしょう。学校の設備面のチェック・ポイントは…・エアコンの設置・稼働状況(各教室の他、体育館や部活動の施設なども)・教室環境(教室の広さ、机と机のパーソナルスペース、教室前方のモノや掲示物の配置など)・教室の照明、黒板・ホワイトボードの色(視覚過敏やLDのある子に見やすい色・明るさか)・個人ロッカーの有無(忘れ物の多い子、体力に不安のある子等は、「置き勉」の可否)・保健室や図書室、自習室やオープンスペースの有無(静かに休息できる場所はあるか)…など、「その子にとって特に負担がかかりやすい部分」を重点的に、よく見ておくべし!また、味覚や触覚過敏で偏食傾向のある子は、食の選択肢がある、弁当持参や学食・購買が充実している学校などが、負担が少ないでしょう。その中学のランチはどうなっているか、学園祭などで在校生に「お昼、どうしてますか?」って聞いてみるのもテ。それから、一般的には楽しいハズの行事・イベントも、「いつもと違うこと」が多いと負担になる子もいるでしょう(ただし、私立は運動会や各種セレモニーなどの事前練習等はほとんど行わないか、あっても効率的な場合が多いと思います)。年間行事予定も、学校HPや学校案内に大抵写真付きで載っていますから、一緒に眺めて「こんな行事があるんだね」「修学旅行はここに行くんだね。大丈夫そう?」等、親子で話し合いながら、お子さんの反応を見ておくといいでしょう。出典 : 傾向のある子は特に、ICTの導入状況はよく確認しておきたいポイントです。ICTが全校で導入され、iPadやPCが一人一台使える環境なら学習への負担が減りますし、特別な許可も必要ないので「〇〇くんだけズルイ」だなんて思われることもありません。また、ICTが普及していれば、校内の無線LANや電子黒板等も整備され、先生方もデジタルツールに慣れているので、デジタル教科書や電子辞書の使用、作文・課題のワープロ提出、ノート代わりの黒板の撮影なども、柔軟に理解されやすいと思います。長男の学校の場合、全校生徒1人1台iPadを所有し、授業中の電子辞書アプリの使用や、課題のワープロ打ち提出などは、特に先生の許可も必要なく、発達障害のある・なしに関係なく「みんなフツーにそうしてる」とのこと。そして、学習面では、授業内容やレベルなど「何を学ぶか」も大事ですが、「どう学ぶか」の学習手段・方法のほうが、より重要なポイントだと私は考えます。先生が一方的に話して、ひたすら黒板を写す…という伝統的な講義型の一斉授業だけでは、負担が大きかったり集中できなかった子も、「その子に合った学び方」なら、学習意欲と学力を大きく伸ばしてもらえる可能性も。多様な学習手段・方法の例は、ICTの活用の他にも…・実験やフィールドワークなどの体験型・探求型の学習・教科を越えた問題解決型の統合的な学習・言葉で学びをアウトプットするプレゼンテーションや、ディベート形式の学習・少人数授業、習熟度別クラス編成、個別課題や補習など、それぞれのペースや到達度に合わせた学習…など、近年様々に試みられていますが、その学校で取り入れている中で「その子に合った学び方」があるか、じっくりチェック。学校側が柔軟に新しい方法を取り入れてアップデートし、「学び方」の選択肢が多ければ、その子の凸の強みが活かせるチャンスも増えます(「その子に合った学び方」は何かが分からなければ、事前に専門家に相談し把握しておくといいでしょう)。また、柔軟性・合理性の高い学校なら、個別の事情に合わせて、ちょっとした私物の持ち込みや学用品のカスタマイズ程度なら、気軽に理解が得られることも。学習環境の確認は、小学生向けに体験授業などを行う学校も増えているので、気になる学校があれば参加してみるといいでしょう。その子の個性を活かしやすい環境を…出典 : 今回の<前編>では、「発達障害目線」から「こんな環境なら、その子の個性を活かしやすい」という、私立中学の志望校選びの前向きなオススメポイントを中心にお伝えしました。次回<後編>では、入学の学校生活を考えると「ちょっと不安な点・心配な点」に対して、押さえておきたい現実的なポイントを中心にお伝えします。大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』2016年/刊/ポプラ社
