住宅ローンにもさまざまなものがありますが、どのような点に注意して銀行を選ぶとよいのでしょうか?本記事では、住宅ローンの種類等にも触れながら、銀行の選び方やポイントをFPが分かりやすく解説していきます。住宅ローンの金利タイプ住宅ローンを選ぶ際には、最初にその分類を知ってしまうと比較がしやすくなります。まず、住宅ローンは大きく以下3つの金利タイプに分けることができます。低金利で利用できる変動金利変動金利とはその名の通り借入期間中変動する金利タイプのことで、半年に1回金利が見直されます。金利が変動した場合でも返済額が変わるのは5年に1回(元金と利息の割合が変わる)、返済額が変わる場合でも前回の返済額の125%以上にはならないといったルールが存在します。また、金利が変動するというリスクを負う代わりに、3つの金利タイプの中で一番低い金利で利用できるのが一般的です。変動金利は銀行が最優良企業に貸し出す最優遇貸出金利の内、1年以内の短期の金利のことを指す「短期プライムレート」に連動しますが、実は短期プライムレートは2009年以降変動がありません。変動金利は3つの金利タイプの中で一番金利が低いということもあり、ここ十数年の間変動金利で住宅ローンを借りた人はもっともお得に住宅ローンを利用できていることになります。金利を細かくチェックできる人におすすめ変動金利は半年に1度金利が変動するということもあり、細かく金利の変動をチェックできる人におすすめです。とはいえ、先述の通り変動金利の指標となる短期プライムレートは十数年動いていません。日本の景気がよくなれば金利も高くなるといった経済の原則や、米国の金利が日本の金利に与える影響など、詳しく勉強していくことも求められるでしょう。最後まで返済額が分かって安心の全期間固定金利全期間固定金利とは、借入期間中金利の変動がなく、借り入れた日から最後の返済日まで返済額が分かるため、計画的に返済を進めていくことができます。金利の変動リスクを負う必要がないため、3つの金利タイプの中最も高い金利が設定されるのが一般的です。ただし、ここ数年は低金利化が進み、当初5~10年間の金利引き下げを受けられるフラット35Sでは、変動金利とそう変わらない金利で利用できることもあります。なお、全期間固定金利は「10年国債利回り」に連動します。面倒なことはお断り!といった方におすすめ全期間固定金利は融資を実行した日に、最後の返済日まで返済額が確定するのが特徴です。このため、借入後は金利の変動に一喜一憂する心配はありません。現状で十分に金利は低いため、欲を張らなければ、ここから多少金利が下がっても大きく損をすることはないでしょう。変動金利と全期間固定金利をミックスした固定期間選択型金利固定期間選択型金利は、5年間や10年間など、当初選択した期間だけ金利が固定されるタイプの金利で、変動金利と全期間固定金利をミックスしたものです。当初期間が終了した後は変動金利に移行するか、再度固定期間を選ぶか決めることができます。このことから、変動金利がベースとなっているといってよいでしょう。金利は変動金利より高く、全期間固定金利よりは低く設定されるのが一般的です。ただし、この金利は「借入時の特別キャンペーン」適用後の金利であるのが一般的で、当初固定期間が終了した後、再度固定期間を選択するときはキャンペーン金利の適用を受けられません。例えば、当初10年固定金利を1.10%で借りた場合、10年経過後に金利水準が全く変わっていなかったとしても、キャンペーン金利の適用を受けられないことから、再度10年固定金利を選ぶと金利が2.00%になる可能性があります。この辺りは利用する金融機関によって異なるため、十分確認したうえで金利タイプを決めるようにしましょう。10年以内に完済することを目指す方におすすめ金融機関にもよりますが、固定期間選択型金利をお得に利用しやすいのは「10年固定金利」であることが多いです。ただし、先述の通り固定期間選択型金利は、当初期間終了後の金利の再選択時にキャンペーン金利の適用を受けられなくなってしまいます。このため、固定期間選択型金利は10年以内、もしくは10数年で完済することを目指す方におすすめです。住宅ローンの借り換えについて3つの金利タイプを見てみると、それぞれ以下のような金利情勢のときに利用しやすくなっています。変動金利:金利の下降局面全期間固定金利:金利の上昇局面固定期間選択型金利:金利の上昇局面金利が下がっているときに変動金利で借りれば、借入後、さらに低い金利で利用できますが、逆に金利が上昇してしまうと返済額も高くなってしまいます。一方、全期間固定金利や固定期間選択型金利については、これから金利が上がりそうなときに利用すれば、借入後に金利が上がってもその影響を受けずに済むことができます。一方、金利が下がり続ければ相対的に損をすることになります。ところで、金利情勢が途中で変わってしまったときに、借り換えすることでそれぞれの金利タイプのデメリットを解消できるのでしょうか?実際、ここ数年で金利が下がっていったこともあり、全期間固定金利から変動金利へ、もしくは全期間固定金利からさらに低い金利の全期間固定金利へ借り換えするようなケースが見られました。このように、金利下降局面では借り換えを有効活用しやすいです。一方、金利の上昇局面では変動金利から全期間固定金利へ借り換えしようとしても、変動金利が上がるタイミングでは全期間固定金利の金利はすでに上がっている可能性が高いと言われています。もちろん、できるだけ早く動くことで損害を少なくすることはできますが、金利の上昇が心配なのであれば最初から全期間固定金利を利用しておいたほうがよいといえるでしょう。住宅ローンの種類を比較次に、住宅ローンの種類をご紹介すると共にそれぞれについて比較してみたいと思います。住宅ローンの種類は大きく以下の2つに分けることができます。民間住宅ローンフラット35他に、財形融資などもありますがここでは取り扱いません。[adsense_middle]民間住宅ローン民間住宅ローンとは、メガバンクや各地方銀行など民間の金融機関で利用できる住宅ローンのことを指します。どの金融機関のどの住宅ローンを利用するかによって内容が変わりますが、いずれの場合でも、基本的には先述の3つの金利タイプの中から住宅ローンを選ぶことになります。このため、先に金利タイプを決めておき、例えば「A銀行の変動金利住宅ローンとB銀行の変動金利住宅ローンを比較する」などすると、たくさんあるように見える住宅ローンも絞って比較検討できるようになります。なお、後述のフラット35との違いとしては、以下のようなことが挙げられます。諸経費まで融資してくれる金融機関がある全期間固定金利はフラット35と比べて金利が高め変動金利や固定期間選択型金利が主力であることが多い諸経費まで融資してくれる金融機関がある戸建やマンションを購入するにあたり、建物や土地の価格以外に各種手数料など経費がかかりますが、民間の住宅ローンの場合、この経費まで融資してくれることが多いです。また、民間の住宅ローンには土地・建物の10割融資してくれる商品が多いですが、フラット35は土地・建物の9割分までしか融資を受けられません。つまり、フラット35の場合自己資金として土地・建物の1割+諸経費分を用意する必要があります。全期間固定金利はフラット35と比べて金利が高め民間の金融機関でも全期間固定金利が用意されていることもありますが、一般的にフラット35と比べて金利が高めに設定されています。全期間固定金利を利用するのであれば、基本的にフラット35を利用することをおすすめします。変動金利や固定期間選択型金利が主力であることが多い上記理由により、多くの金融機関で変動金利や固定期間選択型金利が主力となっています。フラット35フラット35とは住宅金融支援機構の取り扱う住宅ローンで、全期間固定金利タイプのローンとなっています。公的な住宅ローンだといえますが、窓口は民間の金融機関であり、金融機関は金利を得られない分、事務手数料を受け取ることになります。このため、民間金融機関の住宅ローンと比べると事務手数料分、初期費用が高くなってしまいます。一方、一定の基準を満たせば当初5~10年間金利優遇を受けられるフラット35Sがあることもあり、全期間固定金利でありながら民間金融機関の変動金利や固定期間選択型金利とそう変わらない金利で融資を受けることができます。その他、民間の金融機関と比べて以下のような違いがあります。団体信用生命保険に加入せずに住宅ローンを利用することもできる借入可能額を大きくしやすい融資実行まで時間がかかる団体信用生命保険に加入せずに住宅ローンを利用することもできるまず、民間の金融機関の場合、健康に問題があるなどして団体信用生命保険に加入できないと住宅ローンの審査承認を得ることができませんが、フラット35の場合、団体信用生命保険に加入せずとも融資を受けることができます。借入可能額を大きくしやすい「年収に対していくらまで融資を受けられるか」の計算をするにあたり、各金融機関独自に設定された「返済負担率」と「審査金利」を用いて計算がなされますが、フラット35の場合、審査金利が低く設定されているため、借入可能額を大きくしやすくなっています。例えば年収400万円の場合、2020年2月時点のフラット35の金利1.28%で計算すると、3,947万円まで借入できる計算となります。融資実行まで時間がかかるフラット35の融資を受けるには建物について第三者機関のチェックを受ける必要があり、民間住宅ローンと比べると融資まで時間がかかってしまいます。新築住宅の場合だとつなぎ融資を利用するのが一般的で、借入期間が長くなればそれだけ利息負担分も大きくなってしまう点に注意が必要です。銀行の選び方のポイントとは?住宅ローンの金利タイプや種類についてご紹介しましたが、実際に銀行を選ぶにあたり、どのような点に注目するとよいのでしょうか?[adsense_middle]住宅ローンの決め方のポイント住宅ローンを決める際には、まずは3つの金利タイプの内どの金利にするのかを決めるとよいでしょう。その上で、A銀行の変動金利とB銀行の変動金利、C銀行の変動金利はどれがお得かといった決め方をするとスムーズです。金利を選ぶ際には冒頭の金利タイプごとの特徴をご参照ください。民間住宅ローンかフラット35のどちらにするかを決めよう次に、金融機関を選ぶ前に民間金融機関にするか、フラット35にするかを決めましょう。民間住宅ローンとフラット35はそれぞれ特徴が異なります。本記事の住宅ローンの種類の内容を参考に、それぞれの特徴を比較検討してどちらにするか選んでください。金融機関の探し方のポイント住宅ローンの金利タイプと種類を決めたら、どの金融機関で住宅ローンを借りるかを比較します。同じ金利タイプの住宅ローンであれば、金融機関が違っても基本的な部分はそう変わりません。ただ、「借入のしやすさ」や「金利の違い」、「借入可能額」、「団体信用生命保険の充実度」などが金融機関ごとに異なるため、それぞれ返済額のシミュレーションなど算出してもらいながら比較検討していくとよいでしょう。なお、住宅ローンを借りた金融機関とは数十年に及ぶ付き合いとなります。単に商品性だけでなく、相談したことへの対応の良さや、ネットで口コミを見てみるなどすることも大切です。住宅ローンの銀行選びに関するまとめ住宅ローンについて、銀行の選び方やポイントをお伝えしました。住宅ローンはいろいろなものがあるように見えますが、金利タイプや住宅ローンの種類で分類してしまうと、比較すべき点を大きく絞り込むことができます。住宅ローンについて銀行を選ぶ際には本記事の内容を参考に比較検討し、自分の要望に合った住宅ローンを選ぶようにしましょう。
2020年03月07日連帯保証人になってしまった場合、自分以外の借金に苦しめられる可能性があります。できることなら連帯保証人契約は解除したいものですよね?そこでこの記事では、連帯保証人契約を無効にする方法と、できないパターンについて解説いたします。連帯保証人を外せないケース連帯保証人は基本的に外せないという認識が必要ですので、まずは外せない具体的ケースから把握しておく必要があります。それだけに頼まれた際には慎重にならなければなりません。では、連帯保証人を外せないケースとは、具体的に以下のとおりです。返済した場合経済事情で外したい離婚で外したいそれぞれの内容を1つずつ見ていきましょう。返済した場合もしも連帯保証人が債権者に対して借金の返済をしてしまうと、連帯保証人契約の解除はできません。なぜなら、借金の返済をしたということは、自分が連帯保証人であると認めたことになるからです。たとえ知らない間に結ばれた連帯保証契約であったとしても、返済してしまえば認めたことになります。よく分からない請求に対しては、安易に支払ってはいけません。ちゃんと中身を吟味してから支払いましょう。人によっては、何らかの請求書が届いたら取り敢えず返しておこうとする人や、中身をしっかり読まずに支払う人がいます。しかし、これらのケースは単に余分な出費となるだけでなく、契約上大きな不利益を被る可能性があるのです。経済事情で外したい連帯保証人の経済的理由で外れたいという人もいるでしょう。「連帯保証人になった時には払える状況だったけれど、その後経済状況が悪化した場合」「債務者がちゃんと返済してくれると思って契約したけれど、借金がこちらに回ってきた場合」など、払いたくても払えない状況に陥る可能性もあります。そもそも、経済事情というのは流動的ですので、いつどのようなタイミングで悪化するか分かりません。どうにもならなくたったら、さすがに連帯保証は免れると甘く考える人もいらっしゃるようですが、それでも連帯保証人は免れません。このような状況の時には、合法的に借金を軽減してくれる「債務整理」を検討しましょう。離婚で外したい離婚によって連帯保証人から外れたいというケースはありがちです。夫の住宅ローン契約に対して妻が連帯保証人になっている場合には、離婚を機に連帯保証人契約を外したいと思うのは当然かもしれません。しかし、残念ながら離婚理由で連帯保証人契約を外すことはできませんので、ほかの連帯保証人を立てるか、住宅ローン完済・借り換えなどで対処しましょう。連帯保証人を解除する方法連帯保証契約自体が有効であったとしても、契約解除する手立てはあります。連帯保証人になってしまったら、主債務者と同等の債務を背負う可能性がありますので、逃げ道を把握した方が良いでしょう。ここでは、連帯保証人を解除する方法として以下を解説いたします。債権者の同意を得る担保を提供する他の人を連帯保証人にする死亡による連帯保証相続の場合は放棄をする[adsense_middle]債権者の同意を得る債権者の同意を取りつけられれば、連帯保証から免れる可能性があります。連帯保証契約は、債務者が借金返済できなくなった場合に備える、債権者に対する保証であるため、債権者さえ同意してくれれば免除されるのです。特に、残債が残り少なくなっていて、債権者にとっても影響のない額まで減っている場合は、同意してくれる可能性もあるでしょう。ただし、債権者が金融機関や貸金業などの企業の場合には、同意してくれる可能性は低いです。担保を提供する担保を提供する場合にも、連帯保証人から外れられる可能性が高いです。先述したように連帯保証人が必要な理由は、債権者に対する返済保証です。逆に言うと、借金返済さえ保証されれば、わざわざ連帯保証人契約をする必要がありません。借金返済の保証を連帯保証人という形ではなく、連帯保証人の不動産を担保にすれば済むわけです。ただし、連帯保証人を免れても、不動産を取られる可能性がありますので、効果が薄いと考える人も多いようです。1つの方法論として知っておきましょう。他の人を連帯保証人にする自分以外の人に連帯保証人を代わってもらえれば、あなたは連帯保証人から外れることができます。借金の契約や賃貸契約などで、長期間契約が続く場合には、人間関係が変わってしまう可能性もあります。契約当初は親密だった相手が、時間の経過とともに疎遠になった場合、連帯保証人をバトンタッチした方が適切でしょう。ただし、連帯保証人になりたがる人はなかなかいませんので、代わりが見つからないことが想定されます。それでも手を挙げてくれる人がいれば、バトンタッチが可能です。もちろん、代わりの人に返済能力(信用力)が必要となります。手を挙げてくれる人が出てきたとしても、その人に返済能力がなければバトンタッチできないのです。死亡による連帯保証相続の場合は放棄をする連帯保証人が死亡し、あなたが相続によって連帯保証を引き継がなければならない時には、相続放棄という手段があります。相続放棄とは、相続発生を知った日から3カ月以内に行う手続きで、家庭裁判所に申述します。相続発生を知った日から3カ月が過ぎてしまうと、自動的に相続してしまうため注意が必要です。また、相続人全員の同意があれば、相続財産以上に借金を背負わない「限定承認」という方法もあります。被相続人が連帯保証人になっていないか、ハッキリ分からない場合には、限定承認するのも良いでしょう。連帯保証人契約を取消できるケース連帯保証人契約の取消とは、最初は契約が効力を発揮しているものの、解除後は契約時に遡って無効となることを指します。無効と取消のニュアンスは微妙ですが、最初から契約がないものとされるのが無効、あとから無効となるのが取消です。では、連帯保証人契約を取消できるのはどのような時でしょうか?以下にて具体的に紹介します。騙されて連帯保証人になった場合脅されて連帯保証人になった場合未成年が契約した場合騙されて連帯保証人になった場合騙されて連帯保証人になってしまった場合は、契約の取消が可能です。たとえば、債務者から潤沢に資金繰りができていると聞いていたのに、実際は破綻寸前だった場合などは、事実と異なるため契約解除とできる可能性が高いです。連帯保証人に対して重要事項をしっかりと説明しなければなりませんので、このようなケースを「不実の告知」として、契約解除の根拠となります。また、詐欺などのケースでも契約の取消ができます。そもそも詐欺は犯罪行為です。犯罪行為の上に法的契約は成り立ちません。脅されて連帯保証人になった場合脅されて連帯保証人にさせられた場合も取消が可能です。脅しというのは自由な意思決定を奪いますので、連帯保証契約を自分の意思でしたということにはなりません。脅してきた人に対して連帯保証契約の取消を書面にて通知しましょう。ただし、脅しというのは脅迫罪に該当する可能性が高いですし、無理に契約させるというのは強要罪となる可能性が高いです。刑事事件に問われる内容である上、報復の可能性も否定できませんので、弁護士などの専門家に相談した方が良いでしょう。未成年が契約した場合未成年者による連帯保証契約は、親権者や成人になってからの本人が取消せます。ただし、成人になりすましたり、親権者の同意を取り付けているとの虚偽で行った契約は取消せません。また、未成年者であっても結婚しているケースや、成人になってから5年過ぎているケース、親権者が本当に同意したケース、親権者や成人になってからの本人が後から認めたケースも取消は不可となります。連帯保証人契約が無効となるケース連帯保証人契約が無効になるとは、最初から契約が効力を発揮していないという状態です。たとえ契約した人同士で合意があったとしても、契約の効力はありません。では、連帯保証人契約が無効となるケースとして、以下を紹介します。勝手に連帯保証人にされた勘違いで連帯保証人になった根保証の場合[adsense_middle]勝手に連帯保証人にされた本人の意思に反して、勝手に連帯保証人にされていた場合には、その契約は無効となります。分かっていたら拒否していたであろう連帯保証人契約を、勝手に結ばれていればちゃんと無効となるのです。たとえば、契約書のサインを偽造されたり、勝手に押印された場合や、親が勝手に契約した未成年の連帯保証の場合などは契約自体が無効です。連帯保証契約が無効だと主張するには、債権者に対して書面でその旨の連絡が必要です。内容証明郵便にて通知しましょう。ただし、実印が押されている連帯保証契約の場合は不利となる可能性もあります。実印を勝手に押されたなどの主張が必要であることと、できれば弁護士などの専門家に相談しましょう。専門家に相談する前に、素人が自己判断で当事者と話をするとこじれる場合もあります。特に、偽造や勝手な押印の場合、最初からあなたを軽視している可能性が高いです。悪質な状況が想定できますので、事情によりますが最初から専門家に相談すべきかもしれません。勘違いで連帯保証人になった勘違いによって連帯保証人になってしまったケースも、契約が無効となる可能性があります。勘違いで連帯保証人になった人に過失がないことが前提となりますが、勘違いしてしまってもおかしくない状況が認められれば、契約無効を勝ち取れるでしょう。たとえば、数十万円程度の借金に対する連帯保証だと思っていたのに、実は数百万円の連帯保証だった場合などが該当します。もちろん、このようなことも想定して契約すべきですが、あなたに落ち度がなければ無効の可能性はあります。このケースも、債権者に内容証明郵便にて通知しましょう。根保証の場合根保証の場合には、契約更新しない旨を書面で通知することで、それ以降の契約が無効となります。というのも、根保証は5年を上限に契約期間が決められており、連帯保証人が通知しなければ自動更新となることが一般的です。裏返して言えば、契約更新のタイミングで解除すれば、連帯保証人から解放されることになります。契約更新しない旨を内容証明郵便で通知しましょう。自動更新しないという選択のためには、契約期間をチェックしておく必要があります。外れたい場合は書面や人間関係に要注意連帯保証人から外れたい場合には、外れられるにしても外れられないにしても、いくつかの注意点があります。特に、人間は感情の生き物ですので、感情面に気を付けなければなりません。ここではその注意点として以下を紹介します。書面をまとめて専門家に相談すべき人間関係に注意家族関係にも注意外れられない場合の金策は冷静に書面や通知書をまとめて専門家に相談すべき契約書面や通知書のほか、請求書などを廃棄したり紛失しないよう気を付けましょう。たとえば、連帯保証人契約を外したい場合は、契約書面が証拠と成り得ます。弁護士などの専門家に相談する際にも、各種書面があるとスムーズです。また、あなたが連帯保証人でありながら死亡した場合、書面がなければ相続人たちが困ってしまいます。相続人は連帯保証契約の内容を精査すべきですし、そもそも連帯保証契約の有無も確認しなければなりません。そのためには契約書面や付随する書面は全て残しておく必要があります。遺産相続において、相続人が弁護士から言われて、遺品整理に大あらわになることがあります。財産や借金がどれくらいあるのか分からずに苦労して調査するのです。特に連帯保証人になった場合には、家族にも言えず、勝手になる人もいるようですので、相続人がそのことを知らずに連帯保証も相続してしまうこともあります。残された家族のためにも情報のシェアは重要です。人間関係に注意連帯保証人から外れたいケースでは、人間関係のトラブルとなる可能性があります。債務者の抵抗に遭ったり、連帯保証人が強引な態度で迫ったりなど、いずれにせよ感情的になってしまいがちです。このようなケースでは、当事者同士の人間関係が崩壊した上、場合によっては周りの人も巻き込むこともあります。仕事上の付き合いに影響が出たり、友人関係が変わったりする可能性もありますので、感情的にならない対応が必要となります。よく金の切れ目が縁の切れ目といいますが、とても後味の悪い関係破綻につながり、それが広がってしまわないよう気を付けましょう。家族関係にも注意人間関係への影響としては、家族関係にも気を付けなければなりません。連帯保証人になってしまうと、家族にも多大な迷惑をかける可能性があるからです。あなたにとっては信頼できる相手の連帯保証だったとしても、家族からすると縁もゆかりもない相手です。そのような相手の借金によって自分たちの生活が苦しめられると、不満が爆発しても仕方ありません。連帯保証人になったことによって家族が崩壊することもあり得ますので、家族関係も踏まえた上で連帯保証人になる必要があります。既に連帯保証人になっているなら、なるべく外れる方向に持って行きましょう。外れられない場合の金策は冷静にどうしても外れられず、債務者の焦げ付きで借金を被った場合には、冷静な金策が大切です。借金の全容と自分の財産を比較し、計画的な返済を行いましょう。急に降ってわいた借金に対応ができず、借金返済のために借金する人もいます。しかし、慌てると判断を誤る可能性が高くなるでしょう。返せない場合には債務整理という手段もありますので、セイフティーネットは整っていると考えましょう。連帯保証人の解除に関するまとめ連帯保証人契約は、他の人を連帯保証人にするなど解除できる場合があります。連帯保証人契約からどうしても外れたい場合には、解除方法をトライしましょう。また、連帯保証人契約は、勝手に連帯保証人にされた場合など契約自体が無効となるケースがあるほか、騙されて連帯保証人になった契約を取消できるケースもあります。ただし、1円でも返済した場合など、解除できない場合もあるので注意が必要です。
2020年03月02日住宅ローンの相談が多い田中です。2020年はいよいよ東京オリンピック開催ですね。そして最近はコロナウィルスの話題で持ち切りですが、今後日本はどうなっていくんでしょう?共に景気に影響する事ですね。景気に関連して、今回はローンの中でも「金利」について書こうと思います。理由として同じ質問が結構来るからなんです。質問は「金利って今後どうなると思います?」と聞かれます。景気の良し悪しで金利は決まりますが、将来の金利はハッキリと分かりません。しかし過去から今に至るまでを考えてみると、ある程度動向は見えてくるのではないでしょうか?今回の記事に関しては私の見解が中心になりますが、先々の金利について触れていきたいと思います。住宅ローンの金利タイプをおさらいしておきます始めに住宅ローンの金利タイプについておさらいしておきましょう。住宅を考える際に「金利」が低い所を選びたいところですが、審査や節税などによっては多少高い金利を選択することもあります。まずはどんな金利タイプがあるのか、平均的に今の金利水準がどの程度なのか解説しておきますね。変動金利変動金利は三つある金利タイプの中で最も低い金利水準になっています。主な特徴として、金利が半年ごとに見直されます。借入してから五年後に毎月の返済額が見直しされる事になり、五年以内の返済額は変更ありませんが元金充当額や利息充当額が変更されます。ここ数十年は最も金利が低く、また選択する金利では非常に人気があります。最近の金利は0.45%が最も低く、他行でも0.5%代とほぼ横一線となっており選択肢に戸惑う事もあるかもしれませんね。ここ数年の傾向として0.5%前後で推移しているようです。固定期間選択型五年固定や十年固定といった様に、固定金利の適用期間を限定し選択できるタイプの住宅ローンになります。期間の選択肢が二年、三年、五年、十年、十五年、二十年といったように豊富になってきており、金利も変動金利に近い水準にまで下がってきています(十年固定に関して)。固定期間が終了すると、ローンのタイプを変動金利か固定金利のいずれかで選択しなければなりません。ライフプランに合わせて固定期間を選択する方もいらっしゃいますので、こちらも非常に人気のある商品ですね。十年固定が一般的ですが最近の水準は0.8%位となっているようです。金利が上がるか下がるかで選択が変わる上記2つのタイプはどちらも金利が上がるのか、下がるのかという事が付いて回ります。では金利が下がった場合は今の水準よりも負担が軽くなるので、何も考えずに継続すれば問題はありませんが、仮に上がった場合が困る事になります。変動金利の場合五年毎に返済額が見直されますが、毎月10万円の返済額が見直し後15万円になるような金利であれば、最大でも12万5千円までの支払いで済みます。これは変動金利に関してですが、最大でも125%までしか返済額が上がらない様にストッパーがかかる事になっています。対して固定期間選択型はストッパーが無い為、上限は無い事になります。返済額が急激に上がる事は、折角購入した戸建てやマンションを手放す要因にもなりかねません。これはあくまで金利が劇的に急上昇したケースの話ですが、リスクの一環として憶えておいて頂ければと思います。全期間固定金利(フラット35)一般的な名称としてフラット35と呼ばれる商品です。非常に馴染み深い商品名ですが、特徴は字の通り、借入当初から完済に至るまでの間、ずっと金利が変わる事がありません。という事は毎月の返済額も変わる事が無い為、支払いに関しての計画や見通しが立てやすい点が挙げられます。また三つの金利タイプの中でも最も金利が高く、1.25%が最近の水準になっています。取扱いの金融機関は多く、銀行ごとに適用金利も異なりますのでしっかりと比較はしておきたい所ですね。また連帯債務で組める唯一のローンでもありますので、借入額を大きくしたい方にはオススメな商品と言えるでしょう。住宅ローンの金利はどうやって決まっているの?次に先程の三つの金利タイプの金利はどの様にして決まっているのかを解説しておきます。将来の金利を予想、予測する前に金利がどの様にして決まっているのかを知っておく事で、今後の動向を考察する上で役に立ちます。[adsense_middle]変動金利は政策金利によって決定人気のある変動金利ですが、金利を決定する基準に政策金利という金利を採用しています。厳密に言うと短期プライムレートが金利決定に利用されますが、この短期プライムレートは政策金利に連動しています。ここで政策金利について解説を少し挟んでおきたいと思います。政策金利とは?政策金利は政府によって決定される金利で主に景気をコントロールするために操作されます。不景気であれば金利を低くし、借入をし易くしてお金を沢山借りて貰い、様々な事に使って経済やお金を回す目的があります。逆に景気が良すぎるとインフレとなってしまう為、金利を意図的に上げてお金の循環を抑制しなければなりません。この政策金利を元に日銀は銀行にお金を貸し出しています。銀行は日銀から借りたお金を元に企業や個人へ融資しますが、銀行も自行の経営がありますので、借りた金利にプラスして金利を上乗せし、商品として貸し出す事になります。政策金利の推移グラフこの政策金利の推移を見れば過去の変動金利水準が見えます。そのグラフがこちらです。2008年から2018年までの間の政策金利です。ご覧の様にずっと0.1%の推移となっており、近年では全くと言っていいほど横ばいになっています。この金利が上昇すれば変動金利も上がる事に繋がります。つまり先々の日本の景気に少し敏感になれば予測は可能になると思います。固定期間選択型は円金利スワップレートによって決定次に固定期間選択型ですが、円金利スワップレートと呼ばれるレートによって金利が決定する様になっています。あまり聞かないこのレートですが簡単に解説しておくと、変動金利と固定金利を交換するために設けられたレートの事で、主に企業融資等に用いられる場合が多いです。企業は変動金利でお金を調達します。理由は金利が低いからです。しかし景気に敏感な企業は変動金利の金利が先々上がるのではないかと考えます。何故なら、僅か0.1%でも上がれば企業にとっては大きな利息負担にしかなりません。そこで今のうちに固定金利に変えられないかなと模索している所に、このレートが登場します。この金利レートに基づいてであれば交換しますよという指標ですね。金利の交換を行う事で事業が順調に回る役割を果たしていますが、意外にも住宅ローンで利用されています。金利の推移は十年国債に連動し若干高めに設定されているようです。全期間固定金利は十年国債利回りによって決定最後に全期間固定金利ですが、十年国債利回りで決定しています。こちらのグラフをご覧ください。2008年から2018年までの十年国債の金利推移表です。以前は高い水準でしたが、近年では0.134%になっています。この金利を用いて固定期間の金利を決めています。先程の円スワップレートもこの金利推移に連動する形になっています。最近ではかなり金利が下がってきていて、本来国債の役割は国にお金を貸し、後に利息を付けて返して貰う事にあります。資産運用の役割を担っていますが、かなり低水準ですので少し魅力に欠ける点は否めません。住宅ローン適用の金利水準が1.25%になりますので結構上乗せされている事になりますね。国としても高い金利でお金を借りたいところですが、確実に返還しなければなりませんので、今の日本の状況を考えると、おいそれと簡単に金利を上げる事は難しい局面だと言えそうです。長期的な視野で金利を考える過去のデータを見ても金利の推移は低調です。これが良いのか悪いのかは別として、借りる側からすると、低調な方が金利も低く借りやすい事になります。しかし、裏を返せば景気が思わしくないという事でもあるでしょう。かつてのバブルの頃の様にお金が飛び交うような時代が来るのかは分かりません。将来の金利を考えるなら景気というキーワードは押さえておきたい所ですね。今後の見通しは?情勢から金利の動向を予想する!ではここからは私の見解で執筆していきますので、一案としてご覧頂ければと思います。金利が上がるのか、下がるのかという事について触れたいと思います。2020年オリンピックイヤーで景気は良くなる?今年は日本で二度目のオリンピック開催です。私も生きているうちにオリンピックが日本で開催される日が来るなんて思ってもみませんでしたが、オリンピック特需という言葉がある様に、施設を作ったり、来日客を受け入れたりと、経済効果はかなりのものになると言われています。このオリンピックが起爆剤になり景気が上向く事を期待したいのですが、私個人的には瞬間風速で終わってしまうと思っています。過去にサッカーのW杯やオリンピックを開催してきた国々を見てもお分かりの通り、事が終われば何事も無かったかのように静まりますよね。開催期間だけはいつもよりお金が循環する事になりますが、それでも一瞬でしょう。この事が先々の金利に影響するかと言われると、影響は無いと思っています。何故ならお金が循環するのは一部だけであって、満遍なく日本全体にお金が行き渡って循環しなければ経済の活性には繋がりません。加えて今では預貯金の割合が高い為、循環を阻害するような経済環境であると言えます。お金の使い道は持っている人にしか決める事は出来ません。景気刺激策も色々と対策していますが、長期に渡っての景気向上に向かなければ金利の上昇は考えにくいと思います。また最近ではコロナウイルス対策に追われており、まさかこのタイミングで感染力のあるウイルスが蔓延しだすとは予想も出来ませんし、いつ収束するのかさえ見通しは困難です。観光だけでなく、下手をすれば経済そのものが低迷する恐れさえあります。現在の情勢を考えれば金利の上昇は当分無いように思います。住宅ローン金利の今後に関するまとめ今回は住宅ローンの金利動向について、私なりの考察を述べる記事になりましたが、あくまで私個人の意見です。参考になるかは分かりませんが、こんな考え方で金利動向を見ているFPがいると思ってご覧頂ければ幸いです。
