被相続人が連帯保証人になっていながら死亡した場合、財産を受け継ぐ相続人は連帯保証人の立場も相続しなければなりません。その結果、相続した財産よりも負債の方が大きくなる可能性があります。この記事では、連帯保証人の相続について解説いたします。債務者の連帯保証人死亡時は、連帯保証人も相続対象被相続人が死亡した場合、相続人は住宅や金銭など、各種財産を手に入れられます。しかし、もしも被相続人が連帯保証人となっている場合には、その地位も引き継がなくてはなりません。債権者が借金を返せなければ、相続人が負債を被ることになります。まずは連帯保証人の相続について以下内容を紹介します。親が連帯保証人なら子供はピンチ必ず連帯保証人になっていないか確認すべき連帯保証人になっているかの調べ方相続対象となるケースとならないケース親が連帯保証人なら子供はピンチ相続の形はさまざまではあるものの、一般的には親が死亡した際に配偶者や子供に財産が相続されます。言い換えれば親が連帯保証人になっている場合、その負債が子供に降りかかる可能性が高いのです。親にとっては信頼している人の連帯保証人だったとしても、子供にとっては縁もゆかりもない人の連帯保証をしなければならなくなります。必ず連帯保証人になっていないか確認すべき親が高齢である場合や重病である場合には、終活の一環として必ず借金の有無や連帯保証人になっていないかどうかを確認しておきましょう。死亡してから確認するよりも、存命中に確認した方が確実です。もちろん、死亡後にも念のため確認し、ダブルチェックしておきましょう。連帯保証人になっているかの調べ方被相続人が連帯保証人になっているかどうかの調べ方は、保管しているはずの契約書を探す方法です。連帯保証人になる場合、金銭消費貸借契約書を交わす必要があり、連帯保証人にも渡されます。一般的に、この契約書は保管しているはずですので、遺品整理を兼ねて探してみましょう。契約書を保管していない場合や、見つからなかった場合には、督促で気付くことになります。相続対象となるケースとならないケース連帯保証人の立場が相続されるケースとされないケースがあります。相続対象となるケースは、金融機関からの借入に対する連帯保証人や、不動産などの賃貸借契約に対する連帯保証人です。相続対象とならない場合は根保証の場合です。根保証とは、継続的な取引で生じる債務を将来にわたって保証するものです。極度額等の定めがなければ相続対象外となります。連帯保証人は債務者と同じ義務がある連帯保証人には債務者と同等の義務があります。そのため、借金が焦げ付いた場合、連帯保証人は債務者と同じ借金を背負うことになります。また、保証人に認められている権利が、連帯保証人には認められていません。具体的には以下のとおりです。債権者へ振れない本人が返せても請求されることがある複数の保証人で分割できない債権者へ振れない債権者が連帯保証人に督促をした場合、連帯保証人は支払わなければなりません。通常の保証人であれば先に借りた本人へ督促するように要求できます。これを催告の抗弁権といいます。しかし連帯保証人にはその権利がありませんので、債権者の求めに応じて借金を肩代わりしなければなりません。本人が返せても請求されることがある債権者が連帯保証人に督促した際、本当は債権者に返済能力があると知っていれば、債権者に請求してもらいたいものです。このことを検索の抗弁権をいいます。しかし、連帯保証人には検索の抗弁権もありませんので、債権者の求めに応じなければなりません。複数の保証人で分割できない通常の保証人であれば、複数人数で債務者の借金を分割可能です。このことを分別の利益といいます。しかし連帯保証人の場合には分別の利益がありませんので、1人で返済する必要があります。相続放棄すれば回避可能!その手続き方法とは?相続人が多額の負債を抱えている場合や、連帯保証人になっている場合などには、相続放棄することで回避できます。相続は資産だけでなく借金も受け継ぐことになりますので、相続放棄は有効な手段です。ただし、相続放棄する場合にはいくつか知っておくべきことがあります。ここではその内容として以下を解説いたします。プラスマイナスを考慮して相続放棄を検討相続放棄の手続き法相続開始を知ってから3カ月以内相続放棄の注意点相続放棄期限を過ぎてしまったら[adsense_middle]プラスマイナスを考慮して相続放棄を検討相続放棄をする場合には、資産と負債のバランスを考えましょう。たとえ被相続人が連帯保証人となっていても、借金の総額が資産を下回る場合は相続した方が得です。逆に、資産の合計よりも借金が多い場合や、連帯保証人まで相続するリスクの方が高い場合には、相続放棄をした方が無難でしょう。プラスマイナスをしっかりと考慮して検討する必要があります。相続放棄の手続き法相続放棄の手続きは、被相続人の住所を管轄する家庭裁判所です。家庭裁判所に行って手続きする方法と、郵送する2パターンがあります。必要書類は「相続放棄の申述書」「被相続人の住民票除票または戸籍附票」「申述人の戸籍謄本」の3点で、場合によって身内の戸籍謄本が求められることもあります。ちなみに、相続放棄に必要な費用は、収入印紙代800円と、戸籍謄本450円が必要です。相続開始を知ってから3カ月以内相続放棄を検討する上で重要なことは、相続開始を知ってから3カ月以内という期限があることです。もしも期限を超えているのに相続放棄をしなかった場合には、相続をしたと見なされてしまいます。ただし、相続開始から3カ月以内ではなく、相続開始を知ってから3カ月以内ですので、知っておくと良いでしょう。相続放棄の注意点相続放棄をする場合には、限定承認も視野に入れましょう。先述したように、相続した方が良い場合と相続しない方が良い場合は、資産と負債のバランスによります。しかし、資産と負債のバランスがハッキリと分からない場合もあります。相続放棄をした結果、実は資産の方が多かったというケースの場合、相続人は損をします。このようなケースでは限定承認がおすすめです。限定承認とは、相続財産に資産と負債が混じっているケースで、プラス財産の範囲に限ってマイナス財産も相続する方法です。万が一マイナス財産が多かったとしても、プラス財産を超えないため、相続人が被る被害を回避できます。ただし、限定承認には一定の条件があります。それは、相続人全員が賛成するという条件です。相続人の中に1人でも反対者がいれば限定承認は認められませんので、成立しないことも多いです。相続放棄期限を過ぎてしまったらもしも相続放棄期限を過ぎてしまってから相続放棄したい場合には、状況によって裁判所の判断となります。なるべく早めに弁護士に相談すると良いでしょう。多くの弁護士事務所は無料相談をしていますので、気軽に相談が可能です。連帯保証人の相続に関するまとめ債務者の連帯保証人死亡時は、連帯保証人も相続対象となります。連帯保証人は債務者と同じ返済義務があるため、相続すると借金を背負うリスクがあります。そのリスクを相続によって背負わなければならないため、被相続人が連帯保証人になっていないかどうか、あらかじめ確認しておく必要があるでしょう。ただし、連帯保証人の相続を回避するには、相続放棄という手段がありますので、リスクヘッジが可能です。
2020年02月09日相続財産管理人は、相続する人がいない財産を管理します。あまり聞き慣れない言葉ですが、どんなときに関与することになり、どんな仕事をするのでしょうか?本記事では、相続財産管理人を置くべきパターンや就任までの大まかな流れを説明します。相続財産管理人って誰?どんな制度?相続があっても、相続財産管理人が必ず置かれるわけではありません。相続財産管理人が関与するのは、比較的特殊なケースです。相続人がいない・全員放棄の財産を管理する相続財産管理人が関与するのは、相続人が1人もいないか、相続人全員が相続放棄して財産を引き継ぐ人がいない場合で、必要性がある場合にのみ選任してもらえます。死亡した人が土地や建物、預貯金などの財産を持っていないなら、相続手続き自体必要ないので選任も不要です。誰がなる?申立時には候補者を推薦できますが、候補者が選ばれるとは限りません。家庭裁判所の名簿に掲載されている弁護士などの専門家が選ばれるのが一般的です。相続財産管理人を置くべきケース相続財産管理人が必要な場合としては、次のようなパターンが考えられます。(1) 特別縁故者が存在同一生計だった人や療養看護に努めた人など、特別の間柄だった人(特別縁故者)がいる場合です。特別縁故者が財産分与請求の申立をすれば、遺産の一部や全部をもらえる可能性がありますが、この請求の前提として相続財産管理人が必要です。(2) 借金を残している死亡した人が誰かからお金を借りていたら、お金を貸した人(債権者)は遺産から返済を受ける権利があります。もし相続人が1人もいなければ、債権者は「お金を返してくれ」と言う相手がいません。このような場合、相続財産管理人が付けば、遺産から返済してもらえます。(3) 全員が相続放棄した相続放棄した人も、新たに相続人になった人が遺産を管理可能になるまでは、遺産の管理を継続しなければなりません。すべての相続人が相続放棄した場合には管理義務を逃れられないので、負担をなくすためには相続財産管理人を選任してもらう必要があります。(4) 国や地方公共団体による用地買収死亡した人の土地を引き継ぐ人がおらずそのままになっているとき、国や地方公共団体が用地買収のために相続財産管理人選任を申し立てることもあります。役割と権限相続財産管理人の主な役割は、死亡した人の財産の清算です。たとえば、借金の支払いをしたり、預金の払い戻しをしたりします。清算完了後、残った財産は国のものになるので、これを国庫に帰属させる手続きも行います。どんなことができる?相続財産管理人は、自らの判断で保存行為(財産の現状を維持する行為)や管理行為(物の性質を変えない範囲で利用・改良する行為)を行う権限を持ちます。一方、処分行為を行う場合には権限外行為となり、裁判所の許可を受けなければなりません(※下表参照)。申立件数は増加している下のグラフは、平成21年から平成30年までの10年間に新規で受け付けられた相続財産管理人事件数です。グラフを見てわかるとおり、近年事件数は右肩上がりで増えています。亡くなるときに家族や親戚がいない人が増えていることが考えられ、この傾向は今後続くものと思われます。相続財産管理人選任申立方法は?おひとりさまの残した土地や建物、預貯金などがそのままになっている場合には、利害関係人などが申し立てれば、相続財産管理人を選任してもらえます。就任までの流れと必要書類を知っておきましょう。[adsense_middle]就任までの流れ相続財産管理人が就任するまでの流れは、大まかには次のとおりです。1. 申立書を提出死亡した人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書と必要書類を出します。2. 審理出された書類にもとづき、申立を認めるか却下するかの審理が行われます。3. 審判審理の結果、相続財産管理人を置くべきとなったときには、裁判所が適当な人物を選び、審判を出します。4. 公告相続財産管理人が選任されたら、裁判所は遅滞なくこれを公告するものとされています。準備すべき書類次のような書類を揃えて提出します。家事審判申立書戸籍謄本相続放棄申述受理証明書住民票除票(または戸籍附票)遺産に関する資料候補者の住民票等家事審判申立書裁判所のホームページにあるものをダウンロード・印刷して記入します。財産目録も添付します。戸籍謄本死亡した人の出生から死亡までのもののほか、相続人がいないことがわかる戸籍・除籍・改製原戸籍謄本すべてが必要になります。なお、法定相続証明制度を利用し、法定相続情報一覧図の写しを提出してもかまいません。法定相続情報証明制度とは、あらかじめ戸籍謄本の束を法務局に提出しておき、法務局で交付を受けた法定相続情報一覧図を提出する方法です。相続放棄申述受理証明書相続放棄により相続人がゼロになったケースでは、相続放棄申述受理証明書を添付します。住民票除票(または戸籍附票)死亡した人の最後の住所を証明するものが必要です。住民票はマイナンバーの記載のないものを提出します。遺産に関する資料遺産としてどんなものがあるのかがわかる資料が必要です。不動産がある場合には登記事項証明書及び固定資産評価証明書、預貯金がある場合には残高証明書等を添付します。候補者の住民票等候補者を指定する場合には、候補者の住所がわかるものを出します。住民票はマイナンバーの記載がないものが必要です。申立は自分でできる?申立の際には、戸籍謄本の収集に労力がかかります。第3順位までの相続人が1人もいないということを証明するためには、かなりの数の戸籍が必要になることがあります。忙しくて時間がない場合や手続きに自信がない場合には、弁護士や司法書士に依頼するとよいでしょう。相続財産管理人選任にかかる費用は?相続財産管理人の選任手続きには費用がかかります。実際に申立をする場合には、費用を上回るメリットがあるかどうかを検討しましょう。申立時の印紙代や切手代は?相続財産管理人選任事件で必要な収入印紙は800円分、切手は裁判所によって異なりますが数千円程度です。さらに、選任後は官報公告が行われるので、公告料金4,230円も納める必要があります。予納金も必要。相場はどれくらい?申立の際の印紙や切手はそれほど高額ではありません。しかし、相続財産管理人の報酬に充てる予納金も納める必要があり、これが高額です。金額は事案によって異なりますが、数十万円から100万円程度になります。相続財産管理人の報酬は相続財産から支払われべきものなので、清算後余剰があれば予納金は戻ってきますが、財産状況によっては戻ってこないこともあります。お金をかけても手続きするメリットがあるかを考えてから申立しましょう。おひとりさまは遺言を書いておく相続財産管理人選任の手続きは、面倒な上に費用がかかります。自分が死んだ後財産を引き継ぐ人がいないおひとりさまは、遺言を書いておくと、周囲の人に迷惑をかけずに済みます。遺言を書くときには、自筆証書遺言や公正証書遺言の形にし、法律的に無効にならないようにしておきましょう。相続財産管理人に関するまとめ身近で身寄りがない人が残した財産があり、自分に利害関係があれば、相続財産管理人の選任申立てを検討してみましょう。もし自分が特別縁故者の立場なら、財産を受け取れる可能性もあります。ただし、費用がかかるので、どれくらいのメリットがあるかを考えておかなければなりません。身寄りがいないおひとりさまは、周囲への負担がかからないよう、誰に財産を譲るかの遺言を書いておくことも考えましょう。
2020年01月31日家族が亡くなることはあまり考えたくないものですが、いつかは起こるのが相続です。身近で誰かが亡くなったとき、自分は財産をもらえるのか、もらえるとしたらいくらくらいになるのかは気になるでしょう。本記事では相続人や相続割合について、法律上のルールがどうなっているのかを説明します。遺産をもらう人はいったい誰?死亡した人は物を所有できません。死亡した人の物、すなわち遺産を誰が引き継いで所有するかは法律で決まっています。法定相続人は配偶者と血族の一部死亡した人(被相続人)の権利や義務を引き継ぐ人は民法で決まっており、法定相続人と呼ばれます。法定相続人になれるのは、親族のうち、配偶者(夫・妻)、子供、父母、兄弟姉妹です。ただし、配偶者以外には次の表のとおり優先順位があります。夫・妻以外の親族は、血族(血のつながっている人)で、義母や義父、義兄弟は含まれません。一方、養子縁組していれば、血はつながっていなくても法律上は血族と同じ扱いになります。離婚しても親子の関係は変わらないので、前妻の子は一緒に暮らしていなくても相続人です。生物学上の親子関係があっても、認知していなければ法律上親子ではないので、お互いに相続人にはなりません。子供と兄弟姉妹には代襲がある子供の方が被相続人よりも先に死亡していることがあります。このようなケースでは、死亡した子供の子供、つまり被相続人の孫が子供の立場を引き継ぎます。このうように下の世代へと相続する資格が引き継がれることを代襲相続といい、第1順位と第3順位で起こります。第1順位では子供が死亡していれば孫、孫が死亡していればひ孫と、どこまでも下の世代へと続きます。一方、第3順位の方は、兄弟姉妹が死亡していてもその子供(甥・姪)までで代襲は終わりです。父母とも亡くなっていれば祖父母父親と母親の両方が死亡している場合に、祖父母のうちの誰かが生きていれば相続人になります。第2順位は、直系尊属のうち最も近い世代の人ということです。相続できる財産の割合は?民法では、相続できる財産の割合も定められています。相続人の組み合わせで割合が変わる相続人は複数いる場合がほとんどです。そのため、誰がどれだけ財産をもらうかという割合も決まっており、これを法定相続分といいます。相続人の組み合わせとしては、配偶者のみ、配偶者と血族、血族のみの3パターンがありますが、それぞれについて次の表のような割合になります。同順位の人が複数いる場合相続分は、同順位の相続人全員での割合です。【例1】妻、長男、次男が相続人→妻1/2、長男1/4、次男1/4【例2】夫、父、母が相続人→夫2/3、父1/6、母1/6代襲相続人がいる場合子供が死亡して孫が代襲するケースでは、死亡した子供の相続分を孫が引き継ぎます。たとえば、死亡した子供の相続分が4分の1で孫が2人いれば、孫1人あたり8分の1となります。実際にもらえる割合は遺産分割協議で決まる民法上のルールにもとづき、具体的な遺産の分割方法は相続人同士が話し合いで決めることになります。遺産を分けるためには話し合いが不可欠相続割合は法律で決まっていますが、死亡した人が残した財産が自動的に分割されるわけではありません。そもそも、遺産の中には土地や建物など簡単に分けられないものが多いという問題があります。遺産を分けるためには、実際には相続人の話し合い(遺産分割協議)が必要です。分け方を決める際に、各相続人は法定相続分をもらう権利を主張できます。生きている間の贈与や貢献度も関係してくる相続人の中に、生前に被相続人から多額の贈与を受けている人がいたり、被相続人の財産形成に貢献している人がいる場合には、そのまま分けるとかえって不公平です。そのため、多額の贈与を受けている場合には「特別受益」、財産形成への貢献がある場合には「寄与分」として相続割合の修正が行われます。民法のルールと違う分け方をしてもいい遺産分割協議では、相続人全員が納得していれば、民法のルールと違った割合で遺産を分けてもかまいません。ただし、必ず全員同意がしていなければならず、一部の人だけで決めても無効です。分け方で争いになったら裁判所で解決相続人間の協議がまとまらないことがあります。遺産の分け方で争いになったら、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、裁判所の関与のもと調停の場で話し合うことができます。調停でも話がまとまらない場合、裁判官が遺産分割審判という形で分け方を決めますが、審判では法定相続分どおりになるのが通常です。審判になった場合、分けにくい不動産は競売でお金に換えなければならない可能性もあります。法定相続人がいないケースではどうなる?相続人になれるのは、夫・妻と、子供や孫、父母や祖父母、兄弟姉妹や甥・姪です。それ以外の家族や親族は原則として財産をもらえません。ただし、特別縁故者が財産をもらえることがあります。[adsense_middle]相続する人がいない財産は国のものになる相続人が一人もいないときには、死亡した人の財産は誰のものにもならず、国庫に帰属します。ただし、自動的に国のものになるのではなく、相続人の不存在を確認したり、亡くなった人に対して債権を持っている人に申し出てもらったりする手続きを踏まなければなりません。家族でなくても財産分与を受けられることがある相続人は1人もいないけれど、被相続人と特別の関係にあった人(特別縁故者)がいるというケースがあります。特別縁故者がいる場合、その人が財産をもらえることがあります。特別縁故者とは、被相続人との間で次の要件をみたす人です。生計を同じくしていた人療養看護に努めた人その他特別の関係にあった人特別縁故者が相続財産をもらうには、特別縁故者自らが家庭裁判所に相続財産分与の申立てをする必要があります。申立て後、裁判所が特別縁故者と認めてくれた場合には、財産の一部や全部をもらえます。法定相続人がいても遺言が優先ここまで相続割合について民法上のルールを説明してきました。しかし、被相続人が遺言を残していれば、民法上のルールどおりにはならない点に注意しておきましょう。法定相続人でも財産をもらえないことがある被相続人が自筆証書遺言、公正証書遺言などの法律上有効な遺言を書いていた場合、遺言に従って財産が引き継がれます。親族ではない第三者に財産を譲る遺言が書かれていれば、その第三者が財産を引き継ぐことになります。また、遺言では相続割合の指定もできるので、法定相続分ではない割合が指定されていれば、遺言どおりになります。遺留分は確保されている相続人のうち兄弟姉妹以外の人には、遺留分と言って最低限の取り分があります。遺留分の割合は次のとおりです。遺留分がある場合でも、自動的に遺留分が確保されるわけではありません。遺言により自分がもらえるはずの財産をもらうことになった人に対し、遺留分を返還するよう請求する手続きが必要です。なお、2019年6月30日以前に死亡したケースでは遺留分を現物で返してもらうのが原則ですが、法改正により2019年7月1日以降に死亡したケースについては、遺留分を金銭で返してもらうのが原則となっています。相続割合に関するまとめ民法上相続割合は決まっているので、この割合にもとづき話し合いで遺産を分ける必要があります。ただし、相続人全員が納得していれば、民法上のルールどおりで分けなくてもかまいません。遺言があれば遺言どおりに財産の引き継ぎが行われるので、民法上の相続割合は関係がなくなります。遺言があっても兄弟姉妹以外の相続人には遺留分があることも認識しておきましょう。
2020年01月25日相続に関するご相談の中で非常に多いのが、どこまでが相続財産の対象となるのかという質問です。相続財産は非常に広い範囲まで対象となりますが、一方で対象から外れる財産もあるため一般の方にはわかりにくいのかもしれません。また、遺産分割の対象と相続税の課税対象となる遺産も微妙に違ってくるため、これから相続手続きをする人は概要についてきちんと理解しておくことが大切です。そこで本記事では、相続財産の対象や種類、相続税の課税関係について詳しく解説します。相続財産の基本的な範囲相続が発生したときに遺産分割の対象となる財産は非常にたくさんありますが、基本的には金銭に限らず物など経済的に価値があるものすべての財産が対象になると考えた方が無難です。代表的な財産についてまとめてみました。現金普通預金、定期預金不動産(自宅、投資用物件など)株式仮想通過金自動車美術品骨董品貴金属基本的に金銭に見積もることができるすべての財産が遺産分割の対象となります。マイナスの財産も対象遺産分割をする際に忘れてはならないのが、借金などのマイナスの財産の相続です。相続が発生すると皆さんプラスの財産についてはしっかりと調査されているのですが、マイナスの財産に関することが頭から抜けてしまっているケースがあるため注意しなければなりません。亡くなった方がしていた借金については、本人が亡くなっても消滅するわけではなく相続人に対して引き継がれることとなります。具体的には次のようなマイナスの財産があります。未払いのクレジットカード自動車ローン住宅ローン(団体信用生命保険に加入していればチャラになる)医療費の支払いその他のローンキャッシング個人間の貸し借りマイナスの財産を配分する時の注意点遺産分割の話し合いではプラスの財産をどう分けるかだけではなく、マイナスの財産についても誰が責任を持つのか一緒に話し合うことになります。ただし、ここで注意しなければならないのはマイナスの財産についてはあくまで相続人間でしか対抗できないということです。例えばプラスの財産であれば、相続人全員で話し合って合意していればどのような割合で誰が相続しようが何ら問題はありません。ところがマイナスの財産についてはちょっと違います。例えば長男と次男がいて、1億円の預金と1億円の借金があったとして、遺産分割で預金と借金を全部長男が相続して次男は何も相続しないということで合意したとします。その後長男が1億円の預金で1億円の借金を全額返済すればよいのですが、万が一使い込んでしまい返済ができなくなってしまうと、債権者は長男だけでなく次男にも法定相続分の1/2については請求できるのです。借金の相続についてはあくまで相続人間の内輪での決め事に過ぎず、債権者にとっては「そんなの知るか」ということになるため、速やかに借金が完済されなければ、たとえ1円も相続していない相続人であっても、債権者から法定相続分に対応した分の借金返済を迫られるので気をつけましょう。借金の相続から逃れる方法何も相続しない人で相続財産に借金がある場合については、上記のように借金の返済だけ債権者から迫られる可能性があります。そこで、債権者からの請求を逃れる方法として相続放棄という手続きが有効です。相続放棄とはあらゆるすべての財産についての相続権を放棄して、最初から相続人ではなかった状態にするという手続きのことで、一切の財産を相続できなくなる代わりに借金の返済についても義務を免れます。そのため何も財産を相続しない場合で相続財産に多額の借金がある場合については、できるだけ相続放棄の手続きをしておいた方がいいでしょう。相続放棄は家庭裁判所に申し立てすることで比較的簡単にできます。取り扱いを間違いやすい遺産について以下の財産は、遺産分割の対象から外れると誤解されているケースが多いため注意が必要です。軽自動車軽自動車の相続についてカーディーラーなどに相談すると、「相続人さん単独で名義変更できるので遺産分割の対象ではないですよ」と案内されることがあるようですが、実はこれ間違いです。確かに軽自動車の名義変更は相続人全員の署名捺印等の必要がないため、やろうと思えば相続人のうち誰か1人が書類を書いて勝手に出しても名義変更ができます。ただこれはあくまで手続き上の問題であって、法的には軽自動車についても遺産分割の対象です。勝手に名義を変えてしまうと他の相続人との間でトラブルになる可能性があるほか、あとで相続放棄をしようとしてもできなくなってしまうため十分注意しましょう。税金関係所得税や住民税、固定資産税など未払いのままになっている故人あての税金についても相続の対象となるため相続人が納税しなければなりません。ただ、マイナスの財産としてプラスの財産から差し引くことは可能です。祭祀関係の財産仏壇や仏具、お墓や墓石などの財産のことを祭祀財産といい、遺産分割とは別で考えることとなります。具体的には祭祀継承者を決めてその人が相続することになるのですが、決め方については遺言書に指定されていればその内容に従い、指定がなければ相続人で話し合って決めるなどその地域の慣習などをもとに決めていきます。ちなみに祭祀財産には相続税はかかりません。生命保険は相続税の課税対象?遺産分割と相続税申告において取り扱いが異なるのが生命保険です。生命保険は誤解したまま手続きを進めていると、相続税の申告漏れが発生する可能性もありますので注意しなければなりません。生命保険の保険金は、保険契約において受取人に指定している人固有の財産という扱いを受けるので、遺産分割の対象からは外して話し合うことになります。そのためか保険金には相続税が課税されないと思い込んでいる人がいるのですが、実は保険金は相続税の課税対象なんです。[adsense_middle]保険料を誰が負担していたか生命保険に対して課税される税金は3種類あります。契約の仕方によって異なりますので、生命保険を受け取る際には注意が必要です。ポイントは、誰が保険料を負担していて誰が保険金を受け取るかということです。保険料を自分で支払って保険金も自分で受け取る場合については、支払った保険料と受け取った保険金の差額に対して所得税が課税されます。保険料の負担者、被保険者(保険をかけられる人)、受取人がすべて別人の場合、保険料の負担者から受取人に対して保険金相当額の贈与があったとみなされて、保険金に対して贈与税が課税されます。保険料負担者と被保険者が同じで受取人だけ別人の場合は、保険金に対して相続税が課税されます。また、保険料負担者と被保険者、受取人がすべて別人の場合において保険料負担者が死亡した場合は、解約返戻金相当額に対して相続税が課税される点にも注意が必要です。このように生命保険は課税される税金が3種類あるため、保険金を受け取る前に自分はどの税金を支払う必要があるのかよく確認しましょう。生命保険の非課税限度額生命保険で受け取る保険金については、500万円×法定相続人の人数分の非課税枠がありますので、受け取った保険金がその金額以下であれば相続税は非課税です。そのため、生命保険を使って相続税対策をするのであれば、非課税となる金額を予め計算したうえでその金額におさまるよう保険契約を調整するとよいでしょう。生命保険で愛人と相続税でもめる!?世の中には生命保険の受取人を家族とは関係のない愛人に指定している人も少なくありません。受取人は相続人以外でも指定はできますので、保険契約としては何ら問題はりませんが相続税申告の際にかなりの確率でトラブルとなります。というのも、保険金を受け取る愛人からしてみると自分がいくら受け取っているのか相続人に知られたくないはずです。ところが相続税を計算するためには、愛人が受け取った保険金も含めて計算しなければならないため、愛人から保険金の金額を聞き出さなければなりません。また、愛人は相続人ではないものの保険金を受け取ることで相続税を納税しなければならなくなるのですが、そのことを理解できていない人が非常に多いです。相続税申告は本来納税する人が全員で申告するのですが、愛人がそれを拒否することが多く、相続税を正しく計算できないというトラブルが起きてしまいます。この場合は仕方がないので相続人と愛人で別々の申告書を作成して相続税申告をするしかないのですが、申告書の金額がずれるケースが非常に多いので税務調査の対象になる確率がかなり上がると考えた方がよいでしょう。遺産から控除対象となる葬儀費用の種類についてプラスの財産からマイナスの財産を差し引いた金額が相続税の課税対象になるとお話しましたが、この時に控除できるマイナス財産の中に葬儀費用も含めることができます。ただ、葬儀に関連した費用であればなんでも認められるわけではありません。葬儀費用に含まれるもの次の費用については葬儀費用として相続税の申告の時にプラスの財産から控除することが可能です。火葬にかかる費用埋葬にかかる費用遺体の回送、運搬費用お通夜、告別式の費用葬儀費用に含まれないもの次の費用については葬儀費用には認められないため、プラスの財産から控除することができません。香典返し法事にかかる費用墓地やお墓の購入費用ポイントはお墓の購入費用です。お墓は生前に本人が購入すれば相続税を非課税にできますが、死後になってしまうと購入費用をプラスの財産から差し引けなくなりますので注意しましょう。相続財産に関するまとめ今回ご紹介したように遺産分割の対象となる財産と相続税の課税対象となる財産は微妙に異なりますので、認識を間違えないよう注意が必要です。遺産分割や相続税申告をする際には、話し合いや手続きを進める前に相続財産に漏れがないかを入念に確認することが重要で、慌てて先に進めると後で新たな財産が見つかってトラブルになります。まずは徹底的に財産調査を行ったうえで財産の仕分けをして、そこから協議に入るとよいでしょう。
