言い方を工夫すれば、相性が良くなる!?誰もが一度は経験がある、日常生活にある気まずいシーンをピックアップ。ふたりの関係を好転させる、絶妙な言い回し術を徹底レクチャー。実践! シーン別言い回し術。遅刻してしまった時「遅刻して本当にごめん!電車が遅れちゃって…」開口一番、「電車が遅れた!」と言い訳することは、自分に非がないことを伝える自己弁護が働いているから。まずは謝罪してから、その後に遅れた理由を述べましょう。「遅刻は仕方がないことでも、相手に迷惑や心配をかけたことに変わりはないので、まずはお詫びから。遅刻の理由を先に伝えると言い訳がましく伝わります。お詫びの仕方は人間性が問われます。もちろん自分がミスや失敗をした時も同様。自分の落ち度を認め、それを素直に伝える勇気を持ち、しっかりと謝罪することができれば、他者から評価されます」(“伝わるコミュニケーション”をテーマに講演を行う戸田久実さん)忙しい人に話しかける時「××についてご相談したいのですが、5分ほどよろしいでしょうか?」最初の一言めで、何のことで話しかけているのかを明確に伝えること。「それがわかれば、相手は今の作業を中断してでも、すぐに時間を割いて話に耳を傾けるべきか、あとでじっくり時間を取るべきか、優先順位を瞬時に判断することができます。『ちょっといいですか?』だけだと、その『ちょっと』が何を指しているのか全くわからず、忙しいのに注意をそらされたことで、イライラを助長させるだけ。何の件で話したいのかに加えて、どのくらいの時間を要するのかを一緒に伝えられれば、気遣いができる人だと思われて、グッと距離が縮まるはず」(戸田さん)仕事を引き受けられない時「ほかの案件に追われており、これが終わり次第お手伝いします」仕事が手いっぱいで、泣く泣く相手の要求を断らなければならない時は、「無理です」「できません」と結論だけ伝えてしまうと、信頼関係にヒビが入ってしまうことも。「どうしてできないかの具体的な理由と、力になりたい気持ちがあることを伝えれば、次に繋がります。またその時に『その代わり』を付け加え、代替案を用意すると、グッと好印象。たとえば資料作りをお願いされたのなら、作る時間はないが、資料集めやコピーなど、ささやかでも、今の自分にできることを無理のない範囲で提案してみるんです。そうすれば誠意が伝わります」(戸田さん)飲みの誘いを断る時「誘ってくれてありがとう。でも今日は外せない用事があって…」「断ることに罪悪感を抱いて、ついつい謝ってしまいがちですが、まずは誘ってくれたことに対して感謝の気持ちを伝えること。そして行けない理由をクリアにすれば、相手に気を使わせずに済みます。また翌日に『昨日楽しかったですか?』など、相手に寄り添った言葉を投げかけると、またすぐに誘ってくれるでしょう」(キャリアカウンセラー・関下昌代さん)。できれば参加したくないという人も多いが、飲み会は相性を良くするチャンスがたくさん転がっているので、参加しないのはもったいない。「飲み会は情報収集の場、ネタが増えるので会話が弾みやすくなり、伝わる力が高まります」戸田久実さんアドット・コミュニケーション(株)代表取締役。アンガーマネジメントをベースとした、言葉がけに特化したコミュニケーション指導に定評がある。『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(かんき出版)。関下昌代さんキャリアカウンセラー。亜細亜大学で、ビジネスマナーやコミュニケーションの講師も務める。『先輩に可愛がられ、同僚に疎まれず、後輩に慕われる女子になる職場で幸せになる45 のコツ』(中央公論新社)。※『anan』2019年9月4日号より。イラスト・徳丸ゆう取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2019年09月01日伝え方ひとつで、ぎくしゃくすることもあれば、一気に距離が近づくことも。特に言いづらいことを伝える時に差が出やすいもの。そこでどんな人とも相性がアップする伝え方の極意と、日常でよくある要注意シーンで使える言い回し術を、その道のプロが指南。価値観の違いを認めつつ、自分の気持ちも大事にする。仕事でもプライベートでも長く付き合っていかなければならない相手は必ずいるもの。しかし、自分の思いがうまく伝わらなかったり、会話がかみ合わないと、「この人とは相性が悪い」と判断して、距離を置きがち。だが伝え方次第で相性は変えられると、キャリアカウンセラーの関下昌代さん。「相性の良し悪しは、価値観が合うかどうかで決まるわけではありません。自分以外は、みんな異文化だと思うこと。自分の普通や当たり前が、相手にとってもそうだとはかぎらないのです。わかってもらえて当然だと思い込んで、一方的に気持ちをぶつけたり、言葉足らずになると何も伝わらず、お互い不快感を抱くだけ。だから自分の価値観を押し付けない伝え方を心がけることが、相性を良くする第一歩です」そのためにも相手の立場に立って考えること。しかし相手の顔色をうかがって、言いたいことを我慢しても何も変わらないと、“伝わるコミュニケーション”をテーマに講演を行う戸田久実さん。「良い顔をするのと、良い関係性を築くのは違います。嫌われたくなくて本心を隠したり、何を言われても傷つかないふりばかりして、自分の気持ちをないがしろにしていると、ストレスは溜まる一方。それが大きくなると、相手への不満となり、何かの弾みで怒りを爆発させ、取り返しのつかないことになる場合も。だからその都度言いづらいこともしっかりと伝えることが大事です。曖昧な言い方はトラブルのもと。伝える力を高めれば、お互いの理解が深まり、関係性はグーンとアップします」言葉選びや言い回しなど、伝え方のコツを身につければ相性は思いのまま。どんな人とも好相性に。伝え方の極意8言いたいことを伝えるのは難しいけれど、伝わった時の喜びはひとしお。まずは、心がけるだけで相手に伝わりやすくなる8つのポイントを伝授。場数を踏めば自信が持てるようになり、コミュニケーション力も向上!【1】話すタイミングを見極める話しかける前に相手を観察して、スムーズに話し合いができるベストなタイミングをチョイス。「相手の機嫌が悪いと、聞く耳を持たなくなり、こちらに非がなくとも、伝わるものも伝わらなくなります。表情や声のトーン、振る舞いで、相手の機嫌が見えてきます。不機嫌な場合は避けるべきですが、急ぎで伝えたいことがある時は、お茶など温かい飲み物を差し出して、様子をうかがい、気分を落ち着かせてから伝えてみては」(関下さん)【2】テーマはわかりやすく要点をまとめられる人こそ、伝え上手。「言いにくいからと回りくどくなったり、自分でも何を言っているのかわからなくなると、モヤッとしたまま終わるだけ。だから事前に伝えるべきテーマは何か、核を明確にしておくべき」(戸田さん)。結論と理由をセットで伝えると、相手の納得と理解を得やすい。頭に浮かんだことを思いつくまま話すのではなく、事前に思考を整理してシミュレーションするクセをつけること。紙に書き出すのも手。【3】頼み事は特別感を出す仕事をお願いしたり、相談に乗ってほしいなど、頼み事をする時に大事なのは、特別感。「『あなたにしか頼めない』『さんだからお願いするんだけど』などの言葉を添えると、頼りにしていて、特別な存在であることが伝わり、快く引き受けてくれる可能性大」(戸田さん)。ふたりだけの秘密を共有することで、信頼関係も深まり、相性アップ!ただし多用すると不信感に変わるので、ここぞという時に使うこと。【4】相手に合わせた「たとえ」で語る何かを説明する時に「たとえ」を入れて語ると、相手の心に響きやすくなる。「価値観だけでなく、理解度も人それぞれ。相手が経験していないことを説明したりお願いする時は、理解を得るためにたとえる力が必要不可欠。『この間の仕事で言うと…』など、相手に合わせた例を入れると、物事や目的がはっきりしてくるので、相手もイメージしやすくなります」(戸田さん)。相手の印象に残る伝え方をしたい時も、たとえを使うと効果的。【5】相手に話を振ってみる一方的な言い分で論破しても理解も共感も生まれません。「特に対等の立場ではない者同士の会話は、一方が多く話しがち。自分が話しすぎていると思ったら、『あなたはどう思う?』と聞いて、相手にも意見を述べるチャンスを与えましょう」(戸田さん)。相手の話に耳を傾けながら話し合うと建設的な議論ができる。「意見がくい違っても、話を遮らずに最後までしっかりと聞くことも、良好な関係を築くコツ」(関下さん)【6】肯定から入る意見に同意できなくてもいったん受け止める余裕とポジティブさがあれば、伝え方の達人といえる。「コミュニケーションはキャッチボール。相手から飛んできたボールをパーンとはじき飛ばして、『いや、それは違う』といきなり否定するのではなく、『なるほど、そういう考え方もあるね』と、意見を受け入れて、肯定のリアクションをしましょう。その後に自分の意見を述べれば、相手も聞く耳を持ってくれるようになります」(戸田さん)【7】誰にでも丁寧に偏ったものの見方をせず、公平なコミュニケーションを心がけること。「上司には媚びて、部下には横柄な態度をとるなど、人によって伝え方を変えると、誠実さが失われ、不信感を抱かせ、無用なトラブルを招くこともあります。また、つまらない見栄やプライドを持っていると、自分自身正しい選択ができなくなるので注意すべき」(関下さん)。どんな相手に対してもフラットな気持ちと真摯な態度で対応すれば、尊敬され、信頼度アップ。【8】評判に振り回されない「周りの評判や噂話に流されて、人を判断するのは避けるべき。よく知りもしないのに、『こういう人らしい』と、先入観を持った状態で接すると、ぶっきらぼうな伝え方になり、関係性は良くなりません。まっさらな気持ちで向き合い、自分が直に感じたことだけを信じること」(関下さん)。自分の中に凝り固まった固定観念にも振り回されないように。そうすれば多角的な視野が持てるようになり、良い人間関係を構築しやすくなる!関下昌代さんキャリアカウンセラー。亜細亜大学で、ビジネスマナーやコミュニケーションの講師も務める。『先輩に可愛がられ、同僚に疎まれず、後輩に慕われる女子になる職場で幸せになる45のコツ』(中央公論新社)。戸田久実さんアドット・コミュニケーション(株)代表取締役。アンガーマネジメントをベースとした、言葉がけに特化したコミュニケーション指導に定評がある。『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(かんき出版)。※『anan』2019年9月4日号より。イラスト・徳丸ゆう取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2019年08月31日子どもは、親の言うことはもちろんですが、「夫婦」の会話もよく聞いています。パパとママがけんかをしていたら、誰よりも悲しい気持ちになるし、楽しそうに会話をしていたら、それだけで安心するもの。子どもの心の成長にも大きく影響を与える夫婦の会話。ちょっとした「言い換え」のテクニックで、もっと成長させてみませんか?『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)著者の天野ひかりさんに、夫婦の会話を成長させるテクニックをうかがいました。お話をうかがったのは…「NPO法人親子コミュニケーションラボ」代表天野ひかり(あまの・ひかり)さんNHK「すくすく子育て」元キャスター、現在はフリーアナウンサーとして活躍中。自身の結婚、出産、育児と仕事の両立を経験したことで子育ての重要性を認識。 「NPO法人親子コミュニケーションラボ」 を立ち上げ、子どもの自己肯定感を育むための、親子のコミュニケーションを力をのばす講座や講演を全国で行う。ベストセラー『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)著者。天野ひかり公式サイト ■「夫や子どもは今日一日どう過ごしてた?」想像力が家族を育てる――前回までで、日常の夫婦の会話が子どもにも影響を与えるということがよくわかりました。天野ひかりさん(以下、天野さん):夫婦の会話は、家族をプロデュースします。この会話がいい方向に向かうには、なにより「お互いを認める」ことが大切ですよね。それがないと、口論や堂々巡りにおちいってしまいがちです。――とはいえ、相手を認めるということは、とくに夫婦だとなかなか難しいのが現状ですよね。天野さん:わかります(笑)。でも、これは「そうではなくて、私の言うとおりにしなさい」「お前の意見は聞いていない」…こんなことを言われ、親や先生や上司の言うことを素直に聞いて育ってきた背景があるのです。これが、今の子どもの親世代なんですよね。でも、これからは、自分で考えて行動できる子に育てることが求められる時代。誰かを認めることに慣れていない私たち親世代も、協力し合って、認めて、子どもを育むことが大切になるでしょう。そこで、家庭での夫婦の会話が、大きなポイントになるんですね。――うう、なんだかハードルが高そうです。天野さん:大丈夫ですよ! まずは、「相手の立場に立って物事を見る」ことを意識してみましょう。これは、もうトレーニングと思いましょう。つい、自分のことだけに目がいってしまいがちですが、今日一日、相手はなにをしていたか、どんな時間を過ごしていたかなど、相手の「見えない部分」に思いをはせるのです。たとえば、仕事や子どもの学校のことなど、外でものすごく忙しい一日を送って家に帰り、「やっとソファに座れる~!」とほっと一息ついたときに、帰宅した夫が「ごはんは?」なんて言ってきたらムッとしますよね。夫や子どもも、同じことなのです。顔を見るなり「また手伝ってくれない」とか「宿題はやったの?」と言う前に、ちょっとひと呼吸置いて、相手の見えない部分を思いやってみましょう。夫は外で一日忙しい思いをして働き、子どもは学校で勉強を頑張ってきたのですよね。こうしてみると、相手の悪いところばかり目についていたのが、いい面や大変だった面もきちんと見えてきます。ここが見えると、相手のすべてを含めて認められるようになってくるのです。■イラッとくる物言いから脱却! スムーズな言い足し術・言い換え術――相手を認める、相手の立場に立って物事を考えてみるということは、なんとなく自分を抑えるようで「損してる?」と思ってしまうのですが……。天野さん:とんでもない。相手を認められる力がつくと、夫や子どもにいい影響を与えるだけでなく、自分のコミュニケーション力を格段に上げることができるんです。自分にもいい効果があるんですよ!まずは、修行と思って、日々「相手の立場に立つ」ことを意識してみましょう。すると、今までの夫に対する言葉かけも自然と変わってくるでしょう。たとえば…夫「買い物してきたよ」妻「ああ、そこに置いておいて」→「重かったでしょ、ありがとうね」妻「脱いだら洗濯機にいれておいてよ」→「脱いだものを洗濯機に入れておいてくれたら、明日着ていくのに間に合うよ!」夫「ああ、疲れた」妻「私だって今日一日、会議続きでへとへとだよ!」→「今日は一日、蒸し暑かったしね。私も会議続きで疲れちゃったの。ご飯はデリバリーにしてもいい?」夫「ああ、大変だったね。そうしよう」上記のように自然と変わってくるわけです。――ほんのひと言、相手のことを考えた言葉を加えるだけで、グンとやわらかくなりますね。いつもなら「その言い方はなんだよ!」「だって…!」と堂々巡りになっていたかもしれません。天野さん:そうなんです。私がこの本でお伝えしたかったことに「夫婦の会話の大切さ」ともうひとつ、「お互いを認めること」があるのです。すべてを含めて相手を認めることができれば、会話は必ず変わってくるんです。「早く起きてよ!」といった指示や「いい加減ゲームやめて!」という禁止のことばも、「昨夜は遅かったから眠いよね。でも、もう起きる時間だよ」「明日は早いんでしょ? もうゲームはやめたら?」と、一方通行からコミュニケーションに変わります。子どもは、パパとママの会話を聞くことで、コミュニケーションの方法を知らない間に学んでいきます。「こういう言い方をするとけんかにならないんだな」「この言い方は相手を不機嫌にさせるんだな」と、ことばの選択や会話の流れを考えられるようになるんですね。――夫婦が互いを認めて、話し合ったりゆずり合う会話は、学びが大きいのですね。天野さん:また、これからの時代は、多様性が求められます。日常、何気ない話題から、環境問題やLGBTといった議論をするようなことまで、夫婦の間でも価値観に違いを感じることはあるものです。でも、この会話が子どもに影響を与えていくんですね。さまざまな考え方があって、それを尊重して受け止めることができることは、これからの時代にとても大切な力となるでしょう。子ども自身の価値基準を広げ「こんな意見もあれば、こういうこともある」と、多様なものの見方ができるようになりますよ。夫婦の会話は、子どもをどんどん育てます!参考図書: 『賢い子を育てる 夫婦の会話』 (あさ出版)天野ひかり 著/汐見稔幸 監修夫婦の会話は、子どもの成長に大きく影響を受けている! 「夫婦の会話」で磨かれる子どもの「5つの力」と「夫婦の会話」の心得とコツについて、わかりやすく解説した一冊。