2019年09月20日夏休み明けは不登校が増える――。そう聞いたことがある親御さんは多いでしょう。今月のテーマは 「不登校」です。かつては「登校拒否」と言っていましたが、学校に行っていない子どもたちの中には「拒否する子ども」だけでなく「行きたくても行けない子どもたち」もいるということで、「不登校」と呼び方が変わりました。世界中には「学校に行きたくても行けない子どもたち」がたくさんいますが(かつての日本にもそんな状況がありました)、なぜいまの日本でそんな現象が起きてしまっているのか、皆さんと一緒に考えたいと思います。「不登校」とは「学校に行きたくない」と思ったことなら、だれしも一度や二度はあるでしょう。ではそもそも「不登校」とはどういうことでしょうか。文部科学省は次のように規定しています。「不登校児童生徒」とは……「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいは登校したくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」(文部科学省|平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について 参照)理由や背景はいろいろですが、「学校に行きたくても行けない」子どもや「行きたくないから行かない」子どもたちが不登校の状態にあると言えます。文部科学省の平成29年度の調査では、全国で約14万人(小学生3万5千人・中学生10万9千人)の不登校児童生徒がいることがわかっています 。ただし、フリースクールや適応教室などに通っている子どもたちは出席扱いになりますから、この数字の中には入っていません。また、これとは別に、不登園の幼稚園児や不登校の高校生もいます。そう考えると、子ども全体で見れば、不登校の人はもっと多いと言えますね。児童生徒数は年々減少してきていますが、逆に不登校児童生徒は増えてきていますので、千人当たりという比率で見るとさらに多くなっています。(文部科学省|平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果についてを参照し、筆者にてグラフを作成)小学生の不登校児童数を学年別で見ると、学年が上がるにつれて増加していきますが、もっとも少ない低学年(小学1・2年生)でも全国にいる不登校児童は約4千人。低学年のうちから学校に行けなくなる子どもが数千人はいるのです。(同上)どうして「夏休み明け」に不登校が増えるのか「夏休み明けに不登校になりやすい」ということは、以前からよく言われています。実際にいつと比べてどのくらい多いのかという調査は見当たりません。ですが、私の養護教諭時代の実感でも、1学期なんとか頑張ってきていた子どもたちの中に、とうとう息切れしてしまい休み明けには登校できなくなる子どもたちが少なくなかったことは確かです。1学期の間頑張って頑張って登校していた子どもたちは、夏休みになると「これでやっと一息つける」と思いリラックスします。夏休みがいい充電期間になって、2学期を元気よくスタートできるだけのエネルギーが貯められればいいのですが、頑張った疲れがどっと出てしまい不活発な生活になってしまう子どもや、「あの空間にまた戻るのはきついな」と実感している子どもは、相当なエネルギーがないと9月になってもすぐには立ち上がれません。夏休みは、ホッとして生活リズムが変わったり、学習への規制が少なくなったりしますから、それを元に戻すにはとても大きなエネルギーが必要になります。夏休み明けに不登校になる子どもたちは、このエネルギーが十分にたまっていないとも言えるのです。これは夏休みだけでなく、ゴールデンウィークの後や、冬休み明けなどにもみられます。ですが、夏休みほどお休みの期間が長くないので「ホッとする」ほど休めませんし、生活リズムも大きくは崩れないでしょう。また、春休み明けの新学期はクラス替えや新しい担任など今までと大きく環境が変わります。これをきっかけに「行ってみようかな?」と思う子どもたちもいるため、新年度のスタートは不登校や登校しぶりをしていた子どもが登校するきっかけにもなっています。子どもが発する「不登校のサイン」に気づきましょう不登校のサインは、子どもによっても年齢によっても、またそのきっかけになったことによっても異なります。「学校に行きたくない」「学校にはもう行かない」などとはっきり宣言する子どもはほとんどいません。ですから、親は子どもが出す「サイン」に気づいてあげることが大切です。最もよく見られるサインは、体の不調です。夏休みが終わりに近づくと元気がなくなったり、食欲がなくなったりする。新学期が始まって朝の登校時間が近づくとおなかが痛くなったり、頭が痛くなったりする。こういったような症状が挙げられます。このような体の不調は、1週間が終わる金曜日の夜あたりにはなくなり、学校が休みの日はあまり症状がでません。「これは偽病ではないか」と相談に訪れる保護者の方もいますが、偽病ではなくて、子どもは本当に頭が痛かったりおなかが痛かったりするのです。年齢が低ければ低いほど脳の機能が未分化なので、心にかかったストレスが体の症状として現れやすいと言えます。他にも、だんだん話をしなくなる、朝起きられなくなる、夜になっても眠れなくなるなどがサインのこともあります。