2020年01月20日相続が発生したら相続税の確定申告が必要となりますが、実はすべての人に確定申告の義務があるわけではありません。また、一定の財産を相続する場合は相続税のみならず所得税の確定申告が必要になる場合もあるため注意が必要です。そこで本記事では、相続においていくらから確定申告が必要となるのか、また相続税、所得税が課税されるケースについて詳しく解説します。最近ご相談が多い、2019年の法改正によって変更になった部分についても触れていきますので、ぜひ最後まで読んでいただくことをおすすめします。相続したら確定申告は必要?相続が発生したとしても、すべての方が確定申告をしなければならないというわけではありません。確定申告の必要があるのは、相続税又は所得税が課税される場合です。相続税申告が不要なケース相続税は課税遺産総額が相続税の基礎控除額を超えた場合に課税されるため、基礎控除額を下回る場合は相続税の確定申告は必要ありません。ただし、相続税がかからない=相続税の確定申告が不要、と認識している人が時々いますが、これは大きな間違いなので注意が必要です。たとえ相続税が課税されない場合でも確定申告は必要なケースがあり、申告せずに放置していると無申告加算税や延滞税が課税される危険もあります。特例を使って評価額の金額を減らす場合相続税の計算をする際には、配偶者が相続する財産について1億6,000万円か法定相続分のどちらか多い方まで上限として相続税が非課税となる配偶者の税額軽減や、亡くなった方が住んでいた自宅の土地の評価額が80%オフになる小規模宅地等の特例といった特例制度を使うことができます。これらの特例を適用することで相続税の基礎控除以下におさまり、結果として相続税が非課税となる場合については、たとえ相続税はかからないとしても特例を適用させるために必ず確定申告をしなければならないのです。特例を適用しないまま申告期限が過ぎてしまうと、特例を適用できなくなる恐れがあるため十分注意しましょう。原則として所得税の申告は不要だが、、、相続発生時に課税される税金は原則として相続税なので、所得税についてはほとんどのケースで課税されません。ところが、次のケースについては相続であっても所得税の対象となるため所得税の確定申告をする必要が出てきます。家賃収入がある場合相続財産にアパートなどの賃貸物件が含まれている場合、亡くなる日までの家賃収入は故人の所得となりますが、その後の家賃収入については相続人の所得となるため、相続税ではなく所得税の課税対象となり確定申告が必要になります。相続人が1人だったり、遺産分割の話し合いで揉めていなかったりすればよいのですが、もしも協議が難航しているとその間の家賃収入をどのように申告するのかが問題となります。相続が発生してから遺産分割協議がまとまるまでの家賃収入は、原則として民法で規定されている法定相続分に従って家賃収入を按分して相続人各自で確定申告を行うことになるのです。後で遺産分割協議が決定して法定相続の比率とは違う比率で分割したとしても、すでに行っている所得税の確定申告の修正を行う必要はありません。その場合は遺産分割協議の後に発生した家賃収入について所得税申告をすれば大丈夫です。生命保険に加入している場合亡くなった方に生命保険をかけている場合で、契約者と保険金の受取人が同じ人の場合は保険料と保険金の差額に対して所得税が課税されます。ちなみに生命保険は契約形態によって同じ保険金だとしても課税される税金が次のように異なります。基本的に契約者が保険料を負担していると仮定した場合です。保険料を負担した人と保険金を受け取る人が同一であれば所得税、別人であれば相続税または贈与税が課税されます。[adsense_middle]生命保険加入の落とし穴税金対策で生命保険に加入する人が増えていますが、実は間違った方法で契約している人が多く、そのせいで本来は課税されるはずのなかった相続税が課税されるケースも増えているため注意が必要です。例えば子供のために親が生命保険に加入するケースがよくあります。契約者:子供保険料負担者:母被保険者:子供受取人:子供このような契約の場合、保険料を負担しているのは母親なので表面上は生前贈与対策になっているように見えますが、実はそうではありません。仮に生命保険が満期を迎えて受取人に保険金が支払われた場合、支払われた保険金に対して贈与税が一気に課税されるのです。仮に1,000万円の保険金が支払われた場合、177万円の贈与税が発生するため非常に大きな痛手となります。保険料負担者が死亡した場合もっと深刻なのは保険料負担者が途中で死亡した場合です。保険料を負担していた人が死亡すると、それまで保険料を支払って加入していた保険契約を解約した場合に支払われる解約返戻金相当額に対して相続税が課税されてしまいます。贈与税の場合とは違い、実際に解約するのでなければ現金は増えないのに税金だけ課税されることになるのです。親にこっそり負担して貰ってもバレる保険料負担者については、多くの場合で保険料を口座引き落としにしていることで税務署にバレます。贈与税の基礎控除である年間110万円の範囲で保険料を負担し続けたとしても、肝心の保険料を贈与を受けた人以外の口座から自動引き落としにしてしまうと、たとえ贈与契約書があったとしても贈与税が課税される可能性が極めて高いです。そのため、贈与を受けたお金で保険料を支払う場合は、贈与したお金を受け取った人の口座に入金してそこから自動引き落としで支払う必要があります。2019年民法改正によって遺産に所得税が課税されるケースとは2019年7月に民法改正によって、従来まで課税されるはずのなかった所得税が課税される危険性が出てきました。次にご紹介するケースに該当すると、相続なのに所得税がバッチリ課税されてしまい確定申告が必要になります。ただ、回避策についても合わせて解説しますので、今後相続を控えている人は是非最後まで読んで参考にしてください。相続は遺産分割か遺言書相続が発生した場合、手続きの流れとしては遺産分割協議をする場合と遺言書がある場合との2種類に分かれます。基本的に一定の条件を満たしている遺言書が見つかった場合は、遺言書の内容に従って遺産を分けるため遺産分割協議をする必要はありません。反対に遺言書がない相続については、相続人全員で話し合って遺産を分け合うことになります。2019年の改正で影響を受けるのは、遺言書がある相続のケースです。遺留分を害する遺言書の場合遺言書は本人の好きなように分け方を指定することができるので、場合によっては子が2人いるのに「すべての財産を長女に相続させる」といった強引な遺言書が見つかることも少なくありません。例えば長女と次女の2人が相続人だとした場合に次女がそのまま受けるのであれば特段問題はありません。ところが、もしも次女が納得いかないと怒った場合、次女には遺留分という民法で保護されている最低限の取り分(法定相続分の半分)があるため、たとえ遺言書が全額長女を指定していたとしても1/4については遺留分として長女に請求することができるのです。ここでポイントとなるのが、遺留分を請求する時のやり方です。遺留分を戻す時の配分仮に相続財産が預金1億円、土地1億円の合計2億円だとした場合、次女の遺留分である5,000万円はどこから渡すことになると思いますか?手っ取り早く考えるのであれば、預金1億円から5,000万円とって渡すのがシンプルに見えますが、実は法改正前はそのようなやり方が原則としてできず、預金2,500万円、土地2,500万円という配分にしなければならなかったのです。土地が共有状態にこのようなやり方をすると預金は問題ありませんが、土地については1つの土地を3/4と1/4という割合で長女と次女が共有することになってしまいます。そうなると将来的に長女が土地を売却したいと思っても、次女が賛成してくれないと売却ができなくなってしまい大きな不都合が生じていたのです。よって、2019年7月の法改正によって次のように改正されました。遺留分は金銭で精算2019年の法改正によって遺留分はすべて金銭で支払うこととなりました。よって先ほどの事例で言うと、長女から次女に5,000万円の金銭を渡せば土地を共有する必要はなくなったのです。非常によい改正なのですが、実は税金の話でいうと所得税が課税される可能性が出てきてしまったのです。所得税という税金が課税されるわけ先ほどの事例のように相続財産の中に多額の預金があればよいのですが、相続は預金残高がわずかで不動産の割合が多いというケースがよくあります。そうなると遺留分を金銭で支払うといっても、5,000万円という大金が準備できないという問題に直面する可能性があるのです。みなさんならこの場合どう解決しますか?おそらくほとんどの方が、不動産から5,000万円分を次女に渡して解決しようと考えるでしょう。ところが、残念ながら2019年7月の法改正後は上記のケースで次女に不動産から5,000万円分を渡してしまうと、長女の側に所得税が課税されてしまうのです。所得税課税のメカニズムもともと長女には次女に5,000万円を払わなければならない債務を負っています。これに対して長女が一定の土地の持分を渡すことで5,000万円の債務から逃れられることから、税務上は長女が次女に土地を5,000万円で売却したと考えて土地の売却益に対して所得税が課税されるのです。そもそも遺留分で渡すお金がないから土地を渡しているのに、そこに対して所得税を課税してくるとはなんとも酷な気もしますが残念ながらどうにもなりません。所得税を回避する方法万が一上記のケースで課税されると、所得税15%のみならず住民税についても5%課税されてしまいます(長期譲渡所得の場合)。この状況を回避するためには、遺言書が見つかった場合でも遺言書をなかったことにして遺産分割協議をすることが有効です。遺産分割協議をした上で、土地5,000万円を次女に割り振れば所得税が課税されることはありません。あくまで遺留分の精算として次女に渡した場合に所得税が課税されるので、遺産分割協議に切り替えてしまうことで最悪の状況は回避できます。相続における所得税の確定申告の必要書類やむなく所得税が課税されてしまう方については、会社員の方で年末調整をしている場合でも翌年2月中旬から3月中旬にかけて確定申告をしなければなりません。特に今回ご紹介した所得税は、譲渡所得税といい所得総額に総合課税されるのではなく分離して課税されるため計算方法が異なります。必要書類として準備が必要なものは主に以下の通りです。確定申告書譲渡所得の内訳書戸籍の附票遺言書など購入時の金額がわかるもの[adsense_middle]故人の確定申告(準確定申告)も必要ここまでは相続人の申告について解説してきましたが、実は亡くなられた方本人の死亡を知った翌日から起算して4ヶ月以内に相続人が代わって確定申告をしなければなりません。この申告のことを準確定申告といい、通常の確定申告と同じように青色申告をすることも可能です。準確定申告によって亡くなられた方のその年の所得について申告をするのですが、とにかく期限が4ヶ月と短いため葬儀や法事に忙殺されていると期限を過ぎてしまう恐れがあります。そのため、準確定申告についてはできれば相続税申告と合わせて税理士に任せてしまった方が得策です。相続における確定申告に関するまとめ今回は相続における確定申告について解説してきました。相続といえば相続税がかかることは知っていても、今回ご紹介した事例のように所得税が課税されるケースがあるとは知らなかった方が多いのではないでしょうか。何も考えずに手続きだけ先に進めてしまうと、気がついたときには所得税が課税されてしまっている可能性がありますので十分注意が必要です。生命保険のケースも遺留分の法改正のケースも、事前に所得税が課税される仕組みを理解して対策をとればそこまで大きな問題ではないので、今回の記事を参考にしていただき是非対策をとられることをおすすめします。
2020年01月19日日本の高齢化が進む中、将来の相続について考える方も増えているのではないでしょうか。相続対策を考えるにあたって非常に重要な位置づけとなるのが相続税です。相続税はすべての人に課税される税金ではなく、基礎控除額を上回った場合にだけ課税されます。そこで本記事では、相続税の基礎控除の計算方法や相続税申告に関連する基礎知識について詳しく掘り下げていきたいと思います。相続税とは?相続税とは相続等によって取得する財産に対して課税される税金で、亡くなられた方が持っていたあらゆる財産について課税の対象となります。具体的には、土地や建物などの不動産や現金、貯金、株式、投資信託、仮想通過、金、ゴルフ会員権など資産としてプラスになるものはもちろんですが、故人が残した借金についても相続の対象となるため注意が必要です。マイナスの財産を忘れる人が多い相続が発生した人から相談を受けた際に、「遺産はそんなに多くないので、調べるのは簡単です」という人がいます。ですが、プラスとなる資産については比較的楽に調べてまとめることができるのですが、借金については書類がちゃんと残っていないと相続人でも気が付かないことがよくあります。マイナスの財産を見落とすと、本来払う必要のない相続税を支払ってしまうこともあり得るのです。また、あまりにも借金の方が多く残っている場合については、相続するのではなくて相続をしないという手続きである相続放棄をした方がよいケースもあります。相続放棄は相続が開始してから3ヶ月以内に家庭裁判所で所定の手続きをしなければならず、そういった手続きをしないまま3ヶ月以上経過してしまうと相続によって借金を背負うことになってしまうため注意しましょう。相続税の基礎控除額とは?相続税の基礎控除の額とは、相続税が課税される金額から差し引くことができる金額のことで、原則としてすべての相続人について適用ができる相続税の控除制度の1つです。冒頭で相続税はすべての人に対して課税される税金ではないと言いましたが、これは相続する資産の合計が基礎控除の金額を超えなければ相続税が課税されないことによります。相続税申告が必要なケース基礎控除以下の資産を相続するのであれば相続税は非課税ですが、相続税申告もしなくていいのかというと必ずそうとは限りません。相続税がかからない場合でも配偶者の相続税負担が軽くなる配偶者の税額軽減や、亡くなられた人が住んでいた家の建っている土地の評価額が80%オフになる小規模宅地等の特例といった各種特例制度を使うことで基礎控除額を下回るという場合については、たとえ相続税がかからなかったとしても、相続税申告だけはしなければならないのです。このことを知らずに「うちは相続税がかからないから」と高を括っていると、相続税申告期限が過ぎてしまい、おまけに特例も使えなくなるといった状況に陥る可能性がありますので注意しましょう。相続税の基礎控除の計算方法相続税の基礎控除額は次の計算式に当てはめて算出します。相続税の基礎控除の額=3,000万円+600万円×法定相続人の人数例えば、妻と子供3人が相続人となる場合、基礎控除の金額は4,800万円となります。[adsense_middle]改正でどのくらい控除される金額が減ったの?ちなみに、平成27年に法改正がされるまでについては以下の計算式でした。改正前の相続税の基礎控除の金額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の人数先ほどと同じ条件で計算すると8,000万円となり、法改正によって基礎控除の金額がかなり縮小されたことがわかります。これによって、今までは課税される資産が基礎控除の範囲に納まっていたために相続税とは縁がなかったご家庭についても、半分近くまで基礎控除が減額されたことによって課税されるようになったのです。計算に含められる法定相続人の人数とは計算式を見ると分かる通り、相続税の基礎控除の金額は法定相続人の人数1人あたり600万円増えます。法定相続人は民法で優先順位が次のように決まっています。配偶者相続人亡くなった人の配偶者が存命の場合は、必ず法定相続人となります。血族相続人配偶者以外の親族については、次の優先順位に従って法定相続人となります。第一順位:子、(代襲相続の場合は孫)第二順位:直系尊属(父母、祖父母)第三順位:兄弟姉妹(※欠格や廃除があった場合は変わります。)このように法定相続人となる人と優先順位は民法によって決められているのですが、相続税の節税対策を考える人の中には、ある方法で基礎控除を増やそうとする人がいるのです。養子縁組で基礎控除を増やす第一順位の子というのは、亡くなられた人と血のつながりがある実子だけでなく養子縁組して実子になった子についても該当します。普通養子縁組は最寄りの役所で比較的簡単に手続きができることから、子がいるにもかかわらず孫と養子縁組して法定相続人を増やすという技を使う人がいるのです。確かに法定相続人が増えれば基礎控除も増えるのですが、これには大きなリスクがあるため注意が必要です。計算に含める養子には制限がある基礎控除の計算で法定相続人に含めて計算できる養子には、次のような制限が規定されています。実子がいる場合は1人まで実子がいない場合は2人までですので、最大でも2人までしか効果がないので、そのためだけに養子縁組することは決してオススメできません。バレると節税できない税務署側は基本的に節税目的の養子縁組を認めていません。そのため先ほどの制限の範囲内の養子だとしても、例えば遺産分割において養子に一切財産を相続させないなど、養子縁組をした理由に疑問が生じるような状況が発生すると、「節税目的で養子縁組してますよね」という指摘を受けることとなり、税務署長の権限で養子の人数を1人残らず基礎控除の計算式から除外されてしまう可能性があるのです。このことは相続税法第63条に規定されており、不当減少養子といいます。また、本人は節税対策目的で養子縁組したとしても、法律的には正式な法定相続人であり遺産を相続することができるため、場合によっては養子縁組したことによって遺産分割が大揉めになってしまうこともあります。よって、養子縁組は絶対に節税対策で使わないようにしましょう。相続税の申告期限について相続税は死亡を知った日の翌日から考えて10ヶ月で申告期限となります。例えば2020年1月10日に亡くなられた場合、その日のうちに相続人が死亡を知ったとすると相続税の申告の期限は2020年11月10日となります。ちなみに、最終日が土日祝日にかかる場合については翌平日扱いになり、仮に2020年11月10日が土曜日であれば2020年11月12日月曜日が申告の期限です。死亡を知った日の翌日からスタート相続税の申告期限で間違いやすいのが、どこから申告の期限のカウントダウンがスタートするのかという点です。死亡を知った日であり、死亡した日ではないので、例えば相続人が海外に住んでいて親が死亡したにも関わらずなかなか連絡が取れず、最終的に1カ月後に死亡の事実を知った場合についてはそこから10ヶ月のカウントダウンがスタートします。期限はあっという間にやってくる期限まで10ヶ月もあると思うかもしれませんが、実際のところそんなに余裕のあるスケジュールではありません。というのも、家族の誰かが亡くなると相続手続きは二の次でまずは葬儀の手配、火葬場の手配、埋葬の手配などやらなければならないことがほかにたくさんあります。その後もおおむね四十九日の法要が終わるくらいまでは、相続手続きに着手することすら難しいでしょう。遺産分割協議を先に終わらせる必要がある相続税申告の流れの中で最も障壁となるのが遺産分割協議です。相続税はたとえ同じ金額の資産だったとしても、誰が、どのように、いくら相続するのかによって課税される相続税の税額が違ってきます。しかも、相続税は原則として相続人全員で相続税を計算したうえで、それぞれが相続する割合に従って按分して税金を納めるので、遺産分割協議が終わらないと相続税が計算できず相続税申告もできないのです。とはいえ遺産分割協議は揉めることが多く、調停や裁判になると何年、何十年という長期間にわたることもあります。どうしても相続税申告に間に合わない場合遺産分割協議が終わらないからといって相続税の申告期限を延長してくれるわけではありません。たとえ相続人の間でひどく揉めているような場合でも、相続税の申告期限は絶対に守らなければならず、期限に1日でも遅れてしまうと次のようなペナルティが課せられます。無申告加算税:自主的に申告した場合は5%、税務調査が入ってから申告した場合は15%延滞税:2019年は年2.6%(税率は年によって異なります。)さらに、先ほどご紹介した配偶者控除や小規模宅地の特例なども使えなくなってしまいます。[adsense_middle]未分割申告をする遺産分割が終わらないまま申告期限が迫ってきてしまった場合については、未分割申告という方法で相続税申告をする必要があります。未分割申告とは、遺産分割の協議がまとまらないので、とりあえず民法で決められている法定相続分に合わせて相続したと仮定して相続税を計算し申告するやり方です。未分割申告をするには相続税申告書を提出するにあたって、申告後3年以内の分割見込書という書類も一緒に添付して申告します。未分割申告で申告しておけば、無申告加算税や延滞税は課税されません。ただし、未分割申告の場合は配偶者控除や小規模宅地等の特例といった相続税を低く抑える特例制度が使えないため注意が必要です。これらの軽減制度は本来相続税を大幅に減額することができる制度なので、一切適用できないとなるとかなりの金額の相続税を一旦納税しなければならなくなります。ですので、できることなら申告期限までに遺産分割を終わらせて、特例を適用したうえで通常の相続税を納税したほうがよいでしょう。更正の請求で相続税が戻ってくる未分割申告をすると高額な相続税が発生しますが、遺産分割が終わってから分割内容に合わせてもう一度相続税申告をすることで、多く納税しすぎている分の税金を返してもらうことが可能です。この手続のことを更正の請求といいます。申告をやり直すことを修正申告という人がいますが、修正申告は申告漏れなど少なく納税しているものを正すことで、税金を払いすぎている場合にするのは更正の請求というのです。実は相続税申告をした人の中には、計算ミスや評価額の判断ミスなどによって通常よりも多く相続税を納めすぎてしまっている人が結構います。そのため、相続税の取り扱い件数が多い税理士の中には、相続税の還付である更正の請求をメインとするセカンドオピニオンを大々的に宣伝してやっているケースもあるくらいです。遺言書があると相続税申告がスムーズ遺産分割が終わらないせいで未分割申告をせざるをえないケースが多いですが、遺言書が残されていればそのような心配も無くなります。というのも、法律に従った遺言書が残されていれば遺言書に書いてある通りに遺産分割をすればよいので、遺産分割の協議を相続人全員でする必要がなくなるのです。相続税申告をする際の添付書類についても、遺産分割協議書は不要になり家庭裁判所で検認した遺言書をもって代用することができます。遺言書というと相続発生後の揉め事を防ぐというイメージがあるかもしれませんが、相続税申告においても手続きがとてもスムーズになるので効果的です。相続税の基礎控除に関するまとめ相続税の基礎控除額の計算方法はとても簡単ですが、法定相続人となる人が誰なのかを勘違いしていると大変です。相続人が1人違うと600万円も変わってきてしまうので、計算する際にはまず誰が法定相続人なのかを入念に確認してからにしましょう。また、相続税の申告期限は10ヶ月しかありませんので、相続が開始したらできるだけ早く手続きに着手することをお勧めします。万が一期限を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税などのペナルティが重いので十分注意が必要です。特に不動産や株式など評価額の計算が必要となる資産を相続する場合については、個人の方が自分で相続税申告をするには荷が重すぎるので、できる限り税理士に依頼してやってもらった方がよいでしょう。