2020年03月02日今回は住宅ローンを組む方法の一つである「連帯債務」について解説していきたいと思います。私もクライアントさんを担当していますが、住宅購入に関する相談は多く、どんな組み方が良いのか、どの金利が良いのかといったご質問は多く受け付けています。クライアントさんの中でも既に調べていて、共同で組む事が出来るという事でご存知の方も多い様です。気になる仕組みやメリット、デメリットをお伝えしていきますので、気になる方は是非ご一読下さい。連帯債務の仕組みは?他の方法も合せて解説します最初に仕組みについて、どんな組み方になるのかを解説していきます。また参考までに他の組み方についても解説しておきますので、比較の為にご覧頂ければと思います。連帯債務でローンを組むまず連帯債務ですが、基本的には「一つのローンを二人で契約する」という事になります。住宅ローンは単独で借りる事が多いですが、この方法は二名で組みます。例えば一人だと4,000万円まで借りられるとします。しかし間取りやオプションを拡充させたいなど、予算的に大きくしたい場合に二名で審査をしてもらいます。審査に問題が無ければ二人合計で4,000万円以上借りる事ができます。単独融資に続いて人気があり、ご相談頂くクライアントさんにもおすすめしたりしています。また後述しますが住宅ローン控除の適用もありますので節税を意識している方にはおすすめです。連帯保証人を付けてローンを組む次に連帯保証人を付けてローンを組む場合です。一人では審査に通りそうにない場合、連帯保証人を付けて借入をする事があります。この時「一つのローンを組む」事になりますが、この方法は、借主が支払えなかったら、代わりに支払いをしなければならない義務を負う事になります。他人に頼む場合は敬遠されやすいですが、夫婦でも認められるケースもありますので、共働きであれば審査に出してみるのも一つの手です。また連帯保証人は団信の加入がありません。もし債務を負う事になった場合、団信ではなく民間の保険に加入し死亡リスクに備える必要がありますので憶えておいて下さい。夫婦ペアローンで組むペアローンは夫婦で組むローンの方法で、「夫婦で二つのローンを組む」という事になります。契約が一つではなく二つに分かれ、合算で希望借入額に届かせる方法になります。支払いはそれぞれがバラバラに支払う形になる為、引落日などの管理は少し大変になります。また結婚している夫婦だからこそ組みやすい点はあるでしょう。お互いに連帯保証する事になりますので、どちらかが支払い不能になってしまった際にはどちらかに不能分の支払いの義務が発生する事になりますので注意が必要です。単独でローンを組むこれは借主が「一人で一つのローンを組む」方法で一番メジャーな方法ですね。一人だけの資力で組む事が出来る為、上記3つのローンの様に、配偶者や他の誰かに借入を依頼したり、連帯保証人になってもらう必要はありません。金利タイプの縛りなども無い為、比較的様々なローンを選びやすい点はメリットになるでしょう。ローンプランのまとめここまでに四つの組み方について解説してきました。いずれも特徴があり、一人で借りるのか二人で借りるのかと分かれます。一旦まとめておきますので下図を参考に比較にご利用下さい。連帯債務で契約できる条件は?ではここから連帯債務で契約できる条件について解説していきます。また契約条件や他のローンプランとの比較も行っていきますので、参考にして下さいね。[adsense_middle]気になる条件は?契約をする際に求められる条件は、安定した収入がある事が挙げられます。例えば夫が正社員で、妻も正社員であれば夫婦共に安定した収入があると判断されます。夫婦のいずれかがパートの場合も審査にかけて貰える事もありますが、おおよそ年収が高くなければ難しい事もありますので気を付けておいて下さい。他には同居している家族であれば連帯債務者として審査できますので、何も夫婦に限った契約形態ではありません。事例として、父、息子といった様に契約する事も可能です。そして連帯債務者の所得は全額合算される事はなく二分の一までが対象になります。先程の夫婦で例を挙げると、夫が500万円、妻が300万円の所得だとします。このケースで妻が連帯債務者になる場合は半分の150万円を夫の500万円に合算しますので、合計650万円で審査にかけられる事になります。住宅を検討する際に予算等の打ち合わせになるかと思いますが、折角マイホームを買うならと良いオプションを付けたり、少し間取りや庭など広くしたい思いもあるでしょう。しかし単独での融資だと希望額に届かない場合に二人で合算できれば予算に届く事もありますので、夢に一歩近づけそうですね。ちなみに親子でローンを組む場合は「リレーローン」という商品名になります。金利や返済方法は?次に金利や返済に関してですが、一般的な住宅ローンと何も変わりはありません。しかしローンがフラット35に限られる事になります。フラット35とは全期間固定金利で契約できる住宅ローンの事。変動金利、固定期間選択型(〇年固定)と違って金利が最も高くなる。主な特徴として、借入期間から完済に至るまで金利がずっと固定されており、毎月の支払額が一定の為、返済計画など立てやすい点が挙げられる。様々な金融機関で取り扱われており、団信(団体信用生命保険)も任意加入になる為、健康状態に不安のある方でも審査対象となる。このフラット35は金利が高い反面、他の金利タイプと異なり、融資条件や審査が緩めな点があります。返済方法は毎月返済が一般的で繰上返済も出来るので、他のタイプと比べても遜色はありません。毎月の返済負担や、返済総額が増える点がありますので、連帯債務を検討するなら支払いの面を中心に検討するのが良いでしょう。逆に連帯保証やペアローンに関しては変動金利や固定期間選択型から選ぶ事ができますので、金利負担等を考慮してどの形態が自分たちにとって良いのか比較が大事ですね。手数料や諸費用は?融資に関する手数料や諸費用ですが、単独融資と殆ど差はありません。強いて言うなら金融機関によっての違い位になりますので、借入をしたい金融機関ごとの比較をする事が良いでしょう。また連帯保証・単独融資は契約が1つの為、同じ諸費用になりますが、ペアローンの場合は契約が2つになりますので、諸費用や手数料も2契約分となります。諸費用は現金で納める事が一般的なので、2契約分となると高額な金額を負担しなければならなくなります。この点は今手元にある資金と相談しながら検討すべきでしょう。連帯債務で組むメリット・デメリット・注意点を解説しますではここからメリットやデメリットについて、また注意点に関して解説していきます。早速メリットから見ていきましょう。[adsense_middle]連帯債務のメリットは何?借入希望額を大きく借りる事が可能になる連帯債務で組む場合のメリットですが、1つは収入合算で見てくれますので、借入希望額を大きく借りる事が可能になる点です。単独融資の場合、1人の収入や勤務先、勤続年数等を審査にかける事になります。家族構成や、同居の計画等を考えた時にどうしても高額な物件になりがちな場合、同居の家族の年収を合算で見てくれる点は大きいでしょう。住宅ローン控除がそれぞれに適用される2つ目に住宅ローン控除がそれぞれに適用される事が挙げられます。1人分の節税より2人分の方が効果は大きくなります。また所得によっては住民税まで減税される事になりますので、支払い総額や減税効果等考えると、連帯債務はお得な方法だと言えます。この点に関して言えばペアローンも同様に適用になりますが、単独融資はもちろん、連帯保証人付きの契約はあくまで借主だけが減税対象となりますので憶えておいて下さい。団信が双方に適用される3つ目に団信が双方に適用される事は大きなメリットでしょう。通常団信は借主が亡くなった場合に住宅ローン債務を一括で清算できる生命保険ですが、2人でローンを組んだ連帯債務の場合、「連生団信」というものもあります。これは一方が亡くなった場合、もう一方の債務も含めて清算できる団信の事です。この団信に加入しておく事でしっかりと住宅を遺す事ができますので、一つのメリットと言えるでしょう。連帯債務のデメリットは何?次にデメリットになりますが、もしもどちらかが返済不能に陥った時に、一方に全額返済の義務が発生しますのでこの点はデメリットになるでしょう。先程のメリットで解説しましたが、単独融資での借入額を超えて2人で借りる訳です。つまり金融機関が審査した単独融資額以上の負担を1人が背負う事になりますので、支払いは非常に厳しくなる事になります。この点はペアローンも同様の考え方になります。返済が困難になる理由はいくつかあり、病気になる、転職や休職によって収入が大幅に変わる等があります。連帯債務を考える際には借り入れしてから返済が終わるまで、健康状態や収入が一定である事が一つの要件と考えます。先々転職する、健康状態に若干の不安が有る場合等は無理をしない方が得策になるかもしれません。他のデメリットとして夫婦で組んだ場合には離婚する事がデメリットになります。お互いに住む事で購入した家も離婚する事になれば、話が変わってきます。連帯債務の注意点は?メリット、デメリットと解説しましたが、注意点としては、将来的に今と変わらない収入なのか、夫婦でい続ける事は出来るのかという事です。しかし、先々の話になりますので、どんなに見通しを立てても状況が変わる事は誰にだってあります。この話をしだすと住宅購入など出来なくなってしまいますので、深く考え過ぎない事です。また返済が困難になった場合も結構大変な事になってしまいます。住宅ローンの連帯債務に関するまとめ今回は連帯債務に関して解説を行ってきました。メリット、デメリットと色々ありますが、しっかりと話し合った上で、ご家族が納得できるお買い物になると良いですね。
2020年02月29日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】私は妻と3人の子供の5人で暮らしています。父親はすでに亡くなっており母親が隣の県に一人で住んでいますが、いずれは私たちも近くに住もうと家を新築しました。家にはせっかくなので今は母親に住んでもらっていますが、私たちが移るときには近所に引っ越しして別居してもらいたいと考えています。その旨を正月、家族が集まったときに話したところ、母親や弟、姉が激高し、厳しい言葉浴びせられました。「住宅ローンはすべて自分が払っている」と言っても、「それは元々そういう話だった」「母親を追い出そうとするなんてひどすぎる」と反論され、まったく話し合う余地がありません。妻と母親は元々そりが合わない関係だったのですが、この一件をきっかけに関係が完全に断絶。すでに弁護士を立ててお互い争うところまで来ているのですが、私としては何とか関係を修復したいと思っています。何か良い解決法がないものでしょうか。(37歳・会社員・男性)【回答】う~ん。いろんな要素が重なり合って、からまってしまったのですね。言い方とか、話す順番とか、言い出すタイミングとか、とにかくすべてがからまる方に向いちゃったのでしょう。もう、お気の毒としか言いようがないです。あなたも奥様もさぞかし嫌な思いをされていらっしゃるでしょう。そして、同じようにお母様も弟さんもお姉さんも、嫌な思いをなさっていることでしょうね。こういうとき、いちばん厄介なのは「事実」ではなく「感情」です。お母様方の言い分をお聞きしていないので片手落ちがあるかもしれませんが、あなたの言い分をお聞きする限り、あなたのおっしゃっていることに非はないように思います。家のローンを払っているのはあなただし(頭金とか出していただいてないですよね)、家の名義もあなた(たぶん)。となれば、その家に誰が住むかを決めるのはあなたということでしょう。「事実」はものすごくシンプルですよ。ただ、そこには物語がありますからね。そして物語には「感情」がつきものです。「感情」がしゃしゃり出てくると、からまるのですよ~。そして私たちは、「からまったものをからまったまま置いておく」というのがとても苦手なものですから、すぐさま解きにかかります。もう、ひっぱったり、ちぎったり、むしったり、どんなことをしたって解こうとやっきになってしまう。でも、力というものは押せば反発してくる。昔、物理の授業で習いましたよね。これ、道理です。だから「感情」だって、圧をかければ反発してくる。解こうとやっきになればなるほど、からまっていくのですよ。ましてやあなた、弁護士なんて超度級を持ち出しては…。修復したいとお考えなら、この糸玉からいったん離れてみては? できる限り時間と距離をおいて、解こうとするのをやめてみましょうよ。からまった糸玉をほどくのがいちばん上手なのは、なんといっても「時間」ですから。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』火曜のコメンテーターを務める。
2020年02月28日住宅を購入したらまず、自分たちが住むという事は普通だと思いますが、何かしらの理由で貸し出しを出来ないものかと考える方もいらっしゃるようです。今回は住宅ローンを返済している最中でも、別の誰かに賃貸物件として貸し出す事ができるのかどうかについて解説をしていきたいと思います。ローン返済中に貸し出すケースは何?始めに、ローン返済中にも関わらず、賃貸に出すケースについて解説しておきたいと思います。一体どんな時なのか、本記事をご覧になっている方も先々同様のケースに当てはまる事になるかもしれませんので、参考までに共有しておきたいと思います。ケース①転勤の辞令が出るよく聞く話かもしれませんが、戸建てや分譲マンションを購入後、転勤の辞令が出やすいという話を聞いた事はありませんか?あくまでも噂でしかありませんが、私が以前に勤務していた金融機関では家を買った先輩が購入後、早速転勤になった事がありました。あくまで憶測でしかありませんが、家を買うとローンを支払う為に会社を辞めにくくなります。その為か、ローン返済を盾に転勤にするという事があると聞いた事がありますが、真偽は定かではありません。しかし、転勤ともなると、単身赴任なのか、家族ごと引越す事になるのかという選択になります。このケースでは家族ごと引越さなければならない事情で、購入した物件に住めない事を指します。ケース②両親の介護が必要になった最近では両親と同居するご家庭は少なくなっていますが、離れて暮らす両親に介護が必要となった場合、呼ぶことも可能かもしれませんが、家族が増える事になりますので急に手狭になる事もあるでしょう。逆に両親の元へ帰り、一緒に暮らすという事になるかもしれません。家族で話し合いの結果、両親の元に帰る事になった場合は住宅ローンが残ったままになってしまいます。ケース③病気により療養しなければならない病気によって、今住んでいる所よりも離れた場所の方が治療に向いている・効果があるなど、場所を変えなければならないパターンです。人混みよりも静かな場所が適している事だってあります。病気を選ぶ事は不可能なので、万が一治療が難しい場合や場所を変えなければならない事になると、家には住めなくなるでしょう。ローン支払い中に賃貸に出すことはできる?ローン支払い中に賃貸で貸す事は出来るのか?上記3つのケース以外にも住宅を手放さなくてはならない事もあるでしょう。うまく売却できれば一番なのかもしれませんが、買い手が直ぐに見つかるのか?ローン残高を上回る金額で売却できるのかは分かりません。賃貸に出すのであれば、必ず銀行へ相談する様にしましょう。「私の持ち物だからどう使おうが勝手でしょ!」と言いたくなるかもしれませんが、銀行に相談しなければ後々大変な事になるかもしれません。金融機関に相談しなければならない理由とは?住宅ローンは金融機関から借りる事になります。その目的は住宅を購入するからだけでなく、細かい部分を見ると、資金の使い道まで決まっているからなんです。住宅ローンを利用する場合の資金使途は「居住用」として購入する場合にお金を貸してくれます。つまり住むこと、住んでいる事が条件であり、必須になる訳です。では住んでもいない・別の誰かに貸すとなると、これは契約違反になりますよね。最初から誰かに貸す為に住宅ローンを利用したとなると住宅ローンでなく、他の商品でローンを組まなければなりません。この様な話が後にバレると場合によってはペナルティを課せられる事にもなりかねません。必ず事前に銀行へ理由を伝え、相談する事は必須事項であると憶えておいて下さい。相談すれば貸出できるの?では銀行に相談したとします。貸し出す事は出来るのかという事についてですが、明確な回答は無く、金融機関によるとしか答えようがありません。通常であれば契約違反に該当しますが、理由がちゃんとしたものであれば貸し出しを認めてくれる金融機関もあるそうです。本来なら賃貸物件用のアパートローンに切り替えなければならず、資金使途が異なる場合はローンを変更する事が一般的な金融機関の対応のようです。絶対に貸出できますという事にはなりませんので、その点は憶えておいて下さいね。住宅ローンとアパートローンの金利は違う少し余談を挟みますが、ローンを切り替える場合、金利が気になりますよね。何故住宅ローンやアパートローンと分けられているのでしょう。資金使途にもよりますが、賃貸物件を購入していわゆる「投資」となると収益性が出てきます。この収益性を見越して、アパートローンの金利は住宅ローンよりも高く設定されています。変動金利でも住宅ローンなら0.45%等が最近の平均ですが、アパートローンの変動金利では約3%前後といったところです。固定金利でも商品はありますが、住宅ローンと比較しても高い金利になりますので、参考までに憶えておいて下さい。賃貸として貸し出し可能な方法と条件先程の解説では賃貸に出す事はほぼ難しいと書きましたが、ここからは、可能になる条件や方法について解説していきたいと思います。[adsense_middle]方法、条件を解説しますまず条件ですが、フラット35で借入をしていれば可能になります。フラット35は住宅金融支援機構が貸出元になり、今では様々な金融機関が取扱いをしています。ご存知の様に、金利の種類で言うと、一番高い金利を適用しています。また返済期間中はずっと金利が変わらない為、支払い総額も最も高額になる住宅ローンになります。しかし、このフラット35だけは返済期間中にも関わらず、購入した物件を賃貸に出す事が出来る、唯一の住宅ローンになります。参考:金利タイプはどんなものがある?ここで参考として他の金利タイプをご紹介しておきますので、住宅ローンをお考えの方は比較に役立てて頂ければと思います。全期間固定金利(フラット35)言わずと知れた住宅ローンの代表格です。先程解説した通り返済期間中はずっと金利が固定されており、毎月の返済額も常に一定である事が特徴です。最近の適用金利は1.25%~1.5%くらいで、取扱い金融機関によっては更に引き下げられたりしている事もあります。また団信は任意加入となりますので、健康状態に不安がある方でも審査に臨む事は可能です。固定金利選択型10年固定金利や5年固定金利といった表示を見る事があると思いますが、固定金利で借りられる期間を選ぶ事の出来るタイプがこの住宅ローンです。最近では2年、3年、5年、10年、15年、20年とバリエーションが豊富になってきています。適用金利も0.8%~0.6%と後述する変動金利に近づいており選択する方も増えているようです。固定期間が終了すると変動金利か固定金利のいずれかを選ばないといけませんので、先々の金利情勢が上がる事や下がる事を想定しておく必要があります。変動金利借入当初から半年毎に金利が見直されるタイプの住宅ローンです。返済額は5年間変わる事はありません。5年後に改めて適用金利が変わる事になるタイプで、3つのタイプの中では最も低い金利を適用しており0.45%~0.6%が平均的な今の水準の様です。5年毎に金利が変わりますので、将来的な金利上昇、下降といった事を考えておく事は必要です。先々転勤の可能性があるのならフラット35を選んでおく参考として他の金利タイプをご紹介しましたが、フラット35は一番金利が高い商品です。しかし、先々転勤の可能性がある場合であれば、賃貸として貸し出す事は可能ですので、家族全員で引越す事を検討している方はフラット35を予め選択しておくのも良いかもしれません。但し、注意があります。それは、最初から賃貸で貸し出す事を前提にフラット35は選べません。結果として家を購入したけど、転勤等の諸事情によって家に住めなくなった場合だけ賃貸可能となりますので、この点は気を付けておきましょう。どんな手続きを取ればいいの?手続きに関してはお金を借りた金融機関に「住所変更届」を提出するだけで可能になります。あくまでも借りた方の所在が変更した事をお知らせする届ですが、この届出を出しておけば返済中でも所在が分かりますので、賃貸に出す事は可能になります。他に必要な書類等も無い為、わりと簡単にいくので、もしフラット35で組んでいる方で賃貸をご検討の方はやってみるのも良いかもしれませんね。賃貸で貸し出しする際の注意点ではここからは注意点について解説しておきたいと思います。[adsense_middle]注意点①もしも帰ってくる事が発生したら例えばですが、無事に他人へ賃貸として貸し出す事が出来たとします。数年後、購入した家へ帰れる日が来るかもしれません。その時、入居者へ直ぐに退去を命じる事が出来ない場合もあります。一般的には入居者を守る為の法律もありますので、もしも人に貸す事があるようでしたら、専門家指導の下に賃貸借契約を結ぶ事をおすすめします。注意点②入居者が賃料を払わないトラブルの原因になりそうですが、もしも賃料を支払って貰えない等、発生したらローン返済は自分に降りかかってきます(元々そういう契約ですが)。賃貸に出すという事は、少なくともローン返済の一部を担ってもらえる位の賃料になるはずです。しかし、生活が2重になっていますので、更に負担が大きくなる事はあり得ます。しっかりと管理できる方やご自身で管理するなど自己防衛策は講じておく事が大事です。注意点③住宅ローン控除が使えない住宅ローン控除は賃貸に出した時点で適用されません。理由は居住している事が条件だからです。通常単身赴任などであれば、ご家族が居住していますので認められる事になりますが、購入した本人やご家族が住んでいなければ適用される事はありませんので、注意しておきましょう。また帰ってきた場合は控除期間の途中でも再適用される事もありますので、税務署などへ問い合わせましょう。住宅ローン返済中の物件を賃貸に出す方法まとめ今回は住宅ローン返済中に貸し出す事について解説してきました。理由は人それぞれですが、なるべくトラブルを回避するなら、住んでおくか、最悪売却を検討し、どれでも難しいようであれば賃貸を検討する事をおすすめします。
2020年02月27日確定申告が2月16日から始まりました。医療費控除や住宅ローン控除の申請をして、還付を受けようと準備されている方もいらっしゃると思います。3月16日までの1カ月間が申告期限ですが、混雑している確定申告会場も少なくありません。 しかし、還付申告の期限は確定申告期間でなくてもいいことはご存知でしょうか。どのような人が確定申告期間終了後でも還付申告の手続きができるか、逆に還付申告でも確定申告期間中に手続きをする必要があるかをお伝えします。 こんなときには還付申告の手続きを!会社員、公務員、医療・教育従事者などの給料を受け取っている方を「給与所得者」と税法上は分類されますが、正規・非正規を問わずその他の収入がない限り、年末調整で所得税・住民税の手続きは完了し、確定申告する必要はありません。 しかし、給与所得者も年末調整で対象とならない医療費控除(原則、年間医療費が世帯で10万円を超えた場合に適用)や雑損控除(災害や盗難・横領等の損害がある場合に適用)の申請や住宅ローン控除(正式には住宅借入金等特別控除)を初めて申請する場合は、確定申告による還付手続き(以下、還付申告)が必要となります。また、年末調整で手続きから漏れた扶養控除や生命保険料控除等の追加や年末調整をせずに退職した場合の精算なども、還付申告の手続きで所得税の還付・住民税の減額ができます。 還付申告の提出期間は5年間確定申告書の提出期間は毎年2月16日~3月15日(2020年は3月15日が日曜日のため、3月16日)の1カ月間ですが、これは自営業者や収入が複数ある人などの納税をする人の期間です。 給与所得者の還付申告の場合は、確定申告の期間と関係なく、該当する事項のあった年の翌年1月1日から5年間となります。例えば、2019年1月1日~12月31日の間に医療費が10万円以上かかり、年末調整で手続きした所得税の還付の手続きをする場合は、2020年1月1日~2024年12月31日までが提出期間となります。そのため、納税する人の申告期間である毎年2月16日~3月15日を避けて、申告することもできます。出産直後や体調不良、お仕事の繁忙期などで確定申告会場に行くことが難しい場合は、落ち着いた時期に還付申告の手続きをすることができます。注意点としては、駅前や市民ホールなどに期間限定で設定される確定申告会場ではなく、税務署での手続きが必要なこと、還付される期間は手続き完了後1カ月程度かかるため、手続きが遅くなれば還付されるまでの時間もかかることです。そのため、還付金が早くほしい場合は早めの申告をおすすめします。 還付申告でも確定申告期限を守らないといけない場合も給与所得者の還付申告は上記にあるように5年間ありますが、手続きする内容によっては2月16日~3月15日の期間内に申告する必要な場合があります。主なものは、以下の2点です。 【1】給与以外に副業や歩合等での収入があり、青色申告している場合青色申告は個人事業やフリーランスの方等が税務署に申請し、正規の簿記による帳簿を備えることにより最大65万円の控除が受けられる制度ですが、毎年3月15日までの申告期限内に申告することが要件です。そのため、青色申告で手続きする人は還付申告であっても、期限内の申告をお勧めします。 【2】給与以外に保険の満期金等や不動産の売却等の臨時の所得や副業等の金額が大きく、納税する場合給与所得者は年末調整で手続きが完了するのは、他の所得がないためで、給与所得者でも他の所得がある場合は、確定申告が必要な場合がほとんどです。医療費控除を申告しても、不動産の売却や保険の満期金、50万円を超える高額の懸賞金等、20万円以上の副業等がある場合は、納税となる場合があります。例えば、医療費が年間15万円かかり医療費控除で還付を受けようと思っている人が、給与以外に30万円の副業がある場合は、医療費控除の適用を受けても納税となる可能性があります。このような方も期限内の申告をおすすめします。 また、納税か還付か判断できない場合は、税務署に電話などで確認をするか、確定申告期限内に申告することをお勧めします。また、慣れている方であれば、国税庁の確定申告書等作成コーナーからご自身で確定申告書を作成して、郵送することも可能です。いずれにしてもご自身の状況に合わせた期間内に確定申告・還付申告を行っていただき、納める分はしっかり収めつつ、戻る分はしっかり還付を受けられるようにしましょう。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2020年02月26日今回は少しネガティブな記事になります。住宅を購入したけれど、支払いが滞ってしまった場合どうなるのかという事について解説していきます。延滞利息を支払えば済むんじゃないの?とお考えの方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、現実はそうではありません。具体的にどんな事が起こるのか、どうして滞ってしまうのか等事例を交え解説しますので、リスク管理の一環としてお読み頂ければと思います。返済が滞ってしまった!その後どうなる?早速ですが、住宅を購入後返済が出来なくなってしまったその後の解説から進めていきます。住宅はご存知の様に人生で一番高額なお買い物であり、長い期間ローンを支払っていく唯一の商品です。人生の3分の1はローン返済する事になりますが、いくら低金利で借りたとしても、1,000万円以上の借入をしている方は多く、物件によっては億を超えるものだってあります。では支払いが困難になったところから時系列で解説しますね。銀行から支払いに関する連絡が来るまず、住宅ローンの引落等が出来なかった場合、借りている方から何の連絡も無ければ、銀行から返済に関する連絡が来ることになります。この場合電話連絡なのか、書面での通知なのか手段は各銀行によって様々ですが、必ず連絡・通知が来ることになります。最初は引落日を失念していたのかな?と考える事もありますので、そこまで強めに言ってくる事はありません。しかし、この連絡や通知にはある理由があります。連絡、通知をする理由とは銀行から支払いに関しての連絡や通知があった場合、ただ支払いを促すだけのものではありません。これには理由があり、記録を残す為でもあります。例えば支払いに関して全く無視をする借主がいたとします(あまり考えられませんが・・・)。引落に関して、聞いていた話と違うとか、連絡を貰ってないなど言い訳を並べるかもしれません。そこで、しっかりと記録を残す事によって、「いついつに誰誰が〇〇様にお電話差し上げました」とか「お申込み頂きました書類に記載のご住所にいついつお支払いに関するお手紙を送っています」と言える訳ですね。さすがに口約束でお金の貸し借りをしている訳ではありません。ちゃんと金銭消費貸借契約という「契約」に基づいてお金の貸し借りをしていますので、まず言い訳は通用しないと思って下さい。何カ月も滞納が続くと・・・返済スタートから最初の月に忘れていましたという事で話は進んでいますが、何カ月も返済が無かったとします。こうなってくると銀行も本腰を入れて債権の回収に動き出しますが、返済が滞って3カ月位で督促状や催告書の通知が届きます。この通知の違いを解説しておきますね。督促状とは、「支払いが出来ていませんので〇月〇日までにお支払い下さい」という内容の通知になります。言い方や文章はややソフトなものです。催告書とは督促状とは異なり、強めな言葉になり、「〇月〇日までにお支払い頂けない場合には法的措置等を検討します」という内容になります。この様な通知が届いたにも関わらず、支払いが出来ない、支払いをしないとします。次に起きるアクションは保証会社になります。保証会社の役割住宅ローンを申し込む際に保証料を取られます。これは住宅ローンの返済が滞った時に、返済を保証会社が行いますという事の料金になります。保証会社があるから安心だ!というのは早計で、返済の義務が無くなる事はありません。というのも、滞った場合の返済は保証会社が一括で銀行に支払いをしますので、対銀行には債務(返済義務)は無くなることになります。しかし、保証会社が代りに支払ってくれていますので、次の支払い先は保証会社へ返済をしなければならなくなります。これを代位弁済と言います。代位弁済とは債務者(借入をしている本人)に代わって保証会社や第三者が支払う事を言います。代位弁済が発生した際には、信用情報に異動事故が残る事もありますので、以後の借入に影響を及ぼす事もあります。代りに支払ってもらった事で、債権が保証会社へ移る事になる訳です。保証会社は言い換えると債権回収のプロです。確かにローン返済が滞った際のセーフティネットではありますが、保証会社に移る事で更に支払いは厳しくなっていく事になります。保証会社に債権が移った際に気を付ける事は?保証会社へ債権が移るという事は、本来借りた銀行への住宅ローンが完済したという事になります。この時に「団信」が消滅する事になります。団信とは、借入期間中に借主が万が一亡くなった場合に、保険金で住宅ローンを一括返済できる住宅ローン専用の生命保険の事です。最近では働けなくなった際に団信が機能するものもあり保証範囲が充実してきています。団信がなくなり、保証会社へ債務が残る事になりますので、タイミング悪く万が一が起きてしまうと、残されたご遺族は大変な目に合う事になります。くれぐれも借入れた時の条件そのままで引き継がれている事はないと憶えておいて下さい。保証会社への支払いはどうなるの?保証会社へ債権が移行した後の支払いに関しては通常の分割返済となりますが、銀行と違って、返済が1日でも遅れる場合は一括返済を求められる事になります。通常金銭消費貸借契約には「期限の利益」というものが存在します。期限の利益とは毎月の支払い日を設定してある契約で「分割で支払えますよ」という、借主側の利益です。しかし、返済が遅れると期限の利益を喪失する事になり、分割で認められていた返済を一括でしなければならなくなります。この期限の利益を喪失する事になる為、一括返済を強いられる事になります。残高が高額であればあるほど、返済は困難を極める事になります。一括返済が出来なければどうなるの?一括で返済が不可能な場合は住宅が「競売」にかけられる事になります。たまに競売物件などで市場に出る物件がそうですね。競売は最低価格で販売される事になり、保証会社としては売ってでも債権を回収したいのです。なので、販売価格と同額で出しても買い手が付く事は少ない為、販売価格の50%から70%くらいの値段で売却されます。こうなると家に住めなくなりますし、ご近所にも知れ渡る事になります。競売される時のデメリット競売に関して、メリットはありません。本来なら住むべき家を強制的に売却される事になりますので。デメリットとしては、競売にかけられ売却できたとしても、ローン残債が残る可能性があります。つまり、家に住めない上にローンが残るといった事が起きてしまいます。滞納回数は関係ない。返済が困難なら相談しようこの様に返済が滞ってしまうと、良い事は一つもありませんし、かなり厳しい状況下に置かれる事になります。もしも返済が遅れたり、困難な場合にはまず銀行に相談するべきでしょう。返済が滞る理由は?ここでは返済が滞ってしまう代表的な理由を解説します。ご覧になっている皆さんも先々でこうなるかもしれません。是非目を通しておいて下さい。収入状況の悪化返済が出来なくなる原因は1つ。収入状況が悪化する事以外にありません。どんな場合に悪化するのかと言いますと、病気になって仕事が出来なくなった場合が挙げられます。病気と言っても、治療が長引くものもあれば、直ぐに社会復帰できる病気もあり、程度や疾患は選ぶ事はできません。気づいた時には進行していた!という事もありますので、健康には十分気を付けたいですね。しかし、加入している団信でがんに罹患したとか脳卒中で倒れた場合に保証されるものもありますので、健康が気になる方は手厚な団信に加入しておきましょう。他に悪化する要因として、転職や親の介護といった環境の変化が挙げられます。ローン返済中に転職した場合、同じ給料で雇用されるかは分かりませんし、会社そのものが続くとも限りません。また親御さんの介護が絡むと金銭的な負担や仕事の時間が削られる事もあるでしょう。この様にご自身をとりまく環境に変化があると、収入が悪化する事だってあり得ます。堅実に貯金や保険でリスクを軽減できる対策を取っておきましょう。[adsense_middle]返済が滞る前の対処は何かある?実際に事が起きてからの対処はあまり選択肢が絞られますので、事が起きる前の対処法として解説しておきます。任意売却を検討する先程の競売と違い、任意で住宅を売却する方法です。競売は売却価格が低くなりますので、ローンが残る事もあります。残る金額を考えるなら、少額が良いに決まっていますよね。そこで、任意に売却し高値で売却できれば残債も少なく済みます。この任意売却は住宅を手放す事になりますので、慎重に検討して下さい。個人再生を行う個人再生とは、法的に借金を減額し再生を図る事を言います。しかしデメリットとして、手続き後数年間(7年以上はかかります)はローンやクレジットカードの作成が出来なくなります。破産宣告と違って住宅ローンを抱えている方はこの個人再生であれば住宅を手放さずに済みます。リースバックという手段と居住できる期間リースバックという言葉を聞いた事はありますか?簡単に解説すると、住んでいる家を売却しますが、代わりに毎月家賃を支払って今の家に住み続ける方法になります。こうする事によって家を手放さず、引っ越しもせず、契約内容にさえ問題がなければずっと住み続ける事は可能になります。また将来的に、買い戻す為の資金が貯まったら、改めて買い戻す事も可能です。但し、売却額と残債の関係で残債が残る場合はリースバック出来ない事が多いので、注意して下さい。住宅ローン支払いの滞納に関するまとめ今回は住宅ローンの支払いが滞った時の解説でした。本来は家族が楽しく笑顔で過ごせる家でありたいのですが、様々な理由で支払いが難しくなる事もあるでしょう。まずは銀行に相談を早い段階で入れる事は必須です。事が大きくなる前に相談しましょう。