2019年06月24日正しいマナーを身につけて好感度アップ!マナーの専門家・尾形圭子さんが教えてくれました。飲み物を正しく、美しく飲める。紅茶やコーヒーを出されたとき、ついてくるソーサー。カップと一緒に持ち上げたほうが上品に見える気がするが、マナーとしては?知っていると差がつくので覚えて。「西洋文化では、食器を持つのはマナー違反ですが、ソーサーだけは持っても構いません。というのも、もともとは熱いお茶をソーサーに移し替え、冷まして飲んでいたからです。しかし、現代の日本では、ソーサーは持たないのが基本的なマナー。また、そのとき代わりに、カップに手を添えてはいけません。カップは持ち手に指をかけず、親指とひとさし指でつまむとエレガントに見えますよ」ソーサーを持っていい場合【テーブル上で遠くにあるとき】【ソファに座っているとき】カップ&ソーサーと距離があり、こぼしてしまうリスクがあるときは、ソーサーごと近くまで持ってくる。手土産の渡し方、タイミングが完璧。機会は多いのに曖昧なのが手土産のマナー。せっかく手土産を準備したなら、渡し方もぬかりなく。「基本的には、訪問先の通された部屋で、挨拶後に紙袋から出して渡します。紙袋は持って帰るのがマナーなので、畳んだ袋が入るサイズのバッグで訪問しましょう」手土産は、相手の好みがわかればそれに合わせて選び、「お好きと伺ったので」などと言葉を添えると、好感度は急上昇!【生ものの場合】生菓子や切り花、アイスクリームなど溶けてしまうものは、理由を添えて「ここでお渡しします」と断った上で、玄関先で渡していい。【サプライズのとき】誕生日パーティなどでのサプライズプレゼントは、悟られないように中身が見えない紙袋や大きめのサブバッグに入れて持参する。【やってはいけない渡し方】×:つまらないものですが…。×:先方の近所の店で買う。謙遜も過ぎると非礼になるので注意。適当な感じが出るので、訪問先の近所の店で買うのは避ける。おがた・けいこ全日空や大手書店での人材育成経験を基にマナーの専門家として実践的なコツを伝授。『大人かわいい女性の話しかた&マナー』を監修。近著に『一生使える「電話のマナー」』がある。※『anan』2019年6月26日号より。イラスト・HONGAMA取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月24日夫婦の会話は、子どもの成長に大きく影響を与えるもの。さらには、家庭そのものを左右するもの。でも、夫か妻のどちらか一方だけが「今日から変わるぞ!」とひとりで意気込んでも空回りしがちです。どうしたらいいのでしょう?『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)著者の天野ひかりさんに、夫婦のコミュニケーションをもっとらくにするヒントを教えていただきました。お話をうかがったのは…「NPO法人親子コミュニケーションラボ」代表天野ひかり(あまの・ひかり)さんNHK「すくすく子育て」元キャスター、現在はフリーアナウンサーとして活躍中。自身の結婚、出産、育児と仕事の両立を経験したことで子育ての重要性を認識。 「NPO法人親子コミュニケーションラボ」 を立ち上げ、子どもの自己肯定感を育むための、親子のコミュニケーションを力をのばす講座や講演を全国で行う。ベストセラー『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)著者。天野ひかり公式サイト ■「夫婦の会話がない」という悩み、実は思い込み?――忙しい夫が夜遅く帰ってきて、せいぜい言葉を交わすのは5分程度…。そんなふうに感じている人は多い様子です。天野ひかりさん(以下、天野さん):「夫婦の会話がない」と悩んでいる方は確かに多いですね。でも、本当にそうでしょうか? よくうかがってみると、なぜか子どもに関することは“夫婦の会話”ではない、と思い込んでいる方も多いのです。たとえば、「夫婦で話すことといえば、子どものことくらいです」という方がかなりいらっしゃいますが、いえいえ、子どもの話題も立派に夫婦の会話なんですよ。「今日、こんなことが学校であったんだって」「へえ、頑張ってるね」…これも立派に夫婦の会話。恋人時代のような甘い内容だけが夫婦の会話とは限りません。夫婦になって子どもができたら、会話が変わるのは当然なのです。――なるほど…。子どものことなら、けっこう話しているかもしれません。天野さん:「夫婦で共通の話題がない」「夫婦の会話が盛り上がらない」といった言葉もよく耳にしますが、なにもきちんとした“お題”がなくてもいいのです。日本人は律儀なところがあるので、会話には「目的」や「お題」があってしかるべき、と思いがちです。でも、「今日は蒸し暑かったね~」「明日はちょっと涼しくなるみたいだよ」…こんな、何気ない言葉のやりとりも会話。なにか話さなくては、話題を提供しなくてはと意気込む必要はないのです。――意気込まずに、夫婦の会話を変えるヒントって、あるのでしょうか。天野さん:まず、あらためて「家族になっていこう」という意識を再確認しましょう。「こうしてほしい」という要求や不満ばかりを相手に押しつけるのではなく、「もっと家族になりたい」という気持ちを相手に対してもてれば、会話が弾もうが盛り下がろうが、どちらでもいいかなと私は思っているくらいです。たとえば、2人でなにかを食べながら「このアイス、すごくおいしいね」といった「共有」もすてきですよね。肩に力をいれず、自然に会話を楽しめばいいのです。お互いの根底に「家族」という意識があれば、さり気ない会話でも気持ちに深みが増すものなのです。■口を開けばけんかばかり…夫婦で楽しく話す3つのヒント――でも、会話のつもりがいつのまにか口論に…。そんなつもりはないのに、なぜかいつもけんかになってしまう。こんなケースも多々あります。天野さん:お母さん向けの講座でお話をうかがうと、「夫は私の話を聞いてくれない」「夫は文句しか言わないから、話すのがイヤなんです」「何度言っても手伝ってくれないから、あきらめました」といった声が本当にたくさんあがるんです。対して、お父さん向けの講座では「家に帰ると、妻は文句ばかりで、ついこちらも頭にきてしまう」「手伝うとダメ出しされるからやる気が出ない」という意見が多数あります。でも、よーく双方の話を聞いてみると、この不満の底には、夫婦お互いの「もっと自分のことをかまってほしい、もっと頼ってほしい」という気持ちが隠れているんですね。この点をうまく出せると、夫婦の会話のとげとげしさもグンと減るのです。つい「相手はわかっていて当然」という前提で話を切り出しがちですが、まず、この常識を自分の中から捨てることから始めましょう。これをふまえて、次の3つのヒントを実践してみましょう。夫婦の会話が少しずつ、変わってきますよ!ヒント1:主語を「YOU」から「I」に変換する天野さん:会話を増やすことより、自分の理想とする家族像を思い出してみましょう。あなたは、どんな家庭が理想でしょうか。平日はお互いに助け合って家事をこなし、休日はのんびり、二人で散歩…? もしそうなら、これを言葉にして話してみましょう。かんたんに話せるコツは、主語を「I」にしてみることです。「あなたは、ゴロゴロ寝てばっかりだよね!」ではなく、「私は、いっしょに散歩に行きたいんだけどな」という具合です。ついけんかになってしまうのは、ひと言めが、つい“相手への要望”で始まってしまうから。これは、裏を返すと相手への非難につながりますよね。YOU(あなた)を主語にして話し始めると、相手を責めたり、勝手に相手を「○○な人」と決めつけてしまいがち。当然、相手もいい気持ちがしないので、要望も伝わりにくくなるのです。日常から主語を「I」にするよう意識していれば、子どもも「自分の気持ちを素直に人に伝えられる」ようになります。ヒント2:大変なときは頼る天野さん:忙しいときは、ひとりで抱え込まずに「手伝ってほしい」と素直に頼るのが正解。我慢したり、あきらめていては、自分の不満も募る一方です。ただし、気をつけたいのは「私だって忙しいんだから、お皿くらい洗ってよ」という主張や要求だけの一方通行になってしまうこと。これではなんの進展も見られません。そこで「今日は早く出なくてはいけないから、これをひとりで全部こなすのは、つらい。手伝ってほしい」と自分の大変さを話して「頼る」ことができるといいですね。相手に「いっしょに協力して乗り越えよう」と思えるようにすることです。こんな夫婦の会話を見ていれば、子どもも「困ったときは人を頼っていい、人に話していいんだ」と実感することができますよ。ヒント3:相手が「言われたい言葉」を会話に盛り込む天野さん:私が5万人を超える親子と接して、たくさんの夫婦から聞いた「うれしかった言葉」「言われたい言葉」。中でも、夫が妻から言われてうれしい言葉をピックアップしました。これを会話に取り入れてみましょう。●「今日もお疲れさま」なんと、夫が妻に言われたい言葉のナンバーワンです。しかし、これは妻だって同じですよね。夫も大変だったけれど、私だって大変だった。でも、自分が言えてないのに、相手にだけ求めていませんか? こちらから声をかければ、相手も同様に返しやすいものです。夫婦はお互い様。「自分の要求は相手の要求と同じ」だということを思い出してみましょう。●「毎日ありがとう」「私は言われないのに、自分だけ言うのはしゃくにさわる!」という妻の意見もあります。でも、妻のこのひと言で、夫の仕事のパフォーマンスが格段に上がるという研究結果も出ているんですよ!●「やっぱり頼りになるね」妻にこそ、いちばん認めてほしいと夫は思っているのではないでしょうか。「後片づけありがとう。やっぱり頼りになるね」など、“あなただから”いう特別感を日ごろから伝えてみましょう。これはうれしいし、頑張りがいもあるものです。そして、このような言葉を普通に交わしている家庭で育つ子どもは、きっと誰に対しても「素直に感謝を伝えられる」ようになるでしょう。ほんのひと言を変えるだけで、夫婦の会話がステップアップ。それが夫婦だけではなく、そばで聞いている子どもにもいい効果を与えます。最終回は、夫婦の会話で陥りがちな「堂々巡り」から脱出するテクニックをうかがいます!参考図書: 『賢い子を育てる 夫婦の会話』 (あさ出版)天野ひかり 著/汐見稔幸 監修夫婦の会話は、子どもの成長に大きく影響を受けている! 「夫婦の会話」で磨かれる子どもの「5つの力」と「夫婦の会話」の心得とコツについて、わかりやすく解説した一冊。
2019年06月23日ビジネスシーンで間違った行動をすれば、あなた自身にとどまらず、会社の評判にも悪影響必至!そんな事態を防ぐために、打ち合わせでの席次、名刺交換など必ず覚えておくべきマナー&作法をピックアップ。マナーの専門家・尾形圭子さんが教えてくれます。打ち合わせのとき、座る席に迷わない。席次には、目上の方や来客に対する敬意が込められていて、正しい場所に座らないととても失礼。曖昧にしておかず、基本のルールはしっかり覚えておきたい。「席次のポイントは出入り口。近いほうに迎える側の人、奥側に来客者が座ります。出入り口から遠いほうが役職の高い人が座る上座です。ただし、会議室で人数が3名以上の場合は、真ん中が上座に。このルールは知らない方も多いので、もし真ん中に座るべき人が奥に座ったら、相手に合わせます」迎える側のとき、来客が迷っていたら、「こちらにどうぞ」と、ひと声掛けて促す気配りも忘れずに。お茶を出す順番も席次に従う。【基本編】2名の場合:いちばん落ち着く部屋の奥角が上座。出入り口から最も遠い奥に、来客側の最上位の人が座る。出入り口に対して平行にデスクが設置されていても同じ。3名の場合:盲点は最高位の席。正解は、奥ではなく中央!役職が高い順に、真ん中、奥、手前に座る。理由は、扇の要になる真ん中の席が、相手全員を見渡しやすいため。【応用編】4名の場合:真ん中の奥側の席を筆頭に外側になるにつれ末席に。相手を見渡しやすい真ん中であることは3名の場合と同じ。中の2席のうち、より出入り口から遠いほうが上座。イレギュラーな場合:もしも、来客側の偉い人がいちばん奥に座ったら。その場合は、迎える側も合わせて同じ並びに。その場で最も偉い人に気持ちよく過ごしてもらえるよう、気を配る。いまどきのスマートな名刺交換ができる。そのやり方によって、ビジネススキルが試されるといわれるほど、印象を左右するのが名刺交換。「以前は、目上の人から先に名刺を渡し、渡された名刺を両手でうやうやしく受け取ってから自分の名刺を渡していましたが、いまは、お互いに名乗ったら同時に受け渡す“同時交換”が主流です。マナーをアップデートしないと、時代についていけてない古い人といった悪印象を残してしまいますよ」万が一、名刺を忘れてしまった場合はどうしたらいい?「深くお詫びし、すぐに連絡先をメールで伝えましょう。本来なら、日を改めて持参すべきくらい名刺は重要なもの。それを忘れるのは、マナー以前の問題と肝に銘じて」名刺入れの上に自分の名刺を置く。自分の名刺の正面を相手に向けて名刺入れの上に置き、名刺は右手だけで持つ。【相手の名刺が横のとき】半円を描くようにして、相手の名刺入れの上に自分の名刺をのせる。同時に名刺入れを持った左手で相手の名刺を受け取り、すぐに両手で持つ。【相手の名刺が縦のとき】名刺入れはいわば名刺の“座布団”。名刺の向きに合わせて持つのが基本。相手の名刺が縦書きなら、名刺入れを素早く縦に持ち替えて受け取る。おがた・けいこ全日空や大手書店での人材育成経験を基にマナーの専門家として実践的なコツを伝授。『大人かわいい女性の話しかた&マナー』を監修。近著に『一生使える「電話のマナー」』がある。※『anan』2019年6月26日号より。イラスト・HONGAMA取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月23日職場の上司から高評価を受け、同僚や後輩から慕われる。訪問先の方々や友人から“あの人、やるな”と思われる。そんな誰しもが一目置く、“できる”女性になれる気遣いや所作を、いまの時代に合ったマナーの観点からマナーの専門家・尾形圭子さんが伝授!姿勢や表情、声掛けなど、日々の生活の中でできるちょっとした気遣いとふるまいで、印象は激変!叱られたり、不快な思いをしてクレームを入れる…といった、感情が出やすいような場面でも、スマートな対処法さえわきまえておけば、“いいよね”と好印象になること間違いなし!いいよね、あの人と言われる“日常生活での気遣い&ふるまい”5選をお届けします。周りが声を掛けやすい表情でいる。イライラしたり、どんなに忙しくても、険しい表情で周囲の人を遠ざける、不快な雰囲気を出さないことも立派な気働き。「威圧感や不機嫌さがダイレクトに伝わってしまうのが、眉間のシワ。険しい表情は声のトーンにも影響しますが、自分では気づきにくいもの。PCの近くや二つ折りのスマホケースの内側など、よく目にするところに鏡を置き、小まめに表情をチェックしましょう」Point:眉間にシワを寄せない。口角を常にキュッと上げておく。店員さんの名前を覚えている。名前を呼ぶことは、その人を気にかけていることを伝えるサイン。仕事や友人関係だけでなく、食事に訪れた店のスタッフの名前も覚え、親近感を持ってもらおう。「最初に発する『さん、今日もよろしくね』というひと言で、呼ばれたスタッフのモチベーションは上がるもの。同時に、認識されていると知ることでいい緊張感が生まれ、丁寧なサービスを受けられて、一石二鳥です」褒められ方が上手い。叱られ方が上手い。褒められたり、叱られたり、感情が動くシーンでの受け答えによって、印象は大きく変わる。「褒められて『そんなことはないです』と謙遜すると、相手を否定することにもなりかねません。『ありがとうございます』と素直に受け止め、『嬉しいお言葉です』など謙虚さを添えてみましょう」叱られている最中に、話を遮り、弁解を始めるのは絶対にNG!「反射的にカッとせず、冷静に最後まで聞きましょう。誤解を正すのも『そう受け取られたのには私にも責任があります』と、いったん相手の話を受け止めてから」【褒められたとき】:感謝の気持ちと謙虚なひと言を。×:「いえ、いえ、そんなことは…」【叱られたとき】:冷静にミスを受け止める。×:話を最後まで聞かないで弁解。クレームの伝え方がスマート。つい感情的になりがちな、クレームを言う場面。ここで試されるのは理性と品格、そして心の広さ。「品格ある大人として、クレームを告げるときは理路整然と。同席している仲間や無関係のお客さんにまで険悪な雰囲気を強いないよう、言い方や声量にも注意して」では、同席者がいても、その場でクレームを言うべき?「場の空気を壊さぬよう、率先して質問形式で言えば好印象です」【上手な伝え方】(1)理路整然と話す。(2)質問+要求を具体的に。(3)場の空気を壊さない声量で。例えば、「これ、注文と合っていますか?違うようなのでと替えてください」と、質問+要求を具体的に伝える。トラブルになったら、気持ちを切り替え、その場はやり過ごし、後で自分一人のときに責任者に伝える。スルーしがちな気配りができる。バスやタクシーなどの運転手への「ありがとう」。飲食店のスタッフへの「ごちそうさま」。そうした当たり前に思える小さな気配りを欠かさないことが、周囲の人への大きな信頼へと繋がっていく。「友人などの車に長距離乗せてもらったら、ドライバーに感謝し、ガソリン代や駐車代、高速代を負担することを忘れないで。向こうに言わせず、『割り勘にしよう』と自ら積極的に切り出してみて」おがた・けいこ全日空や大手書店での人材育成経験を基にマナーの専門家として実践的なコツを伝授。『大人かわいい女性の話しかた&マナー』を監修。近著に『一生使える「電話のマナー」』がある。※『anan』2019年6月26日号より。