2020年01月17日今回は住民税をクレジットカードで支払いたい方向けの記事になります。クレジットカードも今では多種多様でポイント等お得な還元がありますよね。せっかく支払うのであれば是非ともお得な方法で支払いたいものです。もちろんメリットだけでなくデメリットについても解説していきますので、お付き合い下さい。住民税の支払い方法について解説しますはじめに住民税の支払いについて解説しておきたいと思います。住民税は前年度の所得に応じて計算される所得割と一律課税の均等割から成り立ちます。その所得割、均等割で算出された課税額をお住いの自治体である都道府県と市区町村に対して支払います。支払いは毎年6月から発生する事になります。そして給与所得者と事業所得者とで支払いの方法が異なります。雇用されていてお給料を頂いている方は特別徴収で納付サラリーマンやパート、アルバイト等で一定額以上の所得がある方は特別徴収といって毎月のお給料から住民税を天引きする仕組みになります。住民税の計算が終わって6月から支払いがスタートしますが、翌年の5月まで天引きされる事になります。つまり12カ月に渡って支払い続ける事になります。この場合お給料を支払う企業が各自治体に対して住民税を納付する事になります。比較的大きな金額になりがちな住民税を12カ月に渡って納付する事になりますので、支払いの負担軽減、給与天引きされる事での支払い漏れの失念は解消されます。今回テーマのクレジットカード払いは、残念ながら対応していませんので、先々の制度改定に期待しましょう。個人事業主等の確定申告が必要な方は普通徴収で納付個人事業主やサラリーマンでも副業を認められている場合等は毎年確定申告を必要とします。この場合特別徴収と違って普通徴収と呼ばれる方法で納税します。毎年6月に自宅に納付書(払込票)という通知が届きます。通常4期(6月、8月、10月、1月)に分かれており、支払い期限が決まっている振込用紙のようなものです。この用紙は役所や銀行、コンビニで支払い対応しており、支払いが完了したら端っこを切り取って領収書に変わります。支払い期限までに直接納めなければならないので、期限切れなどの失念しがちなデメリットがあります。支払い漏れを防ぐためには、口座振替による引落に切り替える事もできますので可能な方は切り替えておきましょう。クレジットカード決済が出来るのは普通徴収で納税している方先程までは住民税の支払い方法に関して解説しました。解説の通り、特別徴収の方はクレジットカードでは決済できませんでした。しかし普通徴収の方に限りクレジットカードでの住民税支払いが可能です。まずクレジットカード払いの方法から解説し、その後にメリット、デメリットそれぞれを解説していきます。クレジットカードでの支払い方法は?ここからはクレジットカードによる支払いの方法を解説していきます。払込票を準備して下さい必ず必要になるのが納付書(払込票)です。この納付書が無ければクレジットカードで決済する事はできませんので、紛失しない様にしておきましょう。納付書記載の情報が必要になります納付書には加入者名、口座番号、通知番号、収納機関番号、納付書番号、確認番号、賦課年度期別、納付額、納付期限といった細かな情報が記載されています。この情報で個人のいつの住民票に充当されるのか等が管理されており、この中でクレジットカード払いに場合に必要な情報として、「年度」「通知番号」「納付書番号」「確認番号」の4つは必須となります。特に通知番号や納付書番号、確認番号は個人で指定できる番号ではありませんし、番号が分からなくなると、そもそもの納付書を再発行して貰わなくてはいけませんので、紛失には注意しましょう。クレジットカードの支払いはどこで行うの?まずYahoo!の公金支払いサイトを開きます。URLは下記の通りです。このサイトにアクセスしたら、「税金・料金を支払う」をクリックします。地域から探す事も出来ますし、税目から調べて支払う事もできます。今回は税目からの流れを解説します。税目をクリックしたら、次はお住いの地域に移ります。お住いの地域をタップすると、市県民税や町県民税等の項目が出てきます。この時、YahooのIDを持っている方は予めログインしておくと便利です。後は画面の流れに従って通知番号など必要な情報を入力し、最後にクレジットカード情報を入力し決済完了となります。クレジットカード払いのメリットは?メリットとして、現金で納税しなくて良い点です。通常は納付書を使って現金で納めますが、クレジットカードを利用する事によって、現金を手元に残す事が可能です。またクレジットカード決済のタイミングによっては引落の月を調整する事も可能になります。いわゆる締日の関係です。カード会社やブランドによって何日締めの何日払いが決まっています。この支払いのタイミングを調整する事で、お金の流れをコントロールする事も可能です。そして何より、クレジットカードにはポイントが付与されます。最近ではポイントが付与されるカードばかりです。ポイントの使い道はカード会社によってバラバラですが、貯まったポイントで商品券に変えたり、貯まったポイントでお買い物や支払いができたりと様々です。このポイントは今非常に注目されていて、賢くお買い物をする際にどのカードを使うか等悩ましい一面もあるくらいです。税金を現金でただ支払うのか、それともポイントを付与して貰うのでは先々で大きな違いになってくるでしょう。クレジットカード払いのデメリットは?デメリットと言えば、使えるカードブランドは注意しておきましょう。念の為に調べてみると、マスター、ビザ、JCB、ダイナース、アメリカンエキスプレスのみが利用できるカードとなっています。他のブランドでは使えませんので、注意しておきましょう。決済手数料は?他のクレジット利用法を解説ここまでの解説は一般的な事について解説してきました。では手数料はいくら位の負担になるか等、細かい部分を解説していきたいと思います。[adsense_middle]納付金額によって決済手数料が異なる住民税を納付するにあたり、決済の金額は各個人で異なります。その場合にかかる決済手数料は、支払う方の自己負担になります。10,000円までは55円、20,000円までは165円、30,000円までは275円、と徐々に上がってきますので、参考までに。とはいえ、決済した金額にもよりますが、カードにポイントが付きますので、手数料を考えない様にしておいた方が良いでしょう。あまりに細かく気にし出すと躊躇してしまいますからね。住民税を分割で納付できるの?クレジットカードで決済した場合、分割で納める事は出来るのか?という事ですが、支払いの方法を「一括払い」「リボ払い」「分割払い」と利用する事ができます。つまり、住民税が4期に分かれていますが、そのうち1期分を支払う際、分割にする事も可能になります。カードブランドによって分割可能な回数が異なりますので、下記を参考にして下さい。考え方によっては、住民税4期を分割する事も可能であるという事になりますよね。但し支払いが非常にきつい場合のみにしておきましょう。住民税をクレジットカードで支払う方法に関するまとめ今回は住民税をクレジットカードで支払う場合について解説してきました。現在では普通徴収の方のみ該当している状況ですが、折角支払うのであれば、ポイントを付与して貰う方が良いですよね。賢くクレジットカードを利用し、還元を受けましょう。
2020年01月13日今回は住民税の金額を安くする為の控除について解説していきます。一般的に節税という言葉は法人が関係しますが、個人でも節税は可能です。ケースによりますが、所得税よりも住民税が高くなる事もありますので、可能であれば対策しておきたい所ですね。では条件や控除の内訳など詳しく解説していきましょう。住民税額算出の仕組みは?はじめに住民税の金額がどの様にして決まっていくのかを解説していきます。この流れの中で今回のテーマが該当してきますので、流れそのものを憶えておいて下さい。前年度の所得から計算される住民税は前年度の所得に応じて計算される「所得割部分」と、所得関係なく一律で課税される「均等割部分」の2つに分けられます。この2つを合わせて住民税と言いますが、今回の控除が関係してくる部分は「所得割部分」です。この所得割部分は課税所得を算出して初めて課税される事になりますので、一番初めに行う事は様々な控除を行う所からスタートします。流れを図解したものが下図になります。流れを箇条書きにするとこんな感じです。給与(売上)の総支給額が確定する所得控除を行い課税所得が判明する所得割部分の税率をかける税額控除があれば差し引く最終的な住民税額が決定する。翌年の6月より支払いが始める重要な項目は②と④今回の控除をテーマにした場合、重要な項目は先程の箇条書き項目の②と④になります。何故なら控除に関しては使える控除項目や使えない(適用されない)項目もありますので、この部分で差が出てきます。また、これまで使ってこなかった項目もあるかもしれません。今回の記事では控除について項目の詳細まで解説していきますので、未使用の項目等あれば是非利用しておきましょう。控除の種類と内容、利用の方法について解説しますここから早速控除の種類、内容に関して解説していきます。流れの中で②に当たる部分から解説していきます。[adsense_middle]誰でも使える控除対象一覧こちらの一覧表をご覧ください。この控除の段階ではサラリーマンや公務員など特別徴収に該当する方は給与所得控除を使い、普通徴収に該当する方は経費を参入し事業所得を計算する流れとなります。尚、来年より給与所得控除の枠が縮小しますので、お気をつけ下さい。この図は住民税控除に関する一覧になります。所得税を計算する際にも同じ控除を使用しますが、控除の金額が異なりますので、参考までに憶えておいて頂ければと思います。また所得税計算と住民税計算において控除額が変わらないものもありますので、合わせて憶えておきましょう。では控除額が変わらないものから一つずつ解説していきますね。所得税・住民税共に控除額が同じ社会保険料控除これは給与明細にも記載があると思いますが、健康保険や介護保険、雇用保険、厚生年金をひっくるめて社会保険と言います。この部分に支払った金額を控除できる部分が社会保険料控除となります。また個人事業主の方が支払った国保の金額も算入する事ができます。支払った金額全額が控除の対象となります。医療費控除住民税計算をされる対象の年に治療などでお金が掛かった場合控除できるものです。最高で200万円が限度となります。また治療費だけでなく、通院に使った交通費、入院した場合の食費も含まれます。但し、個室などに入った際の部屋代(差額ベッド代)は対象外になりますので注意しておきましょう。また平成29年1月よりセルフメディケーション税制がスタートしました。簡潔に言うと、病院にかからず薬局などで購入した医薬品(該当するものとしないものがあります)の金額を控除するというものです。この医療費控除は確定申告を行わなければなりませんので、大きな病気をした際や入院を伴った際は利用しておきましょう。雑損控除あまり利用される事はないかもしれませんが、この控除は震災、風災、火災等災害にあった場合、盗難や横領など被害にあった場合に限り損害額の一部を控除できるといったものです。毎年利用する事はほぼないでしょう。しかし、もし万が一何かあった場合はこの控除を思い出して下さい。小規模企業共済等掛金控除個人事業主が利用できる退職金制度に支払った金額の全額を控除できるものです(上限有り)。個人事業主は国民年金で、年金等もサラリーマンと違って少なくなります。そこで、国の制度として小規模企業共済を作り積立を広く受け入れる様にしました。またこの控除は最近ではiDeCoの拠出金額も対象になりましたので、事業所得メインの個人事業主だけでなく、給与所得者であるサラリーマンも利用する事は可能になりました。次に控除額が所得税と変わるものを解説していきます。所得税・住民税共に控除額が異なる基礎控除これは所得のある方であれば誰でも受けられる控除になります。所得税では38万円、住民税では33万円となっており、主にパート、アルバイトの100万円の壁、103万円の壁などに使われる控除です。配偶者控除・配偶者特別控除これはご結婚されている方のみ使う事が出来る控除です。配偶者の方の所得が103万円以下であれば配偶者控除、38万円以上・123万円以下の場合であれば配偶者特別控除を使う事ができ、控除額も基礎控除と同じ額になります。また、両方同時に使う事はできませんので、どちらかのみ使う事ができます。適用条件の中に納税者本人の所得が1,000万円以下等の諸条件がありますので、高額な所得の方は注意が必要です。扶養控除配偶者以外であり、かつ16歳以上の扶養親族がいる場合に適用できる控除の事です。同居している事が要件ではありますが、お子様が県外へ進学で離れていても適用できる事もあります。また控除の金額も年齢によって異なり、16歳以上から19歳以下の扶養親族の場合は38万円、19歳以上23歳未満は63万円(これを特定扶養親族といいます)、70歳以上のお年寄りで同居の場合は58万円、同居以外は48万円となっております。勤労学生控除先程の扶養控除とは異なり、学生で(この場合小学校、中学校、高校、大学、高専、職業訓練校を言います)給与としての所得がある場合、こちらの控除額を適用する事になります。但し、年間の所得が65万以下である事が条件ですので、年収換算すると130万円以下であれば適用される事になります。所得と年収の違いここで、少し解説を挟みます。年収と所得がごちゃまぜになっている方もいるかもしれませんので、少し整理しておきます。年収は年間に稼いだ金額の総額を指します。例えば毎月の総支給が25万円であれば年収300万円です。この額に課税はされず、年収から控除(上記、以下で解説する控除です)を差し引いた残りが課税所得、いわゆる所得と言います。先程の勤労学生控除は年収130万円ですが、給与所得者であれば最低65万円の給与所得控除がありますので差引65万円の所得になる訳です。障害者控除生計が同一でご家族に障害者の方がいらっしゃる場合に控除できる枠の事です。障害の程度に応じて控除額が変わり、障害者では所得税27万円、住民税26万円(表中)特別障害者は所得税40万円、住民税30万円、同居特別障害者は所得税75万円、住民税53万円の控除額になります。寡婦・寡夫控除配偶者と死別や離別した場合、一定の所得があれば控除できる枠になります。このケースでは再婚していない事が条件の一つになります。生命保険料控除・地震保険料控除生命保険や、火災保険に付帯の地震保険をご加入の方を対象に控除枠を設けたものです。生命保険では新旧保険料の区分があります。主に年末調整で保険会社からのハガキを添付する事が多いのでお馴染みの控除になりますね。寄付金控除個人が社会福祉法人やNPO法人等に寄付を行った場合に控除される枠の事です。よく、ふるさと納税と混同される事もありますが、ふるさと納税は税額控除(課税額を算出する際に最後に行う控除の事)ですので、この所得控除の段階では行いません。控除を沢山利用するメリットや意味はあるのか?これまで控除枠に関して解説してきました。これだけ多くの控除を使ってメリットはあるのか?というご質問を受け付けますが、答えとしてメリットはあります。理由は税金が安くなる事に尽きます。何故なら税の種類は異なりますが消費税に反対の方は多かったと思います。何故でしょう?支払いが増えるし、家計を圧迫しかねないからですよね。同じ理屈で、誰もが税金に前向きでないのが現状ではないでしょうか。少ない控除枠かもしれませんが、使える制度である以上、使っておく事の方が賢い選択だと思います。住民税控除に関するまとめ今回は住民税の控除に関して解説してきました。控除は多くあり、使える方、使えない方と様々です。使える控除は大いに使って節税できればと思います。
2020年01月13日今回は住民税の税額に関する解説を行っていきます。所得のある方であれば殆どの方が課税される住民税ですが、地域によって格差がある事はあまり知られていません。どんな算定方法なのか、また課税の仕組みや納付方法に関して詳しく解説していきますね。住民税の金額はどうやって決まるのか?はじめに住民税に関する基本のところから解説を始めます。住民税はお住いの自治体に納める地方税になり、1月1日時点で住民票を置いてある自治体に納付する事になります。住民税に関する自治体とは、都道府県と市区町村の2つを指し、一般的に都道府県に納める税金を県民税、市区町村に納める住民税を市民税と言います。住民税は前年度の所得に応じて計算される所得割額、一律で課税される均等割額と2つから構成されており、それぞれの算出課税額を県民税、市民税として納める事になります。住民税の具体的な算出方法住民税は前年度の所得と解説しましたが、具体的なイメージは次の図をご覧ください。この様に前の年の所得を算出し、翌年6月から支払いが開始する事になります。ではどんな計算方法で算出されるのか見ていきましょう。住民税はこの様にして決まる先にこちらの図をご覧ください。まず一年間のお給料や売上の総額が12月31日時点で決まります。次に所得控除を行い、課税所得と呼ばれる課税に関して算出しなければならない所得を導き出します。そして住民税額を掛けて、そこに均等割額を足し、最後に税額控除を行い、最終的な住民税額が決まる流れとなります。年収と所得の違いは?ここで、よくある質問ですが、年収と所得の違いについて簡単に解説をしておきますね。年収(年商)は一年間に受け取ったお給料の総額になります。この年収にはボーナスも含まれる事になります。一般的には総支給額や粗(あら)と呼ぶ事が多いです。次に所得ですが、先程の年収から様々な控除額を差し引いた残りの金額の事を指します。額面で判断すると年収が大きく、所得が小さくなると憶えておいて下さい。住民税はどうやって納税するのか?住民税額が決まったら6月から支払いが開始となりますが、納税の方法は2種類のみです。サラリーマンなどの給与を受け取っている方は特別徴収に該当し、個人事業主など確定申告を必要とする方等は普通徴収で納税します。特別徴収での納税は?サラリーマンなどの特別徴収で納税している方は、毎月のお給料から住民税を天引きされています。これは給与支払者である企業が代行し自治体に納税する仕組みを採用しているからです。6月から支払いが始まり、翌年5月まで天引きされる事になります。つまり12カ月に渡って納める事になりますので、月々の負担は軽くなるという事になります。普通徴収での納税は?6月に入ると、自治体から自宅へ納付書という住民税の払込用紙が届きます。これは4期に分割された払込用紙になっていて、6月、8月、10月、1月に分かれています。また納付期限が記載されていますので、期限内に自分でコンビニや銀行、役所へ足を運んで納付する事になります。手続きによっては口座引落やクレジットカードでの納付も可能です。所得控除額について詳しく解説しておきます先程住民税額決定までの流れに触れましたが、ここでは所得控除について詳しく解説しておきます。まず控除は誰でも受ける事が出来る基礎控除や家族構成で変わる控除等多岐に渡ります。また混同し易いのが、所得税と住民税です。給料明細等には所得税と住民税の引落項目の記載があるかと思います。実は住民税は所得税の計算方法と同じ流れを辿ります。しかし、控除の金額が異なる為、また税率が異なりますので、それぞれの金額に差が出ます。こちらがその控除額をまとめた表になりますので、参考にして下さい。控除額を知る事で非課税も見えてくる?少し余談を挟みますが、実は控除額を知っておく事で、パートさん、アルバイトさん等は所得税、住民税が非課税になる事も可能です。どういう事かと言うと、控除額から逆算すれば一年間にどれだけの給料であれば課税されないかという事が見えてきます。具体的に解説すると、年収180万円以内であれば給与所得控除と言って最低でも65万円もの控除額が発生します。ここに所得税控除に関する基礎控除額38万円を足すと、年収103万円になりますよね。つまり年収103万円以下であれば所得税はかかりません。住民税の基礎控除は33万円ですので、65万円に33万円を足すと98万円となります。そのため98万円以下の年収であれば所得税、住民税はかかりません。令和2年以降に改定した給与所得控除を知っておきましょう実は先程の解説は昨年の令和元年までの計算です。本年令和2年より給与所得控除が変わり、年収180万円以下なら控除額が55万円に変更されています。つまり、例年通りのペースで仕事をしたとしても、課税される方が増えます。計算すると所得税が年収93万円、住民税は88万円となりますので、シフト調整などで税金を考慮していらっしゃる方は是非憶えておいて下さい。住民税の地域差について解説します!実は住民税についてお住いの自治体によって差があります。これってどれぐらいの差があるのか皆さん興味があるかと思います。その点を詳しく解説しますので、ご自身の住んでいる都道府県、市区町村について知っておいて下さい。何故地域差が発生するのか?地域によって税金の格差が発生するのには理由があり、これは各自治体の持つ自主課税権といって、自治体は住民税の税額を変更して良い決まりになっています。理由は税収確保が一番ですが、住民税の利用目的は自治体のサービス維持にあります。この税無くして、地域の環境や医療、福祉等の保全は無理なんですね。また少子高齢化が進んで、納税者が将来的に減少していきますので、税収は益々厳しくなる一方です。今はまだ住民税自体高額な自治体は多くありませんが、先々税率改定が発生する事もあるかもしれないと頭の片隅にでも憶えておいて頂けたらと思います。[adsense_middle]住民税の税率が高い自治体ってどこなの?住民税の所得割部分に関する話ですが、全国平均(というより殆どの自治体)が10%という税率を採用しています。(10%を標準税率と呼びます)この標準税率よりも高い自治体は兵庫県豊岡市で10.1%となっており、次に高い自治体は神奈川県の10.025%です。実は標準税率を超えている自治体はこの2つのみで、標準税率以下の自治体は愛知県名古屋市の9.7%のみとなっています。この3つの自治体にお住いのある方は他の自治体に比べ住民税が高かったり、低かったりする事になります。均等割額も地域格差がある次に均等割額に関してですが、標準税率は5,000円です。この5,000円を超える自治体は数多く存在しており、主に環境保全という事で金額の変更が発生しています。高い順番に解説しておきますね。均等割額の上限は今のところ6,200円所得割部分に関しては所得によって異なる為、個人差がありますが、一律課税の均等割部分に関して言えば今の段階では6,200円が上限となっています。しかし先程も解説しましたが、税率の変更によって上限が変わる事もありますので、こまめに自治体の広報誌等に目を通しておきましょう。住民税はいくらなのか&計算方法に関するまとめ住民税に関して地域差について解説してきました。地域によって差はありますが、均等割で言えば最大で年間1,200円の開きです。所得割では最大0.4%となっています。皆さんの価値観ではこの金額が大きいと考えるか、小さいと考えるかという事ではないでしょうか。
2020年01月12日「やばい!住民税支払い忘れてた!どうしよう、お金無いから住民税が支払えない!」こんな事が起きる可能性が先々訪れるかもしれません(脅している訳ではありません)。今回の記事は住民税を滞納・延滞してしまった場合の対処法に関して解説していきます。また滞納しすぎたらどうなるのか等合わせて解説しますので、特に個人事業主になる方はご一読下さい。住民税の納付期限と仕組みをおさらいしておきます今回のタイトルにもありますが、納付を忘れてしまうケースで考えられるのは「普通徴収」の方です。ここで一旦住民税の支払い方法や仕組みについておさらいしておきます。住民税とは住民税はお住いの自治体に納める地方税になり、その年の1月1日時点で住民票を置いてある都道府県と市区町村それぞれに納税しなければなりません。また住民税は前年度の所得に応じて課税額を算出される所得割部分と、一律で課税される均等割部分があり、それぞれを県民税、市民税等の名目で納税していく事になります。所得割の税率は全国の標準税率で10%となっており、均等割の標準税率は5,000円となっています。しかし、自治体によって税率変更できますので、高い地域や安い地域などが存在します。住民税の支払い方法は?住民税の支払い方法は2種類ありますので、ここはしっかりと読み込んでおいて下さい。特別徴収による納税1つ目の支払い方法は特別徴収という方法です。これは一定以上の所得があるサラリーマン、パート、アルバイトさんが該当します。一般的に毎月のお給料から住民税を天引きする仕組みとなっており、従業員に代わって企業が自治体に納税する方法です。この方法によって従業員の皆さんは支払いを忘れる事無く過ごせる為、今回のテーマに該当する事はまず考えられません。また住民税の納税は12ヶ月に渡って分割して支払う為、最低の負担で済むという利点もあります。普通徴収による納税2つ目は普通徴収と呼ばれる納税方法です。こちらは個人事業主や歩合制でお給料を貰っている方(生命保険募集人等)、副業での収入が一定以上ある方等、確定申告を必要とする方の納税方法になります。住民税は普通徴収、特別徴収共に6月から支払いが開始となります。特別徴収は6月から翌年5月に渡って、普通徴収は6月に納付書と呼ばれる振込用紙が自宅に届きます。納税の回数は4回に渡って納める様になっており(6月、8月、10月、1月)、特別徴収と違って1回の金額が大きい事が特徴です。支払いは4回に分けなくても、一括で纏めて支払う事も出来る点はメリットです。納付書を用いて支払いを行う為、役所、コンビニ、自治体指定の銀行でしか使う事はできません。また納付期限の記載がある為、自分で管理しておかなければなりません。役所やコンビニに行くのが面倒な方は口座から引き落としできる手続きがありますので、そちらを利用して頂く事がベストでしょう。今回のテーマに該当し易いので、普通徴収で納めている方は是非最後までお読み頂ければと思います。住民税を延滞・滞納した場合どうなる?では住民税を滞納したり、支払いを忘れて延滞した場合どうなるのかという事ですが、このケースで起こる事は最悪の場合資産を差し押さえられるという事になります。いきなり差し押さえ!?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、簡単に流れを解説しておきます。差押えまでの流れまず納付期限までに納税の確認が取れなければ、督促状が自宅に届きます。これは納税を忘れていませんか?といった優しい口調の書面です。届いたら速やかに支払いましょう。しかしこの督促状を無視した場合、催告書という強めの文章が自宅に届きます。更に支払わなければ、差し押さえ予告通知が届き、それでも支払いに応じなければ差押えとなります。通常はこの流れに従って時間を空けて書面が届きますが、法律上、督促状が届いた日から差押えできるものになっていますので、必ずしも全ての書面が届いて差し押さえになる訳では無い事を憶えておいて下さいね。差押えになった場合どうなる?この様な状況で事業を行う場合、ご自身の資産だけでなく、取引先までに押さえる売上など照会が入る事も考えられます。そうなったら信用問題に発展し、取引が無くなる等の最悪な事も想定されますので、何としてでも支払いはやっておくべきです。住民税を滞納・延滞した場合の対処に関する手続き方法住民税を延滞・滞納した場合、どうすればいいのかという事を解説します。ここは非常に大事な部分ですので、もしその様な事態に陥ったら次の解説文に従って対処して下さい。[adsense_middle]絶対に役所へ相談に行く事!ハッキリ言うと、これは絶対やらなければいけない事です。何故支払えなかったのか、支払いを忘れたのかという事を伝えなければ、住民税を管理している自治体は分かるはずはありません。支払えないなら理由が必ず存在します。その理由を必ず報告に役所へ行きましょう。先程解説しました差し押さえになるケースは、あくまで役所に相談も無く、自分勝手にやり過ごした結果になります。支払い期日を1日遅れた場合、納付書は使えませんので、その場合でもしっかりと役所へ行き、支払いを忘れていましたと正直に話しましょう。実は私も支払いを忘れた事があります実は今回の記事、すごく書きやすいんです。何故なら、私も支払いを忘れた事があるからです(経験済みという事です)。恥ずかしながら、住民税の納付書に目をやると、1日過ぎていて、支払い日を勘違いしていた事が理由でした。慌てて次の日に役所へ行き、新たな納付書を作成して貰い、すぐにコンビニで支払った経験があります。この時、役所の担当の方は怒る事も無く、「あ~そうでしたか。では期限を切りなおしておきますので、なるべく早めにお願いしますね」と対応して下さいました。それからは期限を守って支払う様にしています。住民税の金額が大きい場合どうしたらいいの?普通徴収では4回に分けて支払います。つまり1回の金額が所得によっては大きい場合もありますよね。そんな時どうすれば良いのか?ここでも対処法を解説します。住民税の分納申請を行う1回1回が大きければ、分割納税申請を行いましょう。これは字のままです。特別徴収同様に12カ月間に渡って住民税を納める申請を役所へ申し出ます。もちろん理由も必要ですが、殆どの場合、通ります。こうする事で、負担を軽くしながら納める事が可能になりますので、この申請を行う際も、必ず役所へ行き、しっかりと理由を伝えて下さい。私も分納申請した過去がありますが、断られた事はありません。きつい時はきついと、しっかり伝え、納める意思をしっかりと伝える事が大切です。分納申請に必要なもの必要なものは特にありません。納付書があれば持っていけば直ぐに確認が取れますが、紛失しても、個人の名前、生年月日、本人確認書類があれば問題はありません。この場合、役所から現在のデータを照会され、分割に計算された納付書を渡されます。納付期限が毎月月末になるはずですので、忘れずに納める事が大事です。住民税の分割納税に関するまとめ今回は住民税の分割納税について解説しました。どうしても1回の支払いが困難な場合は迷わず役所へ出向き相談する事が必須です。自分で悩まず、絶対に相談して下さいね。