2020年02月26日今回は住宅購入の相談事例の中より、夫婦で住宅ローンを組む場合について問い合わせが多いので、その方法やメリット、デメリットについて解説しようと思います。最近住宅を検討する方が増えてきました。その中で多いご相談は「住宅ローン」です。またご主人や奥様の年収をヒアリングする事が多いですが、どうしてもご主人単独での融資が難しいケースや借入希望額に届かない場合もあります。そんな時、奥様が働いている状況であれば夢のマイホームに一歩近づけます。住宅をお考えの方は是非ご覧頂きたい内容ですので、最後までお付き合い下さいね。単独で借入が出来ない場合はじめに、夫婦でローンを検討する前に単独で融資が通るかどうか仮審査を行います。銀行に借入希望額を伝え審査になりますが、その結果一人では融資が通らない事もあります。ここではどんな場合に審査に通らないのか、またどんな審査をされるのかを解説しておきたいと思います。融資に関する審査内容私もかつては金融機関に勤めていました。その当時は融資業務を担当していまして、ある程度の事を経験してきましたので、経験を踏まえて解説していきます。まず融資する際に、商品は住宅ローンになります。これが自動車なのか、企業向けの融資なのかで審査内容も異なってきます。住宅ローンの場合、融資を受ける方の「属性」を調べていく事になります。属性って何?属性とは金融機関内の用語の事で、氏名、年齢、勤務先、年収、他社借入状況、信用機関での調査、勤続年数、家族構成等をまとめたものを言います。氏名一つにしても、姓が異なっている場合もありますので、後方氏名と生年月日で過去に取引履歴が無いか、過去に貸付やカードローン等の返済状況、借入状況等を調べたりもします。仮に住宅ローンをA銀行で借りるとします。その際、氏名で判明する事は、過去にA銀行でカードローンや自動車ローン等、取引があったとします。その当時の返済状況の履歴が残っていれば遅延があったのか、何日遅延があったのか、最悪な場合裁判沙汰や破産宣告、債務整理等の履歴を調べる事が可能になります。これはあくまで取引のあったA銀行に限ってです。他B銀行やC信金などの状況は分かりません。また姓が何らかの理由で変わった場合も同様に今の姓で調べたり、旧姓で調べたりもします。信用機関での調査は何をするの?銀行で出来る審査は名前から取引履歴を確認する事くらいでしょう。主な審査としては他社借入状況の審査です。これは申込用紙に他社借入の状況を申告する欄がありますが、ここで嘘を書いてはいけません。何故なら、直ぐにバレるからです。審査の状況を良くしようと嘘の申告をする方を何人も見てきましたが、あっさりと正しい借入額は判明します。それは信用機関に他社借入状況を問い合わせする事が審査の中に含まれているからですね。他社借入の状況で他社の返済状況や借入金額が判明しますので、住宅ローンをご検討の方は極力借入を避ける、若しくは借金が無い状態の方が望ましいですね。携帯電話の割賦販売にも注意参考までに、最近スマホを所有している方は多く、新機種などになると高額な機種代金になります。そこで毎月の携帯電話料金と一緒に分割して機種代を支払う方も少なくありません。この時注意しておきたいのは携帯料金をうっかり引き落とし忘れる事です。携帯の機種代を割賦(かっぷ)で分割支払いすると、実際にはローンを組んだことと同じことになります。引き落としされていなければ、万が一信用情報に「遅延」の異動事故が上がる事もあります。たった1日でも可能性は無きにしもあらず。注意しておきましょう。勤続年数は大事なの?おおよその審査の中で勤続年数等は大事な要素になります。何故なら勤務して1年未満などであれば、転職の可能性を否定できません。考え方として、転職回数が多い人なのかと思われます。また初めての転職であったとしても、これから続くのかと懸念されても仕方無い部分はあります。お金を貸す立場に立ってみると腑に落ちやすいと思いますが、長年勤務している方と1年未満の方であれば、社会的な信用も異なりますし、社内的な信用ある方だと評価されます。転職して直ぐに住宅ローンの申し込みは難し場合がありますので注意しておいて下さい。返済比率と年収申告で年収を聞かれる事になりますが、本審査の際には直近の源泉徴収や確定申告3期分等求められる事になります。この時、年収の整合性を確認されますが、年収から判断される返済比率が審査基準に収まっているのか、外れているのかを見られます。返済比率とは返済負担率とも言い、年収の何割までであれば返済可能と判断されるラインになります。各金融機関の貸付規定にもよりますが、ざっくり言うと下記の様になりますので、参考にされて下さい。上記の様にご自身の年収がいくらで、年間の返済がどれくらいになるのかを計算します。この比率以内に住宅ローンの返済額を収める必要があります。とはいえ、年収600万円であれば年間240万円の返済となり、月で計算すると毎月20万円になりますので、よほどの事が無い限り収まりはするでしょう。但し、金融機関によっては他社借入も通算して返済比率の中に収まるかどうかも判断する場合もありますので、審査を無事に通すのであれば余計な借入は避ける事が得策でしょう。審査内容のまとめここまでは審査に関しての情報を解説してきました。審査は非常に厳しいものです。貸し手側としては、貸したものは必ず返して貰わなければなりませんし、返済が無ければ利益が消失してしまうからです。返済出来ない、出来そうに無い人に貸す事は絶対にしません。私がかつて金融機関にいた頃、「会社のお金と思って貸すのではなく、自分のお金を貸すと思ってしっかり裏付け調査をしなさい」と教えられました。融資担当となると人間関係も出来上がり、情も湧きますが、実際に見るのは書類と数字です。住宅購入の前に審査に通るだけの準備も必要ですね。夫婦でローンを組む方法ここからは単独で融資が困難な場合の対処として夫婦でローンを組む方法について解説していきます。最近では住宅メーカーのベテラン営業マンから提案される事もあるようです。彼らはこれまで何件のもお客様の融資を取り次ぐ事もやってきましたので、ある程度は分かる様です。では実際にその方法を見ていきましょう。[adsense_middle]ローンを組む方法は3種類夫婦でローンを通す場合、以下3種類の方法があります。連帯保証人連帯債務ペアローンでは詳しく方法について解説していきますね。連帯保証人基本的には借主はご主人(奥様でも可能です)となり、連帯保証人として奥様(ご主人でも可能です)が付く契約です。ここで連帯保証人に関しての説明をしておきます。連帯保証人とは通常の保証人と異なり、催告や検索の抗弁権がない事を言います。催告とは催促の事で検索は差押えの事を指します。抗弁権とは反論する権利ですが、この反論すらできないのが連帯保証人です。例として、支払いを借主がしなかった際に連帯保証人に支払って下さいという連絡、催促があったとします。この時、借主に言って下さいと反論する権利が無い事です。また返済が全く無いので差押えしますと連帯保証人に言われた場合、借主から差し押さえて下さいと言えない立場にあるという事になります。夫婦関係である以上連帯保証人になる事は、他人に頼むよりも遥かにストレスが掛からないですよね。この点は気が楽だと言えます。この時、夫婦で共働きであるという事が条件になります。ご主人の年収や借入希望額にもよりますが、奥さんがパート等の場合は連帯保証人として通らない可能性もありますので注意しておきましょう。連帯債務連帯債務とは1つのローンを2人で借りる事です。例えば4,000万円のローンを組むとした場合にご主人が2,000万円借りて、奥さんが2,000万円借り、合わせて4,000万円になるという融資形態です。共同で借りて1つのローンを返済するので、分かり易いと思います。このケースでも共働きであるという事が条件になり、夫婦の年収を合算して審査してくれますので、単独よりも大きな金額を借りる事も可能になります。ローン名義や持ち分割合を分ける場合に使われる連帯債務でのローンはそれぞれがローン名義人になります。先程の事例で言えば50%がご主人の名義で持ち分となり、50%が奥様の名義で持ち分となります。この場合それぞれが借りた金額に対して住宅ローン控除も適用されますので、おすすめな方法ではないでしょうか。金利を抑えるならペアローン連帯債務と似ていますが、夫婦が別々の住宅ローンを組む事になりますので、契約が2件になるという事が連帯債務との違いになります。夫婦別々で借りて別々で返済する事になりますので、少し管理が大変になる事もありますが、特徴として、様々な金融機関がペアローンの取扱いを行っています。中でもネット系銀行も取扱いが有る為、金利を抑えたいという事であればペアローンを選択しても良いかもしれませんね。それぞれのメリット・デメリットを解説先程は夫婦でローンを組む方法に関して解説してきましたが、それぞれのメリットとデメリットについて解説しておきます。[adsense_middle]連帯保証のメリット、デメリット連帯保証のメリットとして、単独で融資を受ける事になりますので、返済などの管理はし易いと思います。また誰もが嫌がる連帯保証人ですが、他人に依頼しなくて良い事にもなりますので、気を遣う必要はありません。諸費用は1契約分なので、コスト面は高く付くかもしれませんが、後述するペアローンと違って安く済みます。デメリットですが、離婚した場合が挙げられます。離婚すると連帯保証を外す事になるでしょう。この時に他人がなってくれるかどうかです。簡単には外せませんのでトラブルになる事もあるでしょう。住宅ローン控除は連帯債務と違い一人分しか受ける事が出来ませんので、連帯債務、ペアローンを比較するとデメリットと言えるでしょう。連帯債務のメリット、デメリット次に連帯債務のメリットですが、合算年収で見てくれますので単独融資よりも高額な借入額になる事がメリットです。また住宅ローン控除もそれぞれが適用対象になりますので、税制面では連帯保証よりもお得になります。諸費用も1契約分で済みますのでコスト面でもお得になります。ではデメリットですが、やはり離婚した際です。共同で1つの建物を所有する事になっていましたが、家を半分に切り分ける事はできません。売却する事など考えると、ローン残債が残る事もありあすので、この点は気を付けたいところです。また適用商品がフラット35になりますので、他の金利タイプと異なり金利が高めである点は否めません。ペアローンのメリット、デメリット最後にペアローンですが、連帯債務同様年収を合算して見てくれますので希望額を高めにすることは可能です。連帯債務同様に住宅ローン控除もそれぞれが受ける事は可能ですので、2人分の税制優遇を受けられる点はメリットですね。そして取扱い金融機関も豊富ですので、金利の安いタイプでローンを組める点はメリットです。最後にデメリットですが、ペアローンは2契約となる為、諸費用が2契約分かかります。コスト面で言うと、圧倒的なデメリットになりますので、手持ち資金等に余裕が無い場合はあまりおすすめできません。また全てにおいて言える事ですが、先々離婚した場合もローンがそれぞれ残る事になります。売却出来ないケースや残債が残る場合もありますので、結果論ですが、トラブル回避には単独融資が良いでしょう。夫婦で住宅ローンを組む方法に関するまとめ今回は相談事例でも多い夫婦でローンを組む方法について解説してきました。最近では共働きで働いているご家庭は多く、また仕事も長きに渡って勤める方は多いです。折角住宅を購入するなら希望通りの住まいを買いたいですよね。もしも夫婦で組んだ方が良いなと思ったらこの記事を参考にして頂ければと思います。
2020年02月24日働き方改革によって副業として個人事業を始める方が増えていますが、そんな人にとって最初の試練となるのが2月中旬〜3月中旬(2020年は2/17~3/16まで)に行わなければならない確定申告です。会社員の方は会社が年末調整をしてくれるので、確定申告を初めて経験する人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、個人事業主、自営業の方で初めて確定申告をする方向けに青色申告と白色申告の違いや手続きのポイントなどについて解説します。法改正が入って2019年までとは運用が変わる部分もありますので、その点も合わせて解説したいと思います。確定申告とはなにかそもそも確定申告とは、所得にかかる税金所得税および復興特別所得税を払うための手続きで、1月1日〜12月31日の1年間に発生した所得について、確定申告書や決算書などの必要書類を揃えて翌年の2月16日〜3月15日までに税務署へ申告・納税することです。申告の内容によって納税が必要になる人もいれば人によっては、反対に払いすぎた税金を戻してもらえる場合もあります。確定申告が必要になる所得以下の条件に当てはまる人は、会社員で年末調整をしている場合でも翌年に確定申告をする必要があります。配当所得があった人不動産所得があった人事業所得があった人退職所得があった人譲渡所得があった人山林所得があった人一時所得があった人雑所得があった人年金、副業による収入などがある人個人事業主の方は、自らの事業による所得を計算して確定申告を行います。確定申告せずに申告期限が過ぎてしまうと、本来納めるべき税金に加算税や延滞税といったペナルティが上乗せされてしまうので注意が必要です。所得とはなにか所得とは収入金額から経費を引いた金額です。たとえば事業による売上が900万円、人件費などの経費が600万円だった場合、残り300万円が所得になります。所得税は所得に対して課税されるので、個人事業主の方は売上から差し引ける経費について漏れなく申告することが大切です。確定申告と年末調整の違いとは始めて確定申告する方の中には、確定申告と年末調整を混同している方がいるのでまずはこの点について解説します。年末調整とは、給与から天引きされている所得税を年末に正確に計算し直して調整する手続きです。会社員の方の場合、毎月の給与から一律で約10.%が源泉徴収として差し引きして、年末の段階で適用できる控除制度などを正確に計算して過不足を精算します。会社員の人であれば、毎年秋から12月にかけて行うことが一般的で、通常12月の給与支払い時に精算が完了します。毎月給与から天引きされている所得税はあくまでも概算で、生命保険料控除などが反映されていないので、年末調整で正しい所得税額を算出し、足りない人からはさらに差し引き、支払いすぎている人には還付が行われます。所得税の納税は確定申告で申告するところ、勤務先で年末調整を行っていれば原則として確定申告をする必要はありません。ただし、副業で個人事業主になっている方や住宅ローン控除を利用する方などについては、年末調整をしていても確定申告する必要があります。これについては誤解が多いので、少し掘り下げて解説します。会社員でも確定申告が必要になる条件とは会社員で年末調整を受けている方でも、次の条件に該当する方の場合は確定申告が必要です。給与収入が2,000万円を超えている場合2つ以上の会社から給与を受け取っている場合配当所得や不動産収入などの副業が20万円を超える場合医療費控除、雑損控除などを受ける場合住宅ローン控除を初めて受ける場合その年の途中で退職し、再就職しておらず、年末調整を受けられない場合わかりやすくいうと、会社員の方でも副業の収入がある方、マンション・アパート経営などの不動産投資をしている方などについては確定申告が必要です。青色申告と白色申告の申告方法や流れの違い確定申告の方法には、青色申告と白色申告の2パターンがあります。個人事業主をやっている方であれば、周りから青色申告をした方がいいというような情報は得ているかと思いますが、具体的に青色申告と白色申告で何が違うのかご存じでしょうか。個人事業主の方は事業の内容によっては、青色申告することで課税される所得税を低く抑えることが可能です。また、青色申告については今年法改正が入ってさらに特典が拡充されていますのでその点も含めて解説したいと思います。[adsense_middle]書類が単純な白色申告白色申告とは青色申告の承認申請をしていない方が行う確定申告です。個人事業における帳簿について、簡易式のもので対応できるので簡単な反面、以下のような税制上の優遇措置が受けられません。青色申告特別控除青色専従者給与に関する特例減価償却の優遇措置純損失の繰り越しこのように白色申告には特別控除がないため、節税効果はありません。青色申告にある赤字の繰越しや家族への給与を経費にできる特典も設けられていないので、個人事業主の方が確定申告をする場合、白色申告はあまりおすすめではありません。以前は複式簿記が面倒な人や、帳簿の作り方がわからないという人が白色申告を利用していましたが、平成26年の法改正により白色申告にも帳簿作成が義務づけられたため、白色申告と青色申告で手間の差は非常に少なくなりました。複式簿記による青色申告とは青色申告とは複式簿記による帳簿付けを行うことで、さまざま特典が受けられる申告方法です。昭和25年に導入された制度ですが、2020年に一部法改正が入りましたので、その点についても後ほど解説します。青色申告で控除できる金額青色申告の一番のメリットといえば、青色申告特別控除です。これまで青色申告特別控除は、所得から一律で65万円が控除されるという制度だったのですが、今回の改正で10万円ダウンの55万円の控除額に引き下げられました。これには青色申告のメリットを縮小したのではなく、別の意図があったのです。青色申告を利用するやり方青色申告で確定申告をするやり方としては、事前に管轄の税務署において青色申告承認申請書を提出しておく必要があります。基本的に提出だけしておけば、あとは複式簿記による帳簿を備え付けておけば問題ありません。青色申告承認申請書は、最初に青色申告をしようとする年の3月15日までに提出する必要があります。電子申告の推進青色申告特別控除が10万円分縮小されたわけではなく、電子申告によって青色申告をすれば引き続き65万円の特別控除が利用できます。電子申告とはインターネットを通じて確定申告をすることで、パソコンで作成した確定申告書をそのままインターネット経由で送信することで、申告から納税まで行うことができます。国はこれまでの紙ベースの確定申告から電子化を図りたいという思惑があり、その推進の一つとして電子申告することが65万円控除適用の条件としたのです。電子申告するためには、マイナンバーカードから電子証明書を読み取るためのICカードリーダライタが必要になります。マイナンバーカードが無い場合マイナンバーカードの発行を受けていない場合は、税務署に届出をすることで電子申告に必要なIDとパスワードの発行を受けて申告する仕方もあります。ただ、今後はマイナンバーカードによる電子申告に統一になると考えられますので、できれば今のうちからマイナンバーカードを使って電子申告したほうが良いでしょう。電子帳簿の作成と保存青色申告を利用したいけれど、どうしても電子申告することが難しいという場合は、仕訳帳などの帳簿類をパソコンに保存する電子帳簿保存を実施すれば、引き続き65万円の特別控除が受けられます。この場合は電子帳簿を備え付ける3ヶ月前までに、国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請書を税務署宛に提出する必要があります。青色申告する場合の流れ同じ収入金額であっても、青色申告で確定申告を行えば特典が受けられる分税負担は軽くなりますし、特別控除により所得金額を抑えられるため、住民税や健康保険料も少なくなります。新たに青色申告を行なうには事前の届出が必要で、新規開業の場合は、開業から2ヶ月以内に所得税の青色申告承認申請書を所轄税務署に提出します。1月1日から1月15日に開業した場合は、確定申告期間の3月15日までとなっていますので早めに準備しておきましょう。基礎控除が10万円増額に2020年の確定申告から基礎控除の金額が38万円から48万円に増額となりました。基礎控除は青色申告と白色申告どちらの場合でも利用できるため、納税者にとってはとてもありがたい改正です。例えば税率23%の方の場合であれば、10万円の23%で2万3,000円税金が減ることになるため、個人事業主の方にとっては負担軽減となるため注目されています。ただし、48万円の基礎控除は所得総額2,400万円以下までという制限があるため注意が必要です。2,400万円を超えると徐々に控除額が減額され2,500万円を超えると0となりますので、高額所得者の方は留意してください。個人事業主の青色申告に関するまとめ確定申告は個人事業主の方にとって最も手間のかかる作業だといっても過言ではありません。なぜなら、確定申告の手続きだけやればよいということではなく、日々の記帳から徹底する必要があるからです。ひと昔前までは白色申告することで負担軽減をして着ましたが、現在は青色も白色も労力の差としてはほとんどなくなってきていますので、どうせ確定申告するならより節税効果の高い青色申告の方がよいでしょう。2020年からは電子申告か電子帳簿の保存をすることで、基礎控除も含めると合計で10万円分控除額が増えますので、今年が初めての確定申告という方や白色申告を利用しているという方は、ぜひこれを機会に青色申告することをおすすめします。
2020年02月23日住宅購入を考える上で必ずローンという問題が出てきます。どの金融機関からお金を借りるのか、また住宅ローンの商品はどんなものを選んだら良いのか、どんな商品なら損をしないのか、おすすめの商品は何なのか、等色々と調べる事や考える事は沢山あるでしょう。今回は住宅ローン選びの一つである、10年固定金利の住宅ローンについて解説をしていきたいと思います。3種類あるタイプの中の一つですが、どんな商品なのか、メリットやデメリットも含め解説しますので、ご検討中の方はご一読下さい。仕組みや金利、利率を解説しますはじめに、仕組みや金利がどの様にして決定するのか、最近の利率等を解説しておきたいと思います。またこのタイプの商品は固定期間選択型と呼ばれるタイプです。固定金利で借入したい期間を選ぶ事が出来る商品でもあります。固定期間選択型の仕組みは?住宅ローンは通常最長35年に渡って組む事が出来る商品です。この35年間もの間、金利が高いのか、低いのかという事で支払いの負担が大きく変わってきます。今回解説のテーマである10年固定金利は金利水準で言うと「中」です。最低金利の代表は変動金利で、高い金利は全期間固定金利の商品になります。10年固定という事であれば、借入を起こして10年間は金利がずっと固定されているという事になります。では10年が終了するとどうなるのかと言うと、終了するまでの間に、残り期間を変動金利か固定金利にするのか選択する事になります。この時、重要なのは借入当初の金利と10年後の金利を比較しなければならず、10年後の金利が分かっている事はまずあり得ません。つまり10年後が近づくと嫌でも情報収集しなくてはいけなくなり、その時点で金利がどんな情勢になっているのか把握する必要がありますし、今まで通りの負担で続けられるのか、負担が増えるか減るかという事に備える必要が出てきます。10年固定金利の金利はどうやって決まるの?少し細かい部分に話が及びますが、この商品の金利がどうやって決まっているのかという事について触れておきたいと思います。決定要因は「円金利スワップレート」という指標を元に金利が決まります。ここで解説を挟んでおきます。円金利スワップレートとは円の金利同士を交換する為に使用されるレートの事で、代表的な交換は変動金利と固定金利を交換する事が最も多いです。このレートを参考にして各金融機関が住宅ローンの金利を決めていきます。このレートは主に10年国債の金利に連動する動きを見せている事も参考までに知っておいて下さい。住宅ローンは各金融機関がビジネスとして成立する金利を設定します。各金融機関で金利はバラバラですので、金利を選ぶ際は十分な比較をしておきましょう。10年固定金利の利率は今何%位なの?では今現在の金利情勢について解説します。今の時点で一番低い金利水準はネット銀行のauじぶん銀行で、0.550%でした(固定期間10年)。次に低いのはソニー銀行の0.580%(固定期間10年)です。最近ではネット銀行が台頭しており、その金利の低さには目を見張るものがあります。但し、ネット銀行の場合事務手数料が高額な事が多い為、上記の表面金利に追加して実質金利が上がる傾向もあります。事務手数料や団信等で金利が上乗せされる事も含めて金利選択はしておく事が無難だと言えます。これは固定金利選択型に限った事では無く、他の金利タイプでも同様の事が言えます。しっかりと表面金利だけでない部分も視野に入れておきましょう。10年固定金利のリスクは?ここで10年固定金利のリスクについて解説しておきたいと思います。この住宅ローンのリスクは、期間終了後、変動金利か固定金利のいずれかを選択しますが、その際に金利が急上昇していたと仮定します。その際に上限が無い為、高額な支払いになる事が一つのリスクと言えるでしょう。例えばですが、借入当初毎月10万円のローンを返済していたとします。10年間はこの金額で問題ありませんが、10年後金利が急に上昇。その時支払額が15万円になっている事もあり得るという事です。この点はどの金利タイプも同じでは無く、10年固定金利の特徴になりますので、住宅ローンを選ぶ際はリスクをしっかりと把握した上で判断しておく事が重要ですね。[adsense_middle]変動金利、全期間固定金利のリスクは何?ここで他の金利タイプのリスクを合わせて解説しておきますので、比較の参考にして頂ければと思います。変動金利の場合まず、変動金利ですが、仕組み上5年毎に返済額の見直しが行われます。金利の変動は半年毎ですが、借入から5年以内は返済額に変化は無く、中身の充当額に変化が生じる事になります。つまり、毎月元金が安定して減る訳でもないという点がリスクと言える部分でしょう。また5年後に返済額が変わる点も一つのリスクです。先程の仮定と同じく、金利が急上昇した場合に変動金利の場合は最大125%までしか支払額が上がる事はありません。例えば毎月10万円のローン返済だった場合、15万円になるような金利情勢になったとしても、毎月の返済上限は12万5,000円までとなります。この時不足する25,000円はそのまま過不足金として残りますので、いくら返済上限があっても、気を付けておくべきポイントの一つですね。全期間固定金利の場合全期間固定金利については借り入れ期間中金利が変わる事は無く、安定した返済を可能とするタイプの住宅ローンです。この点は返済のし易さや毎月の金額が変わる事が無い為、安心できる点でしょう。しかし、他の金利タイプと違って、当初の金利が最も高く設定されているため、返済総額の負担は最も高額になります。また、金利情勢が上がったり、下がったりする局面においても、真っ先に変化が現れるのは変動金利になり、最後に全期間固定金利に変化が生じます。金利情勢をこまめにチェックしている方はこの点を一つのリスクと考えておいた方が良いでしょう。金利をチェックしローンの見直しで借り換えも検討しようこの様に、どの住宅ローン商品であってもリスクは必ず潜んでいます。これは借りるだけの事に限った事では無く、投資や保険、預貯金にでさえリスクは付き物です。では住宅ローンの様に高額なお金を借りる時に、極力損失を避けたい場合、どんな手立てがあるのかと言いますと、手っ取り早いのは借り換えを行う事でしょう。例えば先程金利が急上昇する局面が本当に来たとします。この時、何もせず返済額が上がる事を受け入れる方は少ないでしょう。支払いが上がる事は誰もが回避したいですよね。私だって同じく嫌です。この時借り換えという手段を視野に入れておく事も重要です。借り換えは要件さえ満たせば可能です。毎月の返済額がどの様に変わるのか、選択すべき商品は何なのかを検討する日がやって来るかもしれませんので、住宅を購入した方、これから購入する方はほんの少しだけでも良いので、金利に目を向けてみて下さい。但し、こまめに借り換えをやり過ぎてもかかる事務手数料や諸費用がかさみます。損失を出さない様にする事は大切ですので、憶えておいて下さいね。固定期間選択型のメリットとデメリットではここからはメリット、デメリットについて解説していきたいと思います。[adsense_middle]メリットは?先にメリットですが、一つは金利が低い点が挙げられます。先程も解説しましたが、金利水準で言えば「中」に該当しますが、変動金利の表面金利とそこまで変わらない水準まで下がっている点はメリットと言えそうです。住宅ローンは最も高額で、毎月の返済額のウエイトを占める割合は一番高いです。金利は低いに越したことはなく、本来なら利息さえもカットできればなと考えている方は多いと思います。(私もそう思っていますが絶対に無理だという事は分かっています)その中でも金利の水準が低い為、選択される方も多いですね。また他のメリットとして、固定期間を選択できる範囲が広く、2年、3年、5年、10年、20年といったラインナップを取り揃えた金融機関もあり、なるべく返済額を一定に保ちたい、金利は低めに設定したい方には長期に渡っての固定期間は非常にメリットになるのではないでしょうか。メリットになり得る理由住宅購入の動機の一つに子供の成長が挙げられます。お子さんが成長するにつれ、自分の部屋が欲しくなる事、成長に伴い住まいが狭く感じる事もあるでしょう。その時に住宅を購入し広さを求めますが、お子さんが小さい頃に購入する世帯が最も多く、早い段階で住宅を検討・購入しているようです。この時、お子さんの年齢が10歳だとすると、教育に関わる時間は大学まで行ったとするなら23歳です。残り13年間は教育資金の事も考えておかなければなりません。この時、住宅ローンがあるとするなら教育期間中の住宅に関する返済額負担を少しでも軽くしたいのは当然だと言えるでしょう。お子さんの教育期間中に返済額を軽減できる期間を設けておきたいと考えるなら、固定期間選択型で20年若しくは10年固定を選択しておくのも一つのメリットではないでしょうか。デメリットは?次にデメリットについてですが、一番のデメリットは先程解説したリスク部分になるでしょう。この点に関しては上昇する事が絶対という訳ではありませんが、返済額が急に高騰してしまった場合、そして頼みの綱の借り換えが難しい場合はデメリットになってしまいます。借り換えは要件さえ満たせばと解説しましたが、要件の中には健康状態に関する事も含まれます。借り換えに健康状態が関わってくる理由住宅ローンを借りる際に必ず「団信」に加入しなければ融資は受ける事はできません。この団信について解説しておきます。団信とは団体信用生命保険の略で、住宅ローン専用の生命保険になります。借入をした方が返済期間中に万が一お亡くなりになったり、大きな病気で働けない状態に陥ってしまった際に住宅ローンを一括返済してくれる生命保険の事です。団信によっては保証範囲を広くしている金融機関も最近では増え、保証範囲を広くする事で、金利に数%上乗せする事もあります。融資条件としてこの団信に入れる方、つまり健康な方に対して金融機関は融資をします。何故なら、金融機関はボランティアではなく本来はビジネスとして利息を受け取ります。健康で融資した金額をちゃんと返せる方にしか融資はしません。生命保険である以上、健康状態が関わってくるのは当然でしょう。では先程の借り換えの時に健康である絶対の保証はあるでしょうか?明日や明後日、5年後、10年後の事は誰にも分かりません。先々借り換えすれば良いかなと計画していても、健康でなければ借り換える事は難しくなってきます。また加齢と共に健康状態は悪くなる事は周知の通りです。借り換えを計画しているタイミングが何年後なのか、その時何歳なのかを想定しておく事は大事です。この団信に加入できない事によって借り換えが出来なかったクライアントさんもいました。しっかりと健康維持しておく事も一つのリスク回避の手段と言えるでしょう。他のデメリットは?他のデメリットとして繰上返済を行う際に違約金がかかるケースもあります。これは金融機関が資金を調達し、貸し出す際に関わってきますが、通常金融機関は様々な所からお金を預かったり、借りたりして貸し出しをします。この時金融機関は変動金利で借りる事があり、その借りた金利に上乗せし貸出金利を決定する事になります。固定期間選択型の場合、金融機関は変動金利で借りたお金を固定の利息負担で良いですよという事で貸し出しますが、もしも変動金利部分が上昇した場合、金融機関の利益部分が少なくなってしまいます。そこで、金融機関はなるだけ利息を得なければ自分たちの利益を確保できない為に、違約金を取る事を設定する事がある訳です。変動金利で住宅ローンを組んだ方は違約金等取られる事は無いので、固定金利選択型を選ぶ場合は先に繰上返済や、一括返済時の違約金について事前に確認しておく事をおすすめします。10年固定金利の住宅ローンに関するまとめ今回は住宅ローン商品の一つである10年固定金利について解説してきましたが、メリット、デメリットは当然あります。もちろん受け入れられるリスクなのか、そうでないのかという事も重要な要素です。人生で一番高額なお買い物ですので、商品選びは慎重に比較検討しておきましょう。