イラスト・HONGAMA取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月23日身につければ、好感度アップ!“できるね”と言われる行動テクとは?マナーの専門家・尾形圭子さんの考える“できる”女性とは、その場に応じて自然と動ける人。「マナーには基本がありますが、状況によってはその通りに実行できないことも。もし目上の人が席次のルールと違う場所に座ったら、そこを上座と捉え、こちらの席次を変えたり、どう動けば相手に失礼がないかを瞬時に考え、動ける女性は素敵ですよね。そうやって臨機応変に動くためにも、基本をマスターすることは不可欠です」精神的な余裕も、魅力的に見せるために大切なエッセンス。「余裕を生み、人としての幅を広げてくれるのがマナーです。こだわりの豆で淹れたコーヒーをお気に入りのカップで飲む。部屋にお花を飾る。そうやって日常生活でのこだわりを持つことでも余裕は出てきます。家の中でだらけてばかりいると、外に出たときもその雰囲気が漏れてしまいますよ」“気働き”を身につけよう!相手や状況をしっかり見極めて、思いやりの心を持って、機転を利かせて対応するのが、マナーの基本となる“気働き”。「ドアを押さえるといった小さなことから始めてみましょう」気働きとは“機転”です。目配り:相手が何を求めているかの状況観察。気配り:タイミングよく行動を起こすスキルと知識。心配り:相手によって対応を使い分けられる柔軟性。いいよね、あの人と言われる“日常生活での気遣い&ふるまい”背筋を伸ばして、美しく立つ、座る。立ち姿&座り姿が美しくないと、マナーを守ってもすべて台無しに。「猫背は自信なさげに見え、好感度はマイナス。常に、背骨の上に頭がのっているイメージで背筋を伸ばせば、凛とした知的なイメージを与えることができます」座ったときにも美しい姿勢をキープするには、腰を立てるように意識するのがポイント。「腰を立てると猫背にならず姿勢が崩れません。特にPC作業では前のめりになり乱れがち。肘ではなく腹筋で上半身を支えてみて」【立ち方】まっすぐ前を見る。あごを引く。デコルテをグッと開く。おへそのあたりで手を重ねる。両膝をくっつける。踵はつけ、つま先を15度開く。【座り方】背もたれにもたれない。重ねた手は左手が上。腰を立てて座る。足をきれいに揃える。いつも公平さをこころがける。上下関係や性別、肩書などによって態度がブレない芯の強さは、人を引き寄せる大切な条件の一つ。「丁寧さは必要ですが、必要以上に上司におもねり、後輩には強い口調で命令する。男性には愛想を振りまいて、女性に対してはそっけない…。相手によって態度を変える人は、誰からも信頼を勝ち得ません。周りの人は、あなたが思っている以上に、不公平さを敏感に感じています。後輩だからと偉ぶらず、『お願いね』と声を掛けたり、誰に対しても同じように接しましょう。その余裕こそが、あなたを魅力的に見せてくれます」おがた・けいこ全日空や大手書店での人材育成経験を基にマナーの専門家として実践的なコツを伝授。『大人かわいい女性の話しかた&マナー』を監修。近著に『一生使える「電話のマナー」』がある。※『anan』2019年6月26日号より。イラスト・HONGAMA取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月23日“会話でモテる”ためのレッスン。すぐに実践できて、印象アップ間違いなしの4項目で、会話術をブラッシュアップ!『news every.』キャスターの小西美穂さんが教えてくれました。Lesson1:人を励ます「マイナスの同調」を覚えよう!何気なく発しているフレーズも、言い方を変えるだけで、相手を思いやる優しさがアップ!「環境が変わって大変そうな人、見るからに元気のない人に、『大丈夫?』『元気でやってる?』と前向きに問いかけると、自分では励ましのつもりでも、その人は『大丈夫』『元気』としか答えにくくなってしまいます。本当に大変な人は『大変じゃない』と否定するのも辛いので、こちらの問いかけ自体を、否定形にしてあげましょう。“マイナスの同調”は、自分に寄り添ってくれてると感じられ、心の扉を開く力があります」下のフレーズをマイナスの同調の声掛けに言い換えてみましょう。A. どう?慣れた?B. 順調?大丈夫?C. 元気でやってる?【答え】A. どう?まだ慣れないよね?B. 忙しくて大変なんじゃない?C. そろそろ疲れが出てきたんじゃない?Lesson2:リスペクトしつつ指摘する魔法の言葉「もったいない」。後輩にアドバイスしたり、失敗した人に声を掛ける難しい場面。相手を不機嫌にさせないように、小西さんが多用するのは、「もったいない」というワード。「コミュニケーションは相手へのリスペクトが源泉です。注意や指摘をするときも、『こうすべき』とストレートに言うのではなく、『こういういいところがあるのに、もったいない』と組み立てると、注意したいところだけが惜しいというニュアンスに変わり、相手への敬意も込められます。言われた人も素直に注意や指摘を受け入れられる、魔法の言葉です!」Before:さん、さっきのプレゼン、ちょっと早口になっちゃってましたね。でも、良かったですよ。面白かったです!After:さん、さっきのプレゼン良かったですよ。面白かったです!でも、もったいないなぁ。ちょっと早口になっていたでしょう。Lesson3:相手を救う神対応の言葉「私もよ」。失敗してしまい、この場から消えてしまいたい…。そんなピンチな人を救う言葉が「私もよ」。「スカートのチャックが開いてて、友達から『開いてるよ』と指摘されると恥ずかしさでいっぱいになりますよね。もし『私もよくやっちゃう』と付け足されたらどうでしょう。『私だけじゃない』と思えてほっとしませんか。さりげないひと言なのに、一気に神対応になります。この言葉はビジネスでも使えます。メールの誤送信を指摘するとき『私もよくやるので気をつけます』とフォローする。それが、“デキる”人の気遣いです」例:メールの誤送信を指摘するとき「様宛てのメールが届きましたが、お間違いではないでしょうか?こちらで削除しておきますので、どうぞご安心ください。私もうっかりしちゃうことがあるので、気をつけます!」Lesson4:自分がいちばんきれいに見える「あご」の位置を見つける。美しい第一印象は、“モテ”にとって重要な要素。「見え方が、柔らかくなったり、横柄に見えたり、大きく変わるパーツが、あご。私も、人の話に夢中になるとついやってしまうんですが、あごが上がってしまうと偉そうに見えてしまいますし、引きすぎると今度は、二重あごという悲劇に襲われます(笑)。目指したいのは、あごから首、肩、鎖骨のラインにかけて水が流れるような女性らしいライン。カラダが覚え、意識せずともそのラインを再現できるようになるまで、繰り返し鏡を見てチェックしましょう」NG:上がりすぎると横柄に見える。NG:引きすぎると二重あごになる。こにし・みほ日本テレビ解説委員・キャスター。現在、夕方の報道番組『news every.』でニュースをわかりやすく解説中。著書に『3秒で心をつかみ10分で信頼させる聞き方・話し方』『小西美穂の七転び八起き』。※『anan』2019年6月26日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月22日どんなに小さくても、子どもは親同士の会話をいちばんよく聞いています。そして、いちばん影響を受けます。これをパパとママが自覚すると、「夫婦の会話」は自然といい方向に変わってくるのでは? そして、子どもの成長にもいい効果が表れるのでは…?『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)の著者であり、「NPO法人親子コミュニケーションラボ」を立ち上げ、親子のコミュニケーション力をのばす講座や講演を全国で開く天野ひかりさんにお話をうかがいました。お話をうかがったのは…「NPO法人親子コミュニケーションラボ」代表天野ひかり(あまの・ひかり)さんNHK「すくすく子育て」元キャスター、現在はフリーアナウンサーとして活躍中。自身の結婚、出産、育児と仕事の両立を経験したことで子育ての重要性を認識。 「NPO法人親子コミュニケーションラボ」 を立ち上げ、子どもの自己肯定感を育むための、親子のコミュニケーションを力をのばす講座や講演を全国で行う。ベストセラー『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)著者。天野ひかり公式サイト ■手のかかる子ども、夫婦の会話が原因だった?――世の中には、「親が子どもにかける言葉」による、子どもへの影響について書かれた本はたくさんあります。では、日常の「夫婦の会話」は、どんなふうに子どもを変えるのでしょう?天野ひかりさん(以下、天野さん):私は、講座などを通してこれまでに5万人を超える親子と接してきました。印象的なエピソードは数えきれないほどあるのですが、まずこんなお話をしましょう。以前、私の教室に通ってくださっていたあるママのお話です。そこのお宅のお子さんは、大人の言うことをちっとも聞かないだだっ子で、ママは日々手を焼いていました。そんなわけで、仕事から帰ってきた夫に、毎日のように「今日はこんな悪いことをした、言うことを聞かなかった」ととうとうと話していたのだそうです。それは、パパに話すことで、子どもに自分が悪い子であることを自覚してほしいという気持ち、パパには自分がいかに大変かをわかってほしいという気持ちもあったそうです。でも、子どもの態度は一向に改善しませんでした。そこで、このママはある日一大決心をしたのです。「子どものいい面を見よう」と。――それまで「この子ったら、超だだっ子!」と思っていたものを、「よし、この子のいい面を見つけよう」と切り替えるのは、なかなか至難の技ですよね。天野さん:そうですよね。つい「言うことをきかない」ことばかりに目がいってしまいますが、ちょっと視点を変えてみると、できていることや成長していることも必ずあるものです。そのママは、そこに気がついたんですね。「私が変わってみよう」と。その夜から、夫婦の会話が変わりました。毎日、夫には「今日は片づけを自分からできたのよ」という具合に、子どものいい面を伝えるようにしたのです。すると、夫も子どもに対して「おっ、がんばったね」「えらいなあ」とうれしい声がけができるようになりますよね。パパからしてみれば、毎日、妻から子どもの悪い面ばかり聞かされていたら、正直うんざりすることもあるはず。でも、自分の子どものいい面やできたことを聞けば、子どもへの気持ちはもちろん、頑張っている妻への感謝が自然と口に出始めたそうです。「ありがとう」と。そこからです。あんなに言うことをきかなかった子どもが、どんどん変わって、いろいろなことを自分からやるようになったそうです。「それまで、子どもは“叱られる人”になっていたんですね。でも、今はのびのびとして、その様子が愛おしく感じられるんです」とママはうれしそうに話してくれました。■夫婦けんかは見せてもいい? 仲直りで「議論」を学ぶ――自分のことについて話している夫婦の会話を、子どもが聞いていたのですね。天野さん:直接言われるよりも、誰かが自分に関することを話している言葉のほうが、ずっと心に残りますよね。子どもだって同じなのです。まして、いちばん大切なパパとママが自分のいいところを話し合ってくれていたら…。それは子どもにとって、大きな励みに、支えになるのです。このご家庭には、さらなるうれしい変化があったといいます。子どものことはもちろん、日常のささいなことでも、夫婦の会話がグンと増え盛り上がるようになったと…。――たしかに、夫婦の会話が弾んでいると、そばで聞いている子どもも安心するのでしょうね。天野さん:子どもが出合う最初の“社会”が家庭です。夫婦の会話を育み、大切にすることで、子どもはもちろん、家庭そのものも成長するんですね。こんなふうに夫婦のやりとりを聞いて、子どもは自己肯定感を育むことができるんです。――では、子どもの前で夫婦げんかなんて、もってのほかですね。天野さん:いえいえ、子どもの前での夫婦の口論もときにはあっていいと思います。ただしきちんと「仲直り」するところまで見せてあげましょう。子どもは、そこから「議論」を学ぶことができるからです。勃発した口論に「どう決着をつけるか」を見せることで、「ああ、こんなふうに仲直りすればいいのか」と、子どもは解決の方法を知るのです。でも、子どもが寝たあとに夫婦だけで仲直りをして、翌朝はケロッとしていると、子どもは「あんなに言い争っていたのに、いつ、どうやって仲直りしたんだろう?」とモヤモヤしてしまいますね。すると、自分にはわからない世界に対して不信感を抱いてしまいます。ですから、夫婦げんかをしたら、ちゃんと話し合って解決に導き、仲直りをする決着まで見せてあげましょう。「言葉のやりとり」を聞かせることも大切なのです。子どもは、「聞いて」学びます。夫婦のような対等な立場同士の議論を見て、結論を出す過程を聞かせてあげましょう。こうすることで、いつか子どもが議論をしなくてはいけない場面がきたときに、暴力ではなく、言葉できちんと解決する術やコミュニケーションの術を学ぶことができるでしょう。――毎日、なにげなく交わしている夫婦の会話ですが、実はそれが子どもに与える影響がどんなに大きいかを実感するお話ですね。天野さん:今は、共働きの家庭も増えて、パパもママも日々をこなすだけでいっぱいいっぱい、というケースも多いでしょう。自分のこと、子どものことだけで精いっぱいで、夫婦はお互いへの不満も募りがちです。でも、それぞれによくお話を聞くと、夫婦として「なんとかしたい」「助け合いたい」という思いは皆さんもっているんですよね。この思いをもっと出すことができれば、夫婦のコミュニケーションももっとラクになり、子どもを伸ばすことにもつながるのです。もっと、夫婦の会話を増やして充実させたい。そう思っているパパやママは多いはず。まして、子どもの成長につながるのならなおのことです。第2回では、夫婦の会話が変わる、3つの心得をうかがいます!参考図書: 『賢い子を育てる 夫婦の会話』 (あさ出版)天野ひかり 著/汐見稔幸 監修夫婦の会話は、子どもの成長に大きく影響を受けている! 「夫婦の会話」で磨かれる子どもの「5つの力」と「夫婦の会話」の心得とコツについて、わかりやすく解説した一冊。
2019年06月22日人間関係の根幹をなすコミュニケーション。相手の不安や緊張をほぐし、気持ちよく話せて、また会いたくなってしまう女性に、『news every.』キャスターの小西美穂さんが導きます!初対面の人を前に焦らず、相手の緊張をほぐす。一見、難しそうに思える会話テクも実はシンプル。ぐっとコミュ力が上がる方法を小西さんが伝授!“会話でモテる”人がやっている4つのテクとは?相手の話をしっかり受け止める姿勢・目線・あいづちを知る。小西さんがコミュニケーションで大切にしているのは、話すテクニックだけにあらず。「コミュ力には話し方と同じように聞き方も大切。まず相手と目線の高さを合わせ、話をしっかり受け止めて。スマホをいじりながら聞くのはもってのほか。『話がつまらない』というメッセージが伝わってしまいます。そして、『なるほど』『たしかに』などのクッションワードは、『あなたの話を聞いてますよ』という意思表示になるので、上手に使いましょう」OK:子供やお年寄りとは、目線の高さを合わせる。OK:「なるほど」「たしかに」「そうですね」。NG:立って話している人に対して座ったまま応対。NG:スマホを触りながらの受け答え。共感を伝える“へ・ほ・は”で、大きくリアクションする。コミュ力アップに欠かせないのが、共感力。相手の話を聞いて驚いたり、納得したり、気づきがあったら、「へぇ~」「ほぉ~」「はぁ~」を駆使して。「聞いている人のリアクションが薄いと、話している側は不安を覚えるものです。“へ・ほ・は”のあいづちを挟んで、感情を伝えましょう。トーンを変えれば、喜びや驚き、共感などさまざまな感情を表現できるのも、このあいづちの利点。できるだけ大げさに、表情豊かに言うのがポイントです」相手がもっと話したくなる“うながしフレーズ”を使いこなす。聞く力を高めるには、会話を弾ませる“うながしフレーズ”を挟むクセをつけたい。「『それで?』と話の続きをうながしてあげると、話している人は気分がよくなり、雰囲気もどんどんほんわかしていきます。同時に、聞いている側から“知りたいオーラ”を発することもできます。親しい間柄なら『で?』のひと言でも十分、効果はあります。うながしフレーズを上手く挟めなければ、相手の言葉の最後をなぞる“オウム返し”から始めてみて」答えやすい話題、同意しやすい話題で、会話を広げる。会話を展開させようと話をふるとき、気をつけたいのが話題選び。「人間関係が深まっていないうちは、相手が答えやすく、同意しやすい話題がベスト。無難なのはお天気の話題ですが、これからの季節なら、興味ある人が多そうなBBQネタもいいかもしれません」NGの筆頭は、政治や時事問題。「込み入った話題は、相手がどう答えていいのか戸惑ってしまいます。好きな芸能人など個人的な嗜好も避けて。相手がその人を知らなければまったく広がりません」例:昨日ニュースで見たんですが、最近BBQは、手ぶらでいいみたいですね!例:毎日暑いですね。週末まで、この暑さが続くそうですよ。こにし・みほ日本テレビ解説委員・キャスター。現在、夕方の報道番組『news every.』でニュースをわかりやすく解説中。