2020年01月06日今回は住民税と所得税の違いに関して解説していきます。税金という意味では同じですが、日頃言葉として使う事があまり無いので、区別がつきにくいかもしれません。そこで今回、中身や制度、計算方法等どんな差があるのかを詳しく解説していきますので、最後までお付き合い頂ければと思います。住民税と所得税の関係所得税の納税方法は?納税の方法に関してですが、サラリーマンと個人事業主とで異なります。サラリーマンの場合は源泉徴収制度といい、給与を支払う企業が代行して納税する仕組みです。ここで用語を解説しておきます。源泉徴収制度とは、サラリーマン等給与所得者の納税額の精算に関わる手間を簡略化するために、所得を発生させる源泉から一定の税率を差し引き所得税を納税させる為の制度です。この制度によって確定申告を不要する事が出来る為、企業内部は大変ではありますが、従業員は何も気にする事はありません。毎月の給料から所得税も住民税同様に天引きされている事になります。この天引きは大まかな計算でなされており、最後の12月に1年間の総所得が計算される事になります。この12月の年末調整によって、しっかりと計算され差額の徴収、還付が行われるわけです。対して個人事業主は翌年の2月16日~3月15日までの期間内に確定申告を行い、税金を納めなければなりません。この場合申告期限である3月15日までに現金で納付するか、振替納税といって口座から引き落とす場合は4月20日前後(暦によって日付が異なります)の引落に間に合う様に準備しておかなければなりません。住民税と所得税についてのまとめここまでは住民税と所得税について解説を行ってきました。一旦ここまでを纏めてみたいと思います。上の表のようになります。税率の違いや納付先も違いますね。次にその違いについて触れていきますね。住民税と所得税の違いさて住民税と所得税について解説してきましたが、ここからは大まかな違いについて触れていきたいと思います。税金で身近なもので直ぐに思い出せるのは「消費税」でしょう。その他にはガソリン税や酒税、たばこ税等、生活の中に税は関連しています。税は国民皆さんの生活サービスや医療、福祉、公共事業等様々な事に使われています。税金無くして生活は豊かになる事はありません。その税の中でも、意外にも身近な住民税と所得税について解説を進めます。どんな違いがあるのでしょう?納付先使い道の対象納税のタイミング課税対象期間控除額[adsense_middle]納付先が違う住民税と所得税では税金を納める先が異なります。住民税は地方税ですので、お住いの都道府県、市区町村に納税しなければなりません。対して所得税は国税です。納付先は税務署、つまり国に納税する事になります。この違いもあり、次の使い道の点でも違いが生まれます。使い道の対象が違う住民税と所得税は税金という意味では同義ですが、細かく言うと、住民税は地方税で、所得税は国税に該当します。よく耳にするのは県が管理している、国が管理しているといった事を聞きますが、住民税は自治体管理の分野で利用され、所得税は国が管理している分野で使い分けられる事になります。大きな金額になれば、国がいくら使って、県や市がいくら使うといった事をイメージして頂ければ分かりやすいでしょう。納税のタイミングが違う前述しましたが、住民税と所得税はサラリーマンの場合は毎月のお給料からの天引きとなりますので、大きな違いはありません。しかし個人事業主となると納付期限が違います。住民税は6月からの支払いに対し、所得税は申告期限である3月15日まで、若しくは4月20日前後の振替納税期日までとなっております。所得税の方を先に納税し、後に住民税の徴収が始まると憶えておいて下さい。課税対象期間が違う1年間の所得に対して課税される事は変わりはありませんが、所得税と住民税では対象期間が異なります。ここではサラリーマンの場合を対象に解説しておきます。所得税はその年の所得に対して課税される所得税は、所得が発生すれば早速課税される仕組みとなっていまして、裏を返せば所得が無ければ課税される事はありません。対象期間は収入が発生した月からと憶えておけば問題ありません。源泉徴収され、年末調整で整えられる事を憶えておきましょう。住民税は前年の所得に対し課税、翌年納税対して住民税は、前年の所得に対して課税され、翌年の6月より天引きが開始される事になります。昨年まで収入が無ければ、翌年は課税される事はありません。また年末調整等で還付が受けられるといった性質はありません。課税額が決まったら必ず天引きされる事になりますので、この点も憶えておいて下さい。控除額が違う住民税と所得税は共に所得控除というものが存在します。これは課税額を導き出す過程において、所得に応じて控除されるもの、既婚者か独身者で使える控除枠が違うなど、いたるところで違いは出てきますが、計算過程の控除額の違いについて解説をしていきます。控除の内訳所得控除の内訳は次の通りです。社会保険料控除医療費控除雑損控除小規模企業共済等掛金控除上記4つの控除は控除額が住民税、所得税共に変わらないものです。次に挙げる控除は控除額が異なるものになります。基礎控除配偶者控除配偶者特別控除扶養控除勤労学生控除障害者控除寡婦・寡夫控除生命保険料控除地震保険料控除寄付金控除これまで挙げた14の所得控除を使い課税所得を計算します。所得控除一覧の見方先程解説した、控除額の異なる10の控除の一覧がこちらになります。見方として、左側が所得税についての控除額で、右側が住民税の控除額となっており、例えば基礎控除で見て見ると、所得税控除は38万円ですが、住民税となると33万円と控除額が低くなっている事が分かります。この様に、皆さんの使える控除額は各ご家庭で異なりますので、上記の表を参考にして頂ければと思います。住民税、所得税を計算・比較してみました先程の控除の違い等も含め、住民税、所得税の額を比較してみたいと思います。[adsense_middle]事例①年収450万円の場合次の事例で計算してみます。(夫)会社員:41歳、年収450万円、他収入無し、住宅ローン無(妻)パート:39歳、年収100万円、他収入無し(子)小学校3年生、小学校1年生(条件)生命保険料控除、配偶者控除のみ上記条件で試算した結果、住民税が163,514円所得税が81,757円となりました。このケースでは住民税の方が高い事が分かります。事例②年収800万円の場合では上記の事例で年収を800万円に上げた場合はどうなるか計算してみました。年収が800万円の場合は住民税が426,380円、所得税が425,260円の結果となりました。年収が約2倍になるとご覧の様に税金がかなり跳ね上がる事が分かります。事例③年収1,000万円の場合では年収が1,000万円の場合ではどうでしょうか?試算の結果住民税が584,844円、所得税が742,189円となり、所得税額の方が住民税よりも大きくなりました。先程解説しました、超過累進税率の効果が大きく反映されている事になりますね。税額控除を利用した場合ここでは税額控除を利用したケースで試算してみます。税額控除について解説しておきます。税額控除とは、所得税、住民税の課税額が算出された後に、その金額から更に控除を受けられる制度。所得控除とは異なり、計算の最終段階で控除される事になります。主な控除は住宅ローン控除があります。では先程の家族構成は変えず、年収、住宅ローンがあるという事で次のケースで試算してみます。(夫)会社員:41歳、年収450万円、他収入無し、住宅ローン控除有(妻)パート:39歳、年収100万円、他収入無(子)小学校3年生、小学校1年生(条件)生命保険料控除、配偶者控除、住宅ローン控除残高2,000万円としてみます。上記の条件で試算の結果住民税は65,000円、所得税は非課税となりました。先程事例①でご紹介したケースと比較すると、住民税では98,514円節税されており、所得税に至っては81,757円が節税された事になります。このケースで考えた場合、住宅ローン控除がかなり大きく作用している事がよく分かります。事例②の条件で住宅ローンがある場合は?では先程の事例②に住宅ローンを組み込んだ場合どうなるでしょう?年収が800万円になっています。住宅ローンの残高を3,000万円に変更してみます。試算の結果、住民税は先程の試算と変わらず426,380円、所得税が125,260円になりローン残高の1%の節税効果が発生致しました。この様に、住宅ローン控除を使うと、先に所得税から節税され、使い切れなかった部分が住民税に及びます。個人事業主の方の住民税と所得税についてここまでの記事はサラリーマンの方を中心に書いてきました。では個人事業主の場合ではどうなるのかという点について触れておきます。個人事業主の方は、確定申告で納税額を申告し、納税する事になります。確定申告は所得税の確定申告となっており、本来住民税を申告するものではありません。しかし、控除額が違うだけで、計算過程は全く同じになります。よって確定申告を税務署へ提出した際に、所得などのデータが自治体に渡り、6月に住民税の納付書が送られてくる事になります。特別何かをしなければならないという事はありませんので、ご安心下さいね。住民税と所得税の違いに関するまとめ今回は住民税と所得税の違いについて解説してきました。計算方法は同じでも控除額の違いや使い道、分類等様々な違いがある事がお分かり頂けたかと思います。また税額控除を利用する事も大きな節税効果がある事もありますので、今後住宅購入をご検討の方はしっかりと税金とシミュレーションを行って頂ければと思います。
2020年01月05日今回は住民税の徴収方法の違いについて詳しく解説していきます。2種類しかありませんのでシンプルではありますが、もちろんメリットやデメリットもあります。住民税の仕組みと合わせて解説しますのでお付き合い下さい。住民税とは控除が終わったら、課税所得に税率をかける上記の控除が全て終わったら課税所得が判明します。この課税所得に対して県民税や市民税の税率をかける事になります。住民税の税率は約10%で憶えておけば問題ありません。これで住民税所得割額部分が判明します。ここに均等割部分を足します。これで住民税の納税額が算出されます。最後に税額控除します最後に税額控除といいまして、算出された税金から更に控除が出来る仕組みです。代表的な税額控除は住宅ローン控除です。お住いをお持ちの方は忘れずに行っておきましょう。住民税の金額が決定これで税額が決定し、特別徴収か普通徴収かに分かれて納税を行います。この一連の流れは確定申告の流れと同じです。特別徴収は企業が代りに行っている為、簡単な仕組みとなっている訳ですね。住民税の普通徴収と特別徴収の違いに関するまとめ今回は徴収方法の違いについて解説しました。それぞれメリット・デメリットありますが、納税の金額に変わりは無く、支払い回数と、引落かそうでないかが大きな違いです。使い分ける事はできませんので、仕組みを理解して納税義務を果たしていきましょう。
2019年12月17日毎月のお給料から「住民税」という項目で天引きされていたり、納付書で納めたりと意外に身近にある税金が「住民税」です。私のクライアントさんからは「市民税」と違うんですか?とか「市民税」って何ですか?など質問があります。今回は「住民税」と「市民税」の違いについて詳しく解説を行っていきます。市民税とは?始めに市民税について解説していきます。正式名称は「市町村民税」です。一般的に市民税と呼ばれ、お住いの地域によっては「町民税」と呼んだり「村民税」と呼ばれる事もありますが、全く同じ内容になります。また、例外として東京23区においては市町村では無いため「特別区民税」となり、一般的な呼び方は「区民税」と呼ばれ、市民税と同じ扱いになります。市民税は誰が納めているのか?市民税並びに区民税(以下市民税と呼ぶ)は誰が納税しているかと言いますと、その市区町村にお住いの方々が納税する事になっています。もう少し詳しく解説すると、1月1日時点の住民票が置いてある場所に納税する事になります。引越すと町民税だった方が市民税や区民税等に名称が変わるという事ですね。市民税はどうやって納税しているのか?納税の方法ですが2種類あります。サラリーマンやパート、アルバイトなど企業にお勤めの方は特別徴収という方法で納税します。これは毎月のお給料から税金を天引きされ、企業が代りに自治体に納税する方法です。一方、個人事業主や歩合制のお給料を貰っている確定申告を必要とする方々は普通徴収という方法で納税します。こちらは6月に納付書という払込用紙が送られてきます。4期(6月、8月、10月、1月)に分けて分割して納税するか、纏めて納税する等、自分自身で納める方法です。住民税との違いは何?ここからは市民税と住民税の違いについて解説しますが、先に結論から申し上げますと、住民税の一部を構成しているのが市民税となりますので、住民税と同じ事になります。住民税を詳しく解説します住民税は「都道府県民税」という、いわゆる「県税」と先程解説した「市民税」の2つを合わせたものになります。都道府県民税(以下県民税)はお住いの地域によって「都民税」「道民税」「府民税」「県民税」と呼称が変わりますが、内容は全く同じです。また県民税と市民税には所得に応じて納税金額を算出する「所得割」部分と、所得に左右されず一律で決まっている「均等割」部分の課税があり、これらを総称して住民税と呼びます。納税の方法は市民税と同じく2種類のみの方法から成り立っています。市民税と同様に1月1日時点での住民票をおいてある自治体に納税する事になります。住民税の税率は?住民税の所得割部分の税率に関しては全国で10%となっており、この10%は課税標準額となります。県民税が4%、市民税が6%となっているケースが殆どですが、例外として標準額を超える地域もあります。日本国内で最も高い地域は兵庫県豊岡市の10.1%となっており、県民税は4%、市民税が6.1%で構成されています。次に高い県は神奈川県の10.025%となっており、県民税が4.025%、市民税が6%となっています。逆に最も低い自治体は名古屋市の9.7%となっており、県民税4%、市民税5.7%です。その他の自治体は全て標準税率の10%で課税されるようになっており、税率も自治体によって変更は可能ですので、お住いの税率に関してはたまにチェックしておくのもいいでしょう。所得割合で計算される所得割の計算方法ここからは所得割の計算方法について解説しておきます。皆さんのお給料を元に毎年所得は計算されます。そもそも所得と年収は異なる事はご存知かと思いますので、ここからは計算までの流れを解説します。[adsense_middle]STEP①年収から社会保険料控除や基礎控除などを経て課税所得を出しますまず始めに行うのは様々な控除を行い課税所得を出さなければなりません。課税所得とは、所得税や住民税など計算する際に元となる所得の事を指します。源泉徴収などご確認頂くと記載がありますが、一般的な控除は社会保険料控除、基礎控除、配偶者控除、生命保険料控除等ですね。この様に該当する控除を使い課税所得を導き出します。参考までに控除は次の表になります。知っておきたい所得税計算との控除の違い上記の表は所得税と住民税に控除が分かれています。実は所得税を計算する場合と住民税の計算とでは控除の額が異なりますので注意しておきましょう。特にパート、アルバイトの方は税金がかかるか、かからないかという事を気にされる方もいらっしゃいます。所得税の基礎控除は38万円ですので、給与所得控除65万円と合わせると103万円になりますが、住民税の基礎控除は33万円ですので98万円以下の所得であれば住民税もかかりません。STEP②課税所得に対し税率をかける課税所得が判明したら、次に先程の税率をかけていきます。お住いの自治体によって若干異なりますが、おおよそ10%をイメージして頂ければ分かりやすいかと思います。STEP③最後に税額控除を行いますSTEP②で所得割額が判明したら、最後に税額控除と呼ばれる控除を行います。この税額控除の代表的なものとして住宅ローン控除が挙げられます。その他に寄付金控除、配当控除等があります。該当する場合は最終的に税額が安くなりますので、お心当たりのある方は必ず控除しておきましょう。以上が所得割を計算するまでの流れになります。所得割額を計算後、均等割額を足して住民税の納税額が決定先程の所得割額を計算した後に均等割額を合計して住民税の納税額が決定します。均等割額の標準額は5,000円が最低ラインとなっており、内訳として県民税が1,500円、市民税が3,500円となっており、この構成がスタンダードです。所得割同様に各自治体で均等割額も変更できます。均等割額の高い地域は?今回の市民税に関するテーマで気になるのは税金の高い地域ではないでしょうか?ここからは均等割の高い地域を挙げておきますので、参考にして下さいね。市民税均等割額の最も高い、低い自治体は?市民税の最も高い自治体は横浜市です。横浜市のみ市民税が4,400円と他を900円上回っており、日本で唯一市民税が高いのは横浜市だけなんです。最も低い自治体は名古屋市で3,300円となっています。その他地域は3,500円の水準で保たれています。参考:県民税はどこが高いのか?テーマから少し外れますが、県民税の均等割が高い自治体も合せてご紹介しておきます。県民税の標準税額は1,500円です。日本で一番高い県は宮城県の2,700円です。次に岩手県・山形県・福島県・茨城県・岐阜県・三重県の2,500円が該当します。次に高いのは秋田県・滋賀県・兵庫県の2,300円と続きます。名目として「森林環境税」とし環境保護に使用する為に徴収されているようです。税金の意味ここまで市民税に始まり、住民税に関する解説を行ってきました。また県民税、市民税共に各自治体で税率を変えられる事もお伝えしました。なぜウチだけ高いの?とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんので、改めて税金の意味について触れておきます。税金はそもそも納めなければならない義務です。理由は生活を便利にする為です。道路整備、ごみ回収、水源の保全、森林保護、医療、福祉と挙げればキリがありません。この税金を納めなくなった時、民間が事業を行ったとしても、結果納税よりも高い金額を支払わなければならなくなります。私たちの生活を支える上で非常に重要な役割を果たしています。しっかりと納税して後世に繋いでいきたいものですね。住民税と市民税の違いに関するまとめ今回は市民税と住民税の違いについて解説しましたが、違いはありません。呼び方の違いだけですね。またお住いの自治体によって税率が異なる事もお分かり頂けたかと思います。きちんと納税して自治体のサービスの一部を担っているんだなと思って頂ければと思います。
2019年12月16日「相続で争うのは、お金持ちだけだと思っていませんか。相続トラブルのうち、およそ半数は1,000万円以下の遺産を巡るものだといわれています。そして、親族同士がもめる“争族”は、他人同士の争いよりも激しくなることも多いんです」そう語るのは、これまで約3,600もの家庭の相談を受けてきた遺言・相続の専門家の江幡吉昭さん。銀行勤務時代に顧客の相続争いを経験したことから専門家の必要性を痛感。遺言・遺産問題の総合サイト「遺言相続.com」を運営している。「司法統計のデータでも、遺産の分割を巡る争いは、平成20〜27年の7年で23%も増加しています。うちのきょうだいは仲がよいので大丈夫と思っている家族ほど、争いに発展することも多いのです」(以下、「」内は江幡さん)それまで問題なくやってきた親族が、遺産相続をきっかけに“争族”になることは多いという。しかも、意外な理由で……。江幡さんが“争族”の実例を教えてくれた。【争族1】いじわるな姉に“養子縁組”で復讐地主の長男の嫁として、夫の両親の介護を1人でやりながら30年も耐えてきた香織さん(仮名・55)。義理の父母は優しくしてくれるけど、夫の姉には「嫁だから実家のことはやって当たり前」と虐げられてきた。堪忍袋の緒が切れたのは、義母の三回忌の法事の席。夫の姉から「母が死んだのはお前のせいだ。父の財産も狙っている」と親戚中の前で罵倒された。「積年の恨みを晴らすため、香織さんは義父が亡くなる半年前、公証人を病室に呼んで、義父と養子縁組をしたんです。もちろん夫の姉には知らせませんでした」養子と実子の相続権は同じ。つまり、養子縁組したことで、夫のぶんとあわせ、香織さんの夫婦は義父の遺産の3分の2を相続できることに。一方の夫の姉は、2分の1の遺産を見込んでいたところ、3分の1に減ってしまった。「当然、夫の姉は怒りましたが、後の祭りです。香織さんの執念が勝ちました」【争族2】仲がよかった父に相続の対象外にされて「亡くなる直前に遺言書が作られ、争いになることも多いんです」82歳で亡くなった父と、前妻の息子・太郎さん(仮名・52)は仲が良く、入院中もお見舞いに行っていた。死後、共通の趣味であるサックスを譲ってもらう約束まで交わしていたのだが……。亡くなる直前に書いたという公正証書遺言に「遺産はすべて後妻の家族に相続させる」と書かれていたのだ。「遺言書や契約書などの法的な根拠を保証することができる公証人ですが、人によって対応の違いがあることは知られていません。遺言の作成には、本人の意思表示が必要ですが、これは「うん」とうなずけば、意思表示とみなすような公証人もいる。特に、依頼者(この場合は後妻家族)の弁護士や司法書士と公証人の仲がよい場合、意思確認がおろそかにされる傾向があるのです」遺言を不審に思った太郎さんは、遺留分だけは相続できるよう、請求することにした。「親は子どもたちにとって太陽のような存在です。太陽がなくなると、惑星の動きがバラバラになるように、親の喪失によって、家族の関係が一気に変わってしまうのです」“争族”が始まるタイミングは“四十九日”が多いという。葬儀や死亡後の手続きが落ち着いて、親族全員が集う初めてのタイミングだからだ。
2019年12月12日今回は住民税が払えなくなった場合について解説していきたいと思います。これまでは住民税の仕組みや詳細等解説が主でしたが、実際に支払いに際した場合、うっかり忘れていたや、支払うお金が手元に無い等の諸事情もあるかと思います。そんな時どうすればいいのか?どんなリスクが発生するのかを解説しますので、参考になればと思います。住民税を未納!どうなるの?まずリスクについて解説します。住民税をもしも支払っていなかったらどうなるのでしょう?裁判になるのかな?凄い取り立てに遭うのかな?とネガティブなイメージが先行してしまいますよね。では具体的にどうなるかを解説します。住民税未払い発生!その後の流れでは具体的な流れについて解説します。まず前提として、住民税を支払っていなかったとします。すると、納付期限から10日以内に書面で未納の通知が自宅に届きます。一般的にはこの段階で納付を忘れていたと気づき納付すれば問題はありません。しかし、その通知すら無視したとします。次に届くのは「督促状」です。少し強めの言葉に変わって通知が届きます。また電話連絡も来ますので対応したいところですが・・・更に無視を貫いたとします。次に届くのは「催告書」と呼ばれる督促よりも強い言葉になります。内容は先程とは異なり「法的措置」の文言が記載される事になります。「法的措置」という言葉に免疫が無ければ誰でも驚きますよね。また最近の時流と言いますか、偽造された督促状などで詐欺を働く連中もいますので、身に覚えのない督促状は無視しましょう。ここで用語について解説をしておきたいと思います。督促とは返済や納付すべき金額が支払期限を超え確認できない場合に、返済、納付を促す場合に使われる。ニュアンスとしては請求書に近いですが未納である事には変わりはありません。催告とは督促と異なり、書面にする場合内容証明郵便にて送達される為、送付、受取の記録が郵便局に残ります。「書面を受け取っていません」といった嘘がばれる事は確実です。ニュアンスとして催促に近いです。さて催告書まで無視したとします。次に行われる事は差し押さえです。いきなり差し押さえという事ではなく、「このまま放置すると、あなたの財産を差し押さえなければならなくなります」という通知です。更に更に無視したとします。最終的には「差押え予告通知」が届きます。そこには納付期限が明記されていますが、これすらも無視してしまうと最終的に財産を差し押さえられる事になります。差し押さえまでの期間は最短で1ヶ月!最悪のケースで財産や給与等の差し押さえになりますが、差し押さえに至るまでは未納した日から最短で1ヶ月で実行に移すことが可能です。とは言え、さすがにそこまで短い期間で差し押さえられる事はあまり聞いた事はありませんが、猶予は無いという事だけ憶えておいて下さい。住民税は国民年金や社会保険料と同じ扱い先程は督促状に始まり、全て無視した場合について解説しましたが余程の事情や鋼のメンタルが無ければ起こり得ない事です。ここで少し余談を挟みますが、住民税は地方税に該当し行政が管理する事になっています。行政管理で言えば、国民年金や社会保険料も同じです。民間業者との取引ではありませんので、裁判などを経ることなく差し押さえに踏み切る事が出来る権限があります。私の体験談その①私が差し押さえられた訳ではありませんが、以前勤めていた会社が差し押さえをされた事がありました。法人であった会社は社会保険料や他税金を滞納し督促や催告を無視し続けました。そもそもですが、無視する理由が分かりませんでした。結果、会社の売り上げが入る口座が差し押さえられてしまいました。この時判明した事ですが、実は私の住民税も支払われていませんでした。通常サラリーマンであれば特別徴収といって給与から住民税が天引きされます。個人に代り会社が各自治体に納める事になりますが、約1年分近く滞納の事実が分かりました。退職までに清算してほしい旨伝えましたが、数カ月分の未納を残し退職日となりました。退職後も役場へ確認しましたが、依然支払われてはいませんでした。本来法人が納めるべき税金ですが、滞納の為恐らく差し押さえになっているのではないかと思います。中々出来ない経験でしたね。住民税支払いを無視するとどんなリスクがある?ここまでは住民税の支払いを未納のままにしたらどうなるかという流れについて解説してきましたが、問題はその後です。差し押さえられて「ハイ!お終い!」とはいきません。どんなリスクがあるのか解説します。[adsense_middle]自営業等は取引停止になる事も住民税は個人、法人と納めなければならない税金です。最悪のケースで差し押さえとなった場合ですが、差し押さえに至るまで、財産や預貯金などの調査が行われます。この時、HP等を開設していれば主要な取引先銀行や取引先等を記載している会社等少なくありません。これらを見た行政が銀行や取引先に押さえられる財産の照会を行う事になります。当然照会された会社は「あの会社大丈夫かな?」と思いますよね。銀行預金などに金額が無ければ、売上が発生する元から差し押さえられる事もあります。そうなれば仕事での信頼関係は無くなり、取引停止になるケースもあります。先程体験談で話した法人も、取引業者に照会が入り、結果全ての取引が出来なくなってしまいました。個人の場合勤務先等へ照会される事もケースとしては珍しいかもしれませんが、転職した最初の年は給与天引きにならない事もあります。結果自分で納税しなければなりませんが、その際にお勤めの会社へ給与額等の照会をされる事もあります。照会してはいけないルール等ありませんし、むしろ支払わない方が悪いので致し方ありません。この場合、会社の人事や総務に連絡が入る事になりますが、かなり心象は悪くなるのではないでしょうか。滞納すると延滞金が発生するお金を借りたり、CDやDVDレンタルした場合必ず返済や返却期限が決まっています。住民税も同じく納付の期限は決まっていますが、もし遅れた場合どうなるでしょう。お金やレンタル等は延滞料金が発生します。住民税も同じく延滞金が発生します。では具体的にどれくらいになるのか触れていきますね。延滞金の計算式延滞金の計算式は以下の通りになります。滞納税額×延滞金の割合(※)×納期限の翌日から納付の日までの日数÷365※延滞の割合とは納期限から2ヶ月を経過しているか、していないかで税率が変わります。【納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までの期間】特例基準割合+1%か7.3%のいずれか低い方【納期限の翌日から2か月を経過する日の翌日以降】特例基準割合+7.3%か14.6%のいずれか低い方上記の様に納付期限から2か月以内かそれ以上かで税率が変わります。