2020年02月22日最近マイホームを検討する方からのご相談が増えてきました田中です。家を買う事に対して、お金の相談やローンの相談など色んな相談内容に対応していますが、特にローンについてのご相談が圧倒的に多く、初期費用をかけるべきか、抑えるべきか悩んでいる方は多い様です。そこで、今回は私の相談事例から抜粋し、住宅ローンにおける頭金の有無について、またメリット・デメリットや付随する予備知識について解説をしていきますので、最後までお付き合い下さい。住宅購入の相談内容は?はじめに、住宅購入を検討されている方の相談内容について話しておきたいと思います。実際に私が対応出来る事は、ライフプランを作成し、将来のどんなお金が掛かるのか、家を買って維持できるのか、また借入金額はどれくらいだったら妥当なのか、ローンの種類や組み方、返済方法等です。稀に、戸建てが良いのか、マンションが良いのか等も聞かれたりします。ここからは、よくある相談内容について書いておきますので、ご自身に照らし合わせて読み進めてみて下さい。借入に関する相談まず最も多い借り入れについてのご相談です。借入については自動車ローンと違い金額の桁が違いますよね。それこそ、人生で一番大きなお買い物ですので、当然です。そんな高額な借入が出来るのだろうか?返していけるのだろうか?不安が先に立つ方が多く、シミュレーションしたとしても、腰が上がらない方もいる位です。それだけ簡単に決断できるものでは無いという事です。しかし、家を買う理由が明確であれば行動は早く、一歩踏み出せば、流れに乗って行く方も多く見てきました。借入のどんな事についての相談が多いのか順に見ていきましょう。いくらまでだったら借りていいのか?例えばお子さんが3人いたとします。当然無視できないのは教育資金です。お子さんの進路が高校から変わっていくのか、中には小学校から私立一貫の方もいます。大学は県内なのか、県外なのか、3人とも希望の進学先に進んだとして計算しても、数千万円はかかる見通しですよね。そこで、ライフプランシミュレーションを実施する訳ですが、優先順位を付けて叶えたい希望から聞いていきます。教育を優先するのか、住宅を優先するのか人それぞれです。そこで不安になるのは住宅を購入した場合、子供の進学に影響しないかという事です。ざっくりと自分の年収から計算すると、いくらまでなら借りられるといったサイトがある様に、そのままの金額の物件を購入した場合、子供の進学は叶えてあげられるかな?という事ですね。そこでシミュレーションを実施しながら、金額を調整し、この金額までの借入であれば体力的に大丈夫ですよという診断を下す事もあれば、少し頑張る必要があるといったアドバイスもしたりします。気になる様であればまずはシミュレーションを実施しておきましょう。どの金利タイプで借りたら良いのか?同じく多いご相談は金利のタイプですね。この点に関しては後述して詳しくタイプ別に解説しておきますが、クライアントさんの手元にある情報として、35年固定金利か固定金利選択型か変動金利の3つがあるかと思います。クライアントさんの中にはお勤め先の会社から貸付を受ける方もいらっしゃいます。金利タイプに関してはそれぞれ特徴があり、また銀行によって金利が異なりますし、通帳の残高に応じて金利が変わる銀行の商品もあったりします。クライアントさんそれぞれが違った考え方や価値観をお持ちなので、どれがおすすめなのかと良く聞かれますが、個人的には変動金利です。しかし、ご自身の価値観に合った商品で納得していれば一番だと思います。借入に関する諸費用って安くなりますか?諸費用に関する事は結構聞かれる事が多く、安くなる方法を知っていますか?と聞かれますね。諸費用は金融機関によって異なりますが、主に融資に関する手数料や保証料、登記費用等があり、特に保証料は高い場合が多く、その金額の高さから、ローンに組み込んで支払っていく方もいらっしゃいます。一括で支払う事も可能です。一括で支払った方が金額的にはお得になりますので、余裕を持っておいた方が良いでしょう。また登記に関しては通常、司法書士を介して登記して貰う事になりますが、この部分を削る事は可能です。自分で出来る方法もサイトにあったりしますが、時間と根気は必要になってくるでしょう。今までやった事の無い手続きを自力でやる事になりますので、書類の不備等も出てくる可能性は高いでしょう。安くする方法はあるものの、手順に関してはアドバイスできないので、ご了承頂く事が多いですね。新築マンション?新築一戸建て?どっちが良いですか?ご自身が買う物件の事ですのでどっちが良い悪いという事ではなく、購入後の維持に関する費用等、メリットやデメリットに関して聞かれる事があります。維持費という観点からであれば、マンションの方が毎月の修繕積立費や管理費が発生しますのでランニングコストとしてかかります。一戸建ての場合は住宅ローン以外に特にかかる費用はありませんが、先々住宅が傷んだ時のリフォームや交換等の費用が発生します。まずはご家族を含めた住環境になりますので、お子様の教育を考えた校区なのか、毎日の生活を考えた立地を選ぶのか等検討する必要はあるでしょう。ちなみに先程の諸費用に関しては新築か中古かで目安が異なりますので、以下に記しておきますので参考にして下さい。新築物件の諸費用目安:物件価格の3~7%中古物件の諸費用目安:物件価格の6~10%頭金は入れた方が良いですか?今回のテーマである頭金に関する相談も多いです。後程詳しく検証した解説を書いておきますが、頭金含め、諸費用の事も考えておかなければなりません。諸費用は目安で単純計算しても、物件価格が4,000万円であれば新築で280万円(7%の場合)、中古では400万円(10%)と大きな金額がかかります。頭金の作用は借入額を減らす事、言い方を変えれば利息負担を軽減する為とも言えますね。また頭金をどれ位準備しているのか、金額にもよると思います。私の相談事例での平均は約300万円が多い様で、最も大きな金額を準備していた方は2,000万円の方がいらっしゃいました。大きな金額を準備出来ているのであれば、借入額を減らす為に、頭金を入れておいても良いでしょう。また住宅ローン控除との兼ね合いもあるでしょう。この点も後述しておきたいと思いますので、気になる方は先に読み進めて下さいね。相談内容のまとめここまでは私が相談を受けた中でも、多かった内容に関してお話してきました。細かい相談は抜きにしても少なくとも上記の様な心配事は誰でもお持ちのようですね。特にお金に関する事ですので、慎重に事を進めたいお気持ちが伝わってきますし、何か納得できる材料を求めている方は本当に多いと思います。私も様々なクライアントさんを担当していますが、住宅購入は大きな決断が必要です。その背中を押してあげる事が出来れば、本当に嬉しい瞬間ですし、「田中さんのおかげで家を買う事ができました」と言われる事は最高ですね。この解説をご覧の方のお力になれればなと思います。フルローンのメリット・デメリットを解説しますでは頭金に関する話ですが、頭金の無い状態でローンを組む場合のメリットやデメリットについて解説しておきたいと思います。頭金の有無でどう変わってくるのか?無くても問題無いのか等、実際に物件を買うつもりでシミュレーションも添えて検証解説を行っていきます。[adsense_middle]フルローンのメリットは?まずメリットからお話します。メリットの1つとして住宅ローン控除額が違ってくるという事です。一つの事例で検証してみました。下記の条件です。物件価格:4,000万円適用金利:0.7%支払い期間:35年間この条件で頭金500万円を入れた場合(3,500万円の借入)と入れなかった場合の概算控除額の比較がこちらになります。住宅ローン控除はその年の年末におけるローン残高の1%が所得税や住民税から控除される仕組みの減税措置です。ご覧の様に残高が大きければその分控除額も大きくなる為、税金の負担が10年間(購入期間等により13年間)軽くなります。この点は頭金を入れない事がメリットになる点でしょう。他のメリットは?他のメリットに関しては、先程解説しました、諸費用についてです。諸費用は高額になる事がお分かり頂けたかと思いますが、諸費用に関しては住宅を引き渡す日までに、現金で納める必要が多いです。別途頭金を準備するとなると、合算でも大きな金額になります。頭金で準備していた金額を諸費用に回すという事も出来るでしょう。この使い道という点ではメリットにもなりえるでしょう。フルローンのデメリットは?次にフルローンを組んだ場合のデメリットについてです。頭金を入れていない状況でパッと頭に浮かんでくるのは利息負担でしょう。先程のメリット同様の条件で利息負担を比較してみたいと思います。条件は同じで、金利が35年間続くと仮定して試算します。その結果がこちらになります。上記の様に頭金を入れない場合に関しては毎月の返済額も約14,000円開きがあります。また総額でも約600万円違ってきますし、利息負担も約70万円違う事が分かります。これはフルローンの場合のデメリットであり、裏を返せば頭金を入れるメリットと言える事にもなります。先述の住宅ローン控除と合わせて考えてみても、軽減額や負担をトータルで考えると頭金を入れる事の方がメリットが遥かに大きいと言えそうですね。今回試算で適用した金利は0.7%と比較的低水準でしたが、フラット35等の全期間固定金利に関しては1%を超えてくる商品もあります。そうすると上記の試算よりも毎月の返済額、総額、利息負担額は大きく膨らむことに繋がりますので、高い金利を選択するのであれば、極力頭金を検討しておくべきだと言えそうです。金利タイプの違いを解説最後になりますが、先述した金利タイプの詳細を詳しく解説しておきたいと思います。選択する金利によって負担も異なりますので、金利選びは住宅購入する上で重要な要素です。違いをしっかりと知っておきましょう。[adsense_middle]変動金利1つ目のタイプは変動金利です。字の通り、当初借入をした際の適用金利が変動するタイプです。変動こそしますが、ここ10数年位では他の金利タイプよりも最も低い金利となっており、返済額や総支払額等も低くする事が出来る為、人気の金利タイプですね。金利の変更自体は半年毎に行われますが、基本的に借入を起こしてから5年以内は返済額に変化は生じる事はありません。5年後の適用金利が変更になった際に初めて支払額が金利に応じて変更される事になります。個人的にどの金利がおすすめですかと聞かれる事がありますが、私の意見は変動金利が最もおすすめですと答えています。またネット銀行に抵抗が無ければ、住信SBIネット銀行の変動金利がおすすめです。固定金利選択型2つ目のタイプはよく見かける〇年固定といった、固定金利期間を指定できる商品です。変動金利に続いて金利水準は低く、選択する方も比較的多いようです。この商品は固定期間を選択し、期間が終了したら変動金利か、固定金利の選択をしなければなりません。また選択の段階で、金利が急上昇していても支払いの上限が無い為、将来的に金利が上がりそうだと推測するのであれば、選択しない方が無難だと言えそうです。全期間固定金利最後の金利タイプは全期間固定金利という商品です。いわゆるフラット35というネーミングでお馴染みの商品ですね。住宅金融支援機構が提供していますが、各金融機関で申し込む事が可能です。特徴は3つのタイプの中で最も金利が高く、高い代わりに、ずっと金利が固定されているため、支払額の見通しは立て易いです。また比較的審査基準も緩い為、審査に自信が無い方、自営業の方等はこのタイプが多い様です。どの金利タイプが一番自分に合っているのかしっかりと検討を重ねておきましょう。頭金なしの住宅ローンに関するまとめ今回はフルローンに関しての解説でした。私個人的な意見で言うと、頭金は少なくとも入れておく事がベストな判断だと思います。しかし、頭金を準備するにも時間が掛かったり、そうこうしているうちに時間だけが過ぎていき、返済期間や働ける期間が短くなります。住宅をお考えの方はなるべく早めに準備をしておく事が重要ですね。
2020年02月20日今回は住宅ローンの名義を変更できるのか?という疑問について解説していきたいと思います。住宅購入は人生で一番高額なお買い物であり、長い年月をかけて支払いを行っていかなくてはなりません。返済中に何らかの事情が発生し、住宅ローンの名義を変えたい場合、そもそもできるのか、できないのか?できるのであれば、どんなことに気を付けなければいけないのか?疑問が次々に湧いてきますよね。事例やポイントを分かりやすく解説していきますので、もし名義変更に直面していらっしゃる方はご一読下さい。名義変更は出来る?出来ない?まず名義変更が出来るのか、出来ないのかという事について解説しておきましょう。結論から言えば「出来るけど、ほぼ無理」という回答になると思います。いきなりで申し訳ないのですが、出来る可能性は極めて低いと言うべきでしょう。もちろん出来るケースも存在しますので、ケース毎の解説を後述する事にします。では何故出来る可能性が低いのか、その点の理由を先に解説します。そもそも銀行の審査は厳しいまず住宅ローンを借りる時を想像してみてください。誰が審査対象になり、誰の名義でローンを組むのか、また物件や土地の価値も調べられます。この時、ローンの名義人の返済能力については、年収や勤務先や勤続年数、個人的な借入、家族構成など細かくヒアリングされます。年収が低ければ、融資額も低くなるか、融資が出来ないか、連帯保証人を付けるかなど条件があり、勤務先や勤続年数等、長期に渡って返済出来るかどうかも裏付け調査として調べられます。この様に「融資対象者」について審査される事になりますので、銀行が「この内容であれば問題無く融資出来る」と判断した方へ、希望額の融資を実行します。つまり「返済能力有り」と判断される事になる訳です。債務者変更はより厳しいでは債務者(住宅ローンを借りている人の事)を変えたいと申し出たとします。事例として、元々は夫でしたが、妻に変更するとしましょう。そして夫サラリーマン、妻パートだとします。これだけの情報であれば誰でも年収の比較はできますよね。では皆さんが大事なお金を人に貸すと思って下さい。夫にお金を貸しました。「これからの返済は妻になりますけど、良いでしょうか?」と聞かれたとき、「OK」を出せそうですか?人間関係があれば「OK」と言えるかもしれませんが、銀行はビジネスでお金を貸していますので、人間関係は全く関係なく、「返済能力」が有るのか無いのかの判断だけに特化します。ここに事情があったとしても、貸したお金を返してくれる根拠が無くなるのであれば名義変更は認められないという事になる訳です。名義変更が出来るケースは?そして方法は?冒頭では変更の可能性が低いと書きましたが、出来るケースと出来る場合の方法について解説します。夫婦間、親子間、兄弟間で出来るの?まず前提条件として、名義変更が認められるとします。すると、変更する際に引き継ぐ人が「その住宅に住む事」を条件に融資が下りる事になります。住宅に住んでいないのに融資はできないという事です。では家族間での名義変更を題材に解説します。ここで想像して頂きたいのは、まず、夫婦間であればお互いに婚姻関係にありますので、同じ住居に住むことが考えられます。次に親子間での名義変更ですが、同じ居住に住む事はあり得るでしょうし、引き継ぐ子供が居住する事、定職に付き返済能力があれば名義変更は可能です。この点に関しては後半の、親子リレーローン(親から子供へローンを引き継ぐ融資形態)のところで解説しますね。最後に兄弟ですが、仲の良い兄弟でずっと同じ家に住み続けるのであれば出来ますが、どちらかが家を出るとか、どちらも出るといった事になるとお金のトラブルになるかもしれません。ここまでは関係性のお話でしたが、次に属性のお話になります。名義変更できる属性とは?金融機関の用語で「属性」という言葉を使う事があります。分かりやすく言うと、その人の年収、勤務先、勤続年数、家族構成、債務額等全てひっくるめたものを指します(私がいた金融機関はこう呼んでました)。この属性が主債務者である方と等しい、若しくはそれ以上であれば名義変更は可能になると思われます。前述した夫サラリーマン、妻パートの場合、どうしても妻の属性が弱くなる為、妻の属性がサラリーマンで夫よりも年収が高く、勤続年数も長いなど、審査に有利な判断材料があればという事です。これは夫婦間、親子間、兄弟間でも同じ事が言えますが、引き継ぐ先の方の審査が待っていますので、同じく壁は高いと判断した方が良いでしょう。どんな手続きが必要なの?注意点は?では手続きと注意点について解説します。先に注意点からお話すると、原則ですが、住宅ローンなどの融資は「金銭消費貸借契約」に該当し、殆どの金融機関は名義変更に関する文言を入れており、「名義変更は認めない」と記載がある事が多い様です。この文言が入っているかいないかで手続き出来る・出来ないが変わってきますので、契約書を確認しておいて下さい。記載が無い場合は上記の解説で属性がクリアでき、かつ単独融資の状況であれば変更は可能になってくるでしょう。単独融資でなく、連帯保証人付き契約や連帯債務者での借入の場合は次の問題点が出てきます。新たな主債務者の連帯保証人になってくれるのか?連帯債務者であれば債務を1本に出来るのか?上記の問題点について少し私なりの見解を挟んでおきます。新たな主債務者の連帯保証人になってくれるのか?非常に稀ではありますが、連帯保証人を変えなければいけないケースもあるでしょう。理由は、これこそ人間関係が絡んできますが、主債務者を信じて連帯保証人になる事になります。しかし、主債務者が変わり、あまり人間関係が無いような関係性であれば引き続き連帯保証人になれるかどうかという点です。連帯保証人を必要としない単独契約に切り替わる事が出来ればそれで問題は解決しますが、この様な事例もある様に思います。連帯債務者であれば債務を1本に出来るのか?そもそもですが、お互いに住宅ローン控除を受ける目的で連帯債務者になっているという事であれば、名義変更する事はあまり無いでしょう。しかし、連帯債務者としての契約で融資が受けられる属性を考えると、恐らく夫婦合算年収などで希望融資額に届くものと考えられます。つまり、属性として弱いけれど、2人なら融資可能という判断だと思います。では属性変更が無いまま、どちらか一方の名義に1本に出来るのかというと、これは難しいでしょう。理由は先程の属性に大きな変化(単独融資が出来る様な年収、勤続年数、信用調査の結果)が必要になってきます。変更が無い状況での名義変更は銀行も認めてはくれないと思いますので、この点は注意しておきたいところです。変更の手続きはどうやる?では変更できるとして、手続きの方法について解説します。手続きは大きく2つあります。ローン名義を変更する物件の所有者名義を変更するこの2つを変更する訳ですが、結構大変な作業になります。まず初めにやる事は銀行へ変更する旨を伝えなければなりません。ここで順序を誤って、先に所有権の変更手続きを行ったとします。この時、銀行に名義変更の事実が判明すると、契約違反になりますので、必ず順序は守る様にしておきましょう。本来は銀行の許可を得て、抵当権の設定をし直す必要があります。抵当権の変更などは抹消したり、新たに登録したりしなければならず、必要書類と司法書士の方がいれば手続きは可能です。但しそれなりにお金もかかりますので、少しお時間は掛かるでしょう。抵当権とは、もしも返済が出来なくなった際に、他の債権者よりも優先して弁済を受ける権利の事を言います。住宅ローンでは抵当権を土地に設定する事が多く、融資条件として借入先の銀行が第1抵当権に入る事などがあります。この抵当権は借り入れを債務者と債権者といった形で登記簿謄本に記載され、融資額、金利等も記載される事になります。物件の所有者が本来融資を受けている方なはずなのに、勝手に名義が変わるという事は、知らない人に貸している事になりますよね。この様な契約のトラブルにならない様にしなければなりませんので、名義変更をお考えの方は、絶対に銀行に1番に相談する様にしましょう。ここまでのまとめここで一旦まとめておきます。まず住宅ローンの名義変更はまず困難であるという事がお分かり頂けたかと思います。審査が通るか通らないか以前に、名義変更できないのが通常の契約形態ですので、まず難しいと考えておきましょう。借り換え時に名義変更は可能?ここから少し違った角度での解説をしていきます。どうしても名義を変更したい時、正攻法でいっても壁が高すぎるので断念するという解説は先程してきました。確かに、かなり難しいのですが、では借り換えだったら変更できるじゃないか!と妙案をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。この借り換えのする際の注意点を解説しておきますので、安易な借り換え案には慎重になって下さい。借り換え時に贈与税がかかるかも!?皆さんは贈与税について耳にしたことはあると思います。簡単に言うと、誰かから、誰かへモノやお金を渡す時にかかる税金の事で、一般的には1年間で110万円までであれば税金は掛かる事が無いようになっています。この贈与税の仕組みと借り換えがどんな関係にあるのか解説しますね。夫から妻へ借り換えで名義変更する場合例えばですが、夫の単独契約、若しくは夫婦の連帯債務者でローンを組んでいたとします。話し合いの結果妻にローン名義人になってもらうとなりました。この時、もしかすると、贈与税がかかるかもしれないんです。どういう事かと言うと、借り換えは、A銀行の債務をB銀行が代りに一括して完済し、B銀行でローン返済が始まるという仕組みですよね。この時ローン名義人である夫が単独契約だった場合、妻が新たに借りたB銀行名義の融資金額で、夫名義のA銀行を全額返済する事になる訳です。この場合、夫が妻から高額な返済資金の提供を受けたと税務署に見なされると贈与税の対象になる訳ですね。では連帯債務者で借入をしていたとします。共に正社員でローン控除の為それぞれが借りたものとしておきますが、この時も同じく、夫の債務分を妻が返済する事になります。つまり妻からの贈与がありましたね?と言われる可能性は否定できないという事です。もしも税金を支払ってまで名義を変えたければ、そうするしか方法は無いのですが、贈与税は110万円を超えると大きな税負担になりますので、あまり得策とは言えないです。原則住宅ローンは借り入れをした本人がしっかりと支払う事が一番良い様に思います。親子で返済!親子リレーローンとは前述の解説で少し触れましたが、親子で返済できる「親子リレーローン」という商品があります。これは先に親が主債務者となって返済を行い、定年等で返済が難しくなってきたら、子供に債務を引き継ぎ、子供による返済がスタートするというローン形態です。この商品は親御さんと同居する事、予定がある方が前提の商品でして、子供による返済が始まったら名義変更が出来る商品です(金融機関によってできない場合もあります)。注意点としては、持ち分の比率等が親50%、子供50%などですと、先に親御さんが亡くなった際に50%分に対する相続税が発生する事になりますので、組み方や持ち分比率には注意しておきましょう。離婚した時の名義変更はどうするの?ご相談が多いのが離婚した時です。離婚すると、どちらかが家を出ていくか、2人とも家を離れるかなど話し合いが行われます。まず離婚した際の名義変更はできませんので、注意しておきましょう。また夫の単独融資または夫婦連帯債務者での契約の場合で、夫が家を出ていく事になったとします。妻は家に残り、ローンの支払い無く住むことが可能ですが、万が一、ローン名義人の夫の支払いが滞ったら、妻は家を競売にかけられる可能性もあります。私個人的な意見ですが、離婚する際は可能な限り売却するのが一番だと思っています。住宅ローンの名義変更に関するまとめ今回は住宅ローンの名義人を変更できるかという事をテーマに解説してきましたが、変更するにはかなりハードルが高く、まず難しいでしょう。言えるのは、借りた本人が最後までしっかり返すという事が重要です。また事情がある場合は一度銀行に相談してみましょう。
2020年02月15日家計の支出の中でも特に大きな割合を占める家賃。どれくらいの家賃が適正なのか気になる人も多いのではないでしょうか。今回は年収400万円の世帯における家賃の適正相場について解説します。年収400万円の人の手取り収入は約300万円ホームメイト「全国標準(相場)家賃データ」【年収400万円・独身世帯】の家賃と生活費年収400万円(手取り年収300万円・ボーナスをならして月収換算25万円と仮定)、独身一人暮らし世帯の家賃とそのほかの生活費、貯蓄・運用資金の割合(適正額)の目安は次の通り。年収400万円・独身一人暮らし世帯では6万円弱が家賃の目安です。[adsense_middle]一人暮らし世帯の生活費&貯蓄の割合(適正額)の目安独身の一人暮らし世帯の場合、しっかりやりくりすれば手取りの3割弱を貯金や運用に回すことは十分可能です。しかし家計にそれほど余裕があるわけではありません。外食代や趣味などにお金を使い過ぎていたり、特に浪費したつもりがなくても支出が理想的な割合を少しずつオーバーしたりしていると、すぐ赤字になってしまいます。赤字が出ている場合はもちろん、貯金ができない状況が続いている場合には早急に家計の見直しを行うようにしましょう。*合計額は便宜上カッコ内の割合、金額で計算。【年収400万円・4人世帯】の家賃と生活費年収400万円(手取り年収300万円・ボーナスをならして月収換算25万円と仮定)、小学生の子供が2人いる4人家族世帯の家賃とそのほかの生活費、貯蓄・運用資金の目安は次の通り。年収400万円・4人家族世帯では約7万円が家賃の目安です。ここでは児童手当(小学生1人あたり月1万円、3人目以降は月1万5,000円)をそのまま貯金(または運用)に回すと想定し、割合には含めていません。4人家族(夫婦・子供2人)の生活費・貯蓄の割合(適正額)の目安夫婦と子供が2人の4人家族世帯の場合、年収400万円(手取り300万円)では家計に余裕はありません。手取りの1割以上を貯金や運用に回せれば理想的ですが、それが難しい場合には、少なくとも児童手当には手を付けず貯金に回すように努力しましょう。*合計額は便宜上カッコ内の割合、金額で計算。月7万円の住宅ローンで購入できる物件の目安家賃を払い続けるよりも家を購入したほうがいいと考える人もいるでしょう。家賃と同じ返済額で住宅ローンを組むとすると、どのくらいの家が購入できる(ローンが組める)のでしょうか。住宅ローンの審査では、一般的に年収に占める年間返済額の割合(返済比率)が20〜40%以下であることが条件となっており、返済比率の条件は借入希望者の年収や金融機関によって異なります。フラット35の場合、税込年収400万円未満の人は返済負担率30%以内、税込年収400万円以上の人は返済負担率35%以内が条件となっています。月7万円の返済で借りられる金額(フラット35・元利均等返済の場合)年収400万円の人の適正家賃である7万円で借入できる金額を試算すると次のようになります(フラット35を利用する場合)。借入金利1%の35年ローンであれば、借入可能額は約2,500万円。ただし借りられる金額が必ずしも返せる金額ではないということに注意しなければなりません。返済計画に無理がないか、慎重に検討した上で購入を判断することが大切です。金融機関の提供する住宅ローンの借入可能額はフラット35より少ない金融機関の提供するフラット35以外の住宅ローンの借入可能額は、フラット35の借入可能額よりも通常少なくなります。これはフラット35の審査が実際に適用される金利を使って行われるのに対し、それ以外の住宅ローンの審査は審査金利(金融機関により3〜4%程度)を使って行われるためです。毎月返済額7万円、借入金利1%の35年ローンを組む場合、返済比率の条件が同じ35%以下であれば、フラット35を利用すれば2,479万まで借りられます。それに対し、民間の住宅ローン(審査金利3%の場合)を利用すると1,818万円までしか借りられません(返済比率の条件をフラット35よりも高い40%以下に設定している金融機関も多く、その場合の借入可能額はこれより多くなります)。金利が返済期間中変わらないフラット35と、より低金利の変動金利型や固定期間選択型などがある民間の住宅ローン。どちらが優れているということはありません。それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、あなたに合った住宅ローンを選ぶことが大切です。住宅購入後にはローン返済以外の負担もある住宅を購入するとローンの返済以外に、火災保険料や税金(固定資産税・都市計画税)、将来の修繕費の備えなど保有するためのコストがかかります。返済額が今の家賃と同じでもこのコスト分だけ負担は増えるため、借入額と毎月の返済額はその点を踏まえて決めなければなりません。年収400万円の家賃の目安に関するまとめ年収400万円(手取り約300万円)の場合、独身1人暮らし世帯では月6万円弱、家族のいる世帯では月7万円が適正な家賃の目安です。住んでいる地域や個別の事情によって適正額以下の物件を見つけられない可能性もあり、その場合には他の支出項目や通勤・通学の利便性などを考慮しながら家計をやりくりしなければなりません。すべて理想通りにはいかないかもしれませんが、家計のバランスを保つための指針として活用していただければ幸いです。