著書に『3秒で心をつかみ10分で信頼させる聞き方・話し方』『小西美穂の七転び八起き』。※『anan』2019年6月26日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月22日報道記者兼キャスターとして、著名人から街の人々まで、数多くの人を取材してきた小西美穂さん。その豊富な経験から“ほんわか”した雰囲気作りこそが、究極の会話テクニックだと気づいたそう。「自分も相手もリラックスして、気持ちよくしゃべってもらう。それが、私が理想とする“ほんわかコミュニケーション”です。事前に雑談のネタを考えておけば、会話はスムーズに流れます。大げさなくらいの笑顔やリアクションは、相手の不安を吹き飛ばします。自分の話を興味津々で聞いてもらえれば、誰でも嬉しくなります。そうやって醸成されたほんわかした空気は、『この人とまた会って話がしたい』という思いを生みます。そうなれば大成功!『また会いたい』と好印象を残せることは、縁が続くということですから。キャリアアップや素敵な恋愛に結びつく可能性もありますよ」会話でいちばんやってはいけないのは、相手に「自分の話を聞いていない」と思わせてしまうこと。「相手が話している最中に、次の質問のことばかり考えていたり、時間を気にしたり。注意力が散漫になっていると相手が気づいた瞬間、その人の心はぎゅっと閉じ、会話の温度は急速に下がってしまいます。そうなると、元に戻すのは本当に大変!つまり会話では、相手に興味を持ってもらうための話す力だけでなく、相手の話を聞く力がさらに重要になるんです。今、一生懸命、自分に話してくれていることをじっと聞く。それがコミュニケーションの鉄則です」話す力も聞く力も、小西さんがキャスターだから身についたのでは?そんな疑問が湧くけれど、「誰にでも磨くことはできます」と、きっぱり。「もちろんある程度の練習は必要ですが、テクニックを知り、一つ一つ習慣にしていけば、どんな方でもコミュ力はアップできます」メールやSNSでのやり取りがコミュニケーションの主流になった今、顔と顔をつき合わせて、言葉を交わす会話の時間がますます貴重になってきているとも。「SNS全盛時代だからこそ、実際に会って話さなければ感じられない、言葉の持つ温もりの価値が上がっています。せっかく時間を割いて話すのだから、互いにとっていい時間にしたい。そう思っていることが相手に伝われば、『また会いたい』という気持ちに自然となりますよね。会話そのものが減っている中、コミュ力が高い人は、ますます重宝され、“モテる”のではないでしょうか」“会話でモテる”人がやっている4つのテク3割増しの笑顔と感謝ワードで第一印象をポジティブに。普段よりオーバー気味の笑顔&感謝を伝える言葉で、初対面時に漂う緊張感をやわらげて。「初めて会うときは、多少なりともお互いに緊張しているもの。通常の3割増し、大げさに感じるくらいでちょうどいい笑顔になります。そして、『お会いできて光栄です』など、感謝を伝えましょう。お店で会うのなら『前から来てみたかったんです』もいいですね。わずか3秒で言えるフレーズですが効果は絶大!有意義な時間にしたい意思が伝わりますよ」共通点を見つけて心のドアを開ける。出身地や経歴、趣味などの共通点は、会話の糸口となり、互いの距離を縮める好材料!可能なら事前に調べておくのがベスト。「共通点があると、初めて会う人でもご縁を感じられるので、一気に打ち解けることができます」事前情報が得られない場合は、会社などの所在地もヒントに。持ち物のことに触れるのもアリ。「名刺入れやスマホケース、女性ならアクセサリー、男性ならネクタイなど、こだわりが感じられる持ち物を褒めるのも喜ばれます」“否定の王様”にならない。レストランの食事に「あまり美味しくない」。会議室に入って「狭いな」。何に対しても真っ先に否定的なことを言うタイプを小西さんは“否定の王様”と命名。「否定から入るコミュニケーションでは、人は心を閉ざしてしまいます。たとえ、料理がなかなか出てこず、接客も味もイマイチな店だったとしても、『天井が高くて開放的!』と、何かしらいいところを見つけ、場にいる全員をポジティブにしてくれる人のコミュ力には、唸らされます」話が弾む雑談ネタ、“旅行・食べ物・お酒”のマイベスト3を決めておく。雑談もコミュ力が試されることの一つ。あらかじめ、旅行、食べ物、お酒のマイベスト3を決めておくと、沈黙で気まずくならない。「単にベスト3を話すだけでは、『好きなのね。ふ~ん』で会話は終わってしまいます。もしお酒のベスト1がビールなら、すごく冷えたビールを美味しく注いでくれるお店まで落とし込んでおく。すると、雑談が相手にとって情報となり、あなたに会うことの価値が上がります。『一緒に行きましょう』と次の約束にも繋がります」こにし・みほ日本テレビ解説委員・キャスター。現在、夕方の報道番組『news every.』でニュースをわかりやすく解説中。著書に『3秒で心をつかみ10分で信頼させる聞き方・話し方』『小西美穂の七転び八起き』。※『anan』2019年6月26日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年06月21日場や相手を選ばず会話に花を咲かせられる、引き出しが豊富な女性は魅力的です。教養の宝庫である読書を上手にすることで、良質な知識を身につけましょう。話したい人とだけ話していればいいというのは、子どもの特権。成長するにつれ、初対面や気が合わない人とも会話をする機会が多くなります。無難にこなすだけでも精一杯かもしれませんが、自分も相手も「楽しい時間を過ごせた」と思えるような会話をできるのが、一目置かれる大人の女性。「下世話な話やデリケートな話は当然避けたほうがいいですが、時事ネタといっても最近は、昨日盛り上がったことが今日はもう古く感じられることもあるくらい。だからこそ一般的な知識や普遍的な話題を幅広く持っていると、会話のなかに生きていきます」(国語講師・吉田裕子先生)知識や教養を身につける方法はいろいろあるものの、最も手軽かつ効率的なのは、やはり読書。「読書のコスパは抜群です。たとえば著名な方の考えを知りたいとき、講演会なら数千、数万円かかりますが、本を読むだけなら1000円程度で済みますし、時間や場所にも縛られません。またインターネット検索で得る断片的な情報と違って、本はある程度体系化されているのでわかりやすく、知識ゼロの分野を学ぼうとするときの入り口としても最適なのです」有意義な読書法を身につけ、常に取り出せる知識をストック!教えて!先生。読み下手さんからの質問Q. 読書が苦手な人はどうすれば好きになれますか?A. タレント、スポーツ選手など好きな人のエッセイから入ってみて。子どもの頃から読書に苦手意識があるような人は、「本=小説」というイメージに囚われているのでは?「本といってもジャンルはさまざま。構えすぎず、タレントやスポーツ選手など、自分が好きな人のエッセイから入ってみるといいと思います。人気ドラマのノベライズや原作なども読みやすく、好きなシーンが活字だとどうなるのか比べると、新たな発見があるかもしれません。小説なら、いろんな作家の短編がテーマ別に収録されているアンソロジーから、好きな作家を見つけるのも」ベストセラーのような話題性だけで手に取ると、挫折してしまうことも…。気になる人やテーマなど、自分に合いそうな本を探すことが、読書を楽しむ第一歩に!Q. 実生活に生かせそうな本を選ぶコツは?A. 旬の話題=フローの知識、深い知恵=ストックの知識を意識。学ぶことを意識した読書は、フロー(流れ)とストック(蓄え)という2種類の知識に分けて考えると効率的。「フローの情報は一時的に役に立つけれども、時や場所が変わると使えなくなるもの。時事ネタやトレンドは、雑誌やインターネットなども活用して収集する習慣をつけると、仕事の場での話題や発想力に生きてきます。本質的なストックの知識は、長く役に立ちます。少し難しいと感じた本でも、3回繰り返して読むのがおすすめ。1回目はざっと目を通して全体像を把握し、2回目はノートなどをとって理解を深め、3回目は要点を拾い読みして振り返りつつ、自分なりの見解も付け加えていくイメージ。会話で自分なりの意見を言え、物事に対する洞察力を感じさせることが」Q. 本で知った名言・知識をさっと披露するにはどうすればいいですか?A. 100字読書メモを習慣化して、要約力を身につけましょう。読んだ本の内容は理解しているつもりでも、それを第三者にわかりやすく伝えたり、会話のなかに上手に取り入れたりするのは、意外と難しかったりするもの。「要約というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、手軽に要約力をつけるために、1冊の感想を100字にまとめる読書メモを習慣づけましょう。何についての本なのか、見どころ、感想の3点に絞って短い書評を書いてみるのです。また、役に立ちそうなデータや名言などは、スマホで写真を撮ったり、書き写したりするのも」自分にとって参考になった部分を、1か所メモしておくだけでも効果あり。反対に100字でもの足りない人は、SNSやAmazonレビューなどに投稿するのを習慣に。よしだ・ゆうこ国語講師。予備校・高校に加え、大人向け古典講座も担当。『人生が変わる読書術』(エイ出版社※エイはきへんに世)、『大人らしく和やかに話す 知的雑談術』(日本実業出版社)など著書多数。※『anan』2019年5月29日号より。イラスト・micca取材、文・兵藤育子(by anan編集部)
2019年05月28日未知のことにも興味を持てる聞き上手は、自分の世界や見識も広がり、周囲からも好印象。賢い女性は相手に気づかれることなく、会話の手綱を握っています。聞くことは、情報をインプットすること。未知のジャンルの話題や、初めて耳にするような単語が出てくることも当然ありますが、そんなときこそ聞き上手は教わり上手にもなります。「教わるのが上手な人は、甘え上手でもあり、学び上手ともいえます。知らないのはまったく恥ずかしいことではありませんし、疑問や気になったことを質問することは、会話がさらに盛り上がるきっかけにもなります」(フリーアナウンサー・魚住りえ先生)話を興味深く、親身になって聞くことのできる女性は想像以上に好印象を持たれています。「どんな人でも、社会や世間に認められたいという欲求があります。話を聞くことは相手をもてなすことであり、その欲求を満たす行為といえるんです」コミュニケーションにおいて受け身の行為ともいえる「聞くこと」は、一見簡単そうですが、実はこまやかな気配りが必要。「相手をもてなす聞き方の上級者は、質問のしかたやリアクションで、話の流れもコントロールしています。自分の引き出しが増えるうえに、周りからも信頼される聞き上手は、ある意味、最も得をする存在なんです」一歩近づくポイントを知ろう!相手に楽しく語らせる、4つのステップSTEP1:自分の知らない話題が出たときは?知ったかぶりはNG!素直に教えてもらう姿勢が好印象。知ったかぶりはその場しのぎになるものの、教養を高めたり、実のある会話をするという意味では、あきらかに損。「コミュニケーションは、自分をよく見せることに固執しすぎると停滞してしまいがち。わからないときは、素直に聞くのが一番です。聞かれた人も、逆にそれが新鮮で学びになることもあるので」知らないことを聞くときに役に立つのが、「勉強不足で申し訳ないのですが…」というフレーズ。複数で会話をしているときに知らない話題や言葉が出てきたら、カジュアルな場であればスマホでササッと調べるのも。ただし興味がないのだと誤解されないよう、すぐに話の輪に戻りましょう。STEP2:知らないことを伝えるタイミングは?早い段階ほどベター。ひと息ついたときが質問のチャンス。意気揚々と話している人を遮るのも失礼だし、かといって、話が流れていくほどに「知らない」とは言い出しにくい状況に…。「わからないことはなるべく早い段階でクリアにしたいところですが、勢いよくしゃべる人や話が長い人は特に、口を挟むタイミングが難しいですよね。とはいえ、誰でも息つぎをしますし、次の言葉を探す間があるので、その瞬間を狙ってカットインしましょう」話し好きな相手ほど、質問を挟むときは簡潔に。まわりくどい質問は、かえって相手をイラつかせる恐れも…。感想や自分の話などをするときも、途中で引き取らず、相手の話をきちんと最後まで聞いてから話すクセをつけましょう。STEP3:もっと深く知りたいときは?キーワードや印象に残ったことから具体的に聞き出して。話を深めたり、広げていきたいようなときも、こちらの質問のしかたが鍵を握っています。「話をしっかり聞いていれば、キーワードやキーセンテンスに気がつくので、それらを拾って深掘りしていきましょう。仮に知らない言葉だったとしても、質問を重ねてそこからどんどん興味深い話を引き出すことができます。また印象に残ったことから、話を広げていくのもおすすめです」相手の言い方が抽象的だったり、わかりづらいようなときは、「具体的に言うと、どういうことですか?」「たとえば例をあげると?」という聞き方が効果的。漠然とした質問を避けることが、深掘りしていくポイントです。STEP4:さらに、相手の心をほぐすためには?言葉の反復や言い換えが効果的。雑談が生きることも。A「今日は駅が混んでいて…」B「そうそう、今日は駅がすごい混んでたよね!」たったこれだけの会話に、相手の承認欲求を満たす効果が。「同じ言葉を繰り返すと、話をよく聞いてくれているという印象を相手に与えるのです。応用として、少し言葉を変えて繰り返したり、そのあとに質問を加えても」共感を示す際に使いがちな「わかります!」は多用すると逆効果。相手と距離を縮めるうえで軽視できないのが雑談。場を和ませておくと、話の展開にも変化が。「雑談ではちょっとした失敗談を話すなど、親しみやすさや抜けをアピールすると、相手もリラックスして心を開いてくれますよ」うおずみ・りえフリーアナウンサー。キャリアを生かして「魚住式スピーチメソッド」を確立し、ボイス・スピーチデザイナーとしても活躍。著書に『聞く力の教科書』(東洋経済新報社)など。※『anan』2019年5月29日号より。イラスト・micca取材、文・兵藤育子(by anan編集部)
2019年05月28日どこから、どんな球が飛んでくるかわからない、ライブな会話。大人の女性として、暴言、失言などあらゆる球を、軽やかに返す技を磨きましょう。「フォロー上手」な女性になるには?相手に緊張感を与えない、ウィットに富んだ女性は魅力的です。「会話で和やかな時間を過ごすための心がまえとして大事なのは、相手と協力しようという姿勢。でしゃばりすぎず、かといって当てにしすぎず、初めて話す人とでもどうすれば力を合わせてこの場を楽しめるか、探ることのできる人はステキだと思いますね」(コラムニスト・石原壮一郎先生)たとえば、相手の話が瞬時に理解できず、トンチンカンな受け答えをしたり、反対に自分の話を違う意図で解釈されて、噛み合わなくなった経験はありませんか?「お互い内心では焦っていて、こんなときこそ失言が出やすかったりするのですが、食い違いをすかさず自分のせいにして、相手に恥をかかせない人は一目置かれます。会話において、ちょっとした事件や事故はよくあることなので、距離を縮めるチャンスだと思ったほうが気が楽です。それを逆手に取って、上手に生かしてしまえるのが大人の女性だと思います」反応しづらいときや気まずいとき、涼しげに、あるいはユーモアたっぷりに、気の利いた切り返しやフォローで場を和ませる。すぐにできることではないかもしれませんが、ここぞという場面に使えるフレーズを覚えておきましょう。会話が危ないそのときに、スッと言いたいひとこと場が凍った!たとえばダジャレ好きの上司や取引先の人など、本人はあくまでも盛り上げようと思って発した言葉ではあるものの、一瞬で場が凍りつき…。居合わせた人たちは、どう反応すべきかわからないまま、誰かに口火を切ってほしいと思っているような緊張状態。すべったことを好プレーに変える。「ダジャレを言った人は、みんなを戸惑わせてから、じわじわと笑いが広がるのが自分の芸風だと思えれば、何も問題ないわけです。なので『絶好調ですね!』などと持ち上げれば、周りも瞬時に空気を読んで同調してくれるでしょう。下手に突っ込むと収拾がつかなくなるので、ひとすべりで終わらせたほうが全員が安心できます」反対に、自分が場を凍らせてしまったときは、他者のフォローに頼らず「あれ、今の笑うところですよ」とか「ちょっと巻き戻しましょうか」などお決まりのフレーズで早めに切り抜けましょう。誰かが突っ込んでくれたときは、「そこで拾ってもらえなかったら、今日は眠れませんでした」とファインプレーを讃えてあげて!あきらかに間違っている…有名人の名前や地名などを言い間違えるのは、凡ミスの範疇。しかし付き合いが比較的長い仕事相手の名前を間違えているなど、今後のためにも訂正してあげたほうが親切なときも。肝心な部分の記憶違いで、話の辻褄が合わないまま、会話が続くときも困ります。間違いに同調しつつ修正。自分の名前を面と向かって間違えられたとき、間髪入れずに訂正するのは、ムキになっているようで気が引けてしまいます。「少し時間が経ってから『は忘れっぽいから気をつけろって、課長にいつも注意されるんです』などと正しい名前で返して、相手の間違いをなかったことにしてあげるのが大人の優しさでしょう」敏感な人ならすぐに間違いに気づけるうえ、リカバリーのチャンスも。第三者の名前の間違いにも同様に使えるテクニックです。「記憶違いなど、きちんと訂正してあげないと話が流れていかないようなときは、『最近、物忘れがひどくて自信がないんですけど』と前置きをして事実を言えば、相手にも失礼なく、角が立ちません」悪口に巻き込まれそう「最近あの子、部長に色目使ってると思わない?」と楽しそうに話す同僚や、「課長って、ほんとのところ仕事できないよな…」と腹立ち紛れにつぶやく先輩。こちらに意見を求めているような、悪口を含む問いかけには、どう返すのがスマートなのでしょう。鈍感なふりで切り抜ける。悪口を言っているような人には、同調した時点で“仲間”だと思われてしまいます。悪口の輪に入りたくないことを、ある程度毅然とした態度で示すのも、巻き込まれないための予防策。「それでも懲りずに言ってくるようなら、『へえ、何それ?』とか『全然気づかなかった』など鈍感なふりをして、“打っても響かない人”になりましょう」目上の人が悪口を言っているときは、同僚のようにはぐらかせないのが難しいところ。しかしここでも基本姿勢は、鈍感なふりを。「『仲いいですねー』などの的外れな返事をすれば、先輩は『もういいよ』と諦めてくれます(笑)」場合によって“ズレた返し”ができるのも、賢い大人の女性です。いしはら・そういちろうコラムニスト。大人のあり方や素晴らしさを各媒体で発信し、日本の大人シーンを牽引。『大人の言葉の選び方』『大人の人間関係』(共に日本文芸社)など著書多数。※『anan』2019年5月29日号より。イラスト・micca取材、文・兵藤育子(by anan編集部)