ここで特例基準割合について少し解説しておきます。特例基準割合とは日本国内の銀行における貸出約定平均金利として財務大臣が告示する割合に1%を加算したものです。本年は0.6%と告示されているため特別基準割合として年率1.6%となります。毎年変動する数値でもあります。少しややこしいかもしれませんが、2か月以内の滞納であれば2.6%、2か月以上であれば8.9%という率が加わったものが延滞金として納税しなければならない金額となります。なるべく延滞はしない様にしておきましょう。住宅ローンなどの審査に影響が出る厳密に言えば住宅ローンを申し込む際の保証協会やフラット35を利用する場合に「納税証明」を取得しなければなりません。納税証明とはそのままの通り、納税を証明する公的書類です。日頃はあまりお目見えする事はありませんが、住宅購入の様に証明を求められた場合は引っかかる可能性もありますので注意が必要です。住宅ローン等はある程度話が煮詰まってきたら申込等に進みますが、納税証明で躓いては今までの話が台無しになります。購入をご検討の方は前もって役場で確認できますので、念の為取得してみてもいいかもしれませんね。私の体験談その②先程の体験談の続きですが、退職後も住民税に関して以前の会社は全く支払ってはくれませんでした。何かペナルティがあるのかと思い、役場へ確認しました。役場の方は、あくまでも法人が支払う義務を負いますので、私には何のペナルティもありませんと回答して下さいました。しかし、先々納税証明を必要とする時が来たらその時は引っかかる可能性もありますとの事でした。事実上倒産した会社に支払うだけの体力が無い事も分かっていましたので、数か月分は自分の身を助けると思い自身で納める事にしました。特別徴収と信じ切っていましたが、隠れてこんな事になっているとも思わなかったので、何とも税金の大切さや信じた会社への不信感など複雑な心境だった事を思い出しますね。どんな方が未納になりやすい?ここからは未納になり易い又は見落としがちな方を解説したいと思います。通常サラリーマンであれば、余程の会社でない限り特別徴収で給与天引きになっているはずです。ですので見落とす事はまずあり得ません。ではどんな方が未納に陥りやすいのでしょう?[adsense_middle]個人事業主などの自営業者これは徴収の方法が普通徴収と呼ばれる方は未納になり易いのではないかと思います。(かくいう私も今は普通徴収ですが1日遅れた事がありました・・・)個人事業主の方は確定申告と同時に住民税の計算まで完了します。その後忘れた頃に納付書が4枚送られてきます。納期は全てバラバラです。1期ずつ支払う場合、期間が開いてしまうと失念し易い場合もあります。結婚し専業主婦(夫)になった方、退職して一時働かない方例えば結婚前まではバリバリに働いていた方や一旦退職してリフレッシュの為、少し仕事から離れた方等は未納になり易いです。理由は住民税の計算の仕組みにあります。住民税は前年の所得に応じ計算され翌年納税する方法です。例えば平成30年12月31日を以て退職し、翌年からは仕事をしないとします。このケースで言えば、平成31年(令和元年)の6月に納付書が送られてくる事になりますが、退職してしまっているので収入が無いですよね。ある程度の貯蓄があれば問題はないでしょう。収入が無い中での支払いは痛い出費となります。この様に退職後の翌年は大きな出費が予想されますので、退職をお考えの方は住民税の事まで考えておいた方が良いでしょう。住民税の時効の期限実は住民税を支払わなかった場合、時効が存在する事はあまり知られてはいないかもしれませんので、ここで触れておきます。但し、現代のデータ管理において時効はまずあり得ませんので頭の片隅にでも憶えて頂ければと思います。例えば未納が発生し督促状が届くとします。そこから起算して3年間何の音沙汰も無い(この場合督促状や催告書などが全く来ない事を指します)場合時効となります。つまり行政からアクションが無ければという事です。しかし、現在はデータ管理され、自動発送等も完備されてあるでしょうし、アクションが無い事はまず皆無でしょう。また催告書等が次に送られてきますので、到着した日から新たに3年とリセットされますので、憶えておいて下さいね。未納が発生した時の対策は必ず理由を伝える事さて今回の記事の最後になりますが、未納が発生した場合の対策を解説していきます。基本は支払う事が対策になりますが、どうしても厳しい場合は誰しもあるはずです。その場合無視をする事ではなく、しっかりと役場に出向き理由を添え支払いの意思がある事をしっかりと伝える事が大事です。支払いの意思があるのか無いのかでは結果が全く異なります。どうしても一括または4期に跨って支払いが難しければ分割して納める事にしてくれます。督促状や催告書等を変に捉え無視し続ける方が首を絞めてしまいますので、絶対に無視せず相談する事をお勧めします。前述した私の以前の勤務先は、無視に無視を重ね1年後には差し押さえが実行されました。恐らくですが、悪質であると判断されたと推察します。意思も示さず、相談にも来なければ行政も然るべき措置を講じますので、何度も言いますが、絶対に相談に行きましょう。普通徴収の方は口座振替も可能特に失念し易いのが普通徴収の方です。自分で納付しなければなりません。この場合、指定の口座から引き落とす手続きも出来ますので、忘れてしまいがちな方は口座振替に変更する事で支払い漏れを回避できますので、対策としてお考え下さい。住民税の滞納・払えない場合に関するまとめ今回は住民税を滞納してしまった場合等について解説してきました。金額の大小はあるかもしれませんが、「税金」である事に変わりはありません。また相手が行政である以上、逃げ切れる事は無いです。国民の義務でもありますのでしっかり納税しましょう。どうしても困難だという事であれば、必ず相談しましょう。
2019年12月10日今回は退職をされた方向けの住民税に関する解説を行っていきます。これまでは会社が給与天引きで住民税を徴収して納付していましたが、会社を離れるとどうすればいいのか、手続きや納付の方法を解説していきます。住民税の計算の仕組みまず住民税はどの様に算出されるのかを理解しておきましょう。住民税は前年の所得を元に計算され翌年の6月から支払いが開始する仕組みとなっています。サラリーマン等の特別徴収の場合は12ヶ月に渡って給与天引きされます。個人事業主等の普通徴収は4期(6月、8月、10月、1月)に分けて支払うか6月に一括で支払う等の方法になります。図解したものがこちらになります。税金の支払い方法は2種類のみここで支払方法について触れておきます。サラリーマンであれ、個人事業主であれ、または退職者であったとしても住民税の支払い方法は2種類のみとなります。特別徴収とはまず特別徴収ですが、先程も解説しましたようにサラリーマン、パート、アルバイトなど一定の所得がある方はこの徴収方法になります。給与を支払う企業が従業員の住民税を納付する方法です。従業員は毎月の給与から12カ月に分割された住民税を、6月から翌年5月にかけて天引きされる仕組みです。住民税の納付忘れ等が無いため、一般的な納付方法とされています。普通徴収とは個人事業主や歩合制のお給料を貰っている方はこの普通徴収に該当します。計算は特別徴収と同じですが、6月に自宅宛てに納付書と呼ばれる請求書のような用紙が送られてきます。中身は住民税の総額が記載されたもの、4期に分かれた納付期限が記載されてある振込用紙が入っています。普通徴収の場合6月、8月、10月、1月の4回に分けて自分自身で期限までに払うか、6月に一括で4期分まとめて払うか、手続きによって指定の口座から引き落としをかけるかと選択できます。特別徴収と違い自分で管理しなければなりませんので、うっかり納付を忘れる事が無いように注意しましょう。会社を退職後、住民税の手続きはいつまでにどうするのか?ではサラリーマンなどの特別徴収で住民税を納めていた方が退職した場合、どのような手続きが必要なのかを解説していきます。就職先が決まっている場合といない場合を解説しますここからの解説は、就職先が決まっているケース、決まっていないケースでの手続きについて解説していきます。就職先が決まっている場合このケースでは通常、会社同士で情報をやり取りし特別徴収を引き継ぐ事が一般的です。つまり、わざわざ就職先に申請しなくても特別な手続きは不要になります。このケースで気を付けておきたい事気を付けておくべき事は2点あり、1つは手続きに若干時間がかかる為、スムーズに移行できない場合です。その際は一旦普通徴収に切り替えて、その後、特別徴収に戻せば大丈夫です。2つ目は元の勤務先に就職先を知られるという事です。企業間でやり取りを行ってくれる事は非常に助かりますし有難いですが、転職が全て円満でいくとは限らないケースもあります。例えば同業他社に行く場合等、元の勤務先に知られたくない方もいらっしゃるかと思います。その場合は元の勤務先に普通徴収の旨をハッキリ伝えておく事で行き先が判明しなくなりますので、必要な方は上記の措置を取りましょう。就職先が決まっていない場合次の就職先が決まっていない方は退職時に普通徴収の切り替えを伝えておきましょう。その後は普通徴収と同様に自分自身で納める事になります。また何も伝えていなくても、自動的に普通徴収にはなりますので特に手続きは必要ありません。しかし、行き先が分からなければ会社の担当の方も特別徴収にした方が良いのか、普通徴収なのか分かるだけでも業務量が異なりますので、大人の対応としてしっかり伝えておきましょう。就職先が決まっていない方の退職期間で納付方法は変わるここからは就職先が決まっていない方の退職に関するタイミングについて詳しく触れたいと思います。実は退職の時期によって納付方法が変わります。その期間について以下解説をしていきますね。[adsense_middle]納付方法が変わるキーワードは「6月」会社を1月~5月(以下上半期)までの間に退職するか、6月~12月(以下下半期)の間に退職するかという事で納付の方法は変わります。憶えやすい方法として6月より前か後かで憶えておくといいでしょう。上半期に退職した場合上記期間中に退職をした場合、住民税は給与天引きの期間中です。退職した月の給与で残りの残額を一括で徴収される事が一般的です。気を付けるポイントとして、所得が高い場合は一括での引落は大きな出費になります。その場合はお勤め先の会社に相談し普通徴収に切り替えて貰いましょう。切り替える事で一括での支払いを免れる事が可能です。この様に上記期間中は何の手続きも必要無く住民税の精算は完了しますので、特に心配はありません。下半期に退職をした場合この期間中に退職した場合は住民税の支払いがスタートしたばかりですので、パターンとして2つ支払い方法があります。パターン①退職する月まで特別徴収で引き去りを行い、その後は普通徴収に切り替える。この場合はお勤めの会社にその旨を伝えておく方がベストです。気を付けるべきはこれまで天引きでしたが、自分自身で納付する事になる為、納付期限を失念しない事でしょう。パターン②最後の給与または退職金等から、翌年5月までの住民税を一括で引き落としてもらう。こうする事で、来年5月までは支払いの事を考えなくて済みます。但し、大きな金額になる事は間違いありませんので、退職金や給与等と納付額を検討した方が無難でしょう。また今後の生活に必要なお金も残しておかなければなりませんので慎重に計算しておきましょう。このパターンを利用する場合は必ず会社へ相談しなければなりません。就職先の有無に関わらず請求は必ず来る就職先の有無で特に書類の提出や役場へ出向くなど特別な事は何一つありません。意外とスムーズにいくのが住民税の特徴です。しかし就職先が決まっていても、決まっていなくても請求は必ずやってきますので、しっかりと支払いを計算に入れておきましょう。納付期限は変わらない為どの様に支払うかがポイント原則納付期限は変わる事はありませんので、ご自身のお財布事情と照らし合わせて支払い方法を検討して下さい。尚手続きに関しては会社に報告しなければならないパターンばかりです。自分自身で役場に行かなくても問題はありませんが、会社にはしっかりと支払の方法を伝えて退職しておく事が大切です。退職しても前年所得があれば住民税は発生する冒頭でも解説しましたが、住民税は基本的に後払いの感覚です。勤めている間に天引きされているのは昨年度の住民税ですので混同しない様にして下さい。特に次の就職先が決まっていない方、結婚などで専業主婦(夫)になる方、パート、アルバイトになる方等は収入が無い中で納税を強いられます。どれ位納税するかは今天引きされている金額を確認するか、6月に会社から受け取る住民税の決定通知書に記載がありますので、確認しておきましょう。退職後の住民税に関するまとめ今回は退職した後の住民税について解説してきました。特別な手続きなどは必要ありませんが、ちゃんと納税できる様にお金の確保をしておく事が重要ですので、退職前にしっかり確認しておきましょう。
2019年12月09日ふるさと納税を実施すると、一定の基準に従って算定した基準額まではその全額が所得から天引きされます。具体的には、この仕組みにより所得税と住民税が減少します。この2つのうち、特に安くなるのが住民税です。そこで、今回はこの納税を利用することで、主に住民税が安くなる仕組みと計算方法について記述いたします。ふるさと納税のメリット及び所得控除の仕組みふるさと納税の所得控除を行うための手続きふるさとチョイスワンストップ特例の利用方法ワンストップ特例制度を利用するケースでは、通常の場合と違い確定申告をする必要はありません。ただ、その代わりに特例制度の申請書と「マイナンバーおよび本人を確認できる書類の写し」を、ふるさと納税を行った先の市区町村に送付する必要があります。税金の手続き自体は免除されない確定申告不要でも税金に関する手続きが免除になるわけではない点に注意です。また、期限は寄付した翌年の1月10日までです。手続きのタイミングも確定申告より早いので、利用される方は年末から準備しておきましょう。注意点ふるさと納税の所得控除の仕組みで勘違いしやすい部分や間違いやすい部分を、注意事項として下記の4つにまとめました。こちらも上記の部分と合わせて気をつけて下さい。所得控除が二段構えになることをしっかり理解する所得控除というと還付金を想像される方が多いと思います。しかし、上記のようにふるさと納税の所得控除の還付金として返還されるのは所得税のみでその金額は少額です。大半の所得控除は翌年の住民税額から天引きされます。「還付金が少ない!」と翌年になって慌てないように二段構えの所得からの天引きの仕組みをしっかり理解しましょう。確定申告するケースとワンストップ特例制度を利用するケースを混同しない上記の二段構えの所得控除は確定申告時の話で、ワンストップ特例制度利用時は住民税からの天引き一本です。ですので、ワンストップ特例制度を利用した場合は翌年の還付金でふるさと納税分の還付金は一切ありません。これらを混同して「還付金が全くない!」と翌年になって慌てないように気をつけましょう。正確な金額は税理士に相談する上記で計算したのはあくまで概算金額です。住民税額を確認できるシミュレーション機能もご紹介しましたが、これもあくまでシミュレーションであり正確な金額ではありません。正確な金額を確かめたい場合は税理士に相談して確認するようにして下さい。ふるさと納税の趣旨は地方創生ここまで所得控除のメリットについて主に記載してきましたが、ふるさと納税の趣旨は地方創生です。返礼品や所得控除のお得感にだけ目を奪われるのではなく、自分が応援したいと思える市区町村を選ぶことも大切です。ふるさと納税で住民税が安くなる仕組みに関するまとめ所得控除には、医療費控除、住宅関連の控除など様々な種類があります。その中でも、ふるさと納税の所得控除の仕組みは一般の所得控除とは異なります。これをまず念頭に置いた上で控除の仕組みをよく理解し、控除金額の確認をするとよいと思います。ふるさと納税の所得控除の仕組みのポイントを押さえて翌年になって慌てないようにしましょう。
2019年12月09日今回は住民税の均等割について解説していきます。均等割って何?と思う方もいらっしゃるかもしれません。今一度、住民税の内容や仕組みを解説していきますので、最後までお付き合い下さい。住民税とはまず始めに住民税について簡単に解説しておきたいと思います。住民税はその年の1月1日時点において住民票の置いてある自治体に納付する事になる地方税に該当します。都道府県民税と呼ばれるいわゆる「県民税」と市区町村民税と呼ばれる「市民税」の2つで構成されており、それぞれ「所得割」と「均等割」という区分で計算され、これら全てをまとめて「住民税」と言います。納付方法は2種類あり、特別徴収、普通徴収に分かれます。特別徴収はお勤めの企業からの給与天引きとなり12カ月に渡り納める形となります。普通徴収は5月下旬から6月初旬にかけて納付書が自宅に届き、その通知に記載の期限内に納めます。原則6月、8月、10月、1月の4期に分かれており、都度納めるか、6月中に一括で納める事も可能です。住民税の計算方法は前年度の1月1日から12月31日までの課税所得に対して計算される仕組みとなっています。所得割と均等割の違いここからは「所得割」と「均等割」の違いについて解説していきます。所得割とは所得割とは課税所得に対して計算される為、金額に定めはありません。税率に関しては県民税と市民税とで分かれており県民税が4%、市民税が6%となり合計10%となります。またこの税率は平成30年度より政令指定都市のみ県民税2%、市民税8%と変更になっています。また各自治体によって税率を変更する事ができますが、最も高い所でも10.1%(兵庫県豊岡市)最も低い所で9.7%(愛知県名古屋市)でその他の自治体は全て10%になっています。均等割とは次に均等割について解説します。均等割は所得割と違って税率がありません。全国一律で県民税が1,500円、市民税が3,500円の合計5,000円が基準となっています。元々は4,000円でしたが、東日本大震災の復興財源として県民税、市民税にそれぞれ500円ずつ上乗せされています。この措置は2023年まで続きます。また所得割同様に各自治体で均等割額を変更する事ができ、最も高い自治体で6,200円(宮城県全域、神奈川県横浜市)となっています。最も低い自治体は複数ありますが、先程の5,000円が最低になります。参考までに対象の県は北海道、青森県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県、福井県、徳島県、香川県、沖縄県が該当しています。ここまでが住民税に関する基本的な部分のお話です。分かりやすくする為、図にまとめましたのでこちらを参照下さい。尚、所得割、均等割は共に課税されますが、所得割は課税されず均等割のみ課税や、いずれも課税されないケースもあります。詳しくは後述していきますね。住民税の課税・非課税の対象基準についてここからは少し掘り下げたお話をしていきます。先程は所得割、均等割の違いについて触れましたが、この2つは課税されるケースと課税されないケースも存在します。これも1つの違いですよね。どんな条件であれば非課税になるのか等詳しく解説していきます。また住民税に関して、個人のみならず法人も対象となります。今回は個人を対象として解説を進めていきますね。[adsense_middle]個人の課税対象者の要件まず先に課税される方はどんな方なのかという事について解説しておきますが、基本的には前年度所得がある方は殆ど対象者となります。つまりサラリーマンはもちろん、個人事業主、パート、アルバイトも対象です。しかしパート、アルバイトの方はある一定の所得に満たなければ課税される事はありません。所得が高いほど税金は高額になる先にこちらの図をご覧ください。住民税が決まるまでの流れです。図の様に1年間の総収入、売上から所得控除を行い課税所得(税金を決める基準の事)を求めます。この課税所得が高ければ税率が10%であっても高い納税額になります。遡って総収入が高い方ほど高くなります。理由は控除にも限界があるからです。年収が高い方程高額納税者であるという事ですね。個人の非課税対象者の要件ここから非課税対象者に関する解説になりますが、少し計算式などややこしくなってきますので、一つずつ解説します。免税対象の世帯は?以下に該当する方、世帯は住民税が非課税となります。生活保護受給者の方障がい者、未成年者、寡婦(夫)で且つ前年度の所得が125万円以下の場合上記の様に経済的に納税が困難な方が主に対象となっています。今回解説している所得割、均等割共に課税される事はありません。非課税になる所得限度額は?先程の解説とは別になりますが、非課税になる所得について解説していきます。とは言え、所得も限度がありますので、一体いくらなら非課税になるのかを解説していきますね。均等割が非課税になるケース非課税対象も均等割と所得割双方に計算式がありますので、まず均等割から解説します。こちらの計算式が均等割が非課税になるケースです。課税所得金額≦35万円×世帯人数+21万円尚、世帯人数が2名以上でなければ21万円は加算されませんのでご注意ください。例えば単身者の場合は21万円が加算される事はありませんから、実際には35万円以下の所得であれば均等割は非課税となります。年収に換算すると、給与所得控除が65万円ありますので、合算すると年収100万円であれば均等割は非課税となる訳です。所得割が非課税になるケースこちらも計算式がありますので、ご紹介しておきます。課税所得≦35万円×世帯人数+32万円均等割非課税の計算式との違いは末尾の21万円が32万円になっている点です。先程単身者で計算しましたが、同じ要領で計算しても年収100万円以内であれば均等割同様に所得割も非課税となります。考え方として、均等割が非課税になれば所得割も同じく非課税になるとお考え頂ければ問題ありません。既婚者の場合は?既婚者でお子さんがいらっしゃるご家庭では計算式が少し複雑になります。一つモデルケースで計算してみたいと思います。夫、妻、子供2人の場合で試算してみます。まず均等割は161万円以下の所得であれば非課税となります。式は次の通りです。35万円×4名+21万円所得割は172万円以下であれば非課税になります。式は次の通りです。35万円×4名+32万円この時172万円と161万円の所得に11万円の差が発生します。もし課税所得が165万円と間に落ち着いた場合、所得割は非課税となりますが、均等割は課税されるという事になります。では次に具体的な年収いくらなら非課税になるのかを解説していきます。非課税になる年収をまとめてみました所得で言っても、分かりやすいのは年収だと思いますので、非課税の年収を表にまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。この表に関しては均等割も所得割も非課税になるケースとして作成しています。またお住いの自治体などの計算変更等によっては該当しないケースも出てくる場合もありますので、あくまで参考程度に留めておいて頂ければと思います。また、この表記載の年収に関して、世帯全員が満たす必要がありますので、合わせてご注意下さい。住民税の均等割に関するまとめ今回は均等割に着目して解説してきました。全国一律で課税される為、所得による変動は受け付けません。また非課税に該当する場合とそうでない場合に分かれますので、ご自身の年収が該当するようであれば、事前に計算だけでも行って頂ければと思います。
2019年12月05日結婚している間は夫の扶養に入っていた人も、離婚すれば住民税を払うケースが多くなります。母子家庭にはいろいろな優遇制度がありますが、住民税にも優遇があるのでしょうか?ここでは母子家庭の住民税について解説します。母子家庭で住民税が免除になる条件についても説明しますので、シングルマザーの人、これから離婚を考えている人は参考にしていただければ幸いです。母子家庭の住民税が免除になる限度額は?シングルマザーというだけで住民税が免除になるわけではありません。免除になる条件を知っておきましょう。住民税とは?個人が払う住民税とは、道府県民税と市町村民税です。東京都の場合には、都民税と特別区民税になります。両方をまとめて、市町村に払う仕組みになっています。住民税は申告不要住民税は所得税と同様、個人が1年間に得た所得に対して課税される税金です。つまり、所得が発生すると、国に対しては所得税を納め、自治体に対しては住民税を納める必要があります。所得税については、自分で確定申告して納税するか、給与所得者なら源泉徴収により納税します。一方、住民税は所得税の申告時に申告された税額にもとづき、自治体が税額を計算して納税者に通知します。所得税の申告をしていれば、別途住民税の申告をする必要はありません。住民税は前年度の所得にもとづいて計算所得税は、今年度の税額は今年度の所得にもとづき計算する現年所得課税になります。一方、住民税は前年度の所得で今年度の税額が決まる前年所得課税です。住民税の納付方法住民税の納付方法には、普通徴収と特別徴収の2種類があります。普通徴収とは、年税額を4等分して納める方法ですが、一括納付も可能です。一方、特別徴収とは、年税額を12等分して、毎月の給与から天引きする形で納税する方法になります。会社員の場合には特別徴収が原則になりますが、新入社員は前年度の給与がないため普通徴収となり、2年目から特別徴収が開始されます。住民税の計算方法離婚したばかりの人は、住民税がいくらかかるのかが気になると思います。住民税は、均等割と所得割を合わせた金額になります。均等割…所得の多寡にかかわらず一律に課税される金額所得割…所得金額に応じて課税される金額均等割均等割額は次のようになっています。※東京都の場合には、都民税+特別区民税となります。所得割所得割は、次の計算式で計算します。所得割額=(前年分の所得金額-所得控除額)×税率-税額控除等標準税率は、道府県民税4%、市町村民税6%の合計10%です。住民税がかからない年収とは?住民税は収入が多少なりともあれば払わなければならないわけではなく、ある程度の収入までは税金がかかりません。給与収入のみの人の場合、住民税を計算する際には給与所得控除の65万円のほか、各自治体で設定されている35万円程度の非課税限度額を所得から差し引きできます。そのため、パートなどで年収100万円以下なら通常は住民税がかかりません。住民税非課税世帯とは住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税非課税の世帯です。住民税非課税とは、均等割も所得割も課されていない状態を言います。非課税となる年収は家族構成によっても変わります。たとえば、独身の会社員の場合には年収100万円以下で非課税ですが、専業主婦の妻と子供が1~2人いる会社員の場合には、年収200万円を超えていても非課税ということがあります。住民税非課税の人とは?住民税が非課税で、均等割も所得割も免除になる人がいます。具体的には次の要件をみ満たす人です。生活保護法の規定による生活扶助を受けている人障害者、未成年者、寡婦または寡夫に該当する人で、前年の合計所得金額が125万円以下であった人前年の所得金額が(本人+同一生計配偶者+扶養親族の数)×35万円+21万円よりも少ない人、同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合には前年の所得金額が35万円以下の人(東京都23区、大阪市など)寡婦とは、夫と離婚または死別した後に再婚していない女性のことで、シングルマザーが該当します。所得金額125万円以下とは、給与収入のみの場合には204万4,000円未満となります。つまり、年収約204万円以下の母子家庭では、住民税は非課税になります。母子家庭の住民税の確認方法は?住民税は今年の年収で来年の課税が決まるため、年度の終わりには来年の住民税がかかるのかどうかが気になります。住民税の課税の有無について確認する方法を知っておきましょう。[adsense_middle]住民税非課税かどうか確認するにはシングルマザーが住民税非課税かどうかは、給与所得者の場合には源泉徴収票を見ればわかります。源泉徴収票の給与所得控除後の金額が125万円以下なら住民税はかかりません。出典:国税庁(筆者により一部加筆)個人事業主やフリーランスで確定申告をしている人は、確定申告書の所得金額の合計が125万円以下なら住民税非課税となります。