自分にとって何がストレスなのかわからないことも子どもの大きな特徴です。「とても嫌なことがあった」とか「困ったことがあったのに誰もにも応援してもらえない」など、不安を言語化できる場合もあるでしょう。ですが、子どもが漠然とした不安を抱えている場合には、それをどう表現してよいのかわからず、口数が減ってしまうのです。「不登校のサイン」が見られたとき、親が絶対にすべきことお子さんに上記のようなサインが見られたら、親御さんに必ずしてほしいことがあります。それは、子どもが何も言わなくても、子どもの話をよく聞いたり子どもの様子をよく観察したりすることです。以前私も保健室でよく経験しました。入ってきてもただ黙っていて何も言わない子どもがいたときには、熱を測ったり頭に手を当てたりとまさに「手当」をしながら、「具合が悪いんだね」という気持ちを子どもに伝えると、ホッとした顔をして話し始めたものです。「昨日、お父さんとお母さんがリコン、リコンといってたけど、先生『リコン』ってなあに?」と聞いた1年生の男の子。リコンの意味は解らないけれど、その場の雰囲気から胸の中は不安でいっぱいだったことでしょう。その子は、お母さんから離れるのが不安で(母子分離不安)で、登校しぶりをしていました。子どもの気持ちを汲み取れるまでには時間がかかりますが、子どもに心を向けてじっくり待つことが必要です。先に述べましたように、学校生活のストレスはその程度にもよりますが誰しも持っています。いじめや、学習上の大きなつまずき、人間関係など、何が問題かによって対処方法は変わりますが、基本的には何がストレスになっているのかがつかめると、対処の方法も見えてきます。ここで1つだけ注意したいことがあります。体の訴えがでたら、まずは病院を受診し体に異常がないかどうかを確認してあげてください。「頭が痛い」と訴える背景に思いがけない病気が隠れている場合もあるからです。逆に、病院で特に体の問題がないといわれても、「どこも悪くないといわれたから大丈夫」とか「少しぐらい我慢していってみよう!」などの励ましや無理強いはやめましょう。子どもはその言葉によってますます精神的に追い詰められてしまうこともあります。親も子どもも、少し「いい加減」に子どもに不登校の兆候が見られると、親としてはとても心配になりますね。その不安を少しでも解消できるよう、いくつかアドバイスをしましょう。【親御さんからの質問 1】夏休みが明けて1週間たっても、まだ日常のペースを取り戻せません。学校に行くのだけで精神的にも肉体的にも疲れてしまうようで、帰宅しても宿題すら手につかない様子です。心と体が元気で、かつメリハリある生活でシャキッとさせるには、どうしたらいいでしょうか?夏休み明け、すぐに日常のペースに戻せるお子さんと、戻るまで時間のかかるお子さんがいます。学校が楽しくて「早く新学期が始まってお友達や先生に会いたいなー」と思っているお子さんは、少々生活リズムが崩れていても、すぐに元の生活に戻せるエネルギーをもっています。しかし、エネルギー不足の子どもたちは、元に戻すのに時間がかかったり、なかなか疲れが取れなかったりする場合もあります。少しゆっくりなペースでも焦らないで、「早く寝かせる、早く起こす」程度で様子を見ましょう。ここで気を付けたいのは、「いい子」たちです。どんなことにも「がんばらなければいけない!」と思っている子どもは、自分の力量を超えて頑張ってしまう、いわゆる無理をしてしまう過剰適応のお子さんたちです。逆に、少し「いい加減」にできる子どもは、できないことがあっても「まあいいや……」と力を抜くことができます。元気を取り戻すには、子どもの心にのしかかっている「〇〇をしなければならない」という負担をとってあげることが大切です。親御さんの「なんでもきちんとやらせなくては」という思いも、子どもにとっては負担になることがありますので、親も一緒にいい加減になることも必要です。なにより大事なのは「親子間の信頼関係」【親御さんからの質問 2】子どもが「○○ちゃんがいるから」「明日は苦手な教科があるから」などの理由で学校に行きたくないと言うことがあります。親としては負けない気持ちを持ってほしいので、つい強く送り出してしまいますが、大丈夫でしょうか?子どもが「休みたい」と言ったとしても、1回でも休んだら癖になってしまいそうで、少し怖いです。適切な対処法を知りたいです。親御さんの気持ちはとてもよくわかりますし、実際励ますことで乗り越えられるお子さんもたくさんいます。でも注意しなければいけないのは、「○○ちゃんがいるから」とか「苦手な教科があるから」などという理由は単なるきっかけに過ぎず、その背景に小さいながらも乗り越えられない“何か”がある場合です。これを、心理学者エリク・H・エリクソンが提唱した発達段階の理論では「発達課題」 と表現しています。