2019年05月27日心のこもった文章は、相手にも自然と伝わり、喜ばせるもの。背伸びをせず、自分らしい言葉で文章を綴り、さまざまな思いを届けましょう。「メッセージ上手」になるためコツをお届けします。日々当たり前のように書いているメールでも、自分の気持ちをきちんと伝えたいと思うほど、身構えてしまいがち。まして、手書きの手紙となると、なおさら。とはいえ、その人らしさが垣間見える心のこもった文章は、より深く、魅力を伝えるもの。「自分の思いを伝えるのはそもそも労力のいることですが、伝えなければコミュニケーションは始まりません。相手ときちんと向かい合うという意味でも、大人の女性としてためらわずにやっていきたいですね」(手紙文化振興協会代表理事・むらかみかずこ先生)口頭ではなく、わざわざ文章にして伝えることのメリットは、頭の中を整理できること。「たとえばお願いしていることに対して一向に返事が来なくて悶々としているとき、口頭で伝えようとすると、つい感情的になってしまったり、言葉が過剰になってしまいがちです。書いて言語化すると、悶々としている理由を冷静に整理できるので、遥かにスムーズに伝えられるのです。気持ちが相手にうまく伝わると、いい関係を築くことができ、その積み重ねが自信にもつながりますよ」ポジティブなシーンもネガティブなシーンも、コツさえつかめば恐れることはありません!この心を伝える6つのコツ1、感謝を伝えるコツお礼を言われて、嫌な気持ちになる人はまずいないでしょう。「『ありがとう』は相手だけでなく自分も幸せになる言葉です。なので何度使っても失礼になりませんが、その理由をプラスすると感謝の気持ちが際立って、さらに喜んでもらえると思います」大げさな言い回しはかえって白けてしまうので、それよりも具体的な「ありがとう」を心がけて。「感謝の気持ちは、間を置かずに伝えるのもポイントです。メールであれば、好意や親切を受けたその日か翌日に送りましょう」ただしタイミングを逃したことを理由に、お礼をしないのは避けるべき。「本当はもっと早くお礼を言いたかったのですが」などと言葉を添えてフォローを。2、謝るコツ「お詫びというと反射的に怖いと思いがちですが、謝ること自体はネガティブな行為ではありません。むしろプラスに転じることもあるので、必要以上に恐れないことが心がまえとして大切です」仕事でミスをしたときや、相手の怒りを買ってしまったようなとき、お詫びの文面で最も気をつけたいのは、潔さと誠実さ。「申し訳ないという気持ちを素直に伝えることが、信頼につながります。ここで言い訳にも取れるようなことを少しでも書くと、かえって伝わらなくなってしまうので、謝るときは特に、短く、簡潔な文章を心がけましょう」そして最後に、次につなげるような言葉を添えると、お互いに気持ちを切り替えることが。3、お断りをするコツせっかくの依頼や提案を断るのは、心苦しいものです。スケジュールの都合などで物理的に難しく「どうしても断らざるを得ない」場合や、条件が見合わないので「できれば断りたい」場合などシチュエーションはさまざまですが、大切なのは次につながるような断り方をすること。「本当は引き受けたいのに状況が許さない場合は、その気持ちを素直に伝えると相手も納得してくれるでしょう。『今月中は厳しいですが、来月なら大丈夫です』などと代替案を出すのも効果的です」後者のように引き受ける意思がなくても、「無理です」「できません」と相手を拒絶するようなストレートな表現は、大人として配慮に欠けるので避けましょう。4、感動を伝えるコツ依頼していた仕事で素晴らしい成果をあげてもらったり、聞いたお話に感銘を受けたり…。感動の度合いが大きければ大きいほど、思いが先走って、適切な言葉が浮かばなかったりするもの。「感動の場合は、基本的には感謝の表現と似ています。つまり、感動というのは、心が大きく刺激を受けて、動かされることですよね。その理由を具体的に言語化すると、リアルに伝わります」自分の気持ちを的確に表現するには、感情を表す言葉のバリエーションが多いに越したことはありません。「嬉しい」にも、興奮で跳び上がるような気持ちや、じわじわとこみ上げてくる感覚など、いろんな種類があるので、臨場感のある表現をマスターして。5、お願いごとをするコツ仕事の依頼などで何かをお願いするときに使いたいのが、クッションになる言葉。「お手数をおかけしますが」「お忙しいところ恐れ入りますが」「ご面倒とは思いますが」などお決まりの言葉でも、あるかないかで読んだときの印象がガラリと変わります。「さらに相手のモチベーションを高めて、快く応じてもらえるようにするには、『前回上手にやっていただいたので』や『さんは仕事が丁寧なので』というふうにさりげなく褒めつつ、なぜその人にお願いをしたいのか、具体的に理由を添えると効果的です」いずれにしてもお願いごとをするときは、相手を尊重していることをアピールして。やる気をかき立てられるかどうかが鍵です。6、気遣いを伝えるコツ「自分のことを気にかけてくれている」と感じることができるのはしみじみと嬉しいものです。「お元気ですか」「お変わりありませんか」というシンプルな言葉でも、気持ちは十分に伝えることができます。一方で繊細な配慮が必要なのは、体調を崩している人や、何らかの理由で落ち込んでいるような人を励ますとき。「相手の状況がどの程度深刻なのかわかりかねる場面も多いので、根掘り葉掘り問いたださず『よい一日になりますように』とか『気持ちよく朝を迎えられますように』などと幸せを願う言葉を軽やかに添えるのがスマートです」読み手の気持ちがほんの少しでも楽になるようなフレーズを「あっさりと」入れるのがポイント。むらかみかずこ一般社団法人手紙文化振興協会代表理事。時代に合う手紙の書き方を提唱しながら、講師の育成も行う。著書に『「さらっと書いたのに心が伝わった!」という文章が作れる』(KADOKAWA)など。※『anan』2019年5月29日号より。イラスト・micca取材、文・兵藤育子(by anan編集部)
2019年05月27日家族のスケジュールはどのように管理していますか?スケジュール帳?お家のカレンダー?最近では、「スケジュール共有アプリ」が注目を集めており、スマホで家族のスケジュールを共有して管理できます。筆者が2年間使い続けて気づいた、スケジュール共有アプリのメリットとデメリットをご紹介します。■ スケジュール管理アプリのメリットelise / PIXTA(ピクスタ)スケジュール管理アプリは無料で使えるものも多く、より便利に使いたい時に課金するのが一般的です。紙のカレンダーやスケジュール帳には真似できない、スマホアプリならではのメリットがたくさんありました。瞬時にスケジュールが共有されるmakaron* / PIXTA(ピクスタ)夫婦互いのスケジュールはもちろん、子供の習い事や行事ごとなど、一瞬にして家族みんなで共有することができます。紙のカレンダーだと、記入後に家族に周知しなければ、「知らない」「気づかなかった」と言われてしまいます。ですが「スケジュール管理アプリ」なら、家族の誰かが入力すると、瞬時にアプリのカレンダーに反映されます。通知表示されるので、入力に「全く気づかない」ということがありません。家族の予定を事前に確認することで、家にいなくても、その場で予定を組むことができるのです。シフト制の仕事をしている家族がいれば、細かな時間まで確認できるので、お迎えの時間やご飯を用意するタイミングなど、スムーズに対応できるのです。通知機能で予定を忘れないGraphs / PIXTA(ピクスタ)使っているアプリによりますが、予定の開始1日前や、1時間前など、希望した時間に「通知」を受け取るできる機能があります。この「通知機能」のおかげで、予定を忘れずに済んだことが何度もあります。1時間前の通知で準備を始め、10分前の通知で家を出るなど、準備行動がスムーズに行えて、時間ピッタリな行動ができます。予定の共有で夫婦の助け合いができるteraken / PIXTA(ピクスタ)普段は夫が知ることのない「子どもの参観日」の日程。「スケジュール管理アプリ」に入力することで、夫は必然的に情報として知る事になりました。すると「この参観日、俺が行こうか?」と予想していなかった言葉が!予定をアプリで知った夫が「行こうかな?」と思ってくれたようです。これまでは、わざわざ参観日の日程を伝えることの無かった日常ですが、アプリのおかげで「押し付けなく」気遣いを引きだすことに成功しました。■ スケジュール管理アプリのデメリットとても便利な「スケジュール管理アプリ」ですが、便利すぎるゆえのデメリットがあります。絶対に間違えのない「アプリ」に対して、そこに人間の曖昧さが加わり、家族の間にちょっとしたトラブルが発生することも。スケジュールを確認していないと責められるjazzman / PIXTA(ピクスタ)スケジュールアプリに頼りすぎると、全てのスケジュールがそこに集結することになるので、入力し忘れたり、入力されたものを確認していないと「どうして?」と責められることが出てきます。妻:「え、今日飲み会だったの?ご飯作っちゃったよ」夫:「アプリに送別会って書いてあるでしょ」なんて会話が出てきます。最初は「スケジュール入力」プラス「声かけ」があったのですが、「声かけ」がなかった時は「アプリで確認して行動を先回りする」ということを繰り返すうちに、入力することが「絶対の決定事項」に変わってきます。まるで「これは仕事なのか?」と思えるシチュエーションが、夫婦の間に勃発するのです。アプリに頼りすぎて慌てるpolkadot / PIXTA(ピクスタ)スケジュールを入力することで、「安心」しきってしまうことがあります。通知機能を万全にして置けば問題ないのですが、人間ですからうっかりしてしまうことも。これまでアプリの通知機能で、何度も「ピンチ」を乗り越えてき経験があり、予定を意識することが薄れてしまうため、入力忘れをしてしまうと、予定をまるごと忘れてしまう!なんてハプニングも……。通知機能に頼りすぎて、予定が迫らないと行動に起こせない、悪い癖がついてしまいました。夫婦の会話が減るアプリへ予定を入力するのは簡単なので、どんどん自分の予定を書き込みます。相手はその予定を確認したうえで、さらに予定を追加します。そこでお互いに意義を申し立てないと、お互いに「黙認した」ことになってしまいます。予定を事前にすり合わせることもなく決議してしまい、自然に交わされるはずたった会話がどんどん失われていきます。近くに居ながらメールで会話している。それに近いものを感じます。mits / PIXTA(ピクスタ)使いこなすととっても便利な「スケジュール管理アプリ」。スマホがないと生きていけない!と同じぐらい、「スケジュール管理アプリ」が生活に定着してしまいました。夫婦や家族としてのコミュニケーションは大切に保ちつつ、便利なものは「道具」として使う努力が必要だと感じています。
2019年05月23日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、日本国内に詳しい会話上手な女になりきり。訪れたからこそわかる土地の魅力があります!47都道府県すべてを訪れ、日本各地のことをしっかり知っている人は、コミュニケーションにおいて強いと思うんです。というのも、老若男女、相手を選ばず話せるネタのひとつが出身地。実際、婚活パーティで一番盛り上がる話題でした。でも、話を広げるためには、ちゃんと土地の情報を知っておく必要があるし、その場所へ行ってみないとわからないことだってたくさんあると思うんです。そう、このあいだ仕事で大分県へ行ったのですが、私はそれまで湯布院の温泉くらいしか知りませんでした。でも、地元の人で知らない人はいない、へそくり入れに使えそうな、豪華な箱に入っているお菓子のお土産があったり、湯布院の近くになると高速を走っていても温泉の香りがすること、霧ですぐに通行止めになる道があるなど、訪れたからこそわかったことがありました。名所や気候、「牛が有名だよね!」というような名産品のことを知っていると、出身地を聞いた瞬間に相手に寄り添うことができますよね~。それに、「長野に行ったときはおそばを食べたな…」と、思い出が知識として身につくというのも素敵だなって思います!まして47都道府県すべてに行くというのは、どんなスタンプラリーをクリアするよりもすごいこと。だって、戦国時代の武将だって、全国制覇を目指していたわけですから…!最初は、自分の地元をとりあげた旅行雑誌や本を開いてみるのはどうでしょうか。読むと、“地元をこんなに褒めてくれるんだ”と思えて嬉しいし、“こんな場所があったんだ!”という再発見もできる。観光大使になったような気持ちで周りの人にアピールできるものを調べて知るうちに、ほかの土地にも、だんだんと興味がわくようになるはずです!よこさわ・なつこ芸人。『バイキング』(フジテレビ系)や『王様のブランチ』(TBS系)など、数多くのバラエティ番組にレギュラー出演している。著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。※『anan』2019年5月15日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2019年05月10日ビジネスシーンでの言いづらい&聞きづらいに効く伝え方のコツを“コミュニケーションの先生”戸田久実さんに伺いました。work悪口に同意を求められた相手の意見を繰り返すことで、否定も肯定もしない。「軽い気持ちで同意してしまうと、後々、『さんもそう言ってたよ』と面倒ごとに巻き込まれてしまう可能性があります。うまく切り抜けるためには、否定も肯定もせず、はぐらかしましょう。『そんなこと気づきもしなかった』という態度を見せるのも上手な逃げ方です。露骨に否定的な態度をとると、空気が悪くなるので注意」【例文】相手「さんって最近ちょっと態度悪いと思わない?」×「うーん、そう言われれば確かにそうですかねぇ」「え、そう感じることがあるんですね、気づかなかったです」カチンとくるような発言をされた勝ち負けの発想を捨てて、売り言葉に買い言葉を防ぐ「ここでのポイントは、相手の言葉を真に受けないこと。過剰に受け止めてしまい、不機嫌になると周囲の空気も悪くなってしまいます。また、応戦することで関係が修復不可能なほど悪化することも。さらっと受け流しつつ、明るく切り返すことで、ケンカに発展することが防げます。セクハラ発言も同様に、適度に聞き流して」【例文】相手「え?その年でまだ実家に住んでいるってまずくない?」×「そんなの、人の勝手だと思いますけど!」「そうなんです。貯金をしたいので、そのほうが効率的かなと思って!」相手の考えや本音を知りたい「なんで~なの?」は、質問でなく詰問になる。「『なんで』『どうして』で始まる聞き方は、詰問や尋問のような印象を与え、相手を追い詰める恐れが。質問の目的は、話を聞き出すこと。そのためには、感情的にならないように注意して、単刀直入に『教えてほしい』と伝えましょう。答えを促すときには「~じゃない?」とズバリと突くのも有効。大切なのは、答えやすい空気感作りです」【例文】×「前も言ったと思うけど、なんでいつも期限を守れないの?」「期限を守れないことが続いているけど、何か理由があれば教えてくれる?」聞きづらいことを尋ねたい枕詞を使って、“言っても大丈夫”という空気を作る。「聞きづらい内容は、相手に“言ってもいいかも”と思わせることが重要。そこで使えるのが、『差し支えなければ』『もしよければ』『遠慮なさらずに』といった枕詞。相手に“答える”“答えない”の選択肢を与えたうえで、こちらが受け止めるスタンスであることを伝えられるので、本心を打ち明けてくれる可能性も高まります」【例文】×「正直な話、何がダメだったんでしょうか?」「差し支えなければ、どこが問題か、今後のためにも教えていただけますか」戸田久実さんアドット・コミュニケーション(株)代表取締役。アンガーマネジメントや心理学をベースとした研修や講演を行い、講師歴は27年。『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(かんき出版)など著書多数。※『anan』2019年4月17日号より。取材、文・五十嵐 大©metamorworks(by anan編集部)