出典:国税庁(筆者により一部加筆)令和3年からは所得135万円以下に引き上げにシングルマザーが住民税非課税となる所得は、令和3年以降135万円以下に引き上げになります。ただし、給与所得控除が10万円引き下げになるので、住民税非課税になる年収(204万4,000円未満)は変わりません。未婚のシングルマザーも住民税非課税の対象にこれまで住民税非課税の対象となる寡婦には、未婚のシングルマザーは含まれていませんでした。同じシングルマザーでも、結婚歴がなければ離婚や死別のシングルマザーよりも住民税の負担が大きくなってしまったのです。住民税の課税状況は、公営住宅の家賃や保育料など他の行政サービスの優遇にもつながることから、未婚のシングルマザーは大幅に不利な状況になっていました。自治体によってはこの不平等を解消するために、未婚のシングルマザーにも寡婦控除をみなし適用する形によって対応していたところがあります。税制改正により、令和3年以降は未婚のシングルマザーでも要件を満たせば住民税非課税となります。未婚のシングルマザーが住民税非課税となる要件未婚のシングルマザーが住民税非課税となるには、年収135万円以下で、児童扶養手当を受給している必要があります。事実婚状態である場合には児童扶養手当は支給されないので、年収135万円以下でも住民税非課税にはなりません。母子家庭で住民税を払うときに知っておきたいこと普通徴収の場合には役所から納付書が送られてくるので、納付書を使って銀行やコンビニで住民税を納税します。住民税を納税するときに、得する方法や便利な方法を知っておきましょう。住民税はクレジットカードで払える?住民税は現金以外にクレジットカードで納税ができることもあります。ただし、すべての自治体でクレジットカード納税に対応しているわけではありません。クレジットカード払いができないか、役所のホームページなどで確認してみましょう。住民税をクレジットカードで払うと、ポイントが貯まるというメリットがあります。もちろん、クレジットカード払いした税金分は後で確実に引き落としができるよう口座に入金しておきましょう。住民税をペイジーで払えることも住民税の納付書にPay-easy(ペイジー)マークが付いていれば、インターネットバンキングやATMから納税ができます。特に、インターネットバンキングを使えば、自宅にいながら税金の払込ができるので便利です。セブンイレブンなら電子マネーnanacoで住民税を払える納付書を使って住民税をコンビニで払う場合、セブンイレブンなら現金払い以外に電子マネーnanacoでの支払いが可能です。住民税をnanacoで支払えばポイントが付くため、その分お得になります。住民税が予定通り払えないときには?母子家庭でも、住民税非課税でなければ住民税を払わなければなりません。しかし、普通徴収の場合には年4回の納付なので、1回あたりの納税額がかなり大きくなり、支払いが困難なこともあります。住民税を指定された通りに払えない場合、ほとんどの自治体で1か月ごとの分納が可能です。納付書の金額が払えそうにないときには、役所に分納の相談をしましょう。住民税非課税の母子家庭にはどんなメリットがある?住民税非課税の母子家庭には、様々な優遇があります。[adsense_middle]0~2歳の保育料も無料2019年10月より、国の幼児教育・保育の無償化が開始したことから、幼稚園・保育所・こども園の3~5歳児クラスの利用料は全員無料になりました。さらに、住民税非課税世帯の場合には、0~2歳児クラスも無料になります。母子家庭だからこそ、子供を預けなければならない必要性が高いはずです。住民税非課税なら子供が小さくても保育料の負担なしで働けます。給付型奨学金が利用できる低収入の母子家庭から子供を大学に進学させるときには、奨学金の利用を考えることが多いでしょう。日本学生支援機構の奨学金には返還義務のない給付奨学金があります。給付奨学金を利用するには家計基準として親の収入要件がありますが、住民税非課税世帯もしくはそれに準ずる世帯なら収入要件を満たします。特に、住民税非課税世帯はもらえる金額も多く、子供の進学費用の負担を大きく軽減できます。たとえば、住民税非課税世帯から子供を下宿させて私立大学に通わせる場合には、月額7万5,800円(2020年度)の給付奨学金がもらえます。母子家庭の住民税に関するまとめ母子家庭のシングルマザーは、年収204万円程度まで住民税がかかりません。収入が少ないと生活していく上では大変ですが、住民税非課税の場合には保育料や奨学金などが優遇されます。母子家庭になったら収入を増やしていくことが大事ですが、収入の少ない間は優遇制度を活用して乗り切りましょう。
2019年11月27日今回は住民税納税の方法について解説していきます。どの様な納税の方法があるのか、またメリット・デメリットを含め、また住民税についておさらいしながら進めていきたいと思います。住民税という税金まず住民税という税金について解説をしておきます。住民税はその年の1月1日に住民票を置いてある自治体に納税します。納税額は前年度の所得に応じて計算されます。ここでサラリーマン、パートといった勤務形態の方と個人事業主、フリーランスといった方と納税の方法が異なってきます。サラリーマンと個人事業主の納税の違い納税額が決まったらどうやって納税するかという事になります。お勤めによって異なりますが、サラリーマンの場合は「特別徴収」という納税方法になり、個人事業主の場合は「普通徴収」という方法になります。読み方は違えど納税する事に変わりはありません。どのような徴収方法なのかを次で説明していきます。普通徴収とは先程も説明しましたが、個人事業主、フリーランス、または生命保険募集人などの企業に勤務しているお給料が歩合制の方等が主に該当します。この方々は必ず「確定申告」を行わなければなりません。前年度の売上を元に所得控除等で控除し、更には経費を差し引く事もできます。最終的に残った課税所得に対し所得税や住民税が決定される仕組みとなっています。ここで決定した住民税は普通徴収の場合、「納税通知書」と呼ばれる通知書が6月に自宅に届きます。4期に渡り納税期日が決まっていて、原則6月、8月、10月1月の指定された日付までに納税しなければなりません。納税は各個人で納めなければならず、納税する手段として自治体の役場、地元の銀行、コンビニ、最近ではオンラインでクレジットカード決済も可能となっています。また4期に渡っての納付書が添付されていますが、一括で納税する事も可能ですし、2期分、3期分をまとめて支払う事も可能です。普通徴収のメリット・デメリットは?個人で直接納税する場合のメリットとデメリットについて説明します。メリット余裕があれば一括で納める事ができるので失念するリスクを回避する事ができるクレジットカード決済が可能な為、ポイントが付与されるコンビニ払いだと全国のコンビニで対応できる為、出張先でも納税できる以上がメリットです。やはり一括で納める事が出来るのは大きなメリットと言えるでしょう。またカード決済ができますので、各カード会社が付与しているポイントが付く事も今の時代では大きなメリットと言えます。デメリット個人で直接納税する為、期日の失念がある期日を超えた場合、延滞金として増額される事もある納税通知書が無ければ納税できない忘れた頃にやってくる以上がデメリットです。特に期日忘れは多く、うっかり忘れていると後日自宅に督促状が届くことになりますので、慌ててしまう事もあります。私も過去普通徴収で納めていた事もありましたが、うっかり忘れて「しまった!」と思った事もありました。この時は延滞金こそかかりませんでしたが、申し訳なかったと反省した記憶があります。また、送られてきた通知書が無ければコンビニも銀行も受付してくれませんので、紛失しない様にしておかなければなりません。3月に確定申告が終わったと思ったら、6月に通知書が来ます。気が緩んだ瞬間でしょうか、通知書が来た時には義務とは分っていても嬉しくないなぁと思った事もありました。また納税をかなり放置してしまうと、資産の差し押さえ等最悪なケースに発展する事もありますので、納付期限は守る事が大事です。一括納付の利点は?割引あるの?普通徴収のメリット・デメリットを解説しましたが、一括で納付する事もできる事を書きました。よくある質問ですが、一括だと割引ありますか?と聞かれます。答えは「ありません」。以前までは若干の割引があったようですが、今はその制度は無くなり、割引という利点は消えています。但し先程も申し上げたように、1年分を一回で支払う事に関しては、支払い忘れが無くなりますので、支払額が問題無ければ一括で納める事が望ましいでしょう。特別徴収とは特別徴収は主にサラリーマンやパート、アルバイトの方が対象になります。お給料を支払う企業が従業員に代り納税する方法が特別徴収です。普通徴収では4期に渡る納付書が送られてきますが、特別徴収は12ヶ月に渡って給与から天引きされる仕組みとなっています。住民税の計算は普通徴収と変わりはありません。また平成29年度より特別徴収の義務化が徹底されました。それまでは特別徴収を導入している企業も多くなく、納税を管理する側の立場からすると、納付の失念や遅延を極力避けたい為、また納税を強化するために義務化となりました。[adsense_middle]特別徴収のメリット・デメリットは?ここからは特別徴収のメリット・デメリットについて説明します。メリット会社が代りに納税してくれる為、支払い忘れが無い12カ月に渡って給与天引きの為、納税の負担が軽いメリットは2つ。共に従業員の方の負担が軽くなるといった点が挙げられます。何より支払い忘れが無い点は普通徴収と比べて大きなメリットと言えます。また強制的に12カ月に渡る事になりますので、負担も軽く、給与から天引きされていますので非常に分かりやすいですね。デメリット給与天引きでクレジットカード納付の方法が取れない副業していれば会社にバレる可能性がある企業側の手続きが大変であるデメリットは3つですが、普通徴収に比べればそこまで大きなデメリットではないかと思います。しかし、最近では副業を行う方も多く、2か所からの給与を得るとなると、それぞれ住民税の計算を行う事になります。結果、勤務先の会社に住民税が合わないという事で副業が明るみになる事も。この場合、特別徴収から普通徴収に切り替えれば大丈夫ですが、会社を通じて申し出なければなりませんので、ご注意下さい。特別徴収と普通徴収に大きな違いは無いこれまで2つの徴収方法について解説してきましたが、税額に違いは無く、どちらかが得をする損をするといったものではありません。誰が支払うのかという事の違いだけですね。後のクレジットカードが使える等の違いはあるにせよ、置かれた状況の中でしっかりと納税を行っていきましょう。個人的なエピソード私もかつて普通徴収で納税していた頃のお話を少しお披露目したいと思います。随分以前になりますが、生命保険募集人をしていた頃、お給料は歩合制でした。前年度のお給料(所得)が高く、翌年の売り上げは低かった為、予想外の住民税に驚きました。4期に渡って納めると言っても、低い売上の中から高額な住民税を納めることは当時の私にとってかなり厳しい金額でした。そこで役場に相談に行き、事情を説明し、何と12カ月に渡って分納する事ができました。役場から貰ったのは12ヶ月に渡る納付書でした。さすがにここまでやって貰って支払い忘れは出来ないと、いつもより気を張っていた事を思い出しました。私の様にケースによっては分割に応じてくれる事もありますので、少し厳しいなと思ったらすぐに相談に行った方が良いですね。住民税の特別徴収に関するまとめ今回は特別徴収と普通徴収の違いについて解説してきました。大きな違いこそありませんが、この税金が無ければ私たちの生活に大きな支障が出る事は必至です。しっかりと納税し有効に使って頂きたいですね。
2019年11月22日今回は会社員向けの記事になります。テーマは住民税です。ご存知の通り日本には様々な税金があります。その中の一つである住民税について知っておくと便利な知識を今回は解説していきますので、特に新社会人になった方、転職をお考えの方は是非ご覧下さい。住民税とはどんな課税?始めに住民税についてお話しておきます。訳も分からず税金を納めるより、分かって納税しておきたいですよね。そもそもですが「税金」の役割は周知のとおり、私たちの生活に纏わる様々なサービスを負担してくれる財源を指します。例えばごみの回収や公共施設の維持管理等です。他には道路の整備、警察、消防、救急等の経費など多岐に渡るものです。その一部を負担しているのが住民税になります。もう少し具体的に解説していきますね。住民税の詳細について1月1日現在に住民票の置いてある自治体に対し納める税金で、「都道府県民税」と「市町村民税」の2つを合わせたものを住民税と言います。住民税は前年度の所得に応じて計算され翌年支払う事になります。計算される過程で「所得割」部分と「均等割」部分に分かれ、合算したものを徴収される事になりますが、徴収の方法としては給与天引きされる特別徴収か、確定申告が必要な方は自分で納める普通徴収となり、今回テーマのサラリーマンであれば殆どの方は特別徴収に該当します。住民税の請求、支払いまでを図解します住民税が計算され、支払いに至る過程を図解説明していきます。後程気を付けておきたい事も解説しますのでご一読下さい。住民税はいつから発生するの?初めて社会人になる方必見!住民税は一体いつから納めなくてはならないのでしょうか?特に新卒の方等は分からない事もあるかもしれませんね。ひょっとするとアルバイト等で住民税を引かれている方もいらっしゃるかもしれません。今一度計算される期間を図にしてみましたのでこちらをご覧下さい。これは今年を対象にした図ですが、2019年に受け取ったお給料をベースに計算される事になります。そして計算された金額は来年の6月からの支払いスタートとなりますので、計算が終わって新年度に入り半年後に支払いが発生するという事になる訳です。前年の年収?給料?所得って何?ここで一度所得について触れておきます。先程の図では前の年の所得を元に計算されるイメージを表しています。混同し易いのが年収という言葉です。ここで改めて用語について解説しておきます。年収はお給料、ボーナスの総額を指します。例えばボーナス無しで毎月総支給額25万円だったとします。年収は25万円×12カ月=300万円になるという事です。ここでは社会保険など引かれる前の金額で計算しますので注意しておきましょう。所得とは年収から所得控除を差し引いた残りの金額を指します。細かく言うとこれを課税所得と呼びます。住民税や所得税等は、この課税所得に対し決められた税率を掛ける事になります。住民税の計算はこんなイメージですこちらの図をご覧ください。先程の図と併せてご確認頂けると分かりやすいかもしれません。まず年収の総額があって、所得控除を差し引きます。主な控除は基礎控除や生命保険料控除、社会保険料控除等様々あり、個々によって利用できる控除は異なってきます。そして課税所得が計算されたら、そこに対し所得割の計算が先に発生します。この所得割に関しての税率はこちらの図をご覧ください。全国で殆ど一律での税率となっており、最も高い所で10.1%、低い所で9.7%となります。平均して10%で考えて頂ければ問題は無いでしょう。この所得割額が計算された後に更に税額控除と言って、身近なものでは住宅ローン減税があり、住宅ローン減税含め約19種類にも登る最終控除が発生し、その後に住民税の納税額が決まる流れとなっています。住民税の支払いは2種類冒頭で触れましたが、計算された住民税を納める方法は2種類ありましたね。もう少し詳しく解説しておきたいと思います。企業が代行して納税する特別徴収サラリーマンやパートさんの方が殆どです。お勤めの企業が従業員に代り、住民税を納める方法です。給料明細などに記載されてある事で納税額を確認する事ができ、給与天引きとなるため支払いの失念が無い事が特徴です。また12カ月に渡って支払う事ができますので、大きく引かれる事もなく支払いの負担は軽いでしょう。納付書を使用し直接納税する普通徴収サラリーマンの中には確定申告を必要とする方も中にはいらっしゃいます。生命保険募集人さんは正にそうでしょう。この場合、自分や税理士を通じ確定申告しますが、この際に計算された課税所得に対し毎年6月に納付書という書類が送られてきます。4期に渡り納付する書類が入っており、6月、8月、10月、1月の納付期限が決められています。この納期に従って住民税を納めますが、一括で4期分納める事も可能です。但し、自分で納めなければならない為、うっかり納期を忘れてしまう事もあります。支払える時に納めておきたいですね。住民税の計算は所得税の計算過程と同じこれまでは住民税の計算期間から計算方法、納税までを解説してきましたが、実は住民税は所得税の計算の流れと全く同じなんですね。違いは税率くらいです。基本的に納税額を計算する場合は先程の図に則り控除を差し引いて計算されます。年収が高い方、控除が少ない方は納税額も高くなりますし、同じ年収でも控除が多い方は納税の金額にも差が出てきます。この年収が高い事による事例を次に解説していきます。転職をお考えの方は是非ご覧ください。[adsense_middle]転職する際に気を付けておきたい事最近では仕事も多様化してきて、転職や自営業になったりと様々な仕事の選択肢があります。その際に気を付けておきたい事を解説します。転職を例に挙げてみると、以前までの勤務先での年収が高い場合、翌年支払う住民税が高いままであるという事です。具体的に言うと、年収800万円あった会社から年収500万円になるケースなどです。これは極端かもしれませんが、住民税は前年度の所得に応じて計算され翌年支払いを開始する仕組みです。前年まで800万円での年収に対する所得は高額な金額が想像できますね。そして年収がダウンして手取り額も下がったタイミングで、前年度の住民税がやってくる事になります。支払い終えるまでは家計にも響くケースだってあるかもしれません。また自営業に転身した場合、売上が少ないタイミングで前年の住民税が大きくのしかかるケースもあります。特に年収が高い方は、しっかりと納める金額を把握して翌年の納税に備えるのがベストだと思います。退職する際にも気を付けて実は退職も気を付けるべき点はあります。退職後、新たに就職先がある場合は大丈夫かもしれませんが、無職でいる場合でも容赦なく住民税の納付はやってきます。前年までは給与もあったけど、今年は仕事せずにゆっくりしたいと思っても、前年に計算された住民税は忘れた頃にやってきますので、納める金額の蓄えはしっかりと持っておきたい所ですね。住民税はいつから納税するかに関するまとめ今回はサラリーマン、新卒の方向けに住民税に関する解説を行ってきました。特に転職や退職時には気を付けておきたい所ではあります。また年収のアップダウンが大きい給与体系なども注意が必要です。税金とは言え、滞納しすぎると大切な財産さえ差し押さえられてしまいますので、退職、転職はしっかり準備して行って下さいね。
2019年11月14日今回は住民税が免除される要件等について解説していきます。基本的に住民税は所得に応じて計算される仕組みです。いくらの所得であれば課税非課税のラインなのか、そもそも所得をコントロールできるのか等様々な疑問について解説しますね。始めに年収と所得の違いをおさらいしますよく「年収」いくらだったらとか、計算では「所得」がいくらであれば非課税になります等、ネットで検索すると出てきますよね。ここでは年収と所得の違いについて先に解説していきます。年収とは1年間で得た収入の総額を指します。サラリーマンの場合総支給額で計算され、ボーナス等も含まれます。ここでは社会保険料など引かれる前の金額を意味しますので比較的計算しやすいでしょう。所得とは、年収から所得控除を引いたものを指します。所得控除には配偶者控除、社会保険料控除、基礎控除、生命保険料控除等様々あり、控除額が大きければその分納める税金も安くなる仕組みとなります。住民税は所得に応じて計算されます。また、各家庭によっては控除の適用も異なる為、一概に年収が同じでも異なる事になります。個人事業主の方は確定申告をしなければなりませんので、所得控除に加え、経費を差し引いて所得を計算します。この経費がいくらかかったかによって所得金額が変わります。コントロールできると言えばできるかもしれませんが、使っていない経費などを計上する事はできませんので、気を付けるべき点ではあります。住民税が非課税になる対象は?ここから本題に入っていきます。住民税が非課税になると言っても内訳は様々あります。こちらの図をご覧ください。ご覧の様に都道府県民税と市町村民税に分かれ、更に均等割、所得割と分類されます。何がどうなっているのか少し詳しくお話しておきます。均等割は一律で課税されるもので、一般的に都道府県民税が1,500円、市町村民税が3,500円となっており、自治体によって税率を変え上乗せで徴収する事もできます。所得割は全国で10%となっており、こちらも均等割同様自治体によって税率を変える事は可能です。一般的には都道府県民税が4%、市町村民税が6%の割合です。均等割、所得割いずれも前年度の所得に応じて計算されますので転職や退職時には気を付けておきましょう。さて、この住民税が非課税になる対象ですが、先に課税されない収入を解説し、後に収入の基準を解説していきますね。課税されない収入は何?課税される事のない収入ですが、失業保険の給付金や生活保護の給付金が挙げられます。国の補助である制度からは課税は免除されます。障害年金や遺族年金も非課税?皆さんは障害年金、遺族年金という言葉をご存知でしょうか?これは国が定める障害認定に該当した場合、国から年金が支給される事になります。また、遺族年金は配偶者のどちらかが亡くなった際に国から年金を受給する事ができる制度ですが、この年金に関して住民税が掛かる事はありません。課税されない世帯や所得基準は?ここからは非課税になる対象世帯や非課税になる対象所得について解説していきます。非課税になる対象世帯は?住民税が非課税になる対象世帯は次に該当する方になります。生活保護を受給している障がい者、未成年者、寡婦(夫)で且つ前年度の所得が125万円以下の場合※寡婦(夫)とは配偶者と死別若しくは離別した独身の方の事です。【前年度の所得が次の金額以下の場合】控除対象の配偶者や扶養親族がいる方35万円×(本人・控除対象配偶者・扶養親族の合計)+21万円控除対象の配偶者や扶養親族がいない方35万円上記に当てはまる方は住民税の均等割、所得割共に課税されません。尚、所得割のみ課税されないというケースもありますので以下にその要件を記載します。控除対象の配偶者や扶養親族がいる方35万円×(本人・控除対象配偶者・扶養親族の合計)+32万円控除対象の配偶者や扶養親族がいない方35万円尚、今回使用した計算式は東京23区の場合です。お住いの自治体によって若干計算式も異なる場合がございますので、ご確認下さい。非課税になる対象所得は?次に非課税になる対象所得について解説します。特にパート勤務等されている方は参考にして頂ければと思います。結論から言えば、前年度の総収入が100万円以下(細かく言うと98万円)であれば住民税は非課税となります。あれ?103万円じゃなかったっけ?とお考え違いの方もいらっしゃるかもしれませんので、補足しておきたいと思います。所得税の103万円の壁と住民税の100万円の壁タイトルの通りですが、103万円は所得税が非課税になる金額の事を指します。住民税は100万円となっており、混同しやすいですよね。何故この様に金額が異なるのかと言いますと控除される額が異なる為です。その計算に関して次で解説しますので、覚えておいて頂ければと思います。控除に関する計算式まず所得を計算するにあたり、基礎控除というものがあります。これは誰でも同じ金額で38万円となっていますが、住民税に関する基礎控除は実は33万円なんです。この差によって103万円と100万円の違いが発生する事になる訳ですね。事例で解説します。パート勤務Aさんの場合Aさんの前年度総収入が98万円でした。翌年の住民税を計算する場合次の計算式になります。年収98万円-所得控除65万円-基礎控除33万円=0この様に0円となりましたので非課税になります。所得税ですと、上記の所得控除と基礎控除の合計金額が103万円になりますので、103万円以下に抑えるという事になります。気を付けるべきは100万円以上103万円未満に年収が収まった場合は住民税が課税される事になりますので、出勤時間などの調整で収入を調整して頂く必要は出てくるかもしれません。所得税と住民税では控除額が異なる今回を機に一つ覚えておいて頂きたいのは所得税と住民税では控除額が異なるという事です。基礎控除もそうですが、身近なものとして生命保険料控除も異なります。少し計算間違いをしやすいですが、気になる方は是非チェックしておきましょう。また余談ですが、来年度から所得税、住民税の基礎控除額が変更となります。しかし103万円、100万円と明らかに変化するものではありませんのでご参考までに。住民税が非課税になるメリット・デメリットは?ここからはメリットとデメリットについて解説していきます。非課税なのは嬉しいけどどうなんだろうと思う方は是非ご一読下さい。[adsense_middle]非課税のメリット住民税が非課税になった場合の主なメリットは以下の通りです。高額療養費制度利用時の自己負担額が少額国民健康保険料の減免NHK受信料の免除保育料の減免上記が主なメリットですが、具体的には1の高額療養費自己負担額は35,400円となります。また国保ですが、これは自治体において申請が必要ですので、お住いの自治体に確認頂く必要があります。そしてNHKの受信料に関しては、世帯構成員のどなたかが、障がい者手帳を保有し、且つ世帯全体が住民税非課税の場合であれば免除されるそうです。お子様のいる世帯でしたら、所得に応じて保育料等も変わりますので役場などに確認されてみて下さい。一番心配な治療が出来るのかという点においては大きいと思いますし、70歳以上であれば24,600円と高額療養費自己負担額が更に減額となりますので、覚えておいて下さいね。非課税のデメリット非課税のデメリットについてはそんなにありませんが、気を付けて頂きたいのは、今流行りの「ふるさと納税」を行っている方は損をするという事です。理由は、そもそもふるさと納税はお住い以外の自治体に納税する事によって住民税の控除が受けられます。しかし、非課税ともなれば控除される事はありませんので、仮に1万円のふるさと納税を行っても、1万円の自己負担なだけになりますのでご注意下さいね。住民税非課税世帯に関するまとめ今回は住民税の非課税に関する解説でした。所得によって非課税になるラインなどがお分かり頂けたかと思います。特にパート収入の方等は金額をしっかりと押さえておいて下さいね。
2019年11月11日改正相続法が今年7月に施行された。今回は、多くの人、とりわけ女性にとって、有利な改正になっているが、どれほどの人が知っているだろうか。また、来年にも新制度が始まる……。施行から3カ月、改正相続法の遺産の新ルールを弁護士の松下真由美さん、弁護士の外岡潤さんが解説!【ケース】父とともに遺言状の作成を行っているE子さん。遺言状は自筆である必要があるので、父に書かせているが、資産家の父は財産が多岐にわたっているうえ、一筆でも間違えば、訂正印を押して、何文字直したまで記載しなければならない。手元がおぼつかない父はイライラが募り、もう書きたくないと言いだした【新ルール】財産目録は自筆じゃなくてもOKに「遺言書は、日付、署名、押印がなければ認められず、すべて手書きでなければいけませんでしたが、今年1月から『財産目録』に限り、自筆でなくても認められるようになりました」(外岡さん)遺言作成の手間が大幅に軽減したことになる。「パソコンやワープロを使って作成した文書や、不動産登記事項証明書、通帳のコピーも目録として使用してもよいことに。ただし各ページに署名押印する必要はあります」(外岡さん)日本は現在、亡くなる人が年間で130万人を超えている。「つまり、その数だけ『相続』事案は発生しています。高齢者同士の相続が増えたことや、配偶者保護の必要性が出たことなどから、今回40年ぶりに相続法が改正されたのです」(松下さん)配偶者居住権や、生前贈与の持ち戻し免除が認められるようになったのも、超高齢社会で残された配偶者が困窮しないための措置だ。妻にとって、有利なことが多い今回の法改正。知らなければ、大きな損。逆に知ってさえいれば、大きく得ができるのだ!