例えば、幼少期のうちに「基本的信頼感=親子の愛着関係」がしっかり築けていない場合。幼いうちに親との信頼関係が作れていない子どもは、自分を支えてくれるものがないまま、大きな不安の中で生きることになります。この「不安状態=安全基地がない状態」では、人との関わりをうまく創り出していくことはできませんし、ほんの些細なことでも不安になり動けないのです。子どもは心の中に、それぞれの年齢で必要な発達課題を獲得していかないと、子どもは次に向かって進めず立ち止まってしまいます。立ち止まるきっかけは「友だち」だったり「勉強」だったりと人それぞれですが、次へ進めなくなってしまった際には専門家の手助けが必要です。まずはスクールカウンセラーに相談しましょう。それ以外には教育委員会の相談センターや児童精神科医など、行きやすい場所を選ぶといいと思います。学校の保健室に行けば紹介してもらえますよ。不登校も保健室登校も、子どもを学校や教室に返すことを目的とするのではなく、子どもの発達課題を見つけてその子のペースでクリアさせながら、将来の自立を目指すことが大切なのです。(筆者にて作図)自然体験には人を癒す力がある【親御さんからの質問 3】子どもが学校生活にストレスを抱えているようで、何日か学校を休んでいます。でも、家にいる分には元気なので、親としてどう接したらいいかが分かりません。休みの間はゲームでも漫画でも、好きにさせて問題ないでしょうか?家で好きなことをさせるのも心の休養にはなりますが、ゲームでは脳は解放されません。おすすめは、自然体験など体を動かす活動です。体が動くと心も動きます。親子で自然と触れ合いながら、一緒に体を動かしましょう。学校を休んでも罪悪感を持たないよう「疲れたんだから、少し休もう」と休むこともよしとしてください。かつて、保健室登校をしていた子どもたちと、学校の畑で一緒に栽培活動をしたことがあります。土や水に触れ野菜を育てて、収穫して調理して食べる。こんな活動をする中で、子どもたちが元気になり、友だちと関われるようになったり学習に取り組むようになったりしました。自然には人を癒す大きな力があるのです。心の病は、自然と触れ合いながら体を動かすことでかなり回復すると考えています。辛くても焦らないで。じっくり子どもと向き合おう「不登校」は、子どもにとっても親御さんにとっても辛いことです。でも、焦って子どもをますます追い詰めるような言動は逆効果。考え方を変えてみて、「今この子どもにどんな力をつけてあげようかな」という見方で、「やった!」「できた!」というような体験活動をさせてみましょう。また、親御さんが一人で悩まないで相談できる場所や人を見つけることも大切です。仲間がいると元気が出ます。焦らず、じっくり子どもと向き合えるといいですね。(参考)文部科学省|平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(平成30年10月25日)
2019年09月06日子どもが成長するに従い、子どもたちだけの社会が形成されていきます。そういったなかで、残念ながら時としていじめが起きてしまうことも。わが子には被害者にも加害者にもなってほしくないいじめ問題。今回はパパやママたちの体験談をもとに、親にできることを考えてみます。■3割以上が「いじめの被害者になったことがある」アンケートで、子どもがいじめに巻き込まれたことがあるかどうか聞いたところ、「被害者になったことがある」と答えた人が3割を超えて、もっとも多い結果となりました。また、「両方ある」、「傍観者または加害者になったことがある」とあわせると47.5%となり、約半数の親が子どもの何らかのいじめを経験したことがあるようです。Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある?いじめの被害者になったことがある 32.8%ない 29.8%わからない 20.6%両方ある 7.2%傍観者になったことがある 4.1%いじめの加害者になったことがある 3.4%その他 2.2%■幼稚園や学校で…いじめの実態全体の3割以上が「いじめの被害を受けたことがある」と回答したアンケートには、具体的ないじめのエピソードがたくさん集まっていました。まずは、どのようないじめが起きているのか見ていきます。「小さい頃から仲良く遊んでいたお友だちが、幼稚園に入った途端にグループでうちの子をたたいているのを見たときは凍りつきました。その後幼稚園に行きたくないと言うようになり、夫が相手の家に話をしに行ったら、『いじめられる方が悪い』とピシャリ」(滋賀県 40代女性)「2年生のときに6年生にいじめられていました。学校に相談に行き、なるべく先生や支援員さんがいてくれる環境で対処してくれました。今年になって、息子は1年生をいじめています。やめるように言ってもなかなかやめません。