2019年04月14日コミュニケーション次第で相手の反応が180度変わる!?言いづらい&聞きづらいに効く伝え方のコツを“コミュニケーションの先生”戸田久実さんに伺いました。面倒な頼みごとをしたい“あなたじゃないとダメなワケ”で引き受ける理由を作る。「どうしてあなたにお願いするのか、その“なぜ”を明確にして、特別感を与えることが説得材料になります。理由が不明瞭だと断られてしまう可能性もあるので、きちんと事情を説明しましょう。自分の手が一杯なのであれば、状況を正確に伝え、そのうえで力を借りたいと思っていることを話せば納得してもらえるのではないでしょうか」【例文】×「ごめん!こんどおごるから、これお願いできない?」「ごめんなさい。~の件、私にはどうしても難しくて。以前担当していたさんならスムーズにいくと思うし、手伝ってもらえないかな?」取引先に対して不満を伝える“現状への不満”より“あるべき姿”を伝えるのが建設的。「不満や怒りは、“本来はこうあるべき”というゴール地点にまだ辿り着けていない、理想と現実とのギャップにより生じるもの。そのため、不満を口にするのではなく、あるべき姿を伝えることでより建設的な議論に結びつきます。改善を求める場合は、怒りの感情をぶつけるのではなく“何をしてほしいのか”リクエストしましょう」【例文】×「~のような状況だと、こちらとしては非常に困るんです!」「~のような状況が続くと、ミスに繋がる可能性もありますので、できれば××のようにしていただけると幸いです」飲みの誘いを断りたい誰にでも当てはまる理由で“あなただけじゃない”と伝える。「なかなか断りにくい上司や取引先からのお誘いに関しては、体調不良や先約があることなどを理由としてあげ、感謝の言葉とともにお断りします。重要なのは、“あなたとは行きたくない”と思わせないこと。誰にでも当てはまる理由を提示することで、相手を無意味に傷つける事態を避けつつ、“仕方ない”と思ってもらえます」【例文】×「すみません。気分も乗らないし、ふたりで行くのはちょっと……」「申し訳ありませんが、この日は別件がありまして/実家の家族がこちらに来ておりまして/仕事相手の方とふたりだけで食事に行くのは控えておりまして…」仕事の依頼や提案を断りたい「その代わり」で前向きな姿勢を見せれば次に繋がりやすい。「相手の要求に対し『できません』のひと言で断ってしまうと、そこで関係が終わってしまうことがあります。関係を維持しつつ断りたいのであれば、まずはお受けできない現状を説明しましょう。そのうえで、『代わりにこれならできます』と代替案を伝え、前向きな姿勢を示すことで、次の機会にも繋がっていくはずです」【例文】×「いやぁ、いまスケジュールが一杯なので、できませんね!」「大変申し訳ございませんが、スケジュールの都合でお引き受けできかねます。その代わり××でしたらお力になれると思いますが、いかがでしょうか?」同僚に嫉妬やマウンティングされたまず、相手の承認欲求を満たすことを考える。「最も意識すべきは、“応戦しないこと”。一度反応してしまうと、泥仕合に発展しかねません。また、ダメージを受けていることを悟られてしまうと、相手を増長させる恐れも。マウンティングを仕掛ける人は、自分の承認欲求を満たすことを目的としています。決して戦わずに、相手を立てた言葉をかけてあげるのがベストでしょう」【例文】相手「あなたって綺麗だから仕事もうまくいっていいよね~。もう少しスキルが身につけば、もっと上に行けるかもね!」×「は?ちゃんと実力で出した結果ですけど!」「ありがとうございます。さんの仕事ぶり、いつも参考にしています!」戸田久実さんアドット・コミュニケーション(株)代表取締役。アンガーマネジメントや心理学をベースとした研修や講演を行い、講師歴は27年。『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(かんき出版)など著書多数。※『anan』2019年4月17日号より。イラスト・SANDER STUDIO取材、文・五十嵐 大(by anan編集部)
2019年04月13日多くの人とやり取りをするビジネスの現場で、避けて通れないのが「こんなとき、なんて言えばいいんだろう?」というシチュエーション。そんなモヤモヤを解決するため、シーンごとに使えるコミュニケーションのコツを厳選。仕事上の無用なトラブルにサヨナラしよう!上下や利害の関係性に惑わされすぎないこと!プライベートなら言えるひと言が、ビジネスシーンではうまく伝えられない…。その理由について、“伝わるコミュニケーション”をテーマに研修や講演を実施する戸田久実さんは、こう指摘する。「仕事では上下関係が明確なため、立場に合わせたコミュニケーションに悩んでしまいがちなんです」だからこそ、“伝える技術”を身につける必要がある。「まず大切なのは、相手に伝えたいことを明確にすること。それが不明瞭なままだと誤解を招く恐れもあります。そして、過剰な遠慮をしない。言葉を選んだりタイミングを見計らったりといった配慮は必要ですが、遠慮のしすぎは意図が伝わらない原因になります」でも、それが難しい…。そこで、よくあるシチュエーションごとに、使えるコミュニケーションのコツをセレクト。このケーススタディを参考に、難所を乗り越えて!待ち合わせに遅刻した謝罪より先に理由を言うと“言い訳”になる。「電車遅延などの正当な理由があったとしても、まずは謝罪することが大原則。謝罪よりも先に事情を説明してしまうと、相手に“言い訳している”というマイナスの印象を強く与えます。言いにくいことこそシンプルに。ストレートに謝罪をしてから、何が原因だったのかを説明しましょう。最後に、改めてお詫びすることも忘れずに」【例文】×「朝はちゃんと起きたんですけど、電車が遅れて、遅刻しました」「遅刻して申し訳ありません。電車の遅延で、到着が遅れてしまいました。お待たせして、申し訳ありませんでした」こちらの不手際を先方に報告する“一番伝えるべきこと”を明確にしないとマイナスの印象に。「相手に嫌われたくない、怒られたくないという“自己防衛”の気持ちが働くと、どうしても遠回しな言い方をしがち。でも、それは逆効果。真っ先に伝えるべきことを明確にしないと、相手を苛立たせる恐れも。不手際を報告するのであれば、『謝罪しなければいけないことがある』と明らかにしたうえで、具体的な話を展開しましょう」【例文】×「~の件ですが、場合によっては何とかなるかもしれないんですが、ちょっと作業が遅れており、できれば納期をご相談できないかなと思っておりまして…」「大変申し訳ございません。~の件で納期を××日にしていただくことは可能でしょうか。~のような状況で、予定通りの納品が難しくなってしまいました」同僚の問題点を上司に報告する不満や批判の気持ちが入ると“告げ口”になる恐れが。「業務上、同僚に問題点が見られた場合は、それを事実として上司に共有するのは当然。重要なのは、余計な感情を含めないこと。感情的になり、同僚を責める気持ちが入ると、それは報告ではなく“告げ口”に。そうなると、自分自身の印象も悪くなってしまう。冷静に情報共有することを意識して、今後の対策も伝えられるとベター」【例文】×「さんがきちんと引き継ぎをしてなくて、そのせいで私、昨日も定時に帰れなかったんです。こういうとき普通××しますよね?おかしくないですか?」「さんの~の件が十分引き継ぎできていないようで、私の仕事に影響が出ています。恐れ入りますが、さんにその旨をご指摘いただけないでしょうか」同僚のミスを注意する「~してはダメ」より「~するとよい」のほうが相手に響く。「一方的に持論をぶつけると、押しつけや決めつけと受け止められてしまう恐れがあります。否定されたことで萎縮したり反発する人もいるので、誰かに注意をするうえで肝心なのは、否定をするのではなく、『こうするともっとよくなるよ』と提案すること。また、相手の意見にも耳を傾けることで、認識の相違が明らかになります」【例文】×「~の件は、先に確認しないとダメだよ!」「~の件は、先に確認しておくとあとが楽だよ」勤務態度の悪い後輩を叱る“強く言う”から“率直に言う”に認識を改める。「叱ることの最大の目的は、相手に改善を促すこと。そのためには、何が問題だったのか、物事の重大さを率直に伝えましょう。語気を荒らげて“強く言う”ことに意味があると勘違いしている人がいますが、相手を叩きのめすだけではかえって反発心を招くことも。そうなっては、相手の考え方を改善するという目的には逆効果です」【例文】×「何度言っても報告書の誤字が直らないじゃない、いい加減にして!」「誤字のないように見直してね。他部署も見る資料だから、誤字があるとチームの信頼を損ねる可能性もあるよ」戸田久実さんアドット・コミュニケーション(株)代表取締役。アンガーマネジメントや心理学をベースとした研修や講演を行い、講師歴は27年。『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(かんき出版)など著書多数。※『anan』2019年4月17日号より。イラスト・SANDER STUDIO取材、文・五十嵐 大(by anan編集部)
2019年04月13日心に残る、「詩」があります。会話となる言葉とも違う、手紙とも、物語とも違う、「詩」に使われる言葉について、詩人・最果タヒさんがエッセイを書き下ろします。言葉という「暴力」と、付き合う。自分の気持ちを言葉にする、という行為は、自分への「暴力」でもあると思っています。言葉はそこまで、柔軟なものではない。いろんな人が、いろんな人生を生きて、見つけてきた感情がどれも同じはずはないのに、「好き」「嫌い」「ムカつく」「うれしい」、言葉にすればまるですべてが同じ形をしているみたい。本当は、その人の言葉でしか、その人の感情は表せない。本当は、新しい感情を語るためには、新しい言葉を探していかなくちゃいけない。けれど、そしたら伝わらなくなるから。「わからない」「意味不明」「わかるように喋って?」だから私は、「言葉にしてこそ、相手に伝わってこそ、自分の感情に意味があるんだ」と思い始めていた。学生時代。誰かと気持ちをシェアしたい、一緒に喜んだり、悲しんだりしたいって、時もあるし、だから必死で共感を求めた。けれど、それって本当に、思いのすべてを理解してもらわなくちゃ、できないことなんだろうか?何一つ伝わってないな、と思うことは多かった。話し方が下手なのか、コミュニケーション能力の問題か、教室で友達と話していても、私の言いたいことはほとんど伝わっていない、と思うことが多かった。友達の言いたいことも、たぶん私は理解できていない。でも、その場のノリとか、勢いとか、そういうものによって会話は流されて、一言一言を精査することなんてない。いや、そんなの誰ももう求めていないのだ。「あ、それいいよね」「わかる」「まじそう」そう繰り返していくことで、時間も一緒に流れていく。一緒に話していれば、一緒にいれば、それだけで湧く親しみというのがあって、たとえ友達の言いたいことがわかっていなくても、友達はそれでも私と一緒にいたいと思ってくれるし、私もそれでいいと思っていた。その場が盛り上がればいい、という会話の仕方は、中学から高校にかけて激しく、流行のもの、テレビ、音楽について話していれば大体のことはやりすごせていた。それぞれが違うことを言っていても、テーマがそこにあれば、まあなんとかなってしまう。部活動とか、先生とか授業のこともそう。何かを褒めたいとか、何かを貶けなしたいとか、大きな方向性が定まっていれば、それに従いつつ、みんな意外と好き勝手に話して、そうしてそのほとんどがスルーされていくんだ。「わかる」とか。そういう言葉が受け流していく。小説やドラマみたいに、セリフすべてに存在意義があるわけではない、と当時の私はよく考えていた。早口で言えば誰もが聞きもらすし(それでいて聞き返すようなこと誰もしないし)、ぱっと聞いておもしろくなかったら「ていうかさ」って違う話になったりする。言葉は使い捨てられていく。たぶん、ドラマとか漫画では、省略されてしまうやりとりだろう。きっと、物語など何もない私たち。そんな私たちの会話では、言葉がおざなりにされていく。「何を言うか」より「誰と話すか」のほうが大事で、「どう話すか」「どんなテンションで話すか」が大事で、だから相手の言葉を正確に拾おうとはしなくなる。親しい相手になればなるほど、そうだった。言葉は、そばにいることを知らせる、定時連絡みたいなものだ。それでも一つだけルールがある。「わけのわからないことを言って、場を凍らせるな」一緒にいるだけで、なんか話しているだけでOKの場。それを壊すな。だってこれこそが平穏だから。場のために、私たちは言葉を選ぶ。わかりやすいように、伝わりやすいように言葉を選ぶけれど、相手に自分を理解してほしいからそうしているのではないのかもしれない。誰ももう、理解しようとしてなくて、だからこそ、「なにそれ?」ってなるようなこと、言ってはいけない。「わかる」っていうのは、流してしまってOKってこと。そうやってさらさら通りのいい会話をして、時間をやりすごしたい。別に、悪いことではなくて、そういう退屈だってあっていいとは思うのだ。けれど、私は耐えられなかった。自分の気持ちをそぎ落として、わかりやすい言葉に無理やり、あてはめて、そうしてだんだん、私は何かを捨ててきてしまっているのでは、と思い始めた。「わかる」と言われたらほっとする。みんなも自分もくつろいでいる空間は、私だって、壊したくない。けれど、語る言葉が「建前」であろうとも、声にするたび、そっちのほうが「本当」であったように感じてしまう。自分が本当はどう思っていたのか。誰とも話さず、言葉にせずにいたら、だんだん忘れてしまうんだ。最適化されていく。みんなにわかるように話すことで、みんなの知っている言葉を使うことで、その言葉に合わせるように自分という人間も、最適化されていく。みんなに「わかりやすい」人間になる。場を壊さない人間になる。でも、それだけだ。場の要素でしかない私。ここに自分がいたっていなくたって、同じだと思った。誰にだって共感される人間なんて、すべてが「わかって」もらえる人間なんて、そこにいる意味がないとも思った。全く別の家で、全く別の人生を生きてきて、わかるはずなんてないのに。「わからなさ」にこそ自分があると、思うのに。それなのにそれらすべてを捨ててしまっている気がした。「わかる」と言ってもらいたいがために。でも私は、やっぱり人は、「わからないけれど、でも、なんか好きだよ」「なんか嫌いだよ」、そういう感情でつながっていくものだと思った。だから、きっと、話し言葉以外の「言葉」を探し始めたのだろう。中学生だった頃、私はインターネットで日記を書き始めていた。友達にはまだネットに詳しい子がそんなにはいなかったけれど、でも、ネットにはすでにたくさんのWEB日記が存在していて、そこでは現実の人付き合いなんて、全く関係ないみたいだった。また、個人の書いた言葉、というものは、耳で聞く言葉と大きく違って見えたのだ。言葉より優先される「場」がないから、言葉が、話し言葉よりもずっと、ごろっと目の前に現れている。ノリで流すことができない。スルーができない。わからない言葉は、わからない言葉のまま存在感を発揮し、私はそれが羨ましかった。「わからなくてもいい」と思って言葉を書けることが魅力的だった。とりとめもない思考回路。それを、ただ言葉にしてぶつけていった。友達に話しても「は?意味不明」と言われるようなもの。だけれど言葉と体が結びついて、言葉を書くことが、体をぎゅっと丸めたり、思いっきり走ったりすることと同じように感じられた。次の瞬間に自分が何を書こうとしているのか、わからない。理性とか、そんなものを置き去りにして、私の感情が言葉を選び、そのうち、感情すら置き去りにして言葉が暴走していく。感情というより、反射神経で言葉を書いている感じだった。わかりやすい言葉ではなかったけれど、その言葉の手触りにこそ、自分というものが存在している気がしていた。次第にそれを読みたがる人が現れて、「書く言葉」だからこそ、受け入れられる「わからなさ」があるのかな、なんてことを思った。話す間はどうしても、相手の顔が目の前にあり、周りには空間があり、空気があり、それまでの雰囲気を崩さないように、言葉を選ぶ。言葉より場が優先されてしまうのは、「コミュニケーション」としては当たり前のことなのかもしれない。けれど、書いた言葉は、ネットの海にある言葉は、どうだったのだろう。当時の、個人サイトが点在しているようなインターネットでは、まだ言葉はどれもがひとりごとで、コミュニケーションを前提とはしていなかった。「わかってもらう」なんてこと、考えなくてよかったんだ。だって、相手の顔は見えないし、互いがどういう環境でそれを書いているのか、読んでいるのかも知ることができない。言葉の手触りだけが生々しく、やってくる。そこにしか、「人」の気配がなかったんじゃないだろうか。よく知らない相手なのに、同じ言葉を話している。けれど、あきらかに、自分とは違う言葉選びを相手はしていて、相手の背景にあるものは何一つ見えないのに、その「異物感」に相手の生きてきた痕跡を感じる。言葉のすべてがわからなくても、言いたいことがなんなのかわからなくても、その「異物感」にときどき、ぐっときたり、むしろ嫌悪感を抱いたりする。言葉が「人」を伝える瞬間だと思った。「わからなさ」に「人」が宿る瞬間だと思った。そういう言葉を、私はずっと書きたいと、思っていたんだ。ネットに書いていた言葉には、次第に読者が現れて、そうしてそれを「詩みたい」と言う人がいたことで、私は「詩」を発表するようになった。これが、私が詩人になったきっかけだったと思う。詩は、私にとって、「わからなさ」に宿るものです。わかってもらいたい、という感情を抱いた途端、その言葉は詩ではなくなる、と思っています。読んで、その詩を「好きだ」と言ってくれる人も、それぞれが違う解釈をしていたりする。彼らがどう読むかなんて私にはコントロールできないし、それでも、届くものがある、ということが私にとっては大切だった。読み手と書き手が、完全にわかりあう必要などないのだろう。わからないけれど、でも、だからこそ強く残る手触りがあり、それこそが「詩」なのかもしれなかった。それぞれが、自分自身の中にあるものを、そこから思い出すのではないか。共感や、わかってもらう、ということを追いかけて、忘れ始めていた自分の「本当」が、奥にまだ眠っていることを思い起こすのではないか。もしかしたら。そんなことを、最近は、考えています。実際のところはわからない。わからなくて、いいと思う。ただ、私が書いた「わからなさ」が作品として、誰かに届いていくとき、私は、書いていてよかった、と思う。こんなことがあるんだ、といつも驚かされている。こんな瞬間があるなら、いつまでも、いくらでも、書いていけると、そのたびに、思う。さいはて・たひ詩人。中原中也賞・現代詩花椿賞などを受賞。著書に詩集『天国と、とてつもない暇』(小学館)、エッセイ『百人一首という感情』(リトル・モア)ほか。※『anan』2019年2月13日号より。文・最果タヒ©mheim3011(by anan編集部)