2019年11月02日改正相続法が今年7月に施行された。今回は、多くの人、とりわけ女性にとって、有利な改正になっているが、どれほどの人が知っているだろうか。また、来年にも新制度が始まる……。施行から3カ月、改正相続法の遺産の新ルールを弁護士の松下真由美さん、弁護士の外岡潤さんが解説!【ケース】C子さんの夫は認知症を発症し、遺言状を書くことはできない。夫が亡くなった場合、評価額2,000万円の自宅だけが遺される。遺産は、C子さんに1,000万円、折り合いが悪く没交渉になっている娘に1,000万円という計算になるが、娘からは遺産分割のため、自宅の売却を求められる可能性が高い。このまま、住み慣れた家に住み続けたいが……【新ルール】’20年4月から夫の死後も居住権を主張できる「夫の死後、土地を妻と子どもたちで遺産分割する場合、所有権を子どもたちが取得すれば、年老いた妻が家を追い出される可能性があります。『高齢の配偶者の自宅を確保する』ために、改正相続法では『配偶者居住権』が新設され、’20年4月から施行されることになりました」(外岡さん)自宅の権利が「所有権」と「居住権」に分けられ、妻が居住権を相続すれば、所有権の有無にかかわらず、妻は自宅に住み続けることができるようになる。居住権の価値の算出は、築年数や耐用年数などから複雑な計算をする必要があるが、価値を仮に1,000万円とした場合、C子さんは居住権1,000万円、娘は“居住権のない所有権”1,000万円を相続することになる。居住権は売ることはできないが、C子さんはなくなるまで、自宅に住み続けられるのだ。「さらに、『配偶者短期居住権』というのも新設されます。遺産分割協議成立まで一定期間(早期に成立した場合は最低6カ月)、妻は家賃を払うことなく自宅に住み続けられることに」(松下さん)
2019年11月01日改正相続法が今年7月に施行された。今回は、多くの人、とりわけ女性にとって、有利な改正になっているが、どれほどの人が知っているだろうか。また、来年にも新制度が始まる……。施行から3カ月、改正相続法の遺産の新ルールを弁護士の松下真由美さんが解説!【ケース】夫が亡くなり、葬儀をしないといけないのに、B子さんと息子には貯金がない。夫の口座には葬儀費用ぐらいありそうだけど、口座が凍結されてしまって……【新ルール】150万円まで故人の口座からお金をおろせる「被相続人(夫)が亡くなると、金融機関の預貯金は凍結されて、遺産分割の協議が終わるまで、引き出せなくなってしまいます。しかし『葬儀のお金がない』というのは重大な問題です。そこで、今年7月から、相続人が適切な手続きを行えば、被相続人の預貯金を引き出せるようになりました」(松下さん)引き出せる限度額は、被相続人の預貯金残高の「3分の1」に、相続人の法定相続分(妻=2分の1、子=2分の1をきょうだいの数で割った額)をかけた金額。仮に夫が600万円の貯金を遺した場合、B子さんは6分の1にあたる100万円まで引き出せる。「ただし、1金融機関での払い戻しの上限は『150万円まで』と定められています。『用途』は限定されていません。なかには、被相続人の負の遺産、つまり借金を返済するという目的で払い戻す人も。いずれにせよ、何に使ったのか記録を残しましょう。葬儀費用など故人のためではなく、自分のために使った場合は、相続額から引き出した金額分が引かれることになります」(松下さん)
2019年11月01日遺産分割協議書と聞くと何か難しそうな印象の書類が思い浮かびます。そのため、どんな書類なのだろう?と疑問に思うこともあるかもしれません。また、相続を専門的に扱っていなければ、一般的にはなかなか聞きなれない書類かと思います。遺産分割協議書とは、相続が起こった際に相続人の間でどのように財産が分割されたのかといった話し合いの結果を記載する書類のことをいいます。では、どのような理由で作成し、提出先はどこになるのでしょうか?今回の記事では、遺産分割協議書の作り方や遺産分割協議書を使用する手続きの流れについて順番を追って紹介していきます。手続きの流れここでは手続きの流れについて順番を追って紹介していきます。遺言書が有るのかどうか?相続が発生した場合の手続きの流れとして、まず遺言書の有無を確認します。遺言書があった場合、遺産分割協議で相続人の間で自由に遺産を分割できなくなる可能性も出てくるため、遺言書の確認はとても重要な作業になります。そして遺言書の有無の確認後、遺言書がなかった場合、誰が相続人なのかを確定させていく必要があります。相続人は誰なのか?そこで誰が相続人に当たるのかを確認する方法として、戸籍謄本を確認する方法があります。入手方法として、役所で被相続人(亡くなった人)の出生から死亡までの戸籍謄本を発行してもらい確認していきます。この確認によっては、今まで存在を知らなかった相続人がいるケースも考えられるため、こちらもしっかりと調査する必要があります。相続財産はどのくらいあるのか?相続人の確認後、相続財産がどのくらいあるのかを確認しなければなりません。この際、後にトラブルに発展する可能性もあるため、可能な限りその時点での財産の額を確認する必要があります。それでも万が一新たな財産が見つかった場合、どうするのかも念のため相続人の間で話し合っておくことをおすすめします。また、相続人が1人の場合は1人で引き継げばいいだけですが、相続人が複数人いる場合は、遺産を相続人ごとに分割する話し合いをしていく必要があります。この相続人の間で行われる遺産分割の話し合いのことを遺産分割協議といいます。遺産分割協議遺産分割協議書は、この遺産分割協議で行われた話し合いの結果をまとめた書類になります。財産の分割については各相続人による話し合いが必須となります。その際、口頭だけでは言った言わないなどの思わぬトラブルが生じる可能性もあります。このようなトラブルを防ぐため、遺産分割協議書という書類に相続人同士の話し合いの結果をまとめる必要があります。このような役割から、遺産分割協議書はいわば契約書のような役割を持っていると言えます。また、遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。例えば相続人の中に未成年者が含まれている場合は、未成年者の代理人も含めて遺産分割協議を行わなければなりません。もし相続人が欠けた状態で遺産分割協議を行っても、その協議は無効とされます。そのため被相続人の出生から死亡までの謄本を取得し、相続人を正しく調査することが重要となるのです。遺産分割協議書が必要な手続き遺産分割協議書は主に次の手続きに必要となります。預貯金の名義変更不動産等の名義変更登記株式等の名義書換相続税の申告各手続については後述します。このように遺産分割協議書によって、相続財産の名義変更をする際、誰にどの財産が分割されたか第三者が確認することが可能になります。こうした点から遺産分割協議書は、証明書のような役割を持っていると言えます。相続財産の名義変更等遺産分割協議書によって可能となる各種の手続きはどのようなものがあるのでしょうか?また、提出先はどの役所になるのでしょうか。ここでは遺産分割協議書を添付資料として使用できる各種手続きについて紹介していきます。預貯金の名義変更手続き(提出先:銀行等)銀行等の名義変更手続きは、被相続人名義の口座を解約し、相続人の口座に預貯金を移していく形になります。その際、どの相続人にいくらを移せばいいのか第三者から確認することが書類なしでは困難となります。しかし、遺産分割協議書があれば、遺産を誰が引き継ぐのかの証拠となるため名義変更の手続きに書類が必要となるのです。不動産等の名義変更登記(提出先:法務局)不動産等の名義変更は、不動産登記をすることによって行います。不動産登記については第三者が確認するために必要な手続きですが、自分で行うことは難しいため専門家に依頼して確実に行うことをおすすめします。その際、登記の必要書類として遺産分割協議書が必要となります。株式等の名義書換(提出先:証券会社等)株式の名義書換は、上場会社の場合、取引のある証券会社等で行います。その際に名義書換の根拠資料として遺産分割協議書が必要となります。相続税の申告(提出先:税務署)相続税の申告の際も、遺産分割協議書が必要となります。遺産分割の話し合いの結果によっては、相続税が高くなってしまう可能性も考えられます。そのため遺産分割の話し合いをする前に、相続専門の税理士等にどのような分割方法が相続税が低くなるのかを相談するのも有効な選択肢の1つと言えます。遺産分割協議書の作成方法[adsense_middle]書式などの要件遺産分割協議書の作成についての書式ですが、特に決まった書式はありません。そのため縦書きや横書き、手書きでの作成やパソコンで作成して印刷することも可能です。ここでは一般的な書式について紹介していきます。タイトル何の書類なのか分かりやすいように「遺産分割協議書」と記載するのが一般的です。本文の内容次に本籍地、最後の住所、被相続人(亡くなった人)の氏名を記載します。氏名の横には死亡年月日も記載しておきます。例として、下記のような内容になります。例本籍:○○県○○市○○町○○丁目○○番地○○号最後の住所:○○県○○市○○町○○丁目○○番地○○号被相続人:○○ ○○(令和○○年○○月○○日死亡)そして下記のような一文を入れるのが一般的です。上記の被相続人の相続人全員が、被相続人の遺産について協議を行い、次の通り分割することに同意した。この同意する一文の後、相続人ごとに財産の記載をしていきます。相続財産の記載について不動産について土地、建物などの不動産については、自宅などの自分たちだけが分かる書き方では、第三者が確認する書類としてはふさわしくありません。そこで第三者が確認しても意味が通るように登記事項証明書(登記簿謄本ともいいます)の記載に従って正確に記載することが求められます。仮に間違えて記載してしまうと、法務局での手続きの際、受け付けてもらえない場合があるので注意が必要です。例としては土地の場合は所在、地番、地目、地積の順に記載し、建物の場合は、所在、家屋番号、種類、構造、床面積などの記載が必要となります。例を挙げると下記のようになります。例1.相続人○○ ○○は次の遺産を取得する。<土地>所在:○○市○○町○○丁目地番:○○番○○地目:宅地地積:○○㎡<建物>所在:○○市○○町○○丁目家屋番号:○○番○○種類:居宅構造:木造かわらぶき2階建床面積:1階○○㎡2階○○㎡現金、預貯金について現金の場合は、金額に換算できるため金額をそのまま記載して問題ありません。また預貯金の場合は、金額の他、銀行名、支店名、預金種類、口座番号の記載が必要となります。預貯金の金額は銀行等から残高証明書を取得して、正確に記載する必要があります。理由として、遺産分割協議書は相続税申告の際の添付書類としても使用するため金額の記載があると、相続税申告の際に税務署のほうでも遺産の分割内容が把握できるためです。例として、記載内容としては下記のようになります。例2.相続人○○ ○○は次の遺産を取得する。<現金>金○○○○○○円<預貯金>○○銀行○○支店普通預金口座番号○○○○○○口座名義人○○ ○○金額○○○○○○円株式について株式については会社名、株式の種類、株数の記載が必要です。例として、下記の通りになります。<株式>○○○○株式会社普通株式○○○株その他入れておきたい文言について遺産分割協議の際は、全ての財産について話し合いをしたつもりでも、新たに財産が見つかる場合もあります。そのような場合もトラブルに発展することを未然に防ぐために、新たに財産が見つかった場合はどうするのかを記載しておくことをおすすめします。例として次のように記載します。3.本協議書に記載のない遺産及び後日判明した遺産については、相続人○○ ○○がこれを取得するものとする。人の気持ちは変わりやすいものなので、その時考えればいいなどと安易に構えていると思わぬトラブルに発展する可能性があります。面倒かもしれませんが、この一文については誰が相続するのかよく話し合いの上、記載しておくことをおすすめします。日付、住所、氏名の記載と押印最後に記載した日付と相続人ごとに住所、氏名を自署し、押印するのが一般的な書き方になります。なお押印の印鑑ですが、認印ではなく実印での押印が望ましいです。例としては、下記の通りとなります。例上記の通り、遺産分割の協議が成立したので本書面を○○通作成し、署名押印の上、各自1通ずつ保管する。令和○○年○○月○○日住所相続人○○ ○○実印住所相続人○○ ○○実印住所相続人○○ ○○実印遺産分割協議書の作成枚数遺産分割協議書が複数ページにわたってしまうようでしたら契印も必要となります。印鑑をページとページにまたがるように各相続人が押印するようにして下さい。遺産分割協議書の作成枚数は、公平に相続人の人数分作成するのがよいでしょう。なお提出については写しでも受け付けてもらえる場合もありますが、原本を提出して原本還付の手続きの上、原本を返還してもらうことをおすすめします。参考:各相続人が集まるのが距離的に難しい場合各相続人がそれぞれ離れた地域に住んでいて、一同に会するのが難しいケースもあります。このような場合は、電話などで連絡を取り合い、最終的な書面を郵送でやり取りして自署押印してもらうというのも方法の1つになります。遺産分割協議書の作成を専門家に依頼するメリット、デメリット[adsense_middle]専門家に依頼するメリットここまで遺産分割協議書の作成について紹介してきましたが、あくまでも一例にすぎず、ご参考までにお考えいただきたい点にご注意ください。また、自作で書類を作成するのはチェックも大変ですし、想像以上に労力を要するものと思います。そのため遺産分割協議書の作成を専門家に依頼することも一つの方法としておすすめします。専門家に依頼するメリットとして、自分で作成すると万が一修正しなければならない箇所が見つかった場合、何度も作成し直したりする手間が生じる可能性がありますが、専門家に依頼すれば手間もかからず正確な書類が出来上がります。また相続税申告についても遺産分割協議書の作成とともに専門家に依頼している場合は、相続税の節税についても期待することができます。専門家に依頼するデメリット一方デメリットですが、なんといっても費用がかかることが挙げられます。専門的な書類も多く、また相続財産の金額によって報酬を決める税理士も多いため、相続財産の金額によっては思わぬ高額な費用が発生する可能性もあります。しかし初めて作成する人は、自分で作成するとどうしても時間がかかってしまいます。専門家に依頼すればその分時間の節約が期待できますし、より短時間で正確な書面が作成される可能性があります。このようにメリット、デメリットを考えると、遺産分割協議書の作成を専門家へ依頼することも選択肢の1つとして検討の余地はあるかと思います。遺産分割協議書に関するまとめ以上、遺産分割協議書の作成方法と手続きの流れについて紹介してきました。遺産分割協議書の作成は慣れていないと時間も手間もかかってしまい、間違えてしまうと手続きが進まなくなる可能性も出てくるので専門家に依頼することをおすすめしたいと思います。手続きの流れとしては、相続の発生、相続人の調査、相続財産の把握、遺産分割協議書の作成、相続税の申告、各相続財産の名義変更というのが一連の流れとなります。この記事を参考に、少しでも手続きがスムーズになれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
2019年09月24日親が土地や不動産などの財産を持っていて、もしその親が亡くなってしまった場合は相続が発生する形となります。しかし相続では自動的に手続きが行われるわけではないため、自分たちできちんと段取りを踏んで手続きを行っていかなければ損をしてしまうケースも考えられます。また一生のうちに多く経験することではないので、やり方がわからないという方も多いかと思います。今回の記事では、相続が起こってからどうすればいいのかを順番を追って紹介していきます。相続が発生した場合、まず何からしなければいけないの?今回のケースではお父様が亡くなって(この記事では、以降亡くなった人を被相続人といいます)、お母様と子供2人が相続人というケース、つまり被相続人と相続人が3人の場合という事例で紹介していきます。死亡届の提出お父様が亡くなって、まず最初にしなければいけないことは死亡届の提出です。こちらは市区町村役場へ、死亡の事実を知ったときから7日以内に行わなければならないことになっています。遺言書があるかどうかの確認同時に遺言書があるのかどうかについても確認しましょう。遺言書があると財産の分配に影響してくる場合があります。なお、今回のケースでは遺言書はなかったものとして紹介していきます。相続税の申告と不動産などの名義変更その後、行っていく手続きとしては相続税の申告と不動産などの名義変更といったところになります。なお。相続税の申告については、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内という期限があります。一方不動産などの名義変更には期限は特に定めはありません。土地、建物などの不動産の分割の方法死亡届の提出と遺言書の確認を行ったら、次に被相続人の財産を相続人の間で分割する話し合いをしていかなければなりません。その際、現金でしたら単純に金額を分配していけばいいのですが、土地や建物などの不動産の場合そういうわけにもいきません。それでは土地、建物などの不動産の分割にはどのような方法が考えられるのでしょうか?ここでは分割方法について紹介していきます。土地、家屋などの固定資産の分割方法の種類現物分割相続財産が土地だけで建物がない場合は、単純に土地の面積を相続人の人数で割って分割する方法が考えられます。これを現物分割といいます。代償分割相続財産が土地だけではなく建物も一体となっている場合は、1人の相続人が相続するというケースがあります。このケースでは他の相続人に対して代わりの財産を分配することで公平に財産を分配できる形になります。これを代償分割といいます。換価分割換価分割とは親から引き継いだ土地や建物などの不動産をそのまま引き継ぐのではなく、売却して現金に換金してから財産を分配する方法をいいます。以上が土地、建物などの分割方法の種類になります。なお、分割方法ではありませんが、これとは別に相続人複数で土地、建物などを共有するという相続の方法もあります。計算は煩雑になってしまいますが、賃貸用マンションを相続して共有名義にするといったケースもあります。協議の内容に沿った遺産分割相続人の間で話し合いがまとまった後は、遺産分割協議書という書類を作成し遺産分割の内容を書面に残します。口約束でのトラブルが防げるのはもちろんですが、この遺産分割協議書が存在することで、第三者に対してもどのような内容で財産を分配したのかを示すことができます。参考:なかなかまとまらない遺産分割協議上記のように遺産分割協議がスムーズにまとまれば良いのですが、相続人の人数が多くなってくると遠方に住んでいるケースなどもあり、なかなかスムーズに話し合いが進まないといった状況も考えられます。遺産分割協議が相続において一番の難関であると思います。そのため、被相続人が亡くなってすぐに遺産の分割の話し合いというのはなかなか難しい面もありますが、なんとか相続人同士で協力し合って早めに話し合いの場を持つことをおすすめします。相続税の申告と相続税の納付の手続き相続人の各人にどのように財産の分配をするのかを決定したら、その内容に基づいて相続税の申告準備を進めていく形となります。相続税の申告と相続税の納付の期限は同じで、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内という期限になります。こちらは期限を過ぎると罰則があるため、遅れないように申告と納付を行わなければなりません。ここでは相続税の申告と納付の手続きの流れについて紹介していきます。[adsense_middle]相続税の計算方法相続税は現金、預金や土地、建物といった不動産、その他の財産の価値を集計して計算していきます。集計した金額からは次の控除額を差し引くことができます。相続税の基礎控除額:3,000万円+600万円×相続人の人数今回のケースでは父が亡くなって、母と子供2人が相続人という形になるため、相続人の人数が3人になります。上記の控除額の計算式にあてはめると、相続税の基礎控除額は3,000万円+600万円×3人で4,800万円という形になります。なお相続税の基礎控除額が下がってしまったため、今後相続税を申告、納付する世帯が増えてくると思われます。相続税を納めるほどの額の財産はないという人も、念のため財産の価額を確認することをおすすめします。相続財産が基礎控除額を上回ってしまったら?上記のようにおおよその計算をして、もし財産の価額が基礎控除額を上回りそうだとなった場合は、相続税の計算をして申告と納付をしていく形になります。しかし現金や預金などの財産は金額が表示されているため、誰が計算しても同じ金額になりますが、建物や土地などは誰が計算しても同じ金額とはなりません。理由として、不動産の評価金額の計算方法が専門家によって異なる場合があるためです。このことから、専門家でも不動産などの財産の評価は難しいということがわかります。そのため相続税の計算や申告は相続を専門に行っている会計事務所などに依頼することをおすすめします。なお相続の経験があまりない会計事務所もあるため、ご注意ください。もちろん依頼する分、費用がかかってきますが、結果的には時間と手間を節約できることがメリットだと思われます。相続税申告の必要書類相続税の申告が必要というケースでは、どんな書類が必要となってくるのでしょうか?ここでは相続税の申告に必要と思われる書類を紹介していきます。被相続人出生時から死亡時までつながる被相続人の戸籍謄本(こちらの書類は被相続人が引越しが多かった場合などは、なかなか取得できないといったケースもあります。そのためこちらの書類は経験上、早めに準備することをおすすめします)住民票の除票(本籍が記載されているもの)相続人相続人全員の戸籍謄本(被相続人の死亡日以降の書類を準備してください)相続人全員の印鑑証明書遺産分割協議書(記名押印のしてあるもの)不動産の登記事項証明書不動産を相続する相続人の住民票(特例を使って申告する場合、確認のために必要となります)不動産の固定資産評価証明書相続人全員のマイナンバー相続人全員の身分証明書(マイナンバーカードであればひとつで大丈夫です)基本的には上記の書類が必要です。書類については会計事務所によって取り扱いが異なることもあります。会計事務所などに依頼する場合は、依頼している会計事務所などに確認していただければと思います。相続税の納付相続税申告書が出来上がれば、相続税の金額も計算されていることと思います。なお、相続税の納付については現金で納付することとされています。そのため現金や預金などの財産が多ければ、相続税の納付も相続財産から行うことができます。しかし不動産などの財産が多い場合は、評価額によっては現金や預金で用意できないケースもあります。そのため、相続税を納付するために不動産を一部売却するといった事態が起こる可能性も確認いただければと思います。財産の名義変更の手続き相続税の申告と納付を無事済ませたら、その流れでそのまま財産の名義変更をすることをおすすめします。