今はどうしたら止められるのか試行錯誤しているところです」(静岡県 30代女性)「4月に小学校に入学したばかりですが、さっそくいじめのターゲットにされてしまいました。最初は様子見していましたが、階段で押されたり足を後ろから踏まれたり危険を伴ってきたので、担任に話していまは解決済みです。低学年でもいじめがあるという現実に驚がくしました」(三重県 40代女性)「娘が高校1年の時、部活でいじめにあいました。先輩や同級生から暴言、目配せして笑われる、仲間外れにされる。先生に相談しても『弱いおまえが悪いんや』って怒鳴られた。ようやく退部できて落ち着いたが、我が子がいじめにあうなど考えてもいなかったし、私が進めてしまった高校だったので責任を感じた」(埼玉県 40代女性)そのほかにも、「小学2年でいじめを受けた息子は精神的にダメージを受け、中学生になったいまでも通院治療中。心の傷は長期の戦い」とか、「子どもが『悪口ノート』を作られた」など、つらいいじめの告白が集まっていました。幼稚園や小学校低学年でもいじめがあるとは聞いていましたが、現実的にそこまでいじめの低年齢化が進んでいるのかと驚きです。また、いじめの連鎖やいじめの後も続く心のケアについて訴える声もあり、いじめの深刻さがより身近に伝わってきます。■いじめと遊びの境目とはいじめ問題の難しいところは、何をもって「いじめ」とするかというところ。コメントでも、その難しさについての悩みの声が寄せられていました。「いじめといじりは紙一重。長男はすごく体が小さかったので、担いで女子トイレや更衣室に投げ込まれたりして、先生からは『いじられキャラです』と説明されました。しかし家では、『つらい』と泣いてました」(大阪府 40代女性)「小3の息子が、よく消しゴムを粉々にされたり、鉛筆を折られたり、ノートや筆箱に落書きされたりして帰ってきます。相手はふざけてやっているのか、いじめや嫌がらせの分類なのか、難しいところ」(福島県 30代女性)「いじめまで発展してはいませんが、小3の息子がちょくちょく同じ子からちょっかいをかけられているみたいです」(岩手県 30代女性)「いじられキャラ」や「嫌がらせ」、「ちょっかい」などというキーワードからは、「いじめ」との明確な違いを見つけることの難しさを実感させられます。また、している方とされている方との間に、意識の違いが生じている場合もありそうで、「いじめ」の判定が簡単ではないことがよくわかります。■勇気ある行動に出る子どもたち親たちから寄せられたエピソードのなかには、いじめをみずから解決したり、仲裁したりという子どもたちの勇気ある行動がいくつも集まっていました。「中2の息子は平和主義で、いわゆる『いじめ』を嫌います。性格的にも、男女を問わず嫌がらせを受けている友人を無視することができず、『やめとけ!』と言えるような子です。親としては、『ターゲットが息子に向けられるのでは?』と心配もしましたが、『放っておけばいいから! オレは大丈夫!』と、強く逞しい内心を聞き安堵(あんど)しました」(広島県 40代女性)「いじめられている子、いじめている子、分け隔てなく仲良くしていたら 『あいつと仲良くするんだったら仲間はずれにする』と言われた。無視されたりしながら、それでも『どんな子でも差別したくない』と、どちらとも変わらず接することをやめなかった」(北海道 30代女性)「小学生のときに、『1つ解決しても、また違う子からいじめにあう』と言ってきたことがありました。その場で相手に、『なんでそんなことするのか聞いてみなさい』と言ったら、娘はそのとおりに加害者の子に直接聞いてこれまで解決してきました。いまでは、誰かがいじめていたら『そんなことはしちゃいけない!』と言える子になりました」(茨城県 30代女性)大人でもなかなかできないような勇気ある行動の数々に、子どもたちの持つ力の大きさを感じます。ただいじめの仲裁に入ることでみずからが標的になってしまうこともあるため、親としてはどのように伝えればいいのか、本当に実行して大丈夫なのか悩みどころではあります。でも子どもたちが勇気を持ってみずから起こした勇気ある行動には称賛を送ってあげたいですよね。■加害者がわずか「3.4%」に疑問の声もアンケートによると、「いじめの加害者になったことがある」のはわずか3.4%。いじめは1対多数となることが多いことが考えられ、本来は被害者の数よりも多くなるはず。この結果からはどのようなことが読み解けるのでしょうか。「被害者率が高いが、加害者側はただ知らないだけなんじゃないかって思うほど、子どもの世界を親は知らないものです」(滋賀県 30代女性)「加害者が少ないことにビックリ。わが子が学校でどうなのか、親子での話し合いをしてる家庭が少ないのかなって感じました」(茨城県 40代女性)「加害者にも被害者にもなってもらいたくないし、いままでもいじめはないとは思う。