2019年02月12日書き言葉とは違い、話し言葉は、いわば一発勝負。うまく伝わらなかったことや、とっさに言葉が出てこなかったことなど、誰にでも後悔した経験があるのでは?元NHKアナウンサーの合田敏行さんは、まず、自分の話し方を知るためにスマホで録音してみることをすすめる。「テーマを決めて30秒くらいで話し、録音を聞いてみましょう。自分で嫌だなと思ったところを直していけばいいのです」また、プレゼンでの話し方を提案して話題の本『1分で話せ』の著者・伊藤羊一さんによれば、伝えるというより、“伝わっている”ことが大事だという。自分が話したいように話すのではなくて、いつも相手の気持ちを考えること。そして、できるだけ短いセンテンスで、結論を先に言う。「そのために、どんなことも1分で話すトレーニングが有効です。1分で伝わらない話は、1時間かけても伝わらないはず」プライベートで経験しがちな、具体的な後悔エピソードから、伝わる話し方の秘訣を学んでいこう。後悔1結婚式の友人代表スピーチ。事前に原稿を書いてきちんと読んだけれど、反応が薄い…かといってアドリブも上手にできそうにないです。問題点:ずっと原稿ばかり見てしまう。解決法:アイコンタクトを大切に!顔を上げて話せば届く。「冒頭の部分は、顔を上げて話すようにしましょう」と合田さんはアドバイスする。人前で話すとき心に留めておきたいのは、“目の届かないところに情報は届かない”ということ。原稿ばかり見ていては、聞き手の関心が離れてしまう。「また、顔を上げると喉がひらいて、明るい声を出しやすくなります。反対に下を向いて話すと声がくぐもって暗くなってしまいます」さらに、お祝いの言葉に続く話題を一つだけ、その場で考えて話す。「先にスピーチした人の話を受けてもいいし、新婦を見て思ったことでもいい。その場のライブ感を盛り込むことで、スピーチがいきいきとします。その後は原稿を読んでもかまいませんが、話しながら下を向かずに、原稿を見るための間をとるように。練習すればそのタイミングが掴めるはずです」後悔2友達の相談に親身に応えたつもりだったのに、その友達が不満そうにしている。問題点:全力でアドバイスしてしまう。解決法:相談にのる=聞くこと。寄り添うだけでいい。相談にのってほしいと言われたからといって、必死に解決策をアドバイスするのが親切とはかぎらない。「大事なのは、自分の考えを言うことではありません。『どうしてそう思ったの?』というふうに、相手が話したいことをよく聞き出してあげれば、ほぼ役目を果たしたことになります。そして、『大変だったね』などと共感してあげれば、友達は十分に満足するでしょう。もちろん、どう思うかと聞かれたときには、率直な意見を言ってみてもいいと思います」(合田さん)伊藤さんも、ただ聞いて、共感することをすすめる。「こういうときは、向き合うのではなく同じ方を向いて寄り添うイメージ。その場で結論を出そうとする必要はないし、ましてや自分の意見を押し付けたり、上から目線でお説教を始めるのは絶対にダメです」後悔3気になる先輩とエレベーターで二人きりに。印象に残る会話がしたかったけど「お、おつかれさまです」としか言えなかった。問題点:一言を考えすぎてしまう。解決法:背伸びしようとしない。明るく挨拶できればOK!「中身のあることを真剣に話そうとするからガチガチになってしまう。この場面は、英語なら『How are you?』『Fine!』くらいの軽いやりとりなのだから、朗らかに声をかけてみては。反対に、何か聞かれたときもYesかNoで答える程度で。この機会に印象に残る会話をしようなんて思わないほうがいいでしょう」(伊藤さん)何か質問してみるという手も。その際は、相手の様子を見て、瞬時に質問を考えねばならない。「自分のことを話すのではなく、相手に関心を持った質問を。『いつもお忙しそうですね。これから会議ですか?』など、相手が簡単に答えられそうなことがいいでしょう。といっても、とっさの会話です。背伸びして気の利いたことを言おうとせずに、『おつかれさまです』の挨拶を明るく言えれば上出来ではないでしょうか」(合田さん)合田敏行さんNHK放送研修センター・日本語センター部長。NHKにアナウンサーとして入局、長崎放送局長などを経て現職。著書に『敬語の使い方が面白いほど身につく本』(あさ出版)が。伊藤羊一さんヤフー コーポレートエバンジェリスト、Yahoo!アカデミア学長として、プレゼンテーションの指導をはじめ、次世代リーダーの育成を行う。「話すことは仕事の基本です」※『anan』2019年2月13日号より。イラスト・小迎裕美子取材、文・黒澤 彩(by anan編集部)
2019年02月10日「もっとうまく伝えられれば…」「どう答えればよかったの?」同じ場面でも、きちんと伝わる話し方で好印象を与える人とうまく伝えられない人がいる。その差って何だろう?仕事のプレゼンや日常のコミュニケーションで使える、ちょっとした話し方のコツを身につければ、もう後悔しない!仕事で経験しがちな、3個の具体的な後悔エピソードから、伝わる話し方の秘訣を学んでいこう。教えてくれたのは、元NHKアナウンサーの合田敏行さんと、プレゼンでの話し方を提案して話題の本『1分で話せ』の著者・伊藤羊一さんです。後悔1上司への進捗報告が苦手です。いつも私だけ「で?それは?なの?」などと突っ込まれてしまいます。問題点:要点が一向に伝わらない。解決法:何はなくとも真っ先に結論を。自信を持って話すのも大切。突っ込まれるのは、相手の知りたいことに答えていないからでは?「この人は、自分が経験した順番、あるいは考えた順番どおりに、だらだらと話す傾向があるのかもしれません。それでは核心になかなかたどり着かない。まず最初に、要点を短く話すことです。例えば、『前回の提案でいけそうです』『先方から再提案を求められました』など、上司が知りたいであろう、現時点での結論を先に言います」(合田さん)ポイントは、相手の気持ちを汲むことと、短く伝えること。これは話し方の基礎テクニックといえそう。また、苦手意識そのものに原因がある可能性も。態度がおどおどしていると、それだけで相手をイラッとさせてしまう。「自信なさそうに話す人ほど突っ込まれやすい。自信を持って、明確に『~です!』と言い切ることを心がけて」(伊藤さん)後悔2会議で「あなたはどう思う?」と急に聞かれて、頭が真っ白に。とっさに意見を言うことができなかった。問題点:正しいことを言おうとする。解決法:完璧でなくてもいいので、直感で答えてみる!「ここでは、答えが正しいかどうかは重要ではないんです。あなたの意思表示をきっかけに議論が活発になればいいのだから、わからなくても直感で『○○だと思います』と答えてしまいましょう」と伊藤さん。とはいえ、言いっ放しでは無責任。なぜそう思うのか、理由を聞かれる可能性もあるだろう。「答えたあとで、多少こじつけでもいいので理由を3つ挙げるようにします。1つだけだと否定されやすいので。日頃から、何かを選ぶときなどに、選んだ理由を3つ考える練習をしてみてください」(伊藤さん)同じく議論のきっかけを作る意図で、質問をするという方法も。「とっさに思いつかなければ『申し訳ありません。私の意見はまとまっていません』と正直に言ったうえで、議論を進めるのに役立つ質問をしてみては。中身のない話で時間を使うより有意義です」(合田さん)後悔3後輩に仕事を振ったけれど、全然進んでいなかった! それどころか頼んだこと自体がきちんと伝わっていなかった。私の話し方のせい?問題点:相手に委ねる言い方は無責任。解決法:「やってくれますか」ではなく「やってください」と言おう。自分は間違いなく伝えた覚えがあるのだから、悪いのは後輩のほうだと思ってしまう。でも、本当に明確に指示できていただろうか?「ちゃんと伝わっていないのだとしたら、100%自分の伝え方が悪かったと思うべき。コミュニケーションは受け手が解釈するものなのだから、どんな場合にも、責任を負うのは伝える側なのです」(伊藤さん)人に何かを頼むときなどは、ついつい「やってくれませんか?」などといった、日本人特有の婉曲表現で要望を伝えがち。「そうした婉曲表現は、外部の人にお願いするときには効果を発揮しますが、社内の部下や後輩に対して使うと思わぬ誤解を生むことがあります。この場合、部下が、やってもやらなくてもいいのだろうと受け流してしまった可能性も。指示をするときには『○日までに、~してください』のように、命令口調ではなく、毅然と丁寧に話すことが大切です」(合田さん)合田敏行さんNHK放送研修センター・日本語センター部長。NHKにアナウンサーとして入局、長崎放送局長などを経て現職。著書に『敬語の使い方が面白いほど身につく本』(あさ出版)が。伊藤羊一さんヤフー コーポレートエバンジェリスト、Yahoo!アカデミア学長として、プレゼンテーションの指導をはじめ、次世代リーダーの育成を行う。「話すことは仕事の基本です」※『anan』2019年2月13日号より。イラスト・小迎裕美子取材、文・黒澤 彩(by anan編集部)
2019年02月10日「言葉選びは、プレゼントやお土産選びに似ていると思うんです」としいたけ.さん。しいたけ.さん流気持ちを正確に伝えるコツを教えていただきました。「プレゼントってやっぱり、自分のテンションが上がるものじゃなくて、相手のテンションを上げるもの。言葉選びもその側面があるので、ただ真面目に事実だけ述べていても、相手のテンションが下がってしまう気がして。だから例えば、喧嘩してしまった相手に謝罪の気持ちや感謝の言葉を伝えたい時は、実際に買わなくてもいいので、その人へのプレゼント探しに出かけてみてください。“あの人だったら何が似合うかな”とか、その人がいない時間に思いやる“下ごしらえ”を挟むことで、観察力が鋭くなり、言葉の選び方や伝え方が自然と変わってくると思うんです」相手にお茶を出す気持ちで話す。本題に入る前に、まずは相手がほっと一息つける“前菜”からスタート。「今の時代って、ツールの普及により、話を聞く人より、表現者のほうが多くなってしまっているんですよね。だから聞く人間からすると、“他はいくらでもある”という状況になっていて。そうなった時、やっぱり自分だけが気持ちいい話をしていても、聞いてはもらえません。だから僕はブログやコラムを書く時に、“もしよろしければ”みたいな、飲んでも飲まなくてもいい、お茶を出すようなイメージで書いています。読んでも読まなくてもどっちでもよくて、ただ読んでいる人に“じゃあ、ひと休みしようかな”と思っていただけるような文にできたらいいな、と。そのために、本題の前に必ず前置きというか、近況報告的な“前菜”を入れています。そうすることで、自然とそこの温度感に入っていただけると思うんです」結論は急がず、共感から始める。相手の心に寄り添うことが、伝わる会話の第一歩。「占いの記事で『失恋をしたら』みたいな項目を書く時も、“じゃあどうすればいいか”という結論は急がないようにしています。僕はそういう効用の言葉って、個人的にはあまり好きではありません。目標を持って今日から◯◯をするとか、ビジネスや競技の世界では正しいんですけど、人間ってやっぱり、それだけではないと思うんです。大失恋をした時、いきなり“恋愛相手なんて星の数ほどいるから、気持ちをポジティブに持って動きましょう”と言われても何も響かないと思うし、僕自身、そういう発言を聞くと“それってあなただからできるんですよね?”と思ってしまうことがある。そこで距離を取られてしまうと伝えたいことも伝わりづらくなってしまうので、僕はいつも“そういう時もありますよね”から言葉を繋いでいくようにしています」頭の中に中学生を置く。人に何かを伝える時は、明快でわかりやすい表現を。「僕はいつも頭の中に中学生を置き、“それって要はどういうことなの”?と、自分に突っ込みを入れながら文章を書いています。仲間内で通用する言葉が、必ずしもそれ以外の人に簡単に受け入れられるとは限らないし、本当に話が上手な人は、中学生でも納得させられるレベルのような気がしていて。だから僕も、自分の言っていることが中学生でも興味を持って聞いてくれるかどうか、考えながら書いたり、話したりしています。例えば、紅茶を飲んでいるとして、大人だったら、その紅茶のフレーバーや葉っぱの良さを説明しても、ある程度“ああ、そうですか”とお付き合いしてくれるんですよ。でも、相手が中学生だと鼻クソをほじり始めてしまう(笑)。だから、美味しいか、まずいか、中学生でも飽きないようなテイストの話から始めるようにしています」※『anan』2019年2月13日号より。イラスト・100%ORANGE取材、文・菅野綾子(by anan編集部)
2019年02月10日独特の間合いと言葉の柔らかさで多くの人の心を掴んでいるしいたけ.さん。気持ちを正確に伝えるために、見習いたいコツから、SNSでの心構えまで教えていただきました!自分のエゴを押し付けない。否定、命令、説教はエゴの押し付け。そこに相手を思う心がなければ伝わらない。「会話って、絶対的な正解もなければ不正解もない。だからそこで“それは違いますよ”って否定してしまうと、どっちが正しいか合戦になってしまうんですよね。あと、これは偏見かもしれませんが、“ちゃんとしなよ”みたいな説教や命令って、言っている自分が気持ちいいだけなんじゃないかと思うことがあります。おもしろいことに、自分がつらいと思いながら言っている時って相手にも伝わるんですけど、“だからダメなんだよ”という、いわゆるマウンティング的な説教って、全然伝わらなかったりするんですよね。アーティストを見ていても思うのですが、伝わる歌を歌うプロの方って、エゴを押し付けるのではなく、そこにいる人が疲れてないかとか、聞き手のことを常に気にかけているような気がします」心と一致する言葉を使う。言葉と心は繋がっているもの。だからこそ、心にもない言葉は相手にも届かない。「例えば、僕のところに占いに来て、“今、充実しています”“仕事楽しいです”と、ポジティブな言葉を使っているのに、そこにまったく表情が伴っていないという方が、結構たくさんいらっしゃいます。でも、緊張感や幸福感って、話をしている相手にも伝染するもの。なので、その人が心から“楽しいです”って言っている時は、聞いているこっちも楽しい気分になったりするんです。仕事とかは、楽しくない部分があってももちろんいいわけで、そういう時に無理して心と正反対の言葉を使うのではなく「今ちょっと仕事がつらいんですよね」と、弱音でもいいから自分の心と一致する言葉を使ってみてください。そうすることで、本当の思いが伝わりやすくなるのはもちろん、自分自身を救済することもできると思うんです」物語を紡ぐ言葉を使う。しいたけ.さんの文章の中にも度々登場する例え話。それこそが、物語を紡ぐ言葉。「例えば、『自己肯定感の低さとは何か』を説明する時、専門的な言葉を使えばいくらでも説明できると思うんですけど、それって、読んでいて飽きてくるんですよね。どこかで聞いたことある話だし、自分とはまるで繋がらない。でも、“親友にはなんでも話せるけど、そこに親友の友達が入ってくるとまったく喋れなくなってしまうような感覚”というと、“わかります!”と言ってもらいやすくなる。相手に共感してもらえたほうが書き手としても楽しいし、そこにそういうストーリーがないと、わかるやつだけついてこい!みたいな、ちょっとしたマウンティングになるような気がして。その例え話が、夜中の2時にラーメンを食べる罪悪感くらい、誰でも共感できる日常レベルの話であると、より伝わりやすくなると思います」しいたけ.さん占い師。毎週月曜更新の「WEEKLY! しいたけ占い」で注目を集める。著書に『しいたけ.の部屋 ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』(KADOKAWA)、『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)がある。※『anan』2019年2月13日号より。イラスト・100%ORANGE取材、文・菅野綾子(by anan編集部)