名義変更には期限はありませんが、名義変更を放置するとデメリットが生じる可能性があります。ここでは名義変更の手続きに必要な書類及び、名義変更を放置した場合のデメリットについて記述します。[adsense_middle]名義変更の必要書類被相続人出生時から死亡時までつながる被相続人の戸籍謄本(こちらの書類は被相続人が引越が多かった場合などは、なかなか取得できないといったケースもあります。そのためこちらの書類は経験上、お早めに準備することをおすすめします)住民票の除票(本籍が記載されているもの)相続人相続人全員の戸籍謄本(被相続人の死亡日以降の書類を準備してください)相続人全員の印鑑証明書遺産分割協議書(記名押印のしてあるもの)不動産の登記事項証明書不動産を相続する相続人の住民票不動産の固定資産評価証明書本人確認書類こちらの必要書類についても、専門家に依頼する場合は、念のため専門家に確認いただければと思います。名義変更にかかる費用不動産の名義変更とは、手続きとしては不動産の名義を被相続人の名義から相続人の名義に変更するという手続きになります。また登記の申請には登録免許税という税金が別途かかる形となります。登録免許税の金額登録免許税の金額は、相続の場合、固定資産評価額の1,000分の4と定められています。例えば不動産の固定資産評価額が1,000万円の場合は、4万円といった形になります。このように自分で登記をする場合は上記のような書類が必要となりますが、相続税申告とほぼ同様の書類が必要となるため、相続税の申告まで進んでいる段階であれば書類を集めることは難しいことではありません。しかし自分で不動産登記を行うとなると思わぬ手間がかかってしまったり、時間も思いの外かかってしまうといった可能性が高いです。そのため不動産登記についても、相続税申告のときと同様、専門家に依頼することをおすすめします。不動産登記申請の専門家は司法書士です。依頼している会計事務所に提携している司法書士がいる場合は、相続税申告の際、名義変更の登記申請の必要書類ができている形になるため、専門家への費用が抑えられる可能性もあります。詳細については、会計事務所に相談して提携している司法書士がいるかどうかなどを確認することをおすすめします。名義変更を放置した場合に考えられるデメリット1.相続人各人の環境の変化遺産分割協議をした時点では、話がまとまっていたとしても他の相続人が不慮の事故などで亡くなってしまった場合など、思わぬ展開になることがあります。例えば今回は母と子供2人の相続人3人のケースを考えてきましたが、仮に子供の一方をAとして、Aに奥さんがいたとします。このAが不慮の事故で亡くなった場合は、相続の権利がAの奥さんに引き継がれます。名義変更を放置していると、本来遺産分割協議ではもう一方の子供Bに財産が引き継がれることになっていたとしても、Aの奥さんにも財産を相続する権利があるため、Aの奥さんが財産の分配に反対した場合は再度話し合いをしなければならないといった事態が起こります。このようなケースになってしまうと、遺産分割協議のとおりに相続することができないといった可能性が出てきてしまいます。2.書類の収集が煩雑化してしまう場合がある1のケースのように財産の引継ぎで揉めることはなくても、相続人の人数が増えてしまった場合はどのような問題が生じるでしょうか?例えば今回のケースでは母と子供A、子供Bは全員近所に住んでいたとします。しかし、子供Aが不慮の事故で亡くなってしまい、奥さんと、新たに子供Aと同居していない孫C、孫Dがいたとします。孫C、孫Dが近所に住んでいなかった場合は、それだけで書類のやりとりが煩雑になってしまいます。この上、孫C、孫Dが財産の分配に反対してきたとしたら、余計に手続きが煩雑化してしまいます。このようなケースになってしまうと話し合いの場を持つことも困難でしょう。名義変更は早めに行うべき以上のように、引き継ぐはずだった財産が引き継げなくなってしまう可能性も出てきてしまうのです。このように相続人各人の環境は永遠に不変のものであるとは言い切れません。権利を確定する意味でも、名義変更などの手続きはいつでもできるといって放置せず、なるべく早めに行う必要があると言えます。土地を相続する方法に関するまとめここまで紹介してきたように相続の発生は、人の一生が終了してしまうという重大な出来事であるため冷静に対処することが難しいですが、まずは落ち着いて被相続人の死亡届と遺言書の有無を確認しましょう。その後、相続税の申告を専門家に依頼することと、相続財産に土地や建物などの不動産があれば名義変更を専門家に依頼すれば、まずは一安心ではないでしょうか。流れとしては、被相続人の死亡届、遺言書の有無の確認相続税の申告、納付財産の名義変更といった形です。なお2、3は同時に進めていくことも可能です。詳細は専門家に確認していただくことをおすすめします。本記事が少しでも参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
2019年09月07日こんにちは、婚活FP山本です。あなたは「独身税」を聞いたことがあるでしょうか?ざっくり「独身なら(割増の)税金が発生」というものです。少なくとも今のところ、そんな税金は日本にはありませんが、将来的には分からないかもしれません。もし実施されるとしたら……あなたはどう思うでしょうか?そこで今回は、この独身税について議論の背景や海外の実例、取り巻く可能性についてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。実は日本でも独身税が議論されたことがある!まずは、日本における独身税の背景についてお伝えします。冒頭通り、独身税とは文字通り独身の方にかける税金です。こうすることで独身者に早期の結婚を促すと、少子化対策に繋がるという考えになります。今の日本でも、少子化は深刻な問題ですからね。また「既婚者の負担を軽減する」という目的もあります。結婚すると、特に教育費を中心に独身者よりも支出が増えますからね。既婚者の負担増を独身者に補ってもらいたいというのも税金の理由です。独身者は独身貴族として、少なくとも既婚者よりは余裕があるはずと考えられているのが理由になります。つまり、少子化対策と既婚者支援の一挙両得になりうる策が「独身税」です。どちらも十分な問題ながら効果的な策が中々見つからないため、過去には実際に日本でも独身税が議論されたことがあります。それほど、切羽詰まった状況とも言えるかもしれません。かほく市ママ課のお願いに過ぎなかった…が最近では2017年に、石川県かほく市のママ課(一種のボランティア団体)が、行政との意見交換会で「独身税」を要望したことで議論が再燃しました。「子育てで生活が苦しい。独身者に支援をお願いできないか?」という内容です。結局、実現しませんでしたけどね。あなたは、このママ課の要望をどのように感じましたか?少なくとも、未だに賛否の声があって結論は出ておりませんし、議論さえ進んでいません。もし実際に導入されたら、日本はどのようになるのでしょうね。海外で独身税が導入されたことがあった!次は、海外の実例についてお伝えします。実は海外では、実際に独身税を導入した国がいくつかありました。有名なところでは「ブルガリア」でしょうか。1968~1989年で導入されました。ちなみに導入の理由は、今の日本と同じく「少子化への対策」としてです。その結果は……大失敗となりました。導入前は2.18%だった出生率が1.86%に下がり、さらに結婚数自体も下がってしまったのです。増税で独身者がお金を貯めにくくなり、余計に結婚が遠のく結果になりました。出生率は「形だけの結婚」が増えたため……でしょうか。他にはフランスも有名かもしれません。ただ、どちらも現在は廃止されています。独身税の失敗は他にも原因があるのかもしれませんが、少なくとも上記の理由は十分にありえるでしょう。同じものを日本に導入したら、同じ結末を迎える可能性が高いかもしれません。独身税での結婚は少子化対策にならない?確かに子供を望むなら、まずは前提として結婚があるのは基本です。しかし、結婚したとしても子供をつくるかどうかは別問題と言えます。現に子供のいない夫婦も多いです。前例であるブルガリアのように、偽装のような形だけの結婚が増えるだけかもしれません。また仮に「子ナシ税」のようなものができたとしたら、独身税と同じく余計に子供を育てるお金や気力を失う結果になりかねないでしょう。少なくとも、海外の独身税のままの結婚では、少子化対策にはならないのかもしれませんね。独身税が日本で実現する可能性はゼロではない今度は、独身税が日本で実現する可能性についてお伝えします。結論から言えば、実現の可能性は「ゼロではない」と言えるでしょう。なぜなら「賛成意見も相応にあるから」です。否定意見ばかりならともかく、賛成も多いなら「議論の余地アリ」と言えますからね。そもそも、独身税以上の少子化対策……あなたなら、どんな方法を思いつきますか?「高額な出産祝い金」という手段が言われることもありますが、これはこれで一つの差別ですし財源も問題になります。何も対策を取らなければ、それだけ少子化が進んでしまいますね。既婚者の負担軽減についても、理屈は似ています。必要なだけ消費税を上げるなら、それはそれで問題でしょう。他に有効な策が見つからない以上、独身税が実現する可能性は残ると言えます。憲法違反という理由は変わることもある簡単に言えば、日本の憲法という最高の社会ルールで、国民は「法の下で平等」と保障されています。つまり「不合理な差別は認めない」というわけです。既婚と未婚、子アリと子ナシ、いずれも平等のはずなら、独身税は憲法違反になる可能性が出てくるのかもしれません。しかし憲法も絶対ではありません。直接の変更もあれば、解釈や裁判所の判断などによる変更もありえます。すでに「一定の差」もありますし、これが拡大される可能性もゼロではないでしょうね。年収が低い人ほど結婚すべきなのも事実さらに、独身税の効果である結婚への誘導や既婚者支援についてお伝えします。前者は、基本的にありえません。結婚するもしないも、本人の自由です。また既婚者は自由意志で結婚したはずなので、それで「生活や子育てが苦しい」などと騒ぐのは、自業自得と言えます。……ただ、年収が低い人ほど結婚すべきなのも一つの事実です。最終的に生活に困るのは、むしろ独身者になりますからね。そういう意味で、結婚への誘導は悪いわけではありません。また最終的に支援が必要になるのは独身者だからこそ、まずは既婚者を支援するのもアリと言えます。でないと、同様に自業自得と切り捨てられてしまうかもしれませんからね。結婚したくてもできない人を見捨てるのか?独身税を考える時には、「結婚したくてもできない人」への対処にも悩みます。もはや結婚は、頑張ったら誰もが普通にできることではありませんからね。同様に「本気で年収が低く、上がらない人」も沢山います。だから結婚できない人は、どうやって結婚したらいいのでしょう。少なくとも、皆に結婚を促し、皆で子アリ既婚者を支援すれば良いわけではありません。人も生き方も「多様化の時代」です。ぜひあなたも、あなたなりの意見を考えてみましょう。[adsense_middle]結婚税、独身控除ができる可能性もあるかも?最後に、独身税を考える時の注意点をお伝えします。今のところ、独身税は「独身者負担・既婚者優遇」という方向性です。このため、既婚者ほど独身税を歓迎しがちといえます。しかし今は3組に1組が離婚する時代ですから、「明日は我が身」で考えることも大切です。それに、すでに既婚者は「配偶者控除」「3号被保険者」などで独身者より優遇されています。平等を保つために「結婚税」ができるかもしれませんね。最終的に困るのは独身者だからこそ「独身控除」ができるかもしれません。こんな可能性もゼロではないでしょう。「保育園落ちた。日本死ね」のように、あなたの意見で国が動く可能性もあります。発信はもちろん自由ですが、客観性や思いやりの気持ちは忘れないようにしましょう。目先の税金や損得より長期的ライフプランを!仮に独身税が導入されたら、あなたは独身だったら結婚しますか?結婚税が導入されたら、既婚者なら離婚するのでしょうか?国がどうなるかは誰にもわかりません。ただ大切なことは、目先の税金や損得より、長期的に未来を見据えたライフプランによる判断です。独身税の導入などの可能性も踏まえつつ、しっかり未来を見据えて、結婚を含めた行動を考えていきましょう。独身税はともかく、未婚や少子化は確かな問題独身税はともかく、未婚や少子化は確かな問題です。一方で年収が上がらない事、結婚したくてもできない事、教育費の負担感なども大きな問題といえます。この世は不十分で問題だらけですが、だからこそ国まかせにするのではなく、個人は個人で自助努力に励んでいきましょう。
2019年09月03日生命保険は、死亡などによって保険金が支払われるものから、病気やけがによる治療によって保険金が支払われるものなど様々な種類があります。なお、税法上、受け取った保険金は、税金がかかるものとかからないものに分けられる特徴があるのですが、相続税がかかる生命保険とは、基本的に受け取った死亡保険金の金額や保険契約が大きく関係します。そこで本記事では、生命保険と相続税の関係についてポイントの解説を進めていきます。重要!相続税は、すべての人にかかる税金ではない法定相続人には、配偶者、子供、父母、祖父母、兄弟姉妹など、家族構成や人数が大きく関係しますが、妻や夫といった配偶者は、常に相続人になる決まりとなっています。なお、上記図の計算例では、夫が死亡し、法定相続人が配偶者である妻と子供1人の場合となっており、計算式にあてはめて計算すると相続税の基礎控除額は4,200万円と計算されます。法定相続人には順位が設けられている法定相続人は、法律上、故人の財産を相続できる順位が設けられており、ポイントは以下の通りです。法定相続人には、第1位順位から第3位順位まであり、ポイントは、先順位の人が1人でもいる場合は、後順位の人は相続人にならないところにあります。たとえば、上記図の若草太郎さんが亡くなった場合で長男と長女が生存している場合、法定相続人は、配偶者と子供である長男および長女の3人になります。仮に、若草太郎さんが死亡した時点で両親や兄弟姉妹などが生存していたとしても法定相続人にはあたらず、基本的に財産を相続する権利が発生しません。相続税を考える上で、基礎控除額がいくらになるかが大きなポイント前項の例の場合、相続税は、故人の財産が4,800万円(3,000万円+600万円×3人)を超えた場合に課されると判定することができ、相続税を考える上において、まずは、基礎控除額がいくらになるかが大きなポイントになります。そのため、たとえば、生命保険の受け取った死亡保険金のみをベースに単独で相続税が課されるものではないため、故人の財産をトータルで考えることが極めて重要になるわけです。生命保険と相続税の重要ポイント配偶者=1,500万円-1,500万円×1,500万円÷3,000万円=750万円長男および長女=750万円-1,500万円×750万円÷3,000万円=375万円計算の結果、配偶者に課税される死亡保険金の課税対象は、受け取った死亡保険金1,500万円の内750万円、長男および長女に課税される死亡保険金の課税対象は、それぞれ受け取った死亡保険金750万円の内375万円ということになります。相続税の基礎控除額を超えない場合、相続税がかかることはない若草太郎さんが死亡した場合における相続税の基礎控除額は、法定相続人が配偶者、長男、長女の3人で4,800万円(3,000万円+600万円×法定相続人の数)です。この時、配偶者が受け取った死亡保険金の内750万円、長男および長女が受け取った死亡保険金の内375万円ずつが課税対象となるため、合計1,500万円(750万円+350万円+350万円)が相続税の課税対象になります。この時、基礎控除額4,800万円よりも金額が低いため、結果として、それぞれが受け取った死亡保険金に対して相続税がかからないと判定をすることができます。相続税が課税されるパターンは、基礎控除額を超えた場合相続税が、かからない場合故人の財産合計は6,600万円に対して、故人の債務や基礎控除額を合算した合計金額は6,700万円となっており、これらを差し引きますと、マイナス100万円(6,600万円-6,700万円)です。計算の結果、マイナスになった場合は、0円として取り扱われることになり、このような場合、相続税がかからないことになります。相続税が課税される場合、いつまでに税金を支払いする必要があるのか相続税が課税される場合は、相続税の申告期限までに相続税の申告書を作成し、亡くなった人の住所地を所轄する税務署に対して申告書類を提出しなければなりません。なお、相続税の申告期限とは、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行うことになっており、たとえば、1月10日に死亡した場合、その年の11月10日が申告期限になるイメージです。ちなみに、相続税の納付は、原則として申告期限までに金銭で納めることになっておりますが、延納や物納といった制度によって納付することもできます。相続税を納めている人の現状国税庁が公開している最新の統計データによると、2017年度に相続税が課税された人の割合は、8.3%となっており、さほど多くないことが分かります。相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられた法改正があってからは、相続税を納める人の割合が4%台から8%台に増加しているものの、それでも、全体的に見ると、相続税を納めなければならない人というのは、ごく僅かであることが見て取れます。相続税の納税金額を見ると、全体的にかなり高額であることも分かり、相続税は、自分とはご縁のないものと感じるのも無理のない話です。とはいえ、特に、不動産や上場株式をはじめとした金融商品は、故人の財産を評価する際、専門的な知識がなければならず、安易に考えることは、リスクが伴う場合があります。仮に、不動産や金融商品を多く抱えている場合は、税理士を通じて財産評価や相続税対策をしておくのが望ましいでしょう。まとめ生命保険の契約状況と受け取った死亡保険金額によって相続税がかかる場合とかからない場合があります。ただし、相続税は、故人の財産から故人の債務や非課税金額、基礎控除額を差し引くことで、はじめて、相続税がかかるのか、かからないのかが判定できるものとなります。そのため、生命保険のみの単独で判断できるものではなく、全体的な財産状況と債務状況を把握することが必要になることを理解しておく必要があります。
2019年08月18日相続について親子間で話し合うのは難しいと感じている人は少なくないようです。自分たちの「貯蓄」や「資産運用」の考え方が親と違うために、もめごとになったり、親の相続資産を自分たちに与えてもらえないのではないかという不安を解消するために知っておくべきことをご紹介します。■ 1.相続トラブルは資産がない家の方が多い相続に関して「うちは資産がないから争いにもならないし、相続税も支払わなくても大丈夫」と思っている人はいませんか?意外に思うかもしれませんが、そのような家庭の方が相続トラブルは起こりやすいのです。1-1なぜトラブルが起こるのかST8818 / PIXTA(ピクスタ)両親のうち父親が亡くなった場合に、資産は自宅と土地とわずかな銀行預金だけで、母親が自宅に死ぬまで住み続けたいと思っているというケースは多くあります。そのような場合、資産がない家庭だと不動産を現金化できないため、法定相続分通りに遺産を分割しにくくなります。また、民法が改正され、今年から「配偶者居住権」という法律が新たに加わりました。これは、「相続開始時に被相続人所有の建物に居住する配偶者が、相続開始後、終身その建物を無償で使用することができる」という権利です。法定相続分通りに遺産分割しても、母親が自宅に住んでいるのであれば、相続した子どもが売却や賃貸で収益を得ようとしても、現実的には難しくなります。このような理由から資産が少ない家庭の方が相続トラブルになりやすいのです。いくら遺産が少なくて兄弟の仲がよくても、お金を目の前にして不公平感を感じると、相続が「争続」になるケースはどこの家庭にも潜んでいます。1-2相続について話し合っておいた方がよいケースは?Tony / PIXTA(ピクスタ)相続について話し合っておいた方がよいのは次の3つのケースです。相続税がかかることがあらかじめ分かっている場合相続税はかからないが、子どもが複数いて、今親が住んでいる家など親の資産を、子どもが均等に分けるのが難しいと予想される場合子どもが相続を受けたくないと思っているものを、親が資産として持っている場合。老朽化した賃貸住宅を親が所有していて、相続を受けても賃貸経営を続けていくことが難しい、売却しても、かえってコストがかかってしまうなどのケースです。相続の相談は切り出しにくいかもしれませんが、お盆で帰省するときや、家族で集まる機会があるときに、話しておくべきです。■ 2.どのように資産を分けたらいいのかHiroS_photo / PIXTA(ピクスタ)相続の場合、遺言書があれば、それが一番優先されると思っている人が多いようですが、実は違います。一般的には、「相続人の合意>遺言書>法定相続分」となり、相続人の合意が一番優先され、別の分け方ができるのです。2-1一番良いのは相続人の話し合いでの合意すべての相続人が話し合い、合意するのが一番良い相続の方法です。そのために、すべての相続人に「相続財産」「法律の定め」「自分の気持ち」を隠さずにすべて正直に話すこと家と土地は、なるべく一人の所有者となるようにすべきことを心がけましょう。最初から正直に話さないと、法定相続分と大幅に割合が異なり、自分が多くもらうことになったときに、ほかの相続人から 「なんとなくあやしい」「何か隠し事をしているのでは」 という不信感がめばえてしまい、ここから争いに発展するのです。また、固定資産税の支払いや、 不動産の維持費の支払いなどが複雑となるため、不動産などの共有名義は避けましょう。不動産をもらう人が、もらわなかった相続人に現金で支払うなどすることで解決できます。2-2生前贈与を検討した方がいい場合もMills / PIXTA(ピクスタ)親の老後の生活資金が確保できている、親が亡くなった後に子どもへの金銭的(現金)な相続をする準備ができている家庭なら、「生前贈与」を考えてもよいでしょう。子どもが自分たちの住宅を購入する際に、親から子どもが住宅を購入する時点で親に生前贈与をしてもらっておくことで、住宅取得資金等の非課税制度や相続時精算課税など、優遇税制の対象になる場合もあるからです。また、住宅購入資金の融資額やその利息分の削減ができるので、資金面で楽になります。■ 3.まとめsasaki106 / PIXTA(ピクスタ)相続が発生する前に親に対してストレートに相続について相談すると、自分の子どもに「あなたはもうすぐ死ぬくらいの歳だ」と言われたようなものと感じ、不快に思われることもあると思います。「もっと年をとったとき今の家に住み続けたいか」など、将来の意向を聞く、相続セミナーに誘ってみるなどの方法で、相続に関して注意を促しましょう。帰省の機会が多い今の季節に、相続のことを話し合うチャンスづくりをしておきましょう。
2019年08月16日兄の連れてきた婚約者は…
妻は看病してもらえないのが普通ですか?
モラハラ夫図鑑