でも本当に『ない』とは言いきれない。他人がさ細なことだと感じるようなことでも当事者が『いじめ』だと受け止めれば、それは『いじめ』。『ない』と自信を持って答えている方々、大丈夫ですか?」(神奈川県 40代女性)たしかに、被害者だけではなく、子どもが「いじめの加害者になっている」ことにも、親としては気づきにくい現状があるかもしれません。アンケートでも「わからない」と答えた人が2割以上いることから、子どもたちのなかで、どのようなやり取りがあったのか、どんな関係性なのか、すべてを把握するのは至難の業です。筆者の小学1年生の長男も、最近友だちと帰宅中にもう一人の友だちを走って置き去りにしてきたことがありました。本人が帰宅後、「逃げてきた!」とうれしそうに言ってきたことで発覚。親同士も仲が良かったのですぐに謝罪して事なきを得ましたが、悪気のなかった長男の態度に驚き、反省させられました。その後、あらためて「なぜしてはいけないのか」「されたらどんな気持ちになるか」について、親子で話し合い、長男自身も涙目になって反省しましたが、「いじめの加害者」と相手には映った可能性もあった出来事でした。こうしたことは日常で頻繁に起こっているのかもしれません。そうだとすると、だれもがいじめの被害者にも加害者にもなりえるといえそうです。ではそんなとき、親としてはどのようなことができるのでしょうか。■子どもが加害者にならないためにいじめの加害者にどうしてなってしまうのでしょうか?「家では良い子の親こそ、学校ではおとなしい下級生に対して弱い者いじめをしているのに、『わが子は優等生だ』と思っている気がする。圧力を親からかけられてる子どもは外で弱い者に圧力をかけるのでは? ある意味子どもも犠牲者」(三重県 40代女性)「いじめをしてしまう子は、家庭で精神的な問題があるのだと思う。発見した場合は、いじめる側の子の心の問題も見つけてあげないと、ずっと変わらないのではないかと思います」(三重県 30代女性)たとえば家庭や習い事、そして学校などで、別の問題を抱え、そのストレスによっていじめを始めてしまう…、コメントにもあるように、こういったストレスなどがいじめる側が抱えている可能性はあるかもしれません。でもだからと言って、いじめはけっして許される行為ではありません。ただ家庭の対応が無力だとも思いたくない。もし家庭でそのストレスを少しでも受け止められれば、いじめの加害者が一人でも減らせるのではないか? そう信じたいものです。それでは、そのとき親は子どもにどのようなメッセージを伝えればいいのでしょうか。「『やられたらやり返せ』という教育はダメだと思う。人にやられて嫌だったことは誰かに対してもやっちゃいけないと教えるべき。我慢できないストレスを受けたら、やり返す以外の対処法を教えるべき」(千葉県 30代女性)「相手が嫌だと思ったらその相手にはそれをしないことを心がけることだと思います。言葉や行動で誰しも相手を陥れることがあることを、大人も子どももしっかり認識すべきだと思います」(神奈川県 30代女性)「どんな場合でも、大勢対一人は卑怯(ひきょう)。大勢で一人をいじめるのは絶対あってはならないことだと、親は厳しく教えていかなきゃいけないと思います」(佐賀県 40代女性)たしかに、「相手が嫌がること」を想像できたなら、「相手が嫌がることをしない」と子どもたちが立ち止まって考えられるかもしれません。さらに、あたり前のことではありますが、「大勢対一人」という構図は絶対にダメだということを伝え続けることも重要なポイントになりそうです。■子どもをいじめの被害者にさせない最後に、子どもがいじめの被害者にならないためにすべきこと、また、いじめの被害者になってしまったら親としてどう対処すればいいか、考えてみたいと思います。●子どもの出すSOSを見逃さない「いじめの被害者になったとき、子どもの目に覇気を感じなかったので問いかけました。自分から言えない子どもが多いので、『わが子は大丈夫』じゃなく、基本的に信じるべきですが、疑うべきでもあります」(徳島県 40代男性)「何でも話しやすいように小言はぐっと我慢して、子どもの学校の話を聞いてます。子どもも自分からいじめの話をしたくないんですよね。ふさぎ込んでたり、変なテンションだったりしないか、いつも気にかけます」(東京都 40代女性)●子どもに寄り添い守ってあげる「いじめまでとは言わないけれど、仲良くしていた子とギクシャクしていた。大切にしていたお友だちだったので、メンタルが心配でしたが、できるだけ寄り添って話を聞いてあげました」(岩手県 40代女性)「息子が幼稚園の頃、毎日のように意地悪されていた。幼稚園も学校も、先生がいるとは言え、大人の目が届きにくい子どもたちだけの社会。