2019年02月09日元祖シェアオフィス「トキワ荘」の街、南長崎で“シェアキッチン”がOPEN! 豊島区南長崎活性化プロジェクトとして、2019年1月22日に公民連携シェアキッチン「コマワリキッチン」が誕生しました。実は空き家問題が深刻化している豊島区……。区と民間が一丸となって、街を活性化していく活動が徐々に広まっています。「コマワリキッチン」もその一環で、豊島区南長崎の商店街にあった空き店舗がシェアキッチンとして生まれ変わりました! 飲食店営業と菓子製造の許可を取得しているので、食品衛生責任者の資格取得者であれば、自分の家号で製造・販売が可能です。店内にはイートインスペースも設備。【施設設備】業務用3口ガスコンロ&コンベクションオーブン、冷凍冷蔵庫、対面冷蔵ショーケース コマワリキッチンではキッチンスペースを借りることができるだけではなく、作った料理やお菓子などを販売することもできるそう。(※食品衛生責任者の資格取得者のみ)また料理教室や食育イベントの開催にも利用可能で、「食」を通した様々なコミュニュケーションの場所となります。その他に起業するためのアドバイスを受けられる“起業塾”も開催されるなど、新たな創業の起点としても広く活用される予定です。 また、南長崎といえば“トキワ荘”があった街として有名ですよね。手塚治虫や藤子不二雄など日本を代表するマンガ家達が集い、刺激を受け合いながら、名作を生み出していった“トキワ荘”は、元祖シェアオフィスと言っても過言ではありません。2020年3月にはトキワ荘の復元施設としてマンガ・アニメミュージアムが建設される予定で、コマワリキッチンのオープンを皮切りに南長崎の新しいまちづくりが本格始動していきます。 「コマワリキッチン」という名前に込められた想いとは……。 コマワリには漫画の“コマ割”とかけられていて、それぞれのシーンでそれぞれの登場人物のストーリーが輝く場所となるように、という想いが込められているそう。またトキワ荘の一コマ(一室)で漫画家達が切磋琢磨していたように、切磋琢磨できる場所として活用されていく姿を重ね合わせると、改めて素敵な空間だと感じますよね。 【利用料金】※会員料金は月額、税込金額ドロップイン会員(月5時間)¥15,000シルバー会員(月15時間)¥21,000ゴールド会員(月30時間)¥35,000プラチナ会員(月50時間)¥55,000追加延長料金/時間¥1,500起業塾(全5回) ¥15,000 問い合わせ先:コマワリキッチン運営局TEL:050-1749-7251住所:東京都豊島区南長崎2-3-3 エクウス南長崎1階HP:
2019年02月08日人生に行き詰まった時「出会いは、人生を大きく好転させる突破口となるものです」と話すのは、作家、ブロガーのワタナベ薫さん。それも単に出会いの数を増やせばいいわけではなく、“良質な出会い”を果たすことが、とにかく重要とのこと。いい出会いを呼ぶための10の行動をご紹介します。シンプルに考え素直に動く。チャンスの神は前髪しかない!目の前をすぐに過ぎ去ってしまって、後ろ髪をつかむことができません。そのため、もし少しでも「いいかも」と思う物事と出会ったら、迷わず行動に移すこと。あまり複雑に考えず、身軽なスタンスで直感に素直に従おう。揺らがない軸を持つ。これは周りから見た時の魅力の問題。軸がブレている人は、あまり信頼されず、何かを任されたり、人を紹介されたりすることが少ないでしょう。一方、信念をしっかり持っている人は、安定感があり輝いて見える。「誰のためでもない自分の人生」と思うことが秘訣。なぜ出会いたいのか、動機をはっきりさせる。漠然と出会いたい、と思っているより、その動機を具体的に思い描いたほうが、出会いの可能性は俄然アップ。たとえばキャリアアップにつながるキーパーソンに出会いたい、など。それがどんな人物で、どんな状況で出会うのか、映像化できるほど鮮明にイメージして。直感力を身につける。直感力とは「未来に起きる出来事を感じる力」のこと。これを身につけると、出会いのチャンスにもれなく反応ができるように。鍛える方法は、ふと思い出した友達に連絡をするなど、頭をよぎったことは即実行。また、何度も同じ情報が目についた時は、深掘りを。ネガティブな発言をしたら、ポジティブワードで締める。弱音を吐くなど、時にはネガティブな発言をしたくなることだってある。それは息抜きとして、悪いことではありません。ただ、その後は必ずポジティブワードで締めること。「疲れた…でもがんばった!」と加えると、好感を持たれるし、自分も前向きになれる。ため息をついた後は、深呼吸をする。ため息は“猛毒”ともいわれています。それは、心配事や不安を抱えている時に出てしまうもの。でも、生きていればため息だって出ます。そんな時には、ため息に続けて、それを吸い込むように深呼吸。すると、むしろ気持ちよく、心も落ち着くはず。ポジティブに思い込み、信じる。現実は、すべて思い込みが作っています。たとえば、今お金がないのは、お金に対する不安があるからで、彼氏がいないのは、付き合うことへの恐れがあるからでは。それを、「私は出会い力がある!」とポジティブに思い込むのです。固く、深く信じれば、実現へ。人に対してリアクションをきちんとする。人は自分が話している時、相手が「うん、うん」と声に出して相槌を打ってくれたり、うなずいてくれたりすると、とても嬉しい気持ちになります。とくに笑顔でのリアクションは最強!その好感により、話し手がステキな出会いをアシストしてくれる可能性大。相手ではなく、自分の感情をコントロールする。対人関係で腹が立つこともあると思いますが、怒ることを“選んでいる”のは、ほかでもないあなたです。感情は自分の選択によって決まります。そのため、負の感情に囚われない自分でいられれば、苦手な人が周りから消え、心地よい出会いが呼び込めるのです。掃除を習慣づけて、身の回りをきれいにする。部屋の清潔感と出会いは、実は大いに関係しています。部屋が汚いと気の流れが悪くなって、いい出会いは寄ってきません。一方、部屋がきれいであれば、出会いの質は向上。こうして行動することで、前向きなエネルギーもアップ。掃除はこまめに行いましょう。ワタナベ薫さん作家、ブロガー。美容、健康、メンタルなど女性が内外からキレイになるための独自のメソッドが人気。近著は『生きるのがラクになる ネガティブとの付き合い方』(小社刊)。※『anan』2018年12月12日号より。イラスト・金安 亮取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2018年12月08日日頃から親交のある、話題の占い師のしいたけ.さんとテレビでもお馴染み、精神科医の名越康文さんが“生きづらさ”を感じる人たちへアドバイス。ふと気持ちが軽くなる幸福へのヒントを教えてくれました。周りを意識しすぎて、自分の軸がブレていない?S(しいたけ.さん):僕は長い間、家にひきこもっていたので、ひとりで過ごす時間にも慣れていますが、昨今はSNS などの影響で、ひとりより誰かと一緒にいるほうが、よしとされる風潮があるようですね。N(名越さん):しいたけ.とはたびたび“想像力”の大切さについて話すけど、それはひとりでいる時間にこそ、磨かれるものなのに…。S:人と一緒にいると、僕の「ひとり密着番組ごっこ」(※)のように、架空の相手と話す余裕もないですしね(笑)。N:そう、そう。S:あと、架空の相手といえば、最近は仏壇に手を合わせる習慣も、なくなってきているじゃないですか。昭和の古い映画を観ていると、親が子供に「おばあちゃんの仏壇に、ご挨拶した?」なんて言うシーンがけっこうあるんですけど、僕はあれが好きなんです。というのも、仏壇に手を合わせるのは“見えない相手” との対話であって、自分の核を形成していくうえで、すごく大切な気がするから。N:それこそ「ひとり密着番組ごっこ」でお年寄りインタビュアーと対話している感じ。S:そうなんです。それと同じように、亡くなった方との対話も、目の前にいらっしゃらないぶん、思いきって本音が話せるという利点があります。N:一方で、相手が生身の人だと、そうはいかない。S:やっぱり、何の話がウケるんだろう、何に食いついてくれるんだろうって、探りながら話しちゃいますよね。視聴率を稼ぎにいく、みたいな…。N:それももちろんコミュニケーションとして必要なことなんだけど、あまりにも相手を意識しすぎると、自分の本質からは、どんどんズレてしまうからね。要はバランスで、ひとりでいる時間もきちんと持って、自分と楽しくつきあって、自分の納得の“軸”を養っておくことが大切です。S:その点、僕がよかったのは、ひきこもっていた期間が長かったこと。今こうして文章を書くとか、いろいろできているのは、まったく友達がいなくて、その間、ずっとひとりで日記を書いていたからだと思うんです。まさに仏壇に報告する、みたいな感じで日記を書いているうちに、自分の考えが熟成されていったような気がします。N:しいたけ. の独特な感性は、そうやって出来上がっていったんだね!S:名越先生はいかがですか?普段、ひとりでいる時間をどれくらい持っていますか?N:僕は、自覚的に8割方ひとりかな。S:自覚的に?N:そう。人としゃべっていても、“ひとりでいる”と設定することがあるんです。S:それは、面白いですね。N:たとえば行きつけのカフェで店主としゃべっているでしょ。2時間お店にいたとして、そのうち1 時間半、店主としゃべっていても、それは僕の中ではひとりの時間なんです。だって、そのカフェは僕のホームグラウンドで、そこで起こっていることは、すべて自分と同化しているというか、違和感がないわけだから。S:なるほど。そんなふうに考えられたら、ひとりでいる時間も、ぐんと広がりそうですね。N:いろんなところを、パーソナルな空間に変えてしまうんです。とはいえ、人といる時間も大切だと思いますよ。だからといって誰でもいいというわけではもちろんなくて、僕の場合は、独特な話を仕掛けた時に、とりあえずノッてきてくれる人が基準です。それこそ、しいたけ.とかね。S:ありがとうございます(笑)。それでいうと、僕もブログやツイッターを書いている時に、世の中の人全員を対象にしていないというか…。過去に出会った人も含めて、自分のことを面白がってくれる人たちに向けて、書いているような気がします。N:わかる、わかる。S:僕が仕事をするうえですごく参考にしているのが、村上春樹さんが、ジャズ喫茶と小説家の経営理論について書かれていたこと。村上さんは小説家になる前にジャズ喫茶を経営されていましたが、それと小説家の経営の仕方は、あんまり変わらない。10 人のうち、3人のコアなファンをつくればいい、と。つまり、ほかの人たちからは嫌悪されるかもしれないけれど、お店でも表現でも、エッジが立っていないと、面白がってくれる人がいないから。N:みんなに好かれる必要はない、と。S:はい。有名な映画監督の方も言っていたんですけど、一番やってはいけないのが幕の内弁当をつくることだって。偏りまくれって。そうじゃないと言いたいことがぼやけて、むしろ誰からも注目されなくなってしまうから。N:そんなふうに自分の個性を見極めるためにも、自分と向き合う時間を持つことは、やっぱり必要ですよね。集団から離れることを恐れず、ひとりの時間をうまく取り入れてもらいたいですね。※しいたけ.さん流自問自答メソッド「ひとり密着番組ごっこ」自分がドキュメンタリー番組の取材班に密着されるという妄想を開始。インタビュアーは、ある時は血気盛んな若手、ある時はライバルとなり得る同年代、そしてある時は定年間近の年配…。こうして架空という片肘張らない世界の中で、さまざまな相手から取材を受けるうちに、本心を探り当てられる。なこし・やすふみ精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。NTV系『シューイチ』ほか、さまざまなメディアでコメンテーターとしても活躍。著書多数しいたけ.さん占い師。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究するかたわら占いを学問として勉強。著書に『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)ほか。最新刊『しいたけ.の部屋ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』(KADOKAWA)が12月15日に発売予定。名越先生から「体癖」について学ぶなど師弟関係にある。ツイッターでのふたりのやりとりに注目者多数※『anan』2018年11月28日号より。文・保手濱奈美©UygarGeographic(by anan編集部)
2018年11月27日言いたい!けど言えない…!! 友達や職場はもちろん、夫婦関係、親子関係、嫁姑関係、親せき付き合い、近所付き合い、ママ友…どれも切っても切れない間柄。うまくやっていきたいなら、相手と上手にコミュニケーションを取る必要があります。でも、うまくやっていきたいからこそ、色んなことが不安になって上手くコミュニケーションが取れないことはありませんか?「言いたい!」「言ってあげたい!」と思いながら、「やっぱり言えない」と悩んで経験がある人も少なくないはず。 こんなこと、やっぱり言えない…!■職場の上司へ 「娘さんからのプレゼントのネクタイを『似合うだろ』とよく見せてくださいますが、どう見てもそれは若者向けのデザイン。『社会的地位もあるのですから、年相応のものをお召しになったほうがよろしいと思います…』なんて絶対に言えません」(30代女性) ■お義母さんへ「おしゃれには敏感なお義母様、先日は海外の某ファストファッションのお店へ行ったみたい。早速着ていましたが…『ハンガーから落ちないように付いている細いリボンを、チョーカーみたいに着るのはやめてください!それはデザインではありません!』といつも叫びたくなります」(20代女性) ■愛する我が子へ「最初の結婚が10代だった私。すぐに離婚し、30代で再婚。今は大手企業に勤める夫と小学生の息子と幸せに暮らしていますが、子どもには秘密にしていることが。それは『あなたには20歳も離れた兄がいます』。言っても平気でしょうが、何だか言えないままです」(40代女性) ■近所のママ友へ 「子ども同士が仲のいいママ。幼稚園バスへ子どもを送ったあと、朝から長い立ち話が始まります。内容はつまらない噂話とか。『玄関のカギが開けっ放しだから』『今日は出かける予定があるから』と言っても逃げられません。『話したくない』と言えたら本当に楽でしょうか…」(40代女性) 悩みは人それぞれですが、伝えられたらストレスフリーになれるのは、みな同じかもかもしれません。うまく言う方法はないのでしょうか? 言いにくいことを上手に伝える4つの方法■断定的に言わない 断定的な言い方は、時に不快感や抵抗したくなる気持ちを相手に与えるようです。例えば、「それはみんなに嫌われるよ」と言われたら「何っ(怒)」となりますが、「それはみんな好きじゃないかもしれないね」と言われれば「そうかなぁ」となりませんか?断定を避け、ネガティブな単語を使わないことで、受け入れやすい表現になるようです。 ■徐々に断る「付き合いが悪いと思われるんじゃないか」「嫌われるんじゃないか」と心配して、「行きたくないな」という飲み会も、「お金がかかるな」と感じるランチ会も、断ることができない…。なかなか断れないなら、一気に断ろうとしないことがポイント。今回行ったら、次は「その日は予定があるの」と断り、その次参加すれば、次の2回は「予定がある」、次の参加の後は、3回は「予定がある」と。ちょっとずつ離れていけば、誘われなくなり、断る必要もなくなります。 ■長所も一緒に言う 言いたいことを言うために、まずは褒める!というのはいかがでしょう。褒められたら、思わず話を聞いてしまいますよね。仕事もデートも遅刻常習犯の彼、「どうして遅れてくるのよ(怒)」と言っても直りそうにありませんね。「こんなにすてきなあなたなのに、どうして遅刻するのかしら?」なんてかわいく言ってみたら、彼も「ごめんね」と素直に言えるかもしれません。注意をするときは、「あなたのため」を前面に。「私はあなたの味方ですよ」感をしっかり出すとうまく伝わるのかも。 ■タイミングを考えて言う空気を読む、これも言いにくいことを言いたいなら大切です。「今、それ言う!?」なんていうときに言われたら、怒らない内容でも思わず怒ってしまいますよね。友達の服にクリーニングのタグが付きっぱなしなら、トイレへ行くときなど一人になるタイミングを見計らってから。自分が言われたときの気持ちを考えたら、よくわかりますね。言いにくいことをため込んでいる人は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。恥ずかしい指摘も、怒りの気持ちも、ネガティブな話題も、これさえわかっていれば、もう何も怖くないかも? wellfyより
2018年08月21日うちのダメ夫
あの日、私はいじめの加害者にされた
東京マウントガールズ