2020年02月14日子供が大きくなってきたり、親御さんと住むことを考え出すと、戸建てやマンションを見に行きますよね。住宅展示場など行くと夢が膨らむものです。住宅を購入する時は色々と想像を膨らませながら話を進めますが、その前に、どれ位借りられるのかという事が話の中で出てきます。急に現実に戻りますが、実際に今の年収であれば銀行はどれくらいまで貸してくれるのでしょうか?今まで見た物件を買う事は出来るのか?返済の負担は大丈夫かな?とお金にまつわる心配事が出てきます。そこで今回は住宅ローンの返済比率に関して解説していきたいと思います。おおよそ年収からこれくらいまでは借りられるといった目安になるかと思いますので、購入をお考えの方は是非ご一読下さい。借入額の目安は年収にあり!年間返済負担率を知っておこう!まず返済比率について解説したいのですが、簡単に言うと、年収の何割までだったら返済可能という指標の事を指します。また銀行が設定してある返済比率は規定上バラバラですが、おおよその比率について今回は解説しておきたいと思います。そして借入額のモノサシを持つのであれば、今の年収が分かれば大体の額の目算は立ちますので、合わせて解説しますね。平均的な返済負担割合は?早速ですがこちらの表をご覧ください。これは住宅金融支援機構と銀行の返済比率に関する表です。ご覧頂くと、年収に応じて1年間の返済比率の記載があります。例えばですが、銀行住宅ローンの右端の年収600万円以上の所を見ると、40%以下と書いてあります。計算すると600万円×40%ですので、1年間に240万円以内の返済であれば融資出来ると判断される目安になります。つまり、12カ月で割ると1ヶ月当たり20万円の返済までであれば可能という判断です。但し、返済出来る安心で安全な金額であるという事の証明にはなりませんので、あくまで、ここまでのライン以内の融資額になるという意味でお考え下さい。尚、私が提唱するのは年収の20%で見立てるべきだと思います。理由は一番最後に解説しますね。金利別で計算してみましたここでは返済可能額を元に、金利別の借り入れ上限額を試算してみました。こちらがその結果になります。試算の条件は借り入れ期間35年で金利は0.5%、0.9%、1.25%の3つに分かれています。そしてボーナス返済無しで金利が35年間変動しないものとして計算していますので、目安としてお使い下さい。この表は私がシミュレーションツールを用いて借入可能額からそれぞれの金利を入力し、借入可能額を算出した表になります。先程の返済負担率の表から、ご自身の年収より、おおよその返済比率が分かるかと思います。例えば年収500万円の方であれば住宅金融支援機構、銀行共に返済比率は35%以下になりますので、年間175万円の基準になります。これを12カ月で割ると1ヶ月145,833円になりますので、返済可能額14万円のラインを見て、借入したい金利を照らし合わせると、おおよその借り入れ上限額が算出できます。物件の上限額が分かっても、実際に月145,000円が35年間返済できるかというと、結構しんどいでしょう。返って145,000円以内の90,000円だと今の家賃と変わらないのでしたら、90,000円の借り入れ上限で判断するのが良いでしょう。返済比率はあくまで目安に過ぎない先程の解説で、おおよそのモノサシは持てたと思いますが、この返済比率は残念ながら一つの目安にしか過ぎません。生活の中で、また人生の中で住宅にも、住宅以外にもお金は必要になってきますよね。そのお金のことを計算に入れておかなければ、折角のマイホームも支払い不能に陥って手放さないといけなくなります。どんなお金がかかるのか実際に見てみましょう。[adsense_middle]マンションの場合は修繕積立費や管理費がかかるまずマンションの場合から見ていきましょう。住宅ローン以外にかかる費用として、マンションの修繕積立費や管理費が毎月発生します。この費用はどんなものなのか簡単に解説しておきます。修繕積立費とは、マンション自体の診断や将来的な改修工事に使われる費用を、マンションの住人に少しずつ負担してもらい積み立てておく費用の事を言います。マンションの場合外壁の劣化等が考えられるため、塗装のやり替え等に使われる事が多いようです。管理費とは、マンションには共用部分というスペースがあります。これは誰でも使える廊下部分やエレベーター、エントランス等の事を指し、例えばエレベーターの保守点検や共用部分の清掃、管理人さんがいれば管理人さんの人件費などに充てられます。上記の2つはマンションに居住する方が負担しなければならない費用で、新築のマンションであれば修繕積立費は少なく済みますが、年数が経てば積立費用も徐々に高い金額になっていくようです。そして別途年間に支払う固定資産税もありますので、購入前にどれ位負担しなければならないのかを把握しておく必要はあります。戸建ての場合は?では戸建てであればどうでしょう。戸建てはマンションと違って全てが自分の所有になりますので、修繕積立費や管理費は発生しません。固定資産税くらいでしょう。しかし、戸建てはマンションと異なり、家屋全体が雨風に晒されており、傷む部分も広範囲に及びます。屋根やカーポート、外壁等は常に劣化しています。将来的に塗装やカーポートの屋根などやり替えなければならない事も出てくるでしょう。また2階建て住宅等はトイレが2つあったりします。この時水回りの排水管などが悪くなる事もあったら、同時に2つ交換や修繕をしなければなりません。この様に、住んでいればどこかしら悪くなってくる所も出てきますので、その分自分で別に積立をしておく事が良いと思います。私の実家の話私の実家は1993年に建てた新築戸建てでした。2世帯で済む為に、土地を拡張し大きな戸建てを建てました(建てたのは父ですが)。住み始めは快適で、広い家に住める解放感を実感できた事、庭で遊べた事を思い出します。20年位経った頃でしょうか。洗面台の壁の内側から異音がしていました。最初は気のせいかなと思っていましたが、異音は続き、もしかして水漏れの音かなと思い調べて貰ったら、案の定排水管に亀裂が入っていて水が漏れていたようです。またお風呂の湯張り、追い炊き等するリモコンが壊れたり、トイレも交換したりと随分と修繕でお金が掛かっていたようです。またカーポートの屋根もアクリル素材でしたが、長年の太陽の熱でグニャグニャになっており、これも交換していました。父は金額こそ子供の私には言いませんでしたが、貯蓄から出していたようです。私が見た記憶では戸建ても色んな所が傷んでくるんだなと実感しています。戸建てをお考えの方はしっかりと貯蓄しておきましょうね。家以外にかかる費用も考慮しておくこと先程はマンション、戸建てにかかる費用について私の実家の話も添えて解説しましたが、戸建て以外にかかる費用も見越しておかなければなりません。どんな費用があるのかと言いますと、大きな費用として次に挙げる費用です。教育費耐久財購入費旅費・帰省費この3つは少なくとも10万円以上する費用として見込んでおきますが、毎月かかるものでは教育費くらいでしょうか。お子様の人数や、進学先で金額は大きく異なります。また大学に進学した場合自宅から通うのか、県外へ出るのかでも仕送り等の費用負担は変わります。次に耐久財購入費用ですが、耐久財とは車や家電製品など数年間毎に買い替えるもので、ご家庭によっては車を2台所有している場合もあります。車検、重量税は年間でかかりますし、TVや洗濯機、エアコン等も7~10年スパンで買替が必要になってくるでしょう。そしてご自身の実家への帰省費用や家族旅行の為の旅費等も、毎年のイベントに入れているのなら1回当たり10万円以上はするのではないでしょうか。この様に住宅ローンに目が行きがちですが、掘り下げてみると、色んな出費がある事が分かりますね。もちろんこの記事をご覧頂いている方を脅している訳でもありません。しかし私の仕事上この様な相談が数多く来ますので、必ずお伝えしている事をここにしたためている訳です。将来お金の不安を解消するならライフプランを作成しようこれは私が実際に行っている業務の一つでもありますが、ライフプランシミュレーションを作成する事で、先々のお金の流れやイベントの入力、老後必要資金額まで分かる優れものです。今はハウジングメーカーさんと提携し、住宅を購入する方へ、購入前にライフプランシミュレーションサービスを行っていますが、住宅を購入する前に資金計画を立てる事や、希望借入額でシミュレーションしたり、子供の進学まで計算してみて家が買えるかどうかの判断まで行っています。金銭的に難しい場合は何かを削ったり、物件価格を下げたりとアドバイスする事もできますので、まずはやってみる事をおすすめします。FPなら誰でも出来る訳ではなく、実際にライフプランをやったことがある経験豊かなFPさんに相談するのが一番です。[adsense_middle]夫婦合算での購入の場合、返済比率はどうしたらいいの?最後に夫婦合算で住宅を購入する場合について解説しておきます。夫婦合算の場合でも上記に示した額で見立てを立てますが、今回の解説で使用した目安は銀行等が用いる目安です。私個人的な意見で言うと、年収の20%で見立てを立てるのがベストだと考えています。理由は、上記の目安や、銀行などに言われたままの金額であれば、思い込んでしまうからです。先程の事例で年収500万円の方が月145,000円までなら大丈夫ですと言われたら、中には「結構イケるな!」と思う事も有るでしょう。良い家に住みたいという気持ちは分かりますが、支払いが滞るような事があれば大切な家に住めなくなります。私の性格なのかもしれませんが、堅実に維持できる範囲で回答するなら夫婦合算であれ、単独であれ、年収の20%が維持できるラインだと経験上そう思います。住宅ローンの返済比率に関するまとめ今回は返済比率に関する話でした。関連するその他の支払いについても実話を交え解説しました。銀行やネットの情報では年収の35%だと書いてあることもありますが、現実と照らし合わせると私は20%が最善だと思います。もちろん買う方の考え方が優先されますが、しっかりと維持できる範囲で購入しましょう。
2020年02月13日今回は何歳まで住宅ローンは組めるのか?という事をテーマに解説します。近年晩婚化にある日本ですが、住宅を購入するタイミングとして結婚後、子供が生まれてからが最も多い動機です。その時、何歳になっているのか、何歳までローンは組めるのか、知識として知っておく事は大事です。では早速解説に入っていきますね。住宅ローンの審査条件は?雇用延長制度がある3つ目の理由として、現在高齢化社会の対策として、政府は企業に対し、定年を延長してもらいたい案を出しています。雇用が延長すれば収入はある訳で、仮に70歳まで延長可能であれば返済は出来るものと考えます。しかし、未だ案の域を脱しないので、70歳まで働けるからと確定ではありませんが、視野に入れておく事も良いのではないでしょうか。理想的な年齢まとめ以上3つの理由で、私なりの理想的な年齢を解説しました。高額な買い物である以上、なるべく支払いは早めに済ませたいですし、老後に残したくはありません。もう少し欲を言えば20代後半からでも買っておいてもいい位ですが、収入などの面もあるでしょう。しっかりと計画を立てて返済出来るような年齢で購入が望ましいですね。理想的なローンの組み方は?次に元金均等方式です。ご覧いただくと、毎月の返済額が違う事、返済総額が違う事がお分かり頂けるかと思います。総額の違いで336,058円の差で元金均等方式の方が少ない金額の返済になっています。しかし、1回目の返済額は約1万円の差があり、返済額が逆転するのがおよそ15年後ですね。私がおすすめの返済方法は元利均等方式です。理由は毎月の返済負担を軽減する事が大事であるという理由です。確かに元金均等方式でも良いのかもしれませんが、試算の条件が2,000万円でしたので、この返済額です。高額な物件になればもっと高い返済額になりますので、なるべく毎月のしわ寄せが来ない返済を選択してください。住宅ローンは何歳まで組めるかに関するまとめ今回は住宅ローンの組み方や理想的な年齢に関して解説してきましたが、あくまでも理想的な年齢です。一つの目安にして頂ければ幸いです。また返済も毎月の事になりますので、苦しくない様な返済プランを選びましょう。
2020年02月12日憧れの戸建てやマンションを購入する時にお世話になるのは金融機関です。金融機関はそれぞれが住宅ローンの商品を取り揃えており、金利や団信等豊富なラインナップがあります。いざ返済が始まると中々見直しなどする機会は少ないかもしれません。そこで、今回は住宅購入の入り口である住宅ローン選びのポイントを解説していきます。どの借入先にするかは自分次第ですが、賢い選び方をお伝えしていきますので、参考にしてみて下さいね。住宅ローン選びのポイントは何?住宅ローンを選ぶ時に皆さんなら何を基準に考えますか?金利タイプでしょうか、返済方法でしょうか、審査基準でしょうか?住宅ローンは色々あって何を基準に選んだら良いのか分かりませんよね。まずは選ぶポイントをご紹介していきますので、参考にしてみて下さい。ポイント①金利まず一番大切な部分ですが、金利が重要になります。誰もが低い金利を希望します。しかし、金利タイプには3つの選択肢があり、また各個人の審査状況や年収等によって商品選択が異なってきます。まずはご自身の価値観に合う金利を見つける事が大切です。これから各金利タイプの特徴を解説しますので、どんな金利水準なのか、返済方法等も合せて参考にしてみて下さい。あなたはどのタイプ?固定金利?変動金利?商品の特徴を比較ここからは3つの金利タイプの特徴について解説します。皆さんはどの金利タイプが良いのか考えてみて下さい。変動金利変動金利は金利で言うと一番低い金利タイプになっています。恐らく3つの金利タイプを並べても一番低いでしょう。特徴として、言葉の様に、先々で金利が変動するのが特徴です。先々と言っても、半年ごとに金利の見直しが行われます(主に4月、10月)。この時毎月の返済額が変わる事は無く、返済の充当額に変化が生じます。充当額の変化については後述します。そして5年後に初めて返済額に変化が起きる事になります。この時金利水準が、借入当初とどれ位変化したのかは今の段階では誰も予測は不可能です。しかし、金利水準の決定要因である政策金利は低い水準のままですので、ほぼ横ばいが続く見通しではないでしょうか。また5年後に金利が大幅に上昇してしまった場合の救済措置として、上限125%までの支払いにしかなりません。例えばですが、毎月10万円の支払いだったとします。5年後に金利がどんなに上がっても12万5,000円までしか返済額は上がる事はありません。例えると0.5%の金利で借りていたけれど、5年後に1.9%まで金利が上昇した場合の計算です。ここ数年を見てもこれだけの上昇は見たことがありませんので、個人的には変動金利がオススメだと思っています。変動金利の充当額変化とは例えば3,000万円を変動金利で0.45%の金利で借り入れたとします。支払期間は35年です。すると毎月の返済額は77,214円となります。この時1ヶ月目の返済で支払う金額は77,214円で、内訳として元金に充当される金額が65,964円、利息に充当される金額が11,250円です。そして半年経過後に金利は見直しされていますが、返済額は毎月77,214円のままで、元金と利息の返済割合が変わる仕組みです。結果内訳の部分になりますので、半年毎の通知を確認する様にしておきましょう。固定金利選択型次の金利タイプは〇年固定型の金利タイプです。一般的に10年固定とか、5年固定といった商品が多いですね。借入当初から指定した期間は固定金利を採用し、返済する事が可能な金利タイプです。ライフプランなどを作成し、お子様の教育資金のかかる期間等は〇年固定で負担を軽減したいというニーズにもピッタリだと思います。反面、固定期間が終了すると新たに固定を選択するか、変動を選択しなければなりません。この時の金利はまだ分かりませんので、情勢と返済額を勘案して決定しましょう。注意点としては、〇年後と指定期間が終了した際に金利が上昇していたとします。変動金利と異なり、返済額に上限設定がなされないので、悪い言い方をすれば返済額は青天井という事になります。ストッパーが無い為どれだけ上がるか分かりません。恐らく返済額に見合わない金利であれば借り換えの対象になる事は間違いないでしょう。全期間固定金利一般的な金利で、フラット35等の商品がこれに該当します。この全期間固定金利は借り入れから最後まで金利が全く変わる事が無く(変わる商品もありますが、変動幅は小さいです)、返済額の見通しが一番立てやすいのが特徴です。毎月の返済額さえ分かっていれば計画もしやすいですね。但し、他の金利タイプと異なり、金利水準は最も高く、比較しても支払い総額が一番大きい商品でもあります。一番負担を抑えにくい商品である事は間違いないですので、金利選びは慎重にする事は重要ですね。ポイント②団信で比較する住宅ローンを借りる時に必ず加入を義務付けられるのが団信です(フラット35の場合は任意加入となりますが、入っておく事をお勧めします)。団信の役割は、借主が返済期間中に万が一亡くなった際に残りの住宅ローンを一括返済してくれる、住宅ローン専用の生命保険商品です。もしも残されたご家族が住宅ローンを背負う事になると、生活が非常に大変になりますので、銀行の融資条件として団信加入は必須となります。今ではこの団信も進化し、亡くなった時だけではなく、働けなくなった時にも有効に働いてくれるんです。今の団信はどんな内容があるの?最近の団信はバリエーションが豊富で、代表的なものとして住信SBI銀行の団信は、8大疾病プラス他の疾病や怪我で所定の状態になれば住宅ローンを0円に出来る「全疾病団信」に無料で加入する事ができます。通常団信の内容をグレードアップさせたいのであれば、金利にプラス数%上乗せしなければなりませんが、住信SBIは無料とかなり条件は良いですね。また健康上の理由で一般的な団信に加入できない方向けに、じぶん銀行の「ワイド団信」があります。引き受けの条件が緩くなりますが、金利にプラス0.3%ほど上乗せする事になります。しかし、他社には無い団信ですし、健康上の理由で団信に入れなければそもそも住宅ローンが借りれなくなりますので、非常に心強いですね。そしてフラット35を取り扱う住宅金融支援機構の機構団信には年々保険料が下がっていく特徴があり、残高が減る分、合わせて保険料も減っていくという合理的な仕組みになっています。また、夫婦連生団信もあり、夫婦で連帯債務者として住宅ローンを借りる場合、どちらか一方が亡くなった際に、残された方の住宅ローンまで一括で返済出来るものもあります。借入をする際のタイプに応じて団信を選びたいですが、逆に団信から入って会社を決めるのも良いかもしれませんね。[adsense_middle]ポイント③保証料を確認しておくこの保証料は住宅を購入する際に保証会社を通す事になります。保証会社は連帯保証人の様な役割を果たしますが、細かく言うと、借主が住宅ローンの返済に滞りを生じたとします。この時、保証会社が返済額を負担してくれることになります。これで助かったと思うのはまだ早いです。保証会社が返済を肩代わりしてくれた事に対し有難いですが、返済先が金融機関から債権回収のプロである保証会社に切り替わるだけで、返済額を免れる事にはなりません。少し物騒な話でしたが、金融機関は保証会社の審査が通らなければ連帯保証人を求めたり、融資不可能と判断します。この時、保証会社に支払う保証料という金額が提示されますが。各金融機関によってバラバラです。融資額によって変動はしますが、中には保証料0円の会社もありますので、諸経費を軽くしたい方は保証料の掛からない銀行を選択するのも良いでしょう。但し、一つ注意点があります。保証料0円は審査が厳しく事務手数料が高い!?保証料0円で謳っている銀行は実のところ審査が非常に厳しいようです。本来保証会社に支払うべき金額を無料にする訳ですから、回収できる見込み度の高いお客様に融資しますよね。つまり審査基準が厳しくなる点は否めません。また審査に時間を要する事もありますので、余裕を持って審査に臨みたいですね。そして、保証料を0円にする代わりに、事務手数料が高くなるケースもあります。融資の審査ですので、あまり比較する事は無いかもしれませんが、諸費用を抑えたいのであれば比較する事も大事でしょう。おすすめの金融機関では最後に住宅ローンを選ぶ上で私がおすすめする金融機関をご紹介して終わりたいと思います。これまでのポイントを加味した上での判断であり、もしも私が住宅ローンを選ぶとしたらという目線で選んでいますので、お含みおき下さい。住信SBIネット銀行私が選んだ金融機関はネット系銀行である住信SBIネット銀行です。私の中ではダントツの1番ですね。やはり変動金利の水準が低く、また団信も内容が良く、保険料も0円であることから、この銀行がおすすめです。一番魅力的に感じたのは団信です。金利は他にも同水準があるかもしれませんが、何より、団信の保証範囲の広さは目を見張るものがあります。全疾病ですので、ある程度の重篤な疾患は対象になりますし、万が一働けなくなった際も団信による保証がありますので、ご家族も安心してくれるのではないでしょうか。また保証料も0円、そして繰上返済手数料も0円ですので、かなりスペックは高いと思います。簡単シミュレーションをしたところ、事務手数料がやはり高いと感じましたが、金利が低い分許容範囲で考えられると判断します。またフラット35も取扱いをしており、金利水準もかなり低いですね。ネット銀行に抵抗が無ければ、利用してみて良いと思います。住宅ローンの選び方に関するまとめ今回は住宅ローンを賢く選ぶための3つのポイントをご紹介しました。最後に私がおすすめする金融機関もご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?もちろんご覧になる方の考え方や価値観が最後の決め手になります。高額なお金を借りるので、金融機関選びはじっくりとやっていきましょう。
2020年02月11日今回の解説は住宅ローンですが、もしも離婚した時にどうなるのかという事についてです。現在日本人の2割に当たる方が離婚を経験するそうです。その時に自宅を購入していたらローンはどの様に処理すればいいのか、解決しなければならない事案ですね。様々な契約形態別に解説しますので、もしもの際は本記事を思い出して頂ければと思います。離婚する事になった!支払いは?まずはローン名義の確認をもしも離婚する事になったらどうなるでしょう。同じ家に住み続ける事は、ほぼ難しい状況になるかと思います。また家や土地を切り分けて、こっちは夫、こっちは妻と出来ません。この様に離婚した時に、まず確認しておくのはローン名義が誰になっているのかという事を把握する必要があります。名義は誰?夫?妻?ローン契約のパターンは?離婚してしまうと、それぞれが別の生活を歩むことになりますが、ここで住宅ローンの支払いという壁に当たります。一体誰の名義で借入をしているのか、誰が支払いの義務を負うのかという事を明らかにしておかなければ後々トラブルになりますので、一旦契約名義をしっかりと確認しておきましょう。一般的なパターンは下記の通りになるかと思います。パターン①夫が主債務者、妻は何も無し(保証会社による保証を受けている)パターン②夫が主債務者、妻は連帯保証人パターン③夫婦共に連帯債務者上記のパターン毎に想定されるケースを解説していきましょう。パターン①の場合この契約形態であれば、夫1人のローン名義なので支払いの義務は夫にあります。例えば離婚し、夫がそのまま家に住み続ける場合、ローンを払い続ける方法で問題は解決しますね。この時、気を付けるポイントとしては、離婚協議の上で、妻が家に住む事になった場合です。住宅ローンの名義は夫のままで、妻が家にいる状態ですと、もしも夫が支払いを滞ってしまったら、最悪の場合家が競売にかけられる事になります。妻には支払いの義務が無いので、夫に支払ってくれと言っても、もし支払いが出来ない・しない等に直面したら生活が一変してしまいます。この様な場合は注意が必要になりますので、しっかりと話し合いをしておく事が非常に重要です。ローン名義の変更は出来るの?ここで、住宅ローンの契約名義変更について解説しておきます。住宅ローンの名義変更はほぼ出来ないと言えます。理由は、融資をする際に、本人の資力を審査して貸し付けを行いますが、名義人が変わるということは、名義人の資力が変わるという事になります。サラリーマンだった夫に対して融資はできたけど、パートの妻に同じ金額で融資はできませんよね。但し、妻の年収などが夫と等しい、若しくはそれ以上あるという場合は認められる可能性もあります。金融機関によって出来る、出来ないなどの社内規定が存在しますので、一概に言えませんが、名義変更が出来そうな場合は金融機関に事前に相談しておきましょう。パターン②の場合このケースでは連帯保証人として妻の名前が入っています。ここで、連帯保証人を解説しておきますね。連帯保証人とは借主と同等の債務を負う人の事です。通常は借主に返済の義務が生じますが、もし、借主の返済が滞ったら、連帯保証人が同じ返済金額を支払わなければなりません。この時、借主に請求して下さいという事は通用しないので返済放棄する事もできません。住宅ローンを組む際に、保証会社でなく連帯保証人を求めてくるケースもあります。融資の際は連帯保証人としてサインは出来ますが、実際離婚するとなった場合は連帯保証人を外す事はできません。出来ないというより、別の連帯保証人を付けてくれと、金融機関からは言われる可能性が非常に高いと思われます。理由として、主債務者の返済能力だけでは債権を保全する事が難しい為、もしもの際の連帯保証人という考え方です。金融機関としては必ず返済頂きたいと考えますので、「じゃあ連帯保証人外しましょうかね」とはなりません。どうしても外れたい、外したいのであれば別の方を立てる必要がでてきますので、この点も注意は必要になります。パターン③の場合このケースは先程の連帯保証人と違って、夫婦共に連帯債務者となっています。先に連帯債務者について解説しておきますね。連帯債務者とは、夫婦それぞれが、独立して1つのローンを組む事です。例えば借入額4,000万円を希望した場合、夫が2,500万円、妻が1,500万円でそれぞれ住宅ローンを組み、4,000万円を借りる方法です。尚、それぞれが支払い日に支払う事になり、連帯保証人とは異なる事を憶えておいて下さい。もし連帯債務者で住宅ローンを組み、離婚するとなった場合は、ローン名義はそれぞれにありますので、離婚しても、家に住めなくなってもローンはそのまま残る事になります。このケースは一番問題が多く、例えば妻がそのまま家に住み、夫は離れるとします。ローン名義はそれぞれですので、家に住んでいる妻は当然支払いますが、家にいない夫は支払いの義務だけが残り、別の生活になります。この時パターン①と同様に夫の支払いが滞った場合、どうなるでしょう。金融機関としては夫に対し請求をする事になりますが、ローン名義は夫であっても土地や建物に名義分の担保設定がされていますので、最悪差押え等のケースに発展しかねません。離婚する際に協議等重ねるかと思います。住む事を主張するのも大事ですが、支払いの点は綿密に話し合いをしておいた方が良いでしょう。離婚する際の住宅ローン名義の注意点離婚をする事により、意外な所で問題が発生するのがこの住宅ローンです。先程のパターン別解説にも書きましたが、連帯保証人を外す事は難しいですし、名義変更は原則不可であると考えておいた方が良いですね。そして、他の注意点として、次の様なケースが挙げられます。「養育費を貰わない代わりに家を貰った」という事です。この場合ローンの名義云々以前に養育費という名目で支払いの所在が少しあやふやになります。ローン名義は誰のものになっているのかをしっかり確認する事は大事ですが、ローンの支払いが滞ってしまえば家には住む事は不可能になりますので、この点は注意しておきましょう。また離婚協議した際に公正証書等を作成し、支払いの件や養育費の件を残す事があります。ここからは私の個人的な見解を書いておきますので、参考にして頂ければと思います。[adsense_middle]FP田中の個人的な見解もし離婚し、公正証書に話し合いの結果を残すとします。ローン返済も同じように記録します。しかし、支払いが困難になった時、いくら公正証書があったとしても返済は出来ません。どういう事かと言うと、別れても資力、財力があれば公正証書は有効に使えますが、もし、大病し支払えなくなった、仕事をリストラされた、など考えすぎなのかもしれませんが、その場合、公正証書があっても支払いの義務はありますが、現実に支払えないという事です。実はこの話、過去に一度だけ相談があったクライアントさんの事例なんです。ご相談に来たのは元奥様で、パターン①で養育費の代りに家を貰う約束だったそうです。しかし、元夫は支払いが出来なくなり、どうしたものかという相談でした。この様な結果になってしまった方もいらっしゃいますので、話し合いも慎重に慎重を重ねる事が良いのかもしれませんね。名義に関するまとめここまでは住宅ローン名義のパターン別解説を行ってきました。名義によっては手続き出来る事、出来ない事がある事がお分かり頂けたと思います。また離婚する事によって、全ての事がスムーズにいかない事もあるという過去のお話をさせて頂きました。しっかりリスク想定しておく事が重要ですね。持ち家、マンションを売却する方法ここからの解説は、家を残すのではなく、売却し円満に解決する方法についてです。先程までの解説はローン名義が誰なのか?という点で解説しました。また家をそのまま残す前提の解説になります。ここからは売却し、お金に換えられるのであればという話ですので、最後までお付き合い下さいね。[adsense_middle]財産分与で残りのローンを返済財産分与って皆さんは聞いた事はありますか?何だか、誰か亡くなった時に行うイメージがあるのではないでしょうか?相続みたいなイメージがありそうですが、ここで財産分与について補足しておきたいと思います。財産分与とは財産分与とは、結婚して夫婦で生活している期間に、夫婦で協力して築き上げてきた財産をそれぞれの貢献度によって分けましょうという制度の事を言います。貢献度と言っても、一般的には2分の1ずつに分ける事が多く、分ける事の出来る財産は下記の通りです。預貯金生命保険の解約金車両不動産、家財道具退職金有価証券etc.車両や住宅、預貯金等はどちらか一方の名義ですが、離婚する際は共同で築き上げた事とされる為、しっかりと2分の1になります。また結婚前に保有していたものに関しては財産分与の対象財産から外れますので、管理はしっかりとしておきましょう。財産分与でどうやって返済するの?財産分与で返済する方法、手順を解説します。但し、必ず売却できるものではありませんので、注意点も含め話を進めていきますね。手順①住宅の価格を調査しましょうまず、今住んでいる家の価値を知る事からスタートします。家を売却したら、いくらになるのか査定をしてもらいましょう。この時、所有の名義やローンは誰の名義等分かっておけば、後々の話もしやすくなりますので、合わせて確認しておきましょう。手順②価格が分かったら今の残債と比較先程の手順で価格の査定が終わったら、今の住宅ローン残高と比較してみましょう。借入の金利水準が高いと、残高が減っていない可能性もありますので、ローンの償還表や金融機関に残高照会をかけるのも良いかもしれません。手順③売却価格と比較の結果で取るべき道に進む手順②で比較の結果次の2通りになるかと思います。A:売却価格の方が残高よりも高い(つまり儲かる)B:売却価格よりも残高の方が高い(売ってもローンが残る)参考までに、Aの場合を「アンダーローン」と言い、Bを「オーバーローン」と言います。返済が可能なのはアンダーローンの場合のみ先程の手順で進めた場合、アンダーローンになったとします。この場合は売却しても利益が発生する事になりますので、残った利益を財産分与で2分の1にする事で、高額なローンが残る事もありません。この時注意としては、戸建てかマンションでは売却の価格が異なりますので補足します。通常戸建ては郊外に建つ事が多く、マンションは駅や都心に近い場所に建ちます。売れ筋として高く売れるのはマンションになります(売却のタイミングや居住年数にもよります)。駅の近く、都心ではあらゆるアクセスが簡単で利便性がかなり高い為、高額で売れる事もあります。また買い手も見つかり易い為、将来売却を考えている方はマンションなど一つの選択肢かもしれませんね。戸建ての場合は売却と言っても、ある程度新築であれば買い手も見つかるかもしれませんが、劣化が早い為、住宅そのものが傷みやすい点もありますので気を付けておいて下さい。この様にアンダーローンで売却できれば、住宅ローンの名義が誰であってもお金の心配をする事はなくなりますので、一安心できそうですね。オーバーローンだったらどうするの?もしもオーバーローンであれば売却は難しいでしょう。むしろローンの残高を残したままになりますので、残高次第といったところでしょう。但し、どうしても売却したいという事であれば、この場合専門性のある弁護士に依頼し任意売却という方法で売却する事も可能です。また他の方法として、オーバーローンである事が分かった場合、賃貸物件として貸し出す事も有る様です。この時、借り手がいた場合、賃料が発生しますよね。この賃料を2分の1ずつ双方が受け取るといった事例もありますので、もしもローン名義が双方の場合で残高が少ないなどであれば考慮してみるのも良いでしょう。しかし、借り手がいなくなった時がリスクになりますので、残高の確認は必須です。離婚時の住宅ローンに関するまとめ今回の記事は離婚に直面した場合の住宅ローンについてでした。原因は色々ありますが、お金のトラブルは誰もが極力避けたいところですよね。もしも自分がそうなった時に、自分の身は自分で守るしかありませんので、今回の記事が知識として役立てば幸いです。