自分の子どもの声を拾い、子どもを守るのは自分しかいないのだと親は認識すべきでしょうね」(東京都 50代女性)●子どもを見守る「息子が一度いじめられてると話してきました。びっくりしましたが、本人は『自分で解決する!』と勇気ある一言。息子には『どうしてもうまくいかないときは相談してね』と伝えました。今では人の気持ちをくみとれる優しい息子になっています」(石川県 40代女性)●相手や学校に相談して連携する「深刻なからかいではなくふざけ合いの延長みたいな感じでしたが、どうしても許せないことは、話を聞いた上で相手の子に話をしました。学校の先生には恵まれたので、よく相談もして、学校、家庭、本人の連携で問題は乗り切っていたと思います」(山梨県 50代女性)●学校をやめることも視野に入れる「いじめられている友だちを助けて娘が標的に。下駄箱の上履きに画びょう、クラスに机がない、物がなくなるなど散々でした…。その後、学校を転校しました」(千葉県 50代女性)ここまで、子どものいじめについて、加害者、被害者どちらにもならないための方法について考えてきました。最後にこのようなコメントも紹介したいと思います。「いじめに関わらない人間なんていないと思うんです。見て見ぬふりもいじめだと思います。いじめられてつらい思いをしても、今度はいじめる側。大人になってもいじめはなくなりません。もっと相手を思いやる気持ちを持たないといけないですよね」(福島県 40代女性)「いじめがニュースになる度に、子どもに『あなたはどう?』といじめについての話し合いをして『傍観者になるな』って言っています」(茨城県 40代女性)もしかしたら、「傍観者になる」人たちが一番多いのかもしれませんね。いじめられるのが怖くて、見て見ぬふりをしてしまうということは、親の私たちにも身に覚えがある人は多いでしょう。いじめていた子が、次の日にはいじめられる側になるかもしれない。どんなときにも、「相手を思いやる気持ち」が必要だと感じます。「あなたは大切な存在」と親が子どもに伝え、子ども自身もそう思えたら、自分のことも相手のことも大切にしていこうという気持ちが芽生えるのかもしれません。そのことだけは、できる限り親から子どもに、言葉だけではなく行動でも示していきたいなと思います。「大人になってもいじめはある」というコメントも多く目にしました。実際に、いじめ問題は子どものものだけでなく、大人間でも問題となることがたびたびあります。親である自分たちが、お手本となれるように、相手に思いやりを持ち、普段から「いじめは絶対にしてはいけないことだ」と行動で示していきたいものですね。Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある?アンケート回答数:5222件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年09月01日「夏休み明け不登校」という言葉をご存じですか?」長い夏休みが終わり、もうすぐ学校が始まる…。もともと以前から学校に行きたくない思いがある子は、すっかり家でのんびりすることに慣れてしまい、夏休みの終わりにその気持ちが顕在化してくるのです。「ママ、学校に行きたくない」突然の子どもの告白に、びっくりするお母さんもいるでしょう。しかし、実はその前から、子どもは危険信号、SOSを発しています。そんな「夏休み明け不登校」のサイン、それに気づいた時の対処法をご紹介しましょう。■夏休み明け不登校の兆候、3つのサイン「学校に行きたくない」。そんな気持ちを抱えている子どもが発しているSOSとして、次のようなサインがあります。・朝起きられなくなる。・朝、頭痛がしたりおなかが痛くなる。・夏休みの終わり頃に「学校に行きたくない」と言い出す。始業式が近づくに連れ、上記のような症状を子どもは訴え始めます。先生が怖い、友だちとうまくいかない、給食が苦手…など理由はいろいろでしょうが、低学年になればなるほど、子ども自身もわからないことがあります。最近、注目されている子どものタイプに「ハイリーセンシティブチャイルド(HSC)」というのがあります。アメリカの心理学者エレイン・N・アーロンが提唱したもので、感受性や共感力が高く、刺激に敏感すぎるため、新しい環境や集団生活に慣れるのに時間がかかる子どものタイプです。一説には5人に1人が当てはまるといわれ、そのために不登校になってしまう場合もあるようです。■夏休み明け不登校「1週間前から親ができること」子どもが学校に行きたくない、学校がいやだと言ったら、その気持ちを否定せずに、まずは「何がいやなのか?」と話を聞いてあげましょう。子どもが小さければ小さいほど、何がいやなのかわからない、言葉にできないということも多くなります。わからないなら、わからないでいいんですよ。とりあえず「そう、行きたくないのね」と一度は受け止めましょう。