2020年02月08日人生で一番高いお買い物である住宅ですが、支払いも長きに渡ります。今では寿命も延びて長生きする時代の中で、支払いは人生の3分の1にも及びますよね。出来れば支払いの負担は軽くしたいとお考えの方は多くいるはずです。今回は住宅ローンの負担を軽くする方法の一つである借り換えについて解説していきます。住宅ローンをご利用中の方は是非ご覧頂ければと思います。住宅ローンの見直し時期っていつ?住宅ローンの借り換え時期、いわゆる見直しのタイミングですが、いつが一番良いのでしょう。借りて直ぐ行った方がいいのか、ある程度返済してからの方が良いのか、タイミングは重要です。ここからの解説は借り換えのタイミングについてお話していきたいと思います。目安は固定金利から変動金利がお得になる一番のポイントでもありますが、通常借り換えのメリットを出すならば、金利差を重要視すると思います。金利2%で借りていたとして、他の銀行が1%で融資していれば、長きに渡っての返済を考えるなら大いにメリットは出せます。また、金利が高い固定金利から金利が一番低い変動金利への借り換えは実感が湧きやすいかと思います。利息負担を軽減出来るだけでなく、毎月の返済額も軽減できますので、分かりやすいでしょう。借り換えの期間はいつが一番いいの?住宅ローンの返済が始まって、どの時期なら借り換えが効果的なのかをシミュレーションツールを使い検証してみたいと思います。借り換え後の金利が上がる事は失敗事例にしかなりませんので、先程の解説の様に固定金利から変動金利に変更してみます。条件は下記の通りで行ってみます。借入額:4,000万円借入当初:全期間固定金利2.0%121回目の返済より変更する変更後金利:変動金利0.5%(尚、変動金利水準は残り期間変更しないものとする)検証①10年後に借り換え上の図の様に、4,000万円を2%で借りた場合10年後の残高が3,118,517円、残り返済期間が25年残っている事が分かります。この3,118万円を金利0.5%に借り換えた場合がこちらの図になります。金利差が1.5%は大きいですよね。この効果として毎月の返済額が約20,000円浮きます。そして将来支払うはずだった利息も約600万円も浮くことになります。かなり効果は絶大だと言えるでしょう。検証②1年後に借り換えでは1年後に早々と借り換えしたらどうでしょうか。結果がこちらの図になります。ご覧の様に返済額は約27,000円浮きました。そして利息軽減効果は約1,100万円もの差が発生しました。1年後に借り換えるという事で極端な事例ではありますが、借り換えを行うのであれば早めに行う方が負担を軽減できる効果が大きいという事が分かりますね。借り換えのメリット・デメリットについて先程の検証を踏まえて、メリット・デメリットについて解説しておきたいと思います。[adsense_middle]借り換える事のメリット先程の検証結果からも分かる様に、メリットは経済的な負担を軽減する事が出来る点です。また当初ローンの返済開始からどれだけ早めに借り換えを実行できるかによって、毎月の返済額や利息負担総額に影響が大きく出ますので、早めに借り換えを実行する事が望ましいと言えます。なるべく今の適用金利よりも低い金利の銀行を探す事は非常に大事ですし、一旦借りたからと言って、そのままにせずに金利等はこまめにチェックしておきましょう。借り換える事のデメリット借り換えのデメリットについては返済期間の融通が利かない点があるでしょう。通常35年で住宅ローンを組んだ場合で説明すると、10年後に借り換えをしたとします。残り期間は25年ですが、この段階で新たに35年に変更する事はできません。可能であれば毎月の返済額を軽減したいところですが、返済期間変更は難しいです。また借り換えの金利差がそこまで開いていない場合は諸費用がかかる為、効果を得にくい点があります。詳しくは後述しますね。注意点は何?ここからは借り換えにおける注意点をいくつか解説していきます。これまで、計算した上での軽減効果等ご覧いただけたかと思いますが、手続き面での注意点は多くありますので、必ずここを押さえておいて下さい。再度審査が発生する銀行への手間がする団信へ再加入しなければならない諸経費が発生する住宅ローン控除は延長されない[adsense_middle]注意点①再度審査が発生します借り換えるという事は、銀行を変更する事になります。取引があってもなくても大きな金額を借りる際は、絶対に審査は必須です。この時に注意して頂きたい点は、借入当初の頃と環境が異なる場合です。環境とは、転職して勤務先が変わる、独立して個人事業主になる等です。融資を行う際、年収は必ず見られます。借入当初よりも年収が大きくダウンしていた場合は、もしかすると審査に通らなくなる可能性はあります。また、勤続年数も短くなりますので、転職をお考えの方は計画を立てておきたいところです。また独立した場合は売り上げの変動が見通せない事になります。返って審査に通りにくくなる可能性もありますし、確定申告の3期分の提出は必須だと思います。少なくとも、独立後すぐの借り換えは難しいとお考え頂ければと思います。注意点②銀行への手間がかかります住宅ローンを借りる場合、銀行へ足を運ぶ、何度かやりとりする、あれこれ必要書類がいる等、結構大変な思いをされる事が多いようです。やっと終わった!と一息ついたその後に借り換えとなると、同じように時間を取られ、書類を準備しなければなりません。気忙しいのがお嫌いな方はストレスがかかってしまいますね。ネット系銀行でも同じように書類は必須ですので、この点はある程度憶えておいて頂ければと思います。注意点③団信へ再加入しなければならないこの団信加入は注意が必要です。何故なら、加入を必須とする銀行が多く、加入出来なければ融資はしてもらえません。ではなぜ注意する必要があるのかと言うと、加入当時の健康状態と借り換え時の健康状態が必ずしも同じである事は無い事もあります。団信は生命保険です。健康状態が良好でなければ、加入は出来ません。返済期間中に大病を患い、治療費にお金が掛かる為、住宅ローンの見直しをするケースも少なからずあるでしょう。しかし、病気の程度によっては借り換え後の団信に入れない等問題が発生する事も無くはないです。加入の審査は保険会社の判断に委ねられますので気を付けておきましょう。保険の引受で憶えておいて頂きたい事団信は生命保険ですと解説しましたが、少し余談を挟みます。病気になった時、病院の先生は「問題ありません」と言っているのに、いざ保険に申し込もうとなったらNGが出た事はありませんか?稀にあるケースですが、病院の先生の見解と保険会社の見解は見事に分かれるんです。風邪など大きな病気でなければ問題ありませんが、例えば「偏頭痛」という症状を病院で見て貰ったら、頭痛薬などの処方してもらいます。これはこれで頭痛が治まれば助かります。しかし保険に加入する際に「偏頭痛」があるといった場合には、最悪引き受けが出来ないなどの事例もあります。これは、偏頭痛の原因が何か判然としない為、その他の疾患が影響しているかもしれない等1つの症状だけを見るのではなく、広く考えるからです。お客さんからすると「何で?病院の先生は問題ないって言ったよ」となります。しかし引き受けの判断は保険会社の為、程度が軽い病気でも楽観視はできない事は憶えておいていただきたいです。注意点④諸経費が発生します先程の借り換えシミュレーションの表に諸経費の項目があったかと思います。借り換えをするという事は、登記を書き換えなければなりません。今借りているローンを一括返済し、新たに借入をし直す為です。登記はその気になれば自分でも出来るようですが、殆どの方は司法書士さんに任せます。この費用が再度発生します。また他の費用としても抵当抹消費用、登録免許税、印紙代、保証取扱い手数料、事務手数料など、諸々掛かります。この諸費用だけでも各銀行によって幅は大きく、上記の表では30万円くらいで入れていますが、場合によっては高額になる事もあります。そして、借り換えの金利差がそこまで無ければ、返って諸費用分高くつく事にもなりかねませんので注意が必要です。借り換えをご検討の場合は細かいシミュレーションをしておく事をおすすめします。注意点⑤住宅ローン控除は延長されません住宅を購入した場合、減税の対象になります。その制度が住宅ローン控除です。購入した期間、入居のタイミング、物件によって減税額や控除対象期間が異なります。例えばですが、5年後に借り換えをした場合、再度10年間の控除が受けられるかというと、違います。残り5年間は控除対象になりますので、憶えておいて下さい。また借り換えの金利差がそこまで無ければ、逆に控除を受け終わってから借り換えする事の方がメリットになる事もあります。大きな差が発生しない様であれば、控除期間が終わるのを待つという事も大事なポイントです。変な話ですが、減税効果が高いのは金利が高い商品住宅ローン控除について、これまた変な話ですが、同じ物件の価格であれば金利が高い方が減税額は高くなります。理由は元金が減らない為、年末のローン残高が多く残るからです。住宅ローン控除は年末のローン残高の1%が控除額になります。上限は40万円若しくは50万円です。金利が低ければ元金の減りも早いですし、毎月の負担も軽いです。しかし減税効果は小さくなりますので、必ずしも金利の高い固定金利にデメリットがあるとも言い切れない部分ではあります。金利の高い低いという事でメリット・デメリットを比較するなら、シミュレーションツールを活用し、減税効果まで見込んで借入先を決定しましょう。住宅ローン借り換えのタイミングに関するまとめ今回は住宅ローンの借り換えについて解説してきました。借り換えと言っても、効果が大きいのか小さいのかという事によって、実行の有無も決まってきます。今、様々なサイトで簡単シミュレーションツールがありますので、比較し易いかと思います。しっかりと計画した上で借り換えしましょう。
2020年02月08日国税庁によれば、’18年に確定申告した2,221万人のうち、約6割の1,305万人が還付申告をしていて、4年連続増え続けている。確定申告は、前年の所得を申告して税額を確定させる手続きのこと。会社員の場合、給料から税金が天引きされて、年末調整で清算されているので関係ないと思いがちだが……。「じつは会社員にも確定申告が必要な人がいます。年収2,000万円を超えた人、20万円を超える副業の所得がある人です」そう語るのはファイナンシャルプランナーの大江加代さんだ。年金収入とは別に、年20万円を超える所得のある年金生活者も確定申告をする必要がある。正しく行わなかった場合、後から多めに税金を取られることにもなるのだ。そんなめんどうくさい確定申告。「しかし、する義務がなくても、申告すれば払いすぎた税金が戻ってくることがあるんです」サラリーマンは給料から、所得税が源泉徴収されている。この税額が“正しい税額”よりも多い場合、その差額が還付されるのだ。「所得税額は、収入から基礎控除や給与所得控除、配偶者控除など、各種控除額を引いた金額である課税所得に、その額に応じた税率をかけて、導き出されます。つまり、控除額が大きく、課税所得が小さくなれば、税金は少なくなるのです」じつはサラリーマンの給与から源泉徴収されている所得税はその年の“見込み額”。年に1回、12月に年間の収入が確定した時点で“年末調整”で清算して、本来の税額との差額分を、会社員に還付したり、追加徴収したりする。「配偶者控除や扶養控除、各種保険控除などは年末調整で申請できます。しかし、そこで申請し損なった場合や、医療費控除や寄付金控除など年末調整で処理できない控除は確定申告をしないと、課税所得に反映されないのです」新しい課税所得で計算し直した所得税の額と、すでに払った額の差額が還付されることになる。この申告を還付申告という。「確定申告の時期は、今年は2月17日〜3月16日ですが、還付申告に関しては、年明けから受け付けています。4月ごろまでには還付金が振り込まれるはずです」さらに、住民税は前年度の課税所得によって決まるので、還付申告することで、こちらの税額も安くなる。はたして、自分も還付申告できるのか、知りたい人は次のチェックリストをやってみてほしい。【医療】該当するのは、サラリーマン/年金生活者□この1年に手術を受けるなど、医療費をたくさん使った=「医療費控除」年間10万円超、または年間所得の5%以上を超えないと控除できない。家族全員分の医療費を合算できる。また病院までの交通費など、医療を受けるために、必要な経費も計上できる。□風邪薬やうがい薬などドラッグストアでたくさんの薬を買った=「セルフメディケーション税制」家族全員分を合算して1万2,000円を超える必要がある。予防接種や定期健康診断などを受けていること。対象の市販薬はレシートに印がつけられている。ただし、医療費控除またはセルフメディケーション税制どちらかしか受けられない。□歯医者に通院した=「医療費控除」医療費控除に合算できるが、審美的な目的の施術は該当しない。【介護】該当するのは、サラリーマン/年金生活者□親族や自分が介護サービスを利用している=「医療費控除」介護費用も医療費控除に計上できることがある。対象になる項目は細かく決まっているので、ケアマネジャーに相談しよう。□介護用の紙おむつを使っている=「医療費控除」必要だと認められれば、紙おむつも医療費控除に計上できる。□バリアフリーのリフォーム工事をした=「バリアフリーリフォーム減税」50歳以上である、または親族に高齢者がいることなどの条件がある。さらに、対象となる工事も決まっている。工事前に確認したほうが安全。【寄付】該当するのは、サラリーマン/年金生活者□ふるさと納税をした=「寄付金控除」ほかに確定申告する項目がなく、寄付先が5つ以内であれば「ワンストップ特例」により確定申告する必要はない。□年間で2,000円以上寄付をした=「寄付金控除など」公益社団法人や認定NPO法人、政治団体など認められた団体への寄付金の一部を控除できる。受領書のない街角募金はNG。【住宅】該当するのは、サラリーマン/年金生活者□憧れのマイホームを手に入れた=「住宅ローン控除」1年目の場合は確定申告する必要がある。2年目以降は会社員の場合、年末調整で処理できる。□台風やゲリラ豪雨で家が壊れた=「雑損控除」損失額が大きく、所得金額から控除しきれない場合は、3年を限度に繰り越しOK。□5年以上住んでいるマイホームを売却したが、住宅ローンが残り、損が出た=「譲渡損失の繰越控除」損失分を最大3年にわたって控除できる。【仕事】該当するのは、サラリーマン/年金生活者□専門学校に行くなど自腹で多額の自己投資をした(サラリーマンのみ)=「特定支出控除」給与所得控除の半分を超えた分を申請すれば戻る。ただし、年収500万円の場合、給与所得控除は154万円なので、その半額の77万円以上であることが必要。□仕事・パートの給与が201万円未満だが、夫の会社に配偶者控除の届けを出していない=「配偶者特別控除」2018年から配偶者特別控除の上限額が201万円に改正されたが、知らずに手続きをしていない人が多くいる。【退職】該当するのは、サラリーマン□年の途中で退職した=「所得控除」毎月の給与から所得税が源泉徴収されているが、この徴収額は「税金の見込み額」。年の途中で退職した場合、実際の額はもっと低くなるので得する可能性が。□退職金をもらったが、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していない=「退職所得控除」税金を払いすぎている可能性があるので、確定申告をしたほうがいい。【生活】該当するのは、サラリーマン/年金生活者□国民健康保険を現金などで払っている=「社会保険料控除」現金や口座振替などで払っていて、収入から「社会保険料控除」がされていない場合はやること。□年金生活だが、生命保険などの保険料を払っている(年金生活者のみ)=「生命保険料控除」保険の加入時期や支払金額、種類によって異なるが、最大12万円の所得控除を受けられる。□現金や家具が盗まれた=「雑損控除」災害や盗難にあった場合、年末調整では雑損控除できないので、確定申告で還付を受ける。恐喝や詐欺などはNG。貴金属や骨とう品などぜいたく品や事業用資産は認められない。□熟年離婚または死別するなど家族構成が変わった=「寡婦控除・寡夫控除」27万円の控除を受けられる、添付書類などは必要なし。【運用】該当するのは、サラリーマン□10月以降にiDeCo(個人型確定拠出年金)をはじめた=「小規模企業共済等掛金控除」書類が間に合わず、年末調整で控除されていない。10〜12月の3カ月分を確定申告するとお金が戻る。※以上に当てはまらなくても、確定申告をすれば、還付される例もある。また、条件が細かく決まっているので、少しでも不安があれば、税務署や税理士などに相談しよう。インターネットはもちろん、スマホでも確定申告ができるようになった。また、この時期は無料の相談会が、税務署や市役所で開かれていることも多い。うちはサラリーマン家庭だから、年金暮らしだから確定申告は関係ないと思っていると、意外な損をしているかも……。一度、チェックリストで確かめてみてはいかが。「女性自身」2020年2月18日号 掲載
2020年02月06日会社勤めをしていると勤務先で給与から税金を計算して納税してくれるので、自営業者などに比べて節税に対する関心が薄くなりがちです。「会社員の節税は年末調整で十分」とお考えでしたら、それはもったいないことです。多少面倒でも確定申告で払いすぎた税金が戻ってきたり、将来に備えながら節税ができれば手元に残るお金を増やすことができます。今回はサラリーマンでもできる税金対策のテクニックをご紹介します。所得控除、税額控除を活用して所得税を取り戻す方法ここで、簡単に給与所得者の所得税の計算の流れを解説します。その年の額面給与から給与所得控除を差し引くさらに所得控除を差し引き、所得税額を計算する求めた税額から税額控除を差し引く給与所得控除給与所得控除は給与所得から無条件に一定額差し引かれる控除のことです。給与所得控除は、サラリーマンの業務に必要なスーツなどにかかる経費を考慮したシステムだと考えられています。所得控除所得控除とは、給与所得控除以外に「ある一定の条件を満たした場合の控除」のことです。例えば「扶養控除」や「医療費控除」、「生命保険料控除」などがあります。所得から差し引く所得控除が多くなれば、所得税計算のもとになる所得金額は少なくなります。税額控除所得税額を計算して求められた所得税額から直接差し引ける控除です。例としては、住宅ローン残高のある人が利用できる「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」が税額控除になります。確定申告で所得税を取り戻そう年末調整では申請できなかったり、申請が漏れていた所得控除は確定申告すれば所得税が戻ってきます。所得控除や税額控除が多くなればそれだけ所得税を減らすことができるというわけです。さらに確定申告の内容をもとに住民税が計算されるため、翌年の住民税が安くなる効果もあります。それでは以下にて、具体的な節税のテクニックをみていきましょう。【サラリーマンの税金対策①】iDeCo(個人型確定拠出年金)で資産運用しながら節税iDeCo(個人型確定拠出年金)は加入者個人が掛金を払って、預貯金や投資信託の運用の指図をして加入者ごとの口座に資産を形成していく私的年金制度です。現在のための節税、将来のための資産運用が一つになった制度iDeCoは原則として20歳から60歳までのすべての日本国民が加入できるようになりました(加入対象者ごとに毎月の掛金の限度額が決められています)。公的年金だけでは不安な老後資金を準備するためにもぜひ利用したい制度です。iDeCo(個人型確定拠出年金)の3つの税制メリットiDeCoには、税制上3つのメリットがあります。掛金が全額所得控除運用益が非課税受取時も税制優遇されているこのうち、最大のメリットは掛金が全額所得控除になることです。掛金の所得控除でいくら節税できるのかiDeCoの掛金の所得控除による節税効果を計算してみましょう。例えば、課税される年収が300万円の会社員が毎月iDeCoに20,000円、年間240,000円の掛金を払った場合の年間の節税額は36,000円になります。上記の条件で年収500万円なら、年間の節税額は48,000円になります。同じ掛金でも年収が多くて税率の高い人のほうが節税効果は高くなります。ただし、最低税率でも1年間の積立額に対する税効果は15%です。運用で15%の利益を出す難しさを考えると、この節税インパクトの大きさがわかります。iDeCoで会社員が所得控除を受けるための手続きiDeCoは年末調整または確定申告での手続きにより税金が還付される仕組みとなっています。事業主払込と個人払込会社員(または公務員)は、iDeCoの掛金を「事業主払込」にするか「個人払込」にするか選ぶことができます。「事業主払込」とは、加入者が所属する事業主を通じてiDeCoの掛金を払い込む方法です。簡単に言うと給与天引きで掛金を支払い、会社が加入者に代わって掛金を納めてくれます。これに対し、「個人払込」とは加入者本人名義の口座から掛金を納付する方法です。(※事業主払込は体制が整っていない事業所も多いため、すべての会社員が利用できるわけではありません。)事業主払込のメリット給与天引きのため、掛金が残高不足になる心配がない年末調整の手続きは事業主がやってくれるため、加入者はなにもしなくてもよい事業主払込のデメリット掛金額を変更したら事業所にも届け出なくてはならない転職したら掛金払込口座を変更する手続きが必要個人払込のメリット掛金の変更や転職の手続きが柔軟にできる個人払込のデメリット年末調整や確定申告が必要個人払込の人の所得控除の手続きiDeCoで個人払込を選んだ人は会社員なら通常、年末調整で申告をします。毎年10月以降、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が送られてくるので、保管しておきましょう。年末調整の場合、所定の欄に1年間の掛金の合計額を記入し、「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添えて事業所に提出しましょう。何らかの事情で年末調整をしなかった場合、確定申告で手続きをします。確定申告の場合も申告書に1年間の掛金の合計額を記入し、「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添えて税務署に提出しましょう。【サラリーマンの税金対策②】住宅ローン控除で所得税を大幅に削減「住宅ローン控除」は、住宅の新築やリフォームの際に住宅ローンを利用した場合に10年間は所得税が減税になる制度です。住宅ローンの年末残高の一定割合が税額控除となるため、税金を大きく減らすことができます。消費税10%になった2019年10月1日~2020年12月31日までにマイホームを新築・購入・増改築して入居した人の場合は、控除期間が3年延長されて最長13年となりました。[adsense_middle]住宅ローン控除の概要住宅ローン控除を受けるための要件住宅ローン控除を受けるためには、以下のような要件があります。マイホームを取得した日から6か月以内に居住し、引き続き控除対象年の12月31日まで居住していること床面積が50平方メートル以上で床面積の2分の1以上の部分が居住用であること住宅ローンの借入期間が10年以上住宅ローン控除の適用を受ける年の収入が3,000万円以下であること中古住宅を取得した場合には、築年数が20年以内であること(鉄筋コンクリート造などの耐火建築物の場合には25年以内)または一定の耐震基準を満たすこと住宅ローン控除でいくら節税できるのかでは、具体的にいくら節税できるのか見ていきましょう。<計算条件>年末時点のローン残高:3,000万円税込年収:500万円所得税額:14万円住民税:25万円最大控除額(年末時点のローン残高の1%):3,000万円×0.01=30万円まずは所得税から控除まずは所得税から住宅ローン控除額を引きます。【所得税額14万円】-【住宅ローン控除額30万円】 = -16万円所得税は全額控除されましたが、まだ控除しきれない金額が16万円残ります。所得税から控除しきれない分は住民税から控除所得税から控除しきれない住宅ローン控除額の残額は住民税から控除します。住民税からの控除額は次のいずれか少ない額となります。住宅ローン控除の控除可能額の内、所得税から控除しきれなかった金額所得税の課税総所得金額等の額の7%(上限13万6,500円)今回の例では、住民税から控除できる金額は13万6,500円となります。【所得税分14万円】+【住民税分13万6,500円】=27万6,500円(総控除額)最大控除額を全額控除できませんでしたが、税額として27万6,500円もの軽減ができました。低金利の住宅ローンと組み合わせればさらにメリットが最近では変動金利の住宅ローンなどで1%を下回る金利で借入れする場合も多くなりました。金利が1%未満の住宅ローンでは、多くの場合1年間に支払う利息が住宅ローン控除額よりも少なくなります。つまり、支払う利息が少なく、戻ってくる税金が多くなり、その差額で手元に残るお金が増えることになるのです。手元資金を増やす効果的なテクニックですが、ローンは健全な返済計画が大切なのでむやみに借入れを増やしたりしてはいけません。住宅ローン控除の手続き会社員の場合、マイホームを取得した初年度については確定申告を行い、翌年以降は年末調整だけで税額計算をすることができます。ふるさと納税との併用は要注意住宅ローン控除とふるさと納税を両方利用することはできます。どちらも所得税額から控除し、控除しきれなければ住民税額から差し引かれる税額控除です。住宅ローンの住民税からの控除上限額上限(13万6,500円)を超えるふるさと納税額は還付にならず自己負担金になってしまうため、注意してください。【サラリーマンの税金対策③】サラリーマンの経費「特定支出控除」の使い方会社員のような給与所得者には一定の経費にあたる給与所得控除があるため、自営業者のような必要経費を差し引くことはできません。「特定支出控除」はサラリーマンでも一定の条件を満たす必要経費が控除される制度です。特定支出控除の対象となる支出特定支出控除の対象となる支出については以下のように定められています。通常の通勤費転勤時の転居費用業務に関わる研修費業務に必要な資格取得費単身赴任者の帰宅費用業務に関する図書の購入費業務に関する衣服の購入費業務に関する交際費(上記6〜8については合計65万円以内)いわゆる「自腹を切った分」なので該当する支出があまりない人も多いのではないでしょうか。特定支出控除の算出特定支出控除が適用されるのは、その年の特定支出の額の合計額が給与所得控除の額の1/2を上回る場合になります。<計算条件>給与収入:500万(給与所得控除154万)税率:20%特定支出額合計額:100万円<計算方法>給与所得控除の1/2 = 154万 × 1/2 = 77万円100万円>77万円⇒特定支出控除適用100万円-77万円=23万円が特定支出控除の額となります。所得税の節税額は4.6万円です。給与所得控除の額の1/2を上回る場合というとかなりハードルが高そうですが、単身赴任者が家庭の事情で週末ごとに帰宅しなくてはならない場合などが該当しそうです。特定支出控除の手続き特定支出控除を受けるためには、確定申告が必要です。申告時には、領収書と会社からの特定支出であることの証明書を添付しなくてはなりません。以上、あまり使いやすい制度ではありませんが、該当するなら申告して税金を取り戻しましょう。【サラリーマンの税金対策④】医療費控除とセルフメディケーション税制確定申告でサラリーマンにも当てはまることが多いのが「医療費控除」です。現在、医療費控除には2つの種類があります。それぞれどんな制度なのか見ていきましょう。[adsense_middle](従来の)医療費控除もともとの医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が10万円を超えた場合に受けることができる制度です(控除額の上限は200万円)。医療費控除は同一生計の親族の分を合計して申告することができます。家族一人ずつの医療費は10万円を超えなくても家族全員分なら超える可能性も高くなりますので、医療関係の領収書を世帯で保管しておくことをお勧めします。医療費控除でいくら節税できるのか医療費控除の金額は、以下のように求められます。控除額=実際に支払った医療費の合計額 - 10万円(その年の総所得が200万円未満の場合は総所得金額の5%) - 保険や出産育児一時金などで補填された金額<計算条件>給与収入:500万税率:20%年間医療費:70万円出産育児一時金:35万円<計算方法>【医療費70万円】-10万円-【出産育児一時金35万円】 = 控除対象額25万円節税額 = 25万円 × 20% = 5万円医療費控除の対象となるもの医療費控除の対象となる費用、対象外の費用は以下の通りです。セルフメディケーション税制セルフメディケーション税制は、スイッチOTC医薬品を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。スイッチOTC医薬品とはドラッグストアなどで医師の処方箋なしに購入できる医薬品のことです。申告する人が定期健康診断、予防接種などを受けていることが要件となります。セルフメディケーション税制でいくら節税できるのかセルフメディケーション税制の控除額は以下のように求められます。<計算条件>給与収入:500万税率:20%OTC薬品の家族総額:10万円<計算方法>控除額 = 【OTC医薬品10万円】 - 1.2万円 = 8.8万円節税額 = 8.8万円 × 20% = 1.76万円医療費控除とセルフメディケーション税制の手続き医療費控除とセルフメディケーション税制での控除を受けるにはいずれの場合も確定申告が必要です。また、この二つの制度の併用はできません。どちらも適用できるのであれば上限額が大きいの医療費控除の方が有利になります。【サラリーマンの税金対策⑤】親を扶養に入れて所得税を節税扶養家族がいると「扶養控除」で所得税の節税ができます。扶養というと配偶者や子どもというイメージがありますが、条件を満たせば親も扶養に入ることができます。つまり、独身者でも扶養控除で節税することが可能です。しかも、必ずしも同居している必要はありません。親を扶養に入れるための扶養親族の要件配偶者以外の扶養親族の要件を見ていきます。合計所得が38万円以下であること収入が公的年金のみ場合は、年金収入が65歳未満の親であれば108万円以下 、65歳以上の親であれば158万円以下であれば対象になります。また、年金の中でも遺族年金は全額非課税のため所得には含まれません。納税者と生計を一にしていること「生計を一にする」とは、「同居」を意味しているのではありません。別居していても、生活費や医療費などを仕送りしている場合は当てはまります。親を扶養に入れるといくら節税できるのか(例)実家の母親に仕送りをしている場合<計算条件>給与収入:500万税率:20%実家の75歳の母親に毎月3万円仕送りしている<計算方法>控除額 = 48万円節税額 = 48万円 × 20% = 9.6万円【サラリーマンの税金対策⑥】「個人年金保険料控除」の活用所得控除の中で私たちに最も身近なのが「生命保険料控除」ではないでしょうか。生命保険料控除には以下の3種類があります。一般生命保険料控除介護医療保険料控除個人年金保険料控除それぞれ所得税で4万円、住民税で2.8万円を上限とした所得控除が受けられます。この中で、一般生命保険料控除と介護医療保険料控除は上限まで使い切っている人が多い反面、個人年金保険料控除は使っていないという声をよく聞きます。個人年金保険は利殖の面では他の金融商品に比べて良いとは言えません。しかし、「個人年金保険料控除」を活用すれば節税しながら貯蓄できる有効な金融商品です。個人年金保険料控除の対象となる条件とは?個人年金保険料控除を受けるには、個人年金保険契約に「税制適格特約」を付ける必要があります。そのうえで以下のような要件があります。年金受取人が契約者またはその配偶者であること年金受取人が被保険者と同一であること保険料払込期間が10年以上であること年金の受取開始年齢が60歳以上、かつ、年金受取期間は10年以上であること個人年金保険料控除でいくら節税できるのか個人年金保険料控除を活用した場合の節税額を計算してみましょう。<計算条件>給与収入:500万年間保険料:10万円税率:20%(住民税10%)<計算方法>控除額 = 所得税分:4万円、住民税分:2.8万円節税額 = 所得税:8,000円、住民税:2,800円10万円の保険料で10,800円の節税効果が得られます。控除額の上限以上に保険料を増やしても節税額は増えないことに注意してください。サラリーマンが今すぐできる節税テクニックのまとめ節税は合法的な税金の負担軽減であり、個人の権利です。1種類だけの控除では大きな税効果がなくても活用できるものを全て活用すれば、手元資金が増えます。また、長期にわたって継続していくと、さらに大きな経済効果が期待できます。サラリーマンにとって確定申告は面倒なものですが、ぜひ「はじめの一歩」を踏み出してください。
2020年02月06日今回は住宅ローンに関する解説ですが、特に一括返済についての解説になります。住宅ローンは人生の中でも一番高額な金額になりますが、誰もが早く返済したいですよね。そしてなるべくお得に返済したいという方が多いと思います。お得な方法は何があるのか、メリット・デメリットを解説していきますので、住宅購入している方やこれからローンを組む方は是非ご覧ください。住宅ローンの基礎知識を解説します始めに住宅ローンの基礎知識、仕組みから解説していきたいと思います。住宅ローンという名称は商品名になり、住宅を購入する、リフォームする場合に利用される事が殆どです。例えばお子様の教育資金に利用するとか、車を購入する場合には別商品の教育ローンやマイカーローン等になりますので、目的以外の事には使えない様になっています。基本的な仕組みは?住宅ローンは原則最長35年間まで組む事が可能です。または完済(ローンを返し終える)時の年齢が80歳までとなっています。現在の定年退職を考えると、65歳定年なら30歳の時に35年ローンを組めば定年時には全額返し終える事になりますね。また審査も厳しく、年収や借入、勤続年数等調べられた上で融資可能かどうか判断されます。また、保証会社の保証を受けられるかどうかも重要なポイントです。そして、銀行系の融資の場合、必ず団信に加入しなければ融資はしてくれません。団信とは団体信用生命保険の略で、借入をした方が返済期間中に万が一亡くなった場合やがん、心筋梗塞、脳卒中など働けない状況に陥ってしまった時に、住宅ローンを一括で返済してくれる保険です。住宅ローンを組む際にこの保険に加入しなければなりません(フラット35は必須ではありません)。この時、生命保険ですから、お体の健康状態が必要になり、大きな病気をしたことがある方等は加入できないケースもありますので注意しておきましょう。借入金額、金利によって利息負担は異なる先程までの解説は基本的な部分でした。ここからの流れは、少し金利選びに触れていきます。毎月の返済額が異なる部分でもありますので、お得になる、安くなる等の効果が分かりやすい部分です。本記事を執筆している時点での最安金利を調べてみました。ざっくりですが比較してみます。変動金利0.399%10年固定金利0.570%全期間固定金利1.270%試算の条件として4,000万円を借入(頭金無し)、35年間の返済期間を組んだとします。尚、変動金利、10年固定金利も35年間金利変更が無いという条件で試算してみます。試算の結果下図のようになりました。結果から見ても変動金利の返済額が一番安く、利息負担も低いですね。つまり金利は低いに越したことはありません。変動金利と、全期間固定金利では毎月の差額が約16,000円あり、総額負担で見ると、約670万円も開きがありますね。毎月の負担を軽減するためには低い金利選びは非常に重要です。また金利は借りる時期によって変動しますので、借入が近い方はHP等チェックしておきましょう。住宅ローン控除について住宅ローンを解説するに当たって、欠かせないのが住宅ローン控除です。この控除は非常に大きく、税金が返ってくる実感があるので、必ず利用するようにしましょう。今回のテーマでもありますが、一括返済をしてしまうと、住宅ローン控除が使えなくなる等のデメリットが生じます。詳しくは後述しますが、ここでは住宅ローン控除の仕組みについて簡単に解説していきますね。住宅ローン控除の仕組みは?住宅ローン控除の仕組みですが、年末時点のローン残高の1%が減税の対象になり、10年間適用される制度です。税金と言っても、所得税の減税効果が大きく、場合によって控除しきれない時は、住民税にも効果が及ぶ様になっています。一般的な住宅であれば年間最大40万円、長期優良住宅であれば年間最大50万円の減税となります。消費税増税のタイミングに購入した方は3年間延長昨年に消費税が8%から10%へと増税しました。これにより支払額も大きく異なりましたよね。例えば4,000万円の物件で8%なら320万円の消費税、10%なら400万円の消費税となり、僅か2%の違いでも高額になればなるほど大きな負担になります。この様な計算を見込んで、駆け込み需要もありましたが、タイミングが増税後になれば住宅購入が冷え込む事にも繋がります。そこで、2019年10月1日から2020年12月31日迄の期間中に購入・入居した方は、3年間ほど控除期間が延長される事になりました。本年一杯という事ですね。但し11年目からの減税効果は10年間と違って税額が小さくなります。とはいえ、減税が有るか・無いかで支払う税金が変わりますので、恩恵はしっかりと受けておきたいところですね。一括返済のメリット・デメリットを解説しますさて、ここまでは住宅ローンに関する基礎知識を解説してきました。ここから、テーマに沿って解説していきます。一括返済する事のメリット・デメリット、注意点や方法をお伝えしていきます。[adsense_middle]一括返済のメリットまずはメリットから解説します。一括返済のメリットは何と言っても、利息カットの効果が大きいという点でしょう。今回4,000万円で35年間全期間固定金利の1.270%で計算しました。毎月の返済額は前述した通りです。すると次の図の様な返済計画になります。1年間の返済総額が141万円になる事が分かります。そして、その中の利息負担分をご覧ください。1年目の部分を見ると、利息負担は約50万円になっている事が分かります。翌年の利息負担は49.1万円になっている事がわかります。この様に返済年数を重ねる度に利息負担が減り、逆に元金が減るペースが速くなっていきます。この返済方法は住宅ローンでは一般的な元利均等返済方式と呼ばれ、毎月の負担は変わらずに、元金充当金額と利息充当金額が支払い回数を重ねる毎に利息負担が軽減していく方式です。参考までにこちらの図解をご覧頂ければ分かりやすいかと思います。一括返済は老後の安心材料高額な住宅ローンほど定年後の老後に残したくないですよね。現役の時は収入が見込めますが、定年後の収入は年金のみとなります。一括で全額を返済する事で、毎月の返済額が無くなる為、老後にローンを残さずに済むメリットがあると言えますね。また、早い段階で一括返済をする事が出来れば、将来支払うはずの利息を支払わなくて済むことになります。一括返済や繰上返済の仕組みは?ここで少し返済方式について解説しておきます。毎月の返済は元金と利息それぞれに充当される様になっています。では途中で一部大きな金額を返済する繰上返済や一括返済はどんな仕組みなのか解説しますと、途中で入金等する場合は元金にのみ充当される事になる為、利息を支払わなくて済むといった大きなメリットが生じます。例えばですが、先程の4,000万円の借入をした場合、1年後に全額を返済するとなると、将来の利息を支払わなくて済みますので、計算では約900万円もの利息負担を軽減出来る事になる訳です。900万円あれば車が2台くらいは買えますよね。この効果は非常に大きいので、返済出来るのであればなるべく早めの方が効果的と言えるでしょう。一括返済のデメリットではデメリットはどうでしょうか。デメリットの部分で言うと、先程解説を挟みました住宅ローン控除が使えなくなる点です。これはあくまで、控除対象期間中に一括返済した場合のデメリットを指します。ではどんな違いが生まれるのか、具体的に解説していきます。住宅ローン控除の効果は?こちらの図をご覧ください。先程の4,000万円、全期間固定金利で計算した年末残高、控除額の表になります(10年間で作成しています)。この様に10年間に渡って合計約350万円近くの減税効果が発生している事になります。10年間という所がポイントになりますが、この10年間の間に一括返済を行った場合、減税される事は無く、通常通り税金を納税しないといけなくなります。例えば、1年後に全額を返済すると仮定します。減税の恩恵を受けるのは1年目だけで、残り9年間は住宅ローンの残高そのものが無くなりますので、控除を受けられなくなるという事です。計算では約310万円もの金額の損失が出る事になる訳です。これは勿体ないですよね。せっかく税金を減らせる効果があるのに、一括返済を行うと、効果を放棄する事になります。一括返済を考慮されている方は10年後、若しくは13年後が望ましいと言えそうです。他にデメリットは?また別の角度から見た場合のデメリットを解説すると、一括返済は大きな金額を必要とします。例えばですが、購入後20年後に一括返済出来る資金が貯まったとします。返済実行後、住宅ローンは無くなりましたが、住宅の水回り等、経年劣化して改修工事を必要とする事になった場合、新たにお金を借りるか、用意しなければならなくなります。水回りの工事はトイレ、お風呂、キッチンといった部分で工事代金は高いです。この様にならない為に、先々の事も見据えておく事も必要になってきます。またお子様の進学や車の購入、家電製品などの耐用年数を考慮してある程度のお金を残しておく事も必要だと言えます。特にお子様の教育資金は待ったなしで必要になりますので、貯蓄で準備するのか、学資保険なのか、教育ローンなのかある程度事前に準備しておく事が必要ですし、どれくらいのお金がかかるのか想定しておく事も大切です。対策としてはライフプランシミュレーションをお金の流れを把握するためにうってつけなのが、ライフプランシミュレーションです。これは将来のお金の流れが分かるもので、お子様の教育資金計画、耐久財購入、車両、その他ライフイベントにどの様なお金を必要とするのか計画できます。住宅の事だけに囚われてしまうと、他のライフイベントに支障がでますので、事前にお金の計画を立てておく事も重要だと私は思います。一括返済、繰上返済の注意点ここで、一つ注意点を解説します。先程、一括返済を10年後、13年後に行う事が望ましいと解説しましたが、もっと注意すべきは繰上返済についてです。実は繰上返済を控除期間に行う事が吉なのか凶なのか検証したところ、金利の水準で行う・行わないという事になります。次の様な方は繰上返済をする際は要注意です。借入金利が1%未満の方は控除対象期間後に繰上返済、一括返済がオススメ借入金利が1%以上の方は控除対象期間中に毎年繰上返済をする事がお得過去の記事で比較していますので、そちらも参照して頂ければと思います。税効果や総返済額に違いが生じる事になりますので、まずは借入金利がどの水準なのかを確認し一度シミュレーションしてみるのも良いかもしれません。他に注意点は無いの?他に注意点があるとすれば、途中で大きな金額を入金しようとする場合、手数料を取られる事もありますので、注意が必要です。繰上返済時に手数料がかかる銀行や全くかからない銀行など様々です。借入を比較検討する際にこの手数料の部分に関してはチェックしておいて下さいね。また前述した団信ですが、完済後は団信も消滅します。例えば、フラット35などの任意加入の場合、人によっては民間の生命保険を活用していらっしゃる方もいます。住宅ローンを完済し終えたら、生命保険の見直しを実施する事で、掛け金の負担を軽くする事もできますので、忘れずにやっておきましょう。[adsense_middle]一括返済の方法は?では一括返済の方法に関して説明しておきます。一括返済を行う場合、いつ入金するのかというタイミングによって返済金額が異なるので、まずは融資してもらった金融機関に、いついつ全額返済するので金額を教えて下さいと伝えればそれでOKです。金融機関としては高額な融資金額を早く完済してくれるのであれば問題はありませんので、返済する金額が手元にあればなるべく早めに返済をしておきたいところですね。また毎月の返済は指定口座からの引落ですが、一括返済となると銀行指定の口座に振り込む必要が出てきます。この場合振り込み手数料は自分で負担しなくてはなりませんので、手数料の低い金融機関をチョイスできればベストだと思います。住宅ローンの一括返済に関するまとめ今回は住宅ローンの一括返済に纏わる解説でした。一括返済となるとある程度の高額なお金を要します。そのお金をいきなり使う事よりも、資金計画をしっかり立てて損が無いようにしておきたいですね。その為に事前準備はしっかりとやっておきましょう。
2020年02月05日最近では住宅を購入する方が増えてきました。必ずついて回る相談は「住宅ローン」です。今回は住宅ローンに関するテーマで解説を行っていきます。中でも、「連帯保証人」が必要なケースや、そうでないケースとあり、自分はどっちなんだろうと気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。これから住宅を購入する方は事前に読んで頂きたい解説です。住宅ローンの連帯保証人は必要?不要?保証会社って何?住宅購入する際、現金で一括購入する方はほとんどいません。理由は簡単です。高額な金額になるからです。その時、ローンを組む事になりますが、各金融機関が商品として持っているのが「住宅ローン」です。住宅ローンは家や土地を購入する時に利用します。金額も様々ですが、住宅ローンを組む時に「連帯保証人」が必要だと言われる事もあります。逆に「保証会社」で大丈夫ですよと言われる事もあります。この違いや保証会社に関してこれから解説していきます。一般的には「保証会社」でOK。単独融資で問題無しまず、住宅ローンを組む際に、審査が必ず発生します。収入や借り入れ状況、勤続年数、購入価格等調べられます。特に何も問題無く審査に通れば融資実行となりますが、金融機関としては「融資はできるけど、もしもの事があったら回収できるかな?」と懸念は払拭できません。そこで、「保証会社」での審査も行う事になります。保証会社とは借主が返済出来なくなった場合に、支払いを代行する会社の事を言います。連帯保証人の代りであると考えて下さい。保証会社は賃貸物件やローン保証に利用されますが、支払いを代行してもらっても、返済先が金融機関から保証会社に変わるだけですので、債務が無くなる事ではありませんのでご注意下さい。この保証会社の審査を通過し問題無いと判断された方は、住宅ローンを1人の名義で借りる事(単独融資)が可能になります。以前は連帯保証人等を必要とする事が往々にしてありましたが、時代の変化と共に連帯保証人ではなく、保証会社を通じる事が一般的なスタイルになっています。審査で引っかかった!連帯保証人が必要と言われた!先程の審査でもしも引っかかってしまった場合、連帯保証人が必要になるケースがあります。例として、クレジットカードの債務額が多い場合、本人の収入だけでは借入希望額に到達しえないので、配偶者の収入を合算する場合等です。連帯保証人が必要なケースの詳細は後述していきますが、保証会社を通じても連帯保証人が必要なケースもありますので、参考までに知っておいて下さい。連帯保証人の意味って何?ここで少し予備知識を解説しておきたいと思います。少し混同し易いのが「保証人」と「連帯保証人」という一見すると同じ言葉ですが、実は意味は全く異なりますので補足しておきますね。結論から言うと、「催告と検索の抗弁権」が有るのか、無いのかという違いがあります。イメージし易いように会話形式での解説をしていきます。催告の抗弁権銀行「借主さんが、住宅ローンの支払いをしてくれませんので、代わりに支払ってくれませんか?」保証人「いやいや。ちょっと待って。いきなりそんな事言われてもね。先に借主に言ってくれないかな?」このケースの場合、保証人は支払いをしたくないので借主にもう一度言う様になっていますよね。この催促(督促)に対し抗う(抵抗する)権利があるのが保証人で、連帯保証人はその権利はありません。よって支払いをしなければならない義務を負う事になります。検索の抗弁権銀行「借主が支払いをしてくれないので、保証人さんの財産を差押えますからね!」保証人「いやいや。ちょっと待って。借主をさしおいて、私に来るのはおかしいでしょ!先に借主から差押えして下さいよ!」このケースでは話がこじれて財産差押えと物々しい事になっていますね。当然保証人は差押えられたくないですから、先に借主を差押えてくれと権利を主張する事ができます。連帯保証人の場合はその権利が無い為、差押えられる事になります。今ではどの金融機関も連帯保証人として契約するケースが殆どです。これは住宅ローンに限らず、金銭貸借の保証人、連帯保証人でも同じことです。保証人や連帯保証人を頼まれたら、慎重に判断しましょう。連帯債務者って何?もう一つ予備知識を。連帯保証人と混同しやすい連帯債務者について解説しておきます。これも意味は異なりますので、参考までに憶えておいて下さいね。連帯債務者とは借主と同等の支払い義務を負っている事になりますが、連帯保証人との違いとしては、連帯保証人の場合、借主が支払い出来なくなってから請求が来ます。連帯債務者は通常の支払い義務がありますので、毎月の支払い日に必ず支払わなければなりません。後程解説しますが、夫婦の収入合算の場合、主たる債務者がご主人様、連帯債務者が奥様のケースが多いです。また連帯債務者の場合は住宅ローン控除を適用する事ができますので、この点は連帯保証人にない違いと言えます。連帯保証人が必要な方の条件って何?ではここから、連帯保証人若しくは連帯債務者が必要な方の条件について解説していきます。あくまでも一般的な条件ですので、銀行の審査基準ではないという事だけ念頭に置いておいて下さい。一般的な条件は下記の通りです。自営業者の方夫婦で収入合算する場合借入額と年収が吊り合わない方勤続年数が極端に短い方ペアローンや親子リレーローンを組む方親名義の土地に建てる方土地、建物が共有名義の場合審査基準に満たない方上記は一般的な条件です。では代表的なものをいくつか解説していきますね。[adsense_middle]自営業者の方自営業者の方は、収入こそ青天井ですが、裏を返せば収入がサラリーマンよりも不安定であると言えます。貸す側の銀行の立場に立って言うと、返済を担保できるだけの根拠が乏しくなる事になります。サラリーマンの場合であれば給与を差押える事は可能ですが、自営業になると給料ではなく売上になりますので、押さえるにしても押さえられない事があります。よって連帯保証人を求める事が発生し易いと言えるでしょう。また審査なども確定申告書を過去3期分提出しなければならなかったりと、開業して間もない場合は審査に通らない事も考えられますので、注意が必要です。夫婦で収入合算する場合先程解説しましたが、このケースは銀行の場合だと連帯保証人となり、フラット35の場合だと連帯債務者のパターンです。連帯保証人のパターンであれば夫婦のどちらか名義で1つのローンを組み、もう1人が連帯保証人になります。連帯債務者のパターンについてもう少し具体的に解説すると、借入額を3,000万円希望していたとします。ご主人様の1人の年収では返済が難しそうだなと判断された場合、借入額を減額する等の案が浮上してきますが、減額した場合、希望の間取りや住宅が購入出来なくなります。そこで、奥様がお仕事をされている場合、2人の年収を合算すれば3,000万円の融資は可能と判断された際に2,000万円はご主人様名義のローン、残り1,000万円は奥様名義のローン(連帯債務者)で合わせて3,000万円を融資するという事です。このケースの場合で購入する方も少なくありません。また団信などもそれぞれが加入しなければならないパターンや夫婦連生団信に加入するパターンもあります。ここで団信、連生団信について解説しておきますね。団信とは、団体信用生命保険の略で「だんしん」と読みます。住宅ローンを組んだ場合、必ず加入が義務になります(銀行融資の場合)。これは債務者が、万が一住宅ローンの返済中に亡くなった場合、生命保険の効力で住宅ローンの支払いが無くなるといった効果が発生します。残されたご家族は、住宅ローンの負担が無い状態で家に住み続ける事が可能になります。連生団信とは、連帯債務者での契約の際に加入できる団信で、先程の例で言うと、仮にご主人様が返済期間中に亡くなった場合、奥様分も含めて住宅ローンを一括で返済出来る保険になります。逆のパターンでも同じ効果が発生する事になります。それぞれが別々の団信に加入していた場合は、ご主人様が亡くなった際に、ご主人様分の住宅ローンが無くなり、奥様分の住宅ローンはそのまま残るといった事もありますので、購入の際は比べてみて下さいね。親名義の土地に建てる方親御さんが土地を所有していて、その土地の上に新しく建物を建てる場合、土地の名義人が連帯保証人になる事があります。このケースは条件の中の「土地、建物が共有名義の場合」も当てはまります。何故、この場合連帯保証人が必要になるのかと言いますと、通常土地も建物も1人の所有である事が多いです。しかし、物件によっては名義を共有していたり、土地と建物の名義が異なる事もあります。最悪のケースで、支払いが困難になった際、物件を競売にかける事も想定されます。この時、共有者の承諾を得なければ物件を処分する事が出来ないので、一般的には連帯保証人になってもらう事になる訳です。この様に、貸す側の立場で連帯保証人を必要とする事がありますので、あくまでも債権保全の為であるとお考え頂ければと思います。ペアローンや親子リレーローンを組む方ペアローンはそれぞれが別々の住宅ローンを組み、お互いに連帯保証人になるという形式の住宅ローンです。親子リレーローンは子供をローン返済の後継者として親が組みますが、このケースでは連帯債務者として契約する事になります。いずれにしても返済に関しての形式が単独融資と異なりますので、連帯保証人、連帯債務者になるという点は十分に考えられるでしょう。連帯保証人の手続きは?連帯保証人になる場合の手続きですが、通常は事前に審査を通過した後に、金銭貸借契約の際に借主と同時に行う事が殆どです。銀行も一発で終わらせたいという事と、何度も足を運ぶ手間を省く為です。必要な書類は沢山ありますが、憧れのマイホームまであと一歩という段階ですね。住宅ローンの連帯保証人にまとめ今回は住宅ローンの連帯保証人について解説してきました。高額なお金を借りる事は非常にシビアに審査される事になります。なるべく単独で借入が出来れば良いのですが、そうできない場合もあります。今回の記事が購入する方にとって参考になれば幸いです。
2020年02月04日毎年、試合はもちろん、あらゆる企業の凝りに凝ったCMでも盛り上がるスーパーボウル。今年のCMから人気俳優が出演しているものや、インパクトの強いCMをご紹介!住宅ローン「Rocket Mortgage」「この家では本当にくつろげて、自分自身でいられる」と語るジェイソン・モモアが、身体から筋肉を“脱ぎ捨て”、あのマッチョな身体からガリガリに。さらにロン毛もカツラというていで脱ぎ捨て、衝撃の落ち武者ヘアを披露する。飲料「マウンテンデュー ゼロ・シュガー」ブライアン・クランストンが『シャイニング』の主人公ジャックに扮したパロディCM。最後には、ブライアンがなんとあの双子役も演じている。自動車「ヒュンダイ ソナタ」クリス・エヴァンス、ジョン・クラシンスキーが出演。とある駐車場でコーヒーを飲んでいたクリスの目の前に、ジョンが「ソナタ」に乗って登場。降りて無人の状態の車を、リモコン1つで駐車してしまうという「スマート・パーク」機能を見せつける。スナック菓子「ドリトス The Cool Ranch」カウボーイに扮したラッパーのリル・ナズ・Xと75歳の名優サム・エリオットが、ドリトスを賭けて早撃ち対決…ではなく、ダンスバトルに。ビリー・レイ・サイラスもカメオ出演。自動車「Jeep グラディエーター」ビル・マーレイが自身の主演映画『恋はデジャ・ブ』のフィル役を再演。映画と同様、2月2日の6時00分から、翌朝の5時59分を繰り返す毎日だが、違う点はジープに乗って違った毎日を楽しんでいる点。「ジープのグラディエーターに乗っていると、同じ日なんてない」というメッセージが込められている。(Hiromi Kaku)
2020年02月04日夫や妻が死亡し、悲しみのあまり普段の生活もままならない状況が続く方がほとんどかと思います。しかし現実は非常にシビアで、いくら普段通りに生活が出来ないとしても、生活費の支払いは待ったなしです。税金や年金保険料、行政に対して支払うお金に関しては、事情を説明して猶予してもらえる場合もあるでしょう。一方で民間企業に対して支払うべきお金(家賃や住宅ローン、車のローンなど)は、ほとんどの場合そのような事情が通用しません。このような経緯もあり、遺族年金はご遺族にとって生活の要となる非常に貴重な収入源です。本記事では、この遺族年金を受け取ることが出来ない場合について解説していきます。もし「受給できない状態」に該当すると判明した場合は、早めに民間の生命保険や預貯金などで、遺族補償としての対策を打ちましょう。遺族年金がもらえない場合とは一般的に、配偶者の逝去により「遺族年金」の受給手続きを始めると思いますが、手続きの途中で「遺族年金が受給できない」と判明する場合も少なからずあります。遺族年金を受け取れない状態は、大きく分けて2パターンがあります。一つ目はご遺族ご本人が該当しない場合、二つ目は亡くなった配偶者が要件を満たしていなかった場合です。具体的で個別の詳細をお知りになりたい場合は、お近くの年金事務所までご相談ください。障害年金と併給不可の場合もご遺族や亡くなった方の要件以外に、国の制度として受給できなくなる場合もあります。非常に稀なケースではありますが、遺族年金をすでに受給中時に、障害年金を受給する要件に該当した場合、65歳未満の場合はいずれか一つを選ぶことになります。つまり併給不可ということです。ただし、選ばなかった方の年金の受給権は全て消滅するというわけではないので、65歳以上になればどちらも貰えるという事です。原則として「一人一年金」です。基本的には年金の併給はできないと思っておいて良いのですが、例外として併給可能なものがあります。65歳未満の場合は、同じ種類の年金(遺族・障害・老齢)であれば基礎と厚生をどちらも貰うことが出来ます。種類の違う年金の権利が発生した場合には、どちらを受け取るか選ぶ必要があります(一人一年金の原則にのっとる為)。ただし例外として、65歳以降になれば「老齢基礎+遺族厚生」「障害基礎+遺族厚生」「障害基礎+老齢厚生」この3つの場合のみ併給可能です。再婚した場合は打ち切り最初は遺族年金を受給していた場合でも、その後新たなパートナーと新しい人生を歩んでいく場合、元の配偶者からの遺族年金は打ち切りになります。この場合は、年金事務所に「遺族年金失権届」を提出する必要があります。再婚後もそのまま受け取ることは不正行為に当たります。必ず自ら失権届を提出しましょう。①配偶者の年間の収入合計が制限以上の場合遺族年金をもらうためには、以下のような配偶者の年収制限があります。亡くなられた方の配偶者(または子)など遺族年金の対象となる方が、年収850万円以上を生涯にわたって受給できると確定している場合、遺族年金受取不可。現段階で850万円以上であっても5年以内に下回るのであれば遺族年金受取可能。受給者の要件についてこれらの遺族年金をもらうことが出来る方として配偶者や子などがありますが、この場合大切なのが「生計を一にしていた」というところです。いわゆる生計維持関係とも言いますが、同居して家族として一緒に暮らしている場合が一番スタンダードな生計を一にしている場合です。一方、世帯主が単身赴任などで家族とは別のところで暮らしていたとしても、配偶者や子に対して生活費の仕送りをしていることや、定期的に自宅に帰ってくる等の場合は、離れていても生計を維持する関係と言えます。遺族年金は、世帯主が逝去することによる生活費の大幅ダウンを補う公的な年金です。精神的な支えだけでなく金銭的にも支えを失った配偶者やご家族に対して、しっかりとサポートをする役割のあるお金です。②亡くなった方の条件も必要亡くなった方が以下のどちらかの要件に該当していない場合、ご遺族は遺族年金をもらうことが出来ません。どの年金に加入していたかで条件が違いますので、こちらでご確認ください。遺族基礎年金(国民年金)の場合国民年金に加入している人国民年金に加入していた60歳~65歳の人既にこれまで老齢基礎年金をもらっていた方(国民年金に加入していた方)老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている方遺族厚生年金(会社員・公務員)の場合厚生年金に加入している人被保険者期間中の傷病が原因となって5年以内に亡くなった方障害年金の受給を受けられる障害等級1級あるいは2級の方老齢厚生年金を既に受け取っていた方老齢厚生年金の受給資格期間を満たしている方亡くなった方の年金が未納だったら?年金保険料を全く払っていない場合は当然に遺族年金は貰えません。しかし、若くで逝去された場合でもご遺族に少しでも年金が支払われるように、納付に関する要件は明確化されています。被保険者の納付要件は以下の通りです。これのどちらかに該当しなければ、たとえ他の要件に該当していても遺族年金は貰えません。亡くなった日の属する月の前々月までの1年間に滞納がないこと亡くなった日の属する月の前々月までの被保険者期間の中で、保険料納付済期間と納付免除期間の合計が2/3以上であること子供の有無がポイント遺族に対する年金は2種類存在するという話はすでにお伝えした通りですが、これらの年金の受給の有無で決定的な違いは「お子さんが居るか居ないか」です。基礎、厚生のそれぞれについて解説します。[adsense_middle]遺族基礎年金の場合遺族基礎年金を受給できるのは「子」または「子の居る配偶者(夫・妻)」です。つまり「子の居ない配偶者」は遺族基礎年金をもらうことが出来ません。これまで解説してきたように、亡くなった方がきちんと国民年金を納めていても、お子さんが居ない場合は遺族基礎年金をもらえないということになります。また「子の居る配偶者」であっても、その子が18歳に到達した年度の3月末までで遺族基礎年金は打ち切りとなります。遺族厚生年金の場合遺族厚生年金を受給できるのは「配偶者」「子」「父母」「孫」「祖父母」の順ですが、配偶者が最優先です。この全員がもらえるというわけではなく、配偶者がいない場合は子、配偶者も子もいない場合は父母、といった順番で受給権者が繰り下がっていきます。遺族厚生年金は、遺族基礎年金と違って第一順位が「配偶者」となっており、つまり「お子さんのいない配偶者」でも受給できるということです。ただし死別した時点で配偶者の年齢が30歳未満の場合、遺族厚生年金は5年で打ち切りとなります。長年別居中では貰えない場合も近年、家族形態の多様化が進み、未入籍のシングルマザーや、働き盛り世代の「別居婚」、シニア層の「卒婚」など夫婦や家族のスタイルは様々です。遺族厚生年金の観点からいうと問題になってくるのは、いわゆる「別居婚」や「卒婚」といわれる「別居または別世帯での夫婦形態」の場合です。遺族厚生年金の受給要件の一つに「生計を一にしている」というものがあります。この場合の配偶者が逝去した場合に支払われるのが遺族厚生年金ですので、そもそも生前にすでに別居していたり世帯を分けて実体のない夫婦関係である場合は、生計維持関係とみなされず、たとえ籍を抜いていなくても遺族厚生年金の要件に該当しない場合があります。別居の理由が仕事上の単身赴任である場合や、親族の介護のため実家に帰っている等社会通念上正当な理由がある場合はこの限りではありません。ただし、長年別居していても籍を抜いておらず、戸籍上の夫婦である場合は、配偶者の死亡時に法定相続人として相続権は発生します。遺族年金がもらえない場合に関するまとめ遺族年金をもらう、と一口に言っても、「遺族基礎年金」なのか「遺族厚生年金」なのかによって受給できる条件が全く違います。大まかにいうと、お子様の有無は非常に大きなポイントとなりますし、受け取る側の所得の制限もあります。また他の年金との併給に関しても、一定の年齢にならなければどちらか一つの年金を選ぶ事にもなります(併給不可)。それら様々な要件をクリアして、最終的に遺族年金を受け取ることが出来ます。配偶者と死別した時点での生活環境に変更があるときは、速やかに年金事務所に届け出ましょう。