子どもの訴えは受け止めつつ、夏休みが終わる1週間くらい前から、規則正しい生活に戻すよう早寝早起きをうながし、心や体を整えます。夜更かしして朝起きれなくなったために、成長ホルモンバランスなどの崩れもあり、気持ちが沈んでいるのが原因かもしれません。まずは学校に登校するペース、早寝早起きへ徐々に戻していくこと。そして、学校での楽しい記憶を思い出させるために、友だちと遊ぶ機会をもうけるのもいいでしょう(友だちがイヤという理由ではない場合)。また、夏休み明けの不登校のきっかけに「宿題が終わっていないから行きたくない」というのもあります。ですから、夏休みが終わる1週間前から、生活リズムを整えつつ、宿題の仕上げに入るよううながすのも肝心です。「宿題をやっていない」というプレッシャーさえ、子どもにとっては不登校のきっかけになります。それを取り除いてあげるのも大切です。■夏休み明け不登校「学校に行けない、その時は?」始業式の日、どうしても体調が悪くて登校できないといった場合は休んでも構いません。無理のない範囲で、一緒に学校の前まで行って引き返してきてもいいのです。学校に行かないからといって、何もしていないわけではないんです。例えば、絵を描いたり、プラモデルを作ったり、本を読んだり、塗り絵をしたり、折り紙をしたりと、何かしらに集中していることが多いんですよね。子どもが一人で黙々と集中して取り組むことがあったら、それは外界と自分の内面との折り合いをつけている時間。邪魔せずに、とことんやらせてあげましょう。焦らず子どものペースを大切にしつつ、無理のない範囲で学校の前まで登校したり、学校での楽しかった思い出を声がけし、じっくり待ちましょう。■夏休み明け不登校「学校へ行きたくない」原因がはっきりしていたら?小学校低学年の場合、学校でのイヤなことはある程度、担任の先生に相談できる内容といえます。例えば、給食がおいしくないなら「全部食べられないかもしれないです」とか、先生の大きな声が怖いなら「ちょっと大きな声が苦手なようです」とか、お友だちとうまくいっていないなら「席を離してください」とか。子どもが低学年のうちは先生に相談というのはマイナスにならないでしょう。具体的な原因がわかるのであれば、先生に伝えるのが一番だと思います。そして、「あなたが学校で心配しているようなことは起こらないように、ちゃんとお母さんが先生に言ったからね」と声をかければ、子どもの安心につながります。小学校1年生で時々、不登校になる子はいます。そういう子は、集団になじみづらく、園や学校があまり好きではなく、もともと進んで登園・登校するタイプではない子の場合が多いです。先に紹介したハイリーセンシティブチャイルド の傾向が強い場合は、ワサワサする教室の真ん中ではなく、なるべく端っこに席を移動してもらうとか、休み時間は図書室で過ごしていいことにしてもらうなど、環境を整えることである程度解決できます。■小学校高学年の不登校、語らない原因とは…高学年となると、先生への相談ですぐ解決というのは難しいでしょう。その分、不登校の原因を子ども自身がはっきり認識して伝えられるので、それに沿った対処ができます。担任の先生への相談が難しいなら、スクールカウンセラーや保健の先生、校長、副校長など、ほかにも相談できる相手はたくさんいます。子どもが信頼できる人に相談するのが一番でしょう。また、親との関係に悩んで不登校になるケースもあります。それは、学校がなんとかしてくれる問題ではありません。それは親自身も思い当たることがあるだろうから、家庭で解決していかなければいけません。でも、親やきょうだいに問題がある場合、子どもは理由をはっきり言いません。親にかまって欲しい、ほかのきょうだいに嫉妬して…といった問題は、プライドもあるので絶対言わないでしょう。代わりに、先生がいやだとか言いがかりみたいなことを理由にしてごまかすこともあります。ただし、原因をうそでごまかすかもしれませんが、感じている気持ちや思っていることは本当。もう少し掘り下げて聞くと、原因が違うところにあるのがわかるでしょう。それは心理カウンセラーの仕事になると思います。小学校低学年の不登校は、家で親と一緒にいたい、集団生活が苦手というのが原因の場合が多いので、「学校にも楽しくなることはあるよ」と根気よく伝えることが大切でしょう。その際、ママが不安な顔をしてはいけません。そこを子どもは敏感に感じとって、学校に楽しいことなんてないと思ってしまうからです。さあ、夏休みも終わりです。お母さんも子どもと一緒に規則正しい生活を送り、心も体も登校準備を始めましょう。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2019年08月27日育児に遅れと混乱が生じてる !!
ムスメちゃんとオコメちゃん
ドイツDE親バカ絵日記