2020年02月02日配偶者を亡くした方が受け取ることが出来るのが「遺族年金」ですが、この遺族年金は死別後の生活費としていただくものです。同じく老後の生活費として受け取る「老齢年金」や所定の障がい状態になった場合に受け取る「障害者年金」もあります。いずれも、なにかしらで困っている人が受け取る「生活費」としての側面がある年金ですが、これらの年金に対しては、果たして税金を払わなくてはいけないのでしょうか。今回は、特に遺族年金について税務関係を確認していきますが、わかりやすいようにその他の年金とも比較しながら解説していきます。税金のかかる年金とは?年金には3つの種類があります。一般的に「年金」と呼ばれるものは「老齢年金」です。定年退職後の老後資金として受け取るものです。他に「障害者年金」は、所定の障がい状態になった場合に受け取ることが出来ます。最後に「遺族年金」ですが、これは配偶者を亡くした方で、なおかつ一定の条件を満たした方が受け取ることのできる年金です。公的年金の税務の取り扱い公的年金等の内、老齢年金(基礎年金・厚生年金いずれも)は雑所得として課税対象になります。一方、遺族年金と障害者年金に関しては、受給する金額に関係なく非課税となります。年金は貴重な収入世帯主の逝去に伴い、その後はそれまでのような生活が出来なくなる方がほとんどです。たとえば住居が賃貸の方は、もう少し家賃の安い部屋に引っ越しを余儀なくされる場合もあるでしょう。団体信用生命保険に加入して住宅ローンを組んでいた場合でも、負債は保険により相殺され住宅が残ったとしても、たとえばそこが地域の中でも一等地だった場合などは固定資産税の支払いが生活を圧迫する場合もあります。このようなことから、遺族年金を受給している方にとって、この年金は非常に貴重な収入となっていることは間違いありません。ここからは、少しでも生活の負担を軽減することが出来るポイントをご紹介していきます。確定申告で受けられる控除遺族年金を受給しているということは、確定申告や年末調整の際に「寡婦控除」「寡夫控除」「特別寡婦控除」のいずれかを受けられる場合があります。自ら申告しなければ誰も指摘してくれませんので、案外これらの控除を忘れている方もいらっしゃいます。控除を受けることができる権利があるのに手続きを失念すると、せっかくの権利が無駄になってしまいます。ここから詳細を解説していきますので、該当する方は是非覚えておかれると良いでしょう。寡婦(寡夫)控除は27万円、特別寡婦控除は35万円の所得控除となります。所得控除とは、一定の要件に当てはまる場合、所得合計から一定の控除額を差し引くことを指します。この所得控除には上記にて紹介した寡婦控除等を含めて細かく15種類もあります。これらは、該当する場合には全てご自身で申告しなければ控除を受けられませんので、節税のためにも必ずチェックしましょう。よく知られているものでは「医療費控除」「生命保険料控除」「寄附金控除(ふるさと納税も含む)」がありますが、詳細は国税庁ホームページ等でご確認ください。①寡婦控除寡婦控除には2つの要件があり、この内いずれかに該当すれば控除適用となります。寡婦控除・条件1「夫と死別、もしくは夫と離婚後婚姻をしていない人、または夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族(子以外)がいる人、または生計を一にする子があること」。つまりこの場合は、配偶者と死別した人だけではなく、離婚して子供のいるシングルマザーでも寡婦控除の対象となるということです。寡婦控除・条件2「夫と死別した後婚姻していない人、または夫の生死が明らかでない人で、合計所得金額が500万円以下であること」。この場合は条件1とちがい、子供の有無は関係ない代わりに所得の制限があります。寡婦(寡夫)控除の概念における「死別」「離婚」とは、法律上の婚姻関係にあった者との死別や離婚を指します。未入籍であったり、事実婚や内縁関係のままであったりは、これらの寡婦控除を受けることは出来ません。しかし近年、家族スタイルの多様化から未入籍でシングルマザーになる方も増えてきた背景があり、今後の法改正のポイントとなっています。②寡夫控除二つ目は「寡夫控除」です。この概要は、ほとんど寡婦控除の条件と類似していますが「妻と死別または離婚後に再婚していないこと」「生計を一にする子があること」「合計所得が500万円以下であること」の3つを全て満たす必要があります。死別だけでなく、お子さんを連れて離婚したシングルファーザーの方でも、合計所得500万円以下であれば寡夫控除を受けることが出来るということです。逆に、妻と死別をしてもお子さんがいらっしゃらなければ寡夫控除の適用外ということになります。③特別寡婦控除特別寡婦控除とは、以下の要件全てに該当する場合に受けることが出来ます。通常の寡婦控除の要件をさらに厳しくしたものというイメージで良いでしょう。特別寡婦控除は「妻」のみに限られ、夫の場合は特別な寡夫控除制度はありません。夫と死別した、または離婚した、または夫の生死が不明生計を一にする子がいる合計所得が500万円以下市民税・住民税が軽減される寡婦(寡夫)控除や特別寡婦控除を適用すると何がメリットかというと、その控除額が所得から差し引かれることにより、市民税や住民税の算出根拠となる所得自体を少なくすることが出来ます。補足・シングルマザーの場合これまでの解説の通り、未婚のシングルマザーの方は現状では寡婦控除を受けることが出来ません。あくまでも婚姻歴のあるシングルマザーの方が対象です。しかし、未婚のシングルマザーの方は2021年から個人住民税が非課税になるという制度が新たに開始されることになりました。政府としても家族の多様化をサポートする姿勢が見られます。計算上節税になるポイントここからは、計算上「節税」ということになるポイントを解説します。主に、税制上や健康保険についてまとめていますが、いずれも知られていない場合が多く、せっかく制度として設けられているものばかりなので、是非こちらでご確認ください。[adsense_middle]健康保険のポイント例えば、既に成人したお子様の世帯に入れてもらっている方であれば、健康保険のポイントとして「生計を一にしている方の扶養に入る」ことができます。ただしこれは、お子さんが国民健康保険以外に加入していることが前提です。給与所得者で健康保険組合などに加入している場合であれば、被扶養者として健康保険に加入することが出来ます。お子さんが国民健康保険に加入している場合は、被扶養者となったとしても、通常通りおひとり分の保険料を払わなくてはいけないので、おひとりで加入しても扶養親族となってもあまり意味がないと言えます。さらに、75歳以上になると加入している健康保険に関わらず、皆さんが「後期高齢者医療制度」に加入することになりますので、健康保険上の扶養親族になれるのは実質75歳までということになります。健康保険の被扶養者になるには、以下の2つの収入の制限があります。「遺族年金も含めた年間収入が130万円未満、60歳以上の場合は180万円未満であること」「被保険者(世帯主)の収入の1/2以下であること」扶養控除の場合は年収制限がありませんが、健康保険における被扶養者に関しては年収制限がありますのでご注意ください。扶養にすると世帯の節税になる上記の様に、遺族年金を受給している家族を扶養親族として迎える場合、その受け入れる側の世帯にとってもメリットがあります。扶養親族が増えるという事は「扶養控除」が発生します。扶養控除は所得控除ですので、結果として住民税と所得税の節税となります。扶養控除額扶養控除は年齢によって控除額が違います。23歳以上70歳未満の親族…38万円70歳以上の親族(老人扶養親族)…48万円(ただし同居の場合は58万円)年末調整での証明について給与所得者の場合、確定申告ではなく年末調整にて税務手続きが完了します。上記のような「遺族年金を受給している同居親族を扶養親族にする場合」は年末調整の書類にて、扶養控除や老人扶養控除を申告することで手続きは終わります。ただし、遠方に住んでいて仕送りをしている等で「別居だが生計を一にしている状態」である場合、勤務先によっては仕送りした通帳の履歴などの確認が求められる場合もあります。ここでの別居とは、親が老人ホームなどの施設に入居していて、施設での入居費用や身の回りの世話をしている場合も含まれます。義父母の場合どうなるか?遺族年金を受給している義父母がいる場合も、実の父母同様に扶養親族とすることができます。しかし、ひとつだけ違う点があります。それは「同居していること」が前提です。いくらこちらから仕送り等をきちんと行っていて、事実上生計を一にしている形になっていても、別居の義父母であれば扶養親族にはあたらない、ということになっています。非課税の年金&遺族年金の税務と節税に関するまとめいかがでしたか。遺族年金を受給している世帯にとって、年金額の多寡に関わらず非常にありがたいお金です。亡くなられた方がきちんと年金保険料を納めていたからこそ、ご遺族が2カ月に1度まとまった金額を受け取ることが出来るものです。亡くなられた方からの「天国からの生活費の仕送り」だと思えば、少しでも工夫をして大切に遣いたいと思うのではないでしょうか。今回ご紹介した節税のポイントについても、これは決して裏技や法の抜け道ではありません。正当に公になっているものばかりですので、どうぞ正々堂々と大いにご活用ください。また、一般的な税務に関してはFPでもご紹介・ご案内が可能ですが、税務の詳細、具体的な算出根拠やその理由について等、具体的な個別相談に関しては税理士までご相談ください。
2020年02月02日年が明けてそろそろ確定申告の時期が近づいてきました。特に会社員の方であれば普段は確定申告をしないけれども、「こういう場合はした方がいいのではないか?」と判断に悩むケースもあるように思います。代表格が、税制に関する各種制度を利用する場合でしょう。中でも多いと思われるものが、証券取引でNISA口座を利用されているケースです。そこで、今回はNISA口座と確定申告というテーマで記載したいと思います。NISAは非課税で投資できる所得控除の制度国税庁ホームページ 確定申告が必要な方配当金が出た場合NISA口座で株式の配当金が出た場合、確定申告が必要になり得る場合があります。なぜなら、NISA口座で保有している金融商品から生じる配当金が、課税されるケースがあるからです。それは、配当金の受取方式を証券口座内で行う株式数比例配分方式にしていない場合です。そのときの課税口座が一般口座ならその分の所得を、特定口座源泉徴収なしの口座なら20万を超える場合に確定申告を要します。株式の配当金の種類株式の配当金の受取り方式は下記の4つです。指定していないときは、配当金領収書方式が受取方式となります。株式数比例配分方式以外の形式の場合には、配当金が課税されます。課税口座に損失がある場合NISA口座とは別に課税口座でも証券取引を行っている場合、その課税口座内における損失を利用した節税制度を利用することが可能です。その場合は、確定申告が必須です。証券口座はNISA口座と課税口座の両方を同時に利用可能なので、課税口座の利用方法によっては確定申告が必須になる点がポイントです。損失の繰越控除証券取引で損失が出た場合、確定申告で損失を最大3年間繰り越すことができ、翌年の証券取引の利益と損失とを通算できます。NISAではこのような損失の繰越控除はできませんが、課税口座の間では可能です。例えば、ある証券会社にてNISA口座以外に特定口座を利用しており、その特定口座内で年間20万円損失が出ている場合、確定申告をして翌年の利益分から20万円を差し引けます。図解すると以下の通りです。マネックス証券ホームページ 確定申告 繰越控除複数の証券会社等で取引している場合複数の証券会社等で有価証券の取引を行っている場合、確定申告をしてそれらの損益を通算することが可能です。NISA口座の場合は通算できませんが、課税口座が複数ある場合はその課税口座間で損益通算が可能です。例えば、A証券会社でNISA口座と特定口座、B証券会社で特定口座を保有している場合、A証券会社の特定口座の損益とB証券会社の損益を通算することが可能です。NISA口座内の資産をロールオーバーしなかった場合NISAのロールオーバーは非課税枠の利用延長申請です。このロールオーバーをしない場合は、NISA口座内の資産が課税口座に払い出されます。毎年NISA口座を使っているから今年も不要だと思っていたものの、その資産が課税口座になっているため、実は確定申告をした方がよかったというケースもあり得ます。ですので、長期間NISA口座を利用されている方は注意です。所得税を年末調整ができない場合所得税に関連した所得控除の利用したい場合は、NISA口座を利用していても確定申告が必要になります。これは証券口座とは関係のない事由により、確定申告が必須になるケースに当たります。医療費控除を利用する場合1年間に支払った医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%)を超えた場合には医療費控除を受けることが可能です。この金額は、ご自身だけでなく生計を一にする家族全体の医療費で計算します。年間の医療費が高額になることが判明した年は、普段は確定申告をしない方でも、確定申告により医療費控除を利用することが考えられます。住宅ローンを利用する場合住宅ローン等を使いマイホームの新築、取得又は増改築等をした際に決められた年数間に一定金額を所得控除することができます。この住宅ローンを利用する場合、2年目以降は年末調整にて税金の申告を行うことが可能ですが、初年度は確定申告をすることが必要です。NISAを利用し確定申告をする場合の注意点NISA口座を利用する場合、その損益がなかったものとして扱われるため、確定申告をしても所得は増えません。しかし、課税口座で証券取引を行っている方が確定申告をした場合は、その分所得が多くなります。そのため、各種控除を普段利用されている方は、控除の金額にも影響がある可能性があります。例えば、ご家庭をお持ちの方やご両親等と同居しているなどの方は、配偶者控除や扶養控除の金額などに影響が出る可能性があります。具体的ケースで注意を要する場面NISA口座とは別に課税口座での所得がある場合は、確定申告を行うと課税口座分の所得がプラスされます。また、NISA口座しか保有していない場合も配当金が課税されている場合は、その分の所得がプラスされます。このケースにあたる場合は、ご自身や扶養されている配偶者の方等の所得がどれくらいになるかあらかじめ計算しておかないと、かえって損をする場合もあり得ます。NISAの確定申告に関するまとめNISA口座内の所得は例外なく確定申告不要です。しかし、課税口座も合わせて保有していたり、証券取引とは関係のない所得控除を利用する場合には、結果的に確定申告が必要になります。確定申告をするときは、そもそも自分にどういう所得があるのか、それぞれの所得にどんな税制制度を利用するか考えてみて、勘違いすることのないように気をつけて下さいね。
2020年01月30日初めてのマイホーム探しでは、何から始めたらいいか戸惑う人も少なくありません。まず最初にやっておかなければならない「資金計画」について、宅地建物取引士の高幡和也さんに解説してもらいましょう。■ 1番初めにやるのは「資金計画」ジャバ / PIXTA(ピクスタ)人生の中でもっとも大きな買い物といえるマイホーム。その購入資金の調達方法や、住宅ローンを利用する場合の返済計画など、住まい探しや家づくりをする際に最初にやっておかなければならないのが「資金計画」です。この資金計画がうまくいかなければ、せっかく自分好みの土地・建物が見つかってもそれを手に入れることができなかったり、頑張って手にしたマイホームを将来的に手放す事態に陥ってしまう可能性もあります。3つのステップに分けて詳しくご説明します。■ ステップ1・返済額から借入額を算出Rina / PIXTA(ピクスタ)資金計画を立てる場合、まずは「住宅ローン」をいくら借りて、どのように返済していくのかを決めましょう。よく耳にするのは、「住宅ローンは年収の○倍にすべき」という言葉ですが、実はこれを目安とするのはお勧めできません。そもそも、その世帯ごとに毎月の住宅費として支出できる金額には違いがあるものです。家族構成、居住エリア、ライフスタイル等によって家計の支出に違いが出るのは当然です。一般的に住宅ローンは30年前後の長期間にわたり返済が続きますので、住宅ローンは「年収の○倍」を目安に組むのではなく、「自分が無理なく返済できる額」を優先しましょう。無理なく返済できる額の目安として、現在支払っている家賃、毎月の収入から生活費を差し引いた余剰金(毎月貯蓄できる額など)等から、自分に合った額を算出してみます。さまざまな金融機関のホームページでは、金利や借入期間などをもとにして毎月の返済額・借入可能額等を自動で計算・シミュレーションするサービスを無料で行っていますので、まずは「返済額から借入額を算出」されてみてはいかがでしょうか?■ ステップ2・自己資金がどれくらい準備できるか確認ABC / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン借入額の目安が算出できれば、次は自己資金がどれくらい準備できるかの確認です。貯蓄のうち、マイホーム購入に充てられる額はいくらか、親などから援助を受けられる資金があるかなどを確認しましょう。マイホーム購入には購入価格の他に諸費用がかかり、その目安は一般的に購入価格の7%~10%(土地付戸建の場合)といわれていますので、その分は自己資金または住宅ローンの借入でまかなわなければなりません。つまり、「自己資金+住宅ローン借入額」から「購入時の諸費用」を差し引いたものが「購入できるマイホーム価格の上限」となります。くれぐれも諸費用の存在をお忘れなく!この計算式が成り立つ価格帯のマイホームを選ぶことはもちろんですが、金融機関によってはマイホーム購入に必要な自己資金の割合(土地建物価格のうち、何割以上の自己資金が必要など)を定めているところもありますので事前に確認しておきましょう。■ ステップ3・将来の資金計画Naoaki / PIXTA(ピクスタ)資金計画のステップ1とステップ2が完了したら、あとは最後のステップ「将来の資金計画」です。返済が長期にわたる住宅ローンを利用する場合、「いま支払える額」とともに「将来にわたって支払える額」についての検討も必要です。家族構成の変化、教育費、老朽化していく建物のメンテナンス費など、家計の支出は時間の経過とともに変化していくことも考慮しながら、最終的な借入額の設定をしましょう。また、勤務先企業の退職金制度(いつ・いくらもらえるか等)なども事前に調べて将来の資金計画に役立てましょう。IYO / PIXTA(ピクスタ)資金計画がある程度まとまったら、次はいよいよ本格的なマイホーム探しです。自分や家族がマイホームに求める希望条件を整理し、「優先順位」を明確にして、後悔のないマイホーム探しを楽しみましょう!【参考】(公財)不動産流通推進センター「不動産基礎知識:買うときに知っておきたいこと」
2020年01月26日今回の記事は少しテーマが重ためです。老後の生活を想像した時にお金は非常に重要な要素となりますが、実際のところはどうなんでしょう。ご自身が高齢者になり暮らす際、イメージは付きますか?実感こそ湧く事が無いかもしれませんね。そこで、今回は老後の生活について現状をお伝えする事、そして、もしもの際の生活保護に関して解説していきたいと思います。年金暮らしの実態を解説このグラフは平成29年度に内閣府が作成した高齢者白書より引用した資料になります。60歳以上世帯の貯蓄平均額は2,396万円となっており、4,000万円以上の蓄えを保有している方は18.2%を占めている事が分かります。これだけの蓄えがあれば老後の生活は安心だと言えそうですが、対照的に、60歳以上で100万円未満の貯蓄額の割合が8%いらっしゃる事も分かりました。全ては貯蓄、定期預金、保険、投資信託、株等を含んでおり、準備している世帯や準備が困難な世帯等様々です。これから先の時代はこのグラフがどの様な推移になるのか興味があると共に、しっかりと将来を考えなければならないという事が伝わりますね。生活保護の受給条件を解説しますそれではここから、セーフティネットでもある生活保護に関して解説していきたいと思います。まずは受給する為の条件から解説していきます。生活保護は「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限の生活を保障し、その自立を助長する制度です」となっています。憲法で保障されている事を忠実に守る為の制度で、「資産や能力」とありますが、この点が受給条件に絡んできますので詳しく見ていきましょう。[adsense_middle]資産や能力の活用とは?その他の要件も解説生活保護を受給する要件に資産や能力の活用とありますが、具体的に解説すると次の様になります。資産の活用とは、お手持ちの預貯金があればそれを活用して下さい。土地・家屋を所有しているのであれば売却して生活に充てて下さいという事になります。能力の活用とは、仕事が出来る健康な体があるのであれば、仕事に就いて稼いで下さいという事になります。他にはこんな要件もあります。あらゆるものの活用とありますが、年金や手当等他の制度で給付金を受け取る事が出来るのであればそちらを優先的に利用して下さいという事です。そしてこの様な要件もあります。扶養義務者の扶養とあり、親族などから援助を受ける事が出来るのであれば、援助を受けて下さいという事です。お分かりの様に、生活保護は税金から支払われる事になります。そして生活保護は本当の意味で最終手段になりますので、預貯金の有無や資産保有の有無、また負債の有無、親族への調査、健康状態の確認や就業の可否を判断するために役所から調査が入る事になります。決して誰でも簡単に請求できるものでは無いという事を知っておきましょう。持ち家を所有している方は生活保護を受けられない!?先程資産の活用について解説しましたが、原則として持ち家を所有している方の生活保護は認められません。まして、住宅ローンを抱えている場合は難しいでしょう。理由として税金からの支払いであり、国からの補助になります。国から補助を受けて住宅ローンを支払うという事になりますので、このケースではまず認められません。しかし、所有している自宅の資産価値にもよりますが、売却しても値が付かない等の場合は例外として認められる場合もありますので、一度自宅の資産価値を確認しておく事も大事です。その他資産価値のあるものは処分?他にもマイカー等所有している場合は売却を勧められます。もちろん価格にもよりますし、車が無ければ、特別に困難な事由等あれば認められる事もあります。また預貯金など、多くの資産を保有している場合は認められません。この場合市区町村によって最低生活費という金額が設定されています。この生活費を賄う為の水準に達しているかいないか等が調査されますので、隠す事など無いようにしておいて下さい。高齢者の生活保護受給率は?生活保護は高齢者だけに限った保障ではありません。中には病気などで、仕事をする事が困難な方や母子家庭等も該当します。しかし高齢者での受給割合は全体の半数を超えており、年々増加の傾向にあるようです。年金だけでは生活できず、また病気、ケガが原因で働きたくても働けない等の状況があるからです。もちろん年金と言っても、生活できる水準以下の年金額では生活を維持する事が困難な為、受給世帯が増加しているものと思われます。先々生活保護受給が増えるかもしれない理由についてここからは私の私見を述べますので、参考にして頂ければと思います。私の考えではこれから先々生活保護を受ける割合は増えるのではないかと予想しています。理由として、現在国民年金の免除者や未納者が増加している事が一つの要因ではないかと思っています。つまり受給資格を満たす事が出来ず、満額受給に届かない事で、老後の生活水準を割り込んでしまう事も考えられるからです。実際に納付している割合は国民年金加入者の51%になっており、残りの未加入、免除者は49%にも上ります。将来の年金を悲観し、支払わないといった理由もあるようですが、支払えるうちはしっかりと納めたいですね。老後の生活保護に関するまとめ今回は老後の生活に関して、生活保護というテーマを絡めて解説しました。生活保護は最後の砦でもありますが、それ以上に生活する上で制約がかかる事があります。余裕ある老後を迎える為に、今から出来る事や改善できる事を見つめ直したいですね。
2020年01月26日今回は老後の住まいに関して賃貸か持ち家かという事をテーマに解説していきます。老後を迎える時に一つの不安として年金だけで生活できそうにないという事が挙げられます。その時、居住に関する費用負担が重く圧し掛かってくるかもしれませんよね。一体どっちが得なのか?またメリットやデメリットについても解説していきますので、是非最後までお付き合い下さい。高齢者の住まい事情について始めに今の高齢者の持ち家率に関してお話しておきたいと思います。今回は老後の定義として、65歳以上を老後とします。では65歳以上の方が一体どれくらいの割合で持ち家を所有しているのか、また賃貸の割合を解説します。意外と高い持ち家率65歳以上の高齢者世帯は8割もの方が持ち家を所有している事が、厚生労働省の調べで分かっています。2割は賃貸にお住いという事です。そして、単身者の高齢者で持ち家を所有している方は6割となっており、単身世帯の方が割合少ないという結果になっています。また調べてみて判明した事ですが、65歳以上の方がいらっしゃる世帯のうち、3割に当たる居住が1970年以前に建築された建物であるという事が分かりました。今から50年前に建てられたという事になります。持ち家での生活で困っている事は?持ち家を所有している事で、安心して帰る場所がある事は大変良い事だと思います。また慣れ親しんだ土地でもあると思いますので、愛着などもあるでしょう。しかし、先程の調べでは築50年以上もの物件が3割ある事が分かりました。その中で、住宅でのお困りごとについて内閣府がアンケートを取っていますが、一番の困りごとは、住まいのあちこちが古くなり傷んでいるという事でした。いわゆる経年劣化という事ですね。当然ですが、家は日々雨風を凌ぎ、日当たり等も調整してくれます。半面、傷むことは必ずある事でしょう。長年住んでいるのであれば尚更ですね。住宅を購入する時に注意すべき点は?先程は住宅の傷みが気になるという事を解説しましたが、それもそのはずです。購入した時は傷んでもなく、綺麗なままですよね。しかし、購入する際にまだ随分先の老後の事を考えて購入するでしょうか?恐らく購入時には家族構成も異なっているはずです。多くの購入理由に、子供が大きくなり、自分の部屋が欲しい、家が狭くなった等が挙げられます。その子供も自立し家を出ていく事が多いでしょう。すると、大きかった家も気づけば2人での暮らしになります。この様に、買う時にどうしても気づけない点があるという事は知っておいて欲しいですね。また当時は最新の自宅でも時間が経てば、構造や造りが高齢者に向いてない造りになる事もあります。例えは古いですが、随分昔は玄関が土間でしたが、今では土間の自宅を見る機会が激減しました。土間を上がる際の高さは高齢者にとっては大変ですし、かえって危険な場合もありますよね。住宅は持ち家(戸建て)?マンション?賃貸?それぞれの特徴、メリット・デメリットを解説します8割もの方が持ち家を所有している事実がありますが、細分化すると戸建て、マンションに分けられます。また賃貸という選択肢もあります。ここからはそれぞれの住まいの特徴やメリット、デメリットを解説していきたいと思います。[adsense_middle]戸建ての特徴は?まず戸建てから解説します。戸建てはご存知の様に資産になります。不動産として所有する事ができ、また相続として誰かに引き継ぐ事も可能です。そして売買する事や、場合によって人に貸す事も可能です。日本家屋として建築方法は日々進化しており、最近では免震構造や耐火性能を兼ね備えた災害に強い住宅が一般的です。また太陽光等の設備を設置する事により、自宅の電力分の費用を賄う事も可能で、電力を販売する事も可能になってきています。一般的には木造家屋が多く、土地の広さによっては庭を持つこともでき、家庭菜園や広い駐車スペース、知人などを招いてBBQなど行う事も可能です。戸建てのメリットメリットとして、資産になる事、引き継ぐ事が出来る事、販売する事が出来れば大きな換金性がある事です。また2階建てや3階建てといった居住空間を保つことも可能な為、上空に面積を広げる事も可能な点はマンション、賃貸に無いメリットと言えます。またローンさえ払い終われば、支払いとしては毎年の固定資産税・火災保険くらいになりますので、老後を迎える際には、支払いの面を考えても十分にメリットはあると言えそうです。戸建てのデメリットデメリットとしては、首都圏などではまず立てる事が難しく、郊外に建てる事が多い点でしょう。これは地価や建築許可の問題もありますが、一般的には郊外に建てる事が殆どです。そして先程も解説しましたが、建てた時と、先々とでは使い勝手や住まいの広さが変わってくるという事でしょう。子供が自立した場合などを考えると、かえって広くなってしまい、老後2人での生活となれば広さを持て余す事になります。また水回り、屋根、外壁等劣化し易い部分のメンテナンスは発生する事が想定されます。タイミングにもよるでしょうが、高額な費用が発生する事になりますので、別途貯蓄等をしておく必要があります。そして引っ越しがすぐには出来ない点も挙げられます。自動車等と異なり、買い手が見つかるまで時間が掛かりますので、換金性はあるものの、流動性は低い点はデメリットと言えます。老後を想定した場合は広すぎると庭や家の掃除、メンテナンスが徐々に大変になる事を想像しておいて下さいね。マンションの特徴は?次にマンションです。マンションも戸建てと同じく資産になります。特に上空に高く建設されるため、多数の世帯を一ヵ所に集める事ができます。またオートロックや防犯カメラ、管理人等がいるため、防犯性が戸建てよりも高い事が特徴です。特に、駅に近い場所に建設される事が殆どで、公共の交通機関へのアクセス等はし易いのが特徴です。階層が高くなればなるほど、値段も上昇する傾向にあり、相場に関しては住まいの自治体によってピンキリですが、高いもので億を超える物件もあります。間取りは当初より設定されているため、先々の家族構成等を視野に入れておく事が重要です。マンションのメリットマンションのメリットですが、戸建て同様に資産となります。立地はかなり好条件な物件が多いので、販売されるとすぐに売り切れる事もあります。上階になると部屋からの景観は良く、場所によっては夜景等一望できたり、花火大会の花火を見下ろしたりできる物件もありますので、大人も子供も住んでいて楽しめる点はメリットです。また物件の立地が良い事もあり、戸建てよりも高い値段ではありますが、売却すると購入した際よりも高値で売れる事もありますので、その点は戸建てには無いメリットと言えますね。マンションのデメリット続いてデメリットです。マンションの場合、住宅ローンを支払い終えた後には固定資産税・火災保険と戸建てと変わりはありませんが、マンションの修繕積立費、管理費が発生し続けます。これはマンションの外壁や共用部分等の修繕に使われる事になり、築年数が経っている物件は修繕積立費が高くなっていく傾向にあります。また左右上下に人が住んでいますので、騒音などの問題も出てくるでしょう。戸建てと同じですが、すぐに買い手が見つかれば良いですが、売却出来ない場合もあるので流動性は低いと言えます。災害に強そうなマンションですが、免震性能を改ざんしてある物件が発覚した事もありました。また昨年記憶に新しいのは台風19号の被害です。雨、風は問題ありませんでしたが、水害により、タワーマンションのエレベーターが使用できない事態に陥り、復旧までに時間がかかりましたね。特にタワーマンションは人気が高く、高層階は特に人気です。しかし、災害によるエレベーターが使用できないという事で、便利なはずの生活が一変しました。もし老後この高層階に住んでいたら、1階まで階段で降りる事はできますか?こう考えると高層階に入居する場合、老後も住み続けるのかどうなのか考えるべきなのかもしれません。賃貸の特徴は?最後に賃貸物件です。賃貸物件は戸建てタイプもあればマンションタイプ、アパートタイプ、メゾネットタイプ等、様々な形態があります。広さも様々で、一人暮らし用の間取りやファミリータイプ等、物件によっては家具家電まで付いている所もあります。またペットを飼う事も出来る物件も最近では増えており、スマートフォンのアプリには賃貸物件を検索できるものもあります。築年数が短い物件等は入居が早くに決まる事が多く、仕事で転勤等が決まった際には直ぐに引っ越す事も可能なので、戸建て、マンションにはない特徴を持っています。賃貸のメリット賃貸物件のメリットは、引っ越しなど自由に出来る点でしょう。資産では無い為、賃貸契約さえ結べば入居できますし、お気に入りの物件など見つかればすぐに移動できます。また家族構成が変わった場合等にも柔軟に対応できる点はメリットです。4人家族から2人家族になったので、部屋を少なくしたい時は1LDKや2LDKの部屋を探したり、また家賃も安くしたいのであれば、探す事も可能ですので自在性がある事は大きなメリットでしょう。老後を迎える場合、年金生活などで暮らす時には賃貸物件は一役買ってくれるかもしれません。賃貸のデメリットではデメリットはなんでしょう。まず挙げられるのは、住み続ける限り永久に家賃を支払う事です。住宅ローンと違って期間に定めが無いので、家賃と更新料、保証料等を支払い続ける事はデメリットですね。また自在性がある為、近隣の方の入れ替わりが激しい事が想定できます。今までは静かだったのに、今度来た人は騒がしい等、トラブルになる事もあるでしょう。また物件によっては駐車場が1台のみだったりする事も。2台3台と保有している世帯ではそれだけで、別で駐車場を借りなければなりません。入居する際も、敷金、礼金といった初期費用が高額な物件もあります。退去時には返金が無い場合も。そして老後を迎える場合、注意点としてですが、高齢者だけでの契約が出来ない事もあります。理由は高齢になればなるほど、理解力の低下、孤独死等オーナーにとっては避けたい事由が発生するリスクが高まるからです。賃貸は借り手にとっては助かりますが、オーナーの観点から考えると、収益を得る為の物件ですので、事故あり物件にしたくないのが本音ですし、空き部屋も埋めたいでしょう。この事から高齢者単独での契約は出来ない事が多いので、憶えておいて下さいね。家賃とローンはどちらが良いのか?さて物件に関する特徴、それぞれのメリット・デメリットを解説しましたが、ここでお金に関して触れると、家賃を支払うかローンを組むのかという点に行きつきます。一体どちらが老後には良いのでしょう?[adsense_middle]支払額を比較してみましたここで支払いの総額を比較してみたいと思います。ざっくりとした計算ですが、下記の条件で比較してみます。30歳夫婦で65歳定年、平均余命より90歳まで生きると仮定Aパターン:住宅を購入し35年ローンを組む/物件価格4,000万円/金利0.7%/月107,408円の支払い/頭金、ボーナス払い無Bパターン:賃貸に居住し続ける/月の家賃を10万円と設定まずAパターンですが、毎月の返済額を35年間払い続けると、総支払額で45,111,360円になります。この金額には固定資産税は含まれていません。次にBパターンですが、毎月10万円をローン支払いと同じ期間支払い続けると4,200万円となります。賃貸には固定資産税はありません。また更新料は含まれていません。それでは90歳まで計算しますが、ここでは固定資産税、更新料を共に含んで計算してみます。固定資産税は年間15万円とし、更新料は年間1万円とします。Aパターンであれば総額54,111,360円となり、固定資産税だけで900万円になります。Bパターンでは総額72,600,000円となり、住宅を購入するよりも遥かに支払い額が多くなる事が分かります。総額の支払いだけ見れば購入する事が得金額的な損得だけであれば購入する事が得になる事が分かりました。老後の居住費を支払わなくて済む点は大きなメリットです。購入者の意見として、老後の安心の為という事が最も多い回答です。反面、賃貸では老後の支払いが不安であるという回答が多いです。金銭面での不安が募るようであれば、住宅を購入する事を考える必要はあるでしょう。しかし、自由に色んな所で生活したいという考えであれば賃貸でも良いかもしれません。老後の賃貸住まいに関するまとめ今回は老後の住まいについて解説してきましたが、どちらが正しいという事では無く、老後を安心して生活したいのか、どうなのかという点が焦点だと思います。これからも長生きはするでしょう。その時、自分は何歳まで生きるのかという事もシビアに検討し住まいを考えておきましょう。
2020年01月24日義父母がシンドイんです!
私の愛